2008年01月24日

◆巴里だより“トゥルービルの日曜日”

                 岩本宏紀(在仏)

年末久しぶりに風邪をひいた。咳がなかなか止まらないので潮風に当りたくなった。

巴里のサンラザール駅から電車で二時間。英仏海峡に面する隣りあわせのふたつの町、トゥルービルとドービルにやってきた。

この程度の距離(200Km)なら、いつもはクルマで移動するのだが、12月に手に入れた本、“プロジェクトX, リーダーたちの言葉”が読みたかったので敢えて電車にした。

トゥルービルもドービルもリゾート地。カジノとホテルがあり、巴里から手軽にくることができる。長い砂浜には板の散歩道がつくってあり、とても歩きやすい。

老紳士に連れられた豚犬に出合った。顔と毛並みが豚に似ているので、家族が勝手にそう名づけた。なぜか右前脚と右後ろ脚を同時に出す愛嬌者だ。十代の恋人たち、ベビーカーを押す若夫婦、60代半ばの4、5人のグループ・・・・。フランスはジョギングをするひとは少ないが、散歩するひとが多い。

確か16年くらい前、50フラン札(当時1000円くらいの価値だった)が、“星の王子さま”のデザインに変わったとき、ある経験をしたことを思い出す。巴里の南、300KmのサーキットにF1を観に行ったときのことだ。

売店でもらったお釣りに、ふるい50フラン札が混ざっていた。
“もうこれは使えないから、新札にかえてくださいよ”と言うと
“新しいお札は見たことがないですね”との返事。この頃巴里ではすでに、お店が旧札を受け取るのをいやがっていた。

“巴里はフランスではない。巴里は巴里という名のひとつの国である”という言葉をきいたことがある。気質だけではなく、経済的にもそうなのかと実感したものだ。

マルシェ(朝市)で買ったクロワッサンを食べながら砂浜を散歩。歩き疲れてホテル・ノルマンディのバーでセイロン茶を飲みながら、これを書いている。我ながら贅沢な日曜日だなあと思う。(完)


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。