2021年10月07日

◆男性論理の国々に囲まれた母性論理の日本

             加瀬 英明
 
 8月に日本の近現代史の研究者がたずねてきて、日本がどうして先の大
戦に突入して惨敗したのか、解明する著作に取り組んでいると、打ち明け
た。幕末のペリー提督の来
寇から説き起していると加えた。

 私がとっさに「天照大御神が弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の悪ふざ
けに気分を害されて、天の岩屋に立て籠られた大騒ぎから始められたら、
どうでしようか。先の大戦に敗れた大きな遠因があると思います」と応じ
たらあっけにとられたので持論を披瀝することを強いられた。

 私に冗談をいったつもりはなかった。昭和の日本にとってもっとも重要
だった10年といえば、昭6(1931)年9月の満州事変から、対米戦争に飛び
込んだ昭和16(1941)年12月までだろう。このあいだ首相が11人も入れ替
わっている。平均して1人、1年在職していない

 天照大御神が高天原(たかまがはら)の岩戸に身を隠されると、八百万
(やおよろず)(無限の数)の神々が額を寄せて、いつ終わるかわからない
協議に延々と耽る。大御神
をはじめ高天原にはリーダーが存在しなかった。

他の主要な国の文化では、まったく考えらえないことだ。

 指導者が不在の国柄

「リーダー」というヨーロッパ語が「指導者」と訳されて、日本語に加
わったのは明治に入ってからのことだ。

「指導者」は多くの明治翻訳語の一つであって、いまの日本で言葉だけが
一人歩きしているが、私たちの精神に根を降ろしていない。菅義偉首相が
辞意を表明したが、明治18(1885)年に近代内閣制度が発足してか
ら、99代目の総理大臣に当たる。伊藤博文公が初代総理大臣だが、平均
すると1人僅か1年4ヶ月しか在職していない。

 日本に政権が存在していても国際的に「政権」と呼ぶに価するか、大き
な疑問がある。

 占領下で連合国が行った、いわゆる東京裁判では満州事変から敗戦まで
の13年間に、日本の指導的な地位にあったとされた39人が、アジアを侵略
した「平和に対する
罪」によって裁かれ、東條英機大将以下7人が絞首刑となった。このあい
だ、15人も首相が入れ替わった。

 東京裁判の訴状によれば起訴された39人が「共同謀議」を行ったが、事
実は39人は巣鴨刑務所の運動の時間にはじめて話し合えたのだった。この
ように内閣が頻繁に交替しては、一貫した戦略もあったものでない。

 閣僚になると入れ替わりが、もっと激しい。平成19(2007)年に防衛庁
が省に昇格してから、今日まで18人の防衛大臣が登場した。1人平均して1
年つとめていない。これでは大臣が防衛政策や戦略を練ることは、とうて
いできない。

 日本には政治がなく、人事しかない 
 日本には政治がなく、人事しかない。

 安倍晋三前総理が首相として返り咲いてから7年8ヶ月後に辞任する
と、憲政史上在職期間がもっとも長くなったが、新聞や雑誌から「長(な
が)すぎた」という批判の声が
あがった。

 米国では大統領が2期8年つとめるほうが多いし、他の諸国で七、8年
が長すぎるといわれることはありえない。

 日本語では明治に入るまで上に立つ者を「頭目、棟梁、重立ち衆」など
と呼んだが、リーダーとまったく異なるものだ。リーダーシップは一人の
リーダーから発する。合議
制によってきた日本にそぐわない。

 一神教の神がリーダーと、従う者であるフォロアーの上下関係に擬(な
ぞら)えてつくられたのに対して、日本は八百万(やおよろず)の社会だ。
「フォロアー」を辞書でひく
と、「信奉者、追随者」と説明されている。

 米国をとれば、大統領の下に課長あたりまで数千人にのぼる政治任命職
(ポリティカル・アポインティ)がおり、全員が大統領の代理人、あるい
は大統領の人格の延長とみ
なされている。

 今年は日本が対日講和条約によって独立を回復してから、69年がたつ。
このあいだ米国の占領下で強要された、とうてい憲法と呼べない現行憲法
を、こともあろうに「平和憲法」と呼んで、1行すら改めず戴いてきた。

世界のどの国であっても独立を回復した後に、前文で自国を腐(くさ)し、
国を守る軍の保有を禁じた憲法に価いしない憲法を改めただろう。どうし
て日本だけが例外なのか

 日本の国柄は母性原理にある

日本では世界のどこよりも平和が長く続いた。特異な国だ

 日本は女性上位の母性原理によって支配されている国である。首相がす
ぐに交替するのも、母親は子供たちに菓子を平等に与えるからだ。

 他国では争いが絶えなかったから、戦いの担い手である男性上位の父性
原理によって成り立ってきた。

 日本のかたくなな護憲主義は、1万数千年もかけて培われた国柄に根ざ
している。1万2000年にわたった縄文時代は、自然の恵みが豊かなために
平和だった。古墳から
戦いによる傷を負った骨が発見されない。

 日本は世界に珍しい「和」を尊ぶ国だ。日本列島の外から集まってきた
多様な諸民族が融合した。神武天皇の即位の勅(みことのり)が、「八紘一
宇(はっこういちう)」――
天の下で差別することなく睦(むつ)むことを求めているが、他国にありえ
ないことだ。平安時代に400年、江戸時代に300年近くも平和が続い
たのも、他国に例がない

 日本語では祖国を指す言葉として、「母国」しかない。ヨーロッパ諸語
にはドイツ語にファターラント(父の国)、英語にファザーランド、独英
語にムターラント(母の国)、マザーランド(母国)があり、フランス語
となるとラ・パトリ(父国)しかない。中国語では「祖国」というが、
「母国」という言葉がない。

 父親ができる子と、できない子を峻別するのに対して、母親は均しく愛
する。男性は競い、女性は安定を求めて変化を嫌い、平和を好む。

 日本では敷地にたつ主な家屋を、母屋と呼ぶ。母堂があって、父堂がな
い。女性の用務員がいない男だけの学校も、母校だ。トラックや乳母車の
ホロを「母衣(ほろ)」と書いたが、武士が戦場に立つ時に後ろ首を守るた
めに、兜のうえからかけた鉄鎖の網のことだ。

 もともと「めおと」は「女男」と書いたが、江戸時代に入って武家が形
だけの男上位の社会をもたらすと、夫婦を「めおと」と読ませた。どうし
て「夫」を「め」と発音で
きるか。いまでも和船に用いる両端が尖っている釘は、女男釘(めおとく
ぎ)と呼ばれている。

 平安時代に日本の外の世界では女性がほぼ全員文盲だったのが、日本で
は女性が文化を担った。今日でも日本文化の背骨となっているかな文字
は、漢字を「おとこ文字」と
呼んだのに対して「おんな文字」といわれて女性が創った

 日本では男が女に甘える、この源は

 日本では男が女に、西洋では女が男に甘える。日本では男が我儘で、西
洋では女が我儘だ。弱い性のほうが我儘になり、強い性が耐える。

日本では男は女性に煽(おだ)てられて、男らしく振る舞う

 西洋では男が男に「男らしくしろ(ビー・ア・マン)」というが、日本で
は女性が男に対して「男らしくしなさい」と叱咤する。

 現行憲法は成り立ちが怪しいうえに、日本の平和が守られてきたのは
“平和憲法”によるものでなく、米国の保護によるものだが、現行憲法が日
本の母性文化に適合してい
るから、日本に深い根を降している。

 男は論理を重んじ、女性は感性によって生きている。男が簡潔に話すの
に、女性は感情に生きるから長い。護憲派は論理を嫌って、感情によって
動いている。

 日本が大戦に敗れると、米国が日本の再興を恐れて、日本から男らしさ
を消去した。女性がいっそう強くなったために、現行憲法が“不磨(ふま)
の大典”となってしまった
のだろう。

 母性論理の日本が恐ろしい父性論理の中国や、韓国や、ロシアと対峙
(たいじ)している。

 日本の女性は男たちを「男らしくしなさい」と、厳しく叱ってほしい



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◆「アフガン総撤退」公聴会

        Andy Chang


AC 論説No.863
アフガン総撤退は米国だけでなく世界諸國の軍事、外交方面に大きな影響
を与えた。にも拘らず米国の
国会で行なわれたアフガン総撤退に関する公聴会は外国のメデイアが一部
しか報道していない。バイデ
ンの失敗はアメリカ開国以来最悪の失敗だが、アメリカのメディアはDeep
State の手先だから詳細を報
道しないのだ。CNNやNBCの報道は事実を捻じ曲げたり、勝手な解釈を加え
たりしている。

国会では9月28と29の両日にバイデンのアフガン総撤退について公聴
会を行った。喚問されたのは
オースチン国防部長、マッケンジー中央司令長官(Central Command、
G3)、ミリー統合参謀本部議
長(つまり参謀総長、G2)の3人である。

公聴会は28日に上院の軍事委員会、29日に下院の同委員会で行われ
た。公聴会はアフガン撤退でこ
のような大失敗が起きた軍部トップの解釈を聞くことだが、アフガン問題
の他にもミリー参謀長が2020
年10月26日と21年1月8日に二度中国の李作成参謀長に電話したことの
諮問会でもあった。

公聴会では真っ先にアフガン政府が二週間で崩壊したことや米軍の撤退作
戦の明らかな失敗などだが、
驚いたことに召喚された3人の将軍がバイデン大統領に少なくとも2500人
の兵士を残すべきだと進言し
ていたと証言したのである。3人とも作戦上の失敗はバイデンが彼らの進
言を聞き入れなかったからと責
任を回避しているように見える。彼らは軍隊がバイデンの命令を遂行した
結果、多数のアメリカ人と家
族を残し、850億ドルの最新武器を残して撤退した責任はバイデンにある
と言っているのだ。

無様な撤退作戦の責任を追求され、辞職を迫られたミリー参謀長は「私は
軍人である。バイデンが私の
意見を聞かなかったために辞職するのは文民統制の規則に反することだ」
と答えた。トランプを裏切っ
て中国に電話した売国奴軍人が文民統制を掲げて責任回避をしたのは笑止
のいたりである。

この証言でバイデンが嘘をついたことが明らかになった。バイデンはアフ
ガン撤退で少なくとも6回の
嘘をついた記録がある。アメリカ国民を一人も残すことは絶対にしない、
最後の一人が帰国するまでは
撤退しない、アフガン政府は崩壊するはずがない、タリバンはアフガン政
府軍と戦えない、アル・カイー
ダは一人もアフガンにいない、などである。

バイデンは誰も2500人の兵隊を残せと進言しなかったとABCの記者に強調
したのである。ABCの
George Stephanopoulosと対談した際に、記者から軍部が撤退を遂行する
ために少なくとも2500人の
兵士が必要と進言しなかったかと聞かれ、バイデンは2回もNOと返事をし
た。バイデンは嘘をついた、
つまりアフガン総撤退の失敗はバイデンの決定によるものだ。でも公聴会
は軍のトップを召喚しただけ
でバイデンを召喚して証言を取ることもできない。

次はミリー参謀長が結論したアフガン撤退は「戦略的失敗」だったという
証言である。アフガン総撤退
はアメリカだけでなくやNATO諸国と日本に大きな影響をもたらした戦略的
失敗である。しかしこれは作
戦上の失敗でもある。撤退に当たって米軍は今になってもアフガンに残留
しているアメリカ人と家族の
人数も知らない。バイデンはもちろんだが軍隊はアメリカ国民をアフガン
に残したまま撤退した責任を
負うべきである。しかも米軍は850億ドルの武器弾薬、補給品などを置き
去りにして撤退したのであ
る。明らかに作戦上の失敗である。

もう一つの大失敗はカブール空港に押し寄せた難民とアフガンから退去す
るアメリカ人の安全を維持す
るため空港の入り口を守護していた米軍がISISーKの自爆テロの侵入を防
げなかったことだ。このため自
爆テロが起きて13人の米兵と180人の難民が自爆テロで死亡した。しかも
自爆テロの翌日に米軍が報復
作戦でドローンを使ってISISをミサイルで殺害したと発表したが、実際に
殺害したのは7人の子供と3人
の大人の親米アフガン人だったのだ。

ミリー参謀長が中国の李作成参謀長に2回も電話したことは上院と下院で
厳しく追求された。ミリーは
2020年の10月26日、つまり総選挙の十日前に李作成に電話して「トランプ
は中国を攻撃する気は無い
が、若しも攻撃するようなことがあったら事前に通知する」と伝えたので
ある。トランプの攻撃命令、
それも自分勝手に想像したトランプの暴走の可能性を敵に通達すると約束
した通敵行為、国家反逆罪で
ある。

ミリー参謀長はコットン上院議員の質問に「中国は(トランプが落選で暴
走して)中国を攻撃すること
を心配しているという情報を得た。それで相手に安心させるために電話し
た。これは私の任務である」
と陳述した。上司であるトランプが「中国を攻撃する可能性」があると自
己判断で決めた、その上でこ
の可能性を敵国に通知したのである。文民統制の原則を知っていると自認
しながら上司を裏切って敵に
通達したのである。コットン上院議員がどうして辞職しないかと詰問した
ら答えなかった。

ミリーの二度目の電話は21年1月8日である。1月6日に国会乱入事件が
起きたあとペロシ下院議長が
ミリーに電話して「トランプは気狂いだから核戦争を起こすかもしれな
い」と言ったので、ミリーは「核
攻撃の決定権は大統領にあるけれど、大統領が決定するまでに幾多の手筈
があるから簡単に核戦争を始
めことはできない」と説得したという。

つまりミリー参謀長はトランプが勝手に核戦争を始めることはできないと
知っていた、けれどもペロシ
が心配しているから李作成に電話した。ペロシの電話の後で李作成に電話
したと言って責任回避をした
のである。Dan Sullivan議員に辞職を迫られたミリー参謀長は「私はバイ
デン大統領の部下である」と
答えた。トランプを裏切った男がバイデンに忠誠を示して辞職を拒否した
のである。

ミリーの叛逆罪はもう一つある。公聴会でミリーは中国の参謀長と2度も
電話したことや、その他の軍事
事情をワシントンポストのBob Woodwardに話した事を明らかにした。Bob
WoodwardとRobert
Conchaはミリーから得た情報を使って「PERIL(差し迫った危機)」とい
うトランプ批判の本を出し
た。Woodwardは反トランプで知られる記者である。軍人ミリーはトランプ
に叛逆して中国と通じてい
たことやその他の軍事情報を新聞記者のウッドワードに洩らしたのである。

少し長くなったが簡単な結論を述べる:
1。公聴会では数人の民主党議員が彼らを弁護していた。ある議員はトラ
ンプがミリー参謀長を任命し
たからトランプの責任だと言い、ある議員はアフガン問題は20年ブッ
シュの責任だと言った。
2。バイデンの嘘が明らかになったが議会はバイデンを裁けない。
3。バイデンはミラー参謀長の反逆罪も調査する気がない。ミラーを裁判
にかけるのは難し
4。公聴会の結果は事態の揉み消しに終始している。アフガン失敗の調査
は尻つぼみになるだろう。
5。ミリーの反逆には多くの疑問がある。この次の記事で詳しく分析する。


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◆雀庵の「常在戦場/91 効き目ある“サナダムシ戦略”」

         “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/371(2021/10/2/土】小生はカール・マルクスに
洗脳されて除染に苦しんだが、今はマルクス・ガブリエル著「世界史の針
が巻き戻るとき」に苦しんでいる。

<マルクス・ガブリエルは2009年7月に史上最年少の29歳でボン大学教授
に着任し、認識論・近現代哲学講座を担当すると同時に、同大学国際哲学
センター長も務めている。過去にはカリフォルニア大学バークレー校の客
員教授も務めた。

複数の言語(ドイツ語、英語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、
フランス語、中国語)を自在に操り、また古典語(古代ギリシャ語、ラテ
ン語、聖書ヘブライ語)にも習熟している>(WIKI)

「読者は予めかなりの関連知識を有していることが求められる」とも“警
告”があるから、一種の異能、異才、小生が苦しむのも当たり前か。最近
「天才哲学者マルクス・ガブリエルが語るコロナ後の未来と倫理」という
インタビューが YouTube で紹介され、内容がWIKIにもあった。こう語っ
ている。

<「新型コロナ前の世界に戻りたい」は、絶対に不可能だ。コロナ前の世
界はよくない。私たちは開発速度があまりに早すぎたため、人間同士の競
争で地球を破壊した。2020年に起きたことは最後の呼びかけだった。自然
が「今のようなことを続けるな」と訴えるかのようだった。「新型コロナ
前の世界に戻りたい」という願望があれば、それは間違いだ。

非常に裕福な人たちは、コロナ危機で稼いでいる。得た利益をパンデミッ
クで苦しんでいる人や国に分け与えるべきだ。コロナをきっかけに、世界
の価値観の中心が倫理や道徳になるべきで、私はこれを「倫理資本主義」
と呼び、ポストパンデミックの産物になりうると考える。

環境問題や貧困など世界的な問題は、グローバル経済が過度に利益を追求
し過ぎた結果だと考える。増えた富は倫理観に基づき再配分するが、これ
が完璧なインフラだ。倫理と経済は相反するものではない。富とは富を共
有する可能性で、他者のためによいことをする可能性だ。

人類は連携すべきだが、現実は分断している。アメリカと中国いずれの国
も世界を支配するとは思わない。その点では超大国は存在しない。単に力
のある国家が存在するだけだ。

絶対的な覇権への幻想など気にせずに今までとは異なる組織が必要だ。新
しい啓蒙思想を作るためには同盟関係を結ぶべきだ。

パンデミックは何事も可能だということを示した。世界的なロックダウン
など、不可能だと思えることが現実に起きた。不可能に見えるが、国々が
連携し、二極対立をしているアメリカと中国よりも強力な同盟を構築すべ
きだ。両国は善良なことはしていない。兵器に対する潜在的な対立を形成
している。だから両国の間かその周辺で第三の方法を探さねばならないと
考えている。

自由民主主義に代わるものがあるとは考えていないが、ロックダウンは民
主的な政策ではなく、ワクチン接種こそが民主的政策だと考えている。コ
ロナ危機に対し、民主主義よりも効率的な解決策を講じた制度があると思
うのは幻想だ。問題はウィルスが生物学的現象だということだ。法律では
ウィルスを制御できない。どう行動するかが問題だ。

ヨーロッパの死者数は100万人をはるかに超えたが、それでも民主主義は
健在だ。共産党の独裁主義が民主主義国家よりもうまく対処したとはいえ
ない。中国のプロパガンダに過ぎない。将来について、啓蒙思想、すなわ
ち倫理や哲学が勝つと考えている>(以上)

2つの世界大戦で世界は「戦争はこりごりだ」と国連(United Nationsな
のだから連合国機構とかに訳すべし)に「啓蒙、倫理、哲学による戦争抑
止機能」を期待したのだろうが、70年ちょっとしか過ぎていないのにその
機能は大きく揺らいでいる。理念が良くても人類は地球に登場してから
ずーっと戦時と平時を繰り返してきたのだから、死屍累々の戦争や疫病蔓
延を根絶することはできやしない。

ペスト(14世紀の欧州人口半減)やコレラ(日本の幕末、文久2/1862の流
行では麻疹/はしかの流行も加わり江戸だけで23万人以上(7万人とも)が
死亡)と比べれば、医療の発達により現在のコロナ禍なんぞ危機でもなん
でもない。実際に「新型コロナウイルスの累計感染者は世界で2億3363万
人、死者は477万人」(日経2021/10/1データ)。死者は世界人口75億人の
0.6%、しかもそのほとんどは現役世代を終えた老人だろう。日本の死者
は0.02%、金メダルの優等生だ。

現在の世界は「最強ウィルスの中共との戦争」が喫緊の課題である。これ
は哲学や宗教ではなくリアルな観察と予想、理想系や夢想系ではないリア
リズムだ。この世は「悪い予感はよく当たる」(太宰治)のである。

どうも小生はドイツ人というのが分からないが、「理想は理想、現実の対
処はリアリズムで考える」という現実主義の能力が弱いのではないか。

明治維新からの日本の国造りにおいてドイツ、特に宰相ビスマルクは大き
な影響を与えたから、日本人はついこないだまで「ドイツ人は優秀だ、ド
イツ製の工業製品は世界最先端だ」と敬意を表していたものだ。まあ、片
思いだろうけれど。

宰相ビスマルクはバラバラだったドイツ民族を統一したが、言論統制とい
うか異端を許さない民族性、「我こそ正義」病を蔓延させたような気配が
ある。



<ビスマルクは1862年にプロイセン国王ヴィルヘルム1世からプロイセン
首相に任命され、軍制改革を断行してドイツ統一戦争に乗り出した。1867
年の普墺戦争の勝利で北ドイツ連邦を樹立し、ついで1871年の普仏戦争の
勝利で南ドイツ諸国も取り込んだ統一国家「ドイツ帝国」を樹立した。プ
ロイセン首相に加えてドイツ国首相も兼務し、1890年まで強力にドイツを
指導した。

文化闘争や社会主義者鎮圧法などで反体制分子を厳しく取り締まる一方、
諸制度の近代化改革を行い、また世界に先駆けて全国民強制加入の社会保
険制度を創出する社会政策を行った。卓越した外交力で国際政治において
も主導的人物となり、19世紀後半のヨーロッパに「ビスマルク体制」と呼
ばれる国際関係を構築した>(WIKI)

「文化闘争や社会主義者鎮圧法などで反体制分子を厳しく取り締ま
る」・・・当時は欧米でも「自由民主人権法治」が定着していない時代
だったのだろう、ビスマルクは「文化大革命」の元祖のような「文化闘
争=Kultrkampf」で苛烈なカトリック迫害を行った。伊藤貫著「歴史に残
る外交三賢人」から。

<この迫害によって数千人の司祭が懲役刑もしくは国外追放処分を受け
た。カトリック関係者は全ての教育制度から排斥され、政治問題に関する
意見を述べることすら禁止された。イエズス会は国外追放され、カトリッ
クの修道院もすべて閉鎖された。信じがたい蛮行であった。

しかしドイツ議会の多数派であった国民自由党と、当時のドイツの金融業
とマスコミを支配していたユダヤ人たちは、この「文化闘争」に大喜びし
ていた。ドイツの“リベラルで開明的”な政治家と言論人たちは、ドイツ帝
国内の宗教的な少数派である“知的・道徳的に劣るカトリック”が言論の自
由、宗教活動の自由、政治行動の自由などの基本的人権を剝奪されたこと
を歓迎していたのである>

で、伊藤先生、ドイツはどうなったのですか?

<この熾烈な文化闘争はドイツ国内のカトリック勢力を弱体化させるのに
は何の役にも立たなかったが、ドイツ国民全体のキリスト教に対する不信
感や侮蔑感を強めるには大きな役割を果たした。過去1600年間、西欧文明
の基礎となって来たキリスト教的な世界観と人間観を、1870年代以降、多
くのドイツ国民が失っていったのである。

そして形而上的な価値規範を持たなくなったドイツ人は、物質主義、技術
崇拝主義、社会主義、共産主義、ニヒリズム、覇権主義、ファシズム、ナ
チズムなどの「粗悪なイデオロギー」に惹かれていった。

ちなみに欧米諸国の“リベラル”な知識人や“進歩的”ユダヤ人がカトリック
に対して露骨な侮蔑を剝き出しにするのは21世紀になっても続いている現
象である>

我が母は「人は好き好きケナスは野暮よ、イワシの頭も信心から」とよく
言っていたが、多神教の日本に生まれてホント、良かったと思う。それに
しても「文化闘争」という言葉は2004年までアメリカの自由主義者(民主
党)と保守主義者(共和党)の両方に広く使われていたという。先の米大
統領選はプロテスタント原理主義 vs 無宗教・共産主義みたいな面もあっ
たから、「文化闘争」はこれからも続きそうだ。

「粗悪なイデオロギー」は一種の麻薬か宗教か、はたまた主義思想か、ド
イツ人は相変わらず大好きなようである。「ドイツ総選挙、16年ぶり社民
党が第1党 連立行方は混沌」日経2021/9/27から。

<26日投開票のドイツ連邦議会選挙(総選挙)は中道左派、ドイツ社会民
主党(SPD、社民党)が、メルケル首相の所属する中道右派、キリスト教
民主・社会同盟(CDU・CSU)に僅差で勝利した。社民党は16年ぶりに第1
党となるが、過半数には及ばず、誰が後継首相になるかは連立協議次第
だ。協議はかなりの時間がかかるとみられ、行方は混沌としている。

選挙管理委員会の暫定最終結果によると、社民党が25.7%(前回2017年は
20.5%)で、CDU・CSUの24.1%(同32.9%)を上回った。環境政党の緑の党
が14.8%(同8.9%)、産業界寄りの自由民主党が11.5%(同10.7%)、極右
のドイツのための選択肢が10.3%(同12.6%)、旧共産党系の左派党が4.9%
(同9.2%)で続く>

「ドイツ総選挙、瀕死のSPD(社民党)が蘇り『左派政権』誕生の可能性
大 誰がこんなことを想像しただろう」と在独の川口 マーン 惠美氏は嘆
いている(現代ビジネス9/24)。

<ドイツとEUを変えたメルケルの功罪・・・肝心のメルケル氏だが、全国
で自党の議員たちが苦戦しているというのに、応援にも出ない。ところ
が、8月30日には、グリーンピースの創立50周年式典に出席して、力強い
お祝いのスピーチをしていた。これには、皆、唖然。

グリーンピースは世界的なネットワークだが、その活動は合法の領域を飛
び越え、ほとんど極左のそれと見紛うものも多い。そういう組織のお祝い
に、自党が焦げ付いている選挙戦の真っ最中、現職の首相が駆け付け、彼
らの「功績」を褒め称えたのである。

私は前々から、ヨーロッパで一番大きな保守党CDUを率いるメルケル氏
は、実は社会主義者であると唱えてきたが、氏は今や、それを隠そうとも
していない。16年間のメルケル政権の終わりに、ヨーロッパの真ん中に脆
弱化した保守党が残されたが、これは決して偶然ではない。

3月、拙著『メルケル 仮面の裏側』で、私は東独時代のまだ政治家ではな
かった頃より現在までのメルケル像を詳しく追った。1989年、消えゆく東
ドイツの混沌の中で誕生した謎の人物は、30余年かけて、ドイツを、そし
てEUを変えることに成功したのではないか。

メルケル氏の過去は、追えば追うほど、まるでサスペンス物のようなスリ
ルがある。一つ確実に言えるのは、もし、メルケル氏が(保守党CDUでは
なく)最初からSPD(ドイツ社会民主党)にいれば、ドイツはここまで簡
単に左傾化しなかっただろうということだ。



選挙が終わった後、連立交渉は長引くだろう。今年中に片付くかどうかも
疑問だ。来週からは、政治そっちのけの、ピュアな権力闘争と権謀術数を
見物することができるはずだ>

保守党(組織)に静かに潜り込んで、やがては保守党(組織)を乗っ取
り、利用する・・・革マル教祖、黒田寛一の「サナダムシ戦略」。立民の
枝野も民主党に潜り込んで民主党を乗っ取ったと小生は思っているが、こ
れは今でも十分使える手法だろう。

習近平はボンクラを装って海千山千の党長老他、みーんなを油断させて14
億の帝国を乗っ取ったのだから大したものだ。親父の習仲勲は「目立つ
な、好人物を装え、さもないと俺のように叩かれる」と訓示していたに違
いない

サナダムシ戦略、武士道にもとる嫌らしい感じの技だが、悪貨は良貨を駆
逐する、日本でも大いに流行しそうだ。屋山太郎 日本戦略研究フォーラ
ム会長・政治評論家「自民党中枢に食い込む親中派――中国観を改めよ」
2021/9/29から。

<日本の親中派は「日米安保条約で日本は安泰なのだから、日本は中国と
仲良くし、米中の間を取り持たなくてはならない」という。米国におため
ごかしを言いながら、日本は中国と仲良くして利益を得ようという発想で
ある。

その代表的な派閥が宏池会である。93年、河野洋平官房長官が根拠のない
「官房長官談話」を出したが、この時の総理が宮沢喜一氏である。

麻生太郎氏や河野太郎氏は一時この宏池会に籍を置いたが、なじめないの
で宏池会から脱会した。しかし河野太郎氏の対中観は父親と全く変わらな
いのではないか。

その理由として河野家は中国に太陽光パネル関係の会社を3社持ってい
る。菅首相が進めた脱炭素事業は2030年には現在56%の火力発電を41%に下
げる内容になっている。河野氏は表ではカーボンニュートラルの騎手気取
りだが、実は日本で減らした熱エネルギー分を中国の太陽光パネルを買っ
て調達しなければならない。

日本の太陽光パネル業者はあらかた中国に敗れて中国が世界の8割のパネ
ルを作っているという。「国策だ!」と言って、中国の自分の会社から買
うこともあるだろう。古来日本では政治家は商売をしないのが決まりだと
だけ言っておく。

中国の王毅外相は、ある会合で岸田文雄氏を見つけて別室に連れ込み「君
は宏池会じゃないか」とささやいたという。もう少し中国をかばってくれ
ということだが、事ほど左様に自民党中枢に親中派が食い込んでいるのだ。

中国はウイグル方式でチベットなど周辺民族を漢族に同化させてきた。自
治だけでは不安だから押しつぶして合併するのは共産主義の方式で、その
おかげで75年続いてきた。しかしこの方式は「ここまででよし」とする限
界がない。中国が揺らぐまで我々が頑張るしかないのだ>

産経の“レッドスワン”黒瀬悦成ワシントン支局長は10/1異動で日本本社勤
務になった。多分、閑職。彼はやがて退職してアカ系の組織、例えば地方
の大学とかに移るか、それとも週刊金曜日か。赤色脳の除染は「これまで
の自分を否定する」ことでとても苦しいが、それをしなければこれからの
人生はただの余生になる。黒瀬クン、再起三起を目指せ! 安西先生曰く
「あきらめたらそこで試合終了」。
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