2008年04月04日

◆脱北者が狙う日本人学校

                  渡部亮次郎

世界各国にある日本人学校は、治安、政情が諸外国に比べ安定している
日本国内の学校に比べて危機管理レベルは高く、多くの日本人学校の校
門は自動ロックで常に施錠され、高い塀や有刺鉄線で囲まれ、警備員が
24時間または授業時間中に常駐している。

学生証、保護者証、来校者証を発行し、IDチップ認識システムを導入し
ている学校もある。

ほとんどの日本人学校においては、登下校時の安全
を確保するためにスクールバスや保護者の送迎による登下校のみを許可
している。

また、政治情勢が不安定な国では現地の日本大使館や現地警察との協力
体制を構築している他、日本国内に緊急連絡室を持つ学校もある。

それでもまだ多くの日本人学校では災害、テロ、反日デモ、感染症に対
する緊急時対策は不十分だといわれている。

使えるマニュアルの作成、備品購入と貯蔵、また災害だけでなく爆弾テ
ロ、暴動、クーデター、ゲリラ乱入、不審者侵入、スクールバスへの投
石などを想定した効果的な対策や避難訓練の充実が必要とされる。

文部科学省は所管の海外子女教育振興財団などを通して日本人学校を始
めとする在外教育施設の安全対策の費用を一部負担している。

防護フェンス、外壁嵩上げ 、有刺鉄線、門の補強、自動開閉ゲート、イ
ンターホン、非常口、遮断機 、防犯カメラ、感知式ライト 、緊急サイ
レン、携帯無線機、携帯誘導灯、校内放送設備。

防煙マスク、校舎の防弾ガラス 通学バスの防爆シート・飛散防止フィル
ム・銃弾貫通防止フィルム 、緊急避難用はしご、緊急時用水のための地
下水ポンプといった物品の設置・購入を援助費で補っている。

中国にある日本人学校が頭を悩ませているのは、難民認定と亡命を求め
る北朝鮮からの脱出者の駆け込み事件である。北京日本人学校は大使館
と異なり治外法権を持っていないにもかかわらず、2003年から2005年の
間に計5回、合計56人の脱北者が侵入した。

関心が北京に行っている間に、大連の日本人学校でも同様の駆け込みが
計画されたが未遂に終わっている。

北京日本人学校はまず在北京日本大使館に連絡を取り、脱北者は大使館
に引き取られて、その大部分が韓国への亡命を果たしている。中国は脱
北者を「不法入国者」として北朝鮮に返す協定を北朝鮮政府と結んでい
るため、この様な日本人学校の対応に非常に不満を持っている。

2003年に日本人学校が増設許可を申請したところ、その見返りに外交関
連施設として優遇措置を受けていた立場から、中国政府が直接介入でき
る一般校へ1年以内に登記変更するように要求されたり、「校長が脱北者
の身柄を日本大使館でなく現地の警察に即時に引き渡さなければ、警察
は日本人学校の安全を保証できない」と脅迫に近い通告をしている。

日本国内の世論は、「危険を冒して逃げてきた者なのだから門前払いを
せず校内で匿うべきだ」という意見と、「大使館ならまだしも治外法権
のない日本人学校に駆け込む者は法律に従って中国側に引き渡すべき」
だという意見に分かれる。

実際に日本人学校に通う子ども、その保護者、また子ども達を預かる側
の日本人学校にとっては、切羽詰った脱北者や中国の公安当局が校内で
武力行使することも考えられ、何事も安全を第一に行動しなければなら
ない。

学校はセキュリティーを強化し、警備員を増員し、脱北者侵入を想定し
た避難訓練も行い、不審者侵入に非常に神経をすり減らしている。

実際に判断をし責任を取るべきである日本国の特命全権大使ではなく、
その様な責任を与えられているわけではない一学校の校長に、日中関係
を左右するような判断と責任がつきつけられているのは理不尽であると
いう意見が多い。2008・03・02
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



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