毛馬 一三
大阪知事選はいよいよ明日10日告示されるが、土壇場にきて急に候補者の支援をめぐり右や左に揺れ出したのが「関西経済界」だ。
過去の知事選で、「関西経済界」のお墨付きを貰った候補者が選挙に勝利してきただけに、関西財界が誰を推すかを決めかねるという事態は、33年振りに激突する3党各陣営にとり、大いに気懸かりなことといえる。
事の起こりは、大阪経済の大御所「関西経済連合会」の下妻博会長の7日の記者会見の発言が発端だった。同会長は、<熊谷貞俊氏(民主党推薦)のマニフェストが一番しつかりしている。弁護士でタレントの橋下徹氏(自民推薦・公明支持)については、マニフェストで掲げた公立小学校の芝生化は、市や町の担当の筈。奇異な感じがする>と疑問を呈した(毎日新聞)>。
そして同会長は、<これまでいってきたように中立で行いきたい>と、一応述べたというのだが、この発言をきっかけに、これに追随して、各副会長からも橋下氏に対する厳しい意見が飛び出したという。
<今度の知事選は、大阪府の財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策をだすのはいいが、収入源はどうするのか。橋下さんはもっと勉強する必要があるー(産経新聞)>もそのひとつだ。
そして締めくくりには、<どなたが知事になるにせよ、地に足の着いた活動を行って欲しい>と、恰も3候補ともドングリの背比べだと、バッサリ切り捨てるような発言も飛び出す始末。聞きようによっては、どの候補者にも期待できそうにないから、ただ傍観するのみと聞こえないこともない。
これに対して、お褒めの評価を受けた民主党は黙して特段の動きは見せなかったが、「大阪の将来像を託す知事選への不謹慎極まりない発言」と猛烈に反発したのが、自民党だった。
「未曾有の危機に直面する大阪の財政再建に取り組む以上、政府与党と二人三脚で臨むのが、関西財界の責任に筈」と関西経済連合会の正副会長に抗議をすると共に、「候補者の資性にまで疑問を投げ掛けるような世論誘導は慎むべきではないか」と、以来各方面から圧力をかけたという。
こうした中、揺れ出した財界を見かねたのか、これまで橋下氏擁立のフィクサー役を演じてきた作家堺屋太一氏が、ついに表舞台に現れたのである。関西経済界を中心にしたグループを結成、名付けて「橋下氏を知事にする勝手連」だ。
このままでは身動きが取れなくなる関西財界に揺さぶりを掛けるために、“黒子”役がその姿をかなぐり捨てて“主役”に踊り出ざるを得なかったのだろうと、関係者は明かす。
ところで、普段の知事選挙の場合、自民党と足並みを揃える「関西経済連合会」だが、この土壇場で自民に対して「反旗」を翻したのには、実は裏があると関係者が明かす。大田房江知事の今回の選挙不出馬に纏わる顛末について、財界側に対し仔細な説明がなかったことなどに対する不満が累積したためだという。
だとすれば、水面下で自民党側からその辺りの経過と誤解の説明がきちんと為されれば、この財界の動揺と振れは、程なく収束するのではないだろうか。
大阪知事選挙は、明日10日に告示、27日投開票が行われる。(了)08.01.09
2008年01月09日
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