2008年01月06日
◆返上?「学力45位の屈辱」
増田 準一郎(ジャーナリスト)
全国学力テストで大阪の公立校の結果が、小中校いずれも全国平均を下回り、教科によっては「45番目」という屈辱を味わったことは、昨年10月のことだ。
このため大阪府教育委員会は、08年度から小中学生の応用力の到達度を測る統一テストを作成し、市町村教委に実施を求めることにしたという。
そんな「到達度」を調べるテストの実施で、全国的レベルに追いつく学力アップが期待できるのか。それは机上で事を運びたがるお役人特有のその場凌ぎの便法に過ぎない。府教委は、その「屈辱の原因」をとことん突き詰め、この対応策に行き着いたのか、首を傾げたくなる。
<大阪の学力低下の原因は、もっと根が深い。学校運営や生活習慣の改善などに取り組むことが先決と、大阪教育大の米川英樹教授(教育社会学)が指摘する。−07.12.28毎日新聞>。
まさにご指摘の通りだ。応用力の到達度を調べるテストで、「屈辱の原因」追放を実現出来る筈はない。学力低下の根本原因は他にある。
要は児童生徒の教育環境をとりまく学校運営や生活習慣の基本的な悪習を徹底的に解明、一からその改善に取り組まないかぎり、大阪が全国最下位から脱出することは絶対に有り得ない。
その代表的な原因のひとつが、「行き過ぎた部活」が、生徒の体力を消耗させ、自宅での学習へ取り組む気力さえ奪うことで、学力レベル低下へつながる原因となっていると本欄で取り上げられていた。
不幸にもこの指摘が、大阪の学力は「全国で45目の屈辱」を味合う原因となったことは否定できない。
勉強に当てる時間が、「部活」によって心身を極限まで疲労させらるのでは、日常の予習復習はおろか宿題すらできず、学力の向上をめざす塾通いさえ疎かになるのは当然だからだ。
こうした行き過ぎた部活を抑制する動きが、全国で出始めている。群馬県や栃木県などでは、「中学校の部活動等について申合せ事項」を、既に学校側と結んでいる。
<望ましい部活動は、顧問教師の指導の下で、生徒の能力・適性や発達段階等を踏まえたものであること。 通常日の練習は、2時間程度とすること。 休日の練習は半日程度とし、終日にならないこと。第1・3日曜日には、部活動(練習及び練習試合)を行わない>。
その上で、<勝利のみを主目的にし、練習時間の増大や過度な練習など行き過ぎた部活動の指導は、学習指導等の円滑な実施に支障をきたすことがあり、生徒の心身の疲労を誘い、学校学習への支障をきたすことがあるため自粛・配慮すること>と警告しているのである。
つまり、こうした「申し合わせ事項」が必要なほど、行き過ぎた部活が横行していることを、図らずも証明しているのが現実なのだ。
やはり教育委員会が、こうした教育現場の行き過ぎの実態を直視し、生徒たちに心身共に良好な学習修塾環境を与えることに腐心することこそ、全国学力レベルに一歩でも近づけさせることだと思うが、如何であろう。(了)
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