2021年11月25日

◆日本のコロナ急減に世界が注目

高島 康司

ウイルス自己崩壊説も次の変異株と「第6波」に要警戒

世界でまだら状に広がるコロナパンデミック
日本を新型コロナウイルス「第6波」が襲う可能性について解説したい。

いま、新型コロナウイルスのパンデミックの状況は、世界の国々でまだら
模様の状態になっている。

例えば、韓国では7月上旬に首都圏を中心に流行の「第4波」が始まり、新
規感染者数は106日連続で1,000人を超えている。

またロシアでは、9月から感染者が急増し、14日以降は毎日3万人以上が新
たに感染。20日の死者は過去最悪の1,028人にのぼった。政府によると、
コロナ患者用の病床は全国27地方で90%以上が埋まり、一部では95%を超
えている。

さらにイギリスでは、この1週間で感染者数が16.1%増加したことから、
コロナウイルスの動向に対する懸念が高まっている。英国の感染率は人口
100万人あたり620人で、近隣の西ヨーロッパやスカンジナビア諸国の約6
倍にもなっている。

イギリスでは、他の国に比べ、かなり早い段階で規制を解除したことが感
染再拡大の原因だと見られている。例えばデンマークでは、人口100万人
あたりの感染者数が90人前後で推移しているときに規制を解除したが、イ
ギリスでは、感染率が670人に達した時点で規制を解除している。

社会活動のあまりに早い正常化が、新たな感染拡大を招いたようだ。

なぜ日本では急速に減少したのか?
そうした状況のなか、感染が急速に収束しつつあるのが日本だ。

東京都の感染者数はピーク時だった8月の50分の1まで減少し、毎日の感染
者数は3日連続で50人を切っている。19日は36人だった。また全国の感染
者数も372人となった。これは2万6,000人を越えていた8月28日と比べて70
分の1だ

この感染者数の急速な減少は、多くの専門家の予想を越えている。

いま、この急速な減少の原因が議論されている。政府はワクチン接種の拡
大や行動規制の効果が現れた結果だとしているが、これではこの急速な感
染者数の減少の説明にはならない。

それというのも、今回のパンデミックには、それぞれ異なった変異株が主
導するいくつかの感染の波があり、それらは時間が経つと勝手に収束して
いたからだ。

日本でワクチン接種が始まったのは4月からだが、すでにそれ以前の時期
に、第1波から第3波までの波は拡大と収束を繰り返していた。

ワクチンには、感染したときの重症化リスクを抑える高い効果がある。事
実、日本の死亡率は5%近かったピーク時から、いまは1.06%に低下して
いる。死亡率の急速な低下は、ワクチン接種が進む他の国々でも同様だ。


しかし、イギリスやアメリカのように、ワクチン接種が拡大しているにも
かかわらず、感染者数の増大が止まっていない国も多い。ワクチンは重症
化リスクの低下には大きな効果があるものの、感染拡大を止める効果は
思ったほどないというのが現実のようだ。

このような事実から見ると、「デルタ株」が主導する第5波の急速な収束
の原因は、ワクチン接種の拡大ではないことになる。原因は別にある。


   
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◆始まっていた45歳定年制
今市太郎

上場企業の早期希望退職者2年連続1万5000人超、若手と専門職以外はお払い箱


すでに始まっていた「45歳定年制」
今年の9月、サントリー社長の新浪剛史氏が突然に「45歳定年論」などを
ぶち上げたことから、ネットで猛烈な炎上が起きたのは記憶に新しいところ。

先頃に東京商工リサーチが発表した2021年の上場企業の早期・希望退職者
募集人数を見ていますと、その件数は新浪氏を批難すれば済む話ではな
く、リアルな上場企業の雇用状況の中でも、本当に「45歳定年」が現実の
ものになろうとしていることが見えてきております。

運よく正規雇用の座を確保できたサラリーマンといえども、その賞味期限
は新卒からせいぜい20〜23年に迫っている。

そのことを、相当によく考えるべき時代に突入していることを痛感させら
れます。

上場企業の早期希望退職者数は2年連続1万5,000人超え
新型コロナウイルスの爆発的感染で経済が急ブレーキとなった昨年のこの
時期、上場企業の早期希望退職者募集人数は73社で1万5,642人に及びました。

今年も10月末までの同様の募集人数は72社で1万4,505人となっているよう
で、巷ではかなりコロナ禍から回復したように見えるものの、実際の雇用
環境はまったく改善していないことがわかります。


募集人数のベスト5は、コロナ禍の影響で販売不振のアパレルや運送、交
通インフラ、観光関連のサービス業など、明らかにコロナのために雇用人
数を絞らざるを得ない厳しい業界が増えていることが見えてきます。

ただ、その一方で、本田技研工業、パナソニック、近鉄グループHDなどは
必ずしもコロナとは関係なく雇用者数の粛清を進めているようで、募集人
数すら開示していない状況です。     
       


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◆クアッドに東南アジアの死角

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月22日(月曜日)
通巻第7125号  <前日発行>

 インド・太平洋に突き刺さる中老鉄路は「漢族の熱帯への進軍」
  クアッドに東南アジアの死角。ラオス、カンボジアは中国の植民地だ

 米豪日印のクアッドに「死角」がある。
中国とラオスのビエンチャンを結ぶ新幹線が開通した(中老鉄路=「老」
は中国語でラオスの意味。正式開通式は12月2日)。ラオス北部のボー
デンからビエンチャンまで414キロ。途中古都で王宮跡のある観光地=
ルアンパバンなど33駅を通過し、時速120キロで、橋梁箇所が
167,トンネルは75という難工事、総工費70億ドルは中国が融資した。

将来は、ビエンチャンからタイへ延長し(ビエンチャンの対岸はタイのノ
ンカイだ)、バンコクまで繋がると、雲南省のシーサンパンナから直通特
急が走ることになり、東南アジアの裏通りが中国主導「一帯一路」の目玉
となる。タイもいまや「中国経済圏」で人民元が流通している。

三年前、ラオス北端のボーテン(磨丁)まで取材にいった。すでにマン
ションが林立し、大型トラックが渋滞し、カジノホテルと免税ショップの
ビルができていた。中国鉄道建設の現場は活況に満ちていた。マンション
の販売広告は、なんと売値が人民元建てだった。

しかも渋滞の長距離トラックのナンバープレートをみると遼寧省、黒竜江
省、吉林省からはるばるラオスへ出稼ぎに来ていることが分かった。現地
の食堂でも、中国人労働者が混じり、昼からビールを飲んでいたっけ。
ボーデンの地元はアカ族、モン族が多い。

 中国はラオスとカンボジアを事実上の「植民地」とした。カンボジアの
シアヌークビルには中国資本のカジノホテルが50棟、ホテルは殆どが華
僑経営、高層マンションが林立している。ここは何故か重慶からの出稼
ぎ、もしくは移民だ。

首都プノンペンのマンションも90%は華僑資本、なかには華僑の子弟が
通う「インタナショナルスクール」もある。
 イオンが大きなショッピングモールを繁華街に店開き、近くには高層の
東横インもあるが、その高さを遙かに凌ぐ中国系タワマンが周囲を埋め尽
くしていた。レストランに入っても、飛び交うのは中国語である。

 なぜこうなったか?
 華僑研究の第一人者、樋泉克夫(愛知県立大学名誉教授)が次の分析を
している。
 「天安門事件の後遺症に苦慮した共産党政権は、南方に広がる国境関門
を開放し、雲南省を橋頭堡に東南アジア内陸部へ進出──歴史的に表現する
なら『漢族の熱帯への進軍』を再始動することで、苦境からの脱出をは
かった」(『週刊新潮、21年11月25日号)。

 そのうえ、ラオスは雲南省華僑が早くから進出していてチャイナタウン
があった。
 カンボジアは国民感情として、中国よりベトナムが嫌いなので、早くか
ら華僑の移住が目立ち、キリングフィールドでは夥しい華僑が血の犠牲に
なったあとでさえ、中国は寧ろ積極進出を繰り返していたのだ。このよう
な過去の経緯と華僑の強い地盤があって、中国は影響力拡大に力を集中し
てきたのである。

 この東南アジアにおける中国の事実上の経済植民地化という現実が、欧
米の安全保障議論では軽視されている。
「クアッドの死角」と言えるだろう。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)22日午後四時からの「宮崎正弘の生インタビュー」は生
番組です。60分のうち、後半の18分に視聴者の質問コーナー、その場
で回答があります。
 今回のゲストはカナダ在住の近現代史家、渡邉惣樹氏。テーマは「激変
するアジア、日米関係を読み解く」。
 22日午後四時〜五時。未来ネット(旧「林原チャンネル」)です。
 後日、ユーチューブ配信があります。
   (未来ネット)
  ♪
(読者の声2)貴誌前号で(浪速の草莽)様の「EVを絶賛されている方
がおられます。カーボン・ニュートラルが地球温暖化を防いで人類を救
う、と考えてもおられるご様子。、、、あまり独善的にならずに客観的に
物事を眺めたいものです」
というご意見。
 私見によれば、全ての意見は主観的。科学的な「客観的な真実」も時代
が進むと、間違いだった、という例が多い。CO2の問題にしても、科学者
の間で議論
があり、私見によれば現在のCO2の濃度は少なすぎ、多い方が生物、食料
生産のためには有利になる。温暖化に関しても甚だ疑問的であり、地球の
長期の歴史を見ると、ほぼ10万年の氷河期があり、ほぼ1万年の間氷河
期、つまり現在のような暖かい時代が、交互に現れている。1.3万年前に
氷河期が終わったので、これからは冷たい長い10万年の冬を迎えることに
なる、というのが科学的には最も信頼できると思う。
EVについては、以前に何べんも投稿したように、その多くの利点故に、既
に非可逆的な世界的な傾向になっている。テスラとトヨタが再び提携し
た、というニュースも昨日聞いた。
「インテル、入ってる」という宣伝文句があり、世界のほぼ全てのコン
ピューターの中にインテルのCPUが入っていた。
トヨタが屋根、窓、ドア、家具を作り、テスラがその他という分業化にな
るかも。水素については、気体を固形化する技術があるらしく、電池との
競合になるかもしれないが、いずれもEVとなる。
(在米のKM生)

  ♪
(読者の声3)貴誌通巻第7124号(読者の声1)の「浪速の草莽様」の御
投稿についてですが、「EV論争」の御意見の発表が、単に「EVを絶賛され
ている方」への揶揄、悪く言えば「オマエの母ちゃんでべそ」的な悪口に
なって残念です(尤もそれ自体が目的なら腑に落ちる、苦笑)。
それは、「どう思うと自由なんですが」や「あまり独善的にならずに客観
的に物事を眺めたいものです」という文にも如実に表れている。御自分で
も「浅学非才のわたしが自分なりに学んで」とおっしゃる訳ですから、何
を如何なる視点で、どういう風に学ばれたかという内容を具体的に書かれ
たら如何でしょう。
その方が、「宮崎師のいわれる、EVと(イーロン)マスクは高転びにこけ
るだろう、です」という借り物の言葉よりはるかに説得力があると思われ
ます。EVが次世代の移動手段の支配的地位を占めるかは、読者欄でも活発
な意見の応酬、あるいは感情的にも見えるやりとりと言うか、一方的主張
の交差もあり、以前気になっていたので敢えて指摘させて頂きました。
 EV主流化予測については、内容を分けて考えた方が良さそうです。気候
変動の観点、技術革新の観点、経済的合理性の観点、資源開発及び争奪の
観点、国際政治の面妖さの観点、などと並列に並べましたが肝は気候変
動、つまり「地球温暖化」とその原因として「人類の経済活動による二酸
化炭素排出」との因果関係の有無です。
と言うのは、そもそもこの因果関係に著しい有意さが認められなければ、
ガソリン車やハイブリッド車を現状のまま使い続ければ事足りて水素でエ
ンジンを動かす必要もない。
 現在、「地球温暖化」と「人類の経済活動の二酸化炭素排出」の因果関
係が恰も証明された事実であるかに語られますが、これは嘘とは言わない
までもただの仮説に過ぎない。
すると、「世界各国の権威ある専門家がそう言ってる」と聞こえそうです
が、二年近くの新型コロナウイルス感染症の流行に於いても最高の専門家
達が、実は全く何も分かってない実態を目の当たりにしたのはおらだけで
ない。元々マスクにコロナウイルスの感染予防効果は無いと断言したの
は、トランプでなくWHOのテドロスだ(苦笑)。
 具体的に斬り込むと、確かにこの二・三十年は世界の他地域同様に日本
各地で平均気温の上昇が続いている。
そこだけ見れば「地球温暖化説」に納得する。ただ、地球は誕生以来の50
億年間に気温は一定だった訳で無く、「南極大陸や北極海に全く氷の無い
温室期」と「気候が寒冷化し地表と大気の温度が長期に亘り低下する氷河
時代」が約一億年単位で来る。さらに氷河時代の中でも「寒冷な氷期」と
「比較的温暖な間氷期」が千万年単位で「何もしなくても自然に繰り返さ
れる」のである。現在は間氷期にあたりいずれ氷期に戻る。「地球温暖
化」など真面目に心配しなくともいずれ皆氷漬けになる運命なのである
(爆笑)。
 そんな事を言っても、千万年単位の変化を待つ訳にいかないと言う生真
面目な方々も居るかもしれない。
数か月前の、みんな大好き朝日/ちょうにち新聞には、元々酸素に覆われ
ていた温暖な金星の地表が二酸化炭素増加の為に灼熱地獄と化したと、地
球温暖化仮説強化プロパガンダの為の我田引水記事が掲載された(腹笑)。
そもそも太陽系上の金星の位置と地球の位置は違うでしょ、で瞬殺(抑
笑)。そんな心配性の方々の為に、ユダヤの神エロヒム(英語名ゴッド、
アラビア語名アッラー)は「神の怒り」である地球規模の大噴火を約百年
単位で勃発する様に用意しているのである(泣笑)。その規模の噴火が起
ると地球全体の温度が一気に、しかも長期間に亘り下がるので農作物の不
作が続き餓死者が続出する事の方がむしろ懸念される。
そもそも気象観測の記録はたかだか百数十年分しかない。それで、たまた
ま短期的に気温が上がった、下がったと言っても、地球規模で言えば誤差
の範囲でしかないのである。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200616/se1/00m/020/016000c
 
 次に技術革新の観点であるが、IT産業との関連から、EVや空中ドローン
の類はある程度は発展を続けるのではないだろうか。仮にイーロン・マス
ク個人が「高転びにこける」としても、後継者が次々と出てくるだけである。
ただし過度の電気エネルギーへの依存は安全保障の視点からも好ましくな
いし、まだまだ石油は産業構造を転換するには安過ぎるので経済的合理性
の観点からもガソリン車やハイブリッド車は今後も残るだろう。
問題は国際政治の面妖さの観点であるが、「地球温暖化仮説」で無理やり
EV需給を作り出してもやがて限界が来る。
だが、それまでは米国禁酒法時代と同様な地球温暖化仮説信仰の狂気の嵐
はしばらく続く。その辺はトヨタの中枢などは本当は分かっている筈で、
高度なエンジン技術の保持の為に、現在のエンジン装置をほぼそのまま使
える水素エンジン自動車で時をやり過ごそうとしている様に見えるのはお
らだけだろうか。
  (道楽Q)

  ♪
(読者の声4)貴誌7124号に、脱炭素に「水素」を期待されている方
が多いのですが、水素は燃焼すると水になり環境に優しいエネルギー源と
いして期待されておりますが、弱点があります。
1 熱量は石炭の1/5しかありません。
自動車に搭載するには約6倍積載する必要があります。
2 気圧が350気圧ある。
頑丈で重いタンクが必要で、自動車では 場所を取ります。(都市ガ
スは180気圧)
3 逆火の恐れ
燃焼が早く、16年ノルウェーの水素タンクが爆発しました。原因は口
火からタンク内に火が回ったのです。
4 素で100kWの燃料保存の場合
1km×2kkm15mの容量に350気圧に耐えるタンクが必要です。
 ちなみに、マグネシウム発電の場合、15m×15m×10mの倉庫で済
みます。
 マグネシウムの融点は650℃ですからマッチでは火がつきません。詳
しくはPHP新書「マグネシュウム文明論」が参考になります。
  (林文隆)
at 05:46 | Comment(0) | 高島康司
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