2007年10月25日

◆公式謝罪以外の解決策

渡部亮次郎

韓国の盧政権は34年前に朴正煕政権時代に起きた金大中拉致事件を金大中事件を当時の韓国中央情報部(KCIA)の組織的関与を初めて認めて、どうする気だったのだろう。

毎日新聞ソウル堀山明子記者によれば韓国国家情報院の真相調査委員会が24日発表した金大中(キムデジュン)拉致事件の報告書は、確かに朴正煕(パクチョンヒ)政権が隠ぺいしてきた真相を暴いた。

問題はその先である。当時の韓国中央情報部(KCIA)の組織的関与だとなったからには日本に対する主権侵害なのだから日本に公式謝罪しなければ名分が立たないことになった。

しかし謝罪すれば世論の反発を受けて苦境に立たされかねない。12月の大統領選を控えて政治争点化することを避けなければならない。そのため、公式謝罪以外の実務的な早期解決を模索しているようだ。何があるのだろう。謝罪は不要と福田首相が言うわけにもいかず。

盧武鉉(ノムヒョン)政権は軍事政権の不正追及が看板事業とはいえパンドラの函を開けて始末に困っている偽手品師のようで噴飯を禁じえない。

金大中事件の報告書は国家情報院のホームページに掲載される形で発表されたという。KCIAの関与確認という重大な内容にもかかわらず、調査委が委託を受けた7事件の最終的な一括報告の一部分という地味な扱いにした。

他の6事件では記者会見を開いて真相究明の意義を強調したのとは対照的だ。6事件のうち1987年の大韓航空機爆破事件は北朝鮮のテロだったと再確認した。

金大中事件だけは記者会見を避けた理由について韓国政府当局筋は「公式謝罪の可能性も含めて調整するが、韓国国内で政治争点化しないよう目立たない形で進めたい」ともらした。

取り敢えず韓国の柳明桓駐日大使は同日午前、木村仁外務副大臣に報告書の内容を説明。副大臣は「公権力の行使」だとして遺憾の意を表明した。

今後、仮に謝罪となれば過去の保守政権の外交問題とはいえ「韓国の国家的責任」を全面的に認めることになるわけだから、韓国内世論の反発を最小限に抑えなければならなかった。

毎日新聞の堀山明子特派員によれば、報告書をめぐっては、政治決着で事件を隠ぺいした責任は日韓両政府にあるとして真相を明らかにすべきだと主張する調査委側。外交問題化を懸念して公表に慎重な外交当局との間で意見が分かれ、調整に1年以上かかった。

日本政府も表向きは(1)主権侵害の謝罪(2)関係者の聴取−−が必要だといった原則論を繰り返してきたが、水面下では日韓政治決着で解決済みの問題を蒸し返すことに難色を示してきた。

しかも当時の田中首相は当時の韓国政府の日本担当相から多額の現金を受け取って事件は「蓋」をする事で「処理」した経緯も明らかになっている。

堀山特派員は、調査委関係筋によると、報告書発表を巡る攻防は3回あった、としている。

<最初は、調査委が報告書をほぼ完成させた昨年夏ごろで、日韓外交当局と国家情報院が圧力をかけ、発表が見送られた。

2回目は調査委の任期(2年)切れ直前の昨年10月ごろで、安倍政権発足直後の訪韓計画が進められていたため断念。

今年3月ごろの3回目は、金大中氏本人が朴大統領の指示が不明確として不満を表明し、再検討を迫られた。

調査委の任期延長(1年)は法的に1度しか認められず、今回のみだ。しかし、現在は与野党ともに大統領選挙への政治的影響をけん制する動きが生まれており、「発表のタイミングを逃しているうちに、報告書の重みがなくなった」(調査委関係者)と自縄自縛の状況に陥っている。>毎日新聞 2007年10月24日 15時00分

いうなれば気が抜けて間が抜けてしまったようだ。昨年夏ごろトカ10月ごろなら大統領選挙1年前、野党の大統領候補者の1人だった朴氏の娘のイメージダウンを図るとか、様々な意味があったろう。
しかし、今となっては「藪蛇」以外の何物でもない。北朝鮮の助言が裏目に出たのではなかろうか。 2007・10・24
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