2018年04月13日

◆トランプ一触即発の状態でけん制

杉浦 正章


シリア攻撃の準備完了 米露対立危機的状況 

この国はの国会は一体どうなっているのか。シリアが一触即発で、場合に
よっては米露の大規模軍事衝突に発展しかねないというのに、野党はカケ
だのモリだの朝日新聞と民放受けする問題ににうつつをぬかし、世界情勢
などどこ吹く風だ。

何という世界観の欠如だろうか。戦争はいったん勃発すれば、連鎖を巻き
起こし、北朝鮮情勢の緊迫化につながりうる事態も想定される。米国はト
ランプの強硬路線に傾斜して、シリア攻撃の準備をほぼ完了させた。あと
は命令を待つばかりの状況に至っている。シリアをめぐる米露の対立は抜
き差しならぬ事態となりつつある。

トランプはまず「口撃」から物事を始めるから、分かりやすい。シリアの
アサド政権を「自らの国民の殺害を楽しむかのように毒ガスをまく獣(け
だもの)」と決めつけ、一方でこれを支援するロシアに対して「ロシアは
シリアに向けられたいかなるミサイルも打ち落とすと宣言している。プー
チンは準備に入るがいい。米国のミサイルが来るぞ、新しくスマートなミ
サイルだ」とどう喝した。

トランプの行動はまず同盟国固めから始まった。イギリスの首相テリー
ザ・メイとフランス大統領エマニュエル・マクロンと電話会談して、アサ
ドに断固とした対応で臨むことを確認した。

マクロンはテレビで「アサド政権が化学兵器を使った証拠を握っている」
と延べ、制裁を示唆。メイは英軍をシリア攻撃に参加させる方針を固めた
模様だ。米欧有志連合による攻撃態勢を整えたのだ。

しかし、ドイツは別だ。首相メルケルは12日の記者会見で、対シリア軍事
行動について「ドイツは参加しない」と明言した。

対シリア攻撃のシナリオは、東地中海に展開した米艦船や爆撃機によって
多数の巡航ミサイルを発射して、軍事施設を破壊する。

昨年4月には59発がシリアの空軍基地の目標を破壊している。今回はこれ
を上回る規模となる可能性が大きいようだ。これにロシアがどう対応する
かだが、トランプの予告発言はシリアの基地にいるロシア軍兵士に避難を
呼びかける性格もある。

最悪の場合はロシアが反撃して、衝突が拡大し米露直接戦争に発展するこ
とだ。ロシアはシリアの基地にミサイル迎撃システム「S400」を配備して
いるものとみられ、反撃を受ければ米軍は無傷ではあり得ない。

米露が直説砲火を交える事態になれば、史上初めてであり、事態は1962年
のキューバ危機に勝るとも劣らない危機的状況である。

 この米国によるシリア攻撃は北朝鮮をも強く意識した地球規模の戦略で
あることは言うまでもない。シリア攻撃を目の当たりにした場合金正恩
が、どう反応するかをトランプは片目でにらんでいる。

おそらく「震え上がる」だろうとみている。トランプの狙いはシリア攻撃
によって、北朝鮮に力を見せつけ、核兵器放棄に向かわせたいのだろう。

一方でロシアは北朝鮮にも同型ミサイル迎撃システムを配備しており、北
はシリア軍の反撃能力を固唾をのんで見守るに違いない。米軍に対する迎
撃の「予行演習」の意味合いを持つからだ。

金正恩はシリアの紛争が拡大して、米軍が極東で作戦を展開することが困
難になることを期待しているに違いない。戦術上2正面作戦は最も愚かな
作戦と言われているが、米国が中東に専念すれば北に核・ミサイル開発の
余裕を与えることになる。シリアへの対応は米国の北との交渉に影響を及
ぼさざるを得ないのだ。

 こうした中で注視すべきはトランプ政権の中でブレーキ役が登場し始め
たことだ。これまではかつてイラク戦争を推進した大統領補佐官ジョン・
ボルトンのように「平和がほしければ戦争の準備をすべきだ」といった
“力の信奉者”が目立った。

これに対して、国防長官ジェームズ・マティスは「私の責任は必要ならば
軍事オプションを用意することだ。しかし米国は外交主導で努力する。外
交的手段によって外交的結果を得る」と慎重論だ。前国務長官ティラーソ
ンも「外交的解決はあきらめない」と述べている。

 しかしこうした慎重論もトランプ一流の“口撃”にかき消されがちだ。ト
ランプは11日「ロシア高官はシリアにミサイルが飛来しても迎撃すると
発言したが、そのミサイルが飛来するのだからロシアは準備せよ」と“最
後通牒”的な発言を繰り返している。これ以上言葉がないほど脅しまくっ
ているのだ。ロシア外務省報道官のザハロワは「ミサイルはテロリストに
向けられるべきで、国際テロリズムと戦っている合法的政権に向けられる
べきではない」と批判しているが、トランプ節にかき消されがちだ。
    

2018年04月05日

◆「米中貿易戦争」深刻化の様相

杉浦 正章


北の対日大接近もありうる 極東情勢一段と流動化

民放などで極東情勢からの「日本置き去り論」が目立つが、相変わらず浅
薄だ。トランプが韓国の特使の進言を受けて米朝会談に乗り気になった結
果がその理由のようだが、極東安保が日本抜きに語られることはあり得ない。

17日からの日米首脳会談で安倍が極東安保の実情を説明すればトランプに
は分かる事だ。それよりも極東における「米中貿易戦争」の様相がここに
きて一段と濃厚になってきたことを注視する必要がある。

かねてから首相安倍晋三は北朝鮮への対応について、「過去の教訓を踏ま
えると、対話のための対話では意味がない。北朝鮮に完全、検証可能かつ
不可逆的な方法で、核・ミサイルの廃棄にコミットさせ、それに向けた具
体的な行動を取らせるため最大限の圧力を維持していかなければならな
い」と述べている。

極東情勢をどこまで深く認識しているか疑わしいトランプも、この安倍理
論には同調するだろう。安倍は日本としては譲れないコアの部分をトラン
プに吹き込んでおく必要がある。なぜならトランプは金正恩が核弾頭搭載
のICBMを放棄するだけで「米国に届く核兵器はない」と納得する可能性が
あるからだ。

これは、日本にとっては最悪のシナリオである。なぜなら日本の米軍基地
や東京など大都会を狙う中距離核ミサイルがそのまま放置されれば、日本
は常時北のどう喝受け続けることになるからだ。

これは紛れもなく日本に核武装論を台頭させる要因である。日本が核武装
をすれば極東安全保障のバランスを一気に崩壊させ、情勢は今まで以上に
緊迫と流動性を帯びる。

その懸念は世界の常識になりつつあり韓国の中央日報紙などは社説で「日
本再武装論が台頭している」「中国が北を放置すれば重武装の日本が登場
し、中国が代償を払うことになる」と核武装の可能性を強調している。

米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、既に北朝鮮が発射した中
距離弾道ミサイル「火星12」が北海道上空を通過した後の社説で「日本の
核武装に道開く北朝鮮の核容認」との題して「この中距離ミサイル発射実
験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そ
して、日本に自前の核抑止力を持つことを改めて促すものだ」と分析して
いる。

要するに日本抜きの極東安保は成り立たないということなのである。米朝
や米中だけで極東安保を語るべきではないのだ。加えて北の核施設やミサ
イル発射の動きは低調にはなっているが、北が完全に核やミサイル放棄に
方針転換したとみるのは言うまでもなく早計である。

1980年代から北は核・ミサイルへの実験を繰り返してきており、完成がす
ぐそこにあるのに、放棄するわけがないのである。金正恩のレゾンデート
ルは核とミサイルしかないのであって、手放せばただの太った政治家にな
るだけだ。

今後、外交日程は極東情勢を軸に硬軟両様の展開を見せる。4月17日から
2日間はフロリダで日米首脳会談。同月27日に南北首脳会談。5月前半
に日中首脳会談、同月末までに米朝首脳会談という段取りだ。

日本の出番はありすぎるほどあるのだ。一連の会談を通じて安倍が果たす
役割は大きい。日米首脳会談ではその後の一連の首脳会談対策が話し合わ
れる。対北、対中戦略で重要な骨組みが打ち立てられるだろう。

その内容はおそらく@トランプはいかなる情勢下においても北朝鮮の核保
有を認めないA核・ミサイルで北の具体的行動がない限り制裁は維持するB
米国は最悪の場合の軍事オプションの可能性を維持するーなどとなるだろう。

こうした日米の動きに対して中国は極めて警戒を強めるだろう。中国の核
問題に対する主張はあくまで「朝鮮半島の非核化」である。単に北だけの
非核化ではなく、米軍も含めた非核化なのである。

中国の戦略にとって北は常に緩衝材なのであり、米軍と国境を接して対峙
することは望まないのだ。北と中国は朝鮮戦争を一緒に戦った血の盟約が
依然として根底に存在するのであり、地政学上も切っても切れない関係に
ある。

中国は朝鮮半島問題が米国主導で進む事には反対しなければならないと思
い込んでいるのだ。中国にとっては朝鮮半島が「不戦不乱」である状態が
一番居心地が良いのであって、北の政権を消滅させるような策動にはまず
乗らない。

また、米国の輸入制限に対して、中国が報復関税を発動したように、「米
中貿易戦争」の色彩が一段と濃くなった。中国は米国が鉄鋼、アルミニウ
ムに高関税を3月23日にかけたことへの対抗措置を2日発表した。ワイン
など120項目に15%、豚肉など8項目に25%を上乗せしたのだ。この米
中両大国の経済と外交・安保の両面での対立は歴史的必然とも言え、長期
化するだろう。

就任当初は金正恩に対する嫌がらせで、訪韓を断行したほどの習近平だ
が、金正恩が訪中して恭順の意を示したことから、相好をくづし方針を一
変させた。習近平の前で金正恩が習発言をノートに取るという、“すり寄
り”姿勢を取ったことが、大満足であったのだろう。

首脳会談は会談の中身もさることながら、相手の態度が決定的な役割を果
たす事もある。金正恩の“メモ作戦”は練りに練った作戦なのであろう。

こうした北の外交攻勢からみれば、今後北は閉ざされた独裁国家というイ
メージを払拭するため、主要国との外交チャンネルを活発化させるだろ
う。日本に対しても大規模な経済協力を期待して大接近してくる可能性が
強い。その場合、核放棄が前提になることは言うまでもない。

2018年04月03日

◆北の“非核化”にある「疑似餌」の側面

                   杉浦 正章


“核カード”は北の遺伝子 日本「置き去り」の指摘は荒唐無稽

金正恩の中国電撃訪問は、すべて5月に予定されるトランプとの米朝首脳
会談対策に集約される。世界の孤児のまま対米会談に臨むことのリスクを
やっと気がついたのだ。

逆に中国にしてみれば、極東における“蚊帳の外”の状況を改善するメリッ
トがある。金正恩は「後ろ盾」、中国は「存在感回復」を獲得することに
なった。双方にメリットがある会談だったし、中国が影響力を取り戻した
ことは事実だ。

これにより冷え込んでいた中朝関係は一気に改善し、“死に体”であった中
朝の血の同盟である中朝友好協力相互援助条約は再び息を吹き返しつつあ
る。ただし非核化と言っても様々だ。過去2度あった北の“疑似餌”に3度
ひっかかる馬鹿はいない。

中朝の首脳会談では、朝鮮半島の非核化については大まかなスケジュール
や考え方を確認したものとみられる。しかし、単に「非核化」といって
も、日米と中国のスタンスは大きく異なる。

日米は核の即時全面的放棄を求めるが、中国は時間をかけて解決しようと
する立場だ。金自身の発言を分析しても怪しげな空気を感ずる。北朝鮮は
日米の求める非核化対応をよしとしているようには見えない。

 非核化に対する金正恩の発言は「我が国の善意に応え、平和実現のため
段階的かつ同時に措置を講ずれば、朝鮮半島の非核化の問題は解決するこ
とが出来るだろう」というものだ。

この「段階的かつ同時に」の表現がくせ者なのだ。それは段階的手順を
追ってということであり、手放しでの非核化ではさらさらない。非核化と
言えば北朝鮮が一方的に核を放棄するような印象を受けるが、これまで北
が主張してきたことは「米国の行動あっての行動」なのであり、米軍の核
が朝鮮半島に存在すれば成り立たない論理なのである。

これは核兵器の「即時放棄」を唱える日米の要求ではなく、「時間をかけ
て解決」という中国の方針に添って金正恩が球を投げたと受け止めること
も可能だ。

北朝鮮はきょう南北閣僚級会談、来月には南北首脳会談、5月には米朝
首脳会談を控えているが、電撃訪問は金正恩が米朝首脳会談の“失敗”を極
度に恐れている可能性があることも露呈した。

トランプは「米朝会談は楽 しみだが、残念ながら最大限の制裁と圧力は
何があっても維持されなけれ ばならない」と述べるとともに、米朝協議
がうまくいかなかった場合につ いて「アメリカは全ての選択肢がテーブ
ルの上にある」とどう喝している のだ。

金正恩は常にリビヤのカダフィー暗殺未遂事件が脳裏をよぎってい ると
いわれている。アメリカは1986年にカダフィーの居宅を狙って空爆す る
強硬手段を取り、暗殺しようとした。カダフィーは外出しており危うく
難を逃れた。

この恐怖が金訪中の原動力となっているといってもよい。

トランプの言うように米朝首脳会談が破綻すれば、米国による軍事行動
の可能性が一気に高まる。米国を“けん制”するにも孤立状態では手も足も
出ない。そこで金正恩は習近平に泣きついて、関係を改善し“後ろ盾”の存
在を誇示する必要に駆られたのだ。

中国を通じて米国の軍事行動をけん制 してもらうしか方策は無いのだ。
中国は朝鮮戦争の休戦協定の当事者でも あり、金正恩は米朝関係改善が
出来なければ中国にすがりつくしか生きる 道はないと考えたに違いない。

中国にしてみれば、極東における日米韓の軍事協力の可能性をひしひし
と感じているのであり、朝鮮半島の非核化や平和の定着などを進めるため
にも、北の独走を防ぐ必要がある。そのための電撃訪問の受け入れである
が、これは父親の総書記金正日訪中と酷似している。

1992年の中韓国 交正常化により、中朝関係は極度に悪化したが、今回同
様に、金正日は 2000年5月29日の電撃訪中で世界をあっと言わせた。金
日成が死去 してから初の外国訪問であった。韓国大統領金大中との首脳
会談を直前に 控えていたことまで日程を模写したかのようにそっくりだ。

また北がロシ アと連携をする場合もあり得る。北がロシアと結べば、極
東に中露北と日 米韓の対峙の構図が出来る可能性がある。ロシアは欧米
から総スカンを受 けており、極東に突破口を求める可能性が大きい。


問題は北の非核化のプロパガンダを真に受けて、国際社会が性急な対応
をすることだ。非核化と言っても即時全面放棄を北がするわけがないから
だ。世界は核問題で金日成にだまされ、金正日にだまされてきた。金日成
は1980年代から核開発に着手したとみられる。

1994年の金日成死後に権力 の座を継いだ金正日は、「先軍政治」を掲げ
て核開発に専念した。北の政 権は経済的に困窮すると“核カード”を切
り、援助を達成するのが“遺伝子” に組み込まれているかのようである。
紛れもなく金正恩も“遺伝子”の指図 で動いている。

従って、北の核放棄の意図はうさんくさいのだ。実質的な 進展もないう
ちは「北の病気がまた始まった」くらいの対処が適切だ。日 本政府の置
き去りを指摘する浅薄な新聞もあるが、ここは慌てる必要はな い。

公明 党の議員から参院予算委で「国民は日本だけ置いていかれると懸 念
して いる」との指摘があったが、国民とは誰だ。素人の見方であり、慌
てる 乞食はもらいが少ない。誰も日本を置いていこうなどとは思ってい
な い。

中国からも米国からもパイプを通じて連絡は来ている。北が厳しい経 済
事情を背景に、やがては日本にすり寄ることは目に見えている。ここ
は、北の非核化の本質をじっくり見極めてから対応しても遅くはない。



2018年04月01日

◆北の“非核化”にある「疑似餌」の側面

杉浦 正章


“核カード”は北の遺伝子 日本「置き去り」の指摘は荒唐無稽

金正恩の中国電撃訪問は、すべて5月に予定されるトランプとの米朝首脳
会談対策に集約される。世界の孤児のまま対米会談に臨むことのリスクを
やっと気がついたのだ。

逆に中国にしてみれば、極東における“蚊帳の外”の状況を改善するメリッ
トがある。金正恩は「後ろ盾」、中国は「存在感回復」を獲得することに
なった。双方にメリットがある会談だったし、中国が影響力を取り戻した
ことは事実だ。

これにより冷え込んでいた中朝関係は一気に改善し、“死に体”であった中
朝の血の同盟である中朝友好協力相互援助条約は再び息を吹き返しつつあ
る。ただし非核化と言っても様々だ。過去2度あった北の“疑似餌”に3度
ひっかかる馬鹿はいない。

中朝の首脳会談では、朝鮮半島の非核化については大まかなスケジュール
や考え方を確認したものとみられる。しかし、単に「非核化」といって
も、日米と中国のスタンスは大きく異なる。

日米は核の即時全面的放棄を求めるが、中国は時間をかけて解決しようと
する立場だ。金自身の発言を分析しても怪しげな空気を感ずる。北朝鮮は
日米の求める非核化対応をよしとしているようには見えない。

 非核化に対する金正恩の発言は「我が国の善意に応え、平和実現のため
段階的かつ同時に措置を講ずれば、朝鮮半島の非核化の問題は解決するこ
とが出来るだろう」というものだ。

この「段階的かつ同時に」の表現がくせ者なのだ。それは段階的手順を
追ってということであり、手放しでの非核化ではさらさらない。非核化と
言えば北朝鮮が一方的に核を放棄するような印象を受けるが、これまで北
が主張してきたことは「米国の行動あっての行動」なのであり、米軍の核
が朝鮮半島に存在すれば成り立たない論理なのである。

これは核兵器の「即時放棄」を唱える日米の要求ではなく、「時間をかけ
て解決」という中国の方針に添って金正恩が球を投げたと受け止めること
も可能だ。

北朝鮮はきょう南北閣僚級会談、来月には南北首脳会談、5月には米朝
首脳会談を控えているが、電撃訪問は金正恩が米朝首脳会談の“失敗”を極
度に恐れている可能性があることも露呈した。

トランプは「米朝会談は楽 しみだが、残念ながら最大限の制裁と圧力は
何があっても維持されなけれ ばならない」と述べるとともに、米朝協議
がうまくいかなかった場合につ いて「アメリカは全ての選択肢がテーブ
ルの上にある」とどう喝している のだ。

金正恩は常にリビヤのカダフィー暗殺未遂事件が脳裏をよぎってい ると
いわれている。アメリカは1986年にカダフィーの居宅を狙って空爆す る
強硬手段を取り、暗殺しようとした。カダフィーは外出しており危うく
難を逃れた。

この恐怖が金訪中の原動力となっているといってもよい。

トランプの言うように米朝首脳会談が破綻すれば、米国による軍事行動
の可能性が一気に高まる。米国を“けん制”するにも孤立状態では手も足も
出ない。そこで金正恩は習近平に泣きついて、関係を改善し“後ろ盾”の存
在を誇示する必要に駆られたのだ。

中国を通じて米国の軍事行動をけん制 してもらうしか方策は無いのだ。
中国は朝鮮戦争の休戦協定の当事者でも あり、金正恩は米朝関係改善が
出来なければ中国にすがりつくしか生きる 道はないと考えたに違いない。

中国にしてみれば、極東における日米韓の軍事協力の可能性をひしひし
と感じているのであり、朝鮮半島の非核化や平和の定着などを進めるため
にも、北の独走を防ぐ必要がある。そのための電撃訪問の受け入れである
が、これは父親の総書記金正日訪中と酷似している。

1992年の中韓国 交正常化により、中朝関係は極度に悪化したが、今回同
様に、金正日は 2000年5月29日の電撃訪中で世界をあっと言わせた。金
日成が死去 してから初の外国訪問であった。韓国大統領金大中との首脳
会談を直前に 控えていたことまで日程を模写したかのようにそっくりだ。

また北がロシ アと連携をする場合もあり得る。北がロシアと結べば、極
東に中露北と日 米韓の対峙の構図が出来る可能性がある。ロシアは欧米
から総スカンを受 けており、極東に突破口を求める可能性が大きい。


問題は北の非核化のプロパガンダを真に受けて、国際社会が性急な対応
をすることだ。非核化と言っても即時全面放棄を北がするわけがないから
だ。世界は核問題で金日成にだまされ、金正日にだまされてきた。金日成
は1980年代から核開発に着手したとみられる。

1994年の金日成死後に権力 の座を継いだ金正日は、「先軍政治」を掲げ
て核開発に専念した。北の政 権は経済的に困窮すると“核カード”を切
り、援助を達成するのが“遺伝子” に組み込まれているかのようである。
紛れもなく金正恩も“遺伝子”の指図 で動いている。

従って、北の核放棄の意図はうさんくさいのだ。実質的な 進展もないう
ちは「北の病気がまた始まった」くらいの対処が適切だ。日 本政府の置
き去りを指摘する浅薄な新聞もあるが、ここは慌てる必要はな い。

公明 党の議員から参院予算委で「国民は日本だけ置いていかれると懸 念
して いる」との指摘があったが、国民とは誰だ。素人の見方であり、慌
てる 乞食はもらいが少ない。誰も日本を置いていこうなどとは思ってい
な い。

中国からも米国からもパイプを通じて連絡は来ている。北が厳しい経 済
事情を背景に、やがては日本にすり寄ることは目に見えている。ここ
は、北の非核化の本質をじっくり見極めてから対応しても遅くはない。

2018年03月31日

◆安倍政権“イメージダウン作戦”は失速

                    杉浦 正章


森友問題は「幕引き」をはかれ 空振りの反安倍報道
 
事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいことを大山鳴動ネズミ
一匹というが、証人喚問はそのネズミすら出なかった。パフォーマンス野
党の面目躍如というところか。

加えて朝日、TBS、テレ朝の3大反安倍報道機関も、煽りに煽ったが見事
空振りとなった。前国税庁長官佐川宣寿への喚問は、これを機会に安倍政
権を退陣に追い込もうとする野党の思惑がことごとく外れた。改竄(かい
ざん)の解明が進まない原因は、野党や一部マスコミが無理矢理安倍官邸
に改竄問題を直結させようと狙ったところにあり、それが挫折したという
ことだ。

共産党の小池晃書記局長は「証人喚問の意味がない。これ以上聞いても意
味がない」と声を荒らげたが、もともと意味のないものを、1日3億円と
いう膨大な国費を使って国会で取り上げることの愚かさをかみしめるべき
ではないか。

「意味がない」ことが分かっていながら喚問して人目を引く演技をするパ
フォーマンス自体が「意味がない」のだ。そもそも立憲民主、希望、民進
など6野党の議員はわざわざ大阪拘置所に出向き、詐欺罪で拘置中の「森
友学園」の前理事長、籠池泰典被告と接見、さも隠し球を入手したかのよ
うなそぶりを見せた。

しかし、質疑を見れば新味のある発言を聴取できなかっただけでなく、蟻
の一穴も開けられない体たらくであったことが分かる。刑事被告人とタッ
グを組む野党という“負のイメージ”が、これまたばかな民放テレビで度々
流布され、パフォーマンスしか行えない野党を露呈した。

筆者が予言したとおり、前国税庁長官佐川宣寿は野党の追及に「刑事訴追
の恐れのある話であるのでコメントを差し控える」との答弁に終始した。

トップバッター自民党の丸川珠代の質疑応答で全てを語り、以後のの質疑
はその繰り返しでしかなかった。佐川は丸川に、首相・安倍晋三や昭恵夫
人、今井秘書官らの関与については「一切ない」と明確に否定した。

さらに国有地の売却について安倍や昭恵の影響があったかどうかも「全く
ない」と全面否定した。「守りの決意」が相当のものであることを伺わせ
た。逆に「問題は理財局の中で対応した」とあくまで理財局トップとして
責任を負う姿勢を鮮明にさせた。

安倍は昨年2月から、森友学園への国有地売却に自らや昭恵夫人が関わっ
ていた場合、「政治家として責任を取る」と国会で答弁してきたが、佐川
の答弁は関わっていないことを裏付けるものだ。議院証言法に基づく答弁
は、虚偽の答弁をすれば偽証罪に問われるものであり、佐川にしても“命
がけ”の側面がある。

それにしても佐川は何も証言らしい証言をしなかったが、安倍らが関係し
ていないことだけは、ちゃっかりと答えた。その“度胸”は相当なものであ
る。丸川と佐川の質疑応答は実にスムーズであり、“出来レース”をうかが
わせるほどで、野党も質問したが、否定された。闇の中だ。

 勢い込んで質問に立った立憲民主党の福山哲郎は成果ゼロの結果につい
て「前から過剰期待はしないでくださいと言ってきた」と言い訳をした
が、後悔先に立たずとはまさにこのことであろう。人権上限界のある証人
喚問で突破口を開こうとする野党戦略は稚拙で当初から無理があったのだ。

野党はさらに昭恵を始め、夫人付職員谷査恵子、前理財局長迫田英典らの
喚問などを要求しているが、悪乗りもいいかげんにした方がよい。昭恵が
国有地の取引に直接関与していないことは明白であり、関与した証拠もな
い。真相は解明されたのであり、野党は改竄の核心には迫れなかったのだ。

つまらぬ偽疑惑で政権の足を引っ張るときではない。安倍政権イメージダ
ウン作戦は失敗したのだ。

改竄問題は財務省内の調査や大阪地検に委ねるべきであり、佐川が「当時
の担当局長として責任はひとえに私にある」と明白に発言している以上、
財務相麻生太郎の辞任問題も遠のいた。

自民党内は反安倍勢力萌芽の気配はあるが、石破茂や村上誠一郎、小泉進
次郎の反安倍3羽ガラスでは力量不足で政権を揺さぶるところまで仕掛け
を出来まい。折から北東アジア情勢は風雲急を告げており、安倍を外交に
専念させた方がよほど国益に資することは言うまでもない。もう森友問題
は「幕引き」をはかるべきだ。


2018年03月30日

◆安倍政権“イメージダウン作戦”は失速

杉浦 正章


森友問題は「幕引き」をはかれ 空振りの反安倍報道
 
事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいことを大山鳴動ネズミ
一匹というが、証人喚問はそのネズミすら出なかった。パフォーマンス野
党の面目躍如というところか。

加えて朝日、TBS、テレ朝の3大反安倍報道機関も、煽りに煽ったが見事
空振りとなった。前国税庁長官佐川宣寿への喚問は、これを機会に安倍政
権を退陣に追い込もうとする野党の思惑がことごとく外れた。改竄(かい
ざん)の解明が進まない原因は、野党や一部マスコミが無理矢理安倍官邸
に改竄問題を直結させようと狙ったところにあり、それが挫折したという
ことだ。

共産党の小池晃書記局長は「証人喚問の意味がない。これ以上聞いても意
味がない」と声を荒らげたが、もともと意味のないものを、1日3億円と
いう膨大な国費を使って国会で取り上げることの愚かさをかみしめるべき
ではないか。

「意味がない」ことが分かっていながら喚問して人目を引く演技をするパ
フォーマンス自体が「意味がない」のだ。そもそも立憲民主、希望、民進
など6野党の議員はわざわざ大阪拘置所に出向き、詐欺罪で拘置中の「森
友学園」の前理事長、籠池泰典被告と接見、さも隠し球を入手したかのよ
うなそぶりを見せた。

しかし、質疑を見れば新味のある発言を聴取できなかっただけでなく、蟻
の一穴も開けられない体たらくであったことが分かる。刑事被告人とタッ
グを組む野党という“負のイメージ”が、これまたばかな民放テレビで度々
流布され、パフォーマンスしか行えない野党を露呈した。

筆者が予言したとおり、前国税庁長官佐川宣寿は野党の追及に「刑事訴追
の恐れのある話であるのでコメントを差し控える」との答弁に終始した。

トップバッター自民党の丸川珠代の質疑応答で全てを語り、以後のの質疑
はその繰り返しでしかなかった。佐川は丸川に、首相・安倍晋三や昭恵夫
人、今井秘書官らの関与については「一切ない」と明確に否定した。

さらに国有地の売却について安倍や昭恵の影響があったかどうかも「全く
ない」と全面否定した。「守りの決意」が相当のものであることを伺わせ
た。逆に「問題は理財局の中で対応した」とあくまで理財局トップとして
責任を負う姿勢を鮮明にさせた。

安倍は昨年2月から、森友学園への国有地売却に自らや昭恵夫人が関わっ
ていた場合、「政治家として責任を取る」と国会で答弁してきたが、佐川
の答弁は関わっていないことを裏付けるものだ。議院証言法に基づく答弁
は、虚偽の答弁をすれば偽証罪に問われるものであり、佐川にしても“命
がけ”の側面がある。

それにしても佐川は何も証言らしい証言をしなかったが、安倍らが関係し
ていないことだけは、ちゃっかりと答えた。その“度胸”は相当なものであ
る。丸川と佐川の質疑応答は実にスムーズであり、“出来レース”をうかが
わせるほどで、野党も質問したが、否定された。闇の中だ。

 勢い込んで質問に立った立憲民主党の福山哲郎は成果ゼロの結果につい
て「前から過剰期待はしないでくださいと言ってきた」と言い訳をした
が、後悔先に立たずとはまさにこのことであろう。人権上限界のある証人
喚問で突破口を開こうとする野党戦略は稚拙で当初から無理があったのだ。

野党はさらに昭恵を始め、夫人付職員谷査恵子、前理財局長迫田英典らの
喚問などを要求しているが、悪乗りもいいかげんにした方がよい。昭恵が
国有地の取引に直接関与していないことは明白であり、関与した証拠もな
い。真相は解明されたのであり、野党は改竄の核心には迫れなかったのだ。

つまらぬ偽疑惑で政権の足を引っ張るときではない。安倍政権イメージダ
ウン作戦は失敗したのだ。

改竄問題は財務省内の調査や大阪地検に委ねるべきであり、佐川が「当時
の担当局長として責任はひとえに私にある」と明白に発言している以上、
財務相麻生太郎の辞任問題も遠のいた。

自民党内は反安倍勢力萌芽の気配はあるが、石破茂や村上誠一郎、小泉進
次郎の反安倍3羽ガラスでは力量不足で政権を揺さぶるところまで仕掛け
を出来まい。折から北東アジア情勢は風雲急を告げており、安倍を外交に
専念させた方がよほど国益に資することは言うまでもない。もう森友問題
は「幕引き」をはかるべきだ。


2018年03月29日

◆北の“非核化”にある「疑似餌」の側面

                     杉浦 正章


“核カード”は北の遺伝子 日本「置き去り」の指摘は荒唐無稽

金正恩の中国電撃訪問は、すべて5月に予定されるトランプとの米朝首脳
会談対策に集約される。世界の孤児のまま対米会談に臨むことのリスクを
やっと気がついたのだ。逆に中国にしてみれば、極東における“蚊帳の外”
の状況を改善するメリットがある。

金正恩は「後ろ盾」、中国は「存在感回復」を獲得することになった。双
方にメリットがある会談だったし、中国が影響力を取り戻したことは事実
だ。これにより冷え込んでいた中朝関係は一気に改善し、“死に体”であっ
た中朝の血の同盟である中朝友好協力相互援助条約は再び息を吹き返しつ
つある。

ただし非核化と言っても様々だ。過去2度あった北の“疑似餌”に3度ひっ
かかる馬鹿はいない。

中朝の首脳会談では、朝鮮半島の非核化については大まかなスケジュール
や考え方を確認したものとみられる。しかし、単に「非核化」といって
も、日米と中国のスタンスは大きく異なる。

日米は核の即時全面的放棄を求めるが、中国は時間をかけて解決しようと
する立場だ。金自身の発言を分析しても怪しげな空気を感ずる。北朝鮮は
日米の求める非核化対応をよしとしているようには見えない。

非核化に対する金正恩の発言は「我が国の善意に応え、平和実現のため段
階的かつ同時に措置を講ずれば、朝鮮半島の非核化の問題は解決すること
が出来るだろう」というものだ。

この「段階的かつ同時に」の表現がくせ者なのだ。それは段階的手順を
追ってということであり、手放しでの非核化ではさらさらない。

非核化と言えば北朝鮮が一方的に核を放棄するような印象を受けるが、こ
れまで北が主張してきたことは「米国の行動あっての行動」なのであり、
米軍の核が朝鮮半島に存在すれば成り立たない論理なのである。これは核
兵器の「即時放棄」を唱える日米の要求ではなく、「時間をかけて解決」
という中国の方針に添って金正恩が球を投げたと受け止めることも可能だ。

北朝鮮はきょう南北閣僚級会談、来月には南北首脳会談、5月には米朝首
脳会談を控えているが、電撃訪問は金正恩が米朝首脳会談の“失敗”を極度
に恐れている可能性があることも露呈した。

トランプは「米朝会談は楽しみだが、残念ながら最大限の制裁と圧力は何
があっても維持されなければならない」と述べるとともに、米朝協議がう
まくいかなかった場合について「アメリカは全ての選択肢がテーブルの上
にある」とどう喝しているのだ。

金正恩は常にリビヤのカダフィー暗殺未遂事件が脳裏をよぎっているとい
われている。アメリカは1986年にカダフィーの居宅を狙って空爆する強硬
手段を取り、暗殺しようとした。カダフィーは外出しており危うく難を逃
れた。この恐怖が金訪中の原動力となっているといってもよい。

 トランプの言うように米朝首脳会談が破綻すれば、米国による軍事行動
の可能性が一気に高まる。米国を“けん制”するにも孤立状態では手も足も
出ない。そこで金正恩は習近平に泣きついて、関係を改善し“後ろ盾”の存
在を誇示する必要に駆られたのだ。

中国を通じて米国の軍事行動をけん制してもらうしか方策は無いのだ。中
国は朝鮮戦争の休戦協定の当事者でもあり、金正恩は米朝関係改善が出来
なければ中国にすがりつくしか生きる道はないと考えたに違いない。

 中国にしてみれば、極東における日米韓の軍事協力の可能性をひしひし
と感じているのであり、朝鮮半島の非核化や平和の定着などを進めるため
にも、北の独走を防ぐ必要がある。そのための電撃訪問の受け入れである
が、これは父親の総書記金正日訪中と酷似している。

1992年の中韓国交正常化により、中朝関係は極度に悪化したが、今回同様
に、金正日は2000年5月29日の電撃訪中で世界をあっと言わせた。

金日成が死去してから初の外国訪問であった。韓国大統領金大中との首脳
会談を直前に控えていたことまで日程を模写したかのようにそっくりだ。
また北がロシアと連携をする場合もあり得る。北がロシアと結べば、極東
に中露北と日米韓の対峙の構図が出来る可能性がある。ロシアは欧米から
総スカンを受けており、極東に突破口を求める可能性が大きい。

問題は北の非核化のプロパガンダを真に受けて、国際社会が性急な対応を
することだ。非核化と言っても即時全面放棄を北がするわけがないからだ。

世界は核問題で金日成にだまされ、金正日にだまされてきた。金日成は
1980年代から核開発に着手したとみられる。1994年の金日成死後に権力の
座を継いだ金正日は、「先軍政治」を掲げて核開発に専念した。

北の政権は経済的に困窮すると“核カード”を切り、援助を達成するのが
“遺伝子”に組み込まれているかのようである。紛れもなく金正恩も“遺伝
子”の指図で動いている。従って、北の核放棄の意図はうさんくさいのだ。

実質的な進展もないうちは「北の病気がまた始まった」くらいの対処が適
切だ。日本政府の置き去りを指摘する浅薄な新聞もあるが、ここは慌てる
必要はない。公明党の議員から参院予算委で「国民は日本だけ置いていか
れると懸念している」との指摘があったが、国民とは誰だ。素人の見方で
あり、慌てる乞食はもらいが少ない。

誰も日本を置いていこうなどとは思っていない。中国からも米国からもパ
イプを通じて連絡は来ている。北が厳しい経済事情を背景に、やがては日
本にすり寄ることは目に見えている。ここは、北の非核化の本質をじっく
り見極めてから対応しても遅くはない。


2018年03月28日

◆それでも安倍3選しか選択肢はないー自民

                        杉浦 正章



野党は“魔女狩り”で展望は開けぬ 焦点極東外交に移行
 
まさに国会で魔女狩りが始まったかのようである。野党が、希代の詐欺師
籠池泰典に勝手に名前を使われた被害者で首相夫人の安倍昭恵や首相秘書
官今井尚哉を国会の証人喚問に引き出そうとしているのだ。

26日も民進党の増子輝彦は昭恵の証人喚問を要求した。しかし、首相夫人
といえども民間人だ。民間人の証人喚問は過去にもあったが、事は人権問
題が絡む。極めて慎重でなければなるまい。

今の野党のやり口は、ことごとく安倍を敵視する朝日新聞やTBS、テレビ
朝日などと“呼応”するかのように、ことを「政治ショー」化して、政権を
揺さぶることを狙っている。

しかし、25日の自民党大会は政局のにおいすらせず、安倍はかすり傷もな
く乗りきった。自民党の良識が作用したのだ。前国税庁長官佐川宣寿の証
人喚問が今日27日に終わり、予算は28日に成立して、政治の舞台は外交へ
と移行する。

安倍は佐川喚問に関して26日「地検の捜査にも協力しながら、政府として
徹底した調査を急がせたい。政府と国会、それぞれの立場で、しっかりと
全容を解明し、うみを出し切ることが重要だ」と述べ、全容の解明に全力
を尽くす考えを示した。

言うまでもなく自らの関与は否定しているし、財務相麻生太郎自身も否定
している。一方、野党がずる賢いのは森友学園への国有地の払い下げの問
題が、壁に突き当たって追及しきれなくなったことから、新たな追及材料
として証人喚問の連発という“魔女狩り”を行い、火あぶりの場をつくって
マスコミうけしたいという魂胆があることだ。

籠池に勝手に名前を使われただけの民間人昭恵を証人喚問の場に引き出
し、魔女裁判のごとくに質問漬けにする。国会における証人喚問の場は司
法不在であり、弁護士を雇うことも裁判官の判決を求めることも出来ない。

追及する野党議員は免責特権が与えられており、何を発言しようが自由
だ。引き出される一般民間人にとってはまさに地獄の責め苦を負わなけれ
ばならない。このような“禁じ手”の場に昭恵を招致しなければならない理
由などゼロだ。

そもそも野党議員は、圧倒的多数を持つ自民党が、野党議員の家族を証人
喚問の場に引き出すケースを想像したことがあるか。強権国家ならあり得
ることだが、幸いにも日本の民主主義は完全に定着しており、そのような
事は起こり得ない。

要するに野党の要求は無理筋であり、一部マスコミにこびを売るものでし
かない。野党は無理強いすれば、やがては自らに跳ね返る危険を考えてい
るのか。

こうした問題の根幹となっている改憲問題の展開を予想すれば、まず大き
な流れとしては9月の総裁選で安倍が3選されるかどうかにある。この見
通しが立たなければ、改憲の見通しも立たない。

朝日は「総裁3選への道筋を付けない限り、改憲の年内発議を目指せる状
況ではなくなった」と早くも、年内の発議困難という方向を打ち出してい
る。しかし、この記事は政局判断に必要な要素を全て計算に入れないご都
合主義であり、まるで「始めに見出しありき」の独断と偏見に満ちている。

改憲の手続きはまず、国会議員衆議院100人以上、参議院50人以上の賛成
により憲法改正案の原案が発議される。衆参各議院においてそれぞれ憲法
審査会で審査されたのちに、本会議に付される。両院はそれぞれの本会議
で3分の2以上の賛成で可決して憲法改正の発議を行うことができる。

これに伴う国民投票は、憲法改正の発議をした日から起算して60日以後
180日以内に行われ、過半数で改憲が決まる。

自民党のスケジュールとしては来年度予算が成立する月末以降に改憲の条
文案を国会に提示して各党協議に入る。首相3選を前提にして遅くとも来
年19年の早い段階での発議こぎ着けるのだ。

というのは、来年前半は春の統一地方選挙に続いて、天皇退位、G20サ
ミットと重要日程がひしめいており、後半は2020年オリンピック対応で忙
殺される。今年暮れから来年早々までの発議しかないのだ。

問題は前提となる首相3選があるかだが、まず3選の流れは動かないだろ
う。野党やばか丸出しのテレビのトークショーのレベルならば、まるで安
倍退陣前夜の様相だが、いずれも問題の根底を見ていない。

根底とは自民党内の安倍支持勢力だ。これまでのところ国会議員票405の
うち安倍支持御三家の細田派94人、麻生派59人、二階派44人に官房長官菅
義偉の影響が強い無派閥を加えれば過半数を超える。

これが現在のところ安定している。党大会でも微動だにしなかった。この
流れを見れば、自民党内は反旗を翻して4年近く冷や飯を食うことをため
らう議員や地方党員が増えるだろう。

元幹事長石破茂はまず必ず立候補するが、自派議員は20人で、地方票を頼
みにするしかなく、神風が吹かない限り安倍には勝てまい。「出る事に意
義がある」と言うしかない。側近らが物欲しげな岸田も47人では、勝負に
ならない。安倍が倒れない限りは無理だ。

キーポイントは佐川喚問で新証言が出るかどうかだが、佐川は大阪地検が
捜査中であることを理由に証言を差し控えるものとみられる。改竄に自ら
が関与した証言を朝日や野党は期待しているが、佐川が理財局長に就任し
たのは、国有地売却決済の後だ。

それでも佐川改竄説はくすぶっており、一部メディアは佐川が何を言って
もあげつらう事は目に見えており、今後に尾を引く問題としては残る。今
後大阪地検の捜査で逮捕者が出れば再び大騒ぎになるが、近畿財務局職員
らに絞られる公算が大きく、政権直撃的事態にはなるまい。

◆それでも安倍3選しか選択肢はないー自民

                  杉浦 正章

 
野党は“魔女狩り”で展望は開けぬ 焦点極東外交に移行
 
まさに国会で魔女狩りが始まったかのようである。野党が、希代の詐欺師
籠池泰典に勝手に名前を使われた被害者で首相夫人の安倍昭恵や首相秘書
官今井尚哉を国会の証人喚問に引き出そうとしているのだ。

26日も民進党の増子輝彦は昭恵の証人喚問を要求した。しかし、首相夫人
といえども民間人だ。民間人の証人喚問は過去にもあったが、事は人権問
題が絡む。極めて慎重でなければなるまい。

今の野党のやり口は、ことごとく安倍を敵視する朝日新聞やTBS、テレビ
朝日などと“呼応”するかのように、ことを「政治ショー」化して、政権を
揺さぶることを狙っている。しかし、25日の自民党大会は政局のにおい
すらせず、安倍はかすり傷もなく乗りきった。

自民党の良識が作用したの だ。前国税庁長官佐川宣寿の証人喚問が今日
27日に終わり、予算は28日 に成立して、政治の舞台は外交へと移行する。

安倍は佐川喚問に関して26日「地検の捜査にも協力しながら、政府として
徹底した調査を急がせたい。政府と国会、それぞれの立場で、しっかりと
全容を解明し、うみを出し切ることが重要だ」と述べ、全容の解明に全力
を尽くす考えを示した。

言うまでもなく自らの関与は否定しているし、財務相麻生太郎自身も否定
している。一方、野党がずる賢いのは森友学園への国有地の払い下げの問
題が、壁に突き当たって追及しきれなくなったことから、新たな追及材料
として証人喚問の連発という“魔女狩り”を行い、火あぶりの場をつくって
マスコミうけしたいという魂胆があることだ。

籠池に勝手に名前を使われただけの民間人昭恵を証人喚問の場に引き出
し、魔女裁判のごとくに質問漬けにする。国会における証人喚問の場は司
法不在であり、弁護士を雇うことも裁判官の判決を求めることも出来ない。

追及する野党議員は免責特権が与えられており、何を発言しようが自由
だ。引き出される一般民間人にとってはまさに地獄の責め苦を負わなけれ
ばならない。このような“禁じ手”の場に昭恵を招致しなければならない理
由などゼロだ。

そもそも野党議員は、圧倒的多数を持つ自民党が、野党議員の家族を証人
喚問の場に引き出すケースを想像したことがあるか。強権国家ならあり得
ることだが、幸いにも日本の民主主義は完全に定着しており、そのような
事は起こり得ない。要するに野党の要求は無理筋であり、一部マスコミに
こびを売るものでしかない。野党は無理強いすれば、やがては自らに跳ね
返る危険を考えているのか。

こうした問題の根幹となっている改憲問題の展開を予想すれば、まず大き
な流れとしては9月の総裁選で安倍が3選されるかどうかにある。この見
通しが立たなければ、改憲の見通しも立たない。朝日は「総裁3選への道
筋を付けない限り、改憲の年内発議を目指せる状況ではなくなった」と早
くも、年内の発議困難という方向を打ち出している。

しかし、この記事は政局判断に必要な要素を全て計算に入れないご都合主
義であり、まるで「始めに見出しありき」の独断と偏見に満ちている。

改憲の手続きはまず、国会議員衆議院100人以上、参議院50人以上の賛成
により憲法改正案の原案が発議される。衆参各議院においてそれぞれ憲法
審査会で審査されたのちに、本会議に付される。両院はそれぞれの本会議
で3分の2以上の賛成で可決して憲法改正の発議を行うことができる。これ
に伴う国民投票は、憲法改正の発議をした日から起算して60日以後180日
以内に行われ、過半数で改憲が決まる。

自民党のスケジュールとしては来年度予算が成立する月末以降に改憲の
条文案を国会に提示して各党協議に入る。首相3選を前提にして遅くとも
来 年19年の早い段階での発議こぎ着けるのだ。

というのは、来年前半は春の統一地方選挙に続いて、天皇退位、G20サ
ミットと重要日程がひしめいており、後半は2020年オリンピック対応で忙
殺される。今年暮れから来年早々までの発議しかないのだ。

 問題は前提となる首相3選があるかだが、まず3選の流れは動かないだ
ろう。野党やばか丸出しのテレビのトークショーのレベルならば、まるで
安倍退陣前夜の様相だが、いずれも問題の根底を見ていない。

根底とは自民党内の安倍支持勢力だ。これまでのところ国会議員票405の
うち安倍支持御三家の細田派94人、麻生派59人、二階派44人に官房長官菅
義偉の影響が強い無派閥を加えれば過半数を超える。

これが現在のところ安定している。党大会でも微動だにしなかった。この
流れを見れば、自民党内は反旗を翻して4年近く冷や飯を食うことをため
らう議員や地方党員が増えるだろう。

元幹事長石破茂はまず必ず立候補するが、自派議員は20人で、地方票を頼
みにするしかなく、神風が吹かない限り安倍には勝てまい。「出る事に意
義がある」と言うしかない。側近らが物欲しげな岸田も47人では、勝負に
ならない。安倍が倒れない限りは無理だ。

キーポイントは佐川喚問で新証言が出るかどうかだが、佐川は大阪地検が
捜査中であることを理由に証言を差し控えるものとみられる。改竄に自ら
が関与した証言を朝日や野党は期待しているが、佐川が理財局長に就任し
たのは、国有地売却決済の後だ。

それでも佐川改竄説はくすぶっており、一部メディアは佐川が何を言って
もあげつらう事は目に見えており、今後に尾を引く問題としては残る。今
後大阪地検の捜査で逮捕者が出れば再び大騒ぎになるが、近畿財務局職員
らに絞られる公算が大きく、政権直撃的事態にはなるまい。


2018年03月22日

◆政局大胆予想、6対4で安倍逃げ切り

                     杉浦 正章


 自民に政局化の潮流なし “財務省”問題で審議会設置を

新聞は「首相の連続3選が確実視されてきた秋の自民党総裁選にも、暗雲
が漂い始めた。」(読売)のだそうだが、果たしてそうか。

民放のノーテンキなトークショーはともかくとして、大新聞が書くとそう
なってしまうから怖い。しかし、小生の見たところ、6対4で首相・安倍
晋三が逃げ切る。

なぜなら政局化は虚弱野党がいくら狙っても導火線になり得なくて、自民
党内の力関係によって発生するからだ。いまのところ自民党内は、前回書
いたように魑魅魍魎しか露骨な動きを見せる者はいない。

証人喚問も佐川が破れかぶれの“舌禍路線”に転ずれば別だが、その気配は
ない。もう国会は佐川喚問を最後に不毛の論議の区切りを付けるべき時だ。

証人喚問は27日になるが、それに先だって自民党大会が25日に開かれる。
安倍は党大会で9条改正案など改憲問題を前面に据えて意見集約を進める。

総裁演説についても改憲への思いを述べ、全党員の結束と団結をよびかけ
る。いまのところ党大会で、政権を揺さぶるような不穏な空気が組織的に
生ずる動きはなく、せいぜい一部出席者の不満げな発言を民放テレビが掘
り出して、大袈裟に報道する程度にとどまりそうだ。

執行部は党員に発言 に気をつけるよう注意喚起すべきだ。公平中立な報
道を逸脱する傾向が強 い民放にも法的措置を取る必要があるかも知れない。

一方、政府・与党は前理財局長佐川宣寿の証人喚問を受け入れた。渋る
首相官邸を自民党が押し切った形だ。官邸は当初、参考人招致でしのぐべ
きだと喚問に慎重だった。

しかし、虚偽の証言をすれば偽証罪に問われる 喚問に応ぜざるを得ない
と与党が判断したのは、改ざんへの厳しい世論を 無視できなかったため
だ。加えて幹事長二階俊博は、ドスが利くのは見か けばかり。その実は
小心で、けんかの仕方を知らない。最初から妥協しか 考えないから、始
末に悪い。

しかし、喚問も一見佐川が人身御供になるかのように見えるが、過去の
例から見ても参考人招致より喚問の方が切り抜けやすいのが実情だ。

過去 の証人喚問はロッキード事件、リクルート事件、東京佐川急便事件
などが 有名だ。筆者はロッキード事件の喚問を取材したが、証人が「記
憶にござ いません」作戦を展開、野党は歯が立たなかった。

今回のように旧大蔵省 が舞台となった事件では、98年の「接待汚職」が
ある。東京地検は、金 融機関への検査情報を事前に得ようとする大手銀
行・証券会社から過剰な 接待を受けた収賄容疑で、同省や日銀などの職
員を相次ぎ逮捕、起訴し た。

同省だけでも112人に停職、減給などの処分が下った。組織が財務 省と金
融監督庁に分割される原因となった。

佐川の場合は汚職の嫌疑があるわけではなく、過去の喚問事件と比べて
スケールは格段に小さい。書き換え問題は大阪地検が捜査中である。した
がって「捜査中の案件については発言を控える」の答弁で切り抜けるしか
あるまい。

また刑事訴追の恐れのある場合は証言を拒否できる。佐川は事 務次官の
質問に対してすら、刑事訴追を理由に回答を避けた。野党が狙う 政権直
撃材料は出ない可能性が高い。証人喚問は厳しいようで攻撃する側 は壁
が高いのである。

野党内には「佐川氏が捜査を理由に答えなければ世論は納得しない」と
けん制する声があるが、爆弾発言を期待しても経緯から言って無理だ。

政 府・与党は、極東情勢が厳しい局面にさしかかっているときに、つま
らぬ 泥濘(ぬかるみ)に足を取られているときではあるまい。

昭恵夫人の喚問 を狙う共産党の国対委員長穀田恵二は与党の喚問拒否に
ついて「国民の批 判はずっと続く」と述べているが、総選挙で9議席減
らして12議席に なった政党が「国民を代表」して偉そうに発言しても
らっても困る。

そもそも安倍政権は特定秘密保護法や安保法制でいったんは30%台に 支
持率が落ちたが、その都度回復させてきた。だいいち支持率なるものが
朝日や毎日など反安倍メディアと読売・産経など安倍支持メディアで違う
のはなぜか。

質問者が悪意を持って聞くのが朝日、毎日であるからだ。与 党内には
「監督する立場の麻生氏の政治責任は避けられない」との声もあ り、こ
れで幕引きとなるかは不透明な側面がある。安倍は問題を調査する 審議
会を民間人を入れて作り、答申を得て財務省改革に着手することも検 討
してはどうか。

その上で、外交問題が一段落したあと夏にも、内閣改造 を断行して麻生
を副総理から外して党幹部にでも据えた方がよい。総裁3 選態勢を整え
るべきだ。

2018年03月20日

◆米マスコミがトランプの「独断」に警鐘

杉浦  正章


軽薄さが漂う対北外交 日本には“悪夢の構図”も
 
言ってみればただの商売人が外交をやることに対する不信感だろう。トラ
ンプの対北朝鮮政策に対して米国内で危惧の声が高まり始めた。とりわけ
5月に予定される金正恩との会談がうまく展開するかについては悲観的な
見方が強く、北が核戦力を手放すことはあり得ないというのが“常識”にな
りつつある。

トランプの秋の中間選挙への“邪心”を指摘する声も多い。日本にしてみて
も、トランプがICBM実験を抑え込んでも、日本を狙ったノドン200発の廃
棄まで実現しなければ全く意味がなく、“悪夢の構図”が現出しなねない。

なぜトランプが急に米朝首脳会談に乗り気になったかと言えば、韓国の特
使の“口車” に乗せられていると言うことだろう。トランプは、特使との
会談のその場で「よし会おう」と飛びついているが、そこには、商売人が
取引先に会うような「軽々しさ」しか感じられない。世界の片隅で虎視
眈々と好餌を狙う、北の体制への理解がないのだ。

“口約束”でしかない韓国のメッセンジャーをまるで信頼しきっており、国
務・国防両省などプロの意見を無視しているかのようだ。

情報を総合すると金正恩は首脳会談の前提として@非核化に尽くすA核・弾
道ミサイルの実験を控えるB米韓軍事演習を理解するなどを提案したとい
う。その背景には国連の制裁が紛れもなく効き始めたうえに、中国までが
本気で制裁に踏み切った結果、さすがに孤立化をひしひしと感じ取ったこ
とがあるのだろう。

トランプの姿勢に対して米国のマスコミの論調は極めて批判的だ。ニュー
ヨーク・タイムズは、トランプが外交責任者であり解任されたティラーソ
ン国務長官にも相談せず、会談の要請を受け入れたことについて「危険で
理解し難い」と批判した。「十分な準備がないまま会談に臨み、北朝鮮側
の要求を独断で受け入れてしまう恐れがある」と警鐘を鳴らした。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「トランプ大統領との会談
にこぎつけたことは金委員長の勝利だ」と皮肉っている。さらに同紙は
「金氏が核放棄に関する交渉に応じるかどうか、米国も国際社会も懐疑的
であり続けるべきだろう。

金氏の父、祖父も時間稼ぎのために協議に応じ、水面下で核開発プログラ
ムを推し進めてきた。協議に応じる見返りを手にしておきながら、すべて
の合意を破り続けてきた。」と看破した。

確かにトランプが問題なのは過去2回にわたる北朝鮮の約束が全て空約束
に終わった事すら勉強していないことなのだ。1994年の核開発凍結の約束
は、核開発継続に終わった。

2005年の6か国協議における核放棄の共同声明は、翌年の核実験で反故に
なった。北朝鮮はその民族的特性が外交でペテンにかけるところにあるこ
とが分かっていない。

トランプはいまや恒例と化した北のやり口をすこしは学ぶべきだ。そのや
り口とはまず核やミサイル開発で進展を見せ、国際社会の脅威と関心を呼
び、その後は韓国でハト派の政権が誕生するのを待ち、外交手段に切り替
え援助を得るというやり口だ。

とりわけ重要なのは既にトランプが引っかかっている「非核化の罠」をど
うするかだ。非核化と言っても日本にしてみればICBMの実験中止などで
“お茶を濁され”てはたまらない。

日本にとっての非核化とは北の核弾頭がゼロになり、製造もしないことを
意味する。まかり間違えばトランプはその日本の立場を飛び越えてICBMと
核実験の停止で妥協しかねないのだ。そのトランプの極東における核問題
の浅薄さを補うのが、安倍の4月訪米だ。ここでトランプをいかに説得す
るかが極めて重要なポイントとなる。韓国の“伝言”だけに乗っているトラ
ンプをいかに目覚めさせるかが安倍の役割だ。


2018年03月16日

◆小姑、魑魅魍魎が永田町を跋扈

杉浦 正章

「いいね」で証人喚問とは恐れ入る

『共産党宣言』の有名な冒頭の一節は「ヨーロッパに幽霊が出る− 共産
主義という幽霊である。」だが、さしずめ永田町でうごめいているのは、
魑魅魍魎だろう。

政権のあらを探して食らう魑魅魍魎だ。しかし今のところ本格的な魑魅魍
魎は出てきておらず、2線級ばかりだ。この二線級魑魅魍魎は、首相・安
倍晋三の足を引っ張ろうとしているが、決め手に欠けて空理空論ばかりだ。

魑魅魍魎の筆頭に立憲民主党幹部の辻元清美をまず挙げる。辻元はなんと
安倍昭恵の「いいね」に噛みついた。昭恵のフェイスブックに掲載された
「野党のバカげた質問」などの投稿に、昭恵が「いいね!」ボタンが押し
たことについて、辻元は14日、「もう感覚が理解できない。

なぜ『いいね!』を押したかも証人喚問に来ていただいて、お聞きした
い」だそうだ。「いいね」を押したら証人喚問とは恐れ入った。昭恵の
「いいね」は多くの人が共感を持つものであり、憲法に保障された表現の
自由の最たるものである。

「いいね」で証人喚問という発想は、戦前の軍部の発想に似ていて、女の
くせに強権的で鼻持ちがならない特権意識を感じる。審議拒否で1日3億
円もの国費を無駄遣いしてきた野党こそ、とっとと出て来るべきだった。

これまた魑魅魍魎の筆頭が元首相小泉純一郎。安倍といえば自分の内閣を
支えた中心人物の一人であるにもかかわらず、引っ張れるだけ足を引っ
張っている。文書改竄当時に財務省理財局長だった佐川宣寿の国税庁長官
起用に関し「国税庁長官になって記者会見を一度もしていない。

ひどいなあと思っていた」と述べた。その上で「安倍首相も麻生氏も長官
への起用を適材適所と言い切った。これにはあきれたね。判断力がおかし
くなったのではないか。どうしてああゆう答弁ができるのか不思議だ」と
発言したのだ。この発言は後講釈もいいところだ。

起用時には誰一人として佐川が改竄するとは予測をしていない時点の人事
であり、分かっていれば起用するわけがない。大体首相がごみ人事に口を
突っ込むわけがない。小泉純一郎はどうも狭量な小姑根性が鼻につく。

小姑が嫁いびりするたとえに「小姑一人は鬼千匹に向かう」がある。たっ
た1人でも鬼千匹に値するほど、めんどうで扱いにくい存在を指すが、首
相まで務めた者が狭量の極みである。

 なんと自民党総務のくせして組織のトップである安倍の足を引っ張る発
言を繰り返しているのが村上誠一郎。かつて竹下登がリクルート問題など
で政局混乱の責任を取って予算案の衆院通過時に退陣表明したことに言及
して「そろそろ大所高所の判断をすべき時期に来ているのではないか」と
露骨に退陣を要求した。

大男総身に知恵が回りかねとはいわないが、これが自民党議員の発言とは
恐れ入る。週刊誌レベルの情報を元に発言しているように見えて浅薄さは
極まりない。安倍が国会答弁で「書き換え前の文書を見ても私や妻が関
わっていない事は明らかだ」と述べている通り、この事件に「首相の犯
罪」の側面はゼロだ。

書き換えは国会対応を担当する理財局の一部の職員が行ったものであり、
そもそも首相が大臣や次官を差し置いて職員に直接命令を下すなどという
ことがあるわけがない。民放の馬鹿番組ばかりを見ているからこういう発
想が出る。事件の本質はごますり官僚が自らの出世を意識して、“忖度”
したところにあり、責任は間の抜けた忖度をした方にあるのだ。いずれの
砲弾も“本丸”にとどくまえにお堀に落ちて、鯉をあきれさせているだけだ。


2018年03月13日

◆国会は、不毛の森友問題に拘泥しているときか

                             杉浦 正章


緊迫の極東情勢に目を移せ

朝日は倒閣マニアと化した

問題は政府・自民党の封じ込め戦略がどこまで通用するかだ。封じ込め戦略とは森友学園への国有地売却の決裁文書が置き換えられていた事件を、財務省理財局内の不祥事にとどめられるかどうかだ。封じ込めに失敗すれば政権を直撃する「政局」マターだが、カギを握るのは、センセーショナリズムの極致を行く朝日新聞とこれに扇動される野党などではなく、自民党内の動向だ。


これまでのところ党内の空気は落ち着いており、事件を契機に政権に揺さぶりをかける動きには発展していない。様子見という状況であり、当分腹の探り合いが続くだろう。
 

揺さぶりをかける方法があるとすれば、野党は財務省トップである麻生太郎の辞任をまず求め、ついで麻生に責任を取らせ、安倍へと波及させるしか手はない。しかし、政権側は先手を打った。国税庁長官佐川宣寿の辞任と懲戒処分によるトカゲの尻尾切りである。麻生は「あくまで理財局内での一部の職員によって行われた。その最終責任者は当時の理財局の佐川局長である。私の進退は考えていない」と突っぱねた。
 

問題はこれによって事態が収束に向かうかどうかであるが、朝日の13日付け紙面作りを見れば、ますます煽りの姿勢を強めている。安倍にとって最悪の事態は麻生の辞任であるが、これは国会における与野党攻防の力関係が決める。野党は総選挙の大敗北で勢いに今ひとつかけるが、問題は与党内に反乱が起きるかどうかだ。自民党内はいまのところ筆頭副幹事長小泉進次郎がキャンキャン吠えているにとどまっている。


しかもその発言は「自民党は官僚に責任を押しつけるような政党ではない。その姿を見せる必要がある」と婉曲的に政治家の責任を求めている段階だ。一方、党内野党の元幹事長石破茂も「だんだん、つじつまがあわなくなってきたのかもしれない。なんでこんなことになるのか。仮に事実だとすれば、誰がどんな思惑でこんなことになったのかなということだ。与党側として、仮に不正な、少なくても法に照らして適正でない問題をかばっていると思われたら、自民党の名誉に関わることだ」と突き放し始めた。
 

しかし、これら潜在的反安倍勢力の弱点は、安倍に対抗しうる候補が存在しないことだ。まず政調会長岸田文雄は、まだ海のものとも山のものともつかない。安倍からの禅譲狙いしか戦略の決め手がないように見える。ここは“待ち”の姿勢が正しい。石破もその派閥勢力が20人では、立候補するのが精一杯であり、安倍支持勢力には及びもつかない。安倍支持は出身の細田派に加えて、麻生派、二階派だけで所属国会議員の半数を上回る。この3派の結束は今のところ固く、幹事長二階俊博も「安倍さんへの支持は微動だにしていない。野党のいうがままに総辞職することなどない」と発言している。
 

安倍と麻生の盟友関係は固いうえに、麻生を辞めさせれば、防波堤が除去され野党はかさにかかって安倍攻撃に戦略を移行させる。ここは安倍も麻生も布団をかぶって降りかかる火の粉を避けつつ、駆け抜けるるしかない。一方公明党も麻生の進退に関しては慎重だ。公明党代表・山口那津男は麻生の進退について「求められるのは財務省の態勢を建て直す責任をしっかり果たすこと」と、選択肢から除外している。

 そもそも決裁文書の書き換えはけしからんと鬼の首でも取ったように朝日は書き立てるが、焦点は国会への開示文書では「特例的な内容となる」「本件の特殊性」という文言が、なくなっていたことにある。しかしこの部分はあくまで主要部分の書き換えではなく、付随した部分に過ぎない。朝日や野党はこのような重箱の隅をつつくような問題ばかりをクローズアップさせて、重大事件扱いし、何が何でも安倍政権を倒閣に追い込むという姿勢が鼻につく。朝日は13日の紙面は1面から4面まで倒閣路線を貫いている。もはや倒閣マニアのレベルだ。

TBSなど民放も明らかに放送法に規定される「中立な報道」を逸脱した報道が目立つ。そこには、マスメディアにあってはならない平衡の感覚の欠如が著しく存在する。おりから極東情勢は激動含みで推移しており、米朝対話も日本抜きで進みかねない。いまこそ外交安保が喫緊の課題であるにもかかわらず、朝日と民放と野党の浅ましいばかりの挙げ足取りはいいかげんにせよと言いたい。