2021年10月04日

◆“高市封じ”岸田人事の激震!

有本 香

 「意外性」なく高揚感に欠ける顔ぶれ…一方で“小石河連合”大粛清も 
有本香氏「選挙意識なら重要閣僚の選択肢あった」 2021.10.1


 自民党の岸田文雄総裁は1日午後、臨時総務会を党本部で開く。党運営
の要となる幹事長には甘利明税制調査会長(72、麻生派)を起用するな
ど党四役人事を正式決定。4日召集の臨時国会で首相指名を受け、同日中
にも「岸田内閣」を発足させる。ただ、固まってきた政権の顔ぶれを見る
と、党内実力者への配慮や、総裁選の信賞必罰、老壮青のバランスなどは
感じられるが、「意外性」がなく高揚感に欠ける。総裁選で大躍進した高
市早苗前総務相(60、無派閥)を2度目の政調会長に登用することに
は、「高市封じ」という見方もある。 

          ◇

 「ノーサイドだ。一丸となって衆院選、参院選に臨んでいこう」「老壮
青のバランスが大事」「中堅・若手の思い切った登用が必要だ」

 岸田氏は9月29日の総裁選で勝利した後、注目される党役員・閣僚人
事について、こう語っていた。

 党四役では、幹事長に麻生派で安倍晋三前首相にも近い甘利氏、政調会
長には総裁選で安倍氏が強く推した高市氏、総務会長には当選3回の福田
達夫衆院議員(54、細田派)を抜擢(ばってき)、選対委員長に遠藤利
明元五輪相(71、無派閥)を登用する。

 また、麻生太郎副総理兼財務相(81、麻生派)を党副総裁に、首相就
任後の組閣で、官房長官に松野博一元文科相(59、細田派)を起用する
方向で検討している。

 岸田氏としては、甘利氏と麻生氏、細田派出身の安倍氏という「3A」
を取り込んで、党内基盤を盤石にする狙いがありそうだ。

 いずれも「無難」で「地味」なうえ、高市氏の政調会長起用は微妙だ。
党の政策を取りまとめ、衆院選の公約づくりを担う重要な立場だが、高市
氏には「重要閣僚での起用」も期待されていたからだ。「高市封じ」と見
る向きもある。

 ジャーナリストの有本香氏は「今回の総裁選で、高市氏の政策やビジョ
ンに共鳴した人々は多かった。重要閣僚を十分任せられる人物であり、過
去に経験のある政調会長への起用は、やや残念だ。衆院選で動きにくくな
る可能性もある。選挙を意識するのであれば、重要な閣僚ポストに起用し
てインパクトを与えるなどほかの選択肢もあったのではないか。岸田氏
が、高市氏が外相や官房長官などで経験を積み、力をつけることを嫌った
のではないかという、うがった見方もできる」と語った。

 一方、広報本部長には、総裁選の決選投票で敗れた河野太郎行革担当相
(58、麻生派)を充てる方針という。河野氏は、外相や防衛相などの重
要閣僚を経験しているだけに「格落ち」というしかない。

 河野氏は今回の総裁選で、持論の「女系天皇容認」「脱原発」を封印し
たうえ、「パワハラ問題」や「年金改革による消費税大増税」「親族企業
と中国との関係」などが次々と発覚した。

 知名度のある小泉進次郎環境相(40、無派閥)と、石破茂元幹事長
(64、石破派)との「小石河連合」が注目されたが、結果は「全力で河
野さんを応援して負けました。完敗に近い」(進次郎氏)だった。

 今後、「小石河連合」はどうなりそうか。

 政治評論家の伊藤達美氏は「河野氏は総裁選の討論を通じて、欠点が浮
き彫りとなった。そうした背景も反映された人事だろう。ただ、メディア
に露出して自民党の意見を発信する広報本部長は、河野氏の欠点をカバー
するいい機会ではないか」といい、進次郎氏と石破氏について続けた

 「進次郎氏はこれまで、もてはやされてきたが期待に応えられなかっ
た。総裁選で負けた立場としての処遇を受けるだろう。石破氏は今回出馬
を見送ったことで、次の総裁選に出馬する見込みは低まったはずだ」

 このほか、党役員人事では、組織運動本部長に小渕優子元経産相
(47、竹下派)、幹事長代行に梶山弘志経産相(65、無派閥)を据える。

 ◆伊藤氏「老壮青のバランスが取れた」

 閣僚人事については、麻生氏の後任の財務相に鈴木俊一前総務会長
(68、麻生派)が浮上しているほか、茂木敏充外相(65、竹下派)の
続投が取り沙汰されている。

 総裁選で、河野氏を推した菅義偉首相(72、無派閥)や、歴代最長と
なる幹事長在職5年超で自派優遇に不満の声が出ていた二階俊博幹事長
(82、二階派)の周辺については、1日朝時点で、目立った起用はない。

 まさに、「信賞必罰」を感じるが、現時点での岸田人事をどう見るか。

 前出の伊藤氏は「自民党の伝統的な『老壮青のバランスが取れた人事』
という印象を受ける。菅政権で重用された菅首相や二階氏の周辺は、岸田
政権での起用は減りそうだ。衆院選を見据えれば、知名度のある人物を積
極的に起用して、もっと派手にする選択肢もあるかもしれないが、選挙は
最終的には候補者自身の努力が結果を左右するものだ」と語っている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
夕刊フジ【zakzak】ニュース 採録


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◆「富裕層叩き」で大打撃

中国恒大危機に青ざめる日本企業トップ3は?習近平の「富裕層叩き」で
大打撃=栫井駿介
2021年9月28日ニュース


中国の恒大集団という会社が経営破綻の危機に瀕しているということで、
市場では話題になっています。これがもし破綻してしまうようなことにな
ると、中国市場における不動産バブルの崩壊、中国における景気の後退と
いうことが懸念されます。今回は日本企業でそれらの影響を直接的に受け
そうな企業というのを、ピックアップして紹介しておきたいと思います。
すぐにそのリスクが現れるというわけではありませんが、将来的に懸念が
残るという状況ですので、チェックしておくと、頭の整理がしやすいので
はないかと思います。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫
井駿介)


プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立
鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事
した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第
2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラム
にてMBA取得。
“お金持ち叩き”で民衆を味方に付けたい習近平
恒大集団が倒産してしまうようなことになったら、どういった影響がある
のでしょうか。

まず、そもそもこの中国の恒大集団という不動産会社ですけれども、これ
が倒産の危機に瀕しているのは、必ずしも自発的に不動産事業が悪化した
とか、経営が無理をしたからということではありません。

これは「官製倒産」で、中国の政府が不動産業界に対する引き締めを強め
た結果、銀行が不動産に融資を行うことが難しくなってしまって、この恒
大集団をはじめとする不動産企業の資金繰りが急に苦しくなってしまった
というところがあります。

したがって、これは中国政府によるある種の見せしめ的な部分があるわけ
です。

これによって、中国経済自体が今現時点で何かおかしな状況になっている
というわけではなさそうなんですけれども、倒産することによって見えて
くるのは中国政府、とくに習近平国家主席の意図になります。

この習近平国家主席はいま独裁体制を非常に強めていまして、その独裁体
制を継続させるためには、民衆の支持を確実に掌握しておくということが
不可欠になるわけです。

そのためにやっているのが、この恒大集団前会長のような金持ちで、派手
な金遣いをやっていた者を習近平は目の敵にして、彼らを懲らしめること
によって、民衆の批判をそちらに向けようとしているわけです。

また同時にいま中国は不動産バブルとなっていますから、それによって家
を買えない人たちがどんどん出てきているわけです。

その状況を打破して不動産価格を下げることによって、民衆の支持を得る
のと同時に、不動産バブルだということも確かですから、バブルの崩壊に
よる経済の悪化、かつての日本の不動産バブル崩壊のような状況になって
しまうのを事前に防ごうとしている節があります。

これがこの恒大危機の主要な論点だと私は考えます。

リーマン・ショックのようにはならない
これが一部ではリーマン・ショックのようになるのではないかと言われて
いるのですが、リーマン・ショックは世界のあらゆる金融機関が、アメリ
カのサブプライムローンと言われる信用力の低い人のために組成した住宅
ローンを、証券化商品としてばら撒かれた事が発端になっています。


今回の恒大集団の負債総額は10兆円と言われているのですが、その大部分
は中国国内の富豪ですとか、個人投資家によって払われているものなの
で、世界全体のリスクは限定的、しかも中国国内に関しても官製倒産とい
うところなので、そのリスクは当然見積もったうえで、大丈夫だろうと計
算をしてやっていると思います。

したがって、リーマン・ショックのようになるリスクは限定的だという風
に考えます。

Next: 不動産価格が下がると高額商品の消費が落ちる?世界経済への影響は
            
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◆「第二のキッシンジャー」は

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月29日(水曜日)
通巻第7068号  <前日発行> 

「第二のキッシンジャー」は、ジョン・ソーントンという人物  密使
役? 中国に六週間滞在し、王岐山、劉鶴らと密談

 バイデン政権発足直後の一月下旬、秘かにワシントンから北京入りした
人物が居る。
王岐山(国家副主席)ほかと面談し、おそらくバイデン大統領からのメッ
セージを伝えた。表舞台ではブリンケン国務長官が、トランプ政権の「ウ
イグル族弾圧は人道にもとるジェノサイドだ」とする路線を継承すると内
外に鮮明にしていた。

 八月にも件の密使は六週間に亘って中国に滞在していた。
この間に、劉鶴副首相ら中国の経済政策のキーパーソンらと面談を重ねて
いた。『サウスチャイナ・モーニングポスト』がすっぱ抜いた(9月29日)。

 「第二のキッシンジャー」的な密使の役割をなしている人物はジョン・
ソーントンである。ゴールドマンサックス元共同会長(99−03年)。
財務長官へGSから政権入りしたヘンリー・ポールソンは明らかな親中
派。そのポールソンが中国との経済協議などで辣腕を発揮していた時代で
ある。

ジョン・ソーントンはGS退任後、北京へ飛んで清華大学教授。その後、
米国へ戻り、ファンドを立ち上げて「バリック・ゴールド」のCEOとな
るが、同時に中国との交渉役で欠かせない人物として、トランプ政権でも
ムニューシン財務長官、ライトハイザーUSTR代表らと一緒に中国との
交渉に当たり、「米中金融円卓会議」の共同議長を務めた。

民主党、共和党に拘らず、トランプ政権下でも舞台裏で活躍する一方で、
全米の大学にある孔子学院のコンサルタントを兼ねた。謎に満ちていると
言えば、確かにそうである。
ソーントンは、如何なる密使役を果たしたのか?

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 東京裁判と朝日新聞によって捏造された「昭和時代は『暗黒史観』」の嘘
     大東亜戦争がなければアジアはいまだに白人の植民地だったのだ

   ♪
渡部昇一『歪められた昭和史』(ワック)
@@@@@@@@@@@@@@@@@

 前にベストセラーとなった本の復刻だが、WILL編集部によって新編
が加わり、編成替えがなされている。前に読んだ人も改めて紐解いても鮮
度は濃い。
 本書の特色の第一は、暗黒と言われた日本近代史の真実であり、朝日新
聞が捏造してきた嘘を白日の下にさらすことにある。
 戦後保守系知識人といわれた猪木政道も林健太郎も『満州国は日本が中
国を侵略して建国した』と転向後も、旧態依然の発言をしていた。なぜな
ら、彼らは戦前のマルクスボーイで、青年時代にそう刷り込まれたことが
染みついていたからだ。
 「満州は明らかに清朝政府(満州民族の帝国)の復活です。満州人の満
州人による満州人のための満州国を作りたかったのだけれども、それをや
る能力が
ないから日本が内面指導したのです。大臣はすべて満州人か、清朝の遺臣
でした。首相だった張景惠は、戦後もずっと日本にたいして友好的な態度
をとっていました(中略)。シナ事変(日華事変)は日本が仕掛けた思わ
されたことです。シナ事変の発端となった廬講橋事件は、冷静に考えれば
日本から発砲するわけはない。当時大本営の参謀本部第一部長は石原莞爾
でした。彼はシナと戦うことには終始絶対反対だった。陸軍の敵はソ連以
外には考えられない。」(32−34p)。
 東京裁判は日本を蝕む梅毒だとどぎつい比喩を言うが、東京裁判史観
は、戦後の知識人を未だに洗脳したままで、北岡伸一に代表される「保
守」のインテリの脳幹を犯している、と渡部氏は、はっきりと人の名をあ
げて批判するから分かりやすい。
 韓国についても、「日本に対する劣等感というのは強いのです」、なぜ
なら「プライドがないからピリピリするのであって、要するに『傷つきや
すいエゴをもっている国』と表現したい」。
 それが日本への剥き出しの敵意となる。
渡部氏はこうも言われる。
 「イギリス人というのは悪口を言われても、あまり怒らない国です。と
いうのは、イギリスを莫迦にする国が莫迦だという意識が彼らにあるから
です」。
 日本人も同様かなぁ。
 次の事実を日本人歴史家は意図的にか、記述を避けてきた。
 「創氏改名は朝鮮人から要求されて、許可したのです。朝鮮人は喜んで
日本名を名乗りたかった。先の戦争では日本の兵隊になりたい韓国人が多
かったのも
事実です。昭和十三年に定員四百人募集したところへ二千九百四十六人の
応募、また昭和十六年には三千人募集したところ十四万四千七百人の応
募、昭和十八年シンガポールが陥落したころの募集では、定員三千人のと
ころへ何と二十万一千九百八十五人の応募、じつに六十八倍の倍率です。
それが全部志願兵です。それなのに、戦争が終わってからわが韓国は戦勝
国なりと言っているのは、いったいどういう神経なのでしょう」
(69−70p)
 戦前の知識人や青年たちは左翼に一度かぶれ、やがて日本の悠久の歴史
に目ざめて転向するのだが、理想とする思想が社会主義だから、戦前の右
翼と左翼は共通していた。
 井上日照は一人一殺を唱えた。「五一五事件、二二六事件を見ても解る
ように、彼らの運動は天皇と彼らとの間にある社会の階層を一気になくし
てしまおうという思想に基づいています。彼らのプログラム(行動計画)
から言えば、天皇や皇室を除けば、左翼の思想とほぼ同じなのです。北一
輝の『日本改造法案大綱』や、大川周明の有存社のプログラムなどを見て
も共産党の発想ではないかと見紛うばかりで、その違いは天皇を認めるか
認めないかという点」だけ。
そういえば三島由紀夫は東大全共闘との激突討論で、「君たちが天皇と言
えば、一緒に戦える」と比喩的に呼びかけたことを思い出した。
          
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラ 
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【知道中国 2281回】       
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港163)

   △
 このように地上兵力では圧倒的優位に立つことになった共産党軍だが、
航空兵力は極めて貧弱であり、北京の制空権を掌握してはいなかった。

 毛沢東は亭子に向かおうと池の畔を歩いていたのか。防空壕を覗き込ん
でいたのか。遠くに霞む北京の街並に目をやっていたのか。その時、彼の
頭の中を過ぎったのは南京からやってきた国民党代表団との和平交渉の進
め方か。逃げ場を失った政敵・蒋介石の処遇か。それとも今夜の演目か。

 やがて毛沢東は警護の兵士に向かった、
 「今夜は京劇にいくんだが、わかっているかい」
 「はい、承知いたしております。すべて手配は完了ずみであります」
 「何時に出発だ」
 「なにぶんにも道路事情がよろしくありませんので、かれこれ1時間ほ
どみていただきたいと思います。6時半の出発ですと、予定通りの到着と
なります」

 その返事を待って、毛沢東はゆっくりと歩きだす。そして、なにかを
考え込むかのように「京劇見物も仕事だ」と、ポツリと一言。

 「京劇見物も仕事だ」──この時、毛沢東は京劇見物に行きたくなかっ
たわけでも、義理や義務で嫌々ながら客席を暖めようとしていたわけでも
ない。いや、それどころか心躍らせていたはずだ。にもかかわらず、この
台詞。おそらく毛沢東はウキウキと高揚する心を身近に在って常日頃から
顔を合わせる兵士たちに気づかれたくなかったのではなかろうか。

この季節の北京では、柳の種がはじけ、中から白い綿のような柳絮が飛
びだし、ふわふわと街を舞いはじめる。

 戦火の止んだ北京の、暮れなずむ大通りを、前後を厳重に守られながら
疾駆する車。後部座席にどっかと座る毛沢東。やがて車は北京のど真ん中
に位置する天安モン近くの長安大戯院の前に到着する。車から降り立った
毛沢東は、右手を軽く上げて会釈する。中国共産党を率いる毛沢東とは、
さて、いかなる人物か。

 満面笑みを浮かべながら、半ば緊張しつつ腰を屈め毛沢東の前に進み出
る京劇の名優をはじめとする興行界の面々。この光景を遠巻きにして眺め
る共産党幹部。その周りを十重二十重に囲む北京市民。彼らの肩の辺りを
ふわふわと舞う柳絮──こんな光景を49年4月の北京で見ることができたな
ら、政治の都である北京の新しい皇帝としては、これ以上の舞台設定はな
かったに違いない。

 この夜、京劇界が毛沢東に供した演目は、45年10月の重慶で毛沢東が蒋
介石夫妻に見せた「覇王別妃」である。虞妃を演ずるのは京劇界の至宝で
あり中国文化の精華と讃えられた梅蘭芳だ。

 朱徳、劉少奇、周恩来、任弼時ら革命の元勲を左右に従え、長安大戯院
の二階正面中央のロイヤル・ボックスに陣取る。中国は、やっと戦争のな
い時代を迎えようとしていた。国民党との内戦にほぼ決着がつき、革命成
就は目前であり、もうすぐ天下は我われの、いやオレのものになる。

 この演目を見れば、誰だって項羽は蒋介石、虞美人は宋美齢、そして項
羽軍を打ち破って天下を統一し漢帝国を打ち立てた劉邦を毛沢東に見立て
るに違いない。

 京劇界による新しい指導者に対する拍馬屁(おべっか)であることはも
ちろんだが、稀代の戯迷である毛沢東が、この日の「覇王別妃」を喜ばな
いわけはなかったはずだ。その先に如何に過酷な運命が待っているかなん
ぞは、国民の誰もが知る由もなかった。

  ▼
(宮崎正弘のコメント)京劇俳優は襲名しますか? というのも、その名
優・梅蘭芳は1982年だったと記憶しますが、子供たちと台湾へ亡命
し、小生、直後に『週刊文春』特派として、インタビューに行きました。
おとこの子が「将来、空軍パイロットになって敵をやっつける」と言って
いたことを思いだしたのです(拙著『中国の悲劇』、絶版)。
at 06:07 | Comment(0) | 番外編
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