2022年08月17日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6232号
□■■□──────────────────────────□■■□
       
        

   2022(令和4年)年 8月17日(水)



  ペロシ氏訪台「自制すべきは米国」に違和感:小谷賢

     国際インテリジェンス機密ファイル:北野幸伯

         「日本人の真価」はどこに:馬場伯明

    「自分の国は自分で守る」覚悟と行動:野口健 
    
             中国国有企業五社:宮崎正弘


                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

         購読(無料)申し込み御希望の方は
        下記のホームページで手続きして下さい
         頂門の一針(まぐまぐ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ペロシ氏訪台「自制すべきは米国」に違和感  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         日本大教授・小谷賢

【新聞に喝!】
米国下院議長のナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問したことが、米中関係に
一石を投じている。今回の訪問は外交的に練られたものというよりは、氏
の政治的なスタンド・プレーのようだ。中国からすれば、共産党大会を控
えたタイミングの訪問は最悪で、習近平国家主席はバイデン米大統領に強
い口調で警告したとされるが、大統領は三権分立を理由にペロシ氏を制止
しなかった。こうしてメンツを潰された形の中国は、台湾を囲む形での軍
事演習を強行した。今回は初めて中国人民解放軍が中台の中間線を越え、
かつ日本の排他的経済水域(EEZ)にもミサイルを落下させるというか
なり挑発的なものとなった。

今回のペロシ氏の台湾訪問に対して、中国は軍事力で応えた形となる。
さらに言えば今後、中国は台湾周辺での軍事演習や、台湾対岸での部隊展
開を常態化させる可能性もあり、訪問はその口実を中国側に与えたことに
なる。ただ今回の件がなくとも中国は台湾侵攻に向けた布石を着実に打ち
続けており、焦点は米国やその同盟国が中国を抑止できるかにある。これ
に対して朝日新聞は「いたずらに緊張を高め、地域を不安定化させる行動
は慎むよう日本は米国にも強く働きかけていく必要がある」とするが、緊
張を高めているのは中国側であるため、米国に自制を求めるのは違和感を
覚える。産経新聞や日経新聞が論じているように、日本としては米国と連
携して中国を抑止する方向に進むべきだろう。

米軍は世界最強の軍隊であるが、東アジアに限定すれば、中国優位の状
況になりつつある。今、中国が台湾に侵攻すれば、米軍がそれを押しとど
められるかは微妙だ。そこで米国は東アジア地域での軍事力の増強や同盟
再編によって、対中軍事バランスを均衡させようとしている。6月には米
上院議員2人が台湾支援強化法案を提出、台湾の防衛力強化を促した。ま
た昨年9月には米英豪で軍事同盟となるAUKUS(オーカス)を結成
し、豪州へ原子力潜水艦を供給することで、中国の海洋進出にも備えてい
る。今後は、日本にもそれなりの軍事的貢献が求められることになるだろう。

今回、岸田文雄首相は訪日したペロシ氏と直接会談を行うことで、日本
の旗幟(きし)を鮮明にした。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領
が直接会談を避けたのとは対照的だ。昨年、故安倍晋三元首相が「台湾有
事は日本有事」と発言し、中国側の怒りを買ったとされるが、われわれも
台湾問題に対して真剣に向き合う時が来ている。

【プロフィル】小谷賢(こたに・けん)

昭和48年、京都市生まれ。京都大大学院博士課程修了(学術博士)。専
門は英国政治外交史、インテリジェンス研究。著書に『日本軍のインテリ
ジェンス』など。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

産経新聞採録

            
━━━━━━━━━━━━━━━━━
国際インテリジェンス機密ファイル
━━━━━━━━━━━━━━━━━
        北野幸伯

★要旨

・令和・日本の国際戦略環境は厳しい。
原因は、天翔ける龍となった中国の台頭にある。

・今の中国には、工業化初期の国が陥りがちな過ち、すなわち過剰なナ
ショナリズム、力への過信、領土と勢力圏の拡張への野心といった症状が
見て取れる。

・中国は、私たちと同じ自由主義的な価値観を共有しない

・既に中国の経済規模は日本の3倍、米国の7割を超えた。

・最早、米国の周りに団結する以外、日本をはじめとする西側諸国が中国
と対峙するすべはない。中国が政治的に成熟し、責任ある国家となるのは
当分先のことだろう。

・この圧倒的な圧迫感は、日本が明治時代に帝政ロシアに怯えたり、三国
干渉時に独仏露の欧州列強から感じたりしたものと同じである。日本の安
全保障環境は、100年ぶりに切迫してきている。

・明治の日本は、日英同盟を支えにして帝政ロシアとの関係をのりきり、
戦後は日米同盟を支えにしてソ連邦との関係をのりきった。

・日本は、同盟国である米国とともに地域の戦略的安定を確保し、自衛隊
を祖国防衛と国際平和のために戦える軍隊に鍛え上げ、自由貿易の旗を高
く掲げ、地域の経済統合を進め、個人の尊厳の絶対的平等に立脚した自由
主義的な価値観を守り、世界史を導くことのできる戦略を提示せねばなら
ない。

・そうして初めて、超大国化しつつある中国との関係を安定させ、中国と
諸々の利益調整が可能となる。それが21世紀の大戦略である。

・安全保障、危機管理は、日ごろの備えがすべてである孟子が言うように
国は憂患に生き、安楽に死するのである

・今日の若い政治家に、あるいは若い日本人に、世界最高水準にあるわが
自衛隊最高幹部の考えを聞いてほしい。

・また、日本を代表する一流の軍人の意見が、外交、政治、経済を担う第
一線の人々の意見と常日頃から混ざり合って、日本政治の「一般常識」に
なって欲しい。



━━━━━━━━━━━━━━
「日本人の真価」はどこに
━━━━━━━━━━━━━━
       馬場伯明

好きな人が書いた新刊本が店頭に並んだらすぐ買うことが多い。「図書館
で借りて読んだらいいのに・・・」と妻に言われるが、図書館に入荷して
も、予約する人が多いので、順番を待てず買ってしまう。だから、本棚・
本箱から溢れ家が本だらけになってしまう(笑)。

「文藝春秋」は毎月講読している。毎月10日、いつも、(以下、藤原さん
という)の冒頭の「古風堂々」から一気に読む。先日新聞広告に藤原さん
の「日本人の真価」(文春文庫・850円2022/7/20)があった。

17年前に「国家の品格(新潮新書・2005)」を書き、日本国民に衝撃を与
えた藤原さんの新刊本である。帯の表には「この国は再生できる」「美意
識と武士道精神で危機の時代を生き抜く」とある。さらに、裏には「ウク
ライナ戦争、コロナ禍、中国の覇権主義など、現代の難問を一挙に解決す
る!」とある。「おお、そうか、どれどれ」と購入し、読書開始だ。

ところが・・・である。ページを捲れば、「あれ、れれれ〜〜、こりゃ、
なんだ」。既視感(!)でで、じゃぶじゃぶ・・。文藝春秋に載った巻頭
エッセイ「古風堂々」の1(2019/6)〜36(2022/5)やその他の掲載物の
再録である。2022/8/10 に買った文藝春秋2022/9特別号の「古風堂々」が
40(!)なのに・・・。ちと、早まったか。

でも、買ってしまったものはしょうがない。もう1回読もうと本を開く。
「古風堂々」もまとめたものをまとめて読めば、牛の胃袋の反芻にも似た
二度喰いの新鮮さがあり、文章や論旨への共感もある。気になった箇所を
引用・抜粋し、感想等を記す。

まず、何と言っても、最後の「第9章父・新田次郎と母・藤原てい」が圧
巻である。「2016/11/15、母が亡くなりました。98歳の誕生日を迎えたと
ころでした」で始まる。藤原さんは母上には絶対に頭が上がらない。敗戦
後、夫(藤原寛人・作家:新田次郎・父)が満州に残りシベリア抑留とな
る中で、26歳の藤原ていさん(母)は兄(5歳)・自分(2歳)・妹(生後
1か月)の3人の子供を満州から一人で日本へ連れ帰った。

「流れる星は生きている(藤原てい・1949)」はその苦難の1年1ヶ月にわ
たる逃避行と日本への帰還の歴史に残る実録である。この母がいなかった
ら子供3人のその後の人生はなかった「38度線を越えた1946/8/11」頁は
何回読んでも感動的であり自分の家族のことのように嬉しくなる。

両親は夫婦喧嘩が多かったとある。読めば「なるほど」とそのわけを納得
できる。ていさん(妻)が怒って箸や木のお椀を藤原さん(夫)へ向かっ
て投げつける。猛女である。「喧嘩の終盤、母の決め台詞は、『誰が38度
線を越えて子供たちを連れて帰ったか!』『お父さんは新京の駅で、なん
だかんだきれいごとをいって、一緒に来なかったじゃないか。家族を見捨
てたじゃないか!』。この言葉がでると、父は何も言わず押し黙り、二階
の書斎にこもってしまう。反論できなかったのです(269p)」と。う〜〜
ん、母は強く、女性はしぶとい。

次は音楽の話。《小学校の合唱団に選ばれ、課題曲『かっこうワルツ』を
猛特訓中、武蔵野音大声楽科出身の女性教師が・・・私のそばでふと足を
止め・・・耳元で「あなたは口真似していればいいわよ」と囁いた
(229p)》。藤原さんは音痴だったのだ。《父は・・ひどく調子っぱずれで
もあった。母はめったに歌わなかった(228p)》。しかし、その後いろい
ろな努力により、多様な分野で相当上達されたようだ(103p〜104p・
231p・232p)。

じつは私にも屈辱の経験がある。大学教養部のとき大学祭の合唱コンクー
ルに参加した。女子大との混声合唱で指揮者の級友M君に「馬場は口パク
で!」と指示された。リズム音痴の私の出だしのフライングを阻止したの
だ。クラスは優勝。M君は京都市交響楽団のコンサートマスターで、その
後本業(法学部)の司法試験も在学中に合格し有能な弁護士となったが、
海難事故で妻子3人を残し早世した。残念至極!天才は早死にする。合掌。

《二十代末に渡米。孤独と激しい郷愁に襲われた後、小学校の校庭のブラ
ンコに一人揺られながら、ビリーバンバンの「白いブランコ」を歌った
(230p》《先年、ビリー バンバン(菅原孝 進の兄弟デュオ)と食事をし
た時は「さよならをするために」を歌った。初めの八小節だけ。「この歌
は出だしが難しいんですがお上手ですね」とほめられた。「歌手の持ち歌
を当人の前で歌うなんて凄い度胸ね」と女房に呆れられた(232p》。

旧知の菅原孝(兄)さんが2014年脳梗塞で倒れ、その後必死のリハビリの
末復帰した。コロナ禍の終息を期待し11月頃に、昔の仲間たちといっしょ
に彼らを囲んで新宿南口の居酒屋「天狗」に集まる予定だ。「また君に恋
してる」を誰が歌うのか。藤原さんをお誘いするか(笑)。

手許に「茨城のり子詩集(2014岩波文庫)」がある。藤原さんが「もののあ
われ」の例に「さくら」を引用する。《「さくらふぶきの下を ふららと
歩けば一瞬 名僧のごとくにわかるのです 死こそ常態 生は愛しき蜃気
楼と」と(彼女は)詠んだ。現代の我々の胸に響くのは、日本人の胸に深
く「もののあわれ」が埋め込まれているからだ。この高貴な美意識
(103p)》私も深く共感する。

「居酒屋にて(「詩集」159p)」。《へべれけの男は源さんとよばれてい
た だみ声だったが なかみは雅歌のようにもおもわれる 汽車はもうじ
き出るだろう がたぴしの戸をあけて店を出れば 外は霏霏(ひひ)の
雪》。酒好きの私には心地よい霏霏の雪、「もののあわれ」をなつかしむ。

《記憶力だけはよかった。5歳の時には九九を、6歳までには世界各国の首
都から将棋、以後、麻雀まで覚えてしまった(223p)》と。天才藤原少年
だったのだ。私も、5歳のとき一緒に寝ていた祖母が布団の中で掛け算の
九九を99=81まで教え込み、1年生入学直後担任の先生を驚かせたとい
う。しかし、その後数学は苦手科目で大学受験では苦労した。

一方、小中高(長崎県立口加高)の同級生の酒井勝弘君は旺文社全国高校
統一模擬試験の数学で100点を連発。東北大(工学部・院)・大阪大
(Dr)。高速増殖炉「もんじゅ」炉心の設計に携わった。埼玉工大名誉教授。

《大切な仕事は、長編の執筆、講演や・・・華麗な女性関係にともなう隠
密親密濃密な活動、さらには、・・・女房との海外旅行である(4p)》と
ある。日常業務の密閉・密集・密接の「三密」よりも、そんな美女たちと
の「三密(!)」のほうがいいな。私もそこへ加えてほしい。

妻(奥さん)の美子さんをダシにして、落語風の漫才か、漫才風の落語な
のか、オチに使われている。どぎついところもあるが、この随筆のキモと
も言えるかもしれない。つまるところ、真実(!)奥さんを心から愛して
いなければ、奥さんとの微妙で意味深な会話などを著名雑誌の冒頭に公然
と書くことはできない。

《妖艶官能の美女とのディナーをした日には、帰宅したとき、女房に「編
集者との打ち合わせ」と噓を言う。今も私に首ったけの女房を悲しませま
いという、やさしさから・・》(126p)。
《女房に非難されたり問い詰められたりすると、一歩下がって眺めてみ
る。すると諍いを別の視点で捉えられる。女房の言い分がやはり浅慮狭量
頓珍漢であることがよく分かる》(156p)。

《いろいろなこと(悪事)をやった。恥ずべき過去を今後清く正しく生き
れば水に流せると言う(三千院・極楽往生院で)。勇気凛々、帰宅し女房
に伝えたら、ひとしきり後「でも、あなたこれから清く正しくなんてでき
るの」と言った》(183p)。
《アメリカの女友達からの手紙を捨てていたら、女房が口を開いた。「そ
の程度の女性しか貴方なんかに興味を示すはずがないもの。鴎外の舞姫の
ように追ってきてくれる人がいなくて気の毒だったわね」と憐れんだ。忘
れ得ぬ人からの(隠し持つ)手紙には気づいていないようである。いい気
味だ》(247p)。

活動的で魅力的な奥さんである。《数多い友達とのおしゃべり、コンサー
ト、映画、美術展、テニス、ゴルフ、登山などにうつつを抜かしていた女
房(p179)》とある。本書で「ゴルフ」の文字が出てくるのはこの一か所
のみである。藤原さん(夫)は数学の研究に明け暮れていたからゴルフは
しないのだ。ゴルフは数学や物理学の理論が適用される競技と言われるの
に。また、藤原さん好みの女性たちとの親密なお付き合いにゴルフは最適
なのだけどなあ。19番ホールもある。

ここで自慢話。山梨県大月カントリークラブ6番パー5、492ヤードのハン
ディキャップ1番のホール。2022年4月に私(77歳)はグリーンの4mに2オ
ンしイーグル逃しのOKバーディだった。ゴルフをされる奥さんにご報告し
たい。この事実の稀有な価値をわかってくださるはずである。「ごいっ
しょにラウンドを」とお誘いがかかるかもしれない。

文藝春秋を読んでいない人にとり、本書は「古風堂々」を手軽にまとめて
読めるので都合がいい。さて、終わりに嫌味なことも少し述べたい。

(株)文藝春秋は二番煎じ!のこの「まとめ本」の出版により藤原正彦さ
んの高名と人気を利用して「文藝春秋」の拡販を狙っているのか。「そう
は問屋がおろさない」のか、「千載一遇のチャンス」なのか。その推移と
結果が見ものである。

藤原さんは1943年生まれ、私は1944年生まれであり同世代だ。二人とも頭
の毛も少なく結構な老人である。だから、本人が古稀(77歳)を越えてい
るのに、ご両親の昔のことなどをいつまでも書くのはどうかという気もす
る。ご立派なご両親だったからなのであろう。

私の場合、父(94歳没)も母(93歳没)も終生長崎県島原半島の田舎で暮
らし、2男3女を大学へやり(私は長男)、90歳を過ぎてもボケもせず長生
きした普通の人であった。藤原さんのご両親の業績などへの拘りを、「価
値があること」と頭では理解しても「連綿といつまで・・・」という嫉妬
にも似た曖昧な感情を抑えることがなかなかできない。

本書を購入し読んだことは無駄ではなかった。しかし、非常に役に立った
わけでもなかった。藤原さんにぜひお願いしたい。「後世にまで燦然と輝
く長編の執筆(4p)」をすると宣言されたように、名著「国家の品格」に
匹敵する作品を、人生をかけて書き下ろしていただきたい。

「猪突猛進八面六臂頭寒足熱(7p)」で素敵な作品を・・・。全国民がそ
れを待っている。(2022.8.15 千葉市在住)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「自分の国は自分で守る」覚悟と行動 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【直球&曲球】野口健 


防衛省オピニオンリーダーを拝命してから駐屯地を視察、先日、防衛省
にて「令和4年版防衛白書」についてレクチャーを受けた。説明を受けて
愕然(がくぜん)とした。中国が公表している国防費の増加スピードはこ
の30年間で約39倍。それに対し、日本の防衛関係費は約20年間で微
増。今年度の日本の防衛関係費が5兆円強に対し、中国政府が公表してい
るだけで国防費は約25兆円。ざっと5倍である。

報告を受けた直後に中国は台湾をグルリと囲むような大規模軍事演習を
展開。ロシアによるウクライナへの侵略戦争が勃発してから中国による台
湾への軍事介入もリアリティーを帯びてきた。台湾有事は日本の安全保障
にも直結している。すぐに陥落すると思われていたウクライナは多大な犠
牲を払いながらも善戦し、必死に持ちこたえている。西側諸国からの武器
提供による戦力強化も関係しているのだろうが、それを可能にしたのはゼ
レンスキー大統領の「1ミリたりとも領土を譲らない」という毅然(きぜ
ん)とした姿勢だろう。

以前、自衛隊関係者から「自衛隊は、弾が不足している。仮に海自と中
国海軍の軍艦が鉢合わせしても海自の船は戦えるほどの弾を積んでいな
い。いざとなったらUターンするしかない」と聞かされ、心底驚いた。防
衛省でレクチャーを受けた際、このエピソードの真相を尋ねたら「手の内
は明かせないが、弾が不足していることは認めざるを得ない」という。

安倍晋三元首相は防衛費の大幅な引き上げを訴えていたが、賛否両論が
飛び交っている。この間、ドイツのアクションは早かった。防衛力強化の
ため、特別基金(約13兆円)を実現させようと、ドイツ基本法を改正す
る法案を3月に議会に提出し、6月に成立。今後の国防費は対GDP比
2%以上を維持していくと表明している。

この手の問題提起をすると「戦争をしたいのか!」との意見が寄せられ
るが、ウクライナが証明しているように「まずは自分の国は自分たちで守
る」という強い覚悟と行動がなければ、いざというときに他国からの助け
も得られにくい、と心得た方がいいだろう。

【プロフィル】野口健

のぐち・けん アルピニスト。1973年、米ボストン生まれ。亜細亜大
卒。25歳で7大陸最高峰最年少登頂の世界記録を達成(当時)。エベレ
スト・富士山の清掃登山、地球温暖化問題など、幅広いジャンルで活躍。
新刊は『父子で考えた「自分の道」の見つけ方』(誠文堂新光社)。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

産経新聞採録

━━━━━━━━━
中国国有企業五社
━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇◆◇☆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)8月16日(火曜日)
          通巻第7430号  <前日発行>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「複合不況」ではなく「破局前夜」の中国
   中国国有企業五社、ウォール街から脱落
*****************************

 経済紙は中国経済の現状を「複合不況」と命名したが、そうではない。
「破局前夜」ではないのか。
 8月12日、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)と中国石油化工集団
(シノペック)、中国アルミ、中国人寿(中速最大の生保)など五社は、
米株式市場上場を廃止すると発表した。
そもそも会計検査がいい加減で、上場基準をみたしてなかったのだから、
「監査強化」を口実に逃げ出すのである。

 中国には米国の会計監査法人が進出しているが、不明瞭な会計を公開せ
ず、また不透明な決算報告も、「企業機密を海外に持ち出さない」という
契約上、中国国内で切歯扼腕の業務を続けてきた。
くわえて中国ではインサイダー取引が株式市場の常識だから、ウォール街
が、中国企業の上場を認めたこと自体がおかしいのである。

さて新疆ウイグル自治区で 8 月 9 日から 11 日にかけて、降雨と高温の
融雪の影響を受け、タリム川と支流のイェルキアン川など 21 の河川で洪
水が発生した。
一方で、揚子江流域は干ばつである。中国は広いなぁ。
安徽省、江西省、湖北省、湖南省、重慶、四川省が含む干ばつに見舞わ
れ、およそ百万ムーが被災した。三峡ダムは「下流が乾いているときは水
を貯め、下流が洪水被害となると、放流する」と皮肉られる。

 こういう状況下、バルト三国のなかで、リトアニアに続いて、ラトビア
とエストニアが中国主導の「17+1」(「中国・中東欧諸国協力」)か
ら離脱する発表した。これでバルト3国は全て脱退するから『14+1』
となる。

旧東欧を「一帯一路」に巻き込もうとした中国のもくろみの一角が崩れた。
 ラトビア外務省は「外交・通商政策の優先順位」を考慮し、「ルールに
基づく国際秩序や人権」の尊重を礎とするとし、他方で中国との「建設的
かつ実用的な関係を築く努力は継続したい」とした。
 外交も破局前夜?
     □☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇◆◇☆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
中国製自動車が中東で販売を伸ばしたという不思議
  「安かろう、悪かろう」など構わない低所得者層が買っている
*****************************

 中国製自動車がサウジアラビアで2020年に9%増、21年に13%
増加となった。カタールでは10%の販売増となり、UAEに至っては
20%増だ。
 2021年統計で中国製は湾岸諸国全域で20万台の販売となり、22
年上半期には強気で販売増を見込み、すでに15万台を輸入した。

 抵所得や中産階級、出稼ぎ組などは安かろう、悪かろうはかまわない。
ちなみに販売価格は日本車が2・9万ドルから3・4万ドルの価格帯であ
るが、中国製は1・8万ドルから2・1万ドル。

 この趨勢が継続するとは思えない。なぜなら砂漠の状況では砂との闘
い、さらに熱帯との闘いであり、富裕層が中国製に見向きもしないのはた
とえばとトヨタのランドクルーザーが砂漠でも故障知らず耐久性の良さか
らである。
     □☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ++++++++++++++++++++++++++
  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@
【知道中国 2407回】          
 ──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習73)
  ▽
 筆者が香港に到着したのは1970年の秋。当時、香港には商務印書館、中
華書局、三聯書店、南方書店などの中国系書店があり、いずれも店頭は大
陸で出版される文革派の「紙の爆弾」で溢れかえっていた。
数多く足を運んだのは三聯書店と南方書店であった。かくして文字通り掛
け値なしに、手当たり次第に買って、買って、買いまくった次第である。

 本題に入る前に先ず押さえておくべきは、70年を境にして文革もさるこ
とながら中国の進むべき方向が大きく切り替わった点だろう。それまで劉
少奇・?小平を頂点とする実権派打倒で団結していた文革派であったが、
劉少奇失脚後、棚上げにされていた国家主席ポスト復活、さらに対ソ問題
とは表裏一体の対米関係の取り扱いについて意見の対立が顕在化してきた。
となると、それでは文革とは何だったのか。厄介なことになったものだ。

 国家主席復活に関して毛沢東は反対で、林彪は積極推進派。対米関係構
築に毛沢東は強い意欲を示すが、林彪はむしろソ連との関係修復・構築に
前向きだったようだ。「ようだ」と曖昧にしておくのは、翌71年9月に発
生したモンゴルでの林彪夫妻墜落死を含む「林彪事件」によって一切の真
相が封印されてしまっているから。つまり「死人に口なし」である以上、
目下のところは共産党の公式見解を記しておくしかなさそうだ。

 それに拠れば、年初から林彪とその周辺は、毛沢東に対し国家主席の復
活と毛沢東の国家主席就任を呼び掛ける。だが3月17日開催の中共中央工
作会議において、毛沢東提案の国家主席不設置が承認されてしまう。これ
以後も林彪陣営からの働きがあったようだが、毛沢東の考えは国家主席不
設置で一貫していた。その裏に毛沢東後継を早期に確実にしたい林彪側の
思惑があり、その一方で党内No.2となり力を蓄えつつあった林彪の影響力
を殺ごうとする毛沢東の狙いがあったことは否定しようがないだろう。

対米関係を見ると接近へのシグナルが双方から示された。
 10月1日の国慶節において、毛沢東は親中派ジャーナリストのエド
ガー・スノー夫妻を伴って天安門楼上から建国祝賀パレードを眺めてい
る。4日後の10月5日、ニクソン大統領は『Time』誌で中国大陸訪問の希望
を明らかにした。12月18日、毛沢東はエドガー・スノーに対し「どのよう
な身分であれ、ニクソンの訪問を歓迎する」ことを語った。

 かくして林彪失脚、ニクソン訪中へとつながっていくわけである。以上
を踏まえた上で、70年に出版されたものを読み進もうと思うが、先ずは子
供向けの絵本を取り上げたい。そこで書名を記しておく。なお*は連環画
である。

『英雄機智的紅小兵』(上海人民出版社) 
『珍宝島英雄賛』(本社美術通訊員編絵 上海人民出版社)*
『夜航石頭沙』(上海港工人業余写作組 上海人民出版社)
『十万個為什麼』(上海人民出版社)
『胸懐朝陽戦冰雹』(上海人民出版社)
『我們是毛主席的紅小兵』(上海人民出版社)
『宋師傅学外語』(上海人民出版社)
『優秀的共産党員 ──陳波』(上海人民出版社)
『為革命読書』(上海人民出版社)
『紅山島』(上海人民出版社)*
『永遠緊握手中槍』(上海人民出版社)*

 香港の中国系書店の店頭に並べられた70年出版の子供向読み物はもっと
多かったはずであり、であればこそ以上の11冊で断定するわけにはいかな
いが、文革派のメディア拠点である上海人民出版社は子供向けにもセッセ
と「紙の爆弾」を製造したと考えられる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ☆⌒☆⌒☆⌒☆ ☆⌒☆⌒☆ ☆⌒☆⌒☆⌒☆      
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)「日本文化チャンネル桜」からのお知らせです。8月16
日のニュース解説番組「フロント JAPAN」は、経済評論家の渡辺哲也さ
んと宮崎正弘さんでお送りします。主要テーマは「ウクライナ戦争のどさ
くさに紛れて」の予定。
 8月16日1100−1200。生番組です! 後刻、ユーチューブでご覧になれ
ます。(「日本文化チャンネル桜」)
  ♪
(読者の声2)聞くところによると、東京では、安倍晉三元首相の国葬に
向けて、蔡英文総統を招請しようという動きがある由。これは頗る拙い事
態になりそうです。次期総統選で、台灣の希望の星である頼清?の當選を
あやうくしますね。
 蔡英文総統が二期目の副總統に自派とは違う「真の台灣派」頼清?を選
んだのは、總統選の前の「九合一」地方選挙で大敗したからです。蔡英文
とは派閥が違う頼清?は、次期総統當選を狙うなら、蔡英文の副總統にな
らぬ方が良かった。それを、「台灣のために」敢えて引き受けたので、蔡
英文は二期目の當選を果たせたのです。
 頼清?副総統が安倍晉三元首相の弔問に來日したのは、獨自に動いたか
らです。そしてその行動により、次期総統選での当選が身近かになりまし
た。蔡英文総統は事後に察知して悔しがった模樣です。蔡英文は第一期の
副總統だつた自派の陳健仁を派遣したかったのではないでしょうか。
 日本側が蔡英文総統に訪日を要請しても、現下の情勢では實現は無理で
しょう。蔡英文は自分が訪日できぬ場合は、頼清?ではなく、自派の陳健
仁を派遣すると思われます。そうすると、次期総統には、頼清?より陳健
仁の方が有利になります。つまり、蔡英文総統への訪日要請は、頼清?の
総統当選を難しくするのです。
 我國では、蔡英文総統を無條件で信頼する人が多いのですが、二期目の
大統領選挙の前の2019年1月3日に、獨立派の四元老(彭明敏、??
培、高俊明、李遠哲)が「自由時報」に二期目出馬辭退と引退を勸告した
ことを知る人は少いようです
議會で國民黨が壓倒的多數であった陳水扁政權と違い、蔡英文政權では民
進党が多數を占めたのに、台灣派らしい政策をしっかり打ち出せていない
ので、四元老の二期目辭退勸告となったのです。
蔡英文には、父が国民党特務と繋がっており、蔡英文は?介石・宋美齢夫
妻に可愛がられたという話もありますし、博士論文を出していないという
話もくすぶっています。
だから次期総統には、蔡英文系統の人より、明確な台湾獨立派である頼
清?になって貰う方が遙かに望ましいのです。くれぐれも蔡英文総統の訪
日要請をせぬようにと望みます。(奈良、伊原吉之助)


━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━
◎私の座右の銘:前田正晶

President誌の22年9月29日号に、故人を含めた有名な財界人の座右の銘が
特集されていた。有名人とは、例えば土光敏夫氏、本田宗一郎氏、盛田昭
夫氏、井深大氏、稲盛和夫氏のようなカリスマ経営者の方々である。実際
に読んでみれば、私には座右の銘というよりも「なるほど」とか「流石に
こういう方々が言われることは、凡人には考えられないほどの優れたとい
うか凄い教えがある」と感じさせられた言行録の感があった。

興味か関心がおありの方は、同誌の46頁をご参照願いたい。齢89歳となっ
てしまった私には「今頃になって読んでも遅いのが残念だ」というところ
だ。だが、この歳になって読んでも大いに勉強になるのだ。

そこで、それでは「この俺にも座右に銘があっただろうか」と考えてみた
が、ついぞ思い当たるものが無かった。と言うよりも、そういう事に思い
を致して外に向かって発表するような余裕がないような過ごし方をせざる
を得なかったという方が正確だろうと思ったほど22年ほどのアメリカの会
社暮らしは「艱難辛苦」の連続の時だったのだ。

「何故そう言うのか」と問われれば「アメリカの我が国から見れば想像も
出来ないような労働力の質の低さが産み出す製品を、さしたる苦情も言わ
ずにその製品としての機能を果たし、ユーザー側の生産効率を高めてさえ
いれば苦情を言わずに受け入れているアメリカの需要家と消費者の寛容さ
があるから」と答える。「それでは何のことか解らない」と言われれば、
「我が国の需要家と消費者の受け入れ基準からすれば、到底通用しない製
品がアメリカ市場に受け入れられていること」と答える。

もっと解りやすく言えば「アメリカの市場で通用している品質では、我が
国の高水準の技術力を誇る製造業や加工業者には通用しないので、四六時
中クレームに対応して、処理していなければならなかった」ということに
なる。「それは御社だけの問題ではないのか」と言われるだろうが、その
辺りも敢えて説明しておこう。

それは、我が方よりも優れた品質を維持していて「御社もあの会社並みの
物を作りなさい。そうできれば黙って受け入れるよ」と、需要者側が高く
評価していた厳しいというよりも細かい点まで等閑にしない日本の需要家
が受け入れていた製品を輸出していた最大のcompetitorの日本代表者です
ら「何故、アメリカ市場では絶対に認めることがないようなクレームを受
け入れてまで、日本に売る必要があるのか」と本社で嘆いていると語って
いたと聞こえてきていたのだ。

その世界で最も品質と生産効率に厳格な基準を設けている高い技術水準に
ある日本市場から突きつけられる高い品質の基準と、そこに発生する「品
質不良に対する細かいクレームの話し合いと補償」の、尋常ではない精神
的な負担を如何にして乗り切るかが、常に最大の重要課題の中で最も優先
順位が高かったのだった。その負担には動もすると負けそうになってしま
うのだった。だが、負担に負けて諦めて、唯々諾々と補償要求に応じてい
て改善の努力をしなければ進歩はないし、事業部の存続もかかってくるのだ。

特に、1985年10月に発生した事業部どころか会社全体でも前例がなかった
ほどの最大の品質と労働力の質のクレームは、私がシアトルの郊外で自動
車の貰い事故で重症を負ったときに起こっていたのだった。その大変な事
故の補償交渉と工場の労働力の改善の二つの未だ嘗て無い重大な問題を解
決できたのは、1986年の4月だった。頸椎損傷と肋骨2本骨折というかなり
の重傷だった私は、今で言う「ワンオペ」の担当者だったので、苦しさに
堪えてでも出勤して折衝を続けなければならなかったが、その間には2度
も入院して治療していた。

その時に私が考えていた対処の姿勢とは「止まない雨もないし、明けない
夜もない。問題の大きさに負けていても仕方がない。自分か置かれた立場
は『俺以外に事に当たる者がいないのだから、頭から突っ込んでいくしか
ない』と自覚していたので、後先考えないで突っ込んでいけば必ずトンネ
ルの先に灯りは見えてくるはずだ」だった。だが、おかしな事に「解決で
きない」とは、ついぞ考えていなかったという、ある意味で楽観的だった
のだ。

私の文章の書き方の欠陥だと認識しているのだが、こんな終わりの方に
なってから結論が出てくるのだ。即ち、如何なる難局か難関に直面しても
「真っ向から事に当たって駆け引きをせず理屈を言わずに懸命に対応して
いれば、長い長いトンネルの先に灯っている灯りが必ず見えてくるもの
だ。それが見えればしめたものだ」というのが、私なりの信条なのである。

この「一所懸命に事に当たっていれば必ず何とかなる。悪い結果など考え
ずにおこう」という考え方があったので、3回にも及んだ心筋梗塞、主治
医が家内に「今度は保証できない」と言われたと後になって聞いた2度の
重度の心不全での入院でも、当人は「そのうち退院できるだろうよ」と暢
気に気楽に構えていた。そこには「必ず何とかなる」という「閃き」が来
ていたのだった。もしかすると、これは「ポジティブ・シンキング」
(=positive thinking)の姿勢で座右の銘なのかも知れない。「何だ、
結局は回顧談か」などと言わないようお願いしたい



◎無知の底なし沼に沈みゆく日本 誰か投げぬか一枚の浮き輪を

テーマ:ブログ 北村維康

 今日は77回目の終戦記念日である。しかし今年ほど、日本が再没落す
る虞が大きいことは、洵に未曾有である。誰か一枚の浮輪を投げないか。
否、その浮輪をさへ盗んで、日本を溺死させんと企む百鬼夜行の有様を、
日々我らは目撃してゐるではないか。

 日本の行く末を憂へる識者であれば、必ずこのやうな悲観的な言葉
で、正論欄に投稿するであらう。私も目が覚めてから、真っ先に浮かんだ
のはこの言葉であった。我が国の宰相経験者が衆人環視の中、無慈悲にも
殺害され、その国葬もあらうことか妨害する日本とは、何処の時代の習ひ
ぞかし。敗戦後一貫して我が国がたどってきたこの負のスパイラルを、何
とか食ひ止めんと、靖国神社に出でたつこの老の身を、嗤はば嗤へ。こと
はそれほど焦眉の急を要するのである。



━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━
17日の東京湾岸は曇りのち雨。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎

--
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。