2013年11月12日

◆マスコミ・野党の「虚報の連鎖」拡大

杉浦 正章



秘密法は警職法の二の舞になりかねない
 

首相・安倍晋三の祖父である岸信介が国会に提出した警察官職務遂行法案(警職法)が、梶山季之のまき散らした“虚報”で廃案に追い込まれたのは知る人ぞ知る史実だ。いま一部マスコミによるその“虚報”合戦が佳境に達している。デパートやホテルどころではない“虚偽表示”のオンパレードだ。


共産党はしめたとばかりにこれを活用、民主党など野党も踊らされ、与党側がたじたじになっている。問題の本質をつかんでいない担当相・森雅子はうろたえた答弁ばかり繰り返し、暗愚の見本小池百合子が首相動静にまで難癖をつけて“敵”を多くしてしまっている。態勢を立て直さないと法案の成立がおぼつかなくなる。


そうなればせっかく成立へと動いている国家安全保障会議設置法案(NSC法案)が片肺状態となり、集団的自衛権容認に向けての安倍の国際公約も崩れかねない。


半世紀マスコミに籍を置いてその動向をウオッチしてきたが、そのマスコミがこれほど悪質な風評源化するとは思ってもいなかった。


10月28日に「米国の情報を守るために日本国民を罪に問う」などと書いた朝日の風評源化に警鐘を鳴らしたが、これがきっかけとなって新聞やテレビに“虚報とねつ造”の連鎖が生じている。冒頭述べた警職法のケースとそっくりだ。


警職法は58年に岸内閣が提出したものだが、梶山が匿名で週刊誌「明星」に書いた記事がきっかけでつぶれた。


梶山が書いた「また怖くなる警察官ーデートも出来なくなる」が一人歩きして、当時の社会党委員長鈴木茂三郎が国会で「これが成立したらデートも出来なくなる」などと発言して感情的な反対論を煽り、廃案に追い込んだのは有名だ。当時自民党幹事長だった田中角栄が明星編集部に抗議に行ったほどであったが、完敗した。


今回も、もっともひどい例として挙げると、一番道民に信頼されている北海道新聞のコラムだ。


防衛省が沖縄県名護市の辺野古の海岸にウミガメが上陸した形跡やジュゴン生息の形跡を調査で確認していながら、公表を控えていたことと無理矢理関連づけて「特定秘密保護法案なるものが、もしも成立すれば、ジュゴンの“お食事”もウミガメの“お産”も、国家機密として闇に葬られかねない」とやったのだ。


読者は法案の詳細までは知らないから、「国家機密ではたいへんだ」とばかりに反対に回る。朝日が「サラリーマンが飲み屋での話で逮捕される」とねつ造話を報じたのと同じ“手法”による風評伝達だ。


さすがにネットでは「こんな落書きを金とって売ってるんか、北海道新聞は」とか「北海道新聞の読者層は、その程度の知能レベルということ?」といった批判が続出している。いまやネットがマスコミを戒めてバランスを取るという状況となった。


北海道の「常識的」な一般紙ですらこの調子だから民放に至ってははちゃめちゃの風評源化している。その筆頭が田原総一郎だ。「国会議員が法案がおかしいと反対すると懲役5年」「オフレコで聞いた話を『総務省筋によると』と書くと共謀罪」と言いたい放題。


愚昧にも自分が多くの首相を退陣に追い込んだと思い込んでいる田原は「総理を辞めさせると教唆扇動でつかまる」とも言いふらす。


この程度のキャスターたちが集まって11日には反対声明を発表したが、衆愚を作る衆愚の情報源が何をやっても問題はない。無視すればいい。しかし共産党など政党がこれを活用しようとしているから事態は深刻だ。


共産党機関誌・赤旗はこうした風潮を嬉々としてコラムで取り上げた。「懲りないというべきか、岸首相の孫の安倍首相が持ち出してきた秘密保護法案にも反対世論が高まっています。週刊『女性自身』は『放射線量をママ友と調べただけで懲役!?』と書いた」と“虚偽表示”を奨励。


「『政府保護法案』であり『国民監視法案』(琉球新報)など、的を射た新聞の批判も」と、風評報道をおだて上げる始末。


「秘密保護法をめぐり緊迫した国会。阻止するためには、危険極まりない内容を急速に知らせ広げることがカギです」と扇動して、「本紙の特集記事をもとにしたパンフレット『国民の目・耳・口ふさぐ これが秘密保護法』も発行されました」とプロパガンダに余念がない。


まさにキャッチフレーズで「虚偽表示を急速に広げる」作戦に出て、風評紙、風評テレビと「虚報の連鎖」を生じさせようとしているのだ。


朝日の世論調査で42%が反対と報じているが、散々煽ったうえに誘導的設問で行った調査なら当然この程度の数字は出る。むしろ賛成が30%も出たことが不思議なぐらいだ。NHKの調査は逆に法案が「必要だ」が25%、「必要でない」が16%である。安倍内閣の支持率は60%で2ポイント上がっている。


これに対してはなはだ頼りないのが政府・与党だ。森は問題の核心をつかんでいない答弁を繰り返し、報道機関への家宅捜査を否定したが、法相・谷垣禎一は家宅捜査に含みを持たせるなどちぐはぐさを浮き彫りにしている。


幹事長・石破茂は早くも修正論の妥協で野党を引き込もうと懸命だが、野党はそっぽを向いている。自民党特命副幹事長の中谷元がもっぱらテレビに露出している。その発言は聞く人が聞けばもっともな内容であるが、説得力が足りない。紳士的すぎるのだ。


相手は風評源であり、デタラメな主張で国民をだまそうとしている言いっ放しの確信犯だ。これを切り崩すには機知と知略に富んだ「ワンフレーズ」が肝心なのだが、それに全く欠けている。それが出来るのは石破か、副総裁・高村正彦だが、なぜかおとなしい。


高村は全く秘密法案で目立つ発言をしていない。なぜか官邸の意気込みばかりが目立ち、党はクールで、ここでも“官高党低”が目立つ。


今まさに「目には目を歯には歯を」の態勢を作らなければ、野党と一部マスコミに蹂躙(じゅうりん)されたままとなる。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年11月08日

◆「炎上釣り師」山本太郎の狡猾さ

杉浦 正章



選んだ都民の民度を疑う


ウエブのサイトで不祥事などをきっかけに爆発的に賛否の議論を巻き起こすことを「炎上」と言うが、そのきっかけを作ることを「釣り」と言う。あちこちでサイトを炎上させる者は「釣り師」だ。参院議員・山本太郎はその「釣り師のポリティック」に出たのだ。従って論議が燃え上がれば燃え上がるほどありがたいのだ。


一見神妙な顔をしながらも本人は、しめしめと思っているに違いない。なぜならタレントであるからだ。タレントはテレビに出てなんぼの世界に生きている。もともと賛否両論が出るのは百も承知だ。賛否両論で燃え上がれば燃え上がるほど、非難が増えるが、一方で相対的に支持者も増える。そこが狙いだ。
 

案の定ウエブではノーテンキな都民の婆さんたちが「可哀想」などと、馬鹿な感情論を展開している。物事の真偽を見分けられなくなった婆さんたちは、天皇に直訴することが大それた事などとは理解できず「原発反対の山本さんがいじめられている」としか映らないようだ。


昔社会党系都知事の美濃部亮吉が失政をして、自民党などから叩かれる度に「美濃部さんお可哀想に」と同情した婆さんたちを思い出す。理屈ではなく感情で物事を判断するのだ。問題の根源はこうした政治家を選出する選挙民の側にある。


都民ほどガバナビリティ(被統治能力)に欠ける選挙民は日本広しといえどもいない。尖閣買い取りを主張するような石原慎太郎を選んで、国を危うくしたり、猪瀬直樹を選んで危うくオリンピックを逃しそうにしたり。今度は原発反対を唱えるだけのタレントを選んでこの始末だ。民度が低すぎるのだ。


読売川柳に「山本見て猪木見て参院見る」という傑作が載っていたが物事の本質を突いている。作者は山本と国会に無断で北朝鮮を訪問したアントニオ猪木を暗愚の見本として眺めている。そして参院を見て、この体たらくで参院が必要だろうかとあきれているのだ。実にうまい川柳だ。


逆に朝日は「不敬だと騒げば疼(うず)く脛(すね)の傷」という川柳を選んで、選者が「例えば主権回復式典」とコメントしている。なぜ主権回復式典かと言えば、同紙の論調が「山本が天皇の政治利用なら、主権回復式典で安倍政権が天皇の臨席を仰いだのも政治利用」という流れになっているからだ。


これを見てつくづく思うのが朝日の編集方針の全体主義的傾向だ。原発反対であれば、タレント議員が天皇に直訴しようと何をしようと非難しない。支持したがる。そして川柳に至るまでその方針を徹底する。

選者は上の方針を察知して、そのお眼鏡にかなうような川柳を選んで、吾が身の保全を図るのだ。その徹底ぶりは「ご立派」というしかない。


山本の卑怯未練な人格を浮かび上がらせたのが、事件拡大をマスコミのせいにしようとしていることだ。「マスコミが騒いだから、政治利用にされた」と発言しているが、テレビカメラが写してることを確認して手紙を渡しておきながら、よく言えたものだ。


この山本事件で、もたもたしているのが安倍政権だ。当初は幹事長・石破茂が 「テレビや新聞で大きく取り上げられることによって、存在感を大きくしようと思ったのではないか。天皇の政治利用と言われても仕方がない」と息巻けば、文科相・下村博文が「議員辞職ものだ。政治利用そのものだ」と批判。


しかしその後はなにやらぱっとしない。下村に至っては山本を、明治天皇に直訴した田中正造に例え「田中正造が直訴して大問題になったことに匹敵する」と批判してしまった。


足尾鉱毒事件で自ら議員辞職した上で天皇に直訴した田中正造はむしろその動機といい、心情といい英雄的行為であった。もとより売名タレントなどと比較すべきものでもない。党内などから批判が出ると「立派な田中正造に申し訳ない」と記者会見で謝った。


参院自民党も7日山本を参院議長による厳重注意と、皇室行事への出席を自粛させる方針をいったん固めたが、事前に方針が漏れたことを理由に、決着を8日に延期した。とにかく騒がれれば騒がれるだけその本能が快感を感ずるタレント議員を、都民が選んでしまった“祟り”は続く。「炎上釣り師」は今度は何をやって目立とうとするのだろうか。


◎読売は今頃後追いか


読売が「集団的自衛権の見直しを先送り」とまるで特ダネでもあるかのようにトップで報じているが、まだ書いてなかったのか。既に9月の段階で政府・与党の方針は先送りで一致しており、新聞報道もこの方向であった。


筆者も9月25日の解説で「安倍が集団自衛権導入を来春に先送り」と書いている。読売も解説や特集では書いているではないか。いまさら記事を大展開させる話だろうか。


9月の時点では、まず幹事長・石破茂が集団的自衛権の前提となる国家安全保障基本法案について、国会提出が来年の通常国会以降になるとの見通しを示した。「公明党の理解もなしに、秋の臨時国会に法案を出せるという話にはならないだろう」と述べたのだ。


さらに集団的自衛権の行使容認に向けた公明党との協議について、協議開始は大綱策定後の来年になるとの見方を示した。これと口裏を合わせるように安倍も9月22日のテレビで、憲法解釈変更の結論を年内に出すかと問われ、「いつまでにということではなく、議論がまとまるのを見守りたい」と述べている。


先延ばしは既定路線であり、物事はそれを前提に動いている。いずれにしても、いまさらびっくりさせるような話ではない。
【筆者より】小旅行のため月曜は休載します。12日に再開します。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年11月07日

◆テロ続発が習近平体制を揺さぶる

杉浦 正章



「経済限界」背景に9日から正念場の3中総会


10.28天安門テロに次ぐ山西省の共産党ビル前の爆破テロが意味するものは何か。首謀者が意図するかしないかは別として、紛れもなく9日からの中国共産党中央委員会第3回総会(3中総会)に向けて、同党1党独裁体制の脇腹にドスを突きつけたものとなった。


中国の高度成長路線維持の限界が民衆の不満暴発制御への限界をもたらし、今月15日には総書記就任1年となる習近平体制を揺るがしかねない構図を露呈しているのだ。


トウ小平以来の改革路線が「危険な領域に到達した」と習自らが認めるように、3中総会は社会不安の原因である政治・経済の歪み是正に展望を開けるかどうかの正念場となる。


共産党の苦情受け付け窓口である「信訪局」の前で発生したテロ事件は、皮肉にもおりから汚職摘発で共産党規律検査委員会が山西省入りしている最中のことであった。石炭の産地である山西省の経済は、大きな壁に突き当たった高度成長経済路線をそのまま象徴している。


中国では石炭資源は国家の財産であり、開発は民間業者に委ねる。そこに賄賂の構図が成り立つ。日本でも高度成長期の初期は1948年の炭鉱国管疑獄などエネルギー源の石炭をめぐる汚職事件が絶えなかったが、山西省も酷似している。汚職で採掘権を確保するしか手段がないのだ。


しかし高度成長経済は12年にGDP8%を割り込み、危険水域の7%で推移し始めた。石炭は余り、閉山が相次ぎ失業者は街にあふれた。不満の目は共産党政権に向けられるようになった。そしてテロとなって暴発したのだ。


それにつけても中国における最近の暴動、テロは異常である。目立つものだけを挙げても、6月には福建省で高速バスが炎上して80人が死傷。7月には北京国際空港で手製爆弾の爆発。10月の天安門テロ。そして今回のテロである。


全国各地のテロや暴動は、03年の6万件から11年で18万件と3倍増。民衆の抗議行動は一年間で9万件を超える状況が続いている。国家の治安維持予算は11兆2000億円で、国防費の11兆1100億円を突破している。要するに疑似内乱状態と言っても過言でない状況となっているのだ。


これを前国家主席・胡錦濤の時代は、国民や民族の間でバランスのとれた社会、「和諧社会」をスローガンに掲げ、国内融和政策を進めてきたが、習近平政権が誕生すると、事態は一転した。


思想の引き締めが行われ、力による抑圧の時代に移った。外交安保では尖閣問題に象徴される軍事攻勢、内政では抑圧政治へと移行したのだ。視点を逆にすればそれだけ共産党政権が追い詰められてきていることを物語っている。


最近習近平政権が全国に通達した禁止令は(1)共産党政権の社会的基礎を瓦解させること(2)共産党のメディア管理体制に挑戦すること、など露骨に共産党1党独裁への挑戦を抑圧している。加えて「西側の普遍的な価値観を宣伝することの禁止」まで含めている。


共産党の1党支配体制に対する批判は一切許容しない姿勢である。天安門テロでウイグル自治区への力での抑圧の動きに出ていることもその実践であろう。


しかし、テロの頻発はこの習近平強硬路線の限界を示すものに他ならない。まるで20年に渡る高度成長一点張りの不摂生がたたるかのように、体のあちこちから病気が噴出し始めたのだ。高度成長によるテレビ、ネットの普及で一般大衆は、その高度成長路線の歪みをすぐに分かるようになった。


まず貧富の格差が目につく。中国は金持ちが日本人のようにその露出を嫌うのでなく、まるで成金趣味の如く大衆に見せびらかす傾向がある。ますます一般大衆は格差を実感する。役人の腐敗は清朝末期のごとく底知れぬものを見せており、これに加えて環境問題、少数民族問題など社会の矛盾は枚挙にいとまがない。


まさに3中総会はこうした課題を習近平体制に突きつけるものとなった。中央委員会は、党員約8500万人を代表する高級幹部ら約370人で構成される。


トウ小平の指導下、1978年末の第11期3中総会では歴史的な改革・開放政策への転換が打ち出された。それから35年、習近平は1回目と2回目の総会では、人事を固め体制を築いた。


今回の3回目は、中長期的な政策を示すことになり、トウ小平路線をいかに時代にマッチした経済路線に修正、軟着陸させるかが問われる。習近平にとってはまさに正念場の会議である。


習にとって力による封じ込めは一番安易な選択肢であるが、力で一時的にごまかしても結局は中国経済の限界を打破するわけには行かない。


改革案は独占業界改革、土地制度改革、行政管理制度改革、金融システム改革など複雑多岐にわたるが、焦点は簡単だ。国民の不満をいかに吸収できる政策を打ち出せるかどうかにかかっているのであり、3中総会で“対症療法”を打ち出しても、すぐに馬脚は現れる。


不満を外に向けるため尖閣などで強硬路線を選択すれば、日米中心の国際包囲網は、強化されこそすれ弱まることはない。就任1年目の習近平は抜き差しならぬ立場に置かれているのが実態であろう。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年11月06日

◆度し難い朴槿恵の“言いつけ”外交

杉浦 正章



なぜ首脳会談で直接言わない
 

じわじわと韓国大統領・朴槿恵の方が追い詰められ始めたのが、日韓関係の現状と言えそうだ。そのきっかけは10月初めの日米外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)だ。


韓国の予想に反して、共同声明で集団的自衛権の行使を歓迎する方針を打ち出したことに「韓国政府ががくぜんとした」(官邸筋)のだという。韓国内はまるで自衛隊が朝鮮半島に上陸するとばかりに大騒ぎ。


朴は日本に真意を質さず米国に人を派遣して、「韓国政府の意見が反映されるべきだ」と申し入れたが、共同声明は重い。安倍の来春の憲法解釈変更決定を受けて夏にもまとまる日米防衛協力の指針(ガイドライン)には盛り込まれる方向だ。


集団的自衛権の行使に反対するのは朝日新聞と共産党だけかと思っていたら、韓国で火の手が上がっている。反日メディアを中心に「朝鮮半島有事に米軍を助けるために自衛隊が上陸してくる」とか「集団的自衛権の行使を理由に日本が独党(竹島)を奪いに来る」など相変わらずの曲解と被虐思考の報道で湧いている。


自分の国が米韓相互防衛条約を結んで、集団的自衛権そのものを享受していることなどとんと忘れてしまったか、知識がない様相だ。少しまともな論調は「公海上で北から米艦を目がけて飛来したミサイルに、日本が撃ち返すと、韓国が全然考えていないところで戦争に突入してしまう」というものだが、これも被害者意識に満ちあふれている。


米艦が攻撃されれば日本が防御しようがしまいが、戦争突入であり、日本のせいにしてはいけない。そもそも朝鮮半島有事は過去に日本が予期しないところで勃発したし、今後も予期せずに起こり得る。


迷惑なのは日本の方だからだ。「極東の秩序の変更になる」というもっともらしい反対論もあるが、尖閣への公船の侵入を繰り返し、秩序を破壊しているのは中国である。こうした見当外れのマスコミの論議に踊らされ、常に右往左往するのが韓国政府だ。


「2+2」に対抗するかのように朴槿恵は大統領府国家安保室長・金章洙(キムジャンス)・を米国に派遣、国務長官・ケリーや国防長官・ヘーゲルらと会談させた。


金は、日本の集団的自衛権の行使に関し、「日本の国民が選択する問題」としながらも「拡大解釈され、半島や韓国の主権に関する問題まで及んではならない。その行使では韓国政府の意見が反映されるべきだ」と指摘、ガイドラインでの言及に慎重な対応を求めている。


この韓国政府の対応の基本的な間違いは、問題が日本政府の憲法解釈変更なのであり、その理由は日本に人を派遣して、内政干渉にならないように丁重に聞くべきものであろう。


日本の主権の核心である集団的自衛権の行使を、いちいち韓国に相談していたら同自衛権そのものが成り立たないのだ。それを米国に人を派遣して、日本の悪口を言うかのような態度を取るのはどうみてもおかしい。


いくら何でも歴代大統領はこのような対応は取らなかった。ところが朴槿恵は、まるで女学生が他の生徒の悪口を先生に言いつけるかのようである。きっとそうして育ったに違いない。5月の訪米では大統領・オバマに「地域の平和のためには、日本が正しい歴史認識を持たなければならない」と直訴。


9月30日には国防長官ヘーゲルに「歴史に逆行する発言をする日本の指導者のせいで信頼を築けない」。最近ではヨーロッパ向けにも“言いつけ”が佳境に達している。


今月に入って仏フィガロ紙にとのインタビューで「我々は未来志向的な関係を発展させたいが、一部の日本の政治家らが過去の歴史問題に関し、不適切な言行を続けている」と安倍を“刺し”た。続けて英BBCとのインタビューでは、「元慰安婦などの問題が解決しない状態では、首脳会談はしない方がましだ」と陰口をたたいた。


さすがに日本政府も執拗なばかりの“言いつけ”外交にかちんときたか、外相・岸田文男が「慰安婦問題でのわが国の立場、努力はこれまでも丁寧に説明してきた。現時点で懸念が表明されたのは大変残念だ」と不快感を示すに至った。


集団的自衛権の問題も宣伝戦の様相を呈しており、安倍がASEAN首脳会議などの機会を捉えて、中国や韓国からの批判の封じ込めを展開している。官房長官・菅義偉も集団的自衛権の問題について「フィリピン、ベトナムをはじめとするASEAN諸国や米国、英国、オーストラリア、カナダなど欧米各国から歓迎、支持が表明されている。


引き続き近隣国を含む関係国に丁寧に説明していきたい」と国際社会の理解を得られつつあるとの認識を強調するに至っている。国連憲章に明記されている権利を行使するだけのことであり、韓国の批判は“上滑り”するものに他ならない。


このところ安倍は靖国参拝を控え、歴史認識での発言を控え、首脳会談にはいつでも応ずるとの発言を繰り返しており、朴槿恵の“言いつけ”外交の異様さだけが目立っている。度し難いのは外交の場では相手国に直接言うべきことを他国に向けて言いふらすことほど、軽蔑されることはないことが分かっていないことだ。


その狙いは50%を超える支持率維持にあるとしか思えない。反日をあおり立てることで支持率を維持するという“邪道”を歩む大統領を相手にしては、安倍が本気で首脳得会談を目指す構えにないのもうなずける。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年11月05日

◆秘密法案が露呈した“革新弱体化”

杉浦 正章



安倍は迷わず中央突破し早期成立を図れ


特定秘密保護法案をめぐって保革が激突の様相を呈し始めた。その対立構図はまるで60年安保の時のような先鋭化の色彩を示している。


しかし安保の時とは決定的な差が見られる。安保は保革それぞれに大局観と理論武装を伴った政治勢力の激突であり、革新勢力は現在より圧倒的に質量共に上回っていた。院外勢力も学生運動を軸に盛りあがった。


しかし現在の革新側の中核は超弱小政党である共産、社民両党と新聞の使命を忘れた朝日新聞であり、その主張は何よりも見当違いであるうえに大局観に欠ける。この程度の“革新”に破れるようでは自公政権もだらしのないことこの上ない。


首相・安倍晋三は最終的には臨時国会で迷わず中央突破して国の安全確保の礎を築くべきである。


まず重要なポイントは何かと言えば、重箱の隅を突っつく論議ばかりが国会でもマスコミでも展開されており、事の本質を見失っていることであろう。なぜ日本版NSC法案と秘密保護法案が一体となって俎上に上がったかの根源を全く忘れている。危機はそこまで来ていたのにもう忘れたかと言いたい。


中国国家主席・習近平が「尖閣は確信的利益」と唱え、軍事圧力を強めれば、北朝鮮は日本の都市を名指しで核ミサイル攻撃するとどう喝する。そんな国々が近隣に存在するにもかかわらず、革新側はキャッチフレーズと“風評”で国民的運動につなげようと必死だ。


共産党が「秘密保護法は国民に隠して日本を戦争が出来る国にする法案であり、絶対反対する」と主張すれば、社民党は「日米軍事一体化が進む中で、我が国を情報統制、軍事機密国家にする法案」と訴える。まるで「安保条約反対闘争の位牌」の裏からはたきをかけて、半世紀前の言葉を取り出したかのような主張を繰り返している。


朝日は先に書いたように事態の“風評化”を目指して、その勢いはとどまることを知らない。ドイツ首相・メルケルへの盗聴事件が生ずれば社説で「盗聴国家の言いなりか」と決めつけ、「日本政府が盗聴事件の最中に米国情報の保護を優先し、日本社会の知る権利を削るならあまりに理不尽」と見当外れの安保度外視の社説を堂々と展開している。


ならば朝日新聞に問いたい。あえて「貴紙」と呼ぼう。「貴紙は盗聴がロシアや、中国や、北朝鮮ならば許容するのか」。言うまでもなく日本はスパイ天国であり、「米国情報を得るなら日本に行け」が諜報員の常識となっている状況をどう見るかだ。


そもそも、長年に渡って首相の携帯が盗聴されるようなドイツは間が抜けているのだ。アメリカですら盗聴しているのだから、ロシアや中国がそれを上回る諜報戦を試みていることは当然予想される。アメリカは「ばれた」だけなのである。


事々さように、食うか食われるかの諜報戦が世界中で展開されているのが現実であり、秘密保護法もない日本は諜報戦の“主戦場”となっているのだ。この諜報戦は国家が存続する限り展開され、これに敗れたものが実戦で敗れるというのが“弱肉強食”の現実なのだ。


朝日は「虚飾の事態」を創出して反対論を唱えるから、筆者はより現実的な事態を想定しよう。


例えば米国から“盗聴情報”の伝達があったとしよう。「中国軍が今夜尖閣諸島を占拠する方向で動き始めた。尖閣占拠の次は沖縄を占領する」という超機密情報だ。また「北朝鮮が3日後に核ミサイルを日本の東京、名古屋、大阪、福岡に向けて発射する準備を整えた。」とする情報も伝わった。


この国家の命運を左右する機密情報を、朝日は「盗聴情報だからけしからん」として、「政府が信用出来ないから公開して、国民的論議の場に付せよ」と主張するのだろうか。またこの機密を漏らした公務員を、国家が存続していればの話だが、懲役1年の刑で罰せよというのか。


それでも「米国の情報を優先しては国民の知る権利を削る」などとノーテンキな社説を唱えていられるのか。社説を書くものは「天から平和は降って来ない」という国の安全保障のイロハから勉強し直した方がよい。
とりわけ重要なポイントは、マスコミの取材、報道の自由に対する革新側の“被害妄想”とも言える主張である。


情報を入手する「正当な手段」とは何かをめぐって、あの西山太吉事件まで朝日は擁護するかのようである。インタビューをして言いたい放題言わせている。朝日は西山事件の最高裁の有罪判決をどう見ているのであろうか。「司法による弾圧」とでも言うのであろうか。沖縄返還密約の一部を暴いた西山は「英雄」なのか。


言うまでもなく最高裁で問われたのは「正当な手段」であったかどうかであり、秘書をたぶらかして情を通じ、その弱みにつけ込んで情報を入手した「手段」を「不当」として有罪としたのである。その暴いた密約を毎日新聞の紙面で報ずるのならまだ職業意識があるが、社会党の議員に渡して予算委員会で追及させるとはどういうことか。野党への情報提供も「英雄」であるのか。


総選挙や参院選挙前の安倍や幹事長・石破茂の発言をもう一度検証してみるべきだ。原発再稼働もテレビで公言しているし、NSC、秘密保持両法案の目標でもある集団的自衛権の行使も公約に掲げている。朝日も共産、社民両党もその主張は完敗したのであり、再び蒸し返すのは見当違いだ。


言うまでもなく日本は議院内閣制である。国民に付託されたからこそ自公政権がなり立っているのである。それもやろうとしていることは、国家の安全保障であり、普通の家の戸締まりである。これが信用出来ないなら、日本にいてもらわなくてもいい。


歴史上安保をないがしろにして、他国の蹂躙(じゅうりん)を受けた国に「報道と言論の自由」があったか。おみおつけで顔を洗って出直してこいと言いたい。


昔、佐藤栄作が戦後の保革対決で漏らした言葉がある。「社共と朝日の反対することを行えば、日本は繁栄する」。その通りだ。これは今も不変の定理として存在し続けている。

   <今朝のニュースより抜粋>  (政治評論家)

2013年11月01日

◆外交・経済好循環で安倍長期政権確実

杉浦 正章


歴代首相でも抜きん出た行動力


フォーブスランキングでロシア大統領・プーチンが1位となったが、世界第3位の経済大国の首相を見逃している。中国国家主席の習近平が3位などとは誰も思わない。同誌編集者は極東情勢の勉強が足りない。


掛け値なしで安倍晋三は高ランキングに立つべきである。指導者としての独自のひらめきがある久しぶりの首相だ。


奇想天外のアベノミクスの大当たりに加えて、積極的平和主義の「アベノディプロマシー」が好循環のハーモニーを醸しだし、デフレ脱却へと進んでいる。これが世界経済全体に好影響をもたらすことは言うまでもない。その行動力も歴代首相や世界の指導者と比較して抜きん出ている。


フォーブスはプーチンのシリア・イニシアチブだけにとらわれ、中国もその“領土の広さ”だけに目を奪われすぎて、安易な判断をしている。


まず極東の指導者を見る。安倍と相前後して政権をスタートさせた習近平と韓国大統領・朴槿恵と比較すれば、外交力にせよ、経済判断にせよ安倍が大きくリードしている。


ラストエンペラーという不名誉なニックネームがついた習は、10・28天安門テロでも対応を完全に見誤った。ウイグル自治区を力でねじ伏せようとしているが、事態はモグラ叩きとなるだけであり、必ず倍返しとなって将来政権を直撃するだろう。


その外交ぶりにはASEAN首脳会議でも冷たい空気がただよったと言われている。それはそうだろう。力で他国の領土・領海に進出しておいて、南シナ海を念頭においた友好条約を提唱しても、これを信ずる指導者がいるだろうか。


訪米でも、対日批判を繰り返したが、オバマに「まず中国側は、日本が米国の同盟国であることを認識する必要がある」と警告されて、事実上失敗した。


朴槿恵に至っては、訪米で日本の悪口を言いまくり、まるで長屋のおかみさんが隣近所に悪口を言って回るようなはしたなさを見せている。これ見よがしに中国に大接近しているが自国の安全保障は大丈夫か。一朝有事の際には中国は北朝鮮支持に回る。このままでは日本は邦人救出しかしない。


物心両面の日本の支援なしに、米国と組むだけで北の攻勢に対応できるのか。ニワトリのように目先だけしか読めず、反日だけが売り物の大統領はやがて国民から見放される。要するに習も朴もお坊ちゃまとお嬢ちゃまなのであり、政治・外交への判断力の独自性やひらめきに欠ける。


これに対して安倍はどうか。たしかに第1次安倍内閣はお坊ちゃま的であったが、第2次内閣は様変わりだ。臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の時を経て、自らの政治姿勢、内政、外交・安保政策に磨きをかけていたことが分かる。


これを一気に花咲かせようとして打ち出したアベノミクスが功を奏して、デフレ脱却への希望が見える状態となってきた。上場企業の利益はリーマンショック以来最高の状況となった。


休日返上の外交も大きな成果を生み始めた。「アベノディプロマシー」はアベノミクスと車の両輪で展開されている。その基本姿勢も単なる儀礼訪問などではなくて、政治理念に基づき、実利も重視している。


その狙いは紛れもなく国際世論を日本の味方につけ、中国包囲網を形成する点にある。同時に、日本のデフレ脱却達成への強い連動意識を感じさせるものである。


トルコとの原発輸出の成約成功と超難工事であった地下鉄建設の成功は、日本の技術力の高さを中韓両国にはからずも見せつけることになった。とりわけ原発受注競争で、中韓両国を退けたことは、重要なポイントだ。


原発事故はかえって日本の技術力への信頼を高めているのであって、神経質な汚染水論議などは「異質」なものだ。経済の振興なくして復興はあり得ないのだ。


朝日はさっそく1日付の社説で「後の責任が取れるのか」と原発輸出に噛みついているが、逆に問いたい。朝日は中国や韓国製の地震など念頭にない粗悪な原発が世界を席巻する責任を取れるのか。同紙は発想がどうも幼稚だ。


安倍は就任後、アラブ首長国連邦(UAE)と原子力協定を結び、サウジアラビアとは締結に向けた協議を開始。インドとの原子力協定に向けた交渉も再開させた。北欧諸国への売り込みにも精を出している。新幹線の売り込みにも前向きだ。


池田勇人はドゴールから「トランジスターのセールスマン」と言われたが、安倍は大型インフラのセールスマンだ。

この結果1〜9月の日本からのインフラ輸出の受注額は5兆400億円で、早くも昨年1年間の1・5倍に膨らんでいる。原発輸出をアベノミクスの推進力と位置づけ計100兆円超の大市場に世界の先頭を切って切り込んでいるのだ。オリンピックの東京招致成功も一連の積極外交のたまものに他ならない。


翻って歴代首相と比較すれば、ようやく一年交替の悪習から日本の政治が抜け出す流れとなってきたことを物語る。


フォーブス調に戦後の日本の首相にランキングをつければ1位が「吉田茂、岸信介、佐藤栄作、田中角栄」だ。2位が「大平正芳、中曽根康弘、竹下登、小泉純一郎」であろう。3位以下はおおむね1年交替のぼんくら首相である。安倍のランキングは紛れもなく1位のグループに入るものであろう。


一方で民主党の鳩山、菅両政権は戦後どころか憲政史上最悪の部類に入る。安倍がこのままデフレ脱却へと結びつければ、戦後の日本中興の祖となりうる。


元米国務省日本部長でジョンズ・ホプキンス大教授のラスト・デミングは既に5月の段階で安倍を「洗練された政治家であり、外交的にも難しい諸懸案にうまく対応している。


歴史認識でつまずかなければ、大宰相になる可能性がある」と絶賛している。その通りだ。馬鹿な歴史認識にこだわって中韓両国のプロパガンダに利用されてはならない。


今後の政局との関連づけで考えれば、安倍政権は12月26日で1年となるが、衆院選で300議席近く獲得、参院選でねじれを解消させた首相が、政権を降ろされることは予見しうる将来ありえない。大汚職が発生したり、過労や病気で倒れない限り、少なくとも2年後となるであろう総選挙までは継続すると見るのがまっとうな政局判断だ。


野党が安倍外交を国会軽視と批判しているが、もっと議席を減らしたいものとみえる。国民の支持がどこにあるかに気付かない。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月31日

◆テロは習の「ラストエンペラー」説

杉浦 正章



安倍は尖閣への“民衆扇動”に警戒を怠るな


10.28天安門テロが象徴するものは、紛れもない中国社会のブルネラビリティ(vulnerability=脆弱性)であろう。国家主席・習近平の力によるウイグル自治区押さえ込みが裏目に出て、共産党1党独裁の象徴である毛沢東の肖像画の前での自爆テロとなって現れたのだ。


しかしこの事件が中国の内政・外交に与える影響は甚大である。内政では習体制を揺るがすものであり、習が10年の任期をまっとうできない「ラストエンペラー」説を強めこそすれ弱めることはない。


問題はその習が国内の不満を外に向ける絶好の機会ととらえて、“尖閣カード”を切って軍事行動を起こすという禁じ手を使い得るということだ。内外の論調がこれを指摘するが、筆者はカードを切りきれないと見る。なぜなら日露戦争がロシア革命を誘発したように、尖閣戦争は中国の民主化革命に直結するからだ。


11月15日に総書記就任1周年を迎える習にとって、天安門テロはまさに痛打である。習は就任以来ウイグル族を力で押さえ込む政策を強行してきており、同地区ではかつての北アイルランド紛争以上の血で血を洗う紛争が続いている。


北アイルランド紛争はすぐにメディアが伝えたが、シルクロードの辺境の地で何が起きているかは当局が知らしめないし、知るよしもない。しかしウイグル族が毎月10人以上射殺されているという説が、まぎれもなく紛争状態に陥っていることを意味する。


共産党政権による漢民族との同化政策は、結果として漢民族によるウイグル族“搾取”の状態を形作っている。漢民族の資本が注入されれば漢民族だけが儲かり富を蓄積する構図だ。貧富の格差だけが目立つようになり、暴動の頻発を招いているのだ。


テロの詳細を見れば、夫婦と母親の3人が、6月26日の暴動で射殺された親族の恨みとばかりに、車を暴走させて漢族をはね飛ばし、自爆したという凄まじさだ。中東のように若者を使ったテロではなく、家族ぐるみのテロであることが事の深刻さと悲惨さを際立たせている。


中国の治安対策予算は国防予算を上回っており、いかに共産党政権が国内暴動で苦境に置かれているかを物語る。ブルネラビリティは、共産党の1党独裁がまさに過去の帝政時代並みに貧富の格差をもたらしている事から発生している。


わずか1%の家庭が4割あまりの資産を保有しており、東京の銀座通りで大声を出して闊歩し、ルイ・ヴィトンを買いあさる層を形成している。


この貧富の格差に、地域間の「東西格差」、都市部と農村部の「城郷格差」、国営企業と民間企業の「業種間格差」の4大格差が、高度成長と共にますます広がりを見せ、とどまる気配すらない。共産党幹部の汚職は常態化し、金持ちは海外へ資産を移し逃亡する準備にいとまがない。社会は疲弊の一途をたどっている。


米国のニューズウイーク誌がGDPが7%台で推移した場合、「2020年までに限って言えば、『衰退する大国』になるのはアメリカではなく、中国の方だ」と看破しているとおり、脆弱性は習近平の内外への高圧的な姿勢とは裏腹のものとなっている。


しかし中国には、無形の“資産”がある。それは長年に渡る「反日教育」という“資産”である。ネチズンの反応が、尖閣問題となるとすぐに炎上してとどまることを知らない状況に陥る。


共産党政権は昨年9月の反日暴動をネットを使って発生させ、その効果を試している。これをさらに大がかりに使い、対日戦争の世論を盛りあげるのはわけもないことである。


従って、首相・安倍晋三はこのカードを決して使わせてはならない。靖国参拝などと言うくだらない宗教儀式で国を誤ってはならない。石原慎太郎の主張するように灯台を建てたり、船だまりを造ったりしてはならない。


むしろ内部矛盾が露呈して“熟柿”が落ちるのを待つ時だ。この点安倍の中国包囲外交は大きな効果を上げつつあるのは、欣快(きんかい)の至りである。


安倍のすべきことは児戯に等しかった国の安保体制を、普通の国並みに強化することに尽きる。真の意味での日米安保体制を集団的自衛権の行使容認で確立して、習近平が尖閣カードを切ろうにも切れなくするのだ。


日米両国の軍事力から見れば、中国は「尖閣戦争」で勝利を収めることは出来ない。その抑止力で抑え込み続けるのだ。抑えが利かなくて習近平がカードを切って戦争を選択すれば、日本もそれなりの対応の仕方がある。日米同盟で戦争を勝利に導くと共に、中国に「倍返し」の民主化革命を巻き起こすのだ。


反政府勢力やウイグル、チベットなどに膨大な資金を提供して、北京に向けて蜂起を促す。日露戦争で、陸軍大佐・明石元二郎がレーニンと会談を重ね、資金を提供してロシア革命を成功に導いた史実もある。


レーニンは「日本の明石大佐には本当に感謝している。感謝状を出したいほどである。」と革命成立後に述べているが、戦時となれば、相手の懐深く忍び込んで工作を行うことなどはイロハのイであろう。10・28テロは床にガソリンがまかれていることを意味する。それに火をつけるだけだ。

この文章を愛読している中国の諜報員はすぐ本国に連絡すべきだ。習近平が「尖閣戦争」などやろうにもやれないことに気付くだろう。

    <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月30日

◆なりふり構わぬ「小泉劇場」の再開

杉浦 正章


亡国のセリフを口に主役の登場


「酔えば勤皇、覚めれば佐幕」と勤王の志士から茶化されたのが土佐藩主・山内容堂だ。自己顕示欲の強い殿様で自己顕示のためなら勤王だろうが佐幕だろうがイデオロギーなど眼中にない。


これに似て歌謡曲「侍ニッポン」の歌詞のように「昨日勤王、明日は佐幕」と決め込んでいるのが元首相・小泉純一郎だ。首相時代には原発推進の旗振り役であったにもかかわらず、今度は原発ゼロを主張して「昨日推進、明日はゼロよ」と臆面もない。その小泉が越えてはならない一線を越えた。


今や滅亡寸前の極左政党・社民党党首とまで会談したのだ。昨日の敵は今日の友。なりふり構わぬ自己顕示の「変人」の再登場だ。どうも日本の元首相がおかしい。いまや鳩山由紀夫と菅直人も参加して、「3大変人元首相連盟」を形成しつつあるかのようだ。


29日の会談は、党首就任早々で何か手柄を立てたいと焦った社民党党首・吉田忠智が持ちかけたものだ。小泉はこれに乗った。会談で小泉は「地震大国日本で、使用済み核燃料や高レベル廃棄物の最終処分場を作ることは国民の理解が得られない。原子力発電を続けていくことは無責任であり不可能だ」「政府に脱原発を決断させるには世論しかない。自分も主張を続けていく」とここ数か月の持論を展開。


もっとも、さすがに社民党ペースにはまることを恐れてか小泉は、脱原発に向けた連携を要請されたのに対し「それぞれの立場で各政党が脱原発に向けて努力すべきだ。自分も主張を続けていく。政府に脱原発に向けた政治決断を求めるには、世論に訴えるしかない。新党をつくる気は全くない」と一線を画した。


しかしいくらひまでも、全く党首の器でない事が露呈しつつあるみんなの党代表・渡辺喜美と4時間会談し、今度はろくろく名前も知られていなかった吉田と会談である。おまけに来月12日には日本記者クラブで記者会見まで予定している。何か魂胆があるとしか思えないが、それは何か。「小泉劇場」の再開である。


心理状態を分析するにまず自己顕示の“血が騒ぐ”のであろう。配下であった安倍晋三が華々しく首相を演じて、わが世の春を謳歌(おうか)している。


一方おのれの方は首相時代あれほどチヤホヤされたにもかかわらず、誰も見向きもしなくなった。どうしたらまた脚光を浴びられるか。それにはあの初めに言葉ありきしかないと思いついた。「自民党をぶっ壊す」方式だと思ったのだ。同じキャッチフレーズでまず「原発ゼロ」を唱えることを思いついたのだ。


そうすればマスコミが飛び付くと考えたのだ。日本がつぶれるとか、長年自分を支えてくれた自民党に迷惑が及ぶなどとは毛頭考えが及ばない。老人によくある老化性短絡発言症候群である。しかし、いまさら「昔の名前で出ています」と大年増にすり寄られても、国民は薄気味悪いばかりだ。


加えて政治への思惑がある。現在71歳。恩師である福田赳夫が首相になったのは72歳である。自分もまだまだやれると思っていることは間違いない。わざわざ「新党はない」と言うことは、逆に「新党への呼びかけ」でもある。


つまり社民党やみんなの党レベルでは駄目だが、これに民主党や自民党の一部が加わって「原発ゼロ政党」のお膳立てが出来あがり、「党首になって欲しい」と持ちかけられるのを期待しているに違いない。


さらに思惑は息子の進次カの将来にまで及ぶ。息子が首相候補となる10年先を自分なりに見通して、今からその下地を作っておこうという思惑である。乏しい科学知識の中で再生可能エネルギー万能の時代が到来すると考えたのだ。


進次カはいまは「父は父」としか言わないが、父親の発言直後の7日には、父親に理解を示してしまったのだ。


「日本ってやっぱり変わるときが来たかなと、誰もが思ったと思う。何か釈然としない気持ちが国民の間で、実は今はまだ景気が回復しそうだから黙っているけども、このままなし崩しにいって本当に良いのか、という声が私は脈々とある気がする」と同調した。


だが、この一連の小泉純一郎の判断はことごとく間違っている。なぜなら元首相ともあろう者が主張すべきでない「亡国の論理」であるからだ。


まず原発ゼロには朝日新聞を除いて大手全国紙は飛び付かない。読売は社説で「小泉元首相発言、「原発ゼロ」掲げる見識を疑う」と真っ向からたしなめた。既に原発ゼロの主張は総選挙と参院選挙で全く有権者に通じることなく、琵琶湖の婆さんが小沢にだまされて作った新党も完膚なきまでにぽしゃっている。原発ゼロ新党など成り立たない事が証明されているのだ。


小泉は元首相に配布される経済指標を読んでいないのか。貿易収支の赤字が15か月連続で、第2次石油危機時の14か月を超え、33年ぶりに最長記録を更新したのはなぜか。すべて全国の原子力発電所が停止し、代替する火力発電所向けの燃料輸入が急増したことにある。


原発停止による国富の流出は、2011〜13年度の3年間で総額9兆円にのぼる見通しだ。現在は年間3.8兆円の流出となっている。家庭の電気料金は30%上昇し、企業の生産拠点の海外移転が止まらない。電気料金が最も高い国が安倍の言う「世界で一番企業が活躍しやすい国」になることはない。アベノミクスそのものが原発ゼロでは破たんするのだ。


進次カも愚かな父親に引っ張られて誤判断すべきではない。まだ雑巾がけの段階であり、なるかどうかなどは全く未知数だが、将来首相候補になるころは多くの原発が稼働して、日本のエネルギー・ミックスの中核になっているころだ。原発ゼロどころか新技術の開発が進み、原発が新設される状況となるだろう。


自然エネルギー開発などは百年河清を待つに等しい。それにしても疝気筋とはよく言った。元首相たるもの筋道を違えないことを旨とすべきなのにしゃしゃり出る。アメリカの大統領でしゃしゃり出る者がいただろうか。


引退したら吉田茂のように、現役首相の相談に乗るくらいにとどめるのが首相だった者としての心得と知るべきだ。しょせんキャッチフレーズだけの“三文役者”には無理か。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月29日

◆安保政策大転換への幕開け

杉浦 正章



普通の国へNSC法案の審議入り


普通の国と異常な国を端的に分ければ、米、英、仏、独が普通の国。異常な国の筆頭は北朝鮮であり、中国であろう。その異常な国に取り囲まれている日本が普通の国になろうとしているだけなのに、あたかも全体主義への突破口であり、軍事国家への第一歩であるなどという議論が盛りあがっている。


戦後70年になろうとしているが、そろそろ国の安全保障が天から降ってくるような「思考停止の平和ぼけ」を改めるべき時だ。緊張の度を増している極東情勢を前にして、戸締まりをよくして、万一の時は警官を呼ぶ、普通の家庭のやることを国家がやるだけのことだ。


28日国会での審議が始まった外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(NSC)設置法案と、来月から審議入りする情報保全体制強化の特定秘密保護法案は普通の国への一歩を記すものであり、一国平和主義の平和ぼけ国家がやっと警戒心に目覚めたことを意味する。戦後の安保政策の大転換への幕開けとなるものである。

この大転換が可能となった背景には国民の判断がある。総選挙と参院選挙で安倍政権を圧勝させたのは、紛れもなく中国による尖閣諸島への進出と、北の核兵器・ミサイルどう喝にある。


まさに強盗が家の周りを徘徊して、隙あらば侵入しようと狙っているのに、これまで通り、のほほんと戸締まりしないでいられるのか。この極東の緊張感をまず認識するかしないかが、国家の存亡を決めると言っても過言ではない。国民はその戸締まりを選択したのだ。


そこで首相・安倍晋三が主張する「積極平和主義」に基づき、安保体制がどのように変わってゆくかだ。


今後の展開は、まず車の両輪であるNSC法案と秘密保護法案を相前後して今国会で成立を図る。両法案は与野党対決の色彩を濃厚にしている。とりわけ秘密保護法案が対決の焦点となるが、与党は衆参で多数を占めており、多少の修正の可能性はあるにしても成立の方向であろう。


これを受けて年末にNSCが初仕事として国家安全保障戦略を策定、この線に沿って防衛計画の大綱も閣議決定の運びとなる。いずれも集団的自衛権の行使に前向きの方針を示唆するものとなろう。そして来春には集団的自衛権の解釈改憲に踏み切り、夏には日米防衛協力のガイドラインを改訂して、国防体制を整える。


まさに当たらず障らずであった外交安保体制改革の領域に踏み込むものであり、政策上の大転換である。本来なら解釈改憲によらず、改憲そのものを断行して取り組むべき問題であろうが、緊迫した極東情勢をかんがみればその時間的な余裕はない。


したがって問題は、かつての安保論争に匹敵する論点を保守、革新政党に提供することになり、議論の高まりは避けられない。むしろ徹底的な議論を経たうえで、大転換を成し遂げることが民主主義国家としてふさわしいだろう。


そこで両法案の争点を分析して、必要不可欠との見地から反論を加える。まずNSC法案に対する反対意見としてよく出されるものが、米国のイラク戦争の誤判断だ。NSCが2003年にイラクに大量破壊兵器があるとして侵攻の理由の一つとしたが、なかったという前代未聞の大間違いである。


しかしこれは反対のための反対の根拠になるものであって、本質を外している。イラク戦争はテロの温床となる中東のヒトラーのフセイン体制をつぶし、民主主義国家を打ち立てることにあった。その目的は見事に達成されており、毒ガスや原爆があろうがなかろうが大義は成し遂げられたのだ。


「時の政権に耳障りの良い情報しか上がらない」との説があるが、だからこそ法案で情報の提出を義務づけたのである。そもそも最終判断するのは首相であり、政権に都合の良い情報かどうかなどは、首相としての判断力のイロハのイを試されることであり、NSCのせいにしてはいけない。


この国は首相が誤判断すれば、すぐに「首相降ろし」が始まる国でもある。首相降ろしは「またも政局」と批判されるが、まさに日本的民主主義の核でもあるのだ。米NSCはこのイラク戦争の決定を初め、オサマ・ビン・ラディンの殺害など的確な判断を下している。


秘密保護法案は米、英などのNSCと連携をする上では必要不可欠である。これからの国家戦略は情報戦に相当のウエートがかかるのであり、その情報なしには国家戦略は成り立たない。日本のような大国が情報ダダ漏れで良くこれまでやってこられた。まさに奇跡である。


NSC担当官同志は直通電話を通じてすぐに電話で情報を交換する。総じてアメリカのCIA情報が頼りになるが、日本にだって情報がないわけではない。1983年のソ連戦闘機による大韓航空機撃墜の情報は、自衛隊が電波傍受で入手したものであり、米国にも伝えられた。時事通信のスクープであった。


秘密保護法に関しては罰則の強化で報道の自由、国民の知る権利が束縛されるという議論がある。もちろん体制側は情報を隠す本能があり、監視を怠るとすべてを隠しかねない。


しかし報道の自由は法案で認めており、マスコミが力を削がれたわけではない。マスコミは従来通りスクープ合戦を展開すればよいのだ。圧力をかけるような政権はよってたかって引きずり降ろせばよい。「官僚が萎縮して情報を出さない」という議論ももっともだが、それでもあらゆるテクニックを使って暴くのが記者根性というものだ。


情けないのは「記者が萎縮する」という議論だ。こればかりは最近の偏差値重視教育で、点数ばかりが高くて採用された記者たちの弱点をさらけだしている。萎縮するひまがあったら特ダネ取ってこいと言いたい。この程度の秘密保護法などで萎縮する記者は法案があってもなくても萎縮するのだ。取材とはもともと体を張って行うものであると心得よ。


秘密が5年ごとに延長され、30年たっても公開されない恐れがあるなどという議論があるが、これには疑問がある。


なぜなら30年間も平和であり得たのは、その情報が秘密であったからでもある。そもそもこのテンポの速い時代に、30年前の情報を欲しがるのは、学者くらいしかいない。野党が主張しているように、秘密の範囲が不明確ということも確かだが、秘密の本質は時々刻々と変わることにある。


1時間後には秘密にしても意味がないものもあれば、それこそ半世紀も公表しないほうが国家のためになる情報だってある。常時軽重が変わる秘密を定義する事の方がおかしい。国会議員に情報を提供せよという議論があるが、これまた噴飯物だ。国会議員ほど情報を漏らす人種はない。


記者が秘密会のメモを頼むと「よしよし」と引きうけてくれるのが国会議員だ。共産党や社民党のように伝統的に外国の勢力と結びついている政党もある。外国への筒抜けの筒に秘密情報を教えてはならない。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月28日

◆朝日は秘密法案で“風評”源と化した

杉浦 正章



「ねつ造」し放題の論調で国民を扇動


朝日の天声人語を見てここまでやるかと“驚がく”した。あらぬ方向から特定秘密保護法案を切り裂いている。その内容は感情的で、唯我独尊。原発再稼働反対で国政選挙でのキャンペーンに敗れ、追い詰められた朝日が最後に牙をむいて、安倍政権に襲いかかる姿を如実に象徴している。


朝日はいまや共産党にも類似して、安倍政権にことごとく反対する姿勢を鮮明にしており、明らかに不偏不党の同紙の綱領をかなぐり捨てての、対決姿勢だ。


方向性はともかく、事実関係の正確さにおいては定評のあった「高級紙・朝日」が体面も何もかなぐり捨てて、タブロイド紙並みの“風評”をまき散らす姿にりつ然とせざるを得ない。政府は今日からの国家安全保障会議(NSC)を創設する法案の実質的な審議入りで、徹底した反論を加えるべきである。


「風評紙」に成り下がった姿は26日付朝刊にすべて現れている。まず伝統ある天声人語の破滅的な論調だ。


なんと秘密法案について「米国からもらった情報を守るために自国民を罪に問う法である。民主主義を揺さぶりかねない法でもある」と断定したのだ。天声人語筆者に問いたい。仮にもジャーナリストなら米国からの情報がいかに貴重であるかを知っているのか。あえて無視しているのか。情報がないとどうなるかだ。


去る1月に日本人7人の死者を出したアルジェリアのテロ事件である。日米外交筋によると米国はかなり詳細なテロリストの情報を事前に掌握していたが、日本に流すと漏れることを理由に伝達を断念したというのだ。朝日とてこの情報がないわけではあるまい。


それを無視して「米国情報を守るために日本国民を罪に問う」などと論理の飛躍をして恥ずかしくないのだろうか。筆者は天声人語を愛読してきたが、これまでこれほど破たんした論理を展開したケースを知らない。あえて大衆が取っつきやすいキャッチフレーズで“風評”を巻き起こそうとしているのだ。


天声人語はさらに続けて、「出来てしまったあとで破滅的な結末を招いた、戦前の幾つかの法を忘れたくはない。『はじめにおわりがある』。抵抗するなら最初に抵抗せよ。朝日新聞の大先輩にして反骨のジャーナリスト、むのたけじ氏の言葉が点滅する」と述べた。これは扇動である。


一般市民や、反戦運動家らを勢いづけるためのプロパガンダ的な色彩を濃厚にしている。天声人語の筆者は朝日内でも一目置かれ、その“方針”は社説と共に現場記者の取材活動に大きな影響を与えている。


まさに安倍政権に対して、社説「特定秘密保護―この法案に反対する」とともに社内的にも宣戦布告のラッパを鳴らしたものに他ならない。ちなみに全国紙の社説は読売、産経が基本的に賛成であり、毎日までが「安全保障上、重要な情報を一定期間、機密として扱うことに反対はしない」と条件付き賛成だ。


朝日だけが天声人語も社説も、もはやなりふり構わぬ法案つぶしの動きに出たのだ。“風評”の傾向は天声人語にとどまらない。


26日付夕刊の素粒子だ。「『お前は秘密を漏らした逮捕する』。『何の秘密を』『それは秘密だ。私は知らぬ』。秘密保護法のオーウェル的世界。」とやっている。マインドコントロールのジョージ・オーウェルにこじつけて、全体主義への危険があるかのような印象を読者に与えている。


同様の傾向が社会面にも如実に反映され、同日付朝刊では「あれもこれも秘密」と題して居酒屋の会話で逮捕される会社員の話を作り上げている。原発に使う世界最高強度の素材製法の一端を友人に話した結果の逮捕だという。その居酒屋には、非番の警察官が近くの席で飲んでいて、ICレコーダーで会話を録音し、捜査していたのだという。


一貫してある事ない事どころか、ない事ない事を書き並べている。その編集方針の狙いはどこにあるのだろうか。あきらかに物事を信じやすい一般大衆レベルまでプロパガンダを下げて、卑近な例を使って扇動しているのだ。


なぜ扇動するのかと言えば、60年の安保闘争並みに国民レベルの大衆運動を巻き起こし、デモで首相官邸や国会を包囲する状況を作り上げようとしているのだ。そして次の国政選挙で安倍政権をひきづり降ろすとっかかりを作るという“深謀遠慮”があるのだろう。


27日付のコラム「政々流転」で共産党の“躍進”を大々的に取り上げ「揺るぎなき反自民」と歯の浮くような礼賛をしているように、まるで何でも反対の共産党と同一歩調の姿勢が鮮明だ。今や朝日にとって他の野党は頼りにならず、共産党だけが頼りの現状を反映しているのだ。


秘密法案の国会審議を担当する森雅子がやってはいけない取材の好例として挙げた西山太吉事件の張本人にインタビューして語らせているのにも驚いた。秘書をたぶらかした取材で最高裁有罪となり、マスコミ人の恥とも言える西山ですら頼りにしたい朝日なのである。


世論をリードする報道機関がこれだから、テレビがもてはやす評論家に至っては、まさにデタラメ論評が頂点を極めている。目立つのは女性評論家の浜矩子である。あちこちのテレビで空想的平和主義を唱えてはばからない。


浜によると「グローバル化時代には国々が秘密をいっぱい持ってはならない。日本が世界各国に声をかけて秘密保護法案を持たないようにすべきだ」なのだそうだ。浜はアベノミクスの破たんを予言し、口を極めて批判したが、一連の発言とは真逆に日本経済はデフレ脱却の兆しを見せ、大間違いとなった。


経済評論家は大多数が口から出任せとみた方がよいが、今度は畑違いの政治の分野で口から出任せをやっているのだ。秘密を持たない国家がかって歴史上存在したのだろうか。馬鹿馬鹿しくて反論もしたくないが、テロリストや北朝鮮、中国、韓国が手を叩いて喜びそうな“愚論”だ。


これで良く「評論家でござい」とメシを食って行ける。何でもはっきり放送局の意向に沿った発言をしてくれる評論家は、TBSやテレビ朝日など民放テレビにとって宝ではあろう。それ故に民放テレビも風評源となっているのだ。


あえて法案の内容の正当性を説明しないが、これだけは強調しておこう。太筆で書けば日本は民主主義国家として基盤が戦後70年の間に出来ている。


マスコミがしっかり監視すればヒトラーが出てくる隙はない。同様の法案をもとにNSCを運営している、米、英、仏に全体主義が台頭したか。ニクソンのウオーターゲート事件を暴いた記者や情報源が逮捕されたか。中国では国家機密漏洩は死刑だ。


そんな国に取り囲まれていて、能天気な論調を唱えているときではない。本質はスパイ天国解消法案なのである。

    <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月18日

◆政府は核廃棄物地層処理を早期に

杉浦 正章



“小泉曲解”に対抗して国民説得を


小泉純一郎の“暴走”が止まらない。それもフィンランドの核廃棄物最終処分場施設「オンカロ」を視察した結果を完全に見誤っている。視察に同行した財界人が原発再稼働にプラスと受け取って同調を求めたのに、小泉がこれを拒否して「原発ゼロ」を唱え始めたのはなぜか。


調べてみると、何とフィンランドは小泉の判断とは逆に「原発推進」を目指して処分施設を世界で初めて創設したのだ。


小泉はこれを“悪意”をもって曲解しているのである。日本でも処分技術は確立している。問題は場所の選定だ。首相・安倍晋三は17日の本会議で「取り組みの強化」を明言したが、国有地や離島などを含めた選定に早期に取り組むべきだ。
 

ニューズウイーク誌などによると、フィンランドが日本や世界各国と異なるのは、先に処分場をつくって、これに合わせて原発を推進しつつある点だ。トイレを先につくって、マンションの建設に取りかかるのである。


これなら「トイレなきマンション」などという反原発派のキャッチフレーズは成り立たない。極めて論理的な対応である。


原発は既に2基が稼働しており電力に占める割合は日本より高く、29.6%だ。さらに3基を新設する方向で動いている。フィンランド国内は世論調査をすれば今でも原発反対が過半数を占めるが、この世界有数の工業立国がなぜ原発を推進するかと言えば、国家戦略が背景にある。


ロシアと海一つ隔てており、歴史上何度も侵略を受けている。ロシアに石油や天然ガスを依存していれば、いつ危機的状態に陥るか知れない。加えて温室効果ガスの問題だ。北辺の地にあるため、地球温暖化で紫外線が降り注ぐ危険が一番大きいとみているのだ。


オンカロが操業を開始するのは、2020年であり、2100年代には満杯になる予定だ。フィンランドはその間の80年間の科学技術の進歩にかけているのだ。


つまり、核サイクルの確立や再生可能エネルギーを代替エネルギーとして使える技術が確立すると予想しているのだ。


この基本戦略を知ってか知らずか小泉は、「原発を経済成長に必要だからといってつくるよりも同じ金を自然エネルギーに使って循環型社会をつくる方が建設的じゃないか」とか「早く方針を出した方が企業も国民も原発ゼロに向かって準備もできる、努力もできる、研究もできる。今こそ原発をゼロにするという方針を政府・自民党が出せば一気に雰囲気は盛り上がる」と主張し始めたのだ。


これは責任ある地位に就いたものとも思えないほど無責任で荒唐無稽な主張だ。いつ実現するか分からない再生可能エネルギーなどに軸足をすべて移した瞬間から国家は破たんする。まさに亡国の主張だ。


小泉は地層処理自体を「危険」と断定しているがこれも科学的知識にかける主張だ。地層処理をする場合は、使用済みの燃料を「ウラン酸化物とウラン・プルトニウム混合酸化物」と、「高レベル核廃棄物」の二つに分離する。


そして、後者のプルトニウムを除去した核廃棄物だけをを300メートル地下に地層処分するのだ。プルトニウムは別途燃料として活用するのだ。原爆の材料を埋蔵するわけでは全くない。放射能は、時間を経ると減り、1000年で99・95%が消滅する。何億年もかかるというのは完全に放射能がなくなるまでの時間だ。


経産相・甘利明が「ピュアで短絡的な部分もある方」と小泉を侮辱したとも取れる発言をしたが、これくらい言っても小泉は分かる男ではない。


しかし、「小泉曲解」を活用する方法はある。それは発言をテコに地層処理候補地の選定を推進することだ。2007年には高知県東洋町が手を挙げたが、町長の独断が災いして住民の反対運動を招き、失敗した。


フランスの場合人口90人の村ビュールに地下試験場を建設しているが、地下では地元住民など400人が働いている。現在は試験場だが将来は地層処理場となる方向だ。日本の場合も過去何億年も動いていない地層のある国有地や離島はいくらでもあり、欠如しているのは政治の決断のみである。


安倍は19日の本会議で地層処分について、「20年以上の調査の結果技術的に実現可能と評価されている」と指摘した。


加えて、「それにもかかわらず処分制度を創設して10年以上を経た現在も処分場選定調査に着手できない現状を真摯(し)に受け止めなければならない。国として処分場選定に向けた取り組みの強化を責任もって進めてゆく」と言明、前向き姿勢を鮮明にさせた。


小泉発言には一切言及しなかったが、これは小泉の名前を出すことで、一層問題を際立たせる事の損失に配慮したものであろう。無視したのだ。


いずれにしても世界の潮流は核廃棄物は地層処理しかないという方向であり、原発再稼働を推進してゆく以上この方向を選択すべきである。


原発問題は今やマスコミの作る風評との戦いだ。歴代政権に欠けているのは学者や評論家を動員した国民への説得工作である。各地で講演会などを開いて、直接大衆に向け論理的に説明するのだ。


「脱原発」に偏重するNHKも、方向を改めさせる方策を検討する必要がある。NHKは社会部主導の報道に引っ張られることなく、特集番組で正しいエネルギー政策の在り方や、その方向性を示すべきだ。政府はこうしたキャンペーンで正しいエネルギー政策を周知徹底させてゆくことから始めた方がよい。


それにしても「小泉曲解」ほど政治家の判断ミスも珍しい。年を取ったら九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)ことを戒めなければならないが、晩節を汚して恥じることがない。あの軽蔑の対象で選挙に落ちるところだった元首相・菅直人以上に“菅的”になった。

【筆者より】来週は秋休みといたします。英気を養います。開始は28日より。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月17日

◆この野党代表質問では政治劣化が心配

杉浦 正章


海江田はずっこけ、石原は時代錯誤
 


なれないヌンチャクを振り回して立ち向かったが、自分の頭に当たったようなお粗末な質問だった。野党第1党の党首がこれでは、臨時国会の自民党ペースを保障するようなものとなった。民主党の肩を持ちたい朝日新聞までが社説でしびれを切らせて「野党は論戦力を磨け」と書く始末だ。


党首としての当事者能力に疑問符のつく海江田万里を代表に据えた民主党左派の失敗だ。


一方極右の維新共同代表・石原慎太郎は、自らの尖閣購入構想が日中関係に壊滅的打撃を加えた責任を棚上げにして、「灯台作れ」と力んだ。この時点で日中戦争に突入しかねない主張をするとは、どこまで老害を振りまくつもりかと言いたくなる。はちゃめちゃ野党では政治の劣化が案じられる。


汚染水問題で海江田は首相・安倍晋三が国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況はコントロールされている」と発言、東電関係者が「コントロールされていない」と述べた点を取り上げた。「言葉が極めて軽いと言わざるを得ない」と追及したが、首相・安倍晋三は「全体としてコントロールされている」と突っぱねて、平行線に終わった。


「言葉が軽い」は質問者によっては、安倍の急所を突きうる論点であったが、海江田が言うと逆効果だ。自らの軽さは証明されている。生活代表・小沢一郎が「御輿は軽くてパーがいい」と幹事長・輿石東を使って担ぎ上げた事がそれを意味する。


経産相時代に玄海原発の再稼働に踏み切ろうとしたのはいいが、首相・菅直人に阻止されて、打つ手を知らず涙を流して悔しがった。


その軽さは鴻毛の如きであった。そもそも汚染水問題は民主党政権時代に東電がずさんな貯水タンクを建造しているのをチェックできなかった事に端を発しており、尻拭いさせられているのは安倍の方だ。


海江田は安倍の成長戦略についても「民主党政権時代の内容の焼き直し」と断定したが、民主党政権が景気対策で何か実績を上げたかというと、三代続けて代表は景気対策など全く念頭になかった。焼き直しを言うなら、株価が少しでも上がったかと言うことになる。


要するに民主党はアベノミクスに対して発言権がないのだ。さらに安倍の政治姿勢について海江田は、安倍の所信表明に「意志の力」という表現があることをとらえて「独裁者を思い出した」と指摘した。ヒトラーは「意志の力」をプロパガンダの中心に据え、同名の映画まで作って宣伝しているが、そのヒトラーのようだと言うのだ。


しかし安倍の演説は「明治人たちの意志の力に学びたい」と述べ、また、パラリンピックの競泳金メダリスト成田真由美の言葉を引用し、「意志の力により課題を乗り越える重要性」を強調しただけのことである。


安倍にヒトラーを真似ようとする意図は感じられず、その右寄り姿勢をヒトラーのイメージに重ね合わそうとするのも無理がある。民主党内左派が支配する書記局が作った質問書の原案をそのまま採用したに違いない。


左派といえば海江田は「憲法96条の先行改革反対」を唱え、集団的自衛権の憲法解釈変更について「到底理解できない」と発言したが、これは党内論議を経た上での発言であろうか。


12年5月の首相・野田佳彦の訪米ではオバマとの間で「日米同盟関係の深化」がうたわれ、野田は集団的自衛権容認の姿勢を明らかにしたと言われている。党内右派は海江田が代表質問でこのような質問をすることを認めていないはずであり、これも左派執行部の独断専行であろう。


要するに海江田の質問は安倍の言葉尻をとらえることに終始していた。海江田が「国家戦略特区」を「解雇特区だ」と追及すると、安倍は「レッテル貼りは事実誤認で不適切」と切り返した。


言葉尻をあげつらうから、答弁も通り一遍となり、深めることが出来なかったのだ。表面的なやりとりに終わったのは確かに海江田に「論戦力」がない事を物語っている。


一方で石原の質問にいたっては時代錯誤も著しく、自民党青嵐会時代からまるで進歩していない。尖閣を購入に導いたことを得意げに語った上に、「万人が納得する施政権の行使」のための灯台建設を促した。GPSが主役の時代に、灯台の光りを頼りに航行する船などない。


自らが一触即発の危機を招いたことすら全く認識していないのだ。今灯台を作ったら危機どころか戦争に突入する。馬鹿も休み休みにせよと言いたい。こうして野党質問第1日目は、お粗末かつずっこけ質問に終始して、8対2で安倍の勝ちとなったのだ。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

2013年10月16日

◆自信背景にデフレ脱却へ高揚感の演説

杉浦 正章



長期政権意識で衣の下に鎧を隠した


順調なアベノミクスという追い風を受けて首相・安倍晋三の所信表明演説は歴代首相の中でも際だって高揚感のあふれるものとなった。経済で意気消沈してきた国民を鼓舞し、与党を督励する。とりわけ今国会を「成長戦略実行国会」と位置づけ、経済最優先の姿勢を示した形となった。


近隣諸国との関係改善への思惑もあってか、外交・安保への右寄り姿勢は極力押さえ込んだ。明らかに長期政権を意識した姿勢だ。国政選挙の圧勝によるねじれ解消と高支持率を背景に、まさに「デフレ脱却の鬼」(官房長官・菅義偉)と化した姿がそこにある。


おやっと思ったのは「石垣島で漁船を守る海上保安官。宮古島で南西の空をにらみ、ジブチで灼熱(しゃくねつ)の下海賊対処行動に当たる自衛官。彼らは、私の誇りです。」と述べた点だ。安部の発言からは「尖閣諸島」の言葉が消えたのだ。中国と対峙する一番ホットな水域への言及がなかったのだ。


注意して聞いていると、外交・安保には言及しているが「中国」「韓国」「北朝鮮」の言葉も一切出てこない。何と「米国」すらない。来年の通常国会に先送りした集団的自衛権の行使容認問題への言及もなく、与党内ですら公明党とあつれきのある「特定機密保護法案」にも触れていない。


成長戦略国会だから外交・安保に深くは触れないのは分かるが、触れないついでか、大企業優遇として国会の焦点の一つとなる復興法人税の撤廃まで言及せずだ。


政府筋によると日中、日韓に触れなかったのはどうもまだ水面下での関係改善に向けた接触が続いており、こうした動きに影響を与えてはならないとの配慮があったようだ。復興法人税廃止への言及がないのも、年末に先送りしたものをあえて取り上げて、批判を増幅させる必要は無いとの判断があったようだ。


その反面で安倍演説はアベノミクスの順調な滑り出しと成長戦略を意識して、アジテーションともいえるほど国民への鼓舞激励を行った。


「日本が力強く成長する姿を、世界に発信していこうではありませんか」「日本人は、長引くデフレの中で、萎縮してしまった。この呪縛から日本を解き放ち、再び、起業・創業の精神に満ちあふれた国を取り戻す」「いよいよ、日本の新しい成長の幕開け」とボルテージは上がる一方だった。


確かに、民主党政権であえぎにあえいだ経済はアベノミクスで上昇に転ずるかに見え、デフレ脱却へ向けてここで手を引くわけにはいかない安倍の立ち位置を鮮明にさせたのである。政府筋も「国民に問題の所在を明らかにするために絞りに絞った」と述べている。


摩擦要因をすべて取り上げて“敵”を作りすぎることを避けたものとみられる。安倍にしてみれば53日という短期間で重要法案の処理にかからなければならず、摩擦要因は極力減らしたいという基本戦略があるのだろう。


重要法案は4本ある。成長戦略絡みの法案が、企業の事業再編や研究開発など設備投資を促す「産業競争力強化法案」と、一部地域に限った規制緩和を進め企業の新規参入を促す「国家戦略特区関連法案」の2本だ。


外交・安保関係は、外交・安保の司令塔となる「国家安全保障会議創設法案」と機密を漏らした公務員を厳罰に処する「特定機密保護法案」の2本だ。


このうち「特区法案」は野党が「首切り法案」として追及の構えである。また「機密保護法案」は公明党が知る権利と報道の自由の挿入を主張しているが、結局公明党に「手柄」をたてさせて与党はまとまるものとみられる。


いずれも与野党対決法案となるが、より重要な問題が安倍政権が「検討する」ことになっている、「復興法人税の一年前倒し廃止」問題である。


安倍があえて言及しなかったのは自民党内ですら反対論があり、焦点となることが分かっているからだ。野党は復興所得増税はそのままにして、企業だけ優遇することを突こうとしている。


しかし安倍はこれに先立って民放テレビで「19兆円の復興予算を25兆円にしたのは私であり、これを減額することは一切ない」と言明した。減税の財源についても「安倍政権で税収が増えており、これを財源に使う」と述べた。


その背景には企業減税で給料を引き上げ、景気を好転させるという景気循環論があり、アベノミクスが成功の兆しを見せている以上、野党の追及もすれ違いに終わる公算が強い。


こうした中で 経団連会長・米倉弘昌は11日の記者会見で「大半の企業は来年3月の決算期末には、景況感が十分上がってくると思う。経団連としては、経済の好循環を実現するため、業績の改善を賃上げにつなげていくよう会員企業に伝えていきたい」と注目すべき発言をした。


安倍がテレビで「経団連史上初めてのこと」ともろ手を挙げて歓迎したが、今や経団連は連合のお株を奪ってしまったような形で、政権に協力姿勢だ。汚染水問題も安倍が「漁業者の方々が、事実と異なる風評に悩んでいる現実がある。


しかし、食品や水への影響は、基準値を大幅に下回っている。これが、事実だ」と述べているとおり、一部マスコミの過剰報道に野党が扇動されても、追及は長続きしまい。


こうして野党の追及も決め手がなく衆参のねじれが解消されて初めての国会は、結局は自民党ペースで事は運ぶだろう。国対委員長・佐藤勉は「丁寧に国会運営をするが、結果を早く出したいのが本音」と述べている。


ここで思い起こすのは、やはり安倍政権で、与党が多数であった2007年の通常国会だ。何と強行採決を17回も繰り返して新記録を作った。最後は衣を脱ぎ捨てて、鎧丸出しで突破を図る公算が大きい。終わりは脱兎の如くであろう。一強自民党に野党は民主党を始め対抗するすべが見当たらない。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)