岩本宏紀(在仏)
巴里の近郊で手軽にゴルフができることをご存知ですか?
車で30分から1時間走れば、会員でなくてもプレーできるゴルフ場が20箇所以上あります。料金は土日でも6千円から8千円程度と、日本に較べると格段に安い。キャディーさんはいないので、自分でゴルフバッグを引っ張って歩きます。僕は肩に担いますが。
お気に入りはラレー。江戸時代初期に建てられた狩猟のための城を、ホテルとクラブハウスに改装し、まわりの森と草原をゴルフコースに改造をしたところです。ジャン・コクトーの映画、“美女と野獣”の撮影はここで行われました。
春には菜の花畑の黄色い絨毯がゴルフコースの周辺に広がり、秋、冬には枯葉が風に舞う。
ときには珍しい動物に出会うこともあります。
子猫くらいの大きさで猪のような動物が出てきたので、仲間が捕まえました。ゴルフ場の職員に見せると、この森に住む狐のこどもとのこと。彼が巣のそばまで連れて行きました。てっきり、ししなべにされるものと思っていた僕はほっとしましたが、それ以上に親狐がほっとしたことでしょう。
先日、夏坂健の“ゴルフを以って人を観ん”を読み、スコアを追い求めること以上にゴルフの楽しみがあることに気づきました。
ゴルフ場を歩ける健康な身体をもっていること、一緒にプレーしてくれる友達がいるという喜び、青空、流れる雲、飛び交う燕、夕日のなかにシルエットとなって浮かび上がったゴルファーの姿、斜光線でその曲線をあらわにした小さな丘。数えあがればきりがありません。
なかでもラレーで最高にいい気分になるのは、最後のホールです。正面はお城。両側は10メートルをゆうに越える並木道。
夕日に照らされたこの城にむかって最後のティーショットを打つときは、ほとんど感動に近い気分。それまでのスコアの良し悪しはもうどうでもいい。ここで放った一発は最高の当りとなります。
一緒にプレーした仲間も快心の一打。思わず出た言葉は、“これがあるからゴルフはやめられない”でした。(完)
2007年11月11日
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