毛馬 一三
参院選挙の結果は、年金問題の逆風が与党大敗の原因につながった。閣僚の不規則発言や、閣僚不祥事もこれを後押しした格好だ。
参院大阪選挙区(改選数3)は、民主新人の梅村聡さん(32)が1277501票を獲得してトップ当選。公明前職の白浜一良さん(60)は組織力に支えられて4選。前回の選挙でトップ当選を果たした自民前職の谷川秀善さん(73)は、逆風をもろに受けて苦戦しながらも3選を決めた。
大阪選挙区の投票率は、平成16年の前回を上回る55.81%だった。この投票率のアップは、期日前投票と不在者投票が前回の47万6539人を上回り、66万6755人に達したことも投票率アップの引き金となったのも事実。この背景には、やはり「年金問題」に対する国民の怒りが投票行動を促した結果であろう。
トップ当選した梅村さんは「思い責任を感じ身が引き締まる思いです。この戦いがきっと政権交代の足がかりとなる」と喜びを語った。4選を果たした白浜さんは、「逆風を押し退けて勝利することが出来ました。責任の重大さを痛感している」と述べている。
谷川さんは、一転3位当選。「いかなる逆風が吹いても、大阪自民の議席を守ろうと頑張った。当選できたのは皆さんのお陰。感謝しています」とホッとした表情を覗かせていた。
大阪人の金銭感覚は、商人の街だけに他都市よりいたく敏感だ。長年掛けてきた「年金給付」を得るための証明に「払い込み領収書」をもってこいといわれたのでは、シビアーな浪速っ子が怒らない訳はない。その矛先が今回の選挙で与党批判につながり、大敗させる原因をつくった。
だが、参院の第一党になった民主党が、自民公明与党に代わる政党として躍進したと即断するのはいかがなものか。有権者の投票感覚は一過性の性格が強く、与党への反発が強い折には野党第2党に流れるのは、過去の選挙結果の歴史を見れば歴然としている。
日本を取り巻く情勢は。政治の空白をひと時も許す環境にない。日中関係、日朝関係等どれひとつ取っても逼迫している。年金問題・閣僚不祥事を槍玉に追及を構えながら党利党略に走って政局を混乱させるだけが、参院第1党になった政党の役目ではあるまい。世界からつけこまれるだけだ。
今回の参議院選挙について、関西経済連合会の下妻博会長は「安倍内閣は、国民の厳しい批判を謙虚に受け止め、政治的混乱を招かないよう与野党ともに全力でまい進してもらいたい」というコメントを発表した。
また、大阪商工会議所の野村明雄会頭は「年金や事務所経費の問題への政府・与党の対応に有権者の厳しい審判が下された。政府・与党は国民の思いを真摯に受け止め、信頼回復に努めなければならない。また野党は目先の党利党略で動くことなく、与党とともに安定した経済成長の実現などにつながる施策を着実に推進して欲しい」とコメントを発表している。
国民の願いは、選挙結果を党利党略に利用することなく、内外の情勢に目を見開きながら国民の利益を最優先に政治を行ってほしいと念じていることだ。続投を決めた安倍総理も民主党の小沢代表も、このことを肝に銘じて欲しい。(了)
07.07.30
2007年07月30日
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