2022年08月14日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6229号
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   2022(令和4年)年 8月14日(日)


       戦後レジーム脱却、最後の機会:渡辺利夫

          アメリカの大戦略的ミス:北野幸伯 
           
        山上容疑者について思うこと:伊勢吉継
 
        趙立堅報道官は「吠える犬」:花田紀凱

                  

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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 戦後レジーム脱却、最後の機会
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【正論】この夏に思う:拓殖大学顧問・渡辺利夫 


[検閲で萎縮した言論]

江藤淳氏が昭和54年の秋から55年の春にかけてワシントンのウィルソン研
究所を中心に行った、GHQ(連合国軍総司令部)の検閲に関する研究の
成果が『閉(とざ)された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』(文藝春
秋)である。この著作のあとがきを、氏は次のように結んでいる。

「日本の読者に対して私が望みたいことは、次の一事を措(お)いてほか
にない。即ち人が言葉によって考えるよりほかない以上、人は自らの思惟
(しい)を拘束し、条件付けている言語空間の真の意味を知ることなしに
は、到底自由にものを考えることができない、という、至極簡単な原則が
それである」

GHQの検閲により日本の言論は一気に萎縮し、やがて日本の言語空間そ
のものがGHQのそれへと置き換えられていくさまを江藤氏は精細に書き
込んでいる。GHQが日本のメディアを検閲していることは完全な秘匿事
項とされ、この義務を怠れば新聞や出版物は発行停止処分の対象となった。

GHQという絶対的権力者の隠然たる、そして執拗(しつよう)な検閲圧
力に日本のメディアは抗することができなかった。権力集団の構築した大
規模、かつ水も漏らさぬ周到さで張り巡らされた検閲網から逃れるすべは
ない。検閲者の意に沿うよう言語を操作し、この操作をしばらくつづける
うちに、被検閲者の思考そのものが検閲者のそれとほとんど変わらない方
向へと転じ、やがて思想や歴史観のすべてがGHQ的なるものへと変換し
ていったのである。

日本がサンフランシスコ講和条約に調印し、これが昭和27年4月28日に発
効した。GHQの占領が解かれ、検閲それ自体も消滅した。しかし、占領
時代にGHQ的なるものへと変わってしまった日本のメディアの言説は、
講和条約発効後も、いやむしろ発効後にいよいよ強く歴史学会や教育機関
などで声高に主張され、そうして今日にいたる。
[自己否定的な歴史認識]

私の大学在学中には安保闘争があった。しばらくしてベトナム反戦運動が
高まりをみせ、大学紛争が頻発する騒々しい時代であった。その後、昭和
50年代に入ってにわかに頭をもたげてきたのが歴史教科書、従軍慰安婦、
南京事件、首相の靖国参拝などを巡る歴史認識問題であった。

冷戦が崩壊して平成の時代が始まり、時をおかずに日本のメディアが繁
(しげ)く発信するようになったのが、自己否定的な歴史認識問題であ
る。この問題が中国や韓国の対日姿勢に変化をもたらした。冷戦下にあっ
て抑制されてきた周辺諸国の反日の情念が、冷戦崩壊とともに露(あら)
わとなって、日本のメディアの反日が中韓の反日と共振し合うという、実
に厄介な構図がここに生まれるにいたった。冷戦崩壊によって打ちひしが
れた左翼偏向的な日本のマスコミは、その挫折感を歴史認識問題によって
振り払おうとしたのであろう。少なくない数の知識人や政治家がマスコミ
への迎合の中に、自分の生きる道を求め始めたかにみえた。

回顧して慚愧(ざんき)に堪(た)えないのは、反日が日本の国内問題と
いうだけでは済まされず、中国や韓国、そして欧米のクオリティーペー
パーまでを巻き込んで展開されたことであった。岡崎久彦氏はかつて次の
ように記していた。

「通常、戦争の記憶というものは戦後一世代を経ると、恩讐(おんしゅ
う)を離れて歴史の問題となる。戦後一世代あまりを経た1980年という年
をみても、その一年間、日本、外国のあらゆるメディア、論説、公式、非
公式の言明のなかに、この問題を取り上げたものを一つでも見出すことは
不可能である。それはもう済んだ問題だった」

「現在論じられているこの問題はすべて、1982年の教科書問題を発端とし
て、日本人の側から外国に問題を持ち込んで外国の否定的な反応を引き出
し、それを日本の国内問題とさせ、さらにそれを改めて国際問題としてエ
スカレートさせたものである」(『吉田茂とその時代』PHP研究所)
[呪縛から解き放つ責務]

強大な権力者による検閲の時代にあって歪(ゆが)められ、そして新たに
注ぎ込まれたGHQ的な思想と歴史観が、権力者が不在となってもなお強
く後の時代を拘束したのである。この名状し難い日本の言語空間、これこ
そが「戦後レジーム」に他ならない。そのレジームからの脱却をみずから
に課した安倍晋三氏が史上最長の政権を築きながら、道半ばで凶弾に倒れ
てしまったことは無念このうえない。

憲法の前文と第9条の中にくっきりとその存在を証すGHQなるものの呪
縛から、どうやってみずからを解き放つか。衆参両院で改憲勢力が3分の2
以上を占め、またよほどのことがない限り、今後3年間は大型の国政選挙
はないという。ひょっとして、これが日本のラストチャンスなのかもしれ
ない。政治指導者よ、臍(ほぞ)を固めてほしい。(わたなべ としお)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

産経新聞採録
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添付ファイル:
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ペロシの台湾訪問とアメリカの大戦略的ミス
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           北野幸伯

さて、今回は、ペロシさんの台湾訪問と、アメリカの大戦
略的ミスについてです。アメリカのペロシ下院議長は8月2日、台湾を訪問
しました。3日、蔡英文総統と会談しています。激怒した中国は4日から7
日、台湾を取り囲むように6か所で軍事演習を行いました。

皆さんご存知のように、私は台湾の味方です。しかし、アメリカのやって
いることがすべて「大戦略的に正しい」とは思いません。今回は、アメリ
カの「大戦略的ミス」について考えてみましょう。

▼NATO拡大とアメリカの大戦略的ミス
「リアリズムの神」ミアシャイマー教授は、ロシアのウク
ライナ侵攻について、「アメリカに責任がある!」と断言しています。要
するに、「プーチンを無視して、NATOを拡大しつづけたアメリカの責任
だ」というのです。
証拠↓
https://www.youtube.com/watch?v=cZaG81NUWCs

「あのミアシャイマーが、アメリカを批判し、ロシアを擁
護している!」これは、ロシア擁護派、反米派に大いに利用されていま
す。しかし、大昔からミアシャイマーの言動を追いつづけてきた人たちに
は、彼の真意がわかるでしょう。ミアシャイマーは、2001年に「大国政治
の悲劇」を出版した当時から、「アメリカ最大の仮想敵は中国である」と
主張しつづけてきました。

今になって、ミアシャイマーの予測が正確だったことがわ
かります。そして彼は、一貫して「中国に勝つために、ロシアと組め!」
と語っていたのです。かつて、アメリカは、ナチスドイツに勝つために、
ソ連と組みました。

戦後はソ連に勝つために、かつての敵ドイツ(西ドイツ)
、日本と組みました。それでもソ連が優勢なので、70年代初めに共産中国
と組んだのです。これが、「アメリカ流リアリズム大戦略」です。繰り返
しますが、2001年時点でミアシャイマーは、

・アメリカ最大の仮想敵は中国である

・中国に勝つためにロシアと組め!
と主張していたのです。ちなみに私の07年の本は、
「中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日 〜 一極主義対
多極主義」といいます。

この本の中で私は、「日本は、中ロを分断しよう」と書い
ています。要するに、ほとんどのリアリストは、「最大の脅威は中国」
「中国に勝つためには、ロシアと組んだ方がいい」と考えていたのです。
ちなみに世界一の戦略家ルトワックさんも、日本は「中国とロシアを分断
すべき」と主張していました。

ところが、アメリカ政府はどう動いたのでしょうか?
NATOを拡大することで、プーチンは危機感を強めていっ
た。そして、プーチンは、どんどん中国に接近していったのです。まさ
に、私の07年の本「中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」の方向に向
かっていったのです。

ミアシャイマーは、
・最大の仮想敵は中国
・中国に勝つためにロシアを味方につけた方がいい

という基本的認識を20年前から持っていた。それで、今回のウクライナ侵
攻について、「アメリカの責任だ」というのです。別にミアシャイマーが
「親ロシア」だとか「ロシアの行動を擁護している」わけではありません。

ただ、アメリカ政府がやっていることが「大戦略的に愚か
だ」ということなのです。考えてみてください。ロシアが、いわゆる西側
陣営に加わっていれば?西側陣営は、楽勝ではないですか?

▼ペロシ訪台という大戦略的ミス
同じように「大戦略的視点」からペロシさんの台湾訪問を
見てみましょう。考えなければならないのは、欧米と日本は現在、「ロシ
アと戦っている」ということです。

もちろん、戦場はウクライナです。もしプーチンが逃げ切れることができ
れば、習近平はどう考えるでしょうか?
「プーチンは、ウクライナに侵攻して逃げ切った。俺が台湾侵攻を決断し
ても逃げ切ることができるだろう!」
と考えるでしょう。

プーチンが逃げ切れれば、台湾侵攻の可能性が高くなりま
す。では、どうすればいいのでしょうか?ウクライナへの支援をつづける
ことで、ロシアに勝てるようにしなければならない。もちろん、厳しい制
裁は継続していきます。

プーチンを失脚に追い込めたらどうなるでしょうか?
習近平は、「ウクライナ侵攻に失敗したプーチンは失脚した。台湾侵攻に
失敗すれば、俺も失脚だ。」となり、台湾侵攻を決断しないでしょう。だ
から、アメリカは今、ロシアとの戦いに全集中すべきなのです。当然、中
国とは、プチ和解すべきです。ところがペロシさんが台湾に訪問した。激
怒した中国は、大規模な軍事演習をした。


これで、本当に戦争がはじまったら、アメリカはどうする
つもりなのでしょうか?西でロシアと戦い、東で中国と戦う?こんな愚か
なことはありません。ヒトラーは1939年、西と東、同時に戦わないため
に、独ソ不可侵条約を結びました。スターリンは、西のドイツ、東の日本
と同時に戦わないために1941年、日ソ中立条約を結びました。「二正面作
戦を回避すること」は、戦略の基本です。

アメリカは、「自ら二正面作戦を誘発するような行動をし
ている」という意味で、ペロシ訪台は愚かです。ミアシャイマーのいうこ
とを聞かず、NATOを拡大。中国とロシアを一体化させてしまったのも、愚
かでした。しかし、過去を悔やんでも仕方ありません。ロシアがウクライ
ナに侵攻した。ロシアと戦いながら、中国を挑発してどうするの?という
ことです。

バイデンさんは、ブレることなく、ロシアとの戦いに集中
していただきたいと思います。(バイデンさんは、ペロシ訪台に反対した
と報じられていますが。)
            


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山上容疑者について思うこと
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   ペンネーム 伊勢吉継

毎日の報道でこの容疑者がどういう人生を送ってきたか、どういう人物で
あるのかということが少しずつ明らかになってきているが、

安倍さんというのは、現代日本の幸福、発展のいわば象徴であり、アイコ
ンであると思う。

そのアイコンをぶっ潰したかったのではないか、日本なんかいい国だ、幸
せだなんて嘘だ!俺はコテンパンな目にあってんだぞ!こんなクソみたい
な社会をぶっ潰してやると思い、そのアイコンを潰し、そのことによって
日本、日本国民をも自分の道連れに奈落の底に引きずり落としたかったの
ではないか。俺をことごとくいじめぬいた社会なんかクソ食らえと。

今、主にテレビだと統一教会に恨みを持ってというのが動機としている
が、もしそうなら安倍さんを撃つ前に、統一教会の施設を夜中の3時,4時
に試し撃ちしたとのことだがもし統一教会の人を狙うのなら、こんなこと
はしない、3時,4時に撃ったって誰にも打撃を与えられないし、そのあ
と、統一教会側は警戒するだろうから、容疑者は狙いにくくなる。コメン
テーターの人も、これはアリバイ作りで、他に本命はあるという、統一教
会の人に恨みがあり、狙っていると見せかけるためのものだと言ってい
る。私もそう思える。統一教会に恨みがあるというなら他にもつながりの
ある政治家はいる。

あえて安倍さんをターゲットにしたというのが、この容疑者の悪どさ、思
想、哲学が全部集約されているものだと思う。現代日本のアイコン、日本
の救世主であり、この人がいなくなったら、日本国民は困り果てる、そこ
を狙ってやっているというこの悪どさ。

無論そうだとしたら、警察の聴取でそんなことは言えないはずである。世
論はけしからんとなり、この人は一生日本で生活できない。統一教会を恨
んでと言えば、そんなに反発を受けないし、同情さえされる、だから嘘を
言っているのではないか。

周到に、事件の前に、統一教会批判のフリージャーナリストの人に、統一
教会に私は恨みを持ってましてという事件の動機を書いた手紙を送ったり、

これも、自分が捕まったら、この手紙がマスコミに公表されるだろうと計
算して、
本当の動機とは別の動機を書いて送っているように思う。
犯人があえてわざわざ本当の動機をジャーナリストの人に送るなんて普通
しないと思う。そこにはそういう計算があるとしか思えない。

そういうところとか、この人は凄い緻密にやっている、安倍さんを撃った
ときも大騒ぎせずに、取り押さえられても抵抗しないし、そういう凄い冷
静で緻密なところが、逆にこの人の思想の悪どさを凄く感じさせる。

ここまでだとあまり説得力がないように思う、理由が弱すぎるので、ここ
でNEWSポストセブンの
作家の橘玲(あきら)氏の記事を引用します。


記者─山上容疑者が橘さんの書いた映画『ジョーカー』に関する記事をリ
ツイートしていました。続けて別のユーザーとのやりとりの中で〈ええ、
親に騙され、学歴と全財産を失い、恋人に捨てられ、彷徨い続け幾星霜、
それでも親を殺せば喜ぶ奴らがいるから殺せない、それがオレですよ。〉
という書き込みもありました。これは、犯行に至る背景を語っているよう
にも思えますがいかがでしょうか。

橘:銃撃事件とその直後の報道で、映画『ジョーカー』と似ていると感じ
ていたので、容疑者が私の記事を読んでいたというのは驚きました。
『ジョーカー』では、主人公のアーサーには政治的・思想的な背景はなに
もありません。たしかに格差拡大への怒りで群衆が反乱を起こす場面が描
かれてはいますが、アーサー自身にはエリートや富裕層に対する憎悪もな
ければ、アンチ・グローバリズムや反資本主義などのイデオロギーもまっ
たくありません。 同様に今回の容疑者も、安倍元首相の政治信条にはな
んの関心もなく、カルト宗教団体に人生を破壊されたという個人的な恨み
が犯行の動機とされています。しかし、背後からなんのためらいもなく2
発の銃弾を浴びせるというのは、自分の行為が絶対的に正しいという確信
がなければ不可能です。報道でもそこがよくわからなかったのですが、
〈ジョーカーという真摯な絶望を汚す奴は許さない。〉という投稿を見
て、自分とジョーカーを重ね合わせていたのではないかと感じました。

記者─容疑者も「真摯な絶望」を感じていた?

橘:今回の容疑者の特徴は、“絶対的な孤立”ではないでしょうか。すべて
のメディアが彼の過去を追っているわけですが、2週間ちかくたっても、
高校時代と自衛隊入隊、最後に勤めていた京都府内の倉庫のこと以外はわ
からない。海上自衛隊を退職したあとは、ファイナンシャルプランナーや
宅地建物取引士などの資格を取り、複数の会社で派遣社員やアルバイトと
して働いていたとされますが、

その間のことを証言する友人などはまったくいない。 秋葉原で起きた無
差別殺傷事件(2008年)の犯人も孤立していましたが、それでも親身に相
談に乗ってくれる故郷の友人や年上の女性がいた。映画『ジョーカー』で
は、アーサーは「自分はまるで存在していないかのようだ」と繰り返し訴
えるほど孤独で、その“絶望”から狂気と妄想にとらわれ、ジョーカーへと
変わっていきます。容疑者がアーサーに感情移入したのは、そこに自分と
同じ「とてつもない孤独」を見たからではないでしょうか。

ハロウィンの日にジョーカーの仮装をした24歳の男が、京王線内で男性
の右胸を刺し、ライターオイルをまいて車内に火をつけた事件(2021年)
がありましたが、日本の社会にはアーサー(ジョーカー)の造形に強く惹
きつけられる男が一定数いるのでは、とも思います。

記者─元記事では「非モテのテロリズム」にも言及しています。アメリカ
で「インセル(Incel)」と呼ばれる性愛から排除された若い男性による
無差別銃撃事件が立て続けに起こったことを、橘さんは「社会への復讐」
と分析しています。

橘:今回、投稿を読んではじめて「恋人に捨てられ」ていることがわかり
ましたが、フェミニズムへの批判やミソジニーへの言及もあることから、
容疑者が自分をそこに加えていたかどうかはともかく、“インセル/非モ
テ”を意識していたことは間違いないでしょう。

若い男の最大の絶望は、社会的・経済的に排除されることではなく、性愛
から排除されることだと『無理ゲー社会』などで述べてきました。容疑者
は、そうした怒りが社会への憎悪に向かっていくことを自覚していた可能
性はあると思います。

ただ投稿を見ると、容疑者はジョーカーをたんなる「非モテ」ではなく、
もっと巨大な存在だと考えていたようです。「憎む対象は社会全て」とい
うのは、今回の行動がより大きな物語のなかでの「復讐」であることを示
唆しているようでもあります。

すでに報道されているように、新興宗教団体に家庭や人生を破壊されたと
いう強い怨恨があるのは明らかです。しかし、これを単純な因果関係で考
えていいのかは疑問です。この教団に家庭を壊されたひとはたくさんいま
すが、そのほとんどは犯罪など起こしたりしないわけですから。

だとしたら、逆の因果関係もあったのではないか。自衛隊を退職したあ
と、頑張って資格を取ったにもかかわらず、40歳を前にして、社会からも
性愛からも排除されているという現実を突きつけられた。“とてつもない
孤独”のなかで、なぜ自分の人生はこんなことになったのかを考えていく
うちに、人生をさかのぼって教団を悪魔化するようになっていった。 す
べての困難の原因が教団にあり、自分は純粋な被害者(善)だとするなら
ば、その教団とかかわっていた(とされる)元首相が絶対的な「悪」とし
て立ち上がってくるという構図は理解できます。

確信があったわけではありませんが、容疑者の『ジョーカー』への思い入
れがわかったことで、今回の事件も、京アニ事件(2019年)や大阪の診療
クリニック放火事件(2021年)などと同じく「下級国民のテロリズム」の
範疇に入るのだろうといまは考えています。

以上ですが、今テレビなどで原因は統一教会だと言わんばかりであるが、
この文に書いたことが理由だと一概には言えないとしても、ここに書いた
ように少なくとも、統一教会を憎んで安倍さんにというのは無理筋ではな
いかというのは言えるのではと思えます。

  

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趙立堅報道官は「吠える犬」 
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    【花田紀凱 天下の暴論プラス】

 一国のリーダーともなれば、それなりの品位もマナーも兼ね備えている
のが当然だろう。ところが、中国の習近平総書記、バイデン大統領との電
話会談(7月28日)で、言いも言ったり。「火遊びすれば必ず焼け死ぬ」

 ペロシ下院議長の訪台を牽制して発した言葉だろうが、チンピラヤクザ
の脅しにも劣る。ちなみにこの訳は産経新聞のものだが、朝日新聞は「火
遊びすれば必ず自らを焼く」。読売新聞は「火遊びすれば必ず身を焦がす」。

 毎日新聞は、本文記事ではこの発言に触れていないが、社説で「火遊び
すれば身を滅ぼすことになる」。「焼け死ぬ」と「身を滅ぼすことにな
る」では日本語のニュアンスはずいぶん違う。「身を焦がす」は「恋に身
を焦がす」なんて言葉もあるし、ちょっと中国に慮(おもんばか)りが過ぎ
るのでは。

 バイデン大統領の通訳はいったいどう訳したのだろう。
石平さん(評論家)に伺うと、中国語では「遊火自焚」。
「ちょっと強い気もしますけれど、まぁ、『焼け死ぬ』と言ってもいいで
しょう」で、思い出したのが、中国外務省の趙立堅報道官のことだ。

 この人、顔からしてヤクザまがいで、「戦狼外交官」と呼ばれ、会見で
の発言を聞いていると、いつも腹立たしい。ことにひどかったのは
2020年11月、ファイブアイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、ニュー
ジーランド、オーストラリア5カ国が機密情報を共有するための同盟)
が、香港問題で中国を批難した時。

 趙立堅報道官は、会見でこう言い放った。「大胆にも中国の主権、安
全、発展利益を損なうなら、目を突かれて失明しないように注意しろ」
「たとえ目が5個あろうが、10個あろうが関係ない」「中国人は決してト
ラブルを起こさないし、決して恐れることもない」

 ロシアのウクライナ侵攻に関しては会見で、ロシアと中国の関係をしつ
こく問われてイラ立ちを見せ、「中国は平和の側に立ち、戦争に反対す
る。中国は対話と交渉の側に立ち、一方的制裁に反対する。中国は情勢緩
和の側に立ち、火に油を注ぐことに反対する」

 5月5日、アメリカ側が「中国はロシアに協力して虚偽情報を流してい
る」と言ったことに対しても、すぐに趙立堅報道官が反論。「米国こそ
が、その名に恥じない、最大の『嘘製造機』である」そういえばコロナウ
イルス発生の初期、20年3月、趙立堅報道官は、英語と中国でこうツイー
トしていた。

 「ゼロ号患者(初めて感染した患者、病原体を初めて外部から持ち込ん
だ患者)はいつ米国で発生したのか? 何人が感染? 病院名は? おそ
らく米軍が疫病を武漢に持ち込んだのだろう」トランプ大統領が「中国ウ
イルス」ポンペオ国務長官が「武漢ウイルス」という呼称を使ったこと
に反発したのだろうが、むろん、何の根拠も示せなかった。この発言に関
してはさすがに崔天凱アメリカ大使が、後に「中国を代表する発言ではな
い」よ否定的に語っている。

 趙立堅報道官に日本の諺をお教えしよう。
   「弱い犬ほどよく吠える」
  (月刊『Hanada』編集長)

  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    松本市 久保田 康文   夕刊フジ採録


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重 要 情 報
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◎「コラボとは何の事」と探求してみると:前田正晶

当方は以前から「コラボレーションかコラボというカタカナ語が気安く
使われていることはおかしい」と指摘してきた。そう言う理由の一つに、
どうやら「タイアップ」(=tie-up)の意味で使われていると疑わしい例
があるからだ。そもそもの私の主張は「コラボレーションかコラボなどと
いう言葉を使わないで、『誰それさんとともに作業をしてか、働いて』と
素直且つ具体的に説明した方が良いのだ」だった。

更に「20年以上もの間アメリカ人の中で働いていても、報告書や会議中
の説明の中でcollaboration等という言葉が使われていた記憶がない」と
強調し、平易にOxfordにあるような“to work together with 〜 in order
to produce or achieve 〜”が示しているように「誰かと共に何かを成し
遂げるべき作業した」と日本語で言った方が自然だと思うのだ。

そこで、念の為に「タイアップ」即ち“tie-up”を検索して見た。する
と、色々な説が出てきて「それは縛るという意味だ」として、後ろ手に縛
られている画が出ている例もあった。また、「それを言うならば、
collaborationを使いなさい」という推薦もあった。少なくとも、タイ
アップがカタカナを使った造語であるとは出てこなかった。

しかも「タイアップとは対等の間柄で提携するのではなく、どちらかが
主であり片方が従の立場になるもの」ともあった。そして、「コラボレー
ションであれば、対等の関係にある二社が協同すること」ともあった。
「アレッ」という思いで、何が本当なのか良く解らなくなった。

そこで、お馴染みのOxfordでtie-upはと調べてみると“an agreement
between two companies to join together”とあって、例文は“They are
negotiating tie-up with Ford.”と出てきた。別に主対従や対等の間柄へ
の言及はなかった。

何となく、ここから先に何と言えば良いのかと混乱させられた気がし
た。だが、良く考えれば「コラボレーション」とか「コラボ」などと如何
にも英語通のように格好を付けるのではなく、「この製品はA社とB社が協
同して製造した物です」と詳しく言えば良いのだと思うに至った。また、
タイアップは広辞苑にも簡単に「提携すること、協力すること(某社とタ
イアップする)」とあるのだから、「2社間での提携または協力」と、そ
れぞれの場合を見て使い分ければ良いのではないのか。

カタカナ語を批判する立場から言えば「元の英語の意味と使い方をハッ
キリと認識することが先決問題であり、無闇にカタカナ語化して使わない
方が良いのではないかな」となるのだ。要するに「共同作業」と「提携」
を同じように「コラボ」にしない方が良いのだ。但し、タイアップは「コ
ラボ」より先にほぼ完全に日本語化されていたと思うが。


◎何も世界平和統一家庭連合問題だけに限らずとも、我が国のマスコミは
頼りにならない:前田正晶

山上徹也の安倍晋三元総理の殺害以来、我が国の報道機関は申し合わせた
かのように統一教会関連の情報と、言うなれば旧悪を詳細に報道し始めた
のだった。お陰様でこの組織がカルトなのか邪教なのかすら良く知らない
私等は、名称変更があったのだと知り得たし、その変更に自民党が絡んだ
のかと疑いがあった事も教えられた。過去の騒動を知らない方が初めて
「世界平和統一家庭連合」と聞けば統一教会のことだったとは気付かない
かも知れないと思った

私は既に指摘してあったように、山上徹也が安倍晋三元総理を殺害して、
パンドラの箱を開けたのだと思わずにはいられなかった。彼らマスコミは
あらためて、統一教会の実態と我が国で何をしたかったのかと何をしたか
を詳細に世間に報じだしたのだった。

だが、同時に「何故か?」と痛感したことがあった。それは「我が親愛な
るマスコミは山上徹也の件がなければ、家庭連合について取材してあった
あれほどの膨大な(とでも言いたくなる)情報を流す意図が無かったの
か」ということなのである。如何に無知な私であっても、合同結婚式とそ
れに伴う哀しい話や霊感商法や教会に吸い上げられる寄付のことくらいは
承知していた。だが、今回報道し始めた政治との関連などは、関西風に言
えば「聞き初めや」なのだった。

彼らが今更のようにあの当時教会に対抗して活動された紀藤弁護士等にテ
レビに出演願って、世界平和統一家庭連合という名称になるまでの経過と
旧悪を報道し始めた姿勢には「一体全体、彼らは如何なる理由で統一教会
の活動は決して消滅していた訳ではない事を、広く知らせようとしなかっ
たのか」との疑問を感じた。こちらが不勉強だったと言われればそれまで
だが、山上徹也があの暴挙に出るまでのような寄付金吸い上げがあったの
ならば、何故警鐘を鳴らす報道をしなかったのかと思った。

パンドラの箱の中身はここまでで終わらなかった。次に出てきたことは政
治というか自民党との絡みだった。彼らは「アンケート」なる代物を自民
党の議員に送りつけて「統一教会との関連」の調査を始めた。私は「彼ら
がそれ以前に自民党の議員たちと教会の関連の度合い」に関する取材をし
ていなかったとは到底考えられないのだ。彼らは安倍晋三元総理が凶弾に
倒れられたことを奇貨として、一斉に更に取材し報道を開始したと疑って
いる。

彼らは昨12日には岸田内閣の新副大臣・政務官の中の16名だったかに関連
があったと「人が犬を噛んだ」かのような報道振りだ。何もこの件に関し
てだけではなく、マスコミは何処の誰が祝電を打ったかとか会合に出席し
て祝辞を述べたとか等々を報じてあった。だが、不思議に感じたことは
「だから大臣を辞せよ」とか「この職に就くな」とか「国民に謝罪せよ」
という類いの責め方はしないのだ。

専門家やジャーナリストの中には「国会議員が彼ら教会を頼るのは公職選
挙法という縛りがあるからだ。現行のこの法律がある限り、選挙運動に無
料で奉仕してくれる組織があれば依存するのも無理はない」と肯定してい
るのか、教会を批判しているのかが良く解らない解説をする人もいた。
「なるほど」と思って聞いた。

では、「何の為の報道か」なのだ。私は彼らが本気で攻め上げるべき対象
は世界平和統一家庭連合だとしか考えられないのだ。教会との絡みがある
議員は自民党に多い。だからこそ、マスコミは議員たちが如何にも悪いこ
とをしているかのように思わせる報道をする。だが、「だから、こうせ
よ」という報道ではなくて、ただ単に過去にこういうことがあったと報じ
るだけ。

「自民党よ。反省して政権の座を降りなさい」とでも言う気かと思えば、
そうではないようだ。彼らは「政治は責めても宗教団体(なのだろうか)
は責められない」とでも言う姿勢なのだろうか。何事に関してもそうなの
だが、彼らマスコミの言うことを聞いていても実態が良く解る訳でもな
く、サッパリ役に立たないので困る。



◎「機密文書持ち出し」:まぐまぐ編集部

米FBI、トランプ前大統領の別荘を家宅捜索。退任後に「機密文書持ち出
し」で逮捕の可能性も?

 アメリカのFBI(連邦捜査局)は8日、令状にもとづいてフロリダ州パー
ム ビーチにあるドナルド・トランプ前大統領の別荘(マール・ア・ラー
ゴ) の家宅捜査をおこなったことがわかった。CNN、共同通信、日本経済
新聞 などが報じた。トランプ氏が声明で発表したという。

ロイター通信の報道によると、「トランプ氏が政府の公文書をマール・
ア・ラーゴに持ち出したことを巡り調査」しているとした。米司法省、
FBIも家宅捜索についてコメントを控えているという。また、日本の共同
通信も米有力紙ニューヨーク・タイムズが「大統領退任後に機密文書をホ
ワイトハウスから持ち出したことと関係しているとみられる」と報じたと
している。

トランプ氏は8日、声明を発表。NHKニュースによると、トランプ氏は「私
の美しい家が大勢の捜査員によって包囲され、捜索され、占拠されてい
る。アメリカの大統領にかつてこのようなことが起きたことはない」と批
判。しかし、FBIの捜査内容については明かさなかったという。

アメリカ人ジャーナリストのマギー・ハバーマン氏(CNN政治アナリス
ト)がTwitter上で、トランプの声明文を紹介している。

アメリカのトランプ前大統領が家宅捜索という衝撃の報道を受けて、日本
のネット上では、さまざまな意見が投稿されている。

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身 辺 雑 記
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14日の東京湾岸は曇りのち晴れ。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎

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渡部 亮次郎
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