2022年10月21日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6296号
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  2022(令和4年)年 10月21日(金)


            無策で低レベル:上久保誠人

        呆れた「北方領土」発言:小林よしのり

      ゼロチャイナ・リスクと安全保障:三橋貴明

          旧名統一教会の処理問題:前田正晶

          中国が介入して政情不安:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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 無策で低レベル
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       上久保誠人



なぜ野党はいつも「ここ一番」で必ず自滅するのか?

旧統一教会との不適切な関係や安倍元首相の国葬実施を巡り、支持率の急落に見舞われている岸田政権。しかし野党第一党である立憲民主党は迷走を続けるばかりで、国民の支持を得るには遠い状態にあると言っても過言ではありません。そんな野党の体たらくを厳しく批判しているのは、立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、野党が自民党一強の状況を作り上げてしまった理由を考察するとともに、日本の未来のため彼らが自覚すべき役割を提示しています。


プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

政権支持率低下にも動けず。自民党の失策活かせぬ野党の体たらく
立憲民主党と日本維新の会が「国会内共闘」を進めている。臨時国会の要求がある場合、内閣が20日以内に召集に応じることを義務付ける「国会法改正案」や、衆院選挙区の「10増10減」を含む公職選挙法改正案の成立など6項目を合意した。また、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題についても、被害者の救済や防止策といった協議を両党で進めるとした。

しかし、地域政党「大阪維新の会」大阪府議団が、共闘に反対を表明した。立憲民主党も臨時国会での協力が選挙協力に発展するかについて、曖昧な表現を繰り返している。この共闘の将来は不透明だ。


旧統一教会と政治の関係や、安倍晋三元首相の国葬実施で、岸田文雄内閣の支持率が急落しており、野党は一致して攻勢を強めている。だが、これまで「政策」でうまく共闘できなかった野党が、「宗教」「国葬」で共闘しているとはしゃいでいる姿に、国民は冷ややかは視線を向けている。岸田内閣への不支持が、野党への支持にまったく向かっていないのだ。

立民と維新の共闘も評判が悪い。端的にいって、立民は「左派」、維新は「右派」の政党だ。政策志向が真逆なのは、国民の誰もが知っている。

立民は、共産党とのいわゆる「野党共闘」路線を追究してきた。政策的には民主党政権までの「中道左派」路線は事実上捨てて、共産党に引きずられて「左傾化」してきた。特に、安倍晋三政権が「アベノミクス」で左傾化していく中、違いをみせるために立民は「極左化」してきたと言っていい。そして、安全保障政策の推進には消極的だ。

しかし、「野党が候補者を一本化できれば自民党に勝てる」と期待された成果はなかった。泉健太代表が就任した後、路線修正を試みているが、共産党との共闘打ち切りは中途半端なままで、参院選に敗北してしまった。

一方、維新は昨年11月の衆院選、今年7月の参院選と国政選挙での躍進が続き、立民に代わって野党第一党の座を奪おうという勢いだ。維新は大阪を中心とする地域政党から、全国政党への脱皮を図ろうとしている。そのアピールは、自民党よりもラディカルな「憲法改正」「安全保障政策」だ。

この両党が、どのように共闘を進めていくというのか。「国会法」「公職選挙法」「旧統一教会」は、誰もが賛同できるものである。いわば、「宗教、国葬で共闘」とはしゃいだ延長線上にあるものだ。


だが、インフレに悩み、格差の拡大に苦しむ国民生活に密接にかかわる経済財政政策や、中国の軍事的急拡大、北朝鮮のミサイル開発など悪化する安全保障環境に対応するための政策という、厳しい現実に向き合わねばならない政策で、この両党は共闘できるのか。「共闘」「共闘」と浮かれる前に、少しは真剣に考えてみろといいたい。            


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呆れた「北方領土」発言
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小林よしのり氏が猛批判。ロシアを擁護する鈴木宗男氏の呆れた「北方領土」発言


これまでもロシアの立場を代弁するかのような発言で、たびたび炎上騒ぎを巻き起こしてきた鈴木宗男参院議員。ウクライナ戦争勃発後もロシアを擁護する姿勢を貫いていますが、ここに来て日本の国益を毀損しかねない主張を展開し始めています。

鈴木宗男の呆れた北方領土発言
いよいよ23日は『ゴーマニズム宣言SPECIAL
ウクライナ戦争論』の発売日だ。これはウクライナ戦争を他人事としか思わず、「どっちもどっち」などと平気で言っている平和ボケ日本人に「覚悟」を迫る書である。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日夜、ビデオ演説の冒頭で「本日重要な決定がなされた。歴史的だ」と述べた

その歴史的に重要な決定とは、「ロシアに一時的に占領された北方領土を含め、日本の主権と領土の一体性を尊重することを再確認する」というものだった!

そしてゼレンスキー大統領は同じ趣旨の大統領令に署名し、ウクライナ最高会議(議会)も同じ内容の決議を採択したことを明らかにした。

確かにこれは、歴史的な決定である!

ウクライナ議会の決議は、「日本の北方領土は1945年にソ連が何の法的根拠もなく占領した」「全ての日本の市民を強制的に追放した」と強調した上で、「(北方領土は)ロシアの占領下にあり続けている」として、ロシアに返還を求める日本の立場を支持し、国際社会が解決のためにあらゆる手段を講じるように訴えている。

そしてゼレンスキー大統領も演説で北方領土について、「ロシアはこれらの領土に何の権利も持っていない。世界中の人々がよく知っている。我々は行動しなければならない
私たちはロシアが占領する全ての土地を解放するため行動しなければならない」と重ねて述べ、こう訴えた。

「ウクライナと国際法秩序に対する今回の戦争によって、かつてロシアに奪われたものすべてが真に解放されるのも時間の問題になった。ロシアはこの状況に自ら陥った」

「侵略者は敗北しなければならない。戦争が再び起きないように。そして平和が本当に長く続くために。侵略者には何も残すべきではない。我々のパートナーの国々のために正義が復活すると信じている」

よくぞ言ってくれた、ゼレンスキー大統領!

ロシアに領土を不法占拠されているという点においては、ウクライナも日本も同じである。

現在ロシアと領土問題を抱えている国は、他にもジョージア、モルドバがあり、さらに歴史をさかのぼれば、フィンランド、ポーランド、バルト三国など、ロシアに侵攻され、泣く泣く領土を放棄させられた国は数多い。

このようなロシアの横暴は、今度こそ終わらせなければならない。これは、世界史的な転換点となる戦争である。

ロシアに対するウクライナの戦いは、日本にとって決して他人事ではない。むしろ積極的にウクライナと共闘し、日本もロシアから北方領土を取り返し、世界に正義を復活させるための戦いを展開すべきなのである!
        

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ゼロチャイナ・リスクと安全保障
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           三橋貴明

 グローバリズム(モノ、ヒト、カネ、
サービスの国境を越えた移動の自由化)
の本質は、もちろん「利益中心主義」です。


 ビジネス上の利益が、国家の安全保障よりも優先順位が高くなってしまう。結果、非常事態が発生した際の「国民の危険」が高まる。1991年のソ連崩壊以降、世界はグローバリズムの下で、相互依存を高めてきた。結果、非常事態が発生すると、途端に「対処不能な危機」が勃発する。


 青木泰樹先生の資本移動の自由化の問題についての図です。先進国から後進国に資本(工場など)が移転し、先進国では賃金水準が下がっていく。逆に、後進国では雇用が生まれ、同時に「人件費削減分」の余剰利益が創出する。
利益が投資家、経営者、金融業者、そして「先進国の消費者」に分配されることになる。「安く供給する」ことで。


 良質な雇用が失われ、実質賃金が下がっていく先進国側の消費者は、「安く買える。助かった・・・」と、むしろグローバル化を喜ぶ。デフレで所得が伸び悩んでいる以上
「安いは善」なのです。そして、外国の安い製品を買い進めることで、ますますデフレが進む。全体的に貧困化していく。

この種の「底辺への競争」が進むと、先進国側で生産性向上の投資が進まず、「低賃金のサービス」ばかりが増える。資本集約型から、労働集約型に経済構造が転換してしまう。まさに、90年代後半以降の日本で起きたことですが上記には一つ欠けている視点があります。すなわち、安全保障です。資本を移動した先の国と、敵対したらどうなるのか?


『分断・供給網(上)「世界の工場分離の代償ゼロチャイナなら国内生産53兆円消失ホンダ・アップルが備え米中対立の激化やウクライナ危機で世界のサプライチェーン(供給網)が分断されつつある。一体化していた供給網が民主主義と権威主義の国家間で引き裂かれ、機能不全が進む。
日米欧は中国を世界経済から切り離す動きを強めるが、中国を外せば、あらゆる製品のコストが大きく上がる。世界に「ゼロチャイナ」への備えはあるのか。今夏、ホンダで極秘のプロジェクトが本格化した。中国製の部品を極力使わずに乗用車やバイクを造れないか探る供給網の大規模な再編計画だ。(後略)』


『部品など中国から日本への輸入の8割(約1兆4000億円)が2カ月間途絶すると、家電や車、樹脂はもちろん、衣料品や食品もつくれなくなる。約53兆円分の生産額が消失する。』散々に中国投資を煽っていた日経新聞が、今更何を・・・・、という感じですが、日本のマスコミは戦前からこんな感じで腐っています。


 いずれにせよ「中国から部品(等)が来なくなり、53兆円の生産ができなくなる」ということは、その分、国内が需要過多(供給不足)になるという話です。供給不足を埋めるために、日本国内で投資が進めば「労働集約型経済⇒資本集約型経済」への転換になります。


 投資が起きず、転換されない場合は、
1.生産できない発展途上国
2.資本財を供給してくださる中国様への属国1か2、もしくは双方を満たす国へと落ちぶれることになります。


 中国の属国という悪夢の未来子供たち、孫たち、その先の子孫に残したくないならば、傷を負ったとしても国内生産を取り戻さなければならない。そのためには、まずは「ここ」に至った構造転換の経緯を、日本国民は理解する必要があると思うのです。
           
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 旧名統一教会の処理問題
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    ー専門家会議への疑問:前田正晶


昨19日夜のPrime
Newsは興味を持って聞いていた。それは、テレビも新聞も岸田内閣が旧名統一教会に対して質問権を行使して本格的な審査を開始するとの態度を鮮明に(されたのだろう)するや否や、明日にも解散命令が出されるかのような報道をしていた。そして、解散させられても、団体としては存続し活動は続けられることまで取り上げたのだった。これだって宗教の組織としての税金の免除がなくなる程度のことだ。

それはそれとして、私が疑問に感じていることがある。それは政府が何かというと「専門家会議」を設けて何でもかんでも諮問することである。この手法は私には程度が悪い責任逃れとしか思えないのだ。それは各省庁の大臣に任命される議員の諸先生方は、官僚の上に立たれるのだから、その地位に相応しい知識と経験をお持ちのはずなのに、何が故に専門家に頼るのかということ。

最近の例を敢えて挙げれば西村康稔氏は全て「尾身茂氏率いる専門家会議に訊く」と責任逃れの一点張りだった。後難を恐れずに言えば、西村康稔氏は旧通産省の出身だが、この官庁におられても製造・販売の実務に携わっておられた訳ではないのだし、彼が感染症の臨床医でもなかったのだから、分科会に依存したのは解るが、責任逃ればかりのお利口さん的な姿勢は見苦しかった。

昨夜も、司会者の反町がフリップ(この先に「チャート」が付くのが本来の英語だが)を出して、今回の旧名統一教会の処理の段階を見せていた。そこには先ず「専門家会議」を設けて質問の内容を十二分に討議し、その先(下)の実行会議だったかに回すのだそうだが、この会議は専門家会議と同一の顔ぶれになるとあった。

すると、紀藤正樹弁護士の発言が凄かった。それは「その専門家会議に入りたいし、その会議は私の意見を聴取して欲しい」というものだった。「何と言うことを言われたのか」と、呆れる前に驚いた。紀藤弁護士はもう何十年もこの問題に真っ向から取り組んでこられた経験も理論とも十分な存在だと思う。それにも拘わらず、専門家会議には入れない(入らない)と決めつけたことを言われていたのだ。彼が専門家でなくて、誰が専門家なのだろうか。

私はCOVID-19対策の専門家集団であるはずの分科会を真っ向から批判しておられた、何名かの臨床を専門とされる医師に出会っていた。先生方の指摘は「分科会長は臨床医ではない上に、最早政治家の如き事ばかり言っている。政府は実際に現場で患者を診て、接している医師たちの意見を訊くべきだ」だった。

私の年来の主張は「実務の現場を経験せずして、何か知った風なことを言って欲しくない」であるので、全くその通りだと思って拝聴してきた。ズバリと言えば「机上の空論の尊重を控えて、実務者の声をも良く聞いてから対策を立てよ」なのである。今回の専門家会議には宗教者が入るのだと指摘されていたが、旧名統一教会を処理する会議に、紀藤弁護士のような実務に携わってこられた方を排除して学者や理論家ばかりを集めようというのであれば、見当違いの怖れなきにしもあらず、と言いたくなる。

昨夜も野党代表の長妻昭は「何時になれば解散命令を出せるのか。年内と唱えておられるが、果たしてそうなるのか」との疑問を呈していた。検察出身の高井弁護士の発言も懐疑的だったし、専門家会議を設けることにも肯定的ではなかった印象だった。私はこの件に関してだけのことではなく、政治家全体に本当の意味での専門的知識や実務の経験に乏しいか、あるいはないことを問題にしたいのだ。

彼らがもし専門分野を持っていれば、何も現場を知らない学者や大学教授等を集めた会議など要らなかったのではないのかと思っている。例えば、日本大学危機管理学部の福田教授は「尾身茂氏を長とする分科会に危機管理の専門家が入っていないこと」を非難しておられた。この指摘も尤もだと思うが、政府は何かの専門家会議を設置するのであれば、実務の世界というか企業社会から現場を経験してきた権威者をも加えるべきではないのかとずっと考えてきた

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 中国が介入して政情不安
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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)10月14日(金曜日)
         通巻第7491号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アフリカのGDP一位はナイジェリア、石油で富む筈だったのに
  中国が介入して政情不安。経済は伏魔殿、ややこしい状況が複雑化
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 ナイジェリアと言えばビアフラ戦争。石油リッチで「アフリカの巨人」と言われたが、GDP成長はマイナスに転落。ひとりあたりのGDPは統計上@3082ドルだが、年収が300ドルに満たない未開地域がある。

 面積は日本の2・5倍、人口も比例して2億1100万人を超え、歳入の七割が石油に依存している。その大半が賄賂など使途不明金となる。

 2014年に中国企業CCECC(中国土木行程集団)はナイジェリアの沿岸鉄道(総延長1385キロ)の建設を受注した。受注額は131億2200万ドルだった。
 ナイジェリアの石油は、嘗てOPECランキング11位で日量180万バーレルだったが、陸上油田が枯渇し、深海の沖合油田が主力となって開発に手間取り150万バーレルに減少したと言われている。ナイジェリア石油輸出の激減により、経済の発展速度がにぶった。

 2016年7月に
アブジャ〜カドゥナ間(187キロ)の鉄道が開通し、21年6月には前首都のラゴスらイバダン間(156キロ)が開通した。現在の首都はアブジャ。これらは部分開通で、2018
年 7月にはアブジャ空港駅に延長された。

 問題は「その後」である。カドゥナから終点のカーノ(305キロ)は一年以上も中断されている。 
 10月11日、ナイジェリア運輸大臣は、「中国からの融資が1年以上遅れており、アブジャ・カノ鉄道とポート・ハーコート・マイドゥグリ鉄道の建設が中断した」とのべた。
中国は、ナイジェリアの鉄道プロジェクトへの資金提供を大幅に遅延させている。
世界的に批判される「借金の罠」に対する配慮というより、外国へ貸し出す資金の枯渇が表面化した。中国輸出入銀行は両線の建設資金の85%を提供するとしていた。

 中国の積極的な海外進出は「走出去」。とくに習政権は、アフリカに力をいれてきたため、アフリカ諸国には
3,000 社を超える中国企業が進出し、100 万人の中国人が移住したとされた。
コロナ禍で帰国した中国人も夥しく、現在の詳しい情勢は不明な点が多い。
     □☆◎☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き   
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●樋泉克夫のコラム ●樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
【知道中国 2434回】     
 ──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習100)

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 ここで中共中央弁公室が72年7月に発表した『粉砕林彪反党集団反革命政変的闘争(材料之三)』に基づいて、『心紅似火』が出版された前後の北京最上層における権力闘争の経緯を追ってみたい。それというのも、「紙の爆弾」の企劃・出版・販売と権力闘争の間の時間差が気になるからである。

 失脚した劉少奇が押さえていた国家主席ポストの取り扱いをめぐって、毛沢東は必ずしも必要ないと持論を展開。これに異を唱えたのが69年の第9回共産党全国大会で公式に毛沢東の後継者とされた林彪で、同ポストの存続を強く主張した。
さらに林彪派が「毛沢東天才論」を持ち出すや、これを自らに叛旗を翻す前兆と警戒した毛沢東は、71年1月には北京軍区の改組を断行した。林彪の権力基盤である第4野戦軍系を編成変えし、「親密なる戦友」の力を殺ぐことを狙ったのだろう。

 一連の毛沢東の動きに危機感を抱いた林彪系は、林彪の長男である林立果を中心に空軍内に秘密裏に「連合艦隊」なる林彪親衛隊を組織化した。71年3月になると、「五七一工程紀要」と名づけたクーデター計画を作成し、万一の場合には毛沢東暗殺による権力奪取まで企図した。かくて9月、毛沢東暗殺に失敗した林彪はソ連への亡命を企てたものの、乗っていたジェット機とともにモンゴル領内に墜死した。

 ──以上の中共中央弁公室、つまり共産党の公式見解に照らすなら、『心紅似火』は林彪が「親密なる戦友」と見做されていた頃に企劃され、挿画で林彪後継を示そうとした。ところが出版1か月前には、すでに林彪の命運は尽きていた。だが、それを公式に明らかにするわけにはいかない。そこで已むなく予定通りに出版してしまった。
 『心紅似火』が香港の学生書店の店頭に並んだ頃、林彪一派は起死回生の生き残り策を求め、考えられる限りの手段を講じていたはず。
こう前後関係を追ってみると、林彪事件で総称される一連の権力闘争は、どうやら突然に火を噴いたようにも思える。

そこで興味を持つのだが、林彪事件が発生した後、この本が中国国内でどのように扱われたのか。そのまま販売されたのか。はたして全面的に廃棄処分になったのか。『心紅似火』の「行く末」と共に、どのようなルートで香港にもたらされたのかも知りたいところ。

 それにしても、当時の中国には『心紅似火』の主人公のような誠心誠意の人が実在していたのだろうか。同じ体裁の『雄鷹征途煉紅心』は、悪天候を衝いて被災農民支援に向かう輸送機のパイロットや乗務員の沈着冷静な戦闘振りを描いている。
彼らを鼓舞したのは「決心を固め、犠牲を恐れず、万難を排し、勝利を勝ち取る」との毛沢東の言葉だった。

 次に連環画を紹介しておく。全て上海人民出版社の出版である。『「模範共青団員」胡業桃』の主人公である胡業桃は、1970年1月25日、「為人民利益而死、就比泰山還重(人民の利益のための死は泰山よりさらに重い)」と、20歳の若い命を捧げた。
 安徽省で彼が育った家庭は極貧を絵に描いたような農家であった。
「祖父は数十年を地主の家で牛馬のようにこき使われ、両親は幼いころから乞食をしていた」。彼の3歳の姉と1歳に満たなかった兄は、両親が街で物乞いをしている間に餓死していた。1947年のことだ。

 毛沢東が導いた新中国に生を享ければこそ、胡業桃は「幼い頃から旧社会に対する大いなる恨みを心に刻み、偉大なる領袖・毛主席への無限の熱愛を抱いていた」そうだ。
 両親を失いながらも、胡少年は「物心つくようになると、貧農下層中農と人民解放軍の心からなる教育を受け、毛沢東思想の陽光と慈雨になかですくすくと成長した」というから、幼いながらもリッパな毛沢東思想サイボーグ戦士に育っていたことになる。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)外国人観光客が入国する人数の上限撤廃で個人旅行も解禁。ゼロコロナのシナ人観光客は共産党幹部関係者も、ほとんど来日できないは別にして、欧米人は多数押し寄せそう。
 何しろ、アメリカの物価は日本の約3倍で、二けたインフレです。
アメリカインフレ率:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220913/k10013816811000.html
NYのラーメン一杯5000円:
https://www.rbbtoday.com/article/2022/07/15/200255.html

1989年天安門の翌月、私は香港旅行しました。体感物価はおよそ日本の三分の一か?!
ユーマティのYMCAホテルはたしか5000円位(朝食食べ放題付)でしたが、現在は同じ建物を改装して名前も変えて高級ホテルに変貌しています。
お昼はホテルの飲茶。おばさんが運ぶワゴンの料理を指さし注文で、当時20代の私がおなか一杯に食いまくっても1200円程度だったと記憶しています。
高級飲茶の陸羽茶室でもその倍程度で安かった。当時は、OLが週末に香港までブランド品を買いに行く時代でした。
「因果応報!」
円はリーマンショック後の天井圏の75〜80円のレンジから予想通り2倍の150〜160円へ移行するでしょう。財務省が金利指値オペを止めない限りは「円安」です。
そして、指値オペはいったんスタートさせた以上、もうよほどのことがないと、止められない、止まらないのです。・・・(実は「アメリカへ資金供給しろ」という米国の指令だったのかも?)
日銀からはどんどん資金が流出することになりますが、「止める」となれば、株式市場への負のインパクトは強烈です。
 こんなことじゃ、その内、日本は「香港大乱」のように、中共と英米のパワーに挟まれて、香港と同じ運命になるのかもしれないですね。
 日本ではシナ人爆セックスツアーの後遺症で梅毒が流行中。次々と変な病気が流行しています。ベトナムではアデノウイルス(強い風邪)が現在流行中。
外国人観光客解禁の後遺症でまた、変な病気が日本に蔓延してくると予想します。
 「中間色」で「透明」な日本には嫌気がさします。原油高、円安・・・指値オペ、すべてインフレ要因です。
OXYチャート:https://www.tradingview.com/x/cyWF4Yb7/
円安は米国の利上げ(年内にあと2回)の影響が8割、原油高は米国が国内産原油を消費しない影響が強い。ノルドストリーム爆破もXXXか? プーチン氏、ガス管損傷は「米欧側のテロ」認識示唆
https://news.yahoo.co.jp/articles/4890af561a83086693d8dfc92b6b63bcc6eb06c2?fbclid=IwAR
149jJ3V6aMvnRrdF51CekZzQmmYaWTZv2yTmRmCZeIlKZU2nkuP2Du_Jk
 ウクライナ戦争は長期戦と化したが、中国はロシア製武器のひっ迫で、中東・東欧へ武器輸出。イランもドローン輸出。精密機械のなかには、日本製の規格品半導体やコンダクターもたくさん入っていることでしょう(Z生逗子)



(宮崎正弘のコメント)香港の油痲地(ユーマティ)にあった「YMCAインタナショナル」に小生も1973年だったか、三週間ほど滞在しました。一泊1800円(会員はさらに一割引)でした。半世紀前のことですが(苦笑)。
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(読者の声2)ウクライナ情勢は英米論調のコピー&ペーストにすぎない日本のメディアは見るに値しないようだ。
ロシアメディアのRT(ロシアの宣伝機関でもある)ではウクライナのテロリスト逮捕の動画がある。
 便利な時代になったものでページ翻訳まで自動でしてくれる。Chrome系のブラウザならdeeplのページ翻訳もある。上記記事ではモスクワとキエフのほぼ中間に位置するロシア・ブリャンスク市での逮捕劇の一部始終の動画。TNT火薬
3kg相当の爆弾を押収、対戦車ミサイルの弾頭を改造したもの。
 ウクライナ反攻の快進撃はイーロン・マスクのスペースX
衛星利用のスターリンクが担っていた。ところがなぜかウクライナ軍のスターリングシステムが稼働しない。
ウクライナ側の説明では進撃が速すぎてスターリンクが地上の座標を更新しきれていないためとされた。
ロシア政府はなにも言っていないが、外野筋はロシアの Tirada2
軌道妨害システムによるもの、さらにはレーザー兵器による衛星破壊だろう、あるいはイーロン・マスクが制限したとまで騒いでいる。
 ウクライナはイーロン・マスクが裏切ったと思ったのか、オデッサではキエフを支持してきた国際的な有名人の広告看板から削除した。
 ウクライナのやり口を見ると本当に半島国家と変らない。ウクライナが騒げば騒ぐほどウクライナ支持はなくなっていくのだろう。(PB生、千葉) 


(宮崎正弘のコメント)拙著『ウクライナ危機後に、中国とロシアは破局を迎える』(宝島社)にも書きましたが、ゼレンスキー大統領の隠し口座が知れ渡ってきたようですね。

(読者の声3)米国ハーヴァード大学の人気教授マイケル・サンデル氏は、倫理、法、経済を担当し、NHK教育テレビでも「ハーバード白熱教室」として紹介されている。邦訳の本もある。歴史家の伊勢雅臣氏が紹介していたので、講義の動画を見てみた。
https://www.youtube.com/watch?v=kBdfcR-8hEY
 英語、1時間、(実に3500万回再生されているタダの授業。同大学のかなりの講座が動画になっているので、世界中の貧乏人の子供でも米一流大学教育が受けられる。かつて白人の裕福な家庭の男の子ばかりだったが、今、白人男子学生は少なく、有色人種、女が多い。)
この講義の序論で、学生との応答が頻繁に行われる。
日本では学生は寝ているか聞いておらず、教授も独り言を毎年繰り返す。考えることも発言する練習もなされない。長い受験勉強で疲労困憊なのだろう。 
閑話休題、
暴走する電車の前に五人の線路整備員がいる。そのままでは全員即死。しかし脇道に逸れると、そこには一人の整備員がいる。運転手は、五人を選ぶか、一人を犠牲にするか、の倫理の選択を迫られるという極めて具体的な例題をあげ、学生の意見を聞いていく。
つまり人が他人の運命を如何なる理由、倫理、基準で決めるべきか、という命題である。(余談。正解が存在しないのが世の中だが、東大生は、必ず最後に、「先生、では正解を教えてください」と聞いて失笑を買う。)
 人類がこれまで発明した道具、機械、兵器、ロボットは、自らの判断で作動、行動することは無かった。常に人が、目的を持って価値、倫理観に基づいて使用・操作してきたが、近年のA
I は、そろそろ、状況に応じて独自の判断で行動する未来が近づいてきた。
例えば、既にテスラの自動運転では、8台のカメラが近付いてくる車・障害物などの動きを予測し、それに応じた回避行動を起こす仕組みが備わっている。
そこで、上記の例のような現実の事態が出現する。つまり、突然に現れた子供を避けようとすると、自分が怪我、致死に至る、あるいは、高価な車が大破する。
「どっちにしようかな?」
人間の脳、神経、筋肉は瞬時に、これらを把握し判断し結論を行動に移すには時間がかかるが、AI
は数十分の1秒で、正確に作動できる。では、その判断基準をあらか
じめ教えておかなければならない。子供ではなく、犬であったら、あるいは死期の近い老人、乞食、で、一方、テスラに乗っている自分は若く、妻子もある有能な人材だったら、などなど。この議論は今の所机上の空論であるが、そのうち政府が規則を決めるかも知れない。テスラ社内部で、AIにどんな教育をしているか分からないが、「とにかく大切なお客様を優先的に扱う」と決めても、進化したAI
は勝手に倫理的な「正しい」判断をする、なんという未来の日も遠く無いだろう。
「戦争というものは、軍人たちに任せておくには重要すぎる」と故クレマンソー仏首相が言った。過去2年間、世界中の政府の反科学・反医学的な非人道的な残酷な判断、行動を鑑みると、「医療、製薬会社、政府の人間」に任せておけない、という結論になる。 このままでは「人類の味方A I 様」礼賛者が増える、だろう。
(余談。サンデル教授は素晴らしい講義をなされ、学生に如何に思考するかを教えるが、自身の思考には無頓着らしく、典型的な文化系大学世界の価値・倫理観で社会を批判している。切れる刃物、とは敵にも味方にも危険である。 
https://www.youtube.com/watch?v=_NbChMEoGFE&t=7s
(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)高山正之氏の著作に『変見自在
 サンデルよ、「正義」を教えよう』(新潮社)があります。 

(読者の声4)通巻7488号で「ウクライナの大統領と議会は、『北方領土は日本のモノだ』と国会決議したようだ。
この意図はロシア軍の兵力をウクライナ方面できるだけ集中させないようにするために、『日本がこの機会をとらえて北方4島を奪還するべく動き出すかもしれないよ』とロシアに示したいのであろうし、彼らからすれば日本だってせめてこんな『後方支援』を日本がしてくれてもいいのではないか、このチャンスを日本はなぜ利用しないのか? と思っているのだろう。」と申しましたが、こんなニュースが伝わってきました。
 ロシア外務省=モスクワ(AFP時事)(c) 時事通信 提供
ロシア外務省=モスクワ(AFP時事)ロシア外務省は12日、陸上自衛隊矢臼別演習場(北海道)で高機動ロケット砲システム(HIMARS)を用いた日米共同訓練が実施されたとして、在ロシア日本大使館に「断固抗議した」と発表した。
声明は「ロシア国境に近い」ことを問題視しており、ロシアが実効支配する北方領土を射程に収める場所での日米共同訓練に過度に反応した形だ。
「ロシア極東の安全保障への脅威と見なし、こうした行動の即時停止を求める」と強調した。また、外務省のザハロワ情報局長も談話を出し、岸田文雄政権の非友好的な措置には適切に対処すると警告した。
 どうやら、どさくさまぎれに武力行使や自国主張を成就する事が「常識」であるロシアにとっては、他国にとってもそれが「常識」であると思いこんでいることを、上記の報道は示しているようです。
 尚ここにきてサウジが米国のメンツを破り石油の減産をするなど、米国離れの兆候を見せ始めましたが、これは(「王政維持サービスに対する石油ドル建て料ディール」を廃止するということになり)王政転覆などの動きに繋がりかねず、さらなる金融・資源などの世界変動を惹起しかねないとおもいます。(SSA生)

(宮崎正弘のコメント)米国ではサウジアラビアとのギクシャクを問題視している記事が多いのですが、日本では日本経済新聞のコラムに時折でる英誌『エコノミスト』論説の翻訳記事くらいでしょうか。

(読者の声5)第二次大戦後日本は台湾及び澎湖島の領有権は放棄しましたが、その帰属先告げていませんので、現在でも領有権の所在が確定しておらず、所在を確定するためには改めて国際会議開催等の何らかの手続きが必要です。
 1943年11月27日のカイロ宣言では、「満洲、台湾及び澎湖諸島のように日本国が清国人から盗取したすべての地域を中華民国に返還する」とあり、ポツダム宣言では「カイロ宣言の条項は履行さるべきである」と規定されています。しかし、国際法上の権利の移転は、その条約に政府代表者が署名したうえで、議会が批准しなければ効果は生じません。ポツダム宣言の受諾はあくまでも同宣言の内容の履行義務を負ったということであって、領有権移転の法的効果が生じたということではありません。
 もし移転が法的に行われていたなら、サンフランシスコ条約の第2条b項の規定は意味がないことになります。
 2条b項では、日本による台湾及び澎湖島の領有権の放棄を規定していますが、放棄された地は無主地となります。領有権を放棄された無主地について国際法上認められている法理が先占の法理です。無主地は、他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって自国の領土とすることができるわけです。
 台湾及び澎湖諸島が無主地になった時この地を占有していたのは中華民国(台湾政府)です。ただし、中華人民共和国(中国政府)がこの地の領有を主張していますので、平穏に台湾政府が「支配を及ぼす」状況にあったとはいいがたいので、台湾政府がこの地を領有したとするには疑義があるのです。
 一方で、中国政府は、この地に「支配を及ぼす」前提となる占有すら行っていません。先占の法理からすれば中国政府には台湾を領有する法的資格は全くないものと言わざるを得ないのです。
 さらなる議論については本文をお読みください。
台湾の法的地位未定新論──中国は台湾領有の法的資格を有せず(国際歴史論戦研究所上席研究員 河原昌一郎氏の論文)
・日本語原文: http://hassin.org/01/wp-content/uploads/Legal.pdf
・英訳文: http://www.sdh-fact.com/CL/Legale.pdf
   (「史実を世界に発信する会」会長 茂木弘道)


(宮崎正弘のコメント)河原氏の論文は問題点をすべて系統的に整理されていて、参考になりました。

(読者の声6)通巻第7490号の読者の声1、DD生さんの投稿に刺激されての投稿です。
プーチン大統領は冬一杯まで戦争を続ける気ではないかと私は思っています。
そうすれば、欧州は冬の燃料不足で悲鳴をあげる。欧米の結束が揺らぐ。それを狙っているのでは? なにしろ、寒さを利用するのがロシアの伝統のようですから。(ナポレオンも、ヒトラーも、確かロシアの寒さにやられたのでは?)(HK生)



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重 要 情 報
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◎元商社マンと円安の影響等を語り合った:前田正晶


時が経つのは早いもので、私がこれまでに何度も取り上げて語って来た商社マン(輸出入の専門家)は定年延長も終わって、先頃引退していた。彼と親しく付き合うようになったのが1997年だったのだから、あれから25年も経っていたのだった。


だが、彼の感覚は現職時代の儘なので、色々と尋ねてみた。何といっても私の最大の関心事は「極端な円安の下にあって、輸出入はどうなっているのか」だった。彼は「在職中はマスコミ報道にもあったことで、輸出は全般的に動いていた。だが、事が輸入となれば話は別だ。特に紙パルプ産業界では絶望的だったし、パルプの相場が高騰しているので、メーカーは苦しめられている。


国内市場ではコスト上昇分(原材料とエネルギー価格の高騰)を製品の価格に転嫁もままならず、無理に生産するよりも売れる分だけを作っている状態。印刷用紙の需要が衰退している状況は、近頃頻繁にテレビCMを流すようになったTOPPAN(印刷)が一言も「印刷」に触れていないことが物語っている」と聞かせてくれた。


「印刷(紙)媒体の衰退は何も今に始まったことではないが、現在のようにパルプ価格が紙の価格よりも高いのでは」と思わせられる事態では、製紙産業の苦境は察するに余りある。「円安」問題はこれ以上余り深く語り合わずに終わった。


次に私の興味を惹いた話題は、UKでのインフレーションだった。話は本筋から外れるが、後輩の一人がロンドンの系列会社に転勤になったのだが、そこの社長はその人物よりも数年後の入社だったこと。その後輩がロンドンで暮らすようになって驚かされたことがあったそうだ。それは強烈なインフレーションで、手近な例ではラーメン一杯が円換算では\3,500にもなっているので、日本からインスタント麺でも送って貰いたい思いだとメールが来ていたそうだ


彼が強調したことは「マスコミ報道では余り取り上げられていないが、インフレは何もアメリカだけのことではないのだと認識すべきだとのこと」だった。彼ともある程度考えが一致したことは「ロシアのウクライナ侵攻で欧米の諸国がロシアに制裁を科した結果が、エネルギーコストの上昇等の原因となった上に、アメリカではFRBが繰り返して利上げしたためでもあるだろう」だった。某元大使が「返り血を浴びる制裁を科すのは得策ではないのでは」と指摘されたのを思い出した。


次は彼が失業保険の手続きにハローワークに行ったときの話だった。これは、私が嘆く「スマートフォンの包囲網」にも似た事だった。そこでは、窓口の係員と話し合う前に、指定されたQRコードをスマートフォンに読み込んで、指示されたように登録しなければならないようになっていたそうだ。当然のことながら、私が1994年2月に恐る恐る訪れたときとは大違いだ。


そこから話がマイナポイントに飛んで行って「モバイルSuica」になり、私が持っているらくらくスマートフォン(アンドロイド)を早く止めて、息子さんたちも言われるiPhoneのか型落ちにでも切り替えないと不便だと忠告された。そこで、先ほど取り上げた「モバイルSuica」を自宅であらためて検索してみたが、どうも私の手には余る気がしたのだった。この他にもdポイントというかdカードのこともあるのだが、ドコモショップに行かねばと考えただけで、億劫になる。


元商社マンは「マイナポイントの手続きに区役所に行かれるのは良いが、良く準備して置くこと。即ち、そうでないと『また、面倒くさい高齢者が来た』と窓口の係員に思われないように」と警告されてしまった。何の事はない、彼にもスマートフォンで包囲されてしまうことになったのだった。因みに、新宿区役所の係員には「記名式スイカでJREポイントを受けられるようにして来て下さい」と教えられたが、これからして良く解っていないのだ。「高齢者は辛いぜ」の時代だ。


◎江戸時代へタイムスリップした会社員の話

テーマ:ブログ=北村維康

偶々ユーチューブで見つけたが、この話は随分前、一年くらい前か、に初めて聞いたが、とても話が劇的で、且つ真に迫ってゐたので、覚えてゐた。その後も、二、三回、別のナレーターの吹き込みで聞いたことがあり、今回はまたその次だが、内容はすべて同じである。↓
(580) 【朗読】江戸時代へのタイムスリップ - YouTube
URL: https://www.YouTube.com/watch?v=VqQ8g-KIv3K


創作かもしれないが、それであったとしても、作者の想像力は、大したもので、真に迫ってゐる。


自分も、家の近所を野良猫のやうにうろついてゐたら、トンビの鳴き声が聞こえるかもしれない。ここで不思議に思ふのは、タイムスリップした人の中には、元ゐた場所と、環境的に似たところへ飛ばされてゐることだ。この話の場合は、H市の街角から、同じH町の片田舎へであり、またアルゼンチンの高速道路を車で走ってゐた夫婦は、同じスペイン語圏のメキシコの、高速道路の上へとタイムスリップしたのである。しかも同じ時代だったので、後で、飛行機で、アルゼンチンに還ってゐる。つまり、何らかの知的なものによる判断が加へられて、間違っても、深海の底とか、エヴェレスト山の頂上などへは飛ばされてゐないのだ。しかし、まあ、そんな場合なら、飛ばされた人は死んでしまふので、このタイムスリップの体験を、後で述べることもできない筈ではあるが。




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身 辺 雑 記
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21日の東京湾岸は晴。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち 寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎


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渡部 亮次郎
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