毛馬 一三
民主小沢騒動で迷走していた大阪市長選挙は、18日の投票日が迫るにつれ、結局自公与党と民主野党が「勝敗は次期衆院選への影響を及ぼしかねない」との判断を固めた本格的な態勢を取ったことから、真っ向勝負の様相となってきた。
騒動の張本人民主小沢代表が、推薦する元アナウンサー新人候補を激励するため16日来阪。街頭演説には出なかったものの訪問した事務所で、候補者の前に「この選挙は、新しい市政をつくるだけではなく、来るべき衆院選に重要な選挙」だとゲキを飛ばした。また鳩山幹事長も来阪して街頭演説に立ち、中央地方での民主主導政治の確立を訴えた。
「市長選挙と政局とは別物」として、暗に小沢騒動による影響を最小限の抑えようとしていた民主新人陣営では、本部の強烈なテコ入れに押された恰好で運動姿勢を急遽転換、10万人を擁する強力団体の支援と、民主党、労組などの陣営内主力組織を固めるため、俄に与野党対決の構えを前面に打ち出してきた。
一方自公与党の現職陣営では、自民本部の副幹事長が常駐させて、陣営内の自民指揮態勢を固め、地元・応援代議士、府議・市議を投入すると共に候補者との連動布陣をきめ細かく決めるなど、終盤型の組織固めに懸命になってきた。
与党公明は、38万票の組織を漏れなく現職候補にまとめるため、党代表をはじめ、閣僚や党代表代行が来阪して、衆院選並みの応援態勢で臨んでいる。
関係者の話を総合すると、「民主候補が先んじていた趨勢も、終盤に来て両陣営はほぼ互角になった模様」との分析が出されていという。しかし問題は40%前後の「無党派層の去就」。政党が推薦する3候補が中々食い込めない同層には、候補者の中で1番若く、党利党略に左右されない元大学教授の新人候補への期待感が高いという。
同候補は、「後ろ向きの改革ばかりしている70歳の市長に任すわけにはいかない。シロウトのアナウンサーに大阪を託すわけにはいかない。大阪のために「いのち」を捧げる男でないと大阪市長が務まるはずがない」と都市再生を専門とする市民派をあからさまに訴え、政党推薦の選挙戦に背を向ける、特に40台以下を中心とした無党派層に食い込みを狙っている。
このため、政党が推薦する3陣営では、残された僅かの時間に無党派層への食い込みを運動の主力とする戦術を事実上手控え、むしろ足元の傘下有力組織と地元議員の基礎票固めで勝敗の決着を付けたい方針に集中してきた。
となるとやはり残された大詰めの最終盤は、告示以来大きな曲折はあったものの、当初予想された通りの与野党全面激突がふたたび復活することになってきたことになる。
だが、衆参両院の国政選挙とは違い、政令都市の市長選挙ともなれば、地元特有の行政改革や都市再生など地域に山積した重要テーマの対する公約の審判が置き去りになっていい筈はない。党利党略によって地方首長の選挙が決定されるということに地元有権者の反発が強いことも事実だ。
果たして、与野党対決一色に染まった大阪市長選挙が、市民にどのように判断を下されるのか。18日の選挙投開票の結果を見守りたい(了)
2007.11.16
◆日本一のメルマガ「渡部亮次郎氏の頂門の一針 第999号
平成19(2007)年11月17日(土)に掲載されました(netmo編集部)
<目次>
・毛馬さんの原稿差し替えにつき修正版を配信します。
・ 小沢的と小泉的:古澤 襄
・ 終盤の大阪市長選挙:毛馬一三
・ 鰻は冬が美味なのだ:渡部亮次郎
・憂国忌の案内:三島由紀夫研究会
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2007年11月17日
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