2022年10月23日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6298号
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   2022(令和4年)年 10月23日(日)




    安倍総理の死で歴史を書き換えるな:櫻井よしこ

         円安メリット生かす好機だ:高橋洋一
      
         北野の基本的立場は親欧米:北野幸伯      

          ミサイルは中国にも照準:宮崎正弘

            編集長ピックアップ:中村 将

         

  
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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安倍総理の死で歴史を書き換えるな
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          櫻井よしこ


日本ルネッサンス 第1019回

NHKの看板番組のひとつ、「クローズアップ現代」(クロ現)が9月14日、「日朝首脳会談20年 元外交官が語る北朝鮮との秘密交渉 その舞台裏」と題して、小泉純一郎首相の訪朝を実現させた田中均アジア大洋州局長の証言を伝えた。

私自身、拉致問題には長年関わってきた。それもあって注意深く見たが、田中氏の発言にもクロ現のまとめ方にも重大な偽りがあると感じた。そこで拉致問題の第一人者、「救う会」会長の西岡力氏、安倍晋三元首相に最も食い込んだ記者、産経新聞編集委員の阿比留瑠比氏と共に「言論テレビ」で田中発言を検証した。

田中氏は2001年9月、アジア大洋州局長に就任、小泉首相の許可を得て、同年秋から02年9月までの1年間、北朝鮮と30回近く交渉した。クロ現は田中氏の構想をこう描いた。

「田中は、拉致問題や核・ミサイル問題、国交正常化、その後の経済協力などをパッケージにして包括的に解決し、朝鮮半島に『大きな平和』を作ろうと呼びかけ続けた」

田中氏が番組内で語っている。

「拉致の問題をクリアしないと、先には行けない。日本からの資金の提供というのも、拉致とか核の問題を解決しないで、進むことはできませんと。だから、その『大きな道筋』を作りたいんだと。これはもう全部パッケージなんだという話を交渉の間ずっとしていました」

私は拉致について20年以上取材してきたが、田中氏や外務省が「拉致、核、ミサイル、国交正常化、経済協力」をひとまとめにして解決を目指し、拉致問題に真剣に取り組んだとはどうしても信じられない。

阿比留氏が語った。

「当時、私は官邸担当で拉致問題を取材していました。小泉さんも福田康夫官房長官も古川貞二郎官房副長官も拉致問題は全く二の次でした。古川さんは記者会見で、小泉さんの訪朝は拉致問題解決のためかと質され、そうではない、まずは国交正常化だと、ハッキリと言いました。小泉さんも自民党議員との夜の会合で、拉致であまり期待されても困ると言っていた。政治家にとって国交正常化はこの上ない外交上の手柄です。外務官僚にとっても同じです」

「めぐみちゃんは生きています」

ちなみに当時、世論も拉致問題には冷たかった。冷たい世論作りの先頭に立ったのが朝日新聞だった。朝日は1999年8月31日の社説で「日朝の国交正常化交渉には、日本人拉致疑惑をはじめ、障害がいくつもある」と書いた。横田早紀江さんら拉致被害者のご家族が、拉致問題は障害だと言うのかと憤ったのは当然だった。

西岡氏は、2002年9月17日、小泉首相が訪朝して北朝鮮外務省が5人生存、8人死亡説を日本側に伝えたときのことを振り返った。拉致問題についての田中氏らの冷淡さが拉致被害者の安否情報の扱いに反映されている。

「何言ってんだと。彼が本気で拉致問題を解決しようと思っているのなら、9月17日の朝、北朝鮮外務省の局長から8人死亡、5人生存のペーパーが出てきたとき、なぜ確認作業をしなかったのか。北朝鮮の言葉を鵜呑みにして横田さんたちに、お亡くなりになりましたと断定形で伝えたのです」

「死亡」を通告された当日、ご家族の記者会見を記憶している人も多いだろう。滋さんが泣き崩れ、皆が8人の死亡を信じそうになった。そのとき、早紀江さんが声を振り絞って言った。

「いつ死んだのかも分からず、めぐみちゃんが死んだなんて信じません。絶対に信じません。めぐみちゃんは生きています」

愛する家族の生死に関する情報でご家族の側に立ったのが安倍氏だったと西岡氏は言う。当時、北朝鮮との交渉は田中氏、福田官房長官、古川官房副長官らが中心になっており、安倍晋三官房副長官は蚊帳の外だった。その安倍氏がこの局面で動いたのだ。

9月18日の朝、安倍さんが、政府の公式の説明会ではないのですが、家族のところに来てくれました。家族みんなが、いつ死んだんですか、死因は何ですかって聞いた。安倍さんは分からない、分からない、と言うのです。安倍さんが、政府は確認していない、と教えてくれた。安倍さんの話で平壌で蓮池さん夫婦、地村さん夫婦、めぐみさんの娘と言われる人に会った外務省の人間がいることが分かった。その人をつかまえて聞いた。すると彼も死亡の確認はしていませんと言ったのです」

田中氏以下外務省の面々、小泉氏も福田氏も誰一人、拉致された日本国民の安否情報を確認しようとさえしなかった。田中氏らの頭を占めていたのは日朝国交正常化だけだった。田中氏らが「拉致」をトップ項目に掲げて解決に向けて努力したというのは真実ではない。他方いま、私たちはめぐみさん達が生きているというより確かな情報を持っている。

「安倍さんが反撃した」

田中発言の次なる嘘は、同年10月15日に日本へ帰国した5人を再び北朝鮮に戻すか否かの動きについてである。田中氏はそれは「政治判断」だと語り、自身は意見は言っていないととれる説明をしている。だが、当時、政府内には5人の処遇について明確な対立があった。

田中氏や福田氏は北朝鮮に「5人の滞在は2週間と約束した」と主張し、北朝鮮に戻すべきだという立場だった。それに対して安倍氏と内閣官房参与だった中山恭子氏らは明確に、日本にとどめるべきだと主張した。

阿比留氏が語る。

「今になって安倍さんが5人の北朝鮮行きに反対しなかったと示唆したり断定したりする発言が出てきています。酷いものです。田中氏が顔を真っ赤にして北朝鮮に返すべきだと言っていたことを私は安倍さんだけでなく、中山参与、谷内(やち)正太郎内閣官房副長官補からも聞いています」

西岡氏も証言する。

「福田さんが北朝鮮に返すと言ったとき、安倍さんが反撃したのです。5人を北に返して、二度と(日本の)家族と会えなくなったら、責任とれるんですかと言ったんだよと、直接安倍さんから電話で聞きました」

クロ現は田中氏の発言のファクトチェックを行って報道すべきだった。田中氏の言わなかったことについての闇も探るべきだ。田中氏は日朝交渉の議事録の最後の2回分を提出していない。日朝首脳会談を実現に導いた交渉の、恐らく山場であったであろう最後の2回、田中氏は北朝鮮側と何を話し、何を譲歩したのか。明らかにする責任があるが、そんな点にはクロ現は全く触れていない。

拉致を国際社会に周知徹底させ、どの政治家よりも拉致問題に力を注いだ安倍氏の功績を無視することでクロ現は一体、何を訴えようとしているのか。政治家安倍氏を貶めることが目的ではないかとの思いが拭えなかった。
        


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円安メリット生かす好機だ
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          高橋洋一

【⽇本の解き⽅】円安メリット生かす好機だ 古今東西、自国通貨安はGDPにプラス要因 金融引き締めで不況招いた「平成の失敗」を繰り返すな 

外国為替市場の円相場が一時、1ドル=150円近辺と1990年以来の水準となった。

円安は国内総生産(GDP)にとってプラス要因だ。これは、古今東西、自国通貨安は「近隣窮乏化政策」(Beggar thy neighbour)として知られている。

通貨安は輸出主導の国内エクセレントカンパニーに有利で、輸入主導の平均的な企業に不利だが、全体としてプラスになるので、輸出依存度などに関わらず、どのような国でも自国通貨安はGDPにプラス要因だ。もしこの国際経済常識を覆すなら、世紀の大発見だ。

このため、海外から文句が来ることはあっても、国内から円安を止めることは国益に反する。これは国際機関での経済分析からも知られている。ちなみに、経済協力開発機構(OECD)の経済モデルでは、10%の円安で1〜3年以内にGDPが0・4〜1・2%増加する。

その証拠に、最近の企業業績は好調である。直近の法人企業統計でも、過去最高収益になっている。これで、法人税、所得税も伸びるだろう。

しかし、マスコミ報道は、こうしたマクロ経済ではなく、交易条件の悪化などごく一部の現象のみを取り上げて「円安が悪い」と印象操作をしている。

「32年ぶりの円安」というが、1990年はバブル経済の絶頂から崩壊を迎えた時期だ。

当時のマクロ経済指標はどうだったのか。名目GDP成長率が7・6%増、実質GDP成長率が4・9%増、失業率2・1%、消費者物価指数上昇率3・1%と文句のつけようもない数字だ。

バブル期というと、ひどいインフレと思い込んでいる人もいるが、そうではない。

頭の体操だが、もし当時、今の「インフレ目標2%」があったらどうなのか。昨今の欧米の例をみても、4%くらいまでは金融引き締めをしないのが通例なので、金融引き締めをしてはいけないとなる。

実際には、マスコミが三重野康日銀総裁(当時)を「平成の鬼平」ともてはやして、金融引き締め(金利引き上げ)を後押しし、日銀もそれに従ったが、それは間違いだった。筆者の見解では、日銀はこの間違いを「正しい」と言い続け、間違いが繰り返されたので、平成不況の元凶になった。

90年と今との違いは対外純資産だ。90年末は44兆円だが、2022年6月末(1次推計)は449兆円。円安メリットは大きくなっている。その中でも最大のメリットを享受しているのは外国為替資金特別会計を持つ日本政府だ。

GDPをドル換算して「日本のGDPランキングが下がった」と言い、円安を悪いものとして煽る論調もあるが、円払いの給与がほとんどである日本人には無意味なことだ。むしろこれまでの円高で成長が阻害された結果を表しているとみたほうがいい。

しかし、外貨債を持っている日本人にとって円安メリットは現実のものだ。最近の円安によるGDP増加要因で、日本経済は1〜2%程度の「成長ゲタ」を履いており、他の先進国より有利になっている。

1990年の失敗を繰り返さず、この好機を逃してはいけない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

夕刊フジ令和4年10月21日号採録
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★北野の基本的立場は親欧米、親中、親ロではない
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          北野幸伯


●黒化する世界〜民主主義は生き残れるのか?
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世界の現状と未来(たとえば中国、ロシアの未来も)
を知りたい方は、迷うことなくご一読ください。

今回は、ちょうどいい機会ですので、
私の基本的立場を明確にしておきたいと思います。
私は、親欧米でしょうか?
 違います。
私は、親中国でしょうか?
 もちろん、違います。
私は、親ロシアでしょうか?
 全然、違います。
私は、親欧米でも、親中国でも、親ロシアでもない?

 では、なんなのでしょうか?
私は、【親日本】です。
【日本の国益のみ】を考えて、情報を発信しています。

▼北野の情報発信、基本的な流れ?
実際にどんな情報を発信してきたのでしょうか?
メルマガ創刊から23年。メインテーマは、時と共に変わってきました。1冊目の本「ボロボロになった覇権国家アメリカ」を出版した2005年当時。

私のメインテーマは、「アメリカ発の危機が起こって、ア
メリカは没落する」でした。実際、2008年に危機が起こり、アメリカ一極時代は終わったのです。ちなみにこの本には、「中国は、08〜10年に起こる危機を短期間で克服し、2020年頃まで成長をつづける」とあります。

実際に、08年に危機が起こった。中国は短期間で危機を克服した。そして、2020年まで成長をつづけたのです。
さて、既述のように、08年の危機で「アメリカ一極時代」
が終わりました。そして、「米中二極時代」がはじまったのです。私は、08年出版の「隷属国家日本の岐路 〜 今度は中国の天領になるのか?」の中で、

「尖閣から日中対立が激化する」と書きました。

実際、2010年に「尖閣中国漁船衝突事件」があり、
2012年の「尖閣国有化」で、日中関係は戦後最悪になった
のです。

▼反日統一共同戦線戦略との戦い
ここから、次の大きなテーマに移っていきます。
中国は2012年11月、ロシアと韓国に

【反日統一共同戦線創設 】を提案しました。
@証拠↓
https://rpejournal.com/rosianokoe.pdf

中国は、ロシアと韓国に
・中ロ韓で、反日統一共同戦線を創ろう!

・中ロ韓で、日本の領土要求を断念させよう!

・日本に断念させる領土は、北方4島、竹島、尖閣、
【 沖縄 】である!

・日本に沖縄の領有権はない!!!!!!!

・反日統一共同戦線には、【アメリカ】を引き入れる!

私はこの情報を知って、「嗚呼!日中戦争がはじまった!」と思いましたそして、中国の【 反日統一共同戦線戦略を無力化させること】が私の大きなテーマになったのです。具体的にはなんでしょうか?中国の戦略は、日米関係、日ロ関係、日韓関係を破壊し、日本を孤立させ、破滅させることです。

だから、日本がとるべき大戦略は明らかでした。日米関係、日ロ関係、日韓関係を改善することで、中国の反日統一共同戦線戦略を無力化できるのです。日米関係はともかく、日ロ関係を改善すること、日韓関係を改善することには、強い抵抗があります。

それでも私は、ブレることなく、同じ情報を発信しつづけ
てきました。そして、安倍総理は、まさに「反日統一共同戦線戦略を無力化するために」行動してくださったのです。2015年4月、「希望の同盟」演説で、日米関係は最良になりました。

安倍総理は、リベラルのオバマさん、保守のトランプさん
お二人と親友になったのです。2015年12月、慰安婦合意で日韓関係が一時改善されました。「どうせ韓国が裏切る」と反対の声も多かった。しかし私は、「反日統一共同戦線を無力化する」という立場から、支持を表明しました。


2016年12月、プーチンが訪日し、日露関係は劇的に改善
されました。安倍総理について、背景を知らない人は、
「結局、北方領土は戻ってこなかった」などと批判します。しかし、そもそもプーチンは、北方領土を返す気が全然全然ありません。

だから、誰がやっても結果は同じです。それでも安倍総理は、ロシアとの関係改善に尽力されました。反日統一共同戦線戦略を無力化するためです。そして、安倍総理は、成功したのです。

2018年10月、ペンス副大統領の「反中演説」から「米中
覇権戦争」がはじまりました。安倍総理の功績で、日中戦争は、米中戦争に転化しました。日本は救われました。
しかし、油断はできません。日本には、親中派の政治家がたくさんいて、油断するとすぐ中国の方に行ってしまうからです。

私は、感情的反中派ではありません。ですが、中国が、
【 日本には沖縄の領有権はない!!! 】
と宣言していることを知っています。
だから、親中にはなれません。

▼北野は、「親ロシア、親プーチン」なのでは?
 さて、私は、
・アメリカの没落を予測し

・中国の反日統一共同戦線戦略の存在を暴露し、その無力
化戦略を提示したということで、私がファナテックな親米や親中でないことは、ご理解いただけるでしょう。

ところが、一つ疑念が残ります。
「北野は、親ロシア、親プーチンなのではないか?」です
私は、親ロシア・親プーチンなのでしょうか?
それとも親日本なのでしょうか?ウクライナ侵攻に対する私の言説を見れば、はっきりわかります。

私は、ウクライナ侵攻がはじまる前から、二つのことを主
張しつづけてきました。

・ロシアがウクライナに侵攻する可能性がある

・ロシアがウクライナに侵攻すれば、ロシアの【戦略的敗
 北】は不可避である


実際、ロシアはウクライナに侵攻し、戦略的敗北を喫する
ことが確実な情勢になってきています。ウクライナ戦争がはじまった時、もし私が親ロシア・親プーチンであれば、ロシアを支持したことでしょう。

実際、日本にも「親ロシア」の論陣をはっている人がたく
さんいます。彼らのロジックは、「プーチンは、悪のグローバリスト(あるいはディープステイト)と戦う、ナショナリストの英雄だ!」というものです。

私は、プーチンがグローバリストと戦っていることは否定
しません。ですが、「プーチンが善だ」という主張には絶対同意できません。もしプーチンがグローバリストに勝利し、新世界秩序をつくる権限を得たとしましょう。
彼は、どんな新世界秩序を作るのでしょう?

もちろん、「彼がロシアを支配しているように、世界を支
配する」となるでしょう。つまり、言論の自由が全然ない世界。「反戦」と書いたプラカードをもって外に出れば、逮捕され、最長懲役15年の実刑を受ける世界。

私は「親プーチン派」に問いたいと思います。
「日本が、ロシアみたいな国になっていいのですか?」
「ロシアみたいな世界になっていいのですか?」と。

というわけで、どうも北野は「親ロシア、親プーチン」で
はなさそうです。私は、ロシア外務省附属モスクワ国際関係大学を卒業しました。そこで、「国益をすべての中心に据えて考える習慣」をつけさせられました。

私は、「ロシアの国益」ではなく、「日本の国益」を常に
第一に考えて情報を発信しています。そして、その国益は、「長期的」「大戦略的」「大局的」なものです。
今、日本は岐路に立たされています。日本国内には、親中派と親ロシア派がたくさんいます。もちろん、日本には言論の自由がありますから、何をいってもいいでしょう。

しかし、日本が独裁国家側につけば、日本は
【また敗戦国】になります。私は、日本が戦勝国になり、真の自立を成し遂げる方法を常に示しつづけていきたいと思います。           


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 ミサイルは中国にも照準
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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
   令和四年(2022)10月15日(土曜日)弐
         通巻第7493号  
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●小誌、明日(10月16日、日曜日)は休刊となります!
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軍事地政学からいえば北朝鮮のミサイルは中国にも照準
  北京は金王朝の暴走をいかなる歴史感覚で認識しているのか?
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 北朝鮮の核ミサイル、数十発が日本海へ、日本のEEZへ、そして本土を越えて太平洋まで飛翔し、つまりは日本列島全体を蔽う攻撃能力を誇示する。日本の議論は、北朝鮮がいずれ韓国を従えて、日本攻撃を狙うという軍事脅威論が主流である。

 はたと考えた。ミサイルの射程地図を『あちら側』に伸びしてみよう。すると樺太(サハリン)、沿海州、旧満州国の殆ど(現在の中国遼寧省、吉林省、黒竜江省、内蒙古、河北省から山東省、山西省、河南省、湖北省まで、つまり北京、天津、鄭州、洛陽、太源、青島、済南を超えるのだ)。南へ転ずれば、上海から寧波を飛翔して、はるか温州あたりまでが北朝鮮の核ミサイルの射程内だ!

 中国が安全保障上の基本として、隣国の軍事力は脅威という認識を体質的に持っており、「この野郎、生意気な」と金親子三代のことを思っているに違いないが、すでに核開発を終え、実験を繰り返し、小型化に成功したという情報もある。ミサイルに小型核を装填したと推定されている。ならば最大の脅威を感得するのは韓国であるべきだが、感度が鈍い。日本は非常事態にあるにも関わらず防空壕もシェルターもない。防御ミサイルがアリバイ証明的にちらほら。つまり国防意識がゼロに近い。

さて北朝鮮の核を中国がなぜ脅威と認識するのか。
 簡略ながら歴史を辿ってみよう。高句麗の建国は紀元前、668年に滅亡するまで栄えた。軍事力に突出していた。二世紀に後漢で起きた黄巾党の乱で、シナの王朝が衰えた隙に乗じた高句麗は、北部へ進出し、あちこちに山城を造成し、現在の吉林省集安を拠点とした。集安はこじんまりとした街だが、鴨緑江をこえるとすぐ北朝鮮であり、広開土王の石碑は、この地で発見されたのである。

 高句麗は最盛期に現在の北朝鮮から沿海州、中国吉林省南部と遼寧省から、韓国の北部半分を抑えていた。当時の地域大国だった581年に隋が建国され、冊封体制に入るものの高句麗は隋に従う気配はなく、590年に最初の抵抗を示した。文帝が死ぬと隋は煬帝となって、598年に水陸30万の遠征軍をおくりこんだ。ころが。燎河の洪水で隋軍の進撃が阻まれてしまい、撤退した。また突厥の台頭があって隋は高句麗だけを相手にしている場合ではなかった。

 612年、隋の煬帝は満を持して百万の軍を派遣したが苦     戦の末に撤退した。 
 613年 進撃途中に兵站が切れて、又撤退した。
 614年 軍派遣するも隋国内に反乱が起こり退却する。
 617年 煬帝はまたしても軍派遣を準備したが沙汰止みとなる。さんざん手こずって、結局、随は高句麗に勝てなかった。

 日本では百済、任那府との関与が深く、隋と高句麗の戦線状況を把握していた筈である。645年に大和朝廷は乙巳の変で蘇我氏が滅亡したが、この同じ年に、唐の太宗は十万を高句麗に派遣し、激戦しつつ進撃をしたが、やはり撤退を余儀なくされた。新羅が唐に援軍を求めた。

 647年、648年に 唐は遠征に失敗したが、660年に13万の軍をおくり、大々的に百済を攻撃し、662年に百済は事実上滅んだ。日本に亡命していた王子に5000の兵をつけて、天智天皇は百済救済に立つが、白村江海戦で唐海軍に敗れ、撤退した。
 
 高句麗が滅亡したのは668年である。
そこで新羅が恩ある筈の唐に造反し、失敗して遺臣等は日本に亡命してきた。彼らを武蔵国に集団移住させた。その名残が、高麗神社である。

 高句麗にかわって30年後に渤海国が698年に建国された。渤海は安全保障のため遠交近攻策をとり、じつに72
7年から919年の間に34回、「朝貢」のため日本に来た。現在ロシア沿海州のポジェト港あたりから出向し、前半は出羽、佐渡島などに漂着した。後半は能登以西の港に着岸した。ヤマト王朝は最初歓迎したものの「朝貢」というからには日本の方が負担が大きく、夥しい土産、物資が必要となり、やがて12年に一度の制度としたうえ、最後は「もう来なくても良い」となった。かれらは情報収集の傍ら朝貢の返礼品が目的で、交易で巨富を得ていたのだ。(渤海使の一覧は拙著『葬られた古代王朝「高志国」と継体天皇』(宝島社新書)にあります)。

 つまり、中国の皮膚感覚としての高句麗の脅威は、現在の北朝鮮の核戦力の脅威に連結している。
     □☆◎☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き   
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●小誌、明日(10月16日、日曜日)は休刊となります!
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 ラオスが99年リースを認めた北部「経済特区」は一帯一路絡み 中国マフィアの犯罪の巣、すべての犯罪がカジノ地区につながっていた
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 メコン河流域、ラオス、タイ、カンボジアの流域にはなんと240軒ものカジノホテルが立ち並んでいる。とくに「黄金の三角地帯」には、マカオやラスベガスに匹敵する「ロイヤルロマンカジノ」が店開き、建物、装飾品、天井絵画、調度品など豪華さを競うが、これらはマカオのカジノそっくりである。

 ラオスのポケオ空港に近い場所3000ヘクタールを、ラオス政府は中国企業に99年のリースを認めた。特別経済特区(GTSEZ)は習近平の目玉「一帯一路」との連結と謳われた。やって来たのは趙偉。知る人ぞしる、「14k」のボス(14kは「新義安」などとならぶ中国マフィアの最大やくざ集団)。何がおこなわれていたか。誘拐、人身売買、ドラッグ、マネロン、ビットコイン取引、そしてオンライン詐欺だった(サウスチャイナモーニングポスト、10月14日)。

「麻薬は2021年に172トンが押収され、ラオスでの取引が6倍になった」(アジアファイナンス、6月26日

     □☆◎☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き    
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)15日放映のフロントジャパン(宮崎正弘 vs 大高未貴)は、下記のサイトでご覧になれます。「桜チャンネル』別館のほうです。
https://www.youtube.com/watch?v=HCYx-vfpj58


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 編集長ピックアップ
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         中村将

 原則5年に一度の中国共産党大会が北京で開かれています。習近平総書記(国家主席)の3期目続投は確実で中国は今後も「強権」を世界に示していくことになるでしょう

 習氏は党大会初日(16日)に行った政治報告で、「祖国の完全統一は必ず実現しなければならず、必ず実現できる」と宣言しました。武力による台湾統一も選択肢から排除しない姿勢を鮮明にしました。習氏はまた、新疆ウイグル自治区や香港における「強権」統治に自信を深めており、力で抑止する政策を一層強化するでしょう。
▼習氏、「強大な戦略抑止力構築」 核戦力強化へ

 週末の22日に党規約を改正し、中央委員らを決定。党大会は閉幕する運びです。党大会期間中、側近らの口からは習氏を礼賛する発言が相次いでおり、権力基盤はより強固なものになりつつあります。翌23日には最高指導部が選出され、3期目の習指導部体制が発足する見通しとなっています。
▼習氏側近多数、最高指導部入りか 党大会で忠誠アピール相次ぐ

 中国の動向、特に東・南シナ海を含むインド太平洋への野心的な海洋進出は周辺国にとっての大きな脅威となっています。党大会閉幕と同じ22日、岸田文雄首相はオーストラリア・パースでアルバニージー首相と日豪首脳会談に臨みます。

 中国を念頭に置いた新たな安全保障宣言を両国が打ち出すべく調整が行われているもようです。「強権」に屈しない枠組み作り、同盟に準ずる関係強化を世界に発信できるかが注目されます。今週末もニュースから目が離せません。
▼<独自>日豪首脳、新安保宣言発表へ 「準同盟国」 中国念頭に連携強化
▼【宮家邦彦のWorld Watch】日豪、第3の「島国同盟」なるか


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重 要 情 報
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◎国の内外の話題からー小室圭氏がニューヨーク州の司法試験(bar
exam)に合格他:前田正晶

三度目の正直か:

この小室氏の合格は何と言って評したら良いか解らなかった。今週発売の週刊新潮も週刊文春は、ともに小室氏が不合格になった事を前提にしたかの如き前提の記事を掲載していた。私自身は小室圭という人物には余り好感を持っていなかったのだが、それでも「この両誌は随分と大胆なことを言っているな」程度に捉えて読んでいた。彼らは弁護士となった小室氏と真子さんに「名誉を傷付けた」とでも訴訟でもさることもあろうかとは考えていなかったのかと、一寸だけ考えた。

私の感想は「小室氏は鉄の如き意志を以て眞子内親王と結婚し、アメリカに渡って司法試験に何度でも挑戦して弁護士の資格を獲得して、ニューヨーク州で華々しく活躍するとの目標を立てて、形振り構わず挑戦して結果を出した大変な立志伝中の人物」なのか、あるいは「単なる向こう見ずの皇室の内親王の夫となる事の是非も当否も顧みずに、秋篠宮ご夫妻の了解もなしにアメリカに渡ったおかしな人物か」に過ぎないのかは理解不能なのだ。


私は恐れを知らずにアメリカの会社に転進し、事業部内のただ一人の日本人というかアジア人として、異文化の中で異国の言語を使って20年以上も働いた経験がある。それが簡単な場合もあるにはあったが、それほど容易な道ではなかったことは身に染みて解っている。小室氏はアメリカの大学で勉強しただけで、法律事務所で新参の弁護士として異国で働く事の大変さを、どのようにして切り抜けてlawyerとしての地位を確立するかが、今後の重大な課題のように思える。

リズ・トラス首相が辞任:

先週のことだったか、ジムのサロンで僅かな時間を作って、暫く振りにNew York
Timesの一面だけをザット見て(「読んだ」とは言えない)みた。一面のトップに「UKのトラス首相は減税政策を撤回したので困難な事態に直面している」というのがあった。「なるほど。新首相は困難な事態に直面しているのか」と知り得た。それが、アッという間に現実となって、在職45日で辞任となったそうだ。

昨日、今となってはめっきり衰えた英語の聞き取り能力を駆使してトラス首相の辞任の弁を聞いていた。面白いなと感じたことは、彼女は「保守党の党首を辞任する」と言っただけで、総理大臣を辞めるとは聞こえなかった点だった。首相の辞任はその先のことだとの解説もあった。私がもう一つ面白いと受け止めたことがあった。それは、トラス氏はsituationを「シチュアイション」と発音されたこと。これは余り高級とは看做されないLondon
cockneyなのだったから。

旧名統一教会関連の問題:

立憲民主党の参議院議員・打越さく良氏が山際大志郎大臣に「統一教会の信者か」と質問したことが、「憲法違反である」と物議を醸していると報道されている。打越さく良とは聞き慣れぬ名前なので検索すると、東大出身の弁護士とあった。そういうお方が憲法違反の廉を問われる質問をするとは如何なものかと言うよりも「他人の信仰を問うことが憲法違反になる」のが印象的だった。


所謂「ミッションスクール」ではない上智大学には、私の在学時には「神学生」、「信者」、「一般学生」の別があった。我々というか私のような一般学生の間では、ごく自然に「君は信者かい」と尋ねたものだった。そういう事を訊くのが憲法違反になるとは知らなかった。


私には打越さく良氏が軽率だったのか、それとも何か信念があって岸田内閣の問題児の如き存在となった山際大臣を追い詰めようとされたのかなどは知らない。だが、旧名統一教会の処理問題の核心はこんな所にあるとは思えない。岸田総理が一大決心の下に(支持率の回復を企図されたとの報道もあるが)質問権の行使までに踏み切られたのだから、野党としてもより広い視野で物事を見て質問をして貰いたいものだと思っている。

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身 辺 雑 記
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23日の東京湾岸は晴。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち 寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎

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渡部 亮次郎
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