2007年07月31日

◆安倍で大丈夫だろうか


渡部亮次郎

<京都府福知山市大江町の農業河合勇さん(76)は「年金問題が影響したと思う。憲法改正や農業など国の根幹にかかわる議論を期待する。中山間地域は後継者が育たず土地がどんどん荒れていく。まずは現状を知り、対応策を講じてほしい」と話した。

滋賀県大津市の主婦大塚永子さん(68)は「年金や医療・福祉政策への国民の意識が影響したと思う。主婦や高齢者は収入が少なく、その多くが医療費や介護費、生活を維持するための費用に消えてしまう。余裕と生きがいを持って生きられる社会にしてほしい」と願いを込めた>京都新聞 2007・07・30

<河北新報社(仙台市)が公示前に青森県内の農家を対象に行ったアンケートでは、回答者の3割が自民支持から別の政党または「支持政党なし」に移った。

青森県むつ市の自民関係者は「最近の農政への不満に加えて年金問題もあり、農家を昔のようにまとめきれない」と嘆いた>河北新報 2007・07・30

私の身辺にいる無党派層(71歳 女性)は「政権交代には繋がらないかもしれないが、今回だけは自民党に入れない」と断言していた。民主党は自民党と違って正しい事をやれる態勢に無いから今回支持しても無駄です、と言っても効かなかった。

こと程左様に、国民の大半が「自民党と公明党にお灸を据える」心算で投票しただけだったが、お灸は大炎上となり、自民公明は大火傷ということになった。予想通りであり、敗因を今更列挙しても始まらない。

<自民「安倍続投」を確認 内閣改造で責任論封印

自民党は30日午前、参院選惨敗を受けて党本部で役員会を開き、安倍晋三首相(党総裁)の続投を確認した。首相は8月下旬にも内閣改造、党役員人事を断行、人事権を盾に党内の首相責任論を「封印」したい考えだ。「政治とカネ」問題が惨敗に直結したことから、政治資金規正法再改正も視野に透明化策の与野党協議を呼び掛ける。

ただ民意の厳しい審判が下ったことで首相の求心力低下は免れない。党内では「謙虚に反省すれば軽々に続投とは言えないはずだ」(舛添要一参院政審会長)との責任論がくすぶっているほか、人事刷新を急ぐよう求める声も上がっている。

首相は役員会で「改革を続行する。選挙結果を真摯に受け止め何ができるかを考えながら今後も責任を果たしたい」と強調。>
2007/07/30 13:10 【共同通信】

「改革を続行する」とは言うのはそのとおりだろうがが、安倍態勢の欠点の最大のものを排除してからでなければならない。

今回、年金問題が最大の敗因となったというが、この問題の存在は安倍政権の遥か以前であり、それが選挙前になって急浮上し、あたかも安倍政権の失策のように位置づけられたのはなぜか。火消し係は厚生労働相ではなく、情報管理に当るべき官房長官の罪であり、落ち度であった。


こんな英語自慢しかできない男をここに据えたのは小泉然総理といわれている。日本の内閣を纏め、野党と対決して行く官房長官に英語は要らない。総理を守る不退転の決意と政界の隅々に気を配れる老練さが無くてはならない。それなのに英語自慢を推挙したとすれば小泉は無責任だ。

英語自慢は更に罪が重い。安倍を守ろうとしてなんかいない。早く自分が政権を担当したいだけだ。それでかどうか不明だが、首相補佐官が首相に単独面会する事を悉く妨害していると言われる。事実とすれば総理の手足をもぐことに女房役が専念していたわけで、これは犯罪だ。

安倍が考えていた幹事長は麻生太郎だった。そこに中川秀直を強引に押し込んだのは例によって蜃気楼元首相である。中川の事は親父(義父)の代から知っているが、新聞記者(日経)から代議士になるため、敢えて婿養子に入った男である。

当然のようにいろいろな女に手を出し、とうとうヤクザに尻尾を掴まれて大騒ぎになった。閣僚には入れられないからと幹事長という森。

この森は安倍の祖父岸信介のお陰で無所属ながら初陣で当選。その恩義があるからと孫の晋三を押し立てる風を装うが、ゴマスリとすけこましにしか能力の無い男を幹事長に押しこんだのは、晋三を助けるフリをして足を引っ張ったのだ。犯罪である。

内閣総理大臣首席秘書官(井上義行)も更迭しなくてはならない。元国鉄職員。整理されて政府が引き取り、どこかで安倍と出合って気に入られ首席秘書官に抜擢されたが、政治的能力はゼロというよりマイナスだ。

松岡勝利が自殺した時、後任に擬せられた赤城徳彦の身辺調査を任されたのが井上。問題点を発見できなかった。女の有無、借金の有無ぐらいは当然だが、肝腎の政治資金の収支報告を調べなかった。

総務省に手蔓が無かったためだ。キャリア不足の成せる業。身辺の官邸記者をえこひいきばかりするから応援団が出来ていない。

例の地方税の驚くべき増額。真実は国税の所得税を減らして、その分を地方税にしただけだが、その事を予め有権者にくだくだしいほどの説明をしないと大変な事になるのに元大蔵官僚上がりの官房副長官(的場順三)は何も指示しなかった。

だから選挙直前になって有権者の大半が年金問題とあわせて地方税の大増税、年寄りを困らすのは安倍内閣となってしまった。実に悪いタイミングの政局運営をするから「参議院選挙で負ける模範演技」みたいな無様な事になってしまったのだ。官房副長官(事務)も断固更迭だ。

田原総一朗が日経BPネットに記事を書いている。いいことも書くようだ。ひと口で言えば、「官僚・公務員(虎)の尾を踏んで逆襲される安倍政権」という内容だ。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070719_20th/index.html

「安倍政権の倒閣を企てた官僚たちの二重クーデター」と題する記事の最終章は以下の如し。

<安倍政権逆風の背景にあるもの。小泉前首相は公務員制度改革はよほど準備をして根回ししてやらないと難しいと言っていたが、安倍首相はそこが足りなかった。

甘く考えていたと言えるかもしれない。そのために官僚のクーデターに遭って苦しんでいる。

社会保険庁の解体・民営化も、新・人材バンクも、今度の選挙で安倍内閣が負けて安倍首相が退陣したらご破算になる可能性がある。だから、官僚たちは何としても安倍内閣を潰さなくてはならないとその機会を狙っている。

このように、社会保険庁解体と公務員制度改革は、自民党内外からの安倍政権への逆風となっているといえるだろう。だが、この安倍政権への逆風を仕掛けたのはとりも直さず官僚であり、自民党内の反安倍勢力である。そしてそれを煽っているのがマスメディアだ。

その壮絶な反撃に安倍政権が苦境に立たされているというのが今の状況なのだ。>

元大蔵省出身の官房副長官の言う事なんか内務官僚が聞くもんか。内務官僚とは厚生労働はじめ総務、国土交通、環境、国家公安の各省だ。安倍は官界を知ら無すぎる。

事情通は8月末か9月早々まで内閣改造、党人事を延ばすのは閣僚候補の身辺調査に、念をいれて1ヶ月近くかけるつもりだからという。しかし、これで果たして大丈夫だろうか。安倍続投でどこまで凌げるか、前途多難なのである。文中敬称略。2007・07・30
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