渡部亮次郎(メルマガ「頂門の一針」・主宰)
福田首相は辞めないのか、という声が次第に高まる中で小泉元首相や古賀選対委員長が解散、総選挙近しを感じさせる「挨拶」を放った。
<小泉元首相 「大事ななんとかの風」 解散総選挙近し?
小泉純一郎元首相は7日夜、横浜市内のホテルで開かれた自民党神奈川県連のパーティーであいさつし、「そろそろ大事ななんとかという風が吹き出した気がする。
前回の衆院選のときの圧勝というのはそうあるものではない。よほど気を引き締めなければならない」と述べ、衆院の解散総選挙の時期が近づいているとの認識を示した。
その上で、小泉氏は「ねじれ国会というが、大きな時代の変化が到来した。首相のときに『大胆かつ柔軟に』という言葉をよく使ったが、今これが大事だ。強い者が生き残るとはかぎらない。政治家も政党も変化に対応できる者が生き残っていく」と強調した。
一方、古賀誠選対委員長も同じパーティーで「年内の解散はないと言い続けてきたが、私も年内の選挙はないとは言わずに、もう危ないぞと言わせていただかなければならない。全力で逆風のなかで立ち向かっていきたい」と述べた。>産経新聞 2008.4.7 20:30
衆院の解散権を持つのは福田康夫首相だから、端で騒ぎ立ててもどうにもならないように見えるが、首相の支持率が「危険水域」の30%を大きく割った直後、両氏の発言の真意をめぐって党内はざわついている。
特に福田政権樹立に最大の力を尽くした野中廣務氏に近い古賀氏が、選対委員長としての立場でありながら突如、解散を口にしたことの意味は大きい。これで野中氏が福田離れを始めたと受け取った向きもある。
また小泉氏の福田支持は元々消極的なものだったから、解散風を煽る発言は福田支持終了を宣言したと受け止める向きも多いことだろう。
肝腎の福田首相は洞爺湖サミットで念願の「議長」を務めることで政局の主導権を固め、場合に依っては内閣改造を匂わせて難局を乗り切ろうとしている。
こうした動きに対して野党民主党は小澤一郎代表がサミット前の解散を狙っている事を先に明らかにしている。伝えられるところでは衆院本会議への欠席が続くなど健康状態の悪化は否定できない状態らしいし、党内の掌握にも難点があるようだ。
そうした中、日銀人事について財務省出身の渡辺博史・一橋大教授を副総裁とする政府案を小澤氏は認めない、鳩山幹事長は認める、と完全に意見対立が表面化するなど党内に亀裂が走ったかに見えたが、小澤主張が通ったようだ。
<日銀人事、民主が渡辺副総裁案に不同意
民主党は8日夜の役員会で、政府が国会に提示した日銀人事案のうち、副総裁候補である財務省の前財務官、渡辺博史・一橋大教授(58)について、不同意とすることを決めた。> 4月8日20時34分配信 読売新聞
これで福田首相の日銀人事案は3度否定されたわけで益々沽券にかかわる事態となった。世論の支持率はさらに低下する事、必至である。そこへ仕掛ける自民党実力者からの解散風は、めぐりめぐって首相の足を引っ張る事は確実である。つまり小泉、古賀(野中廣務)の福田離れを証明したようなものだ。
新聞もTVも慎重だからこのところの政界の動きを何も報じない。しかし見えないところで解散風と共にポスト福田の動きが激しく渦巻いている事は確実である。文中敬称略。2008・04.08
2008年04月10日
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