2007年09月03日

◆大阪市長選 一転超波乱含みに

                       毛馬 一三

11月4日告示、同18日に投開票の大阪市長選挙は、当初現職と共産党推薦の一騎打ちとみられていたが、先の参院選挙で大勝した民主党がその余勢を駆って独自候補を立てる方針を固めたことから、様相が様変わりし出した。

ところが、ここに来て新たに市民グループなどが押す有力新人が4日にも出馬の意向を表明する動きが表面化し、市長選はかってない波乱含みの激戦となる見通しとなった。<読売新聞9月1日夕刊>。

大阪市長選挙は、2005年の出直し選挙で現職の關淳一市長(72)が再選され、悪しき因習を打破する市政改革を断行するマニフェストを実行するとして、労働組合との関係を絶縁する一方、同和行政の改革にも乗り出し、とりわけ累積赤字の市の第3セクターの売却に乗り出すなど、行財政健全化を目指してきたのは周知の事実。

ただ気になるのは、その改革に取り組む姿勢の全てが、「過去の清算」という後ろ向きの対応に終始しており、大阪の行政・経済の地盤沈下の回復にどのような将来ビジョンと具体策を持っているのか、それが今でもさっぱり見えてこない。これが市長批判に繋がる最大要因である。


この批判の根拠は、@行政事情にあまり精通してない『側近弁護士グループ」の助言や答申を重用する傾向が強いため、結果的に「過去の清算」ばかりに改革の力点が置かれるきらいがある

A同上の理由から、全庁の幹部職員をはじめ一般職員からの上申や提案が採用されることは皆無に近く、これが職員のモチベーションの劣化に連鎖してきている

B加えて過去の清算を加速させたいため、職場からの「告発」を推奨しているため、職員間の信頼感と協働意識が極度に失われ、肝腎の市民サービス低下にも繋がってきているーと指摘する市民、職員、市議が多い。

たしかに關市長は、過去の清算には時間を要し、3期目の座に座ってから将来の大阪浮揚策に手を付けたい腹ではないかと、市会与党の複数幹部は市長を一応擁護する。

しかしその幹部らですら、側近と仰ぐ弁護士グループの主張に「翻弄」されているとしか映らない市長のこれまでの姿勢には批判的であり、市会与党軽視の姿勢にも納得していない。

こうした市長批判が内外で高まる中、既に前共産党市議団長の姫野浄氏(71)は早い時期から立候補を表明。当初は前回同様、前述のようにこの2人による一騎打ちになるのではないかと、些かしらけムードに覆われていた。

しかし、先の参院選挙で大勝した民主党が、その余勢を駆って市長選に割って入り、候補者を送り込む方針を固めたことから、最近の市長選には見られない激戦の様相を覗かせだした。

ところが、市助役出身の現職市長や政党推薦の候補者ではなく、市民団体や企業関係者らが擁立する橋爪紳也氏(46)が4日にも立候補を表明するというのだ。これにより市長選は波乱含みとなり、まったく予想がつかなくなってきたと関係者はいう。

橋爪紳也氏は、<大阪市生まれ。京都大学工学部卒、建築史・都市文化論専攻。大阪市立大学都市研究プラザ・文学研究科教授。工学博士。1996年大阪市立大学文学部助教授 、2006年から大阪市立大学都市研究プラザ教授。

大阪市を中心に、 街づくりのあり方への提言を積極的に行っている。 まちづくりに関する著書も多く、月刊誌『大阪人』(大阪市都市工学情報センター発行)編集委員も勤める>。   出典: フリー百科事典「ウィキペディア」

橋爪氏は、専門のまちづくり都市文化論を主題に、市内の心斎橋商店街など企業集団との交流を活発に進めており、まちづくりを通じて市民団体との接触も多様だ。橋爪氏は、關市長や姫野氏に比べてはるかに若い。<「若い世代のリーダーが、(大阪の)閉塞を打ち破る必要がある」、と橋爪氏は強調している>。(読売新聞)

先の出直し選挙の一連の動向を本メルマガ『ネットメディアおおさか』で連載したメルマガ小説『激動中ノ島』の中で、關市長と市会与党自公との間に起きた、選挙協力に対する思惑違いやその修復に悩む党幹部の苦悩と労苦が浮かび上がった。関市長の本音は、政党に頼らず無党派を掲げて市長選に臨みたい腹の内を、党幹部はいちはやく察知していた。

再選のあと、曲折の末、自公両会派は与党となったが、このシコリは残り、今もしばしば再燃している。実はこのシコリが新人の橋爪氏を押す動きに結びついているのだ。

民主党の候補者の去就が決まらないと、選挙戦の展望はなにも言えるものではないが、仮に關市長が無党派市民票に期待をかけ、一方有力新人橋爪氏に自公両党が乗るということになれば、選挙情勢はますます五里霧中ということになる。

2ヵ月後に迫った大阪市長選。地盤沈下の進む大阪をどのようにして甦らせるのか。まちづくり専門の若い有力新人と現職の対決を軸に、このビジョンと実行力の評価をめぐり、かってない波乱の選挙戦になるのだけは確かだ。 07.09.02




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