岩本宏紀(在仏)
毎年ぼくも花粉症になる。目と鼻はほとんど問題ないが、咳が一月半くらい続く。
先日健康診断があった。
「最近、病気にかかったことはありませんか」と尋ねられたので
「 花粉症です。」と答えた。するとこのフランス人医師曰く、
「統計によると花粉症のひとは、そうでないひとに較べて癌にかかる率が低いそうです。
アレルギーは一種の防衛作用なので、癌をやっつけてくれのでしょうね」とのこと。それを聞いて気が楽になった。
涙にしろはなにしろ、身体の外に出るものは、おそらく体内にたまった悪いものを捨て、
身体をきれいにする働きがあるのだろうとぼくは思っている。だから我慢できる程度なら薬でとめることはしない、というのがぼくの方針だ。咳をするたび、はなをかむたびに身体が浄化されていると思えば、多少は苦痛がやわらぐ。
花粉症と並ぶこの時期の名物は、菜の花畑だ。巴里から30キロメートルも離れると、あちらこちらに黄色いじゅうたんが広がっている。その雄大さ、その色鮮やかさには圧倒される。
毎春三脚を立てて撮影していたオランダのチューリップ畑は、完全にまっ平らで、色は主に赤。
フランスの菜の花畑は、「 北の国から」の富良野のようにゆるやなか起伏があり、黄色一色だ。いずれ劣らぬ4月の景色。花粉症はつらいが、自然はこんなにすばらしいものを見せてくれる。うまく釣り合いがとれているなぁと、つくづく思う。
2008年02月08日
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