2007年08月19日

◆「熱中症」を舐めたらあかん

     中村 智彦

気象庁によると、19日から向こう一週間は、寒気を伴う気圧の谷が近づく影響で、雲が広がりやすく暑さもいくぶん和らぎそうだということだが、気温は依然30度を超え、残暑が続くらしい。

とは言え、18日は西日本・東海地方は、強い日ざしが照りつけ気温が上がり、岡山県高梁市で39度と観測史上の最高温度を記録。2日連続で40度を超えた岐阜県多治見市は17日より下がったものの、38度3分だった。

また京都市と豊中市で38度、大阪市では37度5分で、6日連続の「猛暑日」を記録、また奈良市で36度4分、和歌山市で35度8分などと、平年を4度から5度上回る猛烈な暑さだった。この猛暑で、18日広島県、滋賀県、和歌山県で3人が熱中症で死亡している。

心配なのは、この猛暑による「熱中症」の続発だ。「頂門の一針」の主宰者・渡部亮次郎氏も日課の1万歩散歩中、なんと熱中症にかかられたそうだ。氏曰く、「明らかな熱中症を体験。水を買って助かりました。御茶はだめ。あれは利尿剤だから逆効果。暑い!」。ご無事でよかった。

ところで、こんな中特に懸念されるのは、この超炎天下でスポーツの練習をする生徒らや、蒸し暑さの家の中で暑さに耐えている一人暮らしの高齢者の健康管理の問題だ。

東大阪市の府立布施工科高校3年でラグビー部員の17歳の男子生徒が、走りながらパスの練習中、熱中症で倒れ、病院で手当てを受けていたが、9日間意識も戻らず、17日未明17日死亡した。

当日午前10時からラグビー部員30人が学校のグラウンドで、5人の教員の指導の下で練習を始め、パスの練習は連続1時間もしていたという。

ところが、こんな熱中症による事故や症例が起きているというのに、教育委員会や教育現場では、こうした「熱中症」の予防対策に全く手を付けていないことに父兄らから明らかになってきた。

大阪市内の某中学校のサッカー部でも、「精神力と技術を鍛える」という部活顧問の当校教師1人の指導の下で、中学生サッカー部員40余人が夏休みが始まって以来ほぼ連日、この炎天下で、猛烈な部活動をしていると仄聞した。

問題なのは、練習中に給水と適度な休憩を取らせてはいるらしいが、校医が付き添うことも無く、熱中症に対する学校側の危機感は無いに等しいと父兄らが指摘していることだ。

この中学校では、18日も午前7時に1.2.3年生40余人の部員が学校に集合、隣接区の中学校へ脚力強化の名目を掲げて自転車で1時間は走らせている。午前9時半から午後3時まで(昼ご飯の30分を除き)、相手中学サッカー部と20〜25分ハーフで4試合。

試合に出ない部員はテントの中で応援、各自用意した水などを飲んで熱中症予防をしたというが、この日のグランド周辺の気温は、当日大阪市で記録した37度5分どころではなかった筈だ。

試合を終えると自転車で午後5時に帰校、3年生だけは運動場で再び練習、1.2年生は室内から練習を見学し、18時40分に帰宅が許されている。拘束時間約11時間40分に及ぶ信じられない過激な部活動だ。

ここで「熱中症」は幸いにも起きていない。しかし起きていないほうが不思議なくらいだ。蒸し返すような炎天下の運動場でほぼ毎日、6時間〜10時間も、走らせ、蹴り、守らせる指導訓練が、身体未発達の中学生への適切な「部活動」といえるか否か、誰が考えても明らかだと、父兄らは不信感を募らせる。

将来を担う中学生の健康管理とは何かに、一番敏感でなければならない教育現場が、この有様では先のラクビー高校生の事故の教訓は生かせそうにない。教育委員会が「熱中症」への緊急対応を打ち出せないで居るのは、案外こうした教育現場の無頓着ぶりによる情報不足が主因かも知れない。                                  07.08.19
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