2008年03月07日

◆展望なき小沢戦略

渡部亮次郎

前から言っているように、少なくとも戦後政治史上、国会で審議を拒否した野党が、次の場面で政権を取った例は皆無である。

<審議拒否継続、民主党内から異論も

民主党の簗瀬参院国会対策委員長は、鴻池予算委員長が5日も職権で委員会を開会しようとしたことを批判し、与党側の謝罪がなければ審議拒否を続ける考えを示しましたが、党内からは、異論も出始めています。

3月5日に行われた民主、共産、社民の野党3党の参院国対委員長会談で、共産党の井上国対委員長は、民主党に対し「参議院では民主党が過半数を持っているのだから、早期の審議入りに対する努力をするべきではないか」と注文をつけました。

午前に開かれた民主党の参議院議員総会でも、出席者から「審議拒否を続けるのは世論に支持されない」「議論の場で政府・与党を追及するのが筋ではないか」といった意見が出されるなど、審議拒否を続ける民主党執行部の方針に、党内から異論も出始めています>TBSニュース(05日15:30)

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に披露された野党の審議拒否批判。以下の通り。

<近年では審議拒否は反対論が多くなってきている。昔は審議拒否をすることで、メディアから注目され重要議題という世間の注目が集まる効果もあった。

だが、近年では重要議題は審議拒否如何に拘わらずメディアで注目されていることから、審議拒否の意味が低下している。「怠け得」という批判も多い。

国会を1日開くのに2億円かかるといわれてるため1週間も拒否をし続けると10億を超える税金の損害を発生させるため、近年では与党よりも野党に矛先が向くことがある>。

政治の素人が大分部分の有権者にとって、審議拒否は職務怠慢という理屈が最も分かりやすいから、民主党の審議拒否継続に合わせて民主党に対する批判は日増しに高まる。これは自明の理だ。

<自民、公明の与党側は「焦りを強めている」といった報道もあるが、なに、焦ってなんかいない。民主党の「自滅」を待っているだけだ。

むしろ困っているのは民主党の方だろう。「起きる」ための仕掛けを今や自ら考えなくてはならないからだ。

与党側に「強行」採決を謝罪させ、道路特定財源問題で集中審議を約束させる、といったあたりで起きてくるのではないか。謝ってすむことなら、与党側はなんだってやる。謝罪文のひとつやふたつ、わけのないことだ。

まあ、この1週間がせいぜいだろう。いずれ、世論は野党側にきつく出てくる。いつまでも審議拒否を続けられるはずがない。>

これは「頂門の一針」(2008・3・6)に載った元産経新聞政治部長花岡信明氏の指摘。確か花岡氏は小沢氏とも親しいはずだが、残念ながら小沢氏の戦術に批判的といわざるを得ない。

それにしても小沢氏。野党に下っても、政権ぐらい、すぐ手中に出来ると踏んでの自民党脱党だったのだろうか。或いは竹下派内の野中広務氏らとの確執が堪えられないぐらい深刻だったのだろうか。

政策においても、国会対策においても、自民党のそれは1955年の発足以来、日に日に磨きを掛けてほぼ完成されたものだった。それを一夕にして弊履の如く棄てさせるほど新党結成の魅力があったとでも言うのだろうか。

しかも国会での無様振りには国会議員同士でさえ、飽き飽きしているようで、現在の政局から小沢的なもの、旧社会党的なもの、何よりも創価学会公明党的なものを徹底的に排除した超党派勢力結集の機運がこれで益々高まっている。

そうとあっては、一体小沢氏の戦略は何だったかと問われるだろう。
日米安保体制を身体を張って守ろうとした故小沢佐重喜氏。その遺志を継いで日本社会党と戦うために政治家になったはずの一郎氏が最近は日本社会党そっくりになったので、岩手在勤4年の経歴を持つわたしはがっかりしている。 2008・03・06
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