2008年01月29日

◆顔色で見通す政局

渡部亮次郎


<安倍前首相:「戦う政治家として再び全力を尽くす」 

安倍晋三前首相が26日、地元・下関市の豊浦町と長門市で新春の集いを
開いた。前首相は多くの後援会員を前に「再び戦う政治家として、この
地選出の政治家として新たな思いで全力を尽くす」とあいさつした。

豊浦町の川棚グランドホテルお多福では、山口選出の林芳正、岸信夫両
参院議員のほか、後援会員約600人が出席した。

前首相は開会中の通常国会に触れ「国民生活を守るという観点から与野
党が協力することも必要」と主張。

また、祖父の岸信介元首相の故事を引き「(戦犯として収容されていた)
60年前、刑務所を釈放されて政治活動を再開したのがネズミ年だった。
今年は同じえと。私も政治家として新たな歩みを始める」と述べた。>1
月27日16時0分配信 毎日新聞〔下関版〕


ところで以下はは一昨年秋に掲載したものの再掲だが安陪さんについて
『頂門の一針』は総理就任前から政治家の顔色を見て健康不安を指摘、
短期政権を予測していた。

政局を見通す記者が以前は居たからである。しかし今の政治記者は顔色
を見ても判断できないから,見ることさえしない、と言う話。

昔、NHK政治部で一緒だった大谷英彦さんが、安倍晋三さんの顔色の悪さ
を指摘して「安倍政権、発足後、意外な展開になるかも知れない」と言
ってきたので、なるほど鋭い読みだと敬服した。

<問題は、安倍晋三の顔のくすみです。(2006年9月17日の)フジとテレ朝
は3人がスタジオに同席していましたから、多分事前のVTR収録でしょ
う。想像ですが、収録も昼間だったと思います。

NHKは安倍だけ外からの中継参加でした。朝9時からのナマ番組です
から、多分、安倍さんは早起きしたのでしょう。

途中、3人を顔のドアップがありました。安倍さんの目の下の皮膚の色
は他の2人と格段に違っていました。テレビは残酷です。

先にテポドン発射の朝、官邸に駆けつけた安倍官房長官は目の下に隈が
できていた、と週刊誌が健康不安を書いていましたが、それを目の当た
りにした思いです。

安倍政権発足後、この爆弾がどうなるか。意外な政局の焦点になりそう
です。>(これが見事に的中した!)

今の政治記者は、政治家をわっと取り囲み、発言を一言も聞き逃すまい
と懸命だが、顔色を読み取ろうとしている記者をTVで見たことがない。
TV記者は映像と声を採取すれば終わりと、散ってゆくが、新聞や通信の
記者もそれ以上はやらない。

昔はTVが無かったから、我々も政治家に群がったけれども、決して其処
で真相は吐露されているとは考えられないから、どこかで単独取材の機
会を狙って再度、取材を心がけたものだ。


ところが今は群がるだけのTV記者に惑わされるように、新聞、通信の記
者も群がって終わりだ。さすがに夜回り、朝駆けはするが、聞くところ
によると、単独会見を試みる記者は少ないそうだ。

少ないどころか、夜回りでのオフレコ懇談後、記者同士で政治家の発言
内容を確認しあうという、驚くべき事実を聞いた。TVも新聞も記事が同
じなのは、このせいなのだ。

福田康夫さんにまとわりついて、挙句の果てはアメリカまでついていっ
て冷たくされながら、ひょっとして福田さんは総裁選に立候補しないの
ではないか、と書いた記者はどこにも居なかった。

わっと群がってメモを録るのに忙しく、肝腎の顔色を読む記者が1人も居
なかった証拠だ。顔色を読み、胸中を察すれば、立候補見送りのサイン
はとっくに出ていたはずだ。ここ1年、面会していない私ですら分ったの
に、残念なことである。

NHKでは海軍兵学校上がりの島 桂次さん(後に会長)からよく聞かされ
た。

1 政治家は嘘をつく。特に記者会見で真実を語る政治家は見込みがな
い。不特定多数の居るところで本心を吐露するのは馬鹿だ。したがって
記者会見は嘘吐き大会みたいなもの。あくまでも単独会見をめざせ。

2.人間は嘘をつくときは緊張する。その後は小便をしたくなる。だか
ら記者会見の後に並んで小便をしながら、同じ質問をしてみろ。「実は
なぁ」という答えが必ず還ってくる。

実にその通りだった。当時、政治記者1年生の癖に自民党内実力No.1の河
野一郎を担当させられていた。怖い印象だった。しかし、ある日曜の午
後、選挙区の神奈川県平塚の演説会場に行って見た。

すると向こうが私を見つけ、自宅へ招いて、奥様と3人で夕食をともにす
ることになった。「やぁ、よく来た。政治記者はこれでなくちゃいけな
いんだよ」。ご本人も元朝日新聞政治記者だ。

何をご馳走になったか、思い出せない。緊張していたのだろう。しかし、
翌朝から、東京の私邸では、玄関で私を手招きして車に同乗させてくれ
た。

当時の総理大臣は「所得倍増論」の池田勇人さん。酷い嗄れ声の人だっ
たが、東京オリンピックを前に喉頭癌と分り閉会式と共に退陣を表明し
た。後継を佐藤栄作、藤山愛一郎、河野の3人で争った。

ある夜、恵比寿丘の私邸での夜回りを終えて車で坂を下り始めたら、河
野さんを支援している右翼の頭目が車で坂を登って来た。さては我々の
帰るのを待って来訪したのだと読んだ。

勘は命中。河野さんを支援している筈の彼がライバルの佐藤支援に回り、
河野さんに立候補断念を説得に来たのだった。この人はそれから10年以
上経ってロッキード事件で逮捕されたが、このとき既に田中角栄氏と組
んでいたのである。

あの時代でも、同僚の中には、政治家を電話口に呼び出して、コトを済
ます記者が居た。要領の良さを誇っていたが、島さんは「それじゃ、顔
色が分らないじゃないか」と怒っていた。

嘘をつく政治家が電話で舌を出しながら、政治記者を騙している、オレ
の手下にそんなお粗末な記者が居るとは情けないとの思いだったろう。

大谷さんはそうした政治の玄人好みの人だ。カラーTVで政治家の顔色を
知り、其処から安倍政権の、ひょっとしたら短命を読み取る。久しぶり
に「本当の記者」を見た。

蛇足ながら、安倍さんは腸が短いという欠点から、栄養の摂取に余裕が
ない。したがってスタミナが平均よりない、らしい。以前、長期間入院
し、「絶望視」されたことがある。

もし、腸が短いことが顔色になったのだとしても、腸を長くする事は誰
もできないのじゃないか。参院選挙で勝っても、短い腸に負ける心配は、
本人が一番していることだろう。2006・09・18 再掲08・01・28


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