櫻井よしこ
日本ルネッサンス 第973回
日本共産党の志位和夫委員長は10月25日、BSフジの「プライムニュー
ス」で、中国との向き合い方について、日本は軍事力を増強するのではな
く話し合いで対処すべきだと主張した。その上防衛費は今より1兆円も削
減すべきだとも語った。
共産党の的外れは甚しい。志位氏はきちんと現実を見よ。中国が南シナ海
でフィリピンの島を奪ったとき、フィリピンは国際仲裁裁判所に訴え出
た。国際仲裁裁判所の判決は全面的にフィリピンの主張を認め、南シナ海
やフィリピンの島々を自国領だとする中国の主張には国際法の根拠も歴史
的事実としての根拠もないと断じた。
同判決を、しかし、中国は「紙クズ」と罵り、今日に至るまで南シナ海で
の蛮行を続けている。このような中国と話し合いで問題を解決するという
志位氏の主張は意味をなさない。おまけに日本共産党は綱領で日米安全保
障条約の廃棄と事実上の自衛隊の解消を謳っている。
なのに日本国を危うくする共産党と立憲民主党が共闘して、衆院選を有利
に展開しているそうだ。有権者は志位氏や共産党、立憲民主党に騙されて
はならないだろう。
10月23日、中国国防省は、中露の海軍艦艇10隻が17日から23日まで1週間
かけて海上合同パトロールを実施したと公表した。わが国の防衛省統合幕
僚監部も同日、中露両軍10隻の動きを写真と共に公表した。それを見る
と、合同パトロールの実態はわが国をぐるりと周回しつつ、対潜水艦ミサ
イルの発射訓練や艦載ヘリの発着艦訓練などを行う紛うことなき軍事的示
威行動だった。
中露両軍は18日に津軽海峡を通過、19日、東北沖で対潜水艦ミサイルの発
射訓練を実施、20日には千葉県犬吠埼沖で日本領土に130キロまで接近し
た。21日、伊豆半島沖で艦載ヘリが発着艦した。22日、高知県沖を通過
し、大隅海峡を通って東シナ海に入った際も長崎県男女群島沖で中国軍の
ミサイル駆逐艦が艦載ヘリコプターの発着艦を行った。
中国人民解放軍(PLA)海軍からは駆逐艦「南昌」など5隻が、ロシア
の太平洋艦隊からは大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」など5隻が、ま
た両軍から艦載ヘリ6機などが参加した。彼らは日本周回に入る前の
14〜17日まで、ウラジオストク沖の日本海で合同軍事演習を実施した。ま
た中国軍と分かれたロシア軍は対馬海峡から日本海に入り北上を続けている。
米国に対抗し、日本に警告するために彼らは殊更、軍事力を誇示する。中
露が最初に大規模軍事訓練を行ったのは16年前の8月だった。ウラジオス
トク沖の日本海で戦後初の中露両軍による1万人規模の演習をしたのだ。
中国がロシアにもちかけて実現した同演習で最も注目されたのが、3日間
続いた山東半島での訓練だった。空爆を加えながら沿岸部から内陸部へと
兵力を投降下させていったが、それは明らかに山東半島を台湾に見立てた
上陸訓練だった。
日本を狙う精密誘導兵器
次に世界の耳目を集めた合同軍事演習は18年9月の「ボストーク2018」
だ。兵力30万、軍車輌3万6000台、航空機1000機、軍艦80隻の大規模演習
には中国軍の他、モンゴル軍も参加した。中国軍がロシアの国土で軍事演
習をしたこと自体、重要な変化ととらえられた。
また米国の軍事専門家、トマス・シュガート氏が明らかにしたように、中
国内陸部には、日本の嘉手納、横須賀、三沢の三基地を模したターゲット
が造られており、PLAはそこに向けてミサイルの実射試験を行ってい
る。横須賀に停泊中の艦艇、三沢や嘉手納のハンガーや駐機場まで再現さ
れており、ピンポイントで弾道ミサイルが撃ち込まれた跡がある。中国は
日本を狙って、精密誘導兵器で個々の艦や航空機まで殲滅する訓練をして
いるのである。
中国及びPLAの研究で知られる米戦略予算評価センター上席研究員のト
シ・ヨシハラ氏は、中国は大海軍国家への道を非常に賢く歩んできたと指
摘する。即ち、国際社会に疑われないように注意深く力をつけてきたとい
うのだ。
中国が海軍力に目を向けたのはケ小平の時代だ。ケは中国海軍の父と言わ
れる劉華清を重用し、息の長い戦略を継続してきた。今や世界第二の軍事
大国にのし上がった中国は、海上権力についての輝ける理論家、アルフ
レッド・セイヤー・マハンから大いに学んだ。
海上権力が帝国を支える最大の力であることを理論化したマハンは、ある
国がシーパワーとなるには二つの重要な要素、国民性と政府の性質が必要
だと説いた。中国はマハンの教えに基づき、艦船や潜水艦、戦闘機などを
大量に造りつつ、その一方で中国の国民を「海軍の冒険支持へと誘導する
ように、公然、猛然と努力してきた」とヨシハラ氏は書いている。
第二の毛沢東
06年12月、第10回海軍党代表大会で胡錦濤主席は「我が軍の歴史的使命を
新世紀へと引き継ぐための要求に応えられる強力な人民解放軍を構築」
し、「中国的特徴を持つ軍事問題の革命的要求に沿って、海軍構築の全面
的変革をもたらす」と宣言した。同路線は習近平主席に明確に引き継が
れ、更に強化された。国民に中国の在るべき姿は海洋大国だと教育すると
共に、中国は世界を主導すべき偉大なる国家だと教えこんでいる。
中国で国民に対する徹底した愛国主義教育が進行中なのは明らかだ。米国
や日本で見られる若手アイドルをもてはやす「軟弱な」文化を排除し、中
国共産党を唯一絶対の存在として尊敬し、従うよう14億の国民に価値観の
統一を求めている。この行きすぎた愛国教育は最悪の場合、国民を対外強
硬策へと走らせてしまいかねない。
ヨシハラ氏はPLAの軍事戦略、とりわけ海洋戦略は毛沢東の積極防御ド
クトリンから生まれたと指摘する。毛沢東は膨大な量の軍事著作を残した
が、それらはすべて攻撃的内容だ。敵に対して劣勢な場合に仕方なくとっ
た受動防衛戦術も「見せかけだけの防衛」で、それは反撃して攻撃に回る
ための防衛だと、ヨシハラ氏は分析する。
現代中国の海軍戦略家は毛沢東とマハンの論理を取り込んで、第1列島線
の西側の水域の支配権を米軍から奪い去るのを当然視する。第二の毛沢東
になろうとしている習近平氏の下で、中国がより攻撃的になることは、可
能性として十分あり得ると考えておかなければならない。そんな国際情勢
の下で、日本がいま、すべきことは最大限の国防努力である。自衛隊の解
消、その前に日米安保の廃棄、米軍を日本から排除すると綱領に定める無
責任な共産党になど政治は任せられない。共産党と組んだ立憲民主も信頼
できない。共産・立民に票を投じることは日本を危うくすることに他なら
ない。
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◆パチンコ業界と放置する日本
鈴木 傾城
生活保護でパチンコに行く人を責めるな。問題はギャンブル依存症を生む
パチンコ業界と放置する日本
パチンコという産業がギャンブル依存者を生み出して、生活保護費を吸い
上げているのであれば、これは「日本に必要なのか?」としっかり考える
必要がある。控えめに見てもパチンコ産業はギャンブル依存症を生み出す
元凶である。こうした業界を何とかするのは国の仕事だ。(『鈴木傾城の
「ダークネス」メルマガ編』)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。
もらった生活保護受給の金を握りしめてパチンコに走る姿
新著『どん底に落ちた養分たち』(刊:集広舎)の執筆のために、2020年
の後半はずっとパチンコ関連の取材をしていたのだが、そこで私は今もパ
チンコ依存者が大勢いるということを実感した。
大阪の西成は今や山谷を抜いて日本最大のドヤ街となっているのだが、こ
こでも相変わらず生活保護受給者が受給日になったら、もらった金を握り
しめてパチンコホールに走る姿があった。
働かないで金をもらった人間がギャンブルに金を注ぎ込む。その姿は異様だ。
「生活保護でパチンコ」という問題はずっと批判されながらも、実は今も
続いていることに問題の根深さを私は感じた。
「生活保護者はパチンコ禁止と法律で定められていないのだから別にいい
ではないか」と開き直る人もいる。しかし、法律で禁止されていないから
何をしてもいいというわけではない。
そういう光景を見ると、世間が「我々の税金はパチンコ狂いの人間たちを
ただ飯食わせて遊ばせるためにあるものじゃない」と怒るのは当然の話で
もある。
しかし、生活保護受給者のすべてがギャンブル狂なのかと言えば、まった
くそうではない。
働けない高齢者の家庭、身体障害を持った人、シングルマザーで働けない
母親など、本当に生活保護が命綱になっている人がたくさんいる。
彼らは生活保護を受けることによって、日本で餓死したり絶望の自殺に追
い込まれないで生きていける。それは日本国憲法第25条の「すべて国民
は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」で謳われた権利
なのである。これは奪ってはいけない。
責めるべきはパチンコ業界
誰でも病気にもなれば、怪我もすれば、子どもを抱えて生活に困ることも
ある。いろんな事情で貯金ができないこともある。金を失うこともある。
あるいは、何も持たないで歳を取ることもある。
つまり、誰でも弱者になる可能性がある。
現代社会はどんどん弱肉強食の資本主義に向かっており、富める者はます
ます富み、貧困層は持っているものまで奪われる時代になっている。今は
生活できても、人生は何が起きるか分からない。
仮に自分が一時的にでも弱者になったとき、生活保護というシステムがあ
れば救われる。極度に絶望しなくてもいい。一時的に不遇を囲うことに
なっても、立ち直る余地はある。これは、とても素晴らしいことである。
日本人は、弱者を生活保護で守っていることを誇るべきなのである。生活
保護は、もし万一、自分や家族が弱者になったとき、自分や家族を助けて
くれる国の制度なのだ。
だから、生活保護をパチンコに費やす人間がいるからと言って「生活保護
をなくせ」というのは、責めるべき方向性が違っている。
責めるべきは、パチンコ業界なのだ。
Next: 日本は異常。ギャンブル依存を生み出す娯楽施設が駅前に林立している
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◆欧州議会議員団が台湾入り
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)11月4日(木曜日)
通巻第7107号
欧州議会議員団が台湾入り。
米国艦隊は南シナ海航行を増やし
中国は東シナ海で実弾演習。台湾海峡の波、高し
中国最大の国際関係研究シンクタンクはCICIR(中国現代國際関係
研究院)である。
http://www.cicir.ac.cn/NEW/index.html
直近のペーパーでは、台湾海峡危機のおりに日米にくわえて韓国が加わ
る可能性が高いと警告レポートをだした。
南シナ海では米国、英国、仏蘭西、そしてドイツの海軍艦船が出没し、
とくに米国艦隊は台湾海峡を幾度も通過したほか、毎月のように十数隻の
艦艇ならびに偵察機、艦載機、潜水艦の整合性をみせつける軍事訓練を繰
り返した。
とくに顕著な変化は「実際の戦争を想定した訓練に変質している。従来
は、警告型のパレード的な、威圧感をしめす訓練内容だったから」と専門
家は見ているようだ。
また11月2日、欧州議会の公式訪問団が台湾へ到着した。
これは初めての公式訪問団で議員13名(うち弐名が女性議員)。グ
リュックスマン(フランス=対中強硬で知られる)を団長として、蘇貞昌
首相、蔡英文総統らを表敬し、意見を交換した。
親中路線のドイツが強い系協力を持つ欧州議会だが、基軸に「人権」「自
由」を大切な価値観として民主主義を守るため、中国のウイグルの弾圧を
「ジェノサイド」と決めつけた国が多い。
公式代表団は「サイバー・セキュリティ」と「偽情報」というSNSに
おける情報の管理分析、偽情報への対応などに関しても台湾の議員らと協
議を重ねた。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌の7097号の書評、矢野義招『核抑止の理論と歴史
──核の傘の信頼性を焦点に』(勉誠出版)について。
半世紀前に比較し周辺国間の核戦力のバランスは一変し、米国の核の傘
は名実共に機能しなくなっております。
国際社会は気候変動などという科学的根拠も怪しげな宣伝に惑わされ、
COP26でも脱炭素の目標値を競っているかのようです。その本質は、迫る
米中武力対決の足音を掻き消すためのグローバリストの国際的謀略であ
り、武漢ウイルスと同様に相手国やその友好国の経済と社会の弱体化を図
るための、武力対決の前の非武力戦の一環だと思います。
日本は真正直に受けすぎて国力を消耗すべきではなく、核論議を進めて
自ら引き金を持つ核抑止力を保有すべきだと思います。韓国はSSBN保有に
動き台湾でも核保有論が出ており、米国内でも韓国については保有もやむ
なしと見る見解も出ています。
日本は中朝が占領を目指す韓国、台湾よりも核攻撃目標になる可能性が
高いと、米国などの専門家は見ています。それにもかかわらず、日本には
シェルターもなく核論議すらタブーのままです。MDでは極超音速兵器は撃
墜できません。自ら核残存報復力を持つしか確実で効果的な抑止手段はな
いのです。
その最も有効な手段は日本の地政学的環境ではSSBNです。SSBNは5年間で3
千億円で建造配備できます。年間1.5兆円で4隻を運用できるでしょう。日
本には十分可能ですし、それで戦争の脅威も核恫喝に屈することもなくな
り、北東アジアは安定するのです。米国にとっても日本が核恫喝に屈して
西太平洋の覇権を失うよりも、日本のSSBN保有を認める方が、国益に適っ
ています。
このような議論が国会や有識者の間で真剣に行われるべきです。核保有
こそ30万人の原爆の犠牲者を真に慰霊する道です。何よりも日本人の精神
的自立の証になり、日本人としての誇りも取り戻せます。(YY生)
♪
(読者の声2)貴誌通巻第7104号(読者の声2)で、再度「魏使日本
海経由説」を支持されるご意見を頂きました。確かに日本海沿岸部は縄文
時代から古代にかけて流通の最も盛んな地域で、表日本であったと思いま
す。
しかし、240年と247年の二人の魏使は日本海沿岸部を旅行してはいません。
半島南部の狗邪韓国(釜山付近)・対馬・壱岐・末盧国経由で伊都国
(三雲遺跡)までは確実に到着しています。その先の奴国(比恵・那珂遺
跡)・不弥国まで行っているか不明ですが、いずれも北部九州の範囲です。
更にそこから先の、南に水行二十日の投馬国へ、そしてさらに水行十日・
陸行一月という卑弥呼の居た邪馬台国には行ってはいないと断言できま
す。何故なら
ば、本来、里数で書くべきところが日数表記になっているのは倭人からの
伝聞だと分かるからです。「隋書」に、「倭人は里数を知らず、ただ計る
に日数を以ってす」とシナ人もビックリとの文章がありますから、里程を
日数で表記することはシナ人にとってあり得ないのです。ですから、魏使
は女王への貢物をチェックする役目の一大率が常駐するとされる伊都国ま
ででしょう。魏使は、ほとんど人には会わない女王の代りに政治を輔佐す
る男弟に面会したはずですが、恐らく伊都国に居た男王と思われます。
弥生中期後半から後期前半(二世紀初頭)の奴国時代まで、奴国大王が
王族を伊都国王として配置し、外交・対外交易を管理させていました。三
雲遺跡番上地区から楽浪土器が出土しています。
華僑も出入りしていましたので、そこではシナ語が話され、硯や竹簡を入
れる赤漆塗円筒の一部も出土しています。福岡市の雀居遺跡からは木製の
組み机が出土していますから漢字を読み書きできる倭人が居ました。倭国
の中枢部は、従来考えられていたような文化的に遅れていたイメージでは
なかったのです。
また宮崎先生から「魏志倭人伝は政治宣伝文書とみて差し支えないと思
われます。」とありましたが、全く同感で、そのように確信しています。
(帯方)郡より東南万二千里の海上に邪馬台国が在るとする、明かにデタ
ラメな邪馬台国への行程記事だけを研究者がどのように解釈しても万人が
納得できる結論は得られないとすでに証明されています。むしろ、このよ
うな行程記事がなぜ書かれたかを検討すれば、邪馬台国の位置論は解決に
向かいます。
通巻第7105号(読者の声4)で高柴昭様が考古学的根拠から「邪馬
台国は福岡平野にあった」という説をご紹介されていますが、これは正し
い方向だと思います。しかし、奴国の在った福岡平野が邪馬台国であると
するには、魏志倭人伝に記載された径百余歩の円墳である「卑弥呼の墓」
が福岡平野で発見されていませんし、魏志倭人伝の「女王國東渡海千餘
里、復有國、皆倭種」に福岡平野が該当しません。もしも邪馬台国が福岡
平野であるならば、なぜデタラメな行程記事が書かれたのかなど、さらな
る検討が必要ではないでしょうか。
文字に書かれたものがどこまで真実を述べているかは、考古学や民俗学
などの成果によって検証する必要があります。特に権力者が書かせた正史
は、権力者がその権力を維持するための政治的な理由で書かせますので、
権力者にとって不都合な事実は隠蔽されるか、改ざんされます。
魏志倭人伝は、西晋の史官陳寿が西晋宣帝と諡された司馬懿の功績を称
揚するのが目的で、宮廷の書庫に残された魏使の報告書やその他の文献の
内容などを吟味して撰したものです。卑弥呼の朝貢を絶賛する詔書の全文
を引用していますし、司馬懿が朝廷での権力を握るために不都合な大月氏
の朝貢に絡む西域伝については意図的に削除していますので、このような
陳寿の偏向は明らかです。
勿論、司馬懿の部下であった魏使の報告書の内容は、司馬懿の、倭国に
朝貢させた功績を、それまで曹魏第一等であった曹真の功績である大月氏
の朝貢を超えるものとする意図から書かれていますから、邪馬台国への行
程記事が大げさで、デタラメなものになったのだと分かります。
それではどうやって邪馬台国を見つけるかですが、それには日本の古代
史を解明する必要があります。日本の現存する最古の歴史書と言われる
「古事記」も
正史「日本書紀」も、直ぐには答えをくれません。邪馬台国の卑弥呼やそ
の後の台与の記事が「日本書紀 神功皇后紀」の注に有るだけです。「日
本書紀」の編者は魏志倭人伝や西晋の起居注を読んでいますから、意図的
に史実を隠ぺいしたと分かります(「古事記」は九世紀の朝廷で「日本書
紀」を講義していた多人長(おおのひとなが)が突然表に出したもので
す。序文は人長が書いたものでしょう。本文は「日本書紀」の内容に沿い
つつ独自の話を出していますから、「日本書紀」が隠した史実を一部暴露
するものです)。
「日本書紀」は壬申の乱を勝利した天武天皇が命じて編纂が始まりまし
たが、崩御の約三十年後の720年に、当時の権力者藤原不比等によって完
成されました。ですから、不比等が何をどのように隠したかは、不比等の
目的を読んで推理できます。
不比等は日本の建国で活躍した豪族を抑え、藤原氏だけが権力を維持でき
るように、天皇家さえも貶める内容にしています(大化の改新も虚構だと
分かって来ていますから、中大兄と藤原鎌足は朝廷に歯向かうテロリスト
だったようです。詳しくは拙ブログ「イデオロギーが古代史を歪曲す
る?」でどうぞ)。
ですから藤原氏の悪行を誤魔化すこのようなものは天皇家の歴史書であ
るはずはありません。
国譲り神話は日本建国時代の争乱を神話化したものですが、藤原氏の遠祖
が活躍する神話などを創作しています。拙ブログ「邪馬台国大和説は過去
の学説
だよ!」に掲載しましたが、ヤマト王権は三世紀の初頭に纏向遺跡で始
まったこと、そして九州の倭国(邪馬台国)と対立した狗奴国だったこと
がわかってきました(狗奴国は旧奴国を狗コロの奴国とする蔑称でした。
魏に最初に朝貢した大夫難升米が名付けました。難升米は、二世紀初頭に
奴国王スサノヲを殺し、倭国王となった奴国宮廷楽師の師升の子孫の倭国
王です。司馬懿の策謀に加担して、卑弥呼を倭国女王とし、自らを政治を
輔佐する男弟としましたが、伊都国の男王です)。
日本建国時代の二世紀末から三世紀後半までの戦乱の痕跡を、当時の鉄
鏃・銅鏃の出土状況から発見しました。これによって「日本書紀」で書か
れた崇神天皇紀の四道将軍や景行天皇の九州遠征、日本武尊の遠征などは
この時代の史実を基にした創作だったと分かりました。
よろしければ拙ブログ「鉄鏃・銅鏃の出土状況のデータ共有」
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/d/20210823
をご参照ください。基本的な考え方は「【刮目天の古代史】古代史を推理
する」に記載しました。長々と、失礼しました。 (刮目天)
(宮崎正弘のコメント)邪馬台国論争となると、燃える読者がいらっしゃ
いますね。たいへんユニークなご意見を承りました。往時、梅原猛が「稗
田阿礼は藤原不比等だった。年齢が同じだからだ」と、斯界の哄笑を誘っ
た言説をなしたものでした。中大兄皇子と藤原鎌足がテロリストなら、吉
田松陰も高杉晋作もテロリストとなります。まつりごとの本質はゲバルト
であり、歴史はともかく勝者の歴史です。
なお邪馬台国論争はこの辺で打ち止めとしてください。
♪
(読者の声3)アフガンのドキュメンタリーに英国女性レポーターによる
ものがもう一本あります。
https://www.youtube.com/watch?v=7DitAWxzy6I
太陽暦3月春分のノウルーズ(Nowruz,Nauruz etc)というイラン系の正
月祭りの時期、ポロの原型とされる騎馬で獲物を取り合う競技が大人気。
相撲はマワシというより紐ですがこちらも人気。
宗教の聖地であるマザーリシャリーフではアフガン全土にテレビ中継さ
れる正月最大の行事が行われる。7分過ぎからの色とりどりの布と旗をつ
けた柱を建てる様子はイスラム教とは何の関係もないのは明白。何度か見
返していたら日本の神社と関係があるのではと閃いた。ネットで調べたら
幟(のぼり)立てという柱を建てる祭りが日本各地にある。東京では江戸川
区の浅間神社に幟祭りがあった。
https://www.youtube.com/watch?v=isCoLWvlH-U
もう一つは群馬県多野郡上野村の幟立てでどちらもアフガンとそっくり。
https://www.youtube.com/watch?v=KObZcCJPzM8
日本では神様は柱といい柱の先端の榊は神様の依代ですからアフガンの
正月祭りも元は神様を招くものだったのかもしれない。アフガンに限らず
トルコ領だったバルカン半島や北アフリカから中央アジアまで広がるノウ
ルーズは2010年に国連総会で国際デーとなり2016年には人類の無形文化遺
産の代表リストに登録されたという。
https://www.un.org/en/observances/international-nowruz-day
ノウルーズでは火祭りのように火を飛び越える、あるいは火の上を歩く
など日本でもおなじみの行事が数多くある。不浄・穢を焼き払う、死から
再生への表れでしょうか。
日本ではワラビスタンなどと称される埼玉県川口市・蕨市周辺のクルド人
がノウルーズを祝っている。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/new-middle-east/kurds-newroz/
ドイツ語のサイトではアフガンの正月を紹介。
https://www.wz.de/nrw/duesseldorf/nauruz-so-wird-das-afghanische-fruehlingsfest-gefeiert_aid-37595951
年末の大掃除から正月の特別料理と日本とよく似ている。さらに着飾っ
て墓地に行き、亡くなった親族を訪ねて祈りを捧げるというあたり日本の
盆と正月を一緒にしたようなものかもしれない。
宗教は各国で現地化しますが日本の仏教は仏壇から先祖供養まで中国の
道教の影響を色濃く受けるのに対し、インドの影響が強いミャンマー仏教
では先祖供養はもとよりお墓すら作らないのが一般的という。
神社の様式やお祭りの神輿に古代ユダヤの影響を指摘するものは数多く
ありますがゾロアスター教以前の中東・ペルシャの影響もかなり大きかっ
たのでしょう。
キリスト教系の英語サイトを見ていたらユダヤ人はエジプトやペルシャの
奴隷で旧約聖書は奴隷状態の身分を解放されるためにでっち上げたもの
だ、ヤハウェは創造主とは異なり堕天使・悪魔のたぐいだ、など宗教に深
入りするつもりはない身としては何も言えませんが、ユダヤの反キリスト
とキリスト教徒の反ユダヤで2千年も争っているのですから手に負えませ
んね。(PB生、千葉)
♪
(読者の声4)国家の指導者は、長期的な国益のために国を運営すべきだ
が、往往にして、短期的あるいは一部の企業などの利益のために政策を決
める。
その規模が小さいうちは、あまり被害はないが、それを繰り返すと、その
規模も増し、被害の規模も拡大する。具体的には2000年、2008年、そして
2020年と株式市場、住宅金融、そして武漢菌問題、で原因を潰すのではな
く、とりあえず「痛め止め」を施す。
その効果は抜群で、世界は正しく「過ちをしても怪我はしない」痛みもな
く、罰せられない、返って儲かる。だから過ちの規模が拡大し、被害額も
膨らむ。これは米国の現状だが、日本は過去30年先端を走り、イジゲン緩
和、ザイセイ出動、などの発明を世界に広めた。MMTは日本発である
これを観察し改善し大規模化したのが支那の巨大不動産経済であるが、
遂に年貢の納め時が来た。
勇敢な習近平氏は、痛め止め無しの大外科手術をすることにした、らし
い。それは独裁者の特権で、民主主義の弱い政治屋には真似ることはでき
ない。(米国も日本も、そんな大政治家はいない。故に今回も「痛め止
め」で先送り、となる、だろうが、今回はその使い慣れた役に立った毒薬
の処方によって患者が死ぬことになる、だろう。)
長い間過酷な労働で貯めた、親戚、友人、サラ金からかき集めた、資金
で買った不動産が消える。
金が全て、不動産投資を信じていた人民にとっては、受け入れられない。
習近平氏は怒り狂う全人民を、如何して説得して操るのだろうか。
さらに食の供給が途絶え、インフレが、頻繁な停電が、異常気候・寒波
が、天災が、武漢菌が、人民を襲う。人民解放軍でさえ叛旗を翻す、かも
しれない。今さらロシアに、国連に、米国に援助を求めても、助けてはく
れない。唯一残された解決法とは、不満・怒りを海外に向けて、逸らす。
単に戦争を初めても、一人息子は嫌がる。
南京大虐殺記念館などで全ての生徒を洗脳してきた理由とは、日本侵
略、日本人殺略を正当化し、人民にかつての領土・不動産を分配。もちろ
ん、琉球、尖閣、そしてアイヌに味方して北海道を取り戻してやる。
難民を装った「日本人民を解放する」軍人・便衣兵が大量に船で毎日到着
する。直ちに国際条約、難民受け入れ規定に法って居座る。すでに国内情
報を把握する在日支那人と連携し、計画通りに無血、無暴力で、静かに、
しかし敏速に侵略、占領が進む。
NHKや朝日は、人道的立場から人権を守り可哀想な難民を助けましょ
う、差別はいけません。親切にも、報道は2国語で行われる。(しかし、
その内容はかなり違う)体育館、公共の施設には難民が満杯。難民の違法
な行為、日本人に対する犯罪、被害は報道しない。自衛隊も警察も、過激
な右翼から難民を守り援助する。政治家も無口になる。やがて大きな貨物
船が来て、かつてのユダヤ人が貨物のように輸送されたように、毎日、毎
月、日本人が大人しく支那に送られていく。ロシアにも、行ったらしい。
そして難民はタダで素敵な不動産を与えられ、綺麗な空気、水、素敵な
食べ物、安全安心な新天地・領土を取り戻した、習近平氏を讃える。毛沢
東以上の英雄となで苦しむ米国も、国連も何もしない、できない。
(在米のKM生)
(宮崎正弘のコメント)まさに悪夢のシナリオ。小松左京も吃驚ですね。
2021年11月09日
◆「立共合作」に隠された危うい路線
at 05:32
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| 櫻井よしこ
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