2008年01月16日

◆大都市圏で遂にテイクオフ!

毛馬 一三

医師・看護師が搭乗し救急医療機器を装備した「ドクターヘリ」が、いよいよ16日から大阪で運行を開始する。全国都道府県では12番目だが、大都市圏でのテイクオフはこれが初めて。1年間に300余人を超す重篤患者の命を救えると見込まれるだけに、この挑戦には意義がある。

16日の本番運行に先立ち、15日午後2時過ぎから基地病院となる大阪大学医学部付属病院で、「ヘリ運行開始式」が行われ、関係者に同病院14階屋上90平方bの広場で「大阪ドクターヘリ」が初めて公開された。

冬場には珍しい西日を一杯受けて待機していたユーロコプター式EC135型のスマートな同機は、白色機体中央の両側にデザインされた青色の「DoctorHeLi」の文字を鮮やかに浮き立たせ、後部翼に描かれた「大阪府のマーク」を一段と輝かせていた。

大阪府の女性担当幹部が、「ドクターヘリ」に搭乗する医師、看護婦、操縦士らの機内搭乗状況などを説明したあと、運行管理室の職員の指示で飛行デモンストレーションが行われた。周辺の大阪万国博覧会会場上空を3分ほど飛行して帰還したが、飛行音も低く機体のぶれもすくなく、重篤患者の搬送にはスムーズな運行が出来そうに映った。

16日の運行開始の初日は、大阪府南河内で午前8時30分から行われる「府地震災害対策訓練」へ初出動した。そして17日から、いよいよ朝8時半から日没まで、年内無休で、府下18ヶ所の医療機関と連携しながら、重篤患者の本格的な搬送に当る。

因みにこの「大阪ドクターヘリ」は、全国で初めての大都市圏の運行だけに「府の運行要領」には、救急車を補完し、重篤患者の救命率向上のために多様な試みが盛り込まれている。

i)119番を受け付けた消防機関が、同機使用の必要性を判断し、基地病院のドクターヘリ運行管理室に出動要請、同運行管理室は医師・看護師を搭乗させた同機を5分以内に発進、20分以内で現場に急行させる。
i)現場で救急医療を行った医師の判断を運行管理室に通報し、離着陸可能で適切な救命救急医療が可能な搬送医療機関を決定する。
i)ドクターヘリ機長は、離着陸場所の接近した時点で、最終的な離着陸に関する安全を確認し、機長判断で着陸する。
i)大規模な地震、事件、事故等の災害が起きた場合は、この救急救命に専念し、通常の「ドクターヘリ」の運行は、その間一時停止する。

ところで、過去の実際のデータを検証した結果、この搬送出動によって、府下では1年間に300余症例の命を救うことが可能だとの見方を、専門家や警察等で構成する「府ドクターヘリ運行調整委員会」は出しており、これをもって救急救命に対する大阪府の画期的なチャレンジだと評価する関係者は多い。

序でながら、このドクターヘリの就航がこの大都市圏大阪で実現したことに陰ながら感激している人たちを筆者は、この際追記しておきたい。

まずNPO法人「救急ヘリ病院ネットワーク」の理事長の国松孝次氏(元警察庁長官)、府議会議員の光澤忍氏、それにまもなく任期が切れる大阪府知事の大田房江氏である。

05年の夏、元NHK記者の石岡荘十氏が、同期記者の筆者に国松孝次氏を会わせたいといってきたのがきっかけだった。筆者はこれには政治決断しかないと判断、余人をもって代えがたい光澤府議と同4者会談をする。その光澤府議が事務当局の反対を抑えて、太田知事にこのテークオフに政治決断させたものだった。

その時、国松氏が「ドクターヘリ1機の費用は年間2億円。全都道府県では年間100億円かかりますが、国民1人あたり80円です。これで助からなかった人
が助かるんですから安いものです」といわれたこと今でも思い出す。

国松氏から年賀状を、筆者は頂いた。これに尽きる感激はない。
<いよいよ大阪にも、ドクターヘリが飛ぶことになりますが、最初に井戸を掘った方々の貢献は、たとえ、それが表立ったものではなかったとしても、忘れられてはならないものと思います。私どもは、忘れません。国松孝次>。

大都市圏における「大阪ドクターヘリ」の運行開始は画期的なことに間違いない。だがこれから控える問題も大きい。このあと前記「井戸掘り人」の石岡氏の考えをご高覧願いたい。(了)   08.01.15


◆同上記事は、1月17日発信全国版メルマガ「頂門の一針」1060号に掲載されました。(ネットメディアおおさか編集部)


  <平成20(2008)年1月17日(木)「頂門の一針」1060号>
 ★目次

・大阪で遂にテイクオフ!:毛馬一三

・ドクターヘリの運用に課題:石岡荘十

・笑わない愛子さま:馬場伯明

・さすらうタバコ難民:平井修一

・私の英語勉強法(18):前田正晶

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