わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6183号
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2022(令和4年)年 6月29日(水)
点(つ)けたら消す・開けたら閉める:馬場伯明
亡国の危機、備えを固めるに如かず:シーチン”修一
NATOvsロシアという図式:宮崎正弘
実現なら株価も企業業績も右肩上がりへ:栫井俊介
重 要 情 報
身 辺 雑 記
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頂門の一針(まぐまぐ)
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点(つ)けたら消す・開けたら閉める
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馬場 伯明
日常生活の行為について山の神(妻)に指摘されることが多くなってきた。
1.「点(つ)けたら消す!」。この指摘は相撲番付なら東の横綱である。
「点けたら(必ず)消してください」と。消し忘れるのは「(物事に)け
じめがない人間」ということである。
それなのに、今日の休日も書斎の電灯を消さないまま、リビングルーム
(LR)へひょいひょいと移動した。「消しましたか?」という追い打ちの
礫(つぶて)が飛んできた。う〜〜ん。
テレビ(TV)を観るために、ダイニングルーム(DR)からLRへ移動した
ら、あっ、DRのパソコン(PC)画面が点いたままだ。あらら〜〜。(新型
のPCは放置すれば自動的に消えは・・する)。
PC操作の椅子に戻り振り返ったら、あら、テレビ(TV)がつけっ放しのま
まだ。(今のTV画面はしばらくすれば自動的に消え、近寄ればまた点灯す
るような仕組みになっては・・いる。TVメーカーの健忘者への親切な配慮
だ)。
70年以上前の幼い頃、長崎の実家の端っこにあったトイレは暗かった。そ
の反動からか私は明るい部屋が好きだ。(TVドラマで)徳川時代の江戸城
の廊下などが妙に煌々と明るいことがある。だが、当時の歴史的事実と
違っていても私は好ましいと感じる。
1.「点けたら消す」のもっとも重要な急所は「火の元」である。ガス・電
気の火の元は必ず消さなければ、やばい。大ごとになる。かつて湯を沸か
したまま空炊きとなりヤカンを焦がし、火気感知警報を鳴らした前科があ
る。認知症の老人が火の元を放置し自宅を全焼させたという悲惨な事故の
話を以前聞いた。今の自分から遠く離れた「他人事」ではない。
2「開けたら閉める!」。指摘事項の西の横綱である。「開けたのに閉め
忘れる」ことが増えてきた。洗面所の蛇口を全開で放置することはないが
ポタポタ洩れていることがあるこれも閉まり(締まり)がない人間という
わけだ。
家の入口のドアは自動的に静かに閉まるようにできている。でも、鍵を閉
め忘れたら意味がない。また、私が通った後、部屋の引き戸がわずかに開
いていることがある。LRのドアがぴったり閉まっていない。冷暖房の省エ
ネ効果が低下する。では、一転、自分の口元はどうか。こちらはかろうじ
て閉まっている。毎日の通勤の電車内を見渡せばポカンと開けて眠ってい
る他人の口は再々見かける。
それもこれも、(頭では)わかっちゃいるけどそうなっている。加齢なの
か、いや、認知症が忍び寄っているのか、脳の機能が劣化し命令が手足ま
で届きにくくなっているのか・・・。つらいな。
机に向かい日常生活で守るべき行為を列挙してみた。1.「点(つ)けた
ら、消す」:電灯・パソコン アイロン・炬燵・各種のスイッチ。2.「開
けたら閉める」:傘・水道の蛇口・入口のドア、引き戸。3.「脱いだらし
まう・畳む・揃える」:洋服・下着・靴・洗濯物。
4.「零(こぼ)したら拭く」:醤油・ビール・コーヒーを、あっ!と、零
す回数が増えた。5.「外したらはめる」:鍵・ねじ。6.「借りたら返
す」:本・CD、金は必ず。7.「貰ったら礼を言う・書く」:お土産・手紙。
8.「汚したら洗う」:手足・服。9.「破れたら縫う」:服・ズボン。10.
「脱いだら掛ける・しまう」:帽子・服・コート。11.「来訪には訪問で
応える」:年末年始の挨拶。12.「着信には返信する」:電子メール。こ
れらはすべて、世間の当たり前の行為を当たり前に実行する日常生活で守
るべき最低限の基礎的な行為である。
では、どうけじめをつけるのか。自覚的に「パブロフの犬」になりきるこ
とであろう。「点けたら消す」という条件反射的な行動を自分の頭と体
(手足)に繰り返し刷り込む。若い頃やっていた「いいか、よし!」。そ
う、「指さし呼称!」を正しく実行することである。
「点(つ)けたら消す」を厳守していたのに、古稀になって「ふと、点い
ちゃった」、つまり「焼けぼっくいに火がついちゃった。いや、向こうか
ら点火されちゃった」という昔ハンサムの知人がいた。「消すかな?消そ
う、消さなきゃ!」と努力したが、逆にストレスが溜まり、再点火が火災
になった。この現象は、「点けたら消す」の法則ではなく「消えたら点け
る」のだから、困ったことではなく喜ばしいことかもしれない。
家の中には、12.「点けたら消す」べき新しい機器も多い。オイルヒー
ター・各種の充電器・電動歯ブラシ・(それに)Wii・・・など。
電気炬燵に入り「消さずに」そのまま眠ってしまうことがあった。じつ
は、炬燵での転寝(うたたね)は最高にいい気持ちであり至福の時間であ
る。でも、山の神の許可が出ることはない。とほほ。
日常生活の行為で最後に大切なことは13.「言ったらやる」:「有言実
行」である。だが、不本意ながらじわじわと崩れていく。「不言実行」は
抑制が利いていて男らしく美しい行為である。しかし、口に出さなけれ
ば、加齢とともにやるべきことを忘れてしまう恐れがある。
だからと言って「有言不実行」では信用ガタ落ちになる。「不言不実行」
を続けたとしても、達磨さんのように悟りの境地に達すればいいが、悟る
前に手足だけがなくなってしまっては、動きが取れず、困る。だから、何
とか「有言実行」で行きたい。たまに「有言不実行」に陥っても、なお、
向上心を胸に抱きつつ、前を向いて歩いて行こう。
さあ、有言実行! 点(つ)けたら消そう。開けたら閉めるぞ。(2022/6
/25千葉市在住)
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亡国の危機、備えを固めるに如かず
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“シーチン”修一 2.0
【雀庵の「大戦序章」60/通算492 2022/6/27/月】6/25/土に散歩から
帰ると室内温度は35度。窓は全開していたが、まるでサウナだ。パンツ一
丁になっても耐え難いので今夏初めてクーラーを入れた。28.5度、湿度
50%、ホッとする。軟弱だが、露中北を殲滅するまでは倒れるわけにはい
かないから・・・なーんて言い訳したり。
産経6/25の「花田紀凱の週刊誌ウオッチング」に、朝日を“脱藩”した峯
村健司氏が週刊ポストで連載「プーチンと習近平」を始めたとあったので
読んでみた(NEWSポストセブン6/23)。サブタイトルは「世界でもっとも
危険なふたり ウクライナ戦争で習が堕ちた“友情の罠”」。1回目だか
ら、まあアントレ、前戯だが、次回からは本番、楽しみだ。
峯村氏は脱藩の際にnoteに心細いようなことを書いていたので「大丈夫
かなあ」と心配していたが、note6/18に以下の「プロジェクト始動!」が
アップされていた。
<1カ月以上noteの更新をしておらず、申し訳ございません。たくさん
の「スキ」をいただいたうえ、サポートまでいただいたことは望外の喜び
です。改めてフォロワーの皆様には感謝を申し上げます。
更新が遅れた言い訳をさせてください。複数のプロジェクトが動いてお
り、忙しさにかまけておりました。2冊の新著を同時に取材、執筆にとり
かかっています。何とか年内には成就することを目指しています。
そのプロジェクトの第一弾を発表いたします。6月20日発売の「週刊ポ
スト」誌上で緊急連載が始まります。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、中国の動向が注目されるなか、両
国関係について改めて取材しました。中でも、習近平とプーチンという2
人のトップに注目をしています。タイトルは「プーチンと習近平 世界で
最も危険なふたり」です。権力を握り、「一強体制」を築き上げた2人
は、自ら戦略や政策を決め、トップダウンで部下たちに指示をしていま
す。今回のウクライナ侵攻も「プーチンの戦争」と呼ばれるのもそのため
です。2人が何を考えていて、何をしようとしているのか。それを分析す
ることが重要だと考えています。
そこで参考としたのが、アメリカの情報機関、CIAがやっている「プロ
ファイリング」という手法です。その人物の幼少期まで振り返ってどのよ
うな発言をしていたのか、どのような行動をとっていたのか。公開情報を
集め、会ったことがある人からインタビューをして、人物像を分析してい
きます。
トランプ前政権が、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記と直接対話をしよ
うと決めたのも、金氏のプロファイリングでした。金氏がスイスに留学し
ていたときの同級生や先生ら、約200人からインタビューをしました。当
時、金氏がどのようなことをしゃべっていたのか。どんなスポーツをして
いたのか。何を食べていたのか。それらを集めた公開情報とともに分析し
て、人物像を予測した結果、金氏が「欧米の文化や考え方に憧れを持って
おり、対米関係の改善にも積極的だ」と判断したそうです。
今回の連載は、その手法をプーチンと習近平に当てはめてみようという大
胆な試みです。2人はなぜここまで親密になったのか。互いの国にどのよ
うな印象を持っているのか。そもそも二人の家族構成は。どのような本を
読んでいるのか。計5回で分析を進めていきます。ご覧いただければ幸い
です>
元気で何より。ゴルゴ13ことデューク峯村、アンタの出番だ! 21世紀
のダーティペア「プーチン&習近平」、略して「プー近平」の邪道でタダ
レタ関係を暴いてくれ! 依頼者は週刊ポスト、ビッグコミックでお馴
染みの小学館、カネはスイスの銀行に振り込んだ。いざゆけ つわもの
日本男児!
小生は小学館の本をあまり知らないが、雑誌「SAPIO」(2019年廃
刊?)は読んだ記憶がある。出版社は一般的に「娯楽系の売れる本で稼い
で、売れないけれど学術系の本を刊行する」のを矜持とするが、同社は
2018年あたりから「儲かる書籍雑誌」に舵を大きく切ったようだ。以来、
出版不況と言われる中にあっても経常利益は一桁大きくなった。2021年2
月期:売上高 943億1600万円、経常利益72億4600万円、純利益56億7300
万円・・凄い、大変身、凄すぎる!
同社の定期採用サイトには「変わらない出版への想いと 変わらなきゃ
いけない出版のカタチ みんなの「変」で、世界はちょっとずつ、変わる
はず あつまれ、“変”集者!」とあった。「良書を出したい、しかし、そ
れだけでは食えない、会社が成り立たない、そのためにも今は売れる本に
傾注しようじゃないか」と言っているようだ。峯村氏など実力のあるライ
ターが増えて行けば、週刊ポストの評価も上がり、売れ行きも良くなるだ
ろう。
余計なお世話だが、「反・中露北」「反・立憲共産党」「反・朝毎東」
など旗幟を鮮明にしないと週刊誌、オピニオン誌は没落する。アカに乗っ
取られた岩波「世界」はとっくに消えた?が、「文藝春秋」は未だに「私
は良い人、リベラルです」のままで時代から取り残され、話題にもならな
いよう。
川の流れが変わるように時代は「容共から反共」へ変わってきた。共産
主義はかつては理想郷、この世の天国のように喧伝されたが、それは中露
北やその同調者のプロパガンでしかなかった。現実が徐々に明らかになる
と、良識ある人々や小生のような良識のない過激派も共産主義信仰から目
覚めて行ったが、共産主義=反・資本主義で稼いでいる労組幹部や立憲共
産党などパラサイト的な人々は目をつぶって現実を見ない。
それを「邪道」「姑息」「欺瞞」「愚昧」「暗愚」と言う。つける薬な
し。彼らは不都合な真実を見たくないから見ないままでいるが、それでは
新しい大きな波に流されて溺死するだけだ。立憲共産党やリベラル≒アカ
モドキはそういう人々で、今年や来年で消えるだろう。絶滅歓迎種・・・
静かに逝ってくれと思うが、鳩、菅、村山、枝野・・・最期までジタバタ
しそうだ。往生際の悪い「悪あがき」、ひたすら醜い。
出版界や報道界、マスメディアの社員はリベラル≒アカモドキが未だに
多そうだが、「大戦危機&経済不況の時代」にあっては自ら変わらなけれ
ば落ちこぼれることは確かだ。経営者も社員もみんな利に敏いから、時代
の空気を読んで徐々に右に舵を切り始めているのではないか。朝日あたり
は確信犯的な容共反日屋がまだ多いだろうが、その手の社員は退職勧奨し
たり希望退職を募っても応じそうもないから、新聞そのものの劣化=読者
減になりやすい。「週刊金曜日」は中共に乗っ取られたよう。
ダイヤモンドオンライン2021.3.27「朝日新聞『希望退職100人募集』の
リストラ事情 社外秘の労組アンケート結果付き」がこう報じている。
<ここ数年の国内新聞(全体の)発行部数は毎年115万〜209万部(減
少)の右肩下がり。さらに新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年
は、対前年比272万部減と大きく落ち込んだ・・・
朝日新聞労組が発行する機関誌「新研かわら版」(2021年1月)を入手
した。会社が希望退職者の募集を開始した直後に発行されたもので、そこ
には組合員へのアンケート結果が約80人分収録されている。
その一部を抜粋すると・・・50代の編集局社員も「取材費の削減、要員
不足による原稿枯渇があり、お手軽系のまとめ記事が多発している」と訴
えている。中には「政権を揺るがすようなスクープが、『週刊文春』と
『赤旗』に集中している現状は本当に危機的だ。なぜ朝日新聞からこのよ
うなスクープが出ないのか」(50代編集局)と報道機関としての駄目出し
もあった>
朝日に限らないが、活字離れに加えてコロナ不況で新聞購読者は減る
し、折込チラシも減って販売店は「押し紙」を減らすようになったから、
紙の新聞発行部数は減るばかりだろう。突破口は有料ネット配信の拡大だ
ろうが、71歳の小生の経験では手続きが難解過ぎて申し込めなかった。
小生は紙の産経新聞を20年ほど購読しているが、それをネットで購読申
し込みをした際に使用した暗証番号?を忘れてしまい、有料ネット配信を
申し込もうと数回試みたが「ハッキングだ!」と拒絶されて、今はどーす
ることもI can not状態だ。ヂヂイが簡単に申し込めるような工夫、たと
えば公的な「個人番号」で申し込めるとかしないと有料ネット読者は大き
くは増えないのではないか。10年、20年も昔の暗証番号を覚えている人は
少数派なのだから。手続きが簡単でないと普及しない。閑話休題。
さて、その産経だが、体調が回復したらしい古田博司先生の論考「ロシ
アと韓国…『歴史は進歩する』のウソ」(2022/6/26)は往生際の悪いリベ
ラル≒アカモドキへの痛烈な批判だった。曰く、
<いまだに多くの人が、歴史は進歩すると考えている。人類は過ちを繰
り返しながら一歩ずつ進歩してきたのであり、やがて理想の社会へと行き
着くというわけだ。戦争にしたって、第一次世界大戦、第二次世界大戦と
多くの過ちから学んできたのだから、いつかは戦争も核兵器もない平和な
世界を実現できるという理想を抱く。
こういうことを言う人は、特に新聞やテレビなどに出てくるインテリや
マスコミ人に多い。彼らは、社会がある発展段階を経つつ進歩しどの国で
も必ず近代化できるし、せざるを得ないという進歩史観で世の中を論じよ
うとする。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、そういう人たちが、進歩とい
う虚構(ウソ)をばらまいてきたことを証明してしまった。2度の大戦を
経て、冷戦の敗北・ソ連崩壊まで経験したロシアは、またも侵略戦争を始
め、ウクライナのみならず、他国も核で恫喝している。
ウクライナでは、ロシアが略奪や暴行、惨殺、強姦、収容所送りをして
いることが報道されているが、これなど、第二次大戦末期に日ソ中立条約
を破って満洲に攻め込んだソ連軍が、日本人に対してやったことと同じで
ある。この前近代さながらの所業を見ると、ロシアは1917年のロシア革命
から100年以上の歴史を経ても、なんの進歩もしていないと言わざるを得
ない。
しかし、進歩史観にとらわれた人々は、そのことがよく理解できない。
だから日本の専門家と呼ばれている人は「まさか本当にウクライナ侵攻を
するとは」などと思ってしまうのだ。
プーチン大統領の言動は、近代的な国家の国際ルールでは説明がつかな
い。プーチンの発想は近代より古代に近いように思われる。科学の発達は
別としても、精神的な意味では、そもそもロシアが近代社会を望んでいる
はずだという考え自体が、勝手な思い込みなのかもしれない。
ロシア人の6割以上が、ソ連の社会主義時代がもっともいい時代だと考
えているという調査もあるが、社会主義というのは身分制、専制政治、農
奴制(共同農場)など古代社会に通じる要素が多く、擬古代社会ともいえ
る。土地の所有権も皇帝(ツァーリ)にあり、皇帝専制の下、農奴制が敷
かれていたロシア帝国によく似ているのである。
どんな国も進歩して近代化するのだという進歩史観で、ロシアや韓国を
見ると、その史観のおかしさが露呈するということを言っているに過ぎな
い。ロシアも韓国も、そういう国なのだから、そのまま受け止めるしかない。
進歩史観はかつて、国家は歴史的な進歩の末に社会主義の理想にたどり
着くというマルクス主義の土台となった。日本では過去に「進歩的文化
人」と呼ばれるインテリたちが朝日新聞などをにぎわし、自分たちにとっ
て理想的と思われる海外の都合のいい事例を持ってきては「これに比べて
日本は遅れている」と言っていたものだが、彼らの頭には、資本主義は社
会主義に劣るもので、今の資本主義は社会主義という理想に進歩するの
だ、しなければならない、それが「歴史的必然」だという考えがあった。
それは共産主義者や社会主義者を自称する者だけではない。代表的な戦
後知識人である丸山眞男も、その講義録でマルクス主義講座派(日本のマ
ルクス主義者の一派)を受け継ぎ、ブルジョア革命からプロレタリア革命
への歴史的必然を説いていた。(米原謙「丸山眞男と社会主義」『思想』
第988号、2006年8月)
社会主義の理想が日本のインテリを魅了したのは、戦後、資本主義の後
進国として再スタートした日本人の劣等感を打ち消してくれたからではな
いかと思う。彼らはその劣等感から脱するために、米国とは違う、社会主
義の理想を追ったのではないかと思うのだ。敗戦コンプレックスから来る
インテリの反米感情の裏返しである。
さすがに、この頃は、老朽化した進歩的文化人のこのような社会主義も
影響力を失ってきたが、それでも進歩史観そのものは生きているし、その
ウソを信じ込んで、骨の髄までひたってきた老人たちの人生はもはや戻ら
ない。夏草や、マルクスどもが夢の跡。罪深きは進歩史観である>(以上)
記者時代の小生はいつも「このテーマではダメかもしれない」と焦りま
くっていたが、ヒーヒーしながら書いていくうちに「読者がナルホド」と
それなりに腑に落ちる記事になったことが多かった。幅広く取材する、現
実を見る、両論を知る、考えて考え抜いて方向を予測する。記者の基本だ
が、予測が大きく外れたり完全な誤情報だと叩かれる、信用を無くすか
ら、たとえ数千部の業界専門紙であっても結構、真剣勝負だ。
その思いは多分、政治、経済、社会、学問といった大きな分野でのオピ
ニンリーダーや記者なら尚更だろう。各界で批判されるのはまだしも、
「ミスリードした」「ドジを踏んだ」などとマスメディアで叩かれると、
再起不能どころか死後もそのレッテルから免れなかったりする。言論は命
懸け、一種の恐怖、薄氷の思いを免れない、と言っても良い。
国際政治、外交についての戦後の論争では「高坂正堯 vs 坂本義和」論
争が有名で、「現実主義」対「理想主義」などと言われている。それから
60年経ってプーチン・ロシアが侵略戦争を始め、習近平・中共もそれに続
こうとしているのをリアルタイムで見ている我々は、坂本的「理想主義」
の完全な終焉をも目撃、体験していることになる。
故人曰く「良い予感は概ね外れる、悪い予感はよく当たる」。明日の世
界、明日の日本は明るいか? 今は「悪い予感」どころか「亡国の危
機」、崖っぷちだ。故人の教えに従って備えを固めるに如かず、というこ
とだ。
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NATOvsロシアという図式
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)6月22日(水曜日)弐
通巻第7377号
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「これではまるで第三次世界大戦ではないのか」
(トランプ)。
NATOvsロシアという図式に移行している
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ピーター・サンダーズ英陸軍大将はウクライナ戦争の見通しに関して
「長期戦」を予測しており、「ロシア軍が近代兵器と機甲化部隊投入の前
にウクライナの戦力を強化する必要があり、NATOは動員態勢と近代化
準備を迅速に、ロシアより早くに進めなければならない。陸戦でロシア軍
を駆逐するには長い時間を要し、状況は1941年と似てきた」。
つまり西側はウクライナが勝てるように武器供与を急げと言っているこ
とになる。これではまるで第三次世界大戦である。
トランプ前大統領はニューズマックス番組に出演してこう言った(6月
20日)。
「わたしなら戦争は起きていなかった。バイデンがやっていることは
狂っている。私の政権では、ウクライナへ3億9100万ドルの武器供与
をなしたが、これはウクライナが返済可能な範囲だった」。
バイデンのウクライナへの武器、人道支援は330億ドル。トランプの
100倍!!
英国のウクライナ援助は軍事面で13億ポンド、人道援助が28億ポン
ドにのぼっている。1ポンド=168年で計算すれば、合計6800億円
強になる。なにしろ英国のはりきりようはジョンソン首相が二回もキエフ
へ飛んで、ゼレンスキー大統領に発破をかけていることからも了解できる。
戦前の状況に酷似していないか。
チャーチルはあらゆる手を講じて、とうとうルーズベルトを第二次世界大
戦に巻き込んだように。英国のジョンブル精神とは前向きに「不屈の精
神」などと解釈されることが多いが、誤解を懼れずにいえば、粗忽で乱暴
な紳士道ではないだろうか?
フォークランドをアルゼンチン軍が突如占領したとき、サッチャーはすぐ
に軍艦派遣を決めた。閣内には反対、あるいは慎重論が多く、時の米国は
ヘイグ国務長官が、ロンドンとアルゼンチンを往復して調停を試みた。
サッチャーからヘイグは軽くあしらわれた。ロンドンの閣議では「この内
閣に『男』はいないのね」と言った。
▲サッチャーは「この内閣に『男』はいないのね」と言った。
独仏伊の三国首脳も雁首をそろえて列車でキエフに赴き、さらなる軍事
援助を約束した。
ストルテンベルグNATO事務総長も呼応するかのように「エネル
ギー、食糧の逼迫と価格上昇も問題だが、これは時間との闘いである」と
発言している。
欧州はそろってタカ派に変貌したかに見えた。フランスはマクロン惨敗
の結果、ウクライナ政策に変化の兆しがある。
なにしろドイツは初期段階では軍事支援をためらったため批判が多かっ
た。その後、シュルツ政権は姿勢を改め、高度な武器支援に踏み切った。
その中味は多連装ロケットシステム「MARS」、砲兵検出レーダー「コ
ブラ」の他、スティンガー・ミサイル500基、自走榴弾砲7門、1・5
万個の対戦車地雷。10万発の手榴弾、走行車両ならびに暗視ゴーグルな
ど、かなり実務的な兵器である。
なかでもロシアが集中し、ドローンで索敵して破壊しているのが、この
155ミリ榴弾砲。6月21日にも運搬中の15門が破壊された。
バルト三国も間接的参戦である。
エストニアは6月21日、ロシア軍ヘリコプターの領空侵犯に厳重に抗議し
た。『ロシアへ周辺国に軍事的脅威をあたえている』と。
エストニアにはまだ人口の二割近くがロシア人であり、世界初のスマホ投
票はロシアのハッカー部隊にさんざん妨害された。
リトアニアはロシアから領内を経由する鉄道とハイウェイによるカリニン
グラードへの物資輸送をバリケードした。「これはリトアニア一国の措置
ではなくEUが決めた制裁品目が含まれているための『規制強化』の実施
であって、『戦争行為』ではない」とした。
プーチン側近のパトロシェフ安全保障会議書記は「必ずやロシアは深甚な
報復をする」と息まいたものの、具体的な行為反応は6月22日時点でま
だない。
ところがリトアニアの鉄道輸送停止は効果覿面で、カリニングラードでは
建材価格が70%高騰、食品が12%、GDPはマイナス6%予測となっ
た。名産の家具生産は20%激減。カリニングラードの合弁自動車メー
カー「アドトトル」(現代、紀亜、BMWの合弁)は21年度に販売実績
17万台。EUの制裁により合弁からBMQがおりた。
こうなるとNATO vs ロシアという図式に移行しているのが現在
のウクライナ戦争の実態になる。
オルデガ・イ・ガセットの箴言を思い浮かべる。
「ヨーロッパ社会において最も重要な事実」とは「大衆が完全な社会的
権力の座に登った」ことである。(中略)「この事実は、ヨーロッパが今
日、民族や文化が遭遇しうる最大の危機に直面していることを意味してい
る」(オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』、神吉敬三訳。ちくま文庫)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪
(読者の声1)最近、一帯一路関連の中国書を集中的に読み見返していま
すが、ウクライナ関連で腹を抱えて笑ったのが、「ウクライナでは腐敗現
象が甚だしく、ビジネス上の便法を求める余りウクライナ当局の関係部門
に賄賂を送ってはならない。ウクライナの腐敗した役人は賄賂に依存して
おり、中国商人は不正な手段で商売をしているといった印象が与えてし
まったらウクライナにおける中国企業の長期経営にとってマイナスとな
る」との「忠告」です
目くそ鼻くそを笑うの類と言ってしまえばそれまででしょうが、中国の研
究者にここまで言わせるわけですから、ウクライナ人は相当なモノ。
ここからだけでも、日本に伝わることのないウクライナ人の「気質」が判
るような気がします。以上、参考までに。
(樋泉克夫)
♪
(読者の声2)中国は毎年恒例となった洪水のニュース、香港の営業休止
していた水上レストランが曳航中に沈没というニュースとともに中国の先
行きを暗示しているようでもある。香港と深センは山で隔てられ香港では
雨でも深センは晴れだった。
三峡ダムに大量の水を貯め長江流域にずらりと高層ビルだらけの100万
都市を並べればどうなるか。鹿児島〜沖縄〜台湾まで、島の上空だけ雲が
できるように、季節によっては上昇気流で雲ができ雨が降りやすくなるの
だろう。
かつてソ連ではカスピ海の東のアラル海の水を綿花栽培で大量に使用
し、アラル海はほとんど消失してしまった。
人間の考えることなどこんなものかもしれない。
欧米諸国と対比されるロシア、イラン、インドだがイランの国営海運会
社がサンクトペテルブルクからムンバイまでコンテナ含む貨物のテスト輸
送に成功。ヴォルガ川の内航水運と鉄道でアストラハンまで運びカスピ海
でイランへ、陸路でバンダルアッバース、海路でムンバイへ。スエズ運河
経由で16000km以上が7200km、輸送コスト30%削減、移動時間40%削減が
期待できるという。
https://www.russia-briefing.com/news/russia-tests-india-freight-direct-via-instc.html/
https://twitter.com/DimitriASimes/status/1536697026204901378
ムンバイはイランからのパールシー(ゾロアスター教徒)であるTATA財閥
で有名インドはイラクからのユダヤ人がいたり、イスラムのマハラジャは
ロンドンに邸宅を構えエジプトに霊廟を建てるなど日本の金持ちとはス
ケールが違う中東からアフリカまで大英帝国とともにネットワークを築い
てきただけに非欧米の中心勢力となるのかもしれない。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)さすが「印華」、かの「華僑」より商いがうまい
のは確かでしょう。アラブから東アフリカにかけて、インド人が目立ちま
す。南アフリカも、中国勢が大挙進出する前まではインド商人の世界でした。
ところで香港の水上レストランが南シナ海で沈没というニュース、あれ
は香港名物の「珍宝王国」ですね。
https://www.sankei.com/article/20220621-3B2TGCDJVJK3BO3KZGU4QBWTQU/
香港島の南端アバディーン港から艀(はしけ)でわたり、料理はともか
く風情がありましたね。四回ほど、人を案内して行ったことがありまし
た。玉座にすわって写真を撮るのが観光客の定番でした。
(読者の声3)発刊されたばかりの『第三次世界大戦はもう始まってい
る』(文芸新書)でエマニュエル・トッド氏の意見を読むと、今日本の空
気を覆っている「ウクライナ応援歌の絶唱」はだいぶ様子が変わって聞こ
えてきます。
彼はフランス人ですから当然ドイツや北欧その他ヨーロッパ諸国の国
際関係上の「内幕」を把握しているようで、主にアメリカから流れてくる
日本のマスコミの報道、つまりウクライナをロシアが侵略したという「合
唱曲」はだいぶ「濁って」聞こえてくるのです。
つまり、あの真珠湾攻撃の原因がそうであったように、ロシアの「真珠
湾攻撃」はあの頃の欧米の「日本締め付け策」に我慢しきれなくなった日
本の「悲鳴」と重なって聞こえてくるのです。「あれと同じことだったか
も知れない・・・・」と。
いずれにしても実態があらわになるのは「時」が必要でしょうが、一連の
貴誌の記事や同書を読むことで、かなり参考になります。(SAA生)
(宮崎正弘のコメント)トッドは人口学者であり、家族構成から社会をカ
テゴリーに分けて、旧ソ連は家族構成が激変したため、破綻すると予言し
ました。
日本は中国と敵対する以上、ロシアを重視するべきだし、核武装するべき
と唱えたユダヤ系フランス人ですが、ハンチントンを全面否定しているあ
たりがユニークです。
ただトッドを日本の一部が教祖扱いしているのも、どうかと思いま
す。かれは基本的に左翼です。
(読者の声4)三島由紀夫研究会の6月「公開講座」は下記の通り開催さ
れますので是非ご参加下さい。
記
1.日時 6月29日(水)18時開演(17時半開場)
2.会場 アルカディア市ヶ谷(JR, 地下鉄市ヶ谷駅から徒歩2分)
https://www.arcadia-jp.org/access/
3.講師 小川榮太郎先生(文芸評論家)
4.演題 「現代作家の値打ち、三島文学を超える小説家がなぜ出ない」
5.講師略歴 大阪大学文学部卒。埼玉大学大学院修士課程修了。専門は
近代日本文学。
6.会場分担金 会員・学生1千円(一般2千円)
どなたでも予約不要で御参加いただけます。
(三島由紀夫研究会)
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岸田首相「資産所得倍増プラン」が日本を救う日。
“一億総株主”=栫井駿介
岸田総理が「資産所得倍増プラン」というものを掲げています。これまで
の岸田総理といえば、何かと投資家に対して後ろ向きとも見える政策を掲
げていましたよね。しかし、ここにきて投資家フレンドリーな政策を掲げ
てきました。しかも、この政策は今後の日本株を長期的に押し上げる可能
性もあります。岸田総理が掲げる資産所得倍増プランの具体的な内容とは
何か。そして米国市場のこれまでの変遷をたどり、今後の日本株の見通し
を見ていきたいと思います。「今後の株式相場の行方が気になる」「岸田
さんは何をしようとしているの?」「資産所得倍増プランで何か変わる
の?」そんな疑問を持っている方は、ぜひご覧になっていただければと思
います。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立
鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事
した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第
2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラム
にてMBA取得。
資産所得倍増プランとは何か?
資産所得倍増プランというのは、分かりやすく言うと貯蓄から投資に移行
させたいというプランです。岸田総理が掲げている看板政策『新しい資本
主義』の中の1項目として出てきます。
貯蓄から投資へというのは、もうかれこれ20年ほど叫ばれている内容です
が、今回かなり具体的な形で出てきました
<具体策1. NISAの拡充>
具体策の1つめは、NISA、少額投資非課税制度の抜本的な拡充です。
NISAとは、投資した分の利益に対してかかる税金を、特定の金額までゼロ
にする制度です。
通常投資で得た利益は20.315%の所得税がかかりますが、年間120万円の投
資枠に対して、5年間は利益が非課税となります。
さらに、積立NISAは年間40万円までの投資に対して20年間、利益に対して
非課税となる制度です。今回拡充されると言われているのは、特にこの積
立NISAです。
現在40万円の積立NISAの枠がもっと大きくなる可能性があります。
<具体策2. iDeCoの加入年齢の引き上げ>
さらに2つめは、iDeCoの加入年齢の引き上げです。現在、iDeCoに加入で
きる年齢は65歳までですが、これを70歳まで延ばすということです。
現在、金融資産の大部分は高齢者が持っていることが分かっています。高
齢者のiDeCo加入を伸ばすことで、より預金を投資資産に持っていくとと
もに、将来の年金に対する不安をなくそうという動きに見えます。
日本と欧米の資産の違い
日本人の金融資産は、半分以上が預貯金となっています。米国や欧州と比
べるとかなり預金が多く、株式・投資信託等が少ないのが現状です。特に
米国では株式の資産が多く、さらに株高ということもあり資産が20年で3
倍になっています。
一方で、日本では1.4倍にしかなっていません。
しかし、株式・投資信託等の資産が増えると、当然そこから得られる配当
も増えるため、結果として国民が豊かになることを目標としているので
しょう。
実際の家計の資産状況を見比べてみると、日本の株式等はわずか10数%に
対して米国では50%程度、ヨーロッパでも30%近くあります。日本の残りの
資産は預金が50%以上となっており、欧米と比べても偏っている状況です。
現在は銀行に預金していても、ごくわずかな金利しかつきませんから、利
子による所得はほとんどない状態です。これを倍増させようというのが岸
田総理の計画です。
2022年06月29日
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