2022年07月07日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6191号
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   2022(令和4年)年 7月7日(木)

 
              当たり前のこと:加瀬英明

    ルール無視継続なら「経済制裁」辞さず:大原浩
    
    “媚中反日”韓国は日台の敵:シーチン修一 2.0
         
  なぜ習近平はプーチンに会いたくないのか:北野幸伯 


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当たり前のこと
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    加瀬英明

 
独立国が軍を持っているのは当たり前のこと
ウクライナ戦争が追い風となって、日本がサンフランシスコ講和条約に
よって独立を回復してから、70年もおざなりにされていた憲法改正へ向け
た動きが、現実味をおび
るようになった。

それでも眠目となっている憲法第九条について、「陸海空軍を保有するこ
とを禁じる」というわきに、自衛隊を併記しようというのが、改憲の流れ
となっているようにみえる

 軍の保有を禁じると書かれたところに、自衛隊を保持するとつけ加える
のでは、謎めいた判じ物ではないか。姑息――一時の間に合わせだ。現行の
第9条を白紙にして、自衛のために国防軍を常備するとうたうべきである。

 現行憲法は世界の憲法のなかで、軍の保有を禁じている唯一つの憲法で
ある。どうして多くの日本国民が、外国が軍を持っているのは当然のこと
とみなしてきたのに、日本だけが軍を保有してはならないと信じてきたの
だろうか。

私は1960年代はじめに、アメリカの大学に留学した。
その時に、アメリカ合衆国憲法の授業があった。私はアメリカの憲法全文
を読んで、予習したうえで出席した。
そして、教授に「合衆国憲法の全文を読みましたが、どこにも軍を保有す
ると書かれていません。どうしてでしようか」と、質問した。

 すると、教授が怪訝な顔をして、「独立国が軍を持っいるのは当り前の
ことだ。もし憲法に軍を持つことを定めたら、警察や、消防も、みんな書
かなければならないでは
ないか」と、答えた。私はそれ以来、軍の保有を否定した日本国憲法を、
国家として独立することを禁じた基本法であるとみなしてきた。

アメリカ合衆国憲法の前文は短いものだが、次の通りだ。「われら合衆国
の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平等を保障
し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のた
めに自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のために
この憲法を制定し、確定する。」(米政府機関・東京アメリカン・セン
ター訳)

 日本国憲法の前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代
表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために(以下略)」と書か
れている。これは、アメリカ合衆国憲法の前文から剽窃(他人の文章から
盗んだ)したもので、独立国の基本法として恥しいものだ。

 そのうえ、「われら日本国民は(略)われらとわれらの子孫のために」
というべきところを、出だしの「われら」が訳文にないので、判じ物と
なっている。占領下で強要された憲法だったから、「われらとわれらの子
孫」は、米国民を指しているように読める。

 このような憲法を、70年にもわたって放置しておいたのは、日本国民
が国家も、憲法も大切な尊いものとみなさなかったからだ。

 自尊心を捨てて、自立することを拒んだ人は、まっとうな社会生活を送
ることができない。人も国家も、まったく同じことだ。憲法は国の顔であ
り、心である。自分の手で起草するべきだ。改憲には心をこめよう。



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ルール無視継続なら「経済制裁」辞さず
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               大原浩


☆日本との関係改善の前に韓国は「竹島侵略」の謝罪と償いを ルール無
視継続なら「経済制裁」辞さず 

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した岸田文雄首相と韓国の
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「短時間言葉を交わした」と韓国メ
ディアがはしゃいでいる。経済不安を抱える韓国は日本にすり寄っている
が、この動きに待ったをかけるのが国際投資アナリストの大原浩氏だ。緊
急寄稿で大原氏は、韓国側が島根県・竹島の不法占拠を謝罪しなければ
「経済制裁も致し方ない」と主張する。

ロシアによる北方領土の不法占拠は全く許しがたいが、日本が不法占拠さ
れているのはそれだけではない。

韓国が不法占拠する島根県・竹島(共同)


朝鮮戦争のどさくさに紛れる形で52年1月,韓国の李承晩(イ・スンマ
ン)大統領は「海洋主権宣言」を行って,いわゆる「李承晩ライン」を一
方的に設定した。国際法に反するが、同ライン内側の広大な水域への漁業
管轄権を主張し、竹島を取り込んだのだ。

さらに54年6月,韓国内務部は韓国沿岸警備隊の駐留部隊を竹島に派遣し
たことを発表。8月には,竹島周辺を航行中の海上保安庁巡視船が同島か
ら銃撃され、韓国の警備隊が竹島に駐留していることが確認される。以
後、韓国による不法占拠が現在まで続いているのはご存じの通りだ

日本政府が北方領土問題に弱腰なのは情けないが、それ以上に「竹島侵
攻」に、ほぼだんまりを決め込んでいるのはおかしい。

ちょうど5月に、文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領を退任し、代わっ
て尹氏が就任した。尹氏が日本との関係改善を望むのであれば、竹島の
「侵略」を謝罪し、即刻不法占拠をやめるべきである。

だが、これまでの韓国の対応を見る限り、彼らが日本に謝罪するとは考え
にくい。「俺は悪くない。悪いのは全部お前だ」という文化の国だからだ。

それでは、日本はただ「戦略的放置」を続けるしかないのであろうか。そ
んなことはない。韓国に対する「経済制裁」という強力な武器を持ってい
るのである。

2019年、日本政府が韓国に対し半導体関連素材(フッ化水素、レジスト、
フッ化ポリイミド)3品目の輸出管理を厳格化した。

これは外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づいた適切な輸出管理実施
が理由であり、決して「経済制裁」ではない。しかし、韓国では天地が
ひっくり返るほどの大騒ぎとなった。私に対しても、某韓国テレビ局から
「経済制裁」に関する取材依頼があったが、前提が間違っているので丁重
にお断りした。

日本にとっては単なる事務手続きだが、韓国にとっては手痛い「制裁」
だったといえよう。逆に考えれば、もし日本が本気で韓国に経済制裁を行
えば相当な効果があるということである。

実際、韓国の産業は、日本からの先端素材や優れた製造装置の輸入によっ
て成り立っている。韓国は、日本の先端素材を使い、優秀な装置で製造す
る「場貸し」業を営んでいるともいえるのだ。日本は韓国から必要不可欠
なものを輸入しているわけではないから、万が一、両国の貿易が完全にス
トップしたとしても痛くもかゆくもない。

1997年のアジア通貨危機で韓国が事実上国家破綻した際に、国際通貨
基金(IMF)だけではなく米国・日本も彼らを積極的に支援した。しか
し、今回は日本、米国と韓国の通貨スワップ(交換)協定が失効した中
で、世界的な資源・食料価格の高騰により、韓国に外貨不足の懸念が出て
きている。

日本は寛容な国であるから、韓国のように「1000年謝罪し続けろ」などと
根に持ったりはしない。たった一度、真摯(しんし)に謝罪すれば「すべ
て水に流す」国である。

韓国がそれさえできないというのであれば、経済制裁も致し方ない。国際
ルールを無視して勝手な振る舞いを続ける韓国を、世界の国々が助けるこ
ともないだろう。

■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国
際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。
夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
   松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録

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添付ファイル:
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“媚中反日”韓国は日台の敵
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        “シーチン”修一 2.0


【雀庵の「大戦序章」63/通算495 2022/7/4/月】米国やEUなどNATO諸国
は、ウクライナ侵略を進めるプーチン・ロシアへの対抗で結束を深めてい
るが、アジア・太平洋では中露北の“戦狼トリオ”による日台侵略はいつ始
まってもおかしくないほどの危機にある。

むしろ欧米がロシアに手こずっている今こそ、習近平・中共が日台侵略を
進める絶好のチャンスだ。最強の米国でも対露、対中の二正面作戦はでき
まいから日台が印豪アジア諸国の協力を得て奮闘するしかない。

毛沢東と並ぶ栄誉を目指す習近平は、対日台戦争で勝利しなければ中国共
産党トップの最高栄誉である「終身国家主席」にはなれない。コロナ不況
やハイテク産業低迷もあって経済減速が続く習近平は、何としても立派な
実績を創る必要がある。

箔をつけるために一番効果があるのは「戦勝」で、これは習近平が嫌って
いるトウ小平もベトナム相手に“懲罰戦争”をやって後、国家独占資本主義
経済への大転換を進めることができたから、毛沢東の「共産主義統制経
済」復活を目指す習近平としては日台相手に戦勝を目指すことになる。今
なら日台とも核兵器を持たないから報復を恐れずに好きなだけ核兵器を
“お試し”できる。

米国は東南アジアの安定は「日米韓」が主力になると想定しているようだ
が、小生はそれはあり得ないと思う。「韓国人は日本を嫌い敵視し、北朝
鮮を好きで合邦したがっている」と怪しんでいる。韓国というか朝鮮半島
は大昔から地政学的に支那を畏れ屈服してきたから、中共と戦う「日韓連
携」は絶対あり得ない。

日本が敗戦で朝鮮半島から撤収してタガが外れるや、朝鮮戦争が始まっ
た。これはソ連の傀儡である北とソ連の子分である中共による半島統一=
米軍追放戦争で、韓国軍は米軍の傭兵として北と戦ったが、本心ではない
だろう。

半島人に限らないが、人間は正義が好きではあるものの、正義は「私利私
欲」であることも珍しくない。米国の格言に「永遠の友も、永遠の敵もな
い、戦争が終わればノーサイド」というのがあるが、半島人は小生から見
ると「私利私欲、事大主義(長いもには巻かれよ)、付和雷同」が強過ぎ
て、要は民族としてのコアがない、人生哲学がない。「地政学的な柔軟
性」と言えなくもないが、行き当たりばったりのご都合主義、軽佻浮薄が
過ぎるのではないか。

韓国は朝鮮戦争の被害もあって戦後から1965年あたりまで最貧国になった
が、復興をもたらしたのは日本軍の優秀な将校だった朴正煕大統領だっ
た。彼は1965年6月「日韓基本条約」を成立させ、日本の協力により経済
発展を進めることに大成功し、今でも国民から尊敬されている。

朝鮮民族は「支那文明の正当な継承者は韓国・朝鮮である」という、いさ
さか無理筋のご都合史観にも現れているが、プライドだけは戦前も戦後も
異様に高い。しかし現実は惨めなもので、「朴正煕選集」には朝鮮民族の
ダメさ加減がこれでもかと書かれている。例えば権力者に婚約者を強引に
奪われた男が「婚約者がいたというのは夢だったのだ、夢を見ていたの
だ」と諦める話は、恥多き小生でも読むに堪えないほどだった。強者には
おもねる、弱者には居丈高になる・・・嫌な性格だが、朝鮮民族のDNAな
のか。WIKIから。

<1910年の韓国併合(日韓併合)以前から朝鮮人は日本に流入し、留学生
や季節労働者として在留していた。韓国併合以降はその数が急増し、内務
省警保局統計によると1920年に約3万人、1930年には約30万人の朝鮮人が
在留していた。

日本政府は、第一次世界大戦(1914〜1918年)後、朝鮮人流入に起因する
失業率上昇や、犯罪増加に悩まされており、朝鮮人の日本内地への流入を
抑制する目的で満洲や朝鮮半島の開発に力を入れた。

朝鮮人労働者の流入は日中戦争および太平洋戦争により増加していった。
併合当初、朝鮮人は土建現場・鉱山・工場などにおける下層労働者で、単
身者が多くを占める出稼ぎの形態をとっていたが、次第に家族を呼び寄せ
たり家庭を持つなどして、日本に生活の拠点を置き、永住もしくは半永住
を志向する人々が増えた。

・1934年10月 岡田内閣は「朝鮮人移住対策ノ件」を閣議決定し、朝鮮人
の移入を阻止するために朝鮮、満洲の開発と密航の取り締まりを強化。

・1939年9月 朝鮮総督府の事実上の公認のもと、民間業者による集団的な
労務者募集の開始。

・1942年3月 朝鮮総督府朝鮮労務協会による官主導の労務者斡旋募集の開
始(地域ごとに人数を割り当て)。

・1944年9月 日本政府が国民徴用令による徴用。1945年8月終戦当時の在
日朝鮮人の全人口は約210万人ほどとする報告もある。その9割以上が朝鮮
半島南部出身者であった。このうちの多くが第二次世界大戦終戦前の10年
間に渡航したと考えられている>

ブログ「まいじつ」2017/5/17「日本統治下の朝鮮に蔓延した『内地密
航』が表す強制連行の虚構」なども参考になるが、以前読んだ朝鮮人作家
の自伝的小説には日本への密航や、朝鮮人であることがばれないかと不安
を募らせる日々が書かれていた。半島での暮らしがきつかったから、「日
本へ行けば仕事がある、メシを食える」という思いとか幻想があったようだ。

作家になった金史良(キム サリャン、1914〜1950年)の場合は、宗主
国・日本への知的好奇心、あるいは反発から故国を後にし訪日したよう
で、WIKIによると、

<1914(大正3)年3月3日、日本の統治下の朝鮮、平壌の裕福な家庭に生
まれる。1931(昭和6)年、平壌高等普通学校五年生に在学中、朝鮮各地
で起こっていた反日学生闘争に呼応する同盟休校事件に関与し、退学となる。

その後、日本に渡り、旧制佐賀高等学校に入学したころから執筆活動を開
始。東京帝国大学卒業と相前後して執筆した「光の中に」が 1940(昭和
15)年前期の芥川賞候補作となる。

1941(昭和16)年12月、日米開戦とともに拘束、翌年、釈放後、朝鮮に帰
る。1945(昭和20)年春、日本軍に徴用された朝鮮出身兵の慰問団の一員
として中国に赴いた際、脱出し、朝鮮義勇軍に参加。

1950(昭和25)年、朝鮮戦争が勃発し、アメリカ軍の上陸に遭って朝鮮人
民軍が撤退する中、持病の心臓病が原因で行方不明となり、死亡したと推
定されている。代表作は「光の中に」「天馬」「草深し」など>

青空文庫で「光の中に」や短編を読んでみたが、物凄いインテリ。朝鮮や
支那ではごく少数の上流階級と圧倒的多数の庶民階級の知的格差が激し
く、まるで人間と野生動物ほどの違いがあるようだ。階級社会がいいの
か、1億総白痴的な中流社会がいいのか、それぞれ良い面、悪い面がある
から何とも言えないが、軍隊は階級による指揮命令系統がなければ戦えな
いから、英国のような階級社会(1%の上流階級が戦場の最前線に立ち
99%の労働階級をリードする=ノブレスオブリージュ)は有事に向いてい
そうだ。閑話休題。

「新天地を求める」という移民は大昔から世界中であるが、日本では明治
維新後に海外への移民が増えていった。特に九州や沖縄の人が“雄飛”した
ようである。橘川俊忠・神奈川大学名誉教授の論稿「かつて日本は移民送
り出し国であった 移民の経験から何を学ぶか」によると「南北アメリ
カ、中国大陸、フィリピン、南洋諸島など海外に送り出した移民の総数は
百数十万にのぼるという(これには日本が植民地支配した朝鮮や台湾から
の移民は含まれない)。その移民の多くは国策として送り出された移民で
あった」と言う。

移民先の諸国、つまり受け入れ先は基本的に「低賃金の労働力」を求めて
いるが、そんな事情は公表しないから、結局は「聞くと見るとは大違
い」、随分多くの人が尾羽打ち枯らし、這う這うの体で祖国に舞い戻っ
た。騙されたようなものである。

1982年頃に米国コロラド州デンバーで、大企業幹部の邸宅に通いで働く日
本人移民の2代目か3代目の老夫婦と知り合い、その自宅を訪ねたが、随分
みすぼらしくてびっくりした。夢も希望もなく、お迎えが来るのを待って
いる感じだった。ロサンゼルスの日系人向けの新聞「羅府新報」を読む
と、有色人種への危害を避けるためか「目立たぬように静かにひっそりと
暮らしたい」という人が多いよう。何か気の毒だ。移民で成功した人はほ
んの一握りなのだろう。

半島系の在日も成功した人は一握りかもしれない。小生が子どもの頃は多
摩川の土手の近くに朝鮮人が住み着いていたが、20年ほど前には川崎駅西
側の大きな朝鮮人部落が立退料を得て撤収、跡地に高層マンションが建
ち、多分そこに暮らすようになったようだ。川崎駅の東側には不法占拠の
朝鮮人部落がまだ残っているようで、10年ほど前に訪ねたら周辺は朝鮮料
理のコリアンタウンになっていた。

以前、在日は「大卒でも就職先があまりなく、パチンコ店で働くしかな
い」と嘆いていたが、今はそんな話は聞かないからそこそこ生活は改善さ
れていったのかも知れない。しかし、彼らの「民族アイデンティティ=自
分らしさとか誇り」は、相変わらず「反日感情」「我は正義・優位、日本
は悪・邪道」のままで、100年以上もまったく成長しないというのはギネ
スブックものだ。誇れるものがないので、日本を貶めることで己の優位性
を確認し、スッキリするしかないよう。気の毒というか異常というか・・・

在日本大韓民国民団のメディア「民団新聞」6/5では相変わらず「隠され
た歴史を知る 関東大震災虐殺現場で市民講座」という記事があったが、
どうも他に反日テーマがないようだ。

小生思うに「関東大震災」という、190万人が被災、10万5000人が死亡し
た大災害の中、1週間ほど情報不足で流言飛語が飛び交い、「混乱に乗じ
て朝鮮人が暴れている」という疑心暗鬼から朝鮮人虐殺があったのは詳細
不明ながら史実だと思う。

国立の防災科学技術研究所によると、関東大震災は死者:約10万5400人
(うち火災:約9万2000人、津波:325人、土砂災害:688人)、全壊家
屋:約29万4000戸(うち焼失家屋:約21万2400戸)。

政府は「民衆自らみだりに鮮人に迫害を加える如きは、日鮮同化の根本主
義に反するのみならず、諸外国に報じられて決して好ましきことに非ず」
と警鐘を鳴らしている(震災から4日後の9月5日付)。

未曽有の混乱の中での朝鮮人や、朝鮮人と間違われた中国人虐殺だったろ
うが、被災地が混乱している中での事件だったこと、また人的被害は2006
年度版「理科年表」(文部科学省国立天文台編集)で「死者・行方不明者
10万5000人余」に改訂された。事程左様に実態に近づくのは容易なことで
はない。朝鮮人密航者が多かったから数えようもない。

<1910年の日韓併合以降は特に半島から日本への出稼ぎ労働者は急増して
おり、国勢調査(民籍別)」を記載した1938年(昭和13年)発行の年鑑に
よれば朝鮮人の民籍は、大正9年(1920年)で40,755人、昭和5年(1930
年)で419,009人との記載がある。したがって、この十年で人口増は
378,254人ということになる。

日本政府は徴兵のために労働力が不足した戦時の数年間を除き、戦前戦後
を通じて日本内地への渡航制限などにより朝鮮人の移入抑制策を取った
が、移入は止まらなかった>(WIKI)

在日朝鮮人も当時は密航者が非常に多かったと金史良も「玄海灘密航」で
書いている。関東大震災の混乱の中で朝鮮人虐殺があったことを小生は否
定しないが、100年前の正確な記録もない事件、事故であり、これをネタ
に今なお日本への憎悪を煽るような在日は「私は被害者、犠牲者、罪もな
い正義の民族、悪いのは日本で永遠に謝罪しろ」と朝鮮人虐殺を利用して
いるように見える。対日コンプレックスの裏返しのよう。卑しい。


敗戦で母国に避難する日本人に対して半島人は何をしたか。「竹林はるか
遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記」が有名だが、「私は被害者」病の
半島では速攻で絶版になった。不都合な真実を隠蔽するのは国民病なのだ
ろう、不治の病、つける薬なしだ。産経2007/2/3「緯度経度:ソウル・黒
田勝弘気に入らない話は“歪曲”」から。

<「竹林はるか遠く」の韓国語版の出版社は「加害者・被害者という単
純な図式ではなく、歴史や人間を多様に描くのが小説だ。歴史に共通する
女性の苦難や反戦・平和のメッセージも込められている。日本人にやさし
い韓国人の姿も描かれている。韓国では好評で版を重ねこれまで何ら問題
はなかった」と反論していたが、結局は発売中断に追い込まれた。

若い世代を中心に世論の一端を示すネット世界の反応では、反日的な
“ヨーコ物語糾弾”が90%。一方「韓国人、韓国社会の未熟さ」や「お手軽
愛国心がまかり通る、出版や表現の自由のない社会」と指摘するなど、時
流批判が10%程度だ。

ただ韓国マスコミの名誉(?)のために紹介しておくと、中央日報と韓
国日報だけは『ヨーコ物語』を擁護していた。部分的な記述を取り上げ興
奮するのはおかしいというわけだ。「日本」がからむと当たり前のことで
も韓国ではまだ難しい>

在日は「私は被害者」物語を卒業して、もっと前向きなテーマ、例えば
「日本敗戦後、駅前の一等地を占拠した我が同胞の勇気に学べ」「戦後の
日共とナンミョーを大組織にしたのは我が同胞」「日本の歌謡曲をリード
した半島出身者たち」「焼き肉、ビビンバ、もつ煮込み・・・日本を魅了
した朝鮮料理」とかに変えた方がいい。

中共が日台侵略を始めたら韓国は日米台と共に中共を攻撃するか・・・
それはあり得ないだろう、精々中立を保つだけではないか。韓国が一番恐
れているのは中共で、中共が北に命令すれば北は一気に南進する。韓国
は、大嫌いな日本や、恐ろしい中共が主権を主張する台湾のために祖国を
危険にさらすようなことはしない。当たり前だ。

中共との戦争に韓国は役には立たない、それどころか、むしろ半島から
米軍を駆逐して念願の南北統一を果たし、中共の属国(保護国)になる
チャンスと見るのではないか。モンゴル帝国(元朝)に蒙古襲来(元寇、
1274年と1281年)を使嗾し、煽り、最前線で日本を攻撃したのは朝鮮軍
(高麗)だ。侵略に失敗して以降は財政逼迫もあって100年後には元朝も
高麗朝も消滅した。

支那と朝鮮は日台への侵略=習近平の夢で墓穴を掘るだろう、そうする
ためには日台は核兵器を装備しなければならない。核兵器がないと平和を
維持できず侵略を受けることをウクライナは示している。核兵器がない世
界は永遠にあり得ない。もし核兵器がない世界になれば抑止力がないから
世界中で戦争が始まる。平和を維持したければ核兵器を持つしかない、と
いうのがリアルであり正論である。神風は吹きやしない。




          
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なぜ習近平はプーチンに会いたくないのか?
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           北野幸伯


先日、「カザフスタンのトカエフ大統領が、プーチンを裏
切った」という話をしました。
詳細は↓
https://www.mag2.com/p/news/543532

昨日は、「トルコのエルドアン大統領がプーチンを裏切っ
た」という話をしました。

今回は、中国の話です。習近平は、プーチンに会いたくないのでしょう
か?読売新聞オンライン7月4日。


<北京の外交筋によると、ロシアのプーチン大統領は、6
月15日に中国の習近平(シージンピン)国家主席と電話
会談した際、69歳の誕生日を迎えた習氏に祝意を示した
上で、ロシア訪問を要請した。これに対し、習氏は新型コロナウイルス対
策を理由として、近い将来の訪 露は困難との認識を示したという。>


そういえばプーチン、2月24日のウクライナ侵攻前に、北
京を訪問していました。
<両首脳は2月4日の北京五輪開幕に合わせたプーチン氏
の訪中の際に対面で会談し、共同声明で「両国の協力に上
限はない」と強調していた。>(同上)


「両国の協力に上限はない」というのは、本当でしょうか?「誰が真の友
かは、困難な時にわかる」といいます。
プーチンにとって習近平は、「真の友」なのでしょうか?
それともカザフスタンのトカエフ大統領や、トルコのエル
ドアン大統領のように、「偽の友」なのでしょうか?

▼中国のロシアサポートの実際
「ロシアは大丈夫だ!」という人たちの根拠は、
「中国とインドが制裁に加わっていないからだ」です。
確かに両大国は、制裁に加わっていません。
そして、ロシアからのエネルギー輸入を増やしています。
ダイヤモンドオンライン6月30日。

<ロシアの最大の輸出品である「石油」は、ウクライナの
戦争で展開されるロシア軍の弾丸やロケットの資金源とな
っている。欧米は、制裁を通じてロシアの最大市場である欧州から切り離
すことで、この石油という資金源を断ち切ろうとしていた。しかし、そこ
に立ちはだかったのが中国とインドだ。

戦争が始まって約4カ月が経過したが、ロシアの原油輸出
量は、わずかに減少した程度だ。中国とインドへの販売によって、激減し
た欧州向けの輸出を埋めてしまった。事実、5月にインドと中国の両国が
購入したロシア産原油は1日約240万バレルで、ロシアの輸出量の半分を占
めてる。

中国とインドは、ロシアから世界の基準価格の30%引きで
原油を購入しており、インフレ上昇に見舞われる世界の中
で両国の経済は大きな恩恵を受けている。そんな大胆な値引きにもかかわ
らず、ロシアの石油価格は一時、世界的なエネルギー価格の恩恵を受けて
1バレル100ドル以上まで上昇した。そうした相場上昇の結果、トータルで
ロシアの石油収入は増加している。>

ひ〜〜〜。

これでは、「中国インドがいるから、ロシアは大丈夫派」
の主張が正しそうです。しかし、この記事にはつづきがあります。

<54カ国のデータを分析したピーターソン国際経済研究所
の調査レポート「Export controls against Russia are working─with
the help of China(ロシアに対する輸出規制は中国の協力の下で機能し
ている)」によると、2月24日の侵攻開始からおよそ2カ月間で、制裁対象
国のロシアへの輸出は約60%減少し、非制裁対象国の輸出は約40%減少し
たという。中でもロシアの友好国であり、ウクライナ戦争前の2021年には
ロシアの総輸入の4分の1を供給していた中国の対ロ輸出も激減してい
る。>(同上)

「制裁対象国」、たとえば欧米日の対ロシア輸出は60%減
少した。「非制裁対象国」、たとえば中国、インド、中東、アフリカなど
の対ロ輸出も40%減少している。
では、中国の対ロシア輸出は、どうなのでしょうか?


<「米国の輸出管理・制裁法では、中国企業がロシア向
け機密品の販売禁止に違反すると、重要な技術、商品、通
貨(主要な基軸通貨発行国は全て制裁に参加している)を
入手できなくなる可能性があるとされている。中国の行動はこのリスクを
反映している。侵攻後の対ロ輸出は、2021年後半と比較して38%減少し、
非制裁国の平均と同水準となっている」(同レポート)>(同上)

つまり中国は、「二次的制裁」を恐れて、ロシアへの輸出
を38%減らしている。中国は「制裁に参加してない」といいます。しか
し、「二次的制裁」を恐れて、「事実上参加している」といえるのです。

▼中国がロシアより欧米日を重んじる理由
中国の行動の理由は何でしょうか?2月の共同声明「両国の協力に上限は
ない」は????習近平は、プーチンにウソをついたのでしょうか?その
とおり。

習近平は、プーチンにウソをついたのです。なぜ、ウソをついたのでしょ
うか?ロシアを守るために欧米日とケンカすると、あまりにも損失が大き
すぎるからです。

なぜ?
中国の輸出相手国ランキング2021年を見てみましょう。
https://www.worldstopexports.com/chinas-top-import-partners/
1位アメリカ (中国の輸出額に占めるシェアは17.2%)
2位香港(同10.3%)香港が2位というのは興味深いです。
3位日本(5%)
4位韓国(4.5%)
5位ベトナム(4.2%)
6位ドイツ(3.4%)
7位オランダ(3%)
8位インド(2.9%)
9位イギリス(2.6%)
10位台湾(2.3%)
11位マレーシア(2.3%)
12位タイ(2.1%)
13位メキシコ(2%)
14位オーストラリア(2%)
15位ロシア(2%)

これを見ると中国にとってロシアは、正直「どうでもいい
輸出相手国」といえるでしょう。一方、ロシアに制裁を科している、アメ
リカ、日本、韓国、ドイツ、オランダ、イギリス、オーストラリアが中国
の輸出に占める割合は、37.7%になります。その差、実に19倍!

中国は、輸出シェア2%のロシアを救うために、37.7%を占める輸出相手
国との関係をぶち壊すリスクを負いたいでしょうか?もちろん負いたくな
いでしょう。
だから、習近平はプーチンに冷淡なのです。
情報筋によると、プーチンは、習近平の態度に激怒してい
るそうです。「中国、インドがいるからロシアは大丈夫?」そんな感じで
はないですね。



━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎私が考えるカタカナ語の問題点(何故カタカナ語は誤用され濫用される
のか):前田正晶

私は我が国の学校教育の英語の問題点の一つとして長い間「単語を覚え
ることを重視していることは好ましくない。単語はその意味を記憶するだ
けではなく、文章乃至は会話の流れの中でどのように使われているかを理
解せねばならない」と指摘してきた。

しかしながら、ただ単に意味だけを丸暗記した事の副産物として、その単
語の代表的な意味だけを覚えたので、屡々「単語だけを並べたら外国人に
通じた」というような情けない英語力が養われたのだった。しかしなが
ら、我が国の学校教育での英語で育てられた人たちの読解力はかなり高い
水準にまで達していると見ている。言葉を変えれば、寧ろ私如きを超えて
いる領域に達しておられると思う場合が多々ある。

単語丸暗記の副産物はそれだけではなかった。その蓄積された知識を何処
かで誰かが無闇矢鱈にカタカナ語として使うようにもなってしまったの
だ。このような私に言わせれば好ましくない流れに加えて、テレビに登場
する人気が高い芸人やタレントどもが「これ見よがし」じゃなかった「こ
れ聞こえよがし」(?)に奇妙なカタカナ語を使って「如何にも教養があ
り、英語に精通しているかのように振る舞う」のだった。

それを見聞きしたミーハー族は彼らタレントが使うことでもあり、「良い
ことを覚えた」とばかりに誤解して真似をして無定見に使うようになっ
た。テレビ局も負けずに彼らに迎合して野放図にカタカナ語を濫用するよ
うになった事等々が、今日までのカタカナ語の濫用というか、粗製濫造の
切掛けにもなっていると見ている。

これだけでは何らの説明になっていないので、濫用/誤用の実例を挙げ
てみよう。つい先頃にも、テレビのニュースに登場した外飲食店のチーフ
が、失礼!代表取締役だった、「うちは〜をメインにしているので」と
語っていた。このように“main”という単語はカタカナ語化して「主に」
か」「主として」の意味で猫も杓子も使うようになってしまった。

これなどは「単語の代表的な意味だけを暗記しただけ」の典型的な悪い例
なのである。「悪い点」は「mainは形容詞であり、必ず名詞の前に持って
くることが原則なのである」を綺麗サッパリと無視していることなのだ。
即ち、“the main street”や“the main gate“や「当店の主たる料理は」の
ように使われるべき単語なのだ。但し、「メインバンク」は恰もその原則
に従っているかのように作られているが、英語で“main bank“というと
「日本銀行」か“FRB“のことだと思われてしまうので、要注意だ。

ここでもう一つ、英語本来の意味とは異なった使われ方がされている例と
して「ケースバイケース」を挙げておこう。これは、英語では“case-by-
case”であり「個別に」とか「一件ごとに」を意味していて“It depends.”
のように使われている。例えば、「そこには徒歩で行きますか、電車にし
ますか」と尋ねられれば“It depends on the weather.”のように言うので
あり、“Case by case.とはならないのだ。

だが「ケースバイケース」は「時と場合による」の意味で広く使われてい
る。私が昭和30年(=1955年)に新卒で就職した頃には、社内では既に
「ケースバイケース」を使う上司がおられた。このように「言葉の誤用」
としての歴史は古いのだ。

このような誤用の他の例も挙げておくと「ウイン・ウイン」がある。この
“win-win“も次に名詞が来るのが原則なのだ。例えば“a win-win
situation“のようになるのだ。言いたくはないが、安部元総理はこの「ウ
イン・ウイン」のフレーズがお好みだった。私が問題にしたいことは「単
語とフレーズはその遣い方を流れの中で覚えるようにすること」なのだ。

「メイン」などの使われ方は未だ意味を正しく覚えているから良いかも知
れないが、中には全くの誤用になっている例もあるので困るのだ。例え
ば、“stress”=ストレスがある。これはウイルス感染の防止策で不要不急
の外出をしないように要請された結果で、欲求不満となってしまうのだっ
た。それを何処かで誰かが如何にも英語通の如く格好を付けて「ストレス
が溜まる」と表現したのだった。それを聞いた正しくstressを覚えていな
かった者たちの間に普及して「ストレスだ、ストレスだ」と言うように
なってしまったのだった。

“stress”とはジーニアス英和には「精神的・感情的な緊張、圧迫、圧力、
重圧」とある。Oxfordには“MENTAL”として“pressure or worry caused by
the problem in 〜’s life”とある。「こういう圧力や心配ごとが外出を
禁じられると貯まるのか」と考えれば、言葉の誤用であることは明白だ。
明らかに“frustration”即ち「欲求不満となる」の間違いであろう。私は
在職中に多くの問題を抱えて精神的な重圧に苦しめられていた時期があっ
た。その辛さで全身が凝っていたし、頭痛に悩まされていた。本部の人た
ちには「ストレスに悩んでいる状態」として知られて、同情もされてい
た。明らかに“frustration”ではない。

「トラブル」などは誤用という範疇に入れるのではなく「濫用」としたい
のだが、これについては何度も「おかしい」と指摘してきたので、ここで
は触れない。代わりに「メリット」と「デメリット」を挙げておこう。

“merit”は、ジーニアス英和には「長所、利点、(賞賛に値する)美点。◆
日本語のメリットはadvantageに当たることが多い」とある。ここまでで
言葉の誤用、乃至は勝手に転用したと判明する。即ち、英語の単語の意味
の誤解であり、誤用である。遺憾ながら、猫も杓子もと言うか遍く国中に
広まって使われてしまっている。ジーニアス英和には良い例文が出ていて
“Email has its merits and demerits.”とあった。「長所も短所もある」
と言っているのだ。なお、demeritという単語の発音は「デイーメリッ
ト」となる場合が多いのも、ローマ字読みした欠陥が出ている。

未だ未だ「ローマ字読み」による弊害なども取り上げて論じたいのだ
が、これ以上論じ続けていると「何を指摘したいのか」の焦点が定まらな
くなる危険性があるかと思う。ここまで論じてきただけでも、「我が国の
単語重視の英語教育から派生する問題点が多いのだ。その一つがカタカナ
語の乱造である」とご理解願えれば幸甚である。

なお、上記は2021年11月10日に発表した「カタカナ語の問題点」を基調に
したものである。


◎過去・現在・未来論 :北村維康


 今、私は時計を見てゐる。今日は、令和4年7月5日の、火曜日であ り、
時刻は午後の12時18分である。そしてこの「時」は、一過性であ り、二
度と戻っては来ない。諺でも「覆水盆に返らず」といふ。英語で は、It
is no use crying over spilt milk.(こぼした牛乳の事を嘆いて みても
詮の無いことだ(しかたのないことだ)また、Whatever having been
done cannot be undone.

(やってしまったことは、とりかえしがつかない)などといふ。しかしこ
の事を、あっさりと認めることは、潔いことで、日本人の特徴であるのか
もしれない。それを、変にねちねちと、諦めず蒸し返す輩もゐないことは
ない。それは歴史を捻じ曲げる連中のことだ。なんでも自分の国で生まれ
たとか、ありもしない従軍慰安婦などと言ふものをでっちあげて、つかの
間の優越感に浸ったり、また和解金をせしめて「してやったり」と舌をぺ
ろりと出すやうな連中である。しかしそんなことをすると、ありもしな
かった虚偽の物に、終生付きまとはれて、苦しめられる結果となる。最
近、韓国人の中でも、ドイツまで出かけていって、慰安婦少女像なるもの
を撤去する人たちがゐるさうだ。慰安婦として騒ぐことは、流行ではない
と悟ったのか。世の中も変れば変るものである。


 さて、やってしまった過去は変られないといふことは、常識的な真実で
あるが、此処に「並行世界」(parallel world)と言ふものが現れてきた。
これは、ユーチューブなどに頻繁に登場する話題である。ある時、北海道
のコンビニで、お客が、1万円の記念銀貨で買い物をしようとしたが、こ
れは流通してゐる貨幣ではなかったので、贋金を遣ったと怪しまれ、警察
に逮捕された。しかしこの銀貨を調べてみると、本物の銀貨と同様に極め
て良質な材料で緻密につくられてをり、とてもいたずら半分で作られたも
のとも思へない。そして刻印されてゐる年号も、昭和65年といふ、日本
では終了したはずの昭和64年の、更に1年後のものなのである。この件
に関する解釈としては、この世の他に、もう一つ別の世界が並行してある
のだが、其処の住人が何かの拍子に誤ってこちらの世界に迷ひ込んでき
た、といふことが考へられる。


 似たやうな話は、アメリカのある男性が、犬を散歩させてゐるときに意
識不明となり倒れてしまったが、気が付くと誰かの家の中に寝かされて介
抱されてゐた。そこの家には、ビートルズの音楽がかかってゐたが、それ
は聞いたこともない新曲で、死んだはずのジョン・レノンも歌ってゐた。
かれは其のカセットテープのコピーが欲しいと頼んだが、断られた。しか
しそのカセットを失敬して、自分のポケットに入れて、自分の元の世界に
戻って来た。その曲名は、Talking to Myself(自分自身に話しかける)
といふものであったのださうな。


 さて、過去の世界にタイムマシンで行くことができるかどうかは、なか
なか興味深い題材である。一説によると、世界には様々な並行世界があ
り、其処に自分のゐる世界から、行くことができるのだと言ふ。だからそ
こで何をやっても、自分の世界には影響がないのだとか。しかしこれは、
まだまだ奥が深い話であり、容易に混乱を招きかねないから、此処までと
する。


 過去を変れば現在も未来も変るといふことは、精神科学的に更に掘り下
げることもできる。例へばある人が、悪いことを沢山やって、警察に捕ま
り、そこで滾々と説教されて、自分の非を悟り、真人間に生まれ変ったや
うな場合である。その実例として、アメリカに、スター・デイリーといふ
ギャングの親玉のやうな男がゐた。この名前は仮名で、実名は例へば、ア
ル・カポネのやうに、誰でも聴けば震へあがるやうな凶悪犯人であった。
その男が、脱獄しようとしてつかまり、拷問にかけられ、意識不明となっ
た。しかし獄中でキリストの幻影を見て、すっかり改心し、「もう自分は
娑婆に出ても仕方がないので、牢獄の中で他の囚人に説諭して善人に導く
係になるのだ」となった。この例なども、過去を変へることによって自分
の未来をも変へた、顕著な実例である。(続く)

2022年07月06日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6190号
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   2022(令和4年)年 7月6日(水)

     

岸田政権の「財務省色」:高橋洋一
                  
苛政:三橋貴明 
    
         最も信頼できる”戦況分析:高島康司

クライン孝子女史から見えてきた事:クライン孝子
          
  
         
                 

                 重 要 情 報
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岸田政権の「財務省色」
━━━━━━━━━━━
高橋洋一


【日本の解き方】岸田政権の「財務省色」人事は防衛費増額の壁か 各省
に別働部隊、積極財政とはほど遠く 安倍元首相との暗闘≠フ背後にあ
る存在 

参院選(7月10日投開票)で、物価高など経済対策に並んで有権者の 関
心が高い争点が外交・安全保障問題だ。中国の日本周辺での威嚇やロシ
アのウクライナ侵攻で国民の危機意識が高まるなか、岸田文雄首相は北大
西洋条約機構(NATO)首脳会議に日本の首相として初参加し、「防衛
力の5年以内の抜本的強化」を表明した。しかし、これに水を差しかねな
いのが防衛事務次官人事だと元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は指
摘する。岸田首相と安倍晋三元首相の暗闘≠燻w摘されたが、背後には
あの省庁の存在があるというのだ。

◇政府は6月17日、各府省幹部職員の人事を閣議決定した。防衛省では 7月
1日付で島田和久事務次官が退任し、後任に鈴木敦夫防衛装備庁長官 を
充てる。

防衛省は現在、2022年末に向け国家安全保障戦略など3文書の改定作 業
中であるとともに、防衛費について国内総生産(GDP)比2%超えを
目指すという重要な局面だ。そのため、大方の予想は、島田次官の留任と
いうものだった。

戦後長らく防衛費がGDP比1%程度の低位だったのには理由がある。予
算には「要求なくして査定なし」という金言がある。予算額が要求額以上
になることはないという意味だ。

各省の予算要求の要となるのは会計課長だ。予算がなくては政策もできな
いので、会計課長は出世コースだ。ところが防衛省では、会計課長は財務
省からの出向者だ。出向者は親元の省庁を見て仕事をするのが普通だか
ら、まともな予算要求が行われていなかったといわれても仕方がない面も
ある。

そこで、安倍政権では、事務次官に安倍氏の秘書官だった島田氏を充て
た。続く菅義偉政権では、防衛大臣に安倍氏の実弟、岸信夫氏を充てた。
何とか防衛費の確保をしようとした布陣だった。

ところが、岸田政権は、前述のような次官人事を行った。参院選後、9
月にも内閣改造が行われるだろうが、岸防衛相の交代も噂されている。と
なると、防衛費のGDP比2%超えは、実現に向けてかなり難航すること
も予想される。

岸田首相が対外的に防衛費の「相当な増額」と言っているので多少は増
やすだろうが、増額幅を抑制したり、増額期間を引き伸ばし、そのうち雲
散霧消させたりするのが財務省の戦略だと筆者は考える。岸田政権は財務
省の意向が通りやすく、やりたい放題ではないか。

防衛省は「岸田人事」の典型だといえるが、筆者の見るところ、官邸を
含め他の省庁でも同様の状況で、安倍・菅政権で仕事をしていた官僚をラ
インから外したりしている。その後釜に就くのは財務省の息がかかった人
が多い。まるで、財務省の別働部隊がそこかしこにいるようだ。となる
と、各省から出てくる素案の段階で積極財政とはほど遠い状況になるだろう。

公共事業の費用と便益を評価する際の重要な前提条件である「社会的割
引率」は、2004年以降、4%のままで、見直しの気配もない。安倍政 権時
に見直し作業がなされたが、岸田政権では頓挫しているようだ。社会 的
割引率が高いままでは、そもそも投資案件が出てこない。

岸田首相は、首相として何がやりたいのかと問われて、「人事」と答えた
ことがある。本来、人事は何かやりたい時の手段である。ところが、今回
の岸田人事を見ていると、財務省のいいなりで財務省サイドの官僚が多く
選ばれているようだ。これではインフラ投資の増額など全く期待できず、
絶好の投資チャンスを生かせない。

こうした人事は岸田政権を評価する材料だともいえる。有権者は選挙など
の機会で、岸田人事への意見を反映させる必要があるだろう(元内閣参事
官・嘉悦大教授、高橋洋一

元内閣参事官・嘉悦大教授

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録

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━━━━
 苛政
━━━━
   三橋貴明

税収とは、所得から支払われます。もちろん、多少の税収弾性値の変動は
ありますが、基本的に税収は「GDPx税率」で決まります。もっとも、 税
収の基盤たるGDP(所得の合計)が拡大しない中税収だけが増える ケース
もある

すなわち「苛政」です国民が所得が伸び悩み、苦しんでいる中、容赦なく
政府が税金を取りたてる。その場合は、「GDPが増えない」と「税収が増
える」が成り立ちます。

つまりは、「国民の共同体」であるはずの政府が国民を搾取している。国
民の可処分所得を減らし、「税収が増えたぜ。やった〜っ!」と、やって
いるわけですが、我々(国民)から徴集された税金は、別に「国民のため
に」使われるわけではありません。

単に、国債の償還に使われて「ジュッ」と消えてしまうだけです。こう
言っては何ですが、わたくしは莫大な税金を支払っていますが、別にそれ
が政府の金庫に貯まり、我々のために使われているわけではありません。
単に、国債と相殺でこの世から消えているだけです。

この、むなしさたるや・・・。

 今回のコストプッシュ型インフレは、財務省にとっては「ウハウハ」で
しょう。何しろ、何もしなくても物価上昇により、消費税収は増えるので
す。『国の税収、昨年度67兆円に 過去最高を更新国の2021年度の税収が
67兆円程度となり、過去最高を更新したことがわかった。

これまでの最高だった20年度の60兆8216億円を1割上回る。新型コロナウ
イルス禍からの業績の回復で法人税収が伸びた。消費税や所得税も堅調
だった。(中略)

所得税は雇用環境の改善などで伸びた。消費税は消費の持ち直しのほか、
年度後半の物価高で購入額が増えたことが上振れ要因と見られる。(後略)』

いや、GDPがピーク(2019年7−8月期)と比較して、20兆円も落ち込ん で
いる状況で、税収の伸びを誇るなよ。

自分たちの「苛政」性を証明しているようなものだ。
所得の総計(GDP)が増えていない(というか、減っている)にもかか わ
らず、税収が伸びたということは、その分、国民を苦しめているという
話になります。

しかも、我々から奪い取られた税金は、我々のために使われることはな
い。国債償還で消滅するだけ。
国民の所得が減っている(GDPが減っている)のであれば政府は当たり 前
の話として減税をしなければならない。
諸外国はそうしている。

ところが、我が国の政府は「GDPは減ったけど、税収が増えたぜ、 ヒャッ
ハー」とやっているわけです。
国民を貧乏にしたことを喜んでどうする。

我が国の政府は、ここまで狂っているわけです。もっとも、この狂った政
府を存続させているのは、我々「主権者」たる日本国民です。

さあ、どうする。

という問いに対し、我々は7月10日に答えなければならない。間もな く、
参議院選挙投票日です。
          


━━━━━━━━━━━━━
最も信頼できる”戦況分析
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高島康司

敗北するウクライナ、戦時中の日本と酷似か。西側メディアが報じない
“最も信頼できる”戦況分析

日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。しかし海外のレポートや報道を見ると、こうした希
望的な観測を許さないほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。
(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

敗色濃厚なウクライナの戦況
日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。

しかしこうした観測は、ワラにもすがるように、ウクライナ軍に有利なわ
ずかな情報にしがみついているだけのように見える。

東部ドンバス地方を中心とした戦況は、こうした希望的な観測を許さない
ほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。こうした状況は日本ではほ
とんど報道されることがないので、今回の記事で書くことにした。

ウクライナ戦争の戦況の詳細は、スイス参謀本部の元大佐でNATO軍の一員
としてウクライナをモニターしていたジャック・ボー、また複数の専門家
の集まりである「ザ・デュラン」、米国防総省出身と思われる人物の分析
を掲載する「ドレイゼン・レポート」、米軍情報将校で元国連核査察官の
スコット・リッター、ロシア軍の動きに詳しい軍事アナリスト、アンドレ
イ・マリヤノフの分析、米軍出身の分析者、ブライアン・バーレティッ
ク、そして、世界で300万人の読者を持つ大手誌、「アジア・タイムス」
が毎日行っている戦況報告である。

これらのソースはほぼ同じ戦況を報告しており、ズレがない。客観的な現
実を知るにはもっともよいソースである

このなかでも、「ドレイゼン・レポート」を発信しているジェイコブ・ド
レイゼンは突出している。経歴の詳細は一切発表していないのではっきり
とは分からないが、ロシア語に非常に堪能で、ロシア内部の情報に詳し
い。「ドレイゼン・レポート」は戦況を詳しく報告するだけではなく、次
にどうなるのか予想をして、そのすべてを的中させている。分析者のなか
でも突出した存在だ。

「アジア・タイムス」の戦況分析
それでは、「アジア・タイムス」がほぼ毎日掲載している戦況分析と評価
を見てみよう。「アジア・タイムス」は、複数の軍やシンクタンクの情報
源に基づくウクライナの戦況レポートを掲載している。各方面の戦争プロ
パガンダや誤報を排除するために、最善を尽くすとしている。

<6月20日の戦況の評価>
東部ドンバス地方でのロシア軍の動きは、緩慢ではあるが、再び活発に
なっており、ドンバス地方最東端のウクライナ軍への補給を中断するだけ
でなく、断ち切る決断をしたようである。

今後の重要な課題は、訓練された人材の確保である。消耗戦はウクライナ
に有利ではない。ウクライナ側は、これまでに最大で50%の武器と装備を
失ったとされているが、NATO諸国は時間をかけてそれを補うことができる
と主張している。

しかし、実際に代替できないのは、失われた人的資源である。一方、奇妙
なことに、ある米国情報機関の幹部は、「ウクライナ人は武器を与えれば
戦い続けられるというのが一般的な論調だ。しかし、ロシア人はウクライ
ナの約4倍の人口を抱え、組織的にも人口的にも完全に崩壊寸前であると
評価されている」と言っている。

NATOは、「カリーニングラード封鎖を破ろうとするロシアの脅威に対して
対処する準備ができていない。しかし、カリーニングラードはロシアの核
ミサイル旅団、SS-26の基地である。3月には核兵器演習が行われ、2機の
SU-24が核兵器を積んでバルト海上空を飛行している。

ちなみにカリーニングラードは、リトアニアの飛び地でロシア領である。
必要な物資の多くは、ロシアからリトアニア領を通過する鉄道で輸送され
ている。6月20日、リトアニアは鉄道の通過に厳しい規制を課した。これ
がカリーニングラード封鎖である。

<その他>
タス通信によると、5月に「アゾフ製鉄所」で投降した「アゾフ大隊」の
スビャトスラフ・パラマール副司令官と第336海兵旅団のセルヒイ・ヴォ
リンスキー司令官はロシアに移送され、裁判に備えてモスクワの「レフォ
ルトヴォ刑務所」に収監されているとのことである。

そして、捕虜となったアメリカ人傭兵の裁判も行われることになりそうだ。


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クライン孝子女史から見えてきた事
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クライン孝子

休日のある日、時間潰しにとテレビにスイッチを入れ、いつもの様に面白
い番組がないかチャンネルを回していると、「戦後のタブーをけっとば
せ」と言う番組が目に入りました。司会が西部 邁氏、3人で対談する番
組です。
出演していた女性、クライン孝子さんと言う方に興味をもち、紹介を聞い
ているとヨーロッパ人と結婚され向こうで暮らしているとの事。

彼女がヨーロッパ暮らしと言う点が気を引きました。
その理由は、塩野七生さんが書いた本、「日本人へリーダー篇」を読んで
ヨーロッパで長く暮らしている経験とローマ帝国を題材にして出版され
ている見識からから書かれた本の内容が今の日本の問題点を鋭くついてい
たことにも拠ります。
クライン孝子さんも同様にヨーロッパで長く暮らされているのでどんな批
評が聞けるかと関心が行きました。
もう一つ、以前ブログで触れましたが、女優岸恵子さんの批評が的確で、
日本の政治家の在り方について的を射た発言をしていた事、彼女ら遠く離
れたヨーロッパから日本をいろいろな視点で見ているのではと思えたのです。
岸恵子も、フランス人映画監督と結婚してフランスに在住した経験があり
ます。

対談形式で話が進み、映像流出の事件が上がり、情報管理、危機管理に
ついて触れ発言がありました。
この点、国家的見地からアメリカCIA、韓国KCIAなどの様に国家情報を取
り扱うシステムがないことを危惧していました。どういう事かと言えば、
新聞の特ダネを例に挙げ、何でもかんでも特ダネと言って、報道するが国
益的見地から言って日本に不利になるようなことまでばらしてしまう事。
喜ぶのは他国ではないかと。
また、スパイ防止なる法律がない事も指摘され、危機管理面で遅れている
ことを心配していました。

司会者は、「膝行」と言う言葉を例に挙げ、日本の外交に苦言を呈して
います。膝行と言う言葉、合気道では基礎訓練として足腰を鍛錬する動作
を言いますが、「いざり」と読むと紹介していました。この年でその読み
方を初めて知りましたが、司会者が言いたかったこと、腰が抜けちゃんと
立てず、外交をしっかりとやれない日本を憂いていたのです。弱腰外交な
る表現より、腰が抜けて歩くことも出来ない状態になっている外交を比喩
したのでしょう。

その点、ヨーロッパの諸国、過去の歴史で何世紀にも亘り戦争、外交で
揉まれているだけしたたかさを持っていると思います。

司会者、今の日本人を例えて、頭がイザリになって人間がだらしなくなっ
てしまった、ラテン語を引用し「死を思え」とも言うのです。
「memento mori」意味は次の通り。「<<なんじは死を覚悟
せよの意>>死の警告。特に、死の象徴としてのしゃれこうべ。人間の欠
陥やあやまちを思い出させるものとして、ヨーロッパのルネサンス・バ
ロック期の絵画のモチーフに用いられた」

自戒し覚悟を持って何事にも臨めと言いたかったのでしょう。この言葉
など、武士道を連想させます。現政権の政治家に言いたいのでしょうが、
私から見てもそんな精神を過去に学んだことはないでしょう。中国の対応
を見れば明らか「男の面子」と言う言葉すら知らないのでは。

記憶は定かでないのですが、ナチス収容所の出来事で処刑される列にいた
少年が機転を利かし列から離れて掃除に向かう人たちの列に紛れ込み死を
免れた例を挙げ、きわどい経験をする意義を語っていました。

後々その少年が成人になり大きな功績をあげ社会貢献したとのこと。

司会者が、この例を上げた理由に生きていく上で、このような経験は非常
に有意義なものになるとも語り、それを受けてクライン孝子さんソ連の捕
虜収容所に抑留されたドイツ兵を、故郷の村々で温かく迎えてその体験を
語り継ぐことを行ったとも話していました。

「麻山(まさん)」の事件にも触れて約500人の日本人婦女子がソ連軍
に強姦されることをよしとせず集団自決したこと話していました。
中国孤児となった幼子がその悲惨さだけが記憶に残り「日本鬼子(日本人
に対する蔑称だそうです)」だけの記憶が残ってしまったそうです。幼い
子供には5人の男性が婦女子に銃を向け殺してしまう場面だけが記憶に
残ったのでしょう。その経緯は知らずに。

クライン孝子さん、日本のテレビ番組の放送内容のレベルが低く、くだら
ないものが多いとも言っていました。

確かに、お笑い番組が多く、たわいない話を大げさに笑うことなどを見る
とそうかもしれません。

パチンコの話も出ていました。

2006年、韓国はパチンコを禁止していることに話が及び、日本がそれを許
しているのがおかしいとも語っていました。
昔ですが、パチンコは射幸心を煽るものと禁止を訴える見識者もいたと記
憶にあります。
私も、博打は良くないと親から言われましたが、いつの間にか巨大産業の
位置を占めるまでになっています。

遊興にふけることはよくありません。韓国の方が正しい選択をしたので
は。しかし、日本に在住している同胞にはパチンコでしっかり稼いでと言
うわけです。


司会者である、西部邁氏がある講演で韓流ブームに触れて、その理由に向
こうの俳優が日本中年女性に人気があるのは、徴兵制度があるからだと
言った時、そうだそうだと多く人が口にしたそうです。
そう言われると私は納得です。徴兵制度の是非はともかくとして、集団生
活と厳しい軍事訓練を体験することで内なる面の精神的成長を促します。

若者に身心を鍛える機会が無くなったせいだと考えるのは妥当性がありま
す。今の若者に「凛」とした風貌が見られないのは鍛えることを忘れたか
らではないでしょうか。
民族の存続と言う事も考え、若い人たちを育てなければと語っていました。

私もこの点は気がかりです。
30代、40代の人と会話する度、国家観が薄く国はどうあるべきか日常的に
考えることもないように思えるのです。
国が国として機能しなくなれば、歴史を見ればわかること
それは、塩野七生さんが言っています。
「・・・つまり、ローマ史ならば、上部構造が機能しなくなると、上部構
造自体はさっさと逃げてしまい、上部構造が機能しなくなったがゆえの弊
害を、残された下部構造がモロにかぶる、・・・ローマ帝国の末期に起
こった悲劇である。・・・国の安全保障の責任を負う国政が、ガタガタに
なってしまったからだ・・・」
塩野七生、クライン孝子、女優岸恵子ともにヨーロッパで暮らした経験が
あります。それぞれの見識がヨーロッパで育まれたのでしょう。ヨーロパ
大陸、政治、文化などの思想が彼女らに適切な批評を言わしめているよう
な気がします。民族意識が弱くなり、歴史、精神文化が無国籍的なものに
変質している日本が心配です。


コメントが 2件あります
島影隼人さんより2018年9月9日5:10 AM
このブログに感銘を受けました。あなたのような日本人が多いことを願っ
て止みません。

有限会社フジックス 上野2018年9月9日10:03 AM
コメント有難うございます。戦前、戦後の歴史を自分なりに見直しを若い
頃より続けています。あの番組「戦後のタブーを蹴っ飛ばせ」だったか
な?観ているとブログに書いた思いが湧いてきたのです。


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重 要 情 報
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◎「謝罪の文化」の考察ーKDDI高橋誠社長の
          謝罪記者会見の虚しさ:前田正晶

我が国には西欧文化圏の諸国には存在しない「謝罪」という文化がある。
彼らは先ず絶対と言って良いほど「自らの非を認めて積極的に謝ることは
しない」のである。我が国では先ず謝れば言わば「水に落ちた犬は打たな
い」のが習慣であるから、アメリカの会社に移った後では、この両極端の
狭間に落ち込んで悩まされたのだった。

それはそれとして、我が国ではテレビ時代になってから、何時何処で何処
の会社が先鞭を付けられたのか知らないが、何か重大な過失乃至は事故を
起こした会社の首脳部が記者会見を開いてテレビカメラを入れて、そのテ
レビカメラの前で全員が一斉に頭を下げて詫びることで、罪一等を減じら
れるかのようになったのだった。

また、ここには我が国と西欧諸国との文化の違いがあって「彼ら諸外国、
中でもアメリカでは副社長兼事業部長を始めとして首脳部は職責上と年俸
の高さから常に第一戦というか現場に出て客先を訪問するので、何が何処
でどのように起きているかを把握している」のだ。一方の我が国では「管
理職としての地位が上昇するに従って、現場から遠くなる傾向が顕著なの
で、どうしても現状の把握が十分ではなくなるし、特に役員ともなられれ
ばその感が否めない」ようだ。

私には、このような記者会見に臨まれる社長や役付役員の方々は、動もす
ると心からの謝罪と言うよりは実務担当者が用意した原稿を読んでおられ
るだけになり、本気で事故乃至事件が起きたことをお詫びしておられるよ
うには聞こえないことが極めて多いと見える。極端な表現を用いれば「頭
を下げて、強風が過ぎ去るのを待っているのでは」と、疑いたくなるよう
な例も散見された。

これぞ「謝罪の文化」の悪しき表れであろうか。俗に「御免と言って済む
のならば警察は要らない」と言われているではないか。我が国の「謝罪の
文化」では「謝って自社の非を認めたからと言って、自己の全責任を負い
先方の求めに従って全額を補償するということまでには至らない」のだ。

だが、アメリカのように「謝罪の文化」の欠片も存在しない国にあって
は、気軽に“I am sorry this accident took place.”とでも言ってしまっ
た時点で「御社が被った如何なる経済的損失も補償する責任を負います」
と明言したことになるのだ。だからこそ、彼らは謝らないのだ。この点が
非常に大きな文化の相違点である。

であるから、アメリカ人たちは交渉の最初から謝るようなことは言わない
し、責任を認めることを極力回避する議論を展開しようとするのが普通で
ある。ここには悪意はないと言って誤りではない。

自慢話ではない切実な回顧談であるが、私はこの文化の相異という深い谷
間に落ち込んで、彼らに「謝ることは全責任を負いますと認めることには
ならないのが日本の文化であり、謝って初めて本当の補償(乃至は先方か
らの求償)の話し合いには入れるのだ」と説得し続けたのだった。簡単に
は理解されなかったのは言うまでもないこと。最後には「貴方は何か適当
に英語で言ってくれ。それを私が謝罪の文言に直して通訳するから」とま
で説いて聞かせたこともあった。

結果としては、彼らも謝ること、それも誠心誠意で謝ることが出来るよう
になり、先方と本当の意味で「意思の疎通」(「コミュニケーションが取
れるようになって」などという間抜けなカタカナ語は使わないよ)を図れ
るようになって、真の信頼関係が構築されたのだった。「雨降って地固ま
る」という言い慣わしがあるが、我が方にとっては「謝って地固まる」と
なったのだった。

何も、KDDIの高橋誠社長にこの文化の相異に始まる経験談を聞かせようと
は思わないが、「心が籠もらない、誠心誠意ではない謝罪など無意味だ」
と承知して貰いたいのだ。

畏メル友RS氏は私が“「利用者その他の損害を受けたであろう方々に向け
て真剣に誠意を込めてお詫びしよう」という気迫が全く感じられなかっ
た。”と指摘したのに対して、“実に軽い「申し訳ありませんでした」との
謝罪でした。あれでは逆効果、au離れが起きるのではないかと感じまし
た。”と反応しておられた。



◎母親(シングルマザー)に捨てられた少女を引き取った、銭湯経営の夫
婦の心温まるお話。↓

テーマ:ブログ:北村維康

(368) 【感動する話】ボロボロの幼い少女がゴミを漁る場面に遭遇。銭湯
と鍋料理をご馳走した。数日後、妻「施設からあの子を引き取りたい」と
相談され決心した僕→4年後、実母と会った結果【泣ける話】【朗読】 -
YouTub

URL: https://www.youtube.com/watch?v=dVTC1w_I31E

*私も、生長の家神の国寮といふ養護施設で、時々行っては、真理の話な
どをしてヴォランティアをしたことがありますので、まさに他人事とは思
へぬ気持ちで、この暖かい話を聴きました。



 

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身 辺 雑 記
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6日の東京湾岸は晴のち雨。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎

--
渡部 亮次郎

2022年07月05日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6189号
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   2022(令和4年)年 7月5日(火)

    

 「強い日本」への時代の転換点:八木秀次

【変見自在】いい放射線:高山正之

中国NATO首脳会議に反発:三塚聖平
         
           「私たちが助けよう」:伊勢雅臣
    
                 

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「強い日本」への時代の転換点
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【正論】 麗澤大学教授・八木秀次 

フランスの週刊政治ニュース雑誌『ルポワン』が、ロシアのウクライナ
侵攻による世界の変化について「日独という敗戦国の再武装」に象徴され
ると論じた。しかも、そこには警戒論のかけらもない。本紙6月24日付
コラム「緯度経度」で三井美奈産経新聞パリ支局長が紹介している。

[国際社会が求める日本像]

ウクライナ侵攻後、ドイツは国防費を国内総生産(GDP)比2%にする と
決め、軍備増強に動いた。日本でも岸田文雄首相が防衛費の「相当な増
額」を表明した。

日独が国防費をGDP比2%にすれば、日本は米中に次いで3位、ドイツ は4
位の規模になり、世界の軍事地図を変える。にもかかわらず、『ルポ ワ
ン』は「案じることは全くない。中国や北朝鮮が地域を火薬庫に変える
中、強い日本はアジアの安定につながる」と記している。

三井氏は、岸田首相の防衛費増額発言についても「少し前なら、欧州メ
ディアは『東アジアの緊張を高める』と一斉に書き立てただろう。今は、
警戒論が全く聞こえてこない」と、現在の欧州の日本への見方を伝えている。

現在の日本の一部の政党やメディアなどが描く日本の自画像と国際社会
が求める日本像との間に大きなずれが生じ始めたようだ。

参院選では、自民党が「防衛費GDP比2%以上を念頭に5年以内に必
要水準達成」と主張し、日本維新の会、国民民主党もほぼ同調する。一
方、公明党は「予算額ありきではない」と牽制(けんせい)し、立憲民主
党も「総額ありきではなく、メリハリのある防衛予算」と批判的だ。共産
党は「軍事費2倍化を許さない」とし、社民党は「ウクライナ情勢に便乗
した防衛力大幅増強の動きに反対」とする

[憲法9条に拘泥する勢力]

公明、立民、共産、社民各党の主張の背景には憲法9条遵守(じゅん
しゅ)というよりは、敗戦直後の「ポツダム体制」の発想がありそうだ。
日本は第二次世界大戦をポツダム宣言の受諾で敗北した。戦後の国際秩序
は戦勝国である連合国がつくった。「ポツダム体制」だ。その象徴が国際
連合で、安全保障理事会の常任理事国の5大国は、連合国とその継承国で
ある。日本はドイツ等とともに国連憲章で「旧敵国」とされている。日本
は「悪(あ)しき戦争」をした国として武装解除され、憲法で「戦力の不
保持」が固定化された。占領軍の憲法原案起草の責任者、チャールズ・
ケーディスは「(目的は)日本を永久に非武装のままにすることだった」
と後に語っている。

しかしその後、東西冷戦が起き日本はサンフランシスコ講和条約を経
て、自由主義陣営の一員として国際社会に復帰した。「サンフランシスコ
体制」への移行だ。

それに伴って防衛政策も「非武装」から「再軍備」へと転じ、朝鮮戦争
の勃発によって設置された警察予備隊は自衛隊へと発展していった。しか
し、「ポツダム体制」の残滓(ざんし)である憲法9条に拘泥する勢力か
ら自衛隊は「違憲」と批判され、現在も憲法にその存在すら明記されてい
ない。

与野党の一部が描く日本像は、「悪しき戦争」をした忌まわしい国で軍
事力を振り回し、国際秩序を脅かす。だから武力を持たせるにしても控え
めでなければならないというものだ。「ウィークジャパン(弱い日本)」
の発想だ。だが現在の欧州はアジアの安定のために真逆の「ストロング
ジャパン(強い日本)」を求めている。

今、日本は時代の転換点に立っている。「ポツダム体制」から「サンフ
ランシスコ体制」へ移行し、「再軍備」したときに相当する、いや、それ
以上の転換だ。

日本は第二次大戦で「悪しき戦争」をした忌まわしい国として控えめな
軍事力を持てばよいという存在ではもはやない。国際秩序の維持に責任を
持ち相応に国際社会に軍事的な貢献をすることが期待される存在となって
いる。

[国民の審判も問われる]

ロシアのウクライナ侵攻はすでに形骸化していた「ポツダム体制」を完全
に過去のものとし、日独など第二次大戦の敗戦国に「再武装」を期待する
効果をもたらした。残るは日本国内で今なお「ポツダム体制」に呪縛され
て自国に信頼を置けない人たちの問題だ。彼らは今なお、日本は「悪しき
戦争」をした忌まわしい国として軍事面で過剰なまでに自己規制し、政府
にそれを強いている。

集団的自衛権の限定行使を可能にし、日米同盟の緊密化や国際貢献の度
合いを高めた平和安全法制を「戦争法」と批判したのはその典型だった。
ありもしない軍国主義や戦前回帰を喧伝(けんでん)し、国民の不安を煽
(あお)りもした。今なお、廃止を唱える政党もある。

しかし、それらの声は、現在は虚(むな)しく聞こえる。逆に国際社会
は日本に期待の声を掛けている。

参院選後は、防衛費増額のみならず憲法改正も課題となる。「ポツダム
体制」の残滓である憲法9条の改正は必須だ。「ポツダム体制」に呪縛さ
れている人たちに発想転換の契機を与えられるかどうか。国民の審判も問
われている。(やぎ ひでつぐ)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
産経新聞採録

          
━━━━━━━━━━━
【変見自在】いい放射線
━━━━━━━━━━━
高山正之


 遺伝に興味を持ったハーマン・マラーは米コロンビア大のトーマス・
モーガン教授の研究室に入った。ここでは猩々蠅(ショウジョウバエ)の奇形を見
つけてはそれがどう遺伝するか を研究していた。

 モーガン教授はその研究で「遺伝子は染色体の上にある」ことを見つ
け、ノーベル賞を貰っている。マラーもそれを夢見て研究に励み、あると
き猩々蠅に放射線を中(あ)ててみた。そしたら子はみな奇形だらけで、そ
の奇形は次の世代にも遺伝した。

 ある条件下では次世代がみなメスだらけになることも分かった。メスだ
けではその種は絶滅する。マラーの研究は世界大恐慌の直前に発表され、
世界に大きな衝撃を与えた。ヒトも放射線で奇形児を生み、滅んでいくのか。

研究者は競ってマラーの研究を検証した。しかし銀蠅に放射線を中てても
奇形は生まれなかった、蛙もマウスも異 常は見られなかった。だいたい
放射線は危ないのか。生命が誕生したころは崩壊前のウラン235がごろご
ろし、地上は放射線だらけだった。

 それが危険なら生命は絶えていたはずだ。

 結論を先に言うと、ヒトも生き物も高い放射線量を浴びると細胞が元気
になる。もちろん遺伝子細胞が傷つく場合もある。奇形が生まれそうだが
多くの生き物では傷ものの細胞は自ら命を絶つ。

 生き永らえれば奇形を生む。だから死を選ぶ。何んとなし大和魂を思わ
せる。これをアポトーシスと呼び、人体でもしょっちゅう細胞が自殺して
いる。ただ猩々蠅では傷ついた細胞が自殺せず、生き延び、奇形を生む。
ごく 例外的な存在だった。

 当時はそこまで分からなかったが、マラーの研究はいかがわしく見え、
やがて忘れ去られていった。それから10年。真珠湾攻撃があって米国は原
爆を作る気になった。
放射線の人体への影響が気になった米政府はマラーを探し出して研究を
再開させた。

 しかし彼の研究は猩々蠅止まり。広島と長崎に原爆を投下したころには
マラーは解雇されていた。当時は米国だけが原爆を持っていた。その威力
は広島で証明された。
問題は撒き散らした放射線だ。放射線がマラーの言うように奇形を生
み、民族を破滅する後遺症を持つとしたら、だれが米国に歯向かうだろうか。

 で、米国はスウェーデンに手を回してマラーにノーベル賞を与えさせ
た。それで「放射線は奇形を生む」伝説ができた。世界は「米国に逆らう
と何十万も殺されたうえ、放射線のせいで奇形児 が生まれ、民族派滅ん
でいく」と信じ込まされた。

 一方で、もはや草木も生えないと言われた被爆地で緑が芽吹き、かなり
被爆した人々も2世3世をなし平均寿命を大きく超えて長寿を寿いでいた。
世間の戸惑いを見た米国はマラーのデータつまり猩々蠅をヒトの体重に
換算したもっともらしい許容量「年間1ミリシーベルト」を打ち出した。

 それを英国の国際放射線防護委員会(ICRP)に追認させた。因みに
『DNAは放射線が大好き』(服部禎男)によればヒトがその 500倍の放射
線を浴びると細胞が活性化して「糖尿病も筋萎縮症も改善し た」(山岡
聖典岡山大教授)報告がある。

 CTスキャンは一度に基準の10年分の10ミリシーベルトを浴びるが、ヒトの細
胞は性状を保ち、アポトーシスが機能することも確認された。菅直人は東
電福島事故のとき、そんなカビの生えた米国製インチキ数字を立ち退きの
基準にした

 おまけに意味もなく放射線の恐怖を煽り、便乗立ち退き者も続出した。
東電はそれでも立ち退いた人すべてに月10万円を払い全国の納税者も 2・
1%の復興税を払っている

 しかし県民は満足しなかった。1ミリシーベルトのペテンに加え、天変地異に
まで国の責任を問うたが、最高裁が蹴った。世間がどんな目で福島県民を
見ているか。知っているかい。
新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、単行本になりました。

『変見自在バイデンは赤い』(定価1650円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

週刊新潮採録


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国NATO首脳会議に反発「中国を攻撃、中傷」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三塚 聖平

【北京=三塚聖平】中国の欧州連合(EU)代表部は29日発表の報道官 談
話で、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で採択された新たな「戦 略概
念」で対中政策を盛り込んだことに対し、「冷戦思考やイデオロギー 的
な偏見にあふれ、中国を遠慮会釈なく攻撃、中傷している」と反発し
た。NATO側に対し「断固とした反対」を表明した。

中国が「体制上の挑戦」を突き付けていると定義した戦略概念の文書に対
し、同談話は「重大な注意を払い、対応を準備せざるを得ない。われわれ
の利益を侵犯する行為に対しては、断固とした有力な反撃をとるだろう」
と警告した。

NATOについて「冷戦の産物、世界最大の軍事同盟」だと定義し、「冷 戦
終結から30年が過ぎても依然として『敵』を作り替え、陣営による対
抗」を行っていると批判した。その上で、「イデオロギーで線引きを行
い、対立を扇動することを止めるよう求める」とNATO側に要求した。

中国の習近平政権は、ロシアのウクライナ侵攻を契機に密接化している西
側諸国の連携が、アジア太平洋地域にまで広がることを強く警戒している。


━━━━━━━━━━
「私たちが助けよう」
━━━━━━━━━━
伊勢雅臣

中国が台湾産高級魚の突然の禁輸でいやがらせ。福島県の魚養殖業者が
「私たちが助けよう」と名乗り。
        

中国当局が今月10日、台湾産の高級魚「ハタ」の禁輸を突然発表した。
ハタの産地である台湾南部の?東(へいとう)県や高雄市などで中国に輸
出する予定だった数千トンのハタは行き先がなくなり、養殖業者たちは途
方に暮れている。そんな中、日本の魚養殖業者らが「私たちが助けよう」
と名乗り出て、ハタの輸入に向け本格的に準備を始めた。

ハタの日本輸入に中心となって動いているのは魚養殖業者、林養魚場(福
島県)の会長、林慎平さん。「日本李登輝友の会」の福島県支部長を務め
たこともある大の親台湾派で、2011年の東日本大震災の後、台湾各界 か
ら福島県など被災地に多額の義援金が送られたことに対し「いつか恩返
ししたい」と考えていたという。
林さんの呼びかけに、複数の大手すしチェーンがハタの受け入れに興味を
示しているという。

東日本大震災後の風評被害で、一時、魚が全く売れなくなった苦い経験も
持つ林さん。台湾側に「大切に育てた魚がこんな形で売れなくなってし
まったみなさんの気持ちは痛いほどわかります。ハタは私が引き受けま
す。ご安心ください」とのメッセージを送った。

?東県のハタ養殖業者、陳建翰さんは「大変ありがたく感激している。こ
れを機にぜひ日本のみなさんにハタのおいしさを知ってほしい」と話して
いる。

中国の税関総署は台湾産ハタについて、禁止薬物の成分検出を理由に一時
輸入停止を発表したが、台湾側は「事実無根」「国際慣例に反する」と猛
反発している。中国は昨年も「害虫検出」などを理由に台湾産パイナップ
ルを禁輸した。



━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎KDDIの通信障害とスマートフォン包囲網が
          暴き出した問題点:前田正晶

我が国のディジタル化:

時代のディジタル化とはほぼ完全に無縁な世界で暮らしている、ディジタ
ル・ディバイドの当方には「何がそれほど重大な問題なのか」と思わせら
れたKDDIが引き起こした通信障害がこれほど広範囲に悪影響を与えたと
は、将に想像も出来ないことだった。2日間も復旧できずにいると報道さ
れても「それがどうしたの?」という程度のこととしか捉えられなかった。

だが、昨日のニュースを見ていて「そういう事だったのか。私が嘆いて
きた“スマートフォン包囲網”がかくも広い範囲で、多くの人に迷惑をかけ
ることになるのか」と、寧ろ感心さえしていたのだった。例えば、宅配便
を配送して回る個人事業主がおられて、営業上で少なからぬ損害となると
は、ディジタル・ディバイド世代の理解を超越していたのだ。

私はディジタル化の推進に熱心だった菅前首相でも「全ての国民は可能
な限りスマートフォンを持つようにして、ディジタル化の普及と発展に協
力して欲しい」と要請されたとの記憶はない。だが、国が推進されようと
する多くの処置というか仕組みには、スマートフォンが基本的な器機に
(密かに指定?)されていたのだった。そこで、当方も負けじとばかりに
昨年10月にドコモからの提案もあり、思い切ってらくらくスマートフォン
に切り替えた。

ところが、多くの新機軸のシステムには韓国製だか何だか知らないが
LINEが基調になっていて「これを使う為にはLINEで友達登録をして」など
と出てくる。こっちは古式豊かな折り畳み携帯電話を、出先から家内に
「これから帰ります」と連絡する程度の為に切り替えたのだ。同じ時にマ
イナンバーカードも取得したが、その取得に伴ってくれるというマイナポ
イントとやらは「何とかpay」に付与されるらしいのだが、そのような支
払い手段を採り入れる気には未だなっていない。

このように、当方はドコモのスマートフォンなので、KDDIが何を引き起
こそうと、何ら関係はない。だが、スマートフォン包囲網は私如き時代遅
れの超後期高齢者の想像が及ばない領域まで拡大されていたとは、我が国
のディジタル化は菅前首相の目論見通りに進んでいたではないかと、唯々
感心している。マスコミも中国や韓国に遅れているなどと自虐的なことを
言うなと言ってやりたい。

経営者の威厳がある風貌:

視点を変えてみよう。今回の障害発生を詫びる記者会見で初めてKDDIの高
橋誠社長のご尊顔をテレビの画面を通じて拝する機会を得た。私は予てか
らNHKの故大谷英彦氏が唱えておられた「顔相学」を信奉しているので、
我が国の大手企業の経営者たちが色々な機会にテレビに登場される時にそ
の「顔相」を興味深く見つめている。

私は現代の多くの社長や会長さんたちは、故松下幸之助氏とは違って自
分が創立して資本も投じておられる会社の経営をしておられる訳ではな
く、単なる経営担当者である方が多いのだろうと見ている。多くの場合に
有名校を優秀な成績で卒業された就社された優秀な方々だろうと思ってい
る。だが、それ故に「大社長」か「大創業者社長」のような風貌の方が少
ないように思える。

KDDIの高橋誠社長は、私が感じた所では、この期に及んでも理論的な謝
罪の言葉を並べられただけで「利用者その他の損害を受けたであろう方々
に向けて真剣に誠意を込めてお詫びしよう」という気迫が全く感じられな
かった。言わば「詫び馴れていないな」なのだ。「自社の歴史として最大
の障害」などと、まるで余所事であるかのようだった。

高橋社長は経営を担当しておられるだけかと感じた。私にはさぞかし学
生時代には学業成績優秀な方だっただろうと思わせる白面の貴公子のよう
に見えた。だが、自分の家業を経営しているような本当の経営者に見られ
る迫力が感じられなかった。私には近頃の経営担当者によく見られるよう
な社長さんのように見えた。

余り例には挙げたくないが、つい先頃確か97歳で亡くなったジョージ・
ウエアーハウザー氏のウエアーハウザー家4代目の当主で、ウエアーハウ
ザー社8代目のCEOであり、ウエアーハウザー社を木材会社からアメリカ第
2の紙パルプ林産物会社に育て上げた、凄まじいばかりの迫力ある風貌は
「経営者だな」と感じさせてくれていた。

自家の事業を経営するのだから、迫力が出る顔付きになるのは当然かも
知れないが、単なる経営担当者ではない威厳を感じさせてくれていた。私
がここで言いたいことは「社長や会長さんたちは単に秀才が会社の経営を
担当するのではなく、近くに近寄るのも怖いくらいの威厳を持つ経営者と
なって、社業を繁栄させて、社員の給与を十分に遅滞なく上げられるよう
になって頂きたい」のである。

そこまでの域に達して「威厳ある風貌」になって貰いたいと願ってい
る。何も「怖い顔になって下さい」と願っているのではない。経営能力を
一層高めて、実績を挙げて貰えれば、風貌は自ずと付いてきて経営者とし
ての威厳が出てくるのではないのだろうか。


◎聴いてゐると面白い、参政党の話。亡くなった父が聴いてゐても、喜ん
だらうな。

テーマ:ブログ:北村維康

父は、何についても、判りやすい話が好きでした。しかし今の政治家の話
は、聴き手が判らうが、判るまいが、平気で滔滔と話を進めます。(本当
にこいつ、俺を騙さうとしてゐるんぢゃないのかな?)と思いたくなるや
うな話を、平気でしますね。然しこの参政党のする話は、不思議とよく判
るのですよ。それは神谷宗幣さんが苦労して切り拓いた道だからです。人
間、苦労しなきゃ悟りは得られないものですよ。その点、今の政治家は、
上から下まで、大いに反省して貰ひたいです。↓

(368) 【参政党】マクドナルドで恐ろしいことが起きています!江戸時代
の日本人がこれを知ったら驚愕することでしょう!【吉野敏明 6月30日
音質改良版】 - YouTube

URL: https://www.youtube.com/watch?v=EIjQLwO40eM



 ◎オスプレイといふ最新鋭の優れものの垂直離着陸が可能な輸送機を
使っ て、北朝鮮まで邦人を迎えに行く!

テーマ:ブログ:北村維康
「そんなことできっこないぢゃないか」といふ頭ごなしの否定論は、具体
性が皆無だ。どこかに具体論を書かなければ、何も始まらないだらう。

それを選挙の争点にすれば、そこから瓢箪から駒のやうに何かが生まれ
るに違ひない。↓

(370) オスプレイと拉致被害者救出(R4.7.2) - YouTube
URL: https://www.youtube.com/watch?v=BwYpSozYAZY&t=308s

2022年07月04日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6188号
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   2022(令和4年)年 7月4日(月)


ドローンが戦争の主役になった:“シーチン”修一 2.0

       “複合”戦争で勝利する中露:田中宇

    参院選後の日銀黒田総裁「辞任」:今一太郎
    
   プーチンが集中した外遊へでかける:宮崎正弘 
                 

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                 身 辺 雑 記

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ドローンが戦争の主役になった
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      “シーチン”修一 2.0


【雀庵の「大戦序章」62/通算494 2022/7/1/金】涼しいうちにと早朝5時
過ぎに犬の散歩に出かけたが、そういう犬散歩人がウジャウジャいて、皆
ニコニコ顔で「おはようございまーす!」。世はこともなし・・・結構な
ことだが、「子供要らない、ワンコで十分」のようで、日本は大丈夫かな
あと心配になる。

子供を産み育てるのは「老後の備え」でもあったが、今は「福祉」の名
のもとに「子供がなくても国が面倒見ます」というようになってきたか
ら、子供を持たない夫婦や、それ以前に結婚もしない人がずいぶん増えて
いる。そういう“バラマキ福祉”政治を「大きな政府」と言うようだが、小
生は伝統的な家中心の「小さな政府」の方が好きだ。

「揺り籠から墓場まで」国が関与する福祉政策は一見良さそうだが、や
り過ぎると自尊自恃、自立の精神が弱まり、「努力しなくてもいいんだ」
という国家依存症=怠け者だらけになり、結局は国家、国民を弱体化さ
せ、最後は強国に併呑、支配されて奴隷や民族消滅に至るのではないか。

かつて列強の植民地にされた人々は、1945年以降の戦後に独立し自分た
ちの国家を創ったものの、国家経営が上手くいかずに、果ては内戦や紛争
もあって生活に窮し、旧宗主国などへ逃げ出す人々が珍しくない。難民を
装い、先進国の福祉政策をあてにしてボートピープルになり、働かなくて
も食えるという“この世の天国”を目指すパターンが多いようだ。

人は易きに流れやすい。一流の国でも二流、三流の国でも、自尊自立の
気概が低下すると亡国になりやすい。家族を守る、一族を守る、部族・祖
国・民族を守るというのは人間の土台である。それを持たないとか、持て
ない、あるいは失った人間や民族、国家は、結局は無縁仏のようになり消
滅、絶滅するだけである。古代ギリシャ人のDNAは消えたよう・・・栄枯
盛衰、世の倣いか。

現代ウクライナ人は今必死で軍事大国のロシアと戦っている。ウクライ
ナは1917年のロシア共産主義独裁革命でソ連に併呑されたが、言語の違
い、国家観の違い(小さな政府志向)もあってそれ以前の1700年頃から帝
政ロシアからの独立願望を強めていったようだ。

1991年のソ連崩壊でウクライナはようやく赤色ロシアのクビキを離れて
自立国家になったが、2000年代になると危機を脱したプーチン・ロシアは
「衣食足りてソ連帝国の再興」を目指すようになり、ウクライナ奪還侵略
戦争を始め、クリミア半島を強奪した(2014年)。国際社会はボーゼンと
してなす術もなかったが、それに味をしめて今、東部侵略を進めている。

我らは自由民主のロシアは大歓迎するが、軍事力で周辺国を併呑する赤
色ロシア帝国には大反発する。プーチン・ロシア帝国は敵であり、永遠に
葬るべし。勝つためには根性だけではなく、敵を知り、己を知り、武器を
用意し、有志国が団結しなければならない。大変なことだが、やるしかない。

前回紹介した「自衛隊最高幹部が語るウクライナ戦争――ウクライナの戦
いから我々は何を学ぶべきか」(新潮社Foresight掲載2022/6/7)の続き
として、現代の戦争で主役になりそうな「ドローン」やレーザー砲など最
新兵器についての箇所を以下、転載する。

・・・・・・

尾上定正(元航空自衛隊補給本部長):(ウクライナの戦い)から学び取
るべき教訓もあります。航空優勢の確保は、航空自衛隊が常に最優先の任
務として追求してきたものですけれども、今回ロシア側は空軍力よりも、
ほとんどミサイルや砲弾で攻撃してるわけです。それからドローンも使っ
てます。

ドローンやミサイルや砲弾で戦われる戦争において、「戦闘機がそのエ
リアを自由に飛び回れること」という「航空優勢」の定義そのものを、も
う一度問い直さなければいけないのではないかと、考えています。

日本の防衛を考えたときに、ミサイル、ドローン、無人機を用いた攻撃
をどうやって防御するのか。かなりイノベーティブに考えないと、今持っ
ているSM3だとかペトリオットPAC3みたいな迎撃ミサイルだけでは、なか
なか難しいと思います。

そもそも(迎撃ミサイルは)コストパフォーマンス(コスパ)がよくな
い。4月にイスラエルが、アイアンビームという高出力レーザー砲でド
ローンや巡航ミサイルを撃墜するのに成功しました。米海軍も太平洋上で
トレイルブレイザーという同じく高出力レーザーでの撃墜試験に成功した
と報道されています。

イスラエルのほうは一発500円でミサイルを落とせるという、非常にコ
スパのいいものらしいんですね。そういったイノベーティブな技術も、ス
ピードとスケール感を持って導入していく必要があると思っています。

武居智久(元海上幕僚長):我々は今回のウクライナ戦争から(学んだ
一つは)、無人航空システムを脅威と認識すべきだということです。

ウクライナ軍が使用しているトルコ製の無人機「バイラクタルTB2」
(以下TB2)の価格に関する情報は公開されていませんが、一機約200万ド
ル(2.4億円)とも言われています。ウクライナ軍がTB2を使ってロシア海
軍を夜間攻撃したときの映像がYouTubeで流れていましたが、この映像を
見る限り、ロシア海軍はミサイルを撃たれた後に機関砲で反撃していま
す。つまり事前に探知できなかった。

TB2は全長6.5m全幅12m、アメリカの無人機MQ9リーパー(全長11m全
幅20m)の2分の1のサイズで、両者とも中高度長時間滞空型無人機です。
このMQ9リーパーのRCS(レーダー反射断面積)は小鳥程度の大きさと言わ
れて、これは最新のステルス戦闘機であるF-35並みです。そうすると、バ
イラクタルTB2のRCSはもっと小さいと推定されます。

それが(高度)2万フィートぐらいで飛ぶと、おそらくレーダーでは容
易に探知できないし、機関砲で落とすなんてことは不可能です。わずか時
速70マイルぐらいの低速で飛ぶTB2でさえ探知が難しいということを考え
てみると、無人機というのは我々にとってはかなり脅威になっていると思
います。

しかも、先ほど尾上さんからもコスパの話がありましたけど、無人機っ
て安いんですよね。2019年9月に、イエメンの反政府組織フーシ派がサウ
ジアラビアの2つの油田をドローン10機で攻撃したというニュースがあり
ましたが、あのドローンは1機が約1000ドル(12万円)前後と言われてい
ます。

これを迎撃するためにサウジはペトリオットミサイルを撃った。ペトリ
オットは1発3億〜4億円です。この費用対効果ということを考えてみる
と、ドローンに効率的・効果的に対処する方法を考えないといけない。機
関砲では、かなり低高度に来ないと落とせない。従って、世界中に溢れて
いる無人機を我々は脅威として認識すべきだと思います>(以上)

ハイテク最前線の武器はカネのかかる重厚長大からお手軽な軽薄短小に
移行し始めたのだ。CNET Japan 2022/4/15「ドローンが戦争のルールを変
える――ウクライナで明らかになった実力」から。

<ウクライナの非営利組織Come Back Aliveは、ロシアの侵攻に抗戦す
る兵士のために弾薬、ライフルスタンド、無線機器などの調達を支援して
いる。一方で、戦争に使うというより、むしろ迫力のある「YouTube」動
画を撮影する機器も調達した。DJIのドローン「Mavic 3」を24台だ。

「ドローンはわれわれの目だ」と、ウクライナ陸軍士官は話す。士官は
2015年からドローンを扱っており、兵士や民間人がドローンを使って、隣
村の様子や、1km先の路上を偵察しているのだという。「ロシア軍が砲撃
の準備に入ったら、民間人を避難させることができる。予防的攻撃に出れ
ば、ウクライナの人々を救えるかもしれない」

商用のクワッドコプターから、固定翼型の軍用モデルまで、ドローンは
ウクライナにとって重要であることが明らかになってきた。火力で劣るウ
クライナ軍が、圧倒的なロシア軍を防げる可能性が少しでも高くなるからだ。

戦争が始まって間もない頃、民間のドローンチームが陸軍部隊と協力し
て、首都キーウに向かう装甲車両団を足止めする手助けをした。夜間にな
ると、ドローンが先頭車両に小型の爆発物を投下し、地雷の効果もあわせ
て、玉突き事故を起こさせた。また、このチームは、ロシア軍がキーウ近
郊の空港を占拠しようとした最初の試みを退けるのにも一役買っている。

広義の無人航空機が初めて戦争に使われたのは、はるか昔、1849年のこ
とだった。第二次世界大戦中には、日本が太平洋を越えて米国まで風船爆
弾を飛ばしている。「ドローン」という言葉は、General Atomicsの大型
ドローン「MQ-1 Predator」と「MQ-9 Reaper」を米軍がアフガニスタンと
イラクで戦線に投入してから、一般にも知られるようになった。2011年の
時点で、米陸軍は巨額の費用を要するこの大型システムを1万1000機保有
していた。

だが、片や軍事予算の乏しいウクライナ、片や巨大な軍事力を擁するロ
シアというこの非対称戦争ほど、ドローンが重要な役割を果たしたことは
なかった。小型化によって、商用ドローンのコスト、飛行時間、航続距離
は向上した。一方、ウクライナは軍用ドローンを利用して、膨大な費用が
かかるロシアの装甲車両に見事に対抗している。ドローンが、戦争のルー
ルを書き換えつつあるのだ。

商用ドローンが活躍するのは主に偵察だが、ウクライナの軍用ドローン
群は、実際の攻撃でも有用性を実証している。ロシアの弾薬補給車と地対
空ミサイルランチャーの破壊には、トルコ製のTB2が使われた。ウクライ
ナの企業が開発した「Punisher」は、目立ちにくい偵察ドローンだが、4
ポンド(約1.8kg)の爆弾を運ぶこともできる。米国防省は小型の軍用ド
ローン「Switchblade」と「Puma」を100機以上ウクライナに輸出している。

トルコ製のTB2は翼幅約12m、GPSなしで飛行し、レーザー誘導の爆弾や
ロケット弾を搭載できる。費用は1機あたりおよそ100万ドル(約1億2500
万円)。「TB2は、地上部隊に対してかなり破壊的な成果をあげており、
ウクライナでは士気を鼓舞する代名詞のようになっている」そうだ。

ロシア軍を悩ませることに大きく成功していることからTB2を称賛する
ミュージックビデオまで登場した。「ロシアの無法者もバイラクタルTB2
でおだぶつよ」。この曲の訳詞の一節だ>

「バイラクタルTB2」は軍事に疎い小生でも知っており、軍事ドローン
の象徴的存在だ。2年ほど前に佐藤仁氏(学術研究員・著述家、著書に
「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」など)のサイトでト
ルコ製「ドローン兵器」の色々を知ったが、まさか実戦の主役になるとは
思いもよらなかった。しかし、氏の6/29の以下の記事によると撃墜される
ドローンも多いようだ。

<ウクライナ軍がトルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」を活用し
てロシア軍を多く攻撃している。そして爆破に成功するたびに上空からの
動画をSNSで公開して世界中にアピールしている。このようなSNSや動画だ
けを見ていると、ウクライナ軍が優勢のように見えてしまう。だがこのよ
うに軍事ドローンで攻撃に成功する前にロシア軍に上空で撃墜されてしま
うことも多い。TB2でも全戦全勝ではない。ロシア軍の地対空ミサイルに
多くの軍事ドローンが撃墜されている>

ドローン兵器は画期的ではあるが絶対的な優位性を持っているわけでは
ないということだ。西側諸国はウクライナにどんどん武器などを提供し続
けプーチン・ロシアを叩き続けなければならない。そうしないと間違いな
く習近平・中共までが暴れ出し、国際秩序は崩壊しかねない。

それにしても日本の兵器装備は最先端の戦争から遅れていないか。核兵
器は持っていない、最先端のドローン兵器もない、そもそも敵基地攻撃能
力の有無さえも怪しい。現代の戦争はハイブリッド戦、「正規戦、非正規
戦、サイバー戦、情報戦などを組み合わせている戦争」だが、日本はそれ
への対応がずいぶん遅れているようだ。前述の自衛隊最高幹部の座談会で
も懸念が指摘されている。

・・・・・・・

武居智久(元海上幕僚長):ハイブリッド戦というのは、軍事力が背後に
ないとできません。ロシアのように、戦略核攻撃から情報戦まで様々な能
力が欠落なくそろっていて、はじめて自由にハイブリッド戦ができる。

指摘したいのは、ロシアがハイブリッド戦に失敗した結果、戦争がホッ
ト・ウォーにエスカレートしたという点です。中国はロシア以上にバラエ
ティに富んだ軍事力を持っていますから、仮に中国がハイブリッド戦を仕
掛けるとき、常に中国がホット・ウォーにエスカレートさせる可能性があ
る。ですから、それに耐えられるような軍事力を必ず備えなければいけない。

ハイブリッド戦に勝つだけでいいと思ったら駄目で、その次には必ず核
戦力の使用とか、通常戦力による戦いの可能性があると考えておかなけれ
ばいけない。こうしたハイブリッド戦の本質について、改めて考えさせら
れました。

先ほど尾上さんから、抑止が全てであることを前提に色々学んでいくべ
きだという意見がありました。そのために軍事力をちゃんと持たなければ
いけないと。私は、特異な政治体質の国とか特異な意思決定をする国に対
しては「抑止は効かない」という前提で準備をしておかなければ、たぶん
心の持ち方が大きく違ってくるんじゃないかなと思うんですよ。

今まで我々は防衛力を抑止力の観点から述べる機会が多かったのです
が、「抑止は効かないから戦争に備える」という前提で準備するのと、
「抑止が破綻したら戦争になる」と考えるのとでは、少なからず現場の緊
張感が違ってくる。我々は後者の視点で考えてきましたが、特異な政治体
質で独裁的なリーダーのいる国を相手にする場合は、想定外の事態が起き
るという前提で準備をすべきだと思いました。

尾上定正(元航空自衛隊補給本部長):やはり「抑止のパラドックス」
というものを我々はよく理解しておく必要があると思います。抑止は破綻
してはじめて効かなかったということがわかる、ということです。抑止を
効かせるためには、いま武居さんがおっしゃったような、核抑止から通常
戦の抑止、それからハイブリッド戦の中での効果的な対処、そういったも
のが総合的にバランスよく準備されておかなければいけない。やはり最終
的には火力だと思います。爆弾に勝つには相手を上回る爆弾しかないない
のだろうと。だから、最終的にはそれをしっかり整えておくということが
必要です。(以上)

・・・・・・・・
「戦争は学んだ者、狡猾な者が勝つのである、最上策は戦わずして勝つ、
である」と孫子は言っている。核兵器の開発・配備、ハイブリッド戦への
対応など、拙速だろうがどんどん進めるべきだ。学ばざれば昏し、備えあ
れべ憂いなし。中露北は米国の軍事力を恐れているから対日台侵略を今の
ところ控えているが、米軍が健在のうちに日台は核開発を含め戦力を向上
させなくてはならない。

次期大戦で自由陣営は、敵である中露北の赤色独裁帝国が二度と侵略で
きないまでに叩くことは当然だが、占領に際しては徹底的に国体を変えな
ければならない。これは難しい話ではない。天からの贈り物である素晴ら
しい平和憲法を与えるだけでいいのだ。ゴロツキの中露北でも80年ほどは
大人しくなる。これは実験済み、効果抜群だから採用すべし。



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“複合”戦争で勝利する中露
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           田中宇

欧米が吹聴する「すべてプーチンが悪い」の大ウソ。
今や全西側諸国とロシアとの激突となったウクライナ戦争。しかしその
決着はすでにつきつつあるようです。今回の無料メルマガ『田中宇の国際
ニュース解説』では著者で国際情勢解説者の田中宇(たなか さかい)さ
んが、この戦争を従来型のものとは異なる「複合戦争」とした上で、ロシ
アが勝者となる可能性が高い根拠を解説。さらに米中衝突においてもアメ
リカが敗北を喫することは必至であり、そのような結果に終わるにわかに
信じ難い理由を明かしています。

複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ
最近、ウクライナ戦争に関して複合戦争(Hybrid War)という言葉をよく
目にする。複合戦争は、兵器を使って殺人や破壊をする従来型の戦争と、
それ以外の分野の作戦が複合されて勝ち負けが決まっていく戦争、という
意味らしい。従来型以外の分野は多種多様で、ひと括りにできない。複合
戦争は曖昧な概念だ。そもそも従来型の戦争自体、諜報や傍受、撹乱、プ
ロパガンダなど裾野が広いし、軍事と隣接して外交の分野があるので複合
的である。細かい定義は重要でない。今回のウクライナ戦争がとくに複合
的かつ世界的な「複合大戦」であるのは、米国と同盟諸国(米国側)がロ
シアを徹底的に経済制裁し、対抗してロシアが中国やインドなど非米諸国
を引っ張り込んで米国側vs.非米側の経済対立・世界経済の分裂になって
いるからだ。

● Escobar: Russia Rewrites The Art Of (Hybrid) War

米国側がロシアをドル決済(SWIFT)から追放し、対抗してロシアは米国
側にルーブルで石油ガス代金を払えと要求して対立し、結局ロシアが勝っ
ている。EUは先日、加盟国がロシアにルーブルで払っても対露制裁違反で
ないと決めた。これまで、ルーブル払いがEUの対露制裁に違反しているの
かどうか不透明だった。EU上層部が「違反です」と言った後、イタリアの
ドラギ首相が「違反じゃない(ようだ)」と宣言する展開もあった。結局
EUは、違反でないと決めた。EUの対露制裁は無意味になり、ロシアはEUを
打ち負かした。これは今回の複合戦争の一部だ。ロシアのラブロフ外相が
5月14日に「米欧(米国側)がロシアに対し、経済制裁など全面的な複合
戦争を仕掛けてきている。ロシアは中国やインドと協力してこれを乗り越
える」と表明した。露政府は最近、複合戦争という言葉をよく使う。

● EU Gives OK To Pay For Russian Gas In Rubles
● Russia Forges New Partnerships in Face of West’s ‘Total Hybrid
War’ – Lavrov

そもそもEUはロシアの石油ガスに依存しており、その輸入を短期間で止め
ることは不可能だと開戦前からわかっていた。EUの親分である米国は、
2014年から8年もかけて今回のウクライナ戦争の準備をしてロシアに侵攻
させたのだから、米国がEUに石油ガスの輸入先をロシア以外に変えさせる
戦争準備の時間はたくさんあった。開戦前にたっぷり備蓄することもでき
た。しかし実際は何の準備も行われず、ドイツは最後までノルドストリー
ム2を予定通り稼働させようと米国に頼み続けていた。開戦前のEUの石油
ガス備蓄の増加も行われず、開戦時の欧州全体の天然ガスの備蓄量は、備
蓄可能総量の5%しかなかった(開戦前から米国側に敵視されたガスプロ
ムが欧州への送付を減らし続けたので)。欧州はロシアとの複合戦争にお
いて、戦う前から負けていた。米国は、NATOを通じて欧州と戦略を共有
し、欧州に戦争準備をさせるべきだったのに、何もしなかった。米NATOの
(意図的な)作戦負けである。

● Europe has next to no gas left – Gazprom
● ロシアを制裁できない欧米

ウクライナ開戦で決定的になった米国側と非米側の対立において、世界の
石油ガス鉱物や穀物など資源類の多くは非米側が持っている。米国側はカ
ネだけ持っているが、このカネは大膨張した金融バブルであり、そのバブ
ルはウクライナ戦争と並行して進んでいる米連銀のQE終了・QT(過剰造幣
事業の収縮)によってバブル崩壊を引き起こすことが必至になっている。
QE終了・QTによって、米国覇権の根幹にあったドルのバブルがこれから劇
的に崩壊していくことが予測されたので、プーチンは勝てると気づいてウ
クライナに侵攻した。プーチンのウクライナ侵攻は最初から世界金融シス
テムの大転換と連動しており、その意味で複合戦争だった。金融面のウク
ライナ複合戦争は、ロシアが勝つというより、米国側がQE終了・QTによっ
て自滅的に金融崩壊して負けていく。



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参院選後の日銀黒田総裁「辞任」
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         今市太郎


参院選後の日銀黒田総裁「辞任」は本当かデマか?海外勢が噂する「円安
対策」としての退陣劇

海外勢の間では、日銀・黒田総裁が参院選後に解任なのか辞任なのか知り
ませんが、辞めるのではないか?という観測のノイズレベルが相当に高ま
りを見せています。夏の「円高」到来がもしかすると意外に早いタイミン
グで起きる可能性があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

海外勢の間で飛び交う「黒田、総裁やめるってよ」
参議院選挙が終了するまで日銀が政策を変更して、イールドカーブコント
ロール(YCC)の上限を弄る…などということは絶対に考えられないことです。

とはいえ、海外勢の間では、日銀・黒田総裁が参院選後に解任なのか辞任
なのか知りませんが、辞めるのではないか?という観測のノイズレベルが
相当に高まりを見せています。

スイス中銀がいきなり50ベーシスポイント利上げしたあとにも、日銀が利
上げするのでは?などという浅はかな観測が高まりましたから、日本のこ
とがよくわかっていない海外勢が高める憶測などほとんど意味がないとも
言えます。

しかしながら、「火のないところに煙はたたぬ」という諺も考えたいところ。

そういう動きが具体的にあって、その情報が洩れている可能性もありそう
で、完全に無視することはできない状況になりつつあります。

日銀が市場に負かされたと宣言するよりは「人事変更」のほうが得策とい
う見方
足もとの黒田総裁は「物価上昇を国民が容認」などという余分な発言を切
り取られて報道されたことから、金融政策にまったく興味のない国民にま
で批判されてしまうという、かなり残念な状況に追い込まれています。

それよりもイールドカーブコントロールの死守にこだわり過ぎて国債の大
量買い付けがもはやサスティナブルな政策でないことが露見しはじめてい
る中で、ヘッジファンド勢に強く日本国債(JGB)の売り攻めで如何とも
しがたい状況に追い込まれています。


そんな状況下では、政策変更という生々しい宣言よりも、とりあえず人事
変更を先に打ち出すことのほうがマイルドで得策になる可能性は高まります。
          
          
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プーチンが集中した外遊へでかける
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☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇◆◇
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
   令和四年(2022)6月28日(火曜日)弐
          通巻第7386号
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プーチンが集中した外遊へでかける
  タジキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、そしてベラルーシ
*****************************

 「こんなときに?」
「いや、こんなときだからこそ」。
 プーチンは集中的に外遊する。といっても旧ソ連圏ばかりだが、タジキ
スタン、カザフスタン、トルクメニスタン、そしてベラルーシだ。ウクラ
イナ侵攻後、「モスクワ詣」をしたのはベラルーシのルカシェンコとカザ
フスタンのトカエフ大統領だった。

 最初の訪問国は軍事同盟を結ぶタジキスタン。首都のドシャンベでラフ
モン大統領と会談する。同国には500名前後のロシア兵が駐屯している
が昨今、中国軍が這入り込んで共同軍事訓練をしているのが気になるとこ
ろだ。

 謎の国、ガスリッチのトルクメニスタン訪問は珍しいが、アシガバート
では、アゼルバイジャン、カザフスタン、イラン、トルクメニスタンの指
導者を含むカスピ海諸国の首脳会談に出席する。トルクメニスタンはガス
が豊富な資源輸出国だが、事実上の鎖国をしていて、内政実情は謎だら
け。じつは筆者も個人では行けず、火山を見に行くという団体ツアーに紛
れ込んであちこちを歩いたことがある。

 くわえてプーチンは6月30日からはベラルーシのグロドノ市を訪れ「朋
友」のルカシェンコ大統領と密談の続き。
こうしてまとめて外交を展開するわけだ。プーチン大統領が海外へでたの
は2月初旬の北京。冬季五輪で習近平と会談し、「無制限」の友好を謳っ
て以来だ。

 さて今回の集中的外遊で、何が重要か。プーチンにとってずばり最大の
狙いはカザフスタンである。
ウクライナ戦争で、カザフスタンはプーチンの期待を袖に、ロシアを支援
しなかった。なにをかんがえているのか、トカエフ大統領という男は? 
プーチンの疑心暗鬼。ひょっとしてカザフは中国へなびくのではないか?
 猜疑が際限なく拡がる。


▲カザフスタンにはセミパラチンスクとバイコヌールがある
 現実にカザフスタンは中国と鉄道が繋がり、対欧州への輸送は大量の物
資を運搬しているうえ、逆方向のトルクメニスタンから中国へのガスパイ
プラインが繋がっている。いずれも通過料が転がり込む。

 こうして戦略的重要性ばかりではない。カザフスタンは世界一のウラン
産出国、クロム鋼世界第二位。くわえてハイテクに必要はレアメタル、レ
アアースの産地であり、資源政治学でも重要である。日本の要人も頻々に
訪問しているが投資で最も巨額を投じているのはじつはアメリカだ。

ロシアにとって、もうつ二つ。
 セミパラチンスクとバイコヌールだ。前者は核実験場。交渉はソ連時代
から宇宙衛星の打ち上げ基地で、依然としてロシアが租借している。

 カザフスタン政変は2022年1月に起きた。
 30年に亘ってカザフを支配してきたナゼルバエフ一家が失脚し、側近
のマシモフ元首相、安保会議議長(つまり秘密警察のボス)が拘束され
た。暴動が起きたときはロシアが治安部隊を送った。この政変ではナゼル
バエルの娘も失脚。つまり「ナゼル・カーン」と呼ばれた王朝が終演した
のである。

 ナゼルバエフ前大統領は中国とのバランスを取り、経済発展に政治の主
眼を置いて、97年にはアルマータから突如、首都をアスタナ(その後ヌ
ルスルタンと改称=都市計画は黒川紀章が担当)に遷都した(ヌルスルタ
ンはナゼルバエフ前大統領の本名)

 トカエフ大統領って、どのような人物かと言えば博覧強記、語学の天
才。歴史学博士。元国連事務次長という国際人学者である。新井白石が権
力者に抜擢されたようなものだ。
 来日経験も大統領以前に三回。にもかかわらず国際的に名前がさほど知
られないのは外交畑を地道に歩き、目立つ行動を避けてきたからだろう。
ナゼルバエフ一家からすれば、飼い犬に噛まれたことになる。

 トカエフは母国語とロシア語はもちろん、英語、フランス語もしゃべる
が、じつは中国語が堪能(北京語学院に一年留学)だ

 筆者はカザフスタンへは三回、行っているが、なにしろ広い国で(日本
の七倍)、首都のヌルスルタンは未踏。アルマトゥが緑のオアシスであ
り、しゃれたレストラン、カラオケ、夥しい中国人の群れについては他に
も書いた。

 ▲プーチン、11月にはバリ島APEC出席へ

 カザフスタンがかかえる緊急の課題は飲料水の不足であり、農作物が干
ばつで枯れ、河川は汚染が目立つようになっている。
シベリアからの運河建設を途中で中断しているロシアとの交渉が急がれ
る。プーチンは兵器ならぬ水の供給を交渉のカードとするかもしれない。

 6月27日、インドネシアの招待に応ずるかたちで、プーチンは11月
にバリ島で開催されるAPECに「出席する」と意向をつたえた。

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 ●読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者
之声★
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   ♪
(読者の声1)貴誌の「読者の声」欄で「腐っても金(古代ギリシャから
続く価値表象物です)」と書かれていましたが、古代ギリシアより遥か
昔、古代エジプトや6000年前のコーカサス地方でも金は既に価値表彰物で
した。トビリシの博物館で6000年前の金のネックレスやピアスを見まし
た。今でも通用する位のかっこいいデザインでした。
   (在馬読者)

(宮崎正弘のコメント)小生も、当該博物館で、金細工をみました。あの
あたり、まだ土の中に多くが埋まっているのでしょうね。
  ♪
(読者の声2)なにごともパフォーマンスで「仕事してるふり」のおバカ
な小池都知事。節電パフォーマンスで照明を消した薄暗い部屋でパソコン
とにらめっこする職員たち。
https://hosyusokuhou.jp/archives/48929082.html
 これは完全な法律違反。労働安全衛生規則第604条:事業者は、労働者
を常時就業させる場所の作業面の照度を、〜以下略。都庁の役人も米つき
バッタしかいないのでしょう。(PB生、千葉)

(読者の声3)笑っちゃいましたね。中国の『環球時報』です。
G7の写真ですが、岸田首相がジョンソンの影に隠れて画面にない!!
https://www.globaltimes.cn/
 大人(たいじん)の国にしては姑息なことをやるんですねぇ。(OJ
生、静岡)
  ♪
(読者の声4)2018年に放送された有名な宮崎県えびの市「日章学園九州
国際高等学校」の入学式。
 中国人生徒167名に対し日本人生徒16名。校長先生のあいさつは中国語
で、生徒たちは中国の国歌を歌い中国人留学生にお小遣いも渡している。
孔子学院ともども日本には必要ない学校だと思うが、ネットで見る限り高
卒資格の取れる専門学校、かつ校則が異様に厳しいとある。文部省の天下
り先確保のためにFランク大学を新設し続けたと同様の構造かもしれない。
 参議院議員選挙では中国ベッタリな党が多すぎる。立憲共産党はもとよ
り公明党に上海電力の維新の会。自民党も中華まみれ。ウクライナにはや
く降伏しろという議員がいる政党は「降伏実現党」と揶揄される。ネット
でも中国の書き込み部隊が盛んに活動している。
 たまたま目にした月刊誌「潮」ではウクライナ特集。佐藤優氏はごく当
たり前の論調に始まり後半はいきなり池田名誉会長ヨイショである(平和
主義は素晴らしい!)。売文家のさだめなのかそのうち公明党から出馬で
もするのだろうか?
 フランス報道、ウクライナ東部ルハンシク州リシチャンシク住民達への
インタビュー。
「私達を砲撃して子供達を殺しているのはウクライナ軍です、ロシア人は
友達、私達はプーチン大統領の軍を待っています」
https://twitter.com/vogeldamen1984/status/1540520168564346880?s=21&t=cb-B2N4Rsa6hYqqqjFa_A
  (PB生、千葉)

2022年07月03日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6187号
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   2022(令和4年)年 7月3日(日)

    

        ズレた対応に国民は怒りと失笑:有本香

  アメリカは衰退しない風評に惑わされるな:加瀬英明
    
            反論できない平和ボケ:中村将

          バイデンの打ち上げ花火:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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         頂門の一針(まぐまぐ)
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ズレた対応に国民は怒りと失笑
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   【有本香の以読制毒】

電力逼迫、政府の錯乱≠ェ止まらない!  
政府の錯乱≠ェ止まらない。異例に早く、本州でも6月に梅雨が明け、
途端に記録的な猛暑が続く中での電力逼迫(ひっぱく)。これへの政府の
ズレた対応が、国民の怒りと失笑を買っている。

21日に、岸田文雄首相自ら国民に節電を呼びかけ、「節電ポイントを還元
する」と発表した。これがひんしゅくを買うと、3日後の24日には、「節
電プログラムに参加した家庭に、買い物などで使える2000円相当のポイン
トを支給する」と追加発表。首相の最側近の一人、木原誠二官房副長官は
「実質的に電気代負担を軽減することを目指していきたい」と強調した
が、これまた国民から大ブーイング。ネット上には「2000円より、電気を
持って来い」などの声が渦巻いた。

28日には、萩生田光一経産相が「(ポイント付与を)8月をめどに開始で
きるよう準備したい」と述べ、またもやネット上が騒然となった。最も電
力需給が逼迫すると予想される7月に間に合わないからだ。こんな政府、
政権で大丈夫かー。国民の不安と不満が募るのも当然である。

この経緯を取材してみると、官邸が何の裏付けもないまま「2000円ポイン
ト支給」と発表し、経産省は「ええっ!」と驚愕(きょうがく)。尻拭い
に追われているというのが実態のようだ。

岸田首相と側近は完全に「聞く力」の使い方を間違えている。国民の真意
を聞かず、表層の「怒り」を冷まそうと焦るがあまり水をかけるところ
を、慌てて油を注いでいる。

とはいえ、岸田首相も誤った「油注ぎ」ばかりしているとはいえない。

28日に閉幕したドイツでのG7(先進7カ国)首脳会議で採択された首脳
声明には、「2050年までに脱炭素化実現」の目標が盛り込まれたものの、
温室効果ガスの排出削減対策のない石炭火力発電所の廃止期限については
明記されなかった。

これは、7カ国共通の悩みである「ロシアのウクライナ侵攻で揺らぐエネ
ルギーの安定供給」への対策を優先させた結果だが、特に電力逼迫が深刻
な日本が、「廃止期限の明示」に強く反対したためだ。

岸田政権の成果とはいえるのだが、所詮は防戦の策でしかない。

一方、世界はこの危機に超柔軟な対応を見せている。

ドイツ政府は19日、ロシア産天然ガスの供給減に備え、国内のガス消費量
削減のための緊急措置として、石炭火力発電の拡大を打ち出した。CO2
を毒ガスかのように忌み嫌ってきた「緑の党」が一翼を担う新政権のこの
「掌返し」は、悪い冗談のようだが、日本政府が見習うべきサバイバル術
でもある。

英国は今月中旬、EVやPHEVに対するプラグインカー補助金
(PiCG)を廃止すると突如発表した。ちなみに、わが国では相変わら
ず、EV購入者に、国と自治体が多額の補助金を出している。国民に「電
気ポットの使用も控えて」といいながら、電気自動車は推進。政治的錯乱
の最たる事例だ。

フランスはどうかといえば、そもそも全発電量の7割超を原発で賄ってい
る国だから、危機感は小さい。

いま日本でも「原発の再稼働」を求める声が高まっている。同時に、家庭
用電気代にも加算されている「再エネ賦課金」への不審が高まりつつあ
る。世界一高い電気代を払わされ、野放図に拡大される太陽光や風力発電
(再エネ)の対価まで負わされたうえに、電力逼迫。「一体何の罰ゲーム
か」と気づく国民が増えたのだ。

電力供給源として不安定で、環境破壊の原因となる「再エネ」。しかもこ
れが、中国などの敵性国による日本への「経済侵略」の手段ともなってい
る。私たちは、高い代金を払って、何重ものリスクを自国へ呼び込んでいる。

岸田首相と萩生田経産相、山口壯環境相に謹んで申し上げたい。

国民を苦しめるだけの再エネ賦課金を廃止しませんか。ついでに英国を見
習って、EV補助金も見直しましょう。これで一気に支持率挽回、参院選
も、圧勝の上の超圧勝です。文句を言う「党内再エネ族」なんか放ってお
きましょうよ。

■有本香(ありもと・かおり)ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。
東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係
や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の
「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文
庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」
の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。


ジャーナリスト

著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録

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アメリカは衰退しない風評に惑わされるな
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            加瀬英明
 

 風評は根拠がきわめて薄いか、根拠がないのにもかかわらず、多くの
人々が真実だと思い込むことをいう。
風評によって惑わされると、現実を見誤って国益を大きく損ねかねない。

 今日のように情報が氾濫している時代には、正しい判断を行うことが大
切だといえば、反対する者は誰もいまい。

 明治訳語は外国語
「常識」という言葉は、数多くある明治翻訳語の一つである。明治に入る
まで、日本語に存在していなかった。
それまで日本になかった概念が、津波のように押し寄せるなかで日本語の
仲間入りをした明治訳語は、漢字の衣を装った外国語のようなものだろう。

 常識はコモンセンス(commonsense)の訳語だが、日本語として用いら
れるうちに、いつの間にか、もとのコモンセンスとまったく違った意味を
持たされるようになった。
日本語の「常識」は、社会の全員が事実であると信じていることを、意味
している。

 「常識外れ」を『広辞苑』でひくと、「世間での一般的な考え方から大
きくはずれること」と説明されている。

 私は英英辞典でもっとも権威があるとされている、『ウェブスタース・
サード・インターナショナル・ディクショナリー』3巻を所蔵している
が、「commonsense(コモンセンス)」をひくと、「good sound ordinary
sense. good judgement or prudence」(普通人の正しい、しっかりとし
た感覚。正しい判断、分別)などと説明されている

 個人がもとから備えている、正しい判断力を意味しており、あくまでも
個人から発するものだ。「世間で一般的な考え方」と、まったく異なって
いる。米国衰退の危機感こそ、米国を奮起させてきた

このところどこを向いても、「米国が力を失って、衰退している」という
話でいっぱいだ。書店の棚や新聞広告を見ると、『米国崩壊』といった題
の本が並んでいて、飽き飽きさせられる。いい加減にやめてほしい。

 米国が落ちぶれたというが、本当に米国が凋落しているか。世界の頂点
に立っていたのに、転落しつつあるのだろうか。私はそのようなことはあ
りえないと思う。これは風
評だ。米国はいまから30年後、いや半世紀たっても、世界でもっとも大き
な力を持っている国であり続けよう。中国や、インド、ましてやロシア
が、国力で米国を追い抜くことはありえない。

 私は1950年代末に、米国に留学した。翌年、共和党のアイゼンハワー政
権のリチャード・ニクソン副大統領と、民主党のジョン・ケネディ候補
が、大統領選挙を戦ったのを忘れることができない。

 ケネディ候補が「このままゆくと、米国がソ連に追い抜かれる」とさか
んに危機を煽り立てたのに対して、ニクソン候補はソ連経済の仕組や、技
術力などからいってありえ
ないと、理を尽して反論したが敗れた。

 その3年前に、ソ連がフルシショフ政権のもとで、米国に先駆けて人工
衛星『スプトニク』を軌道にのせたために、米国民が強い衝撃を受けた。
米国民は第2次大戦後、米国が“世界のナンバー・ワン国家”でなければな
らないと信じてきた。

 ソ連はケネディとニクソンが大統領の座を争った1960年から、31年後の
1991年に自壊した。米国が衰退しつつあるという警告は、何も新しいもの
ではない。つねにまことしやかに唱えられ、米国民をそのつど奮起させて
きた。

 米国民が常用している、精力増強剤のサプリのようなものだ。サプリ錠
だと思ったほうがよい。

忘れ去られた「強い日本」

 1970年代に米国は、いまから振り返ると信じられないことだが、日本に
よって追い越されるという恐怖心に駆られていた。日本が今日の中国のよ
うなものだった。

 三菱グループが米国経済のシンボルであるニューヨークのロックフェ
ラー・センター・ビルを買収するかたわら、エズラ・ボーゲル・ハーバー
ド大学教授が『ジャパン・アズ・ナンバー・ワン』という著書を発表し
て、ベスト・セラーになった。私はボーゲル教授と親しかったが、気の毒
なことにこの本が出版された直後に、昇る太陽のはずだった日本のバブル
経済が破裂して、日本が萎(しぼ)んでしまった。

 もう日本国民はこのころのことを、忘れている。健忘症を患っている。
レーガン政権をとれば、ロナルド・レーガン候補が1980年の大統領選挙
で、民主党のジミー・カーター大統領がソ連に対する弱腰外交を行い、国
防予算を削ったと攻撃して、「強いアメリカ」をつくり、国防支出を大幅
に増額することを訴えて勝った。レーガン政権のもとで、米国は息を吹き
返した。

 これまで米国では、衰退してゆくという閉塞的な気分から、自信を取り
戻すシーソーゲームを繰り返してきた。
バラク・オバマ大統領は2011年の連邦議会における年頭教書演説のなか
で、「これはわれわれの世代における“スプトニック(危機の)モーメン
ト”だ」と、訴えた。

といっても、1957年にソ連が人類最初に人工衛星『スプトニク』を宇宙軌
道にのせた危機を指していたのではない。
このままゆくと、中国が米国を追い越してしまうと、危機感を露わにした
のだった。

 風評に惑わされると日本のためにならない

 オバマ大統領のあとを継いだ、ドナルド・トランプ大統領のスローガン
は、読者諸賢もよく記憶されておられよう「アメリカ・ファースト」「メ
イク・アメリカ・グレー
ト・アゲイン!」(アメリカを再び偉大な国家としよう)というものだ。
共和党の大統領候補選びで、泡沫候補でしかなかったのに、このスローガ
ンによって彗星のように大統領候補の金的を射止めて、ホワイトハウス入
りした。

 米国民は“ナンバー・ワン”の地位を保つために、衰退論を好んでいるの
だ。“ナンバー・ワン”の宿痾だろう。そして達磨(だるま)の人形の底にお
もりをつけた玩具の起
上り小法師(おきあがりこぼうし)のように、起きなおる。

 米国はベトナム戦争や、アフガニスタン戦争の失敗によって鼻血をだし
て、一時、畏縮するが、傲慢無礼な態度を改めることがない。“ナン
バー・ワン”の使命を授かっていると、信じている。

 なぜ、米国は“ナンバー・ワン”の力を失わないのだろうか。米国は自由
で、熾烈な競争社会である。地縁、人縁を捨てて集まった国であるから、
自分の力と金(かね)の力
しか頼るものがない。米国は活力が溢れているから、混乱しているように
みえる。

 いま、ウクライナ戦争という突発事によって“グローバリゼーションの
時代”が、一時的に中断されているが、グローバリゼーションは世界の大
きな流れだ。誰でも米国を
訪れれば、すぐに肌で感じることができるが、米国は国の構成から文化ま
で、グローバリゼーションにもっとも適している。

 ところが、米国衰退論は困ったことに、ソ連や、中国のような国を鼓舞
する。1976年の第25回ソ連共産党大会において、ブレジネフ書記長はソ連
圏が米国を凌駕しつつあると誇って、「ソ連の国際的地位は年ごとに強ま
り、世界に対する社会主義諸国の力がますます強くなっている」と、演説
している。

 中国の習近平主席も中国が興隆しつつあるかたわら、米国が力を衰えさ
せていると判断して、ことあるごとに「五千年の偉大な中華文明の復興」
を訴えて、世界への覇権を
拡げる「一帯一路」戦略を進めている。



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反論できない平和ボケ
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 編集長ピックアップ  中村将


 ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮による弾道ミサイルの発射などを
受けて、今回の参院選は安全保障が大きな争点になるともいわれていた
が、選挙戦中盤を迎えてもなお、そんな感じはしない。

 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)による「中盤情勢調
査」でも、重視する政策・争点で「外交・安全保障」をあげた人は
10%。「景気や経済対策」「年金など社会保障」「物価高対策」には及
ばない。ゆえに、候補者の口からも「安保」が声高に論じられることも少
ない。
▼参院選「景気・経済」重視36% 改憲・コロナは低調

 スペイン・マドリードで行われた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が採
択した「戦略概念」は、ロシアを「最も重大かつ直接的な脅威」と指摘
し、中国についても「体制上の挑戦」を突き付けていると明記した。現在
もウクライナへの侵略を続けるロシアは当然として、中国の脅威にも言及
したことは画期的といえる。欧米とは地理的に離れたインド太平洋地域も
「NATOにとって重要だ」とした。昨今の中露の振る舞い、力による現
状変更は黙視するわけにはいかないということを明確に示したわけだ。

 わが国に対する中露による示威活動も気になる。両国の艦隊が先月以
降、連動するかのように、日本列島を周回していることをご存じだろうか。
▼NATO、北欧2国加盟容認で合意 「中国が挑戦」

 6月中旬、中国艦隊が対馬海峡から日本海を北上し、その後二手に分か
れて宗谷海峡や津軽海峡を抜けて、太平洋側に出て南下した。ミサイル駆
逐艦や補給艦も含まれていた。同じ頃、ロシア艦隊は北海道沖から太平洋
側を日本列島に沿うように南下し、東シナ海から日本海側に抜けた。

 これとは別にロシア海軍の情報収集艦が北海道を周回。北海道・東北の
自衛隊や米軍の動きを監視しながら、通信傍受やレーダー情報を収集する
ような素振りをみせていたという。
▼中露艦隊が日本列島を周回 動き活発化、共同行動の可能性

 こうした国内外の情勢にもかかわらず、安保が参院選の大きな争点にな
らない国。「平和ボケ」と言われても反論できない。


    
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バイデンの打ち上げ花火
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)6月28日(火曜日)
          通巻第7385号  <前日発行>
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G7盤「一帯一路」に6000億ドルとかバイデンの打ち上げ花火
 「クアッド」に「オーカス」、IPEF。そして「パートナー・イン・
ブルーオーシャン」 
******************************

 ドイツで開催されたG7はロシア制裁の強化などを協議した「われわれ
はウクライナとともにありロシア制裁の絆を保持しなければ ならない」
と米英。舞台裏ではジョンソンがマクロンに絡んだ。「おまえんとこ、ウ
クライ ナ援助、すくなすぎないか?」
 
 一方、会ではバイデン大統領は、中国の一帯一路は「借金の罠」だと
し、次に世界経済の活性化、新興国のインフラ整備に6000億ドルを投
じ、G7盤の「一帯一路」の構想実現を諮った。米国がまず2000億ドル。
日本はそれなら「650億ドル以上応じる」と したが、ほかの西欧主要国と
カナダからの反応は聞こえなかった。

 米国が提言したTPPは、米国が途中でおりた。そこでバイデンは五月
にクアッドの会合のため来日し、突如、新しい貿易協定の枠組み
「IPEF」(インド太平洋経済枠組み)を提唱した。参加表明国は多い
が、実質的な準備も始まっていない。これもTPPの二の舞? 中国の
RCEPも発足はしたが、それだけである。

 クアッドはインド太平洋の安全保障の枠組みであり、インド、豪に日米
に加わる。英国が追加参加を予定している。しかしインドが途中から熱意
をうしなった。豪は労働党政権に交代したため、中国包囲網に本気で取り
組むとは思えなくなった。

英米が原潜技術を豪に提供する「オーカス」も、予算があまりに巨額であ
り、十年後に実現しているという計画は遅延するか、規模縮小となるだろ
う。中国の軍事的脅威に取り組むとした意気込みは稀釈されている。

 そして南太平洋への中国の進出に対抗するために、こんどは「パート
ナー・イン・ブルーオーシャン」構築構想を発表した。
日米と豪,NZ、旧宗主国の英国も加わるが、タヒチ、ニューカレドニア
を維持するフランスは横を向いている。
 これが「西側の団結」の現状だ。
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◇◆☆◇◆ ☆◇◆◇☆ ◆◇◆☆◇ ◇☆◇◆◇ 
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 ▲やまと魂をつくった日本の思想の系譜
  ♪
宮崎正弘『日本の保守』(ビジネス社、2090円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4828423559/
神武肇国いらい、我が国の思想の中枢は保守革新だった!
       □◎○☆◎☆○☆△○◎△☆□ 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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   ♪
(読者の声1)貴誌前号、ロシアの金輸出ですが、昨年は相当量を輸出し
ていまやロシアは世界金生産の10%ですゴールド地図も塗り替えられた
のでは?(HF生名古屋)

(宮崎正弘のコメント)国際的に通用する金は金塊、金貨ともに99・
99%の純度が要求され、中国産のパンダ金貨が国際市場からはじかれて
いるのは純度が99・9%だからです。ロシアは金塊を、工業用として輸
出しているのでは? 帝政時代はともかく、ロシア製金貨は観たことがな
いです。

(読者の声2)貴誌前号コメントの金価格ですが「円安の所為です。金を
持っている人はいまが売り時かも、」について。反対意見です。
 自分は金に強気・円に弱気です。したがって金ホールドを続けるつもり
です。2008年のリーマン危機後、「流動性危機」によってすべてのアセッ
トは売られました。
 流動性危機ですので金も例外ではなく、売られました。しかしそんなな
かで、2008年10月を底値にいち早く上昇トレンドに入ったのが金でした。
さすが、腐っても金(古代ギリシャから続く価値表象物です)。
 その後、金価格の上昇は約3年弱続きます。
 金(ドル建て)のチャート https://www.tradingview.com/x/1rXNae3Y/
 ガスプロムの株価 https://www.tradingview.com/x/QjN14FRV/
 ほぼ、ウクライナ戦争前の水準に戻りました。アメリカのヘッジファン
ドはイスラエル経由で買い入れたはずです。
 ルーブルの対USDレート https://www.tradingview.com/x/o4nIWEkV/
 ☆ルーブルの対ドル相場はウクライナ戦争前より、強くなっています。
一方、ウクライナ通貨はボロボロですが、これをみれば、大メディアがど
う報道しようが、ロシアの勝利です。
敗戦国の通貨が上昇するわけはないからです。真珠湾攻撃の日、東証の株
価は急落しました。株価の動きは正直です。
 ということで、米中ロの三つ巴のなか、金の価値は将来的に上昇すると
見立てます。一方、円は対ドル150〜160円くらいまで下がるとみていま
す。景気は相変わらずだとして、安全保障でロシアを敵に回したのは大き
い。防衛費を2兆円にしても、アメリカから高価な武器を買わされるだけ
ならば、アメリカ経済には貢献しても、本経済にはデフレ・インパクトに
すぎません。
 7月に参政党が躍進したり、11月に民主党大敗(このインフレ率ならそ
うなる)などあればシナリオは若干ポジティブになります。
 またメディアの報道に反して、ワンワールド帝国を除けば、BRICS他、
ほとんどの国はロシア制裁に参加しておりません。闇ロシア原油はワン
ワールド帝国にも流れているでしょう。原油に名札はつけられませんか
ら。穀物価格上昇はアルゼンチンやブラジルには追い風です。
 私はテレビを見ませんが、最近、ウクライナ・マンセ−報道や、コロナ
報道は減ってきたのでは?私はプーチン大統領を応援しております。
Whats next?(Z生、逗子)


(宮崎正弘のコメント)G7のロシア金輸入禁止ですが、日米英とカナダ
の四カ国が実施、EUの主要三ヶ国(独仏伊)は立場微妙です。2021年に
ロシアは155億ドルの金を輸出しています。参院選、参政党躍進の気配あ
りですね。

(読者の声3)政府・官僚の評価は「減点主義」。何もせず、故に失敗せ
ず、減点されない、と出世するが、新しい必要な良い事を始めてうまくい
かないと非難され、減点され、左遷。
故に、全員が現状維持・堅持となる。安定した大企業になると同様な評価
が適応され、時代に、客の好みに適応できず、倒産する。過去30年間の
「失われた日本」の主な原因らしい。日本だけでなく、世界中でこの原因
で消えた企業・国家は数多。
 今盛りのIT企業では、「危ない・変な」アプリなどを開発しても、損害
は少なく、直接ヒトが怪我をしたり死んだりすることは無いので、各社が
競って新製品を開発し、その殆どが自由競争的に淘汰されるが、失敗して
も再び競争に参加する。
この「過酷な競争・切磋琢磨」こそが進歩を生み出す。それはゲームの世
界での戦争ゴッコの様で、負けても死ぬことはない。
絶対安定、安全、安心な日本では、あらゆる変化・改善を嫌い、政府指導
の「護送船団方式」を発明した。文科省はこれを教育機関に応用して「み
んなで横一列、一等章」。勿論、これは嘘で、全員が最低に合わせるか
ら、全員がビリになるが、本人達は一等章と思っているらしい。
 さて米国のIT企業が、デジタルの世界から「現実の物作り」の世界への
進出を計画した。アップル、グーグル、などが「極めて危険な」走る凶
器・自動車製造業へ進化しようと努力している。
勿論、普通の従来のGMやトヨタに挑戦するのでは無く、FSD(full self
driving 完全自動運転)機能を備えた、高価値の別次元の装置である人工
知能が運営する移動手段

 今回は、ヒトを現生で高速で移動するので、間違いは人身事故に繋が
り、当然に報道陣、弁護士、裁判所の餌食になる。その企業のあらゆる敵
はこれを最大限に利用する。この様な事故の場合は「人の命は地球より重
く」なり、通常の毎年数万人の交通事故犠牲者の体重は突然ゼロになる
この非論理的な統計・数学が「減点主義」で運営する企業を躊躇させる。
FSDは100%安全でなければならない、と。この問題はEV開発に限らず、全
ての新製品、思想、価値観に対しても適応される。
ところが最近まで製薬会社は、新薬を開発の際、その安全性と有効性を、
最低でも数年間の永い高価な動物実験、人体治験などで証明する義務が
あった。
が、今回の「武漢菌ワクチンなるもの」に関しては、一切の医療・病理の
手続きを省き、政府から完璧な「免責」を授かり、いきなり大規模な高価
な強制的な危険な人体実験となった。世界人類の命は軽く、いくら犠牲者
が出ても文句の付けようが無く、弁護士も裁判所も事実も無力。おまけに
不都合な真実は報道されない。
か弱な真実は「嘘だ、誤解を招く、不正確」などの理由で削除・隠蔽され
る。ウソとホントが反転する。毎年、数万人の命、数十万人の負傷者を激
減でき得るFSDに対しては、総合的な誹謗、中傷、妨害、いじめ、訴訟。
一方、支那製の病に対するいかがわしい薬品には、全ての政府が盲目的に
支持、援助する。という極めつきに狂った不可解な世界が展開している。
恰も、世界中の指導者が理性も論理も倫理も喪ったかの様だが、その理
由、原因は如何に? 
 「日本弱体化」を計画し推進したGHQが進化し、「人類弱体化、世界人
口激減」を唱える強力な新興宗教に変身した。その教祖様の代弁者に任命
されたのが、グレタ女子なのかもしれない。
ナチス、支那文化大革命の代弁者達も少年、少女だった。今回は世界の大
人達が幼稚化してしまったので、若い 「有用な馬鹿」??兵,の出る幕
が無くなった。
 一億総白痴化とは社会評論家の故大宅壮一氏が生み出した流行語で「テ
レビというメディアは非常に低俗、テレビばかり見ていると人間の思考力
を低下させる」と1950年代に始まった日本病の症状が記録されているが、
この武漢菌よりも恐ろしい病が世界を凌駕した。
しかし元を糺せば、GHQ様の始めた米国産の愚民化・「3S政策」
(Screen、sport、sex)であり、これを素直に受け入れたテレビ局も悪
い。それを放置した教育者、文科省も悪い。悪の原点とは「減点主義」、
勇敢な武士の末裔、小心の勇気の無い貧乏なオトナは、「だってサー、ボ
ク、家のローンもあるしサー。。。。」、「アタシ、学資ローン。。。」
(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)米国の学生ローン債務は一生つきまとい高給が得
られる企業に就職しない限り、アウトローになってしまう。バイデンは救
済法を提議しましたが、議会で相手にされなかったようですね。
日本も大學授業料は私学ですと、四年間で平均500万円。奨学金を獲得
するか、特待生にでもならなければ、親の負担になる。ところが日本では
中国人留学生の多くに授業料免除、生活費支給という優遇措置をあたえて
いる。肝心の日本人の若者には?
文科省は、本当にどうかしていますね。





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重 要 情 報
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◎マスコミは国会議員の歳費支給を年俸制に切り替えを提案したら如何
か:前田正晶

不届きな所業があったとかで自民党を離党した後で所在不明となった吉
川赳議員にも期末手当(賞与?)の286万円が支給されるとあって、マス
コミが例によって不要ではないかと騒ぎ立て、地元民にも支給の必要はな
いなどと言わせている。「またか」と思わせられる無用な騒ぎ立てではな
いのか。

マスコミは毎回同じような論陣を張るか、不届きな議員を責め立てて、
如何にも正義の味方面をするのをいい加減に止めて、国会議員に支給され
る歳費の在り方を変えるべしとの主張をしたらどうかと言ってやりたいの
だ。現在の取り決めであれば、その議員が如何なる過ちを犯そうとも、支
給は止められないのではないか。

彼らはそのくらいは承知しているはずだから、地元民にそのような国会
議員を非難するようなことを言わせるのではなく、「彼らのような者を選
んでしまった不明を如何に反省するか」くらいの突っ込みでも入れたらど
うかとすら思っている。

私は「何らの功績もなかった議員にも、大活躍の議員と同様に期末手当
を支給できるような制度を廃止して「年俸一本制」に変更しさえすれば、
このような無用な雑音を入れなくとも済むのではないか」と「年俸制」を
提案したい。国会議員にも民間と同様に「賞与」(そういう制度なのだろ
う)を支給するのがおかしいのだと見ている。

私は1972年から年俸制の国の企業に転身したので、ボーナスとは無縁に
なっていた。だが、言ってみればこれは一種の別な扱い方で、アメリカの
本社機構に所属する者たちはその実績次第で年俸に上乗せされる形で、社
長から“bonus”が支給されるようになっていた。このボーナスは選ばれた
者だけのことで、社内でも誰が選ばれたかは解らない仕組みになっていた。

故に、支給対象に選ばれそうな者たちは一所懸命に働くのである。そう
いう国の者たちからすれば、我が国の会社員たちのほぼ全員がボーナスを
支給されると知って「全員が、か?」と驚愕するのだった。これも文化の
違いである。アメリカのサラリー制の社員たちは皆年俸一本だけで、諸手
当などない世界で過ごしているのだ。

話が逸れてしまったかも知れない。私がマスコミに向かって主張してお
きたいことは「何時までも、一般人に迎合するような国会議員への期末手
当支給を非難するのではなく、より建設的に制度の改革を提案したらどう
か。文通費でも君らが世論を煽って騒ぎ立てたら多少の変更を余儀なくさ
せたではないか」なのだ。


◎香港の思い出ー私が知る香港は
       消滅したのだろうか:前田正晶

香港が返還されてから25年経ったそうで、その記念の式典(なのか?)が
開催され、習近平主席は「一国二制度は成功」と語ったと報じられた。昨
日、偶々チャンネルがあった局でデーブ・スペクター氏は「20何回も訪れ
てきたが、もう行かない」と嘆いて見せていた。何故、彼がそう言ったか
の解説を必要とされる方は極めて少ないだろうと思っている。

私も報道だけから判断しても、70年から96年までに4回も訪れていた香港
にはもう行く事はないだろう。尤も、行かないという最大の理由は、2006
年の心筋梗塞発症の後では2015年9月で失効したパスポートの再発行を受
けていないからだ。海外であの発作に襲われたら如何ともし難いと怖れて
いるからだ。

第1回目:
香港という異国に初めて入ったのは1972年8月のことで、最初で最後の社
用での訪問だった。香港は台湾、フィリピンズ、シンガポールに続く第4
番目の訪問先だった。フィリピンズでは初めて経験するアメリカ文明の香
りに「外国」を感じさせられた。しかし、感覚では経済は明らかに華僑に
牛耳られていた。シンガポールは華僑も何も人口の75%が中国系で、彼ら
は英語を普通に操って我々と仕事の話をするが、彼ら同士では中国語(広
東語?)なのが印象的だった。

香港に初めて入って感じたことは「矢張り西欧文明の色が濃厚だが、仕事
で出会った貿易商たちは勿論華僑ばかりで、フィリピンズよりも華僑(と
言うのか?)が経済を回している所だと痛感させられた点」だった。何分
にも37歳にもなって初めて出掛けた異国なので、ディザイナーブランドの
店が数多く立ち並んでいる光景には「富有な人たちが数多く存在するのだ
な」と、林立する高層建築以上に圧倒された。食べ物は極めて美味だった
と記憶する。英語はごく当たり前のように通じた。

ここでは「カルチャーショック」も経験した。それはホテルの最上階のエ
レベーターホールで早朝に出会った隙の無い服装をされた日本のご婦人
が、「こういう場所で出会ったら“Good morning.”か『お早う御座いま
す』のような挨拶をするべきなのですよ。貴方は未だ外国に慣れていない
ようだから気をお付けなさい」と一喝されてしまった。

これは些か過剰なお叱りだったと思うが、72年になってアメリカに行け
ば、見ず知らず同士でも“Hi!”とか“Hello!”であるとか“How are you
doing?”と声を掛け合うのはごく普通のことだと解った。香港で大いなる
予習をさせて貰えた。

第2回目:
この香港行きは1972年1月のパック旅行で、家内と小学校生徒の長男と幼
稚園児の二男に加えるに義父と義妹も加わった大人数での観光旅行だっ
た。子供たちにはこの頃から海外に馴れさせておくと将来役に立つだろう
と考えてのことだった。この旅行の写真は数多く残っているが、色々と面
倒を見ることが多かったせいか、余り記憶がないのが残念だ。そう言え
ば、マカオにも行って、カジノを見学できていた。

第3回目:
これは1988年11月のことだった。「我が社が嘗ては豪華なことをしたもの
だ」と回顧している「我がジャパンの東京営業所開設25周年記念」(だっ
たと記憶する)の会社の旅行(company outingという)で、全員で香港旅
行に出掛けたのだった。この際の香港での記憶は、先ず「ルイビトン」の
店には延々長蛇の列が出来ていて2時間待ちであり、やっと中には入れて
も物凄い人で商品が陳列されているケースには近寄れず、皆で諦めて退出
してしまったことを挙げたい。

正直なことを言えば、香港はduty freeなのだが、他の関税なしの国とと
比べれば決して経済的な価格ではなかったのだと思っている。

次は意外でもなかったが、街を何名かで彷徨っていたら「ローレックスの
偽物があるよ」と勧誘されて「皆で渡れば怖くないだろう」と、その怪し
げな客引きに付いていったことも忘れられない。結局の所、何も買わずに
無事に帰ってこられた。この偽物のローレックスだが、ビクトリアピーク
に上がっていくバスの中に売り込みに乗り込んできた者から何人かが買っ
たのだが、下山する頃には動かなくなっていたので、一同大笑いで終わった。

ではあっても、非常に楽しい旅だった。だが、私は帰国する日に重要案件
で副社長が既に帝国ホテルで待っていると事前に知らされていたので、成
田から直行して打ち合わせと決まっていたので、何となく落ち着かない香
港の数日だった。

第4回目:
最後の香港は1996年9月だった。この時は既にリタイアした後なので、家
内との気楽な旅だった。食べ歩きもしたし、気の向くまま足の向くままに
市内を見て歩いた。ホテルのブレックファストを避けて当てずっぽうに朝
食に入った店で、メニューも読めないままに注文した「朝粥」が絶品だっ
たのは良き思い出だった。意外だったのは、この頃から既に英語が嘗ての
ようには通じなくなっていたことだった。商社の駐在の方に訊くと「中国
本土から脱出してきた者が非常に増えたから」だった。

駐在の方たちに教えられたことは「中国が標榜する『一国二制度』に対す
る何とも言えない不安感」であり、「あの時点は香港が未だ自由貿易港の
地位が維持できており、輸出入のビジネスは健在である」という辺りだった。

そういう堅苦しい事よりも私にとって印象的だったのが「上海がに」だっ
た。永年の馴染みである専門商社の駐在員との会食で「上海がに」を我々
の為に注文して貰えたのだが、彼らは他のものを頼んでいた。その理由は
「もう食べ慣れたから」だった。その有名な料理を感激して頂戴した。だ
が、味はそれほどではなかった。

すると、食べ終えた頃に駐在員は「それほどではなかったのでは」と問い
かけてきた。恐る恐る「実は・・・。」と答えざるを得なかった。彼らは
慌てずに「実は、大袈裟に喧伝されているほどのものではないと認識して
います」と言うのだった。たった一度の経験で云々するのも問題かも知れ
ないが、世間の評判などと言うものは必ずしも当てにはならないのではな
いかと思わせられた。

結び:
上述のように、往年の香港とは「観て良し」、「食べて良し」、「買って
良し」であり、「仕事をするのも良し」の場だったと思う。その香港を、
報道の通りであれば、習近平主席は無残にも「一国」にしてしまったの
だ。「二制度」は雲散霧消してしまったかの如くである。彼は観光収入も
経済からの収入も捨てて、支配欲だけを充足する気ではないだろうか。領
土を拡張して太平洋のこちら側の半分を先ず支配する気なのだろうか。

私は何れにせよ、東南アジアの諸国の経済は華僑勢力に支配されていたの
だが、習近平主席はその東南アジアを政治的に支配する一環として香港を
潰してみせたのだろうかと思っている。何と例えて良いか解らない暴挙で
ある。遺憾であり非常に残念なことだ。

2022年07月02日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6186号
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   2022(令和4年)年 7月2日(土)

     
      単独親権維持で法務省リークか:櫻井よしこ

         お米の力で日本を強くする:葛城奈海
         
         「性奴隷」は感情的で欺瞞的:大澤裕

     イスラエル大使館が通常業務を再開:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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         頂門の一針(まぐまぐ)
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単独親権維持で法務省リークか
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         櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第1005回

「毎日新聞」6月20日朝刊1面トップの記事はどう読んでもおかしい。特ダ
ネ扱いの同記事は、事案についての全体像を欠くために状況が歪曲されて
いる。なぜこんな記事が生まれるのか。考えられる理由は大別して二つ、
1リークされた情報を鵜呑みにした2確信犯的に報道した。

1の場合、この記者は自身が報じた事案の問題点を把握していなかった可
能性がある。2の場合、物事の全体像を示すことでできるだけ正しい情報
を読者に伝えるという、報道記者としての責任を果たしていないことにな
る。いずれにしても毎日新聞の報道の質が問われる。毎日が報じたのは離
婚に伴う子供の養育に関する法務省の法改正の内容である。

現在、日本では3組に1組の夫婦が離婚する。わが国の民法は離婚後、片方
の親だけに親権を認める「単独親権制」を採用しているために、離婚後、
子供は片方の親に引き取られる。他方、欧米先進諸国では離婚後も両方の
親が協力して子供を養育する「共同親権制」が主流である。

単独親権制の下、わが国では、離婚後、片方の親による子供の独占が当然
視され、もう一方の親は子供と引き離され、子供に会えないという悲劇に
突き落とされる。子供を独占するのは圧倒的に母親が多く、シングルマ
ザーには少なからぬ保護及び支援策が講じられている。

先々週の当欄でも報じたが、日本では父親が不在のときに、母親が子供を
連れて家を出、DV(家庭内暴力)などを理由に離婚し、父親から子供を
取り上げるケースが続出している。子供の連れ去りとその後の単独親権な
どを理由に、国際社会は「日本は子供拉致国家」だと非難する

子供は本来、両親の愛を受けて大切に育てられるべき存在であり、単独親
権制に基づいて片方の親から引き離されること自体が、本当におかしく、
異常なのだ。法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会(以下法制
審)はこうした問題点を踏まえて法改正を準備してきた。8月にも中間試
案を出す予定で、前述したように毎日はその内容を報じたのだ。

家族をバラバラに解体

ここで重要な論点は一点に絞られる。わが国の家族法制を、共同親権を基
本軸にして整備し直せるか否かである。世界中の非難を浴びている日本の
特異な単独親権制ゆえに子供と生き別れになった多くの父親たち、そして
少数とはいえ、おなかを痛めて生んだわが子と引き裂かれた母親たちが悲
痛な訴えを寄せ、最後の望みとして縋るのが法務省だ。だが、実態は、単
独親権維持にこだわってきたのは他ならぬ法制審なのだ。

本来、国家・社会の基盤である家族を幸せな形で守る手立てを法律で整え
るのが法務省のはずだ。しかし現実はそうなっていない。逆に法制審のこ
れまでの議論と彼らが目指す法改正は家族をバラバラに解体するものだ。
世界の国々と正反対の政策をさらに強め、貫こうとしている。

今回の家族法制改正は、すでに指摘されている欠陥を改める方向でなされ
なければならない。従って法改正の中間試案では共同親権をどこまで明確
に盛り込んでいるか、単独親権をどこまできちんと排除しているかが最大
のポイントである。

その点を毎日はどう伝えたか。見出しは「離婚後の共同親権提案へ」であ
る。記事本文では「『離婚後の共同親権』の導入を提案する方針を固め
た」と報じた。これを読むと、単独親権にこだわっていた法制審が、遂に
子供中心の法制度、国際社会の常識である共同親権の大切さに目醒めたの
かと思ってしまう。

しかし、さらに読むと、「同省(法務省)が提案する内容は、父母が話し
合いや裁判所の判断で共同親権を選択できるようにするもの」で、具体的
には「(子の)進路や病気の治療方針を父母双方が共同親権に基づき」決
定する、とある。

法制審の言う共同親権は、どの学校に子を入れるのか、大きな病気をした
場合、治療方針をどうするのかという具合に、非常に狭い範囲にしか及ば
ないということだ。

共同親権の基本は、両方の親が協力して、各々が互いに日常的に子供と接
する機会を設けることであろう。双方の親が子と一緒に時間をすごし、可
愛がり、教え、励まし、叱り、相談に乗り、指導する。親としての愛情を
あらゆる形で注ぐ機会を父母双方に与えるのが共同親権だ。子供にとって
は両親の愛を体一杯、心一杯に受ける権利である。それを進学先の決定や
罹患時の治療方針決定などに限定するのでは、とても共同親権とは言えな
い。共同親権という言葉だけ掲げて、国際社会や真の共同親権を望む国内
世論を欺こうとするものではないか。

自民党の提言こそ正論

毎日はそうしたことを全く指摘せず、こう書くのだ。法制審の中間試案に
は「共同親権を原則とする案と、単独親権を原則とする案が示される模
様」と。

法制審の単独親権へのこだわりは、DVや激しいいがみ合いをする夫婦も
いるとして、「家族を巡る価値観は多様であることを踏まえ、単独親権の
みの現行制度を維持する案も議論される」という件(くだ)りにも表れている。

法制審の考え方に危惧を抱いた自民党はプロジェクト・チーム(PT)を
作り、家族を家族として守れる国を目指して法制審とは根本的に異なる提
言をまとめた。PTを代表して山田美樹、熊田裕通、三谷英弘、柴山昌
彦、谷川とむの五氏が6月21日、提言を古川禎久法相に手渡した。

自民党案のポイントは、1ハーグ条約及び児童の権利に関する条約との整
合性を確保するために単独親権の現行国内法を再検討する、2離婚後も父
母双方が子の養育に責任を負うべきであるから、共同親権制度を導入する
――に尽きる。

また、多くの父親(それに少数の母親)が子供と引き裂かれ、生き別れに
なっているこれまでの事例については、親権の回復を認める救済措置をと
るべきだとしている。

共同親権を基本にした自民党の提言こそ正論である。折しも世の中は参議
院議員選挙に突入し、政治家の注意は選挙に向きがちだ。まるでその隙を
狙ったかのごとく法制審の案をリークし、記事にさせ、法制審の案が共同
親権を視野に入れた真っ当なものであるかのような印象を創ろうとしたの
ではないか。

リークしたのは法制審の側だと見て間違いないだろう。彼らが自民党の共
同親権路線を警戒しているのは明らかだ。選挙が終わり、新たな人事が行
われ政界がざわめいているうちに、法制審は、政治家に気づかれないよう
に単独親権制を基盤にした法改正を行おうとしているのであろう。自民党
案を軸に、日本の家族を守っていくことが大事であろう。

     
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お米の力で日本を強くする
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    【葛城奈海の直球&曲球】


「桐(きり)の花が咲いたら籾(もみ)を振り、栗の花が咲いたら稲を植
える」―。以前狭山丘陵の一角で有機栽培の米作りをしていたとき、農家
に語り継がれてきたという印象的な言葉に出合った。

現代では、若者たちが帰省する5月の大型連休時に田植えをすることが多
いが、元来は年により異なる気象条件に合わせ、花に適期を教えてもらっ
ていたというのだ。先人たちの知恵に感嘆し、その風情にうなった。新緑
の里山を彩る薄紫色の桐の花を見て、苗床に種籾をまく。そして、栗の花
が独特な香りを漂わせ始めたら田植えをする。数字に頼りがちな現代人
は、自然が教えてくれる情報に気付かないばかりか、四季の移ろいを愛
(め)でる情緒もどこかに置き忘れてしまったのだろうか。

いうまでもなく、米は日本人にとって特別な食物だ。神話に遡(さかの
ぼ)れば、天照大神による三大神勅の一つ「斎庭の稲穂の神勅」にも「高
天原でつくる神聖な稲穂を子孫に授けよう」とある。天皇陛下が皇居内で
なさる田植えも、毎年11月23日の新嘗祭も、この神勅に由来している。

古来、大切な主食だった米が、連合国軍総司令部(GHQ)による戦後政
策の影響などで小麦を原料とするパンにとって代わられ存在感を失ってき
た。パン食一辺倒だった学校給食に「米飯」が正式に導入されたのは昭和
51年のことだ。本来、日本の気候や日本人の体質に合うのは小麦よりも
米であるはずだ。日本文化を守る観点からも米の存在価値を見直す必要が
あるのではないだろうか。ちなみに近年私は毎朝、玄米でできた米粉パン
を食しているが、玄米の香りと米のうま味が心地いい。

加えて、食料安全保障の観点からも各地の休耕田をよみがえらせ、「瑞穂
の国」日本が誇る米の輸出を推進したい。新型コロナウイルス禍や戦争で
物流が滞ると日常生活が脅かされることを私たちは身をもって知った。輸
出分のコメがあれば、いざというときに国内供給に回せる上に、対外的な
戦略物資にもなる。

「男」という字は、田に力と書く。日本という国から失われて久しく思え
る「男らしさ」を取り戻す鍵のひとつも、実はここにあるのかもしれない。

【プロフィル】葛城奈海
かつらぎ・なみ やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、ジャーナリス
ト、俳優。昭和45年、東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全
保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。近著に『戦うこと
は「悪」ですか』(扶桑社)。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
   松本市 久保田 康文 

産経新聞採録


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「性奴隷」は感情的で欺瞞的
━━━━━━━━━━━━━━
          大澤裕

韓国市民の熱心な働きかけにより、世界各国に設置されている慰安婦像。
しかしベルリンの中心地に2020年に建立された慰安婦像の撤去を、韓国の
市民団体が訴えている事実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『在米14
年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い
報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、香港の有力英字紙に掲載さ
れた韓国人団体「慰安婦詐欺をなくす会」の活動や主張内容を紹介。その
上で、慰安婦問題の反論すら外国人頼みという日本人の姿勢を批判してい
ます。

従軍慰安婦問題、韓国人同士の論争
6月25日の香港サウスチャイナモーニングポスト紙、ドイツ、ベルリンで
話題になっている従軍慰安婦像の撤去問題について論じています。ご紹介
しましょう。

なぜ韓国の非主流派グループは第二次世界大戦の「慰安婦」に対する日本
の立場を支持するのか?

「慰安婦詐欺をなくす会(慰安婦詐欺清算連帯)」は、植民地時代に日
本軍の売春宿で働く契約書にサインした証拠があると指摘した。同会は学
識経験者、政治家、活動家からなる約40人から成っている。

「慰安婦詐欺をなくす会」の代表のチュ・オクスン氏によれば、日本の
植民地時代に軍のために女性が売春宿で働く契約が交わされていたことは
明らかだとしている。

多くの場合、契約は若い女性の両親によって結ばれていた。韓国人が考
えたくないことだが、女性たちが自分の意思に反して売春に引きずり込ま
れたという証拠はほとんどなく、女性たちは契約終了後に帰国することが
許されていたと言うのである。

「性奴隷」という言葉は、単に間違っているだけでなく、感情的、欺瞞
的であると彼らは主張する。慰安婦たちは実際に契約し、お金を払い、最
低6ヶ月、通常は1年の契約が終了した時点で職場を離れることを許されて
いたと言う。

また、日本が統治していた朝鮮半島の農村部では貧困が蔓延しており、
ブローカーはそれを利用して若い女性を集めていたと指摘する。

解説
まさに日本が主張していたことを韓国の内側から主張しはじめたグループ
があるのです。

この「慰安婦詐欺をなくす会」の代表チュ・オクスン氏に加えて、ベスト
セラー『反日種族主義』の共同著者のイ・ウヨン氏、韓国歴史教科書研究
所のキム・ビョンホン所長らが主張しているのが、ドイツ、ベルリンの
ミッテ地区からの慰安婦像の撤去です。

記事はこれについて以下のように記しています。

彼らはドイツ、ベルリンのミッテ区の慰安婦像の横にあるパネルの情報が
間違っているとして像の撤去も希望している。

韓国歴史教科書研究所のキム・ビョンホン所長は、「ミッテ区は当初、
戦争の犠牲者、特に戦時中に性暴力の犠牲になった女性を象徴する像を承
認しました。しかし除幕式でパネルに書かれた碑文は全く違っていまし
た」と述べた。

碑文には、日本軍が何千人もの女性を拉致し、「性奴隷」として奴隷に
したと書かれている。彼らはベルリンのミッテ当局に矛盾点を指摘し、パ
ネルの変更を要求したが、地元の韓国人団体が強く働きかけ、像は元の看
板とともに残された。

彼らの懸念は、この像が恒久的なものとなり、他の都市で同様の像やプ
レートを建立しようとする動きを支援するために利用される可能性がある
ということだ。

キム氏は言う。「私たちがドイツを訪問した最大の理由は、慰安婦をめぐ
る誤った物語が韓日関係を傷つけているからだが、韓国とドイツやその他
の国々との関係も傷つけている。このような状況が続けば、韓国は虚偽が
事実として扱われる国というレッテルを貼られ、国際社会で孤立してしま
うだろう」



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イスラエル大使館が通常業務を再開
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☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月26日(日曜日)
          通巻第7383号
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 駐ウクライナ・イスラエル大使館が通常業務を再開
  ゼレンスキー大統領はヘブライ大学で「イスラエルの支援足りない」
****************************

 ロシアの侵攻三日前だった。
 2月21日、キエフのイスラエル大使館は早耳の所為か、米大使館移転
と同時に西部のリーブに大使館業務を移転した。さらに五日後、ポーラン
ドへ移動し、難民救済などの支援活動を続けた。イスラエルは欧米のロシ
ア制裁には与しなかった。

 四ヶ月後の6月23日、イスラエル大使館はキエフへ戻り、ビザ発給な
ど業務一般を再開した。ミカエル・ブロドスキー大使は「二週間いないに
以前の業務態勢に復帰できる」とした。

 同日、ゼレンスキー大統領はオンラインで、テルアビブのヘブライ大学
で講演し「これは価値と一般的な安全保障をめぐる闘いであり、イスラエ
ルからの援助は足りない。誰が他人を侵略したかは明らかなのに、ロシア
制裁に(イスラエルが)加わらないのは納得できない」と明瞭に不満をの
べた。

 ゼレンスキー大統領はユダヤ人である。その彼がユダヤ人の国に向かっ
て文句を言っている。受け入れる側のイスラエルは国内政治がはちゃめ
ちゃの分派乱立だ。ガザや入植地問題で連立の一角にあったアラブ女性議
員が叛旗を翻しただけで、連立政権はおわりになる。
ベネット連立政権は瓦解し、十月に総選挙。この三年半で五回の総選挙を
やるほどに国内は統一されていない。

小党乱立、百家争鳴は日本の政治の混乱に似ている。ただし日本との違い
はいかにハト派議員と雖も国防では強硬姿勢を貫くのである。

 世界のユダヤ人社会も分裂している。
 すぐにも停戦をと叫ぶキッシンジャーに対して「最後まで闘いロシアを
打倒せよ」と徹底抗戦を叫ぶのがジョージ・ソロス。やっぱりユダヤ人は
団結しないのである。「全員一致なら止めてしまえ」がモットーだから。

 西側が全て一致してロシア制裁。それは嘘だろう? フランスとドイツ
はアリバイ証明的にホンのちょっと。イタリアも。可能な限りの支援をし
ているのがポーランド、チェコ、スロバキア、バルト三国などウクライナ
に近く難民が多い国々だ。
     
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  ♪中国公安部はアンチ習近平の牙城だった。なかなか手を出せなかっ
た。 
   周永康派の残党を『整理』、ようやく習近平は公安部に基盤
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 6月14日、中国共産党常務委員会は公安部長に王小洪を起用すると発
表した。
王は習近平が福建省時代からの側近。21年に公安省内党組織のトップに
就いており今回の人事は閣僚ポストに格上げされたという政治力学的な意
味を持つ。公安系を習派が全面的に掌握したという政治宣伝でもある。

 過去十年、公安部は反習近平の牙城と見られ、なかなか手を出せなかっ
た。不穏な空気が支配していたため、時間をかけての追撃となり、人事で
締め付けて、嘗て公安系を牛耳った周永康人脈を完全に排除した。
つまり軍に続いて、公安系を習近平は時間をかけて、執拗な権力闘争をへ
て、主導権を握ったのである。

 王小洪は、習が福州市党委書記だった1990年代に、同市公安局副局
長。習指導部発足後に北京市公安局長、2016年から公安次官を務めて
いた。権力中枢を見張っていたのである。北京でクーデターを未然に防ぐ
には、警備担当と公安の掌握が独裁者にとっては第一の重点課題だ。

 周近平が公安系にメスを入れるのは軍事委員会を掌握できたという自信
が背景にあり、目の上の瘤だった周永康系の残党=孫力軍次官や傅政華・
前司法相らを規律違反などで摘発した。

 中国外務部でもロシア通として、有力な次官が更迭され、閑職へ追いや
られた。楽玉成外交部次官は国家ラジオテレビ総局の副局長に就くと発表
があった。かれは王毅外相の後継と見られただけに中国外交への位置づけ
に変更が生じたことが予想できる。

 というのも習の命令通りに新彊ウィグル自治区で住民への苛烈な弾圧を
繰り返した陳全国が、出世階段から転げ落ちて閑職へ追いやられ、政治中
枢から排除された。

上海ロックダウンは習近平のゼロコロナ路線を忠実に守ったのに、李強上
海特別市党委書記も次の昇進が望み薄となった。
陳も李も、習路線の体現者であり、王毅外相とて、「戦狼外交」を忠実に
展開してきたのであり、突然の路線変更で、陳全国と李強はスケープゴー
ツにされたことになる。それは習執行部が、意外に国際的な評価も気にし
ているということだろう。王毅外相は来期で退任する。

 中国公安部幹部がつぎつぎと失脚しはじめたのは2020年五月から
だった。
 孟健柱(政法委書記)が突如拘束された。かれこそは周永康の残党退治
で辣腕をふるったのだ。その「功績」がチャラにされた。前後してパリの
「インターポール」に派遣されていた孟宏偉が北京に呼び戻されて失脚。
海航集団社長がアルプスで墜落死した謎が噛んでいると言われたが、真相
は謎のままである。

 つぎに司法部長(法務大臣)のポストにあった溥政華が規律違反で失
脚。かれは豪華ナイトクラブ「天上人間」手入れで勇名をとどろかせた。
また孫力軍は医学出身で、武漢コロナ対策では武漢に派遣されて陣頭指揮
をとった。このときの疫病対策の情報を米国へ漏らしたのではないかと言
われた。

関連して重慶市副市長兼務公安局長の登恢林が拘束された。かれは孫力軍
に近く、2012年に重慶市書記だった薄煕来の失脚の後に重慶に乗り込
んだ孫政才は共青団のホープ視されたが、突然、汚職で失脚し、そのあと
に習近平の茶坊主・陳敏爾が重慶市書記として乗り込んだ。

つまり一連の公安系幹部の失脚を眺めると、薄煕来──周永康──孟健柱の旧
ラインを根こそぎ左遷もしくは失脚させ習への忠誠組と代替させたという
権力闘争の推移が鮮明になった。
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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(読者の声1)貴誌に連載された南太平洋の島嶼国家への中国の進出、と
りわけソロモン諸島と締結した安保協定ですが、その後、アメリカの反応
はどうなのでしょう?
 カート・キャンベル元国務次官補を派遣し、豪もパプアやフィジーに使
節団を送ったようですが。
   (GH生、さいたま市)

(宮崎正弘のコメント)ウクライナ報道の影に隠れていましたが、新しい
動きが出ました。
ご指摘のカート・キャンベル元国務次官補は、バイデン政権では安全保障
会議アジア太平洋調整官として、現地を視察し、その後に提議したのは
「パートナーズ・イン・ブルーオーシャン」(南太平洋パートナー)で、
日米英に豪、NZ、ここにフランスも加盟し、南太平洋諸国と話し合いを
深めるとしています。フランスはニューカレドニアとタヒチという「植民
地」があるため3000名のフランス兵が駐留しています。
 中国は長距離ミサイル『空母キラー』を配備したこともあって、米軍は
グアム空軍基地の代替として、サイパンの南西に位置するテニアン島を本
格的に再開発し、巨大な空軍基地とする。バイデン政権で二月頃に内定
し、機密扱いだったようですが、衛星観測が本格化しています。
 テニアンは1920年代に日本がドイツに替わって統治、それ以前にも
明治時代から入植しており椰子、サトウキビなどを育てた。サイパン同様
に大東亜戦争の激戦地となり、軍事要塞とした。戦争中は8500名の日
本兵が守った。サイパンは数カ所にバンザイクリフがあって数多くの慰霊
団が訪問し、スカイマークが2019年11月にサイパン直行便を開設し
た(その後、コロナで休便)。
 日本が建設した飛行場も住吉神社も残っており、日本軍司令部跡などは
草ボウボウで廃墟が残っています。米軍占領後、ここに2500メートル
の滑走路を四本。その突端にあったハゴイ飛行場には広島、長崎へ出撃し
たリトルボーイ、ファットマンの格納庫跡がガラスケースに囲まれ、記念
パネルがある。この付近の草むらで米海兵隊と自衛隊の合同訓練が行われ
ました。
米軍の計画は四本の滑走路の再整備、燃料庫、維持管理ビル、兵舎、司令
塔などの建設。なにしろ現在国際空港として使われているテニアン空港は
二本の滑走路しか使っていない。日本からの乗り入れはなく筆者がテニア
ンに行ったときはサイパンから六人乗りの小型機だった。驚くなかれ、操
縦士は若い日本人。テニアンでやとったガイドは現地人と結婚した日本人
女性だった。飛行時間は五分ていど。帰りは十五分ほど上空を旋回して呉
れたので、テニアン全島を俯瞰できた。
島ごと軍事基地となると、まるでコレヒドールだ。
再整備予算は1億6200万ドル。完成は2025年。大型輸送機、長距
離爆撃などが配備され、グアムは役目を終える。これらが中国の南太平洋
への進出に対しての米国の回答です。
  ♪
(読者の声2) ウクライナ危機とプロパガンダ対応の基本。
1. プロパガンダ近代の戦争では,プロパガンダは有力な戦術だ。第一大
戦から発達したという。今ウクライナ戦争でも、真偽不明を残虐事件を持
ち出しどっちもどっち論への誘導などが見られる。この戦法の柱は虚実を
交えた可哀想合戦で、騙された方が悪いとなる。専門家でも騙されるから
初学者はよほどの注意が必要だ。しかし、実はこうした問題は二次的な問
題で、我々は基礎的な地政学と歴史からこの戦争を考えなければならない。
2.地政学 これは日本はこの戦争の第三者ではないということである。
根室市は戦後ロシアに占領された国後島から指呼の間である。プーチンの
指示で砲撃されれば市街地はあっというまに火の海となり瓦礫と化す。阿
鼻叫喚の地獄だ。満洲の悲劇の再現だ。
地政学の原則は(1)隣国は敵である。(2)敵の敵は味方である。
(3)隣国を助ける国は隣国に滅ぼされる、の三点だ。どれも思い当たる
ことがあるだろう。
3.歴史 1945年の満洲、樺太、千島の邦人の悲劇は,戦後ロシア支配の日
本マスコミ、政治家によって隠蔽されてきた。満洲の子供、婦女子老人の
死者は24万人、壮年男子は60万人が奴隷化された。死者六万というが、ス
ターリンが死亡しなければ、口封じで全員殺されていただろう。日本はロ
シア人を組織的に虐殺したことはない。
 そしてその前にロシアの日本侵略を防止した日露戦争がある。さらにロ
シアの日本侵略は更にその前の江戸時代から始まっている。間宮林蔵や近
藤重蔵はロシアより先に北方探検し二人とも大日本樺太島、大日本エトロ
フの標柱を建てている。樺太と北方四島は歴史的な日本固有の領土なの
だ。ということで日本人は決してロシア寄りの見え透いた謀略に騙されて
はならない。それは報復を頼んで死んでいった多くの同胞犠牲者を裏切る
ことになるからだ。
4.対策 日本は植民地憲法に騙されて、国防をしなかった。信じられな
い大失策だ。今、長年のタブーが解けた。自衛隊に特例法で軍事司法制度
を付加し正規軍にしよう。植民地憲法は独立したのだからとうに無効だ。
時代は変わったのだ。(落合道夫)

  (読者の声3)ボケとツッコミの漫才」の対談では台本に沿って軽快
に敏速に笑いの会話が進む。発言は極めて短く、それに対して即時に応答
し、数秒でネタが終わ
り、次のネタに移る。視聴者は無言で笑いもせずに何も期待せずに時間を
無駄に潰す。この対話の形態が高視聴率を得られる、という理由だけで、
全てのテレビ放送に
蔓延する。政治家、有識者、企業家も揃って、漫才師の技を取り入れ、即
座に既存のありきたりの考え、感情、反応を、条件反射の犬の様に吠え
る。無内容の会話を
補うべく、軽快な音楽を常に垂れ流す。ついでに言えば、スタジオの内装
デザインは、あたかも漫才会話を視覚化した悪趣味、劣悪の極み。更に追
加すれば、「壁の花」として綺麗で若いだけが取り柄の女が、幼女のよう
な辿々しい日本語で、「わあー、すごーい、ホントー、ええ、へーえ、は
い、」などと無意味な相打ちを頻繁に垂れ流す。哀れな場末の女給・娼婦
の如く。ヒモ・ジゴロの役を演じるのは番組制作者ども、らしい。
 この稚拙なテレビ放送文化の劣化は定着して久しいが、かつては、まと
もな大人の運営する形態であった。言葉が分からないので定かではない
が、支那、朝鮮のテレビも同様な劣化傾向が見られる。どちらが元祖か知
れないが、日本が世界の先頭を切っている、らしい。
  西欧でも、同様な劣化が見られるが、日本ほどではない。50年ほど前
のテレビ討論番組の録画を見ると、「素人の」大人同士の様な対話で、進
行が鈍く、質問に対して、即答ではなく、長く思考し解答する場面が見ら
れる。それはテレビカメラが存在する前の「普通の自然な」人の会話形態
であった。
 現代では、テレビカメラに見られていない、通常の平民同士の会話で
も、漫才芸人の仕草、軽佻浮薄な発言形式が支配する様になった。女は特
に、幼稚、すなわち可愛い、知力が無い、故に魅力的、と誤解し、稚拙化
が進む。世界が日本を女性蔑視と非難するが、原因は自業自得とも言える。
 さて、編集されていない生の動画を見ると、常識も忖度も無視する傍若
無人のイーロン・マスク氏は、即座に質問に答えず、じーと1-2分間、宙
を見詰めて考えている場面(下記)が度々散見されるが、それが極めて稀
で異常に見える世の中になってしまった。漫才芸人の罪は重い、それを好
むテレビ依存人民、彼らの頭脳を製造する文科省。GHQが意図した非・弱
日本化、愚民化、「12歳の日本人」は更に自ら、幼児化を推進。
 GHQの亡霊達は、「すみませんねー、君達がそこまでやるとは、、、」
 50年前に「絶望して逝かれた」三島由紀夫氏は、正確に未来を予則され
ていたのだろう。合掌。
https://www.youtube.com/watch?v=AeeeEDSekG8
(第一部、 合計三部、計3時間ほど。極貧からの苦労話、テスラの歴
史、量子物理学など)
   (在米のKM生)

2022年07月01日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6185号
□■■□──────────────────────────□■■□
       
        

   2022(令和4年)年 7月1日(金)

   

戦後は終わり戦争の時代へ:“シーチン”修一 2.0

プーチン大統領の意図:小泉悠

           日中「正常化」50周年:伊勢雅臣
    
     ビルゲーツは全米に26万7000:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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戦後は終わり戦争の時代へ
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“シーチン”修一 2.0


【雀庵の「大戦序章」61/通算493 2022/6/29/水】先週末から我が家に
中型の柴犬(雌)「チーちゃん」と名無しのハムスターがやって来た。長
男坊一家が夏休みで西表島へ出かけたので10日ほど面倒を見ることになっ
たのだ。ハムスターは夜行性だから手間がかからないが、犬はそうはいか
ない。小生は6時から30分の朝の散歩を任された。夕方はカミサンか近所
の次女が散歩させる。

我が家の愛犬ビーグル「トト」が大往生したのは2015年12月で、小生が
ペットロス?でアル中になって発狂し入院したのが翌年の10月末だった。
犬や子供とはある程度距離を置かないと、先立たれたときに精神的ダメー
ジで鬱病になりやすいのではないか。動物を飼うというのは癒しになる
が、喪失リスクも伴う。

小生の通常の暮らしでは、春から秋なら毎朝5時起きでカーテンを開
け、庭掃除や水遣り、6時には30分かけて調理した手製の餌を雀にやり、
コーヒーを飲みながら一服して、「さあ、今日もアカを叩きまくるぞ!」
とPCに向かうのだが、チーちゃんが来たので6年振りに犬との早朝散歩・・・

ところがたった30分歩いただけで「私はいけない、ワンコは元気」とい
う、どうも情けない状態になってしまった。華麗なる加齢は難しい。

で、日々の日課である「チャリ散歩」は無理かと思っていたが、10時に
はどうにか気力が回復し、1時間ほど隣町の迷路のような道を散策でき
た。しかし今一つスッキリ感、満足感がない。どうも70代になると心技体
が急速に衰えてきて、「燃える闘魂」のような喜怒哀楽はもうないのかも
知れない。「七十にして矩(のり、道理)をこえず」・・・道理を越えた
くても、小生にはそのパワーが枯渇したような感じがする。

孔子先生は70歳で隠居、74歳没、同時期のお釈迦さまも80歳没だが、
2500年前では大変な長寿だ。脳みそと肉体を動かすことは長生きの秘訣の
ひとつかも知れない。今は64歳あたりまでが「現役」のようだが、そのう
ち「69歳まで頑張ろう!」となりそうだ。「永らえば恥と薬多し」になら
ぬよう気を引き締めないといかんなあ。

岩田清文、武居智久、尾上定正、兼原信克・・・皆60代前半である。こ
の4氏を知っている人は軍事研究者や外交関係者、軍事オタクかも知れな
い。この4氏による対談「自衛隊最高幹部が語るウクライナ戦争――ウクラ
イナの戦いから我々は何を学ぶべきか」(座談会は5月13日、新潮社
Foresight掲載は2022/6/7)を読み始めたが、皆さん、すこぶる頭脳明
晰。戦時になると男は勇武の血が騒ぐが、指揮官となると冷静かつ科学的
に状況を分析するのだなあと、小生もそうありたいと大いに刺激的だっ
た。以下、冒頭部分のみを転載する。

<【軍事大国ロシアによる隣国ウクライナへの全面侵攻は、国際社会に
大きな衝撃を与えた。ウクライナ戦争は今後の国際秩序にどう影響するの
か。同じくロシアと国境を接する日本は、ウクライナの戦いからいかなる
教訓を得られるのか。陸海空自衛隊、そして国家安全保障局の元最高幹部
が一堂に会して語り尽くした、“ウクライナ後”の安全保障論。※この座談
会は5月13日に行われました】

・・・・・・・・・

岩田清文(元陸上幕僚長):これまで私たち4人は、日本の安全保障を
テーマにした座談会を2度行い、それぞれ『自衛隊最高幹部が語る令和の
国防』『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』という本にまとめました。今
回、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、また同じメンバーに集まって
いただきました。

本日のテーマは、「今日のウクライナを明日の台湾、日本にしないため
に」というものです。討論は大きく4部にわけて行います。

第1部は、ウクライナ戦争から我々が得るべき教訓は何か。第2部は、中
国や北朝鮮に与えた影響について。第3部は、核戦略および台湾有事への
影響について。そしてそれらを踏まえて、第4部では日本を含む西側諸国
が今後とるべき進路について。この4点について、陸海空自衛隊、そして
官邸や外務省、それぞれの立場から議論を深めていきたいと思います。

岩田:まず今回の戦争から得るべき教訓について。ロシアによる侵攻に
よって、もう半世紀、あるいは70年も時代を引き戻された感があります
が、そういう中で皆さんが認識している時代の変化と、その評価や教訓に
ついて語ってください。

兼原信克(元国家安全保障局次長):今回の戦争の一番大きなショック
は、国連の安保理常任理事国で、NPT(核兵器不拡散条約)体制における
正当な核兵器保有国であるロシアが、隣国のウクライナを正面から侵略し
て、しかも核の恫喝を行っているということです。これは戦後国際秩序の
根幹が崩れたということだと思います。

安全保障面からの教訓は、一つがサイバーです。サイバーに関して、今
回ウクライナはすごく立派に戦っている。

2014年のクリミア併合の際は、ロシアのハイブリッド戦が効果的で、発
電所、変電所、通信施設がみんなやられてしまった。電気がないと機械は
動かないし、通信ができないので、ウクライナはいわば盲目の“座頭市”状
態になって一瞬で負けた。

しかしその後、米軍の協力を得ながらサイバーセキュリティの増強を行
い、今回はロシアのサイバー攻撃が完全にはね返されている。これは極め
て大きいと思います。結果的に今ロシア軍は、第二次世界大戦さながらの
破壊と前進という、100年前の陸軍の戦い方をしていて、これは裏を返す
と、ウクライナのサイバーセキュリティがしっかり機能しているというこ
とだと思います。

ただ、これと同じことを日本ができるかというと、おそらく2014年のウ
クライナみたいな“座頭市”型になってしまう。日本もサイバー能力の増強
が絶対に必要です。たしかに自衛隊の中にもサイバー防衛隊が立ち上がっ
ていますが、まだまだ規模が小さい。

アメリカの元国家情報長官デニス・ブレア氏にアメリカではどうやって
いるのか聞いたところ、全体で1万人ぐらいの規模のサイバー部隊を抱え
ているそうです。その最前線では、6人組のハンティングチームというの
を作ってある。内訳は2人が軍人、2人がハッカー専門家、2人がエンジニ
アですね。

この組み合わせで、米国政府などに侵入してくるマルウェアを追っかけ
回しているんです。そして最終的に発信元を特定したら、スパコンの力を
使って、マルウェアを発出する敵のコンピュータの中に、正当な権限を
持って入り込んで警告する。

実は今回、ロシア軍の動きに関する情報は、サイバー空間からの情報が
半分以上だといわれています。戦況を見てもわかるように、かなり正確に
相手の動きを掴んでいる。こういった能力は、現在の日本には完全に欠落
してる能力なので、すぐにスパコンを導入してハンティングチームを作っ
て、岩田陸幕長が水陸機動団を作らせたように、今度はサイバー旅団とい
うのを作らないといけないと思います

そして自衛隊に政府と重要インフラを守らせる。あるいは、内閣サイ
バー情報セキュリティセンターを作って自衛官を大挙して送り込むことが
不可決です。

それから核ですね。チンピラのような北朝鮮は別にして、核保有国同士
では「最後の瞬間には互いに核を使うことになるから、はじめから戦争は
しない」というのが暗黙の了解だった。

ところがP5(NPT*=核不拡散条約で核保有を認められた安保理常任理
事国の米露英仏中5カ国)の一員であるロシアの大統領が、隣国に攻め込
んだ上に「俺はいつキレるかわからないぜ」と言って核を恫喝に使ってい
る。これは想定外で、「エスカレーション抑止」なんていうと聞こえはい
いですけども、要するにチンピラがキレるぜと言って凄んでいるのと同じ
です。核はそういうふうに使うものではないというのが前提だったんで
す。*Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons(1970年発効)

他方、同じことをされたらどうなるかということは、日本も考えておく
必要がある。ウクライナ戦争と台湾有事の決定的な違いは、NATO(北大西
洋条約機構)圏外のウクライナにはアメリカは直接介入しないということ
です。だから介入の直前まで、寸止めで支援をしているわけですけども、
ウクライナと違って台湾は西側の勢力圏に入っているので、正式な防衛義
務こそないものの、台湾有事では直ちにアメリカが軍事支援に入る可能性
がある。

そうなると、台湾と目と鼻の先にあって米軍基地のある日本も瞬時に巻
き込まれるということが十分考えられます。その場合、習近平にとって一
番効果的なのは、日本を戦線から離脱させることだと思うんですね。西側
の鎖の中でそこが一番弱い環なので。日本が外れたらもうアメリカは戦え
ませんから、そこをブッ千切ればいいわけです。それが理由となって日本
が核の恫喝に晒される可能性がある。

アメリカは米兵が殺されたら絶対にやり返すんですけど、日本が単独で
守っている離島がやられたら、本当にやり返すかはわからないわけですよ
ね。もしそうなったら、恫喝されるだけでおそらく総理官邸は腰が抜けます。

核兵器は、半分は心理戦用の兵器です。戦争が始まってから自衛隊を打
ち負かすのではなく、始まる前に総理の腰を砕けばいい。核の恫喝に屈し
ないと言える総理はなかなかいないと思いますよ。ですから、核に対する
抑止力をどう強化するか。日本は独自核が持てないので、アメリカの「核
の傘」の信頼性をどう強化するかということは、これから真剣に考えてい
かなくちゃいけないと思います>云々

人類史で初めて核兵器2発を戦争で使用(=お試し動物実験)し日本(≒
サル)を屈服させた米国は、西欧同様に白人以外は人間とは思っていな
かった。黒人や有色人種を「人間認定」し始めたのは1965年あたりだから
まだ半世紀たっただけである。このキリスト教臭い「白人至上主義=有色
人種蔑視」が急速かつ顕著に広まったのは新大陸“発見”以降の1500年代か
らだろう。

<大航海時代以後の西欧人は近代的な軍隊により世界の大半を侵略、植
民地化していった。植民地支配を正当化するため西欧人の優勢が主張され
「白人が、非白人に文明を与えるのは義務である」とされた。この優位性
は、「白人こそが最も進化した人類である」という価値観さえ生む結果と
なった。この考え方は次第に肥大し、学術分野においても各人種間に特徴
的な差異を「一方の人種が劣っている証拠」とする説が発表され、優生学
の名で正当化された。この中にあって進化論は大いに捻じ曲げられ、後の
文化人類学発達を大きく妨げたと考えられる。

2015年には、欧州連合の人々の約17%がアジア人との仕事に不快感を覚
え、約31%が、子供がアジア人を愛するようになると不快感を覚えたと報
告した(EU「2015年のEUにおける差別」)。また、新型コロナウイルスの
感染拡大の影響で、東アジア人が差別的言動を受ける例も報告されている
(swissinfo.ch 2020/3/13)>(WIKI)

白人至上主義の米国は「日本を100年間戦争のできない国」にするた
め、占領中で主権のない日本に「日本国憲法」を押し付けた。講和条約発
効後、つまり戦争が正式に終わった後で米国製憲法を廃棄して新しい日本
製の憲法を創ったら良さそうなものだが、憲法改定には国会議員の3分の2
以上の賛成がないとできないという、高いハードルを設けていたから、未
だに新憲法は実現していない。

表向きはそういうことになっているが、実は米国製憲法は日本にとって
都合の良い部分、第9条の戦争放棄により軍事力に莫大なカネをつかわな
くていい、軍事力は米国との安全保障条約に依存していればいい、無駄金
をつかわずにひたすら経済発展を進めればいい、という、実にオイシイ決
まりがあるから、多くの日本国民にとって「明日の憲法より今日のカ
ネ」、かくして米国製憲法は75年も継承されているわけだ。

<第九条(戦争の放棄・平和主義・戦力不保持・交戦権否認)

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権
の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決す
る手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しな
い。国の交戦権は、これを認めない。>

今、戦後初めて日本は「戦争危機」を現実的に覚え始めたようである。
榊原智氏「国民が抑止力を求める時代」産経2022/6/28はこう論じている。

<参院選の主な争点は、物価高対策と並んで安全保障だという。このよ
うな国政選挙は初めてだ。報道各社の世論調査では防衛費増額への支持が
6〜7割にも達している。

これが何を意味するかといえば、国民の多数が、平和を守るために抑止
力を培う大切さを理解した―ということなのだろう。厳しい安全保障環境
下の日本にとっては嘉(よみ)すべき、画期的、歴史的な変化だ。ウクラ
イナは対露抑止に失敗して侵略されてしまったからだ>

同じ産経2022/6/28で岡田美月氏は「参院選『景気・経済』重視36% 
改憲・コロナは低調」と伝えた。

<産経新聞社とFNNによる参院選の中盤情勢調査で、重視する政策・争
点を尋ねたところ、「景気や経済対策」が36.0%で最多となった。2位以
下は「年金など社会保障」(19.5%)、ロシアによるウクライナ侵攻など
の影響による「物価高対策」(10.3%)、「外交や安全保障」(10.0%)
が続いた。岸田首相(自民党総裁)が実現を目指す憲法改正は3.9%で6位>

どうなっているのか全然分からないが、榊原智氏は「こうあって欲し
い」という願望を書き、岡田美月氏は調査報道で「現実はこうだ」と書い
たわけだ。先人の「良い予感は外れる、悪い予感はよく当たる」の金言に
従えば、「中露北のアジア武力支配に対して日本はなす術もなく屈する」
ということ。黄色の信号なのに「75年も大丈夫だったのだからこれからも
安保は問題なし! それより物価、生活が大事だ!」と大多数の国民は
思っているのだ。

別に今の日本だけがノンビリしているわけではない。庶民は世界中一緒
で、衣食住が安定し、面白おかしく日々を過ごせればいいのであり、戦争
の危機を想定したり憂いたりするのはごく少数、精々人口の5〜10%程で
しかない。

「欧州戦争に介入し共産主義の祖国、ソ連を助けて世界共産主義革命へ
前進するために、日本を挑発して最初の一発を撃たせなければならない、
日本に真珠湾を攻撃させ、裏口から我々は欧州戦線へ乗り出すのだ」

これがFDRルーズベルトの作戦であったと小生は思っているが、深謀遠
慮、実に狡猾で、日本は踏み台にされたのだ。その挙句、FDRの使嗾によ
りソ連に裏切られ、FDRの決定により2発の原爆をくらい、遂には主権を喪
失して米国の属国になり、居心地がいいものだから今ではすっかり「一億
総白痴化」(大宅壮一)になってしまった。

先進国を始め多くの国では日々を楽しく過ごす人々で溢れている。白痴
もいるだろうが大多数は明るい明日を信じている善男善女だ。しかし、い
ずこの時代、いずこの国であっても、カナリアのように危機を察知する
人々も少数ながらいる。

例えば戊辰戦争で新政府軍の戦力は12万あたりのようだが、人口3500万
の3〜4%ほどに過ぎないし、指導者だけなら1%未満だろう。それでも大
回天をなした。たとえ少数派でも、FDRのように緻密で狡猾なやり方をす
れば、厭戦だった米国世論は一気に「参戦」に傾いた。

日本も「有事」になればドタバタしながらを戦時モードに変わるだろ
う。第3次世界大戦に勝てば日本は「日出ずる国」日本を取り戻せる。危
機はチャンスでもある。共産主義帝国の中露北を殲滅し、21世紀を平和な
時代にしていこう。
     

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プーチン大統領の意図
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小泉悠氏が探る「核シェアリング」を匂わすプーチン大統領の意図

核を保有する大国が他国を侵略するという現実を目の当たりにし、日本国
内でもあがる「核シェアリング」の声。ロシアと協調路線を突き進みNATO
の核と対峙するベラルーシのルカシェンコ大統領も死活問題と捉えている
のか、プーチン大統領に対し「核シェアリング」を促すような発言をして
います。2人の会談を読み解くのは、ロシアの軍事・安全保障政策が専門
の軍事評論家・小泉悠さん。今回のメルマガ『小泉悠と読む軍事大国ロシ
アの世界戦略』で、双方の発言の要点をわかりやすく整理し、当面「核
シェアリング」は、言葉の上に留まるのではないかとの見解をその理由と
ともに記しています。

ベラルーシとの「核シェアリング」を匂わせる動き
情勢アップデートをもう一つ。プーチン大統領は6月25日、ベラルーシの
ルカシェンコ大統領と会談し、ウクライナ情勢を含めた幅広い問題につい
て話し合った。この際、プーチン大統領が核弾頭を搭載可能なイスカンデ
ル-M弾道ミサイルをベラルーシに供与すると述べたことが話題になった
が、実際にロシアがベラルーシと核シェアリングを行う可能性はどれだけ
あるのだろうか。

そこでこの会談での対話がどのようなものであったのかを確認してみた
い。ベラルーシ大統領府のサイトに掲載されている文字起こしによると、
ルカシェンコの発言は次の通り。
● Переговоры с Президентом России Владимиром Путиным | Официальный
интернет-портал Президента Республики Беларусь

米国とNATOの核搭載航空機による飛行訓練を懸念している
あなた(プーチン)には「鏡面的な対応」について検討していただくよう
お願いしたい(つまりロシア空軍機にも同じことをしてほしい)
我々の航空機が核兵器を搭載できるよう援助してほしい
ブレストからウラジオストクに至る我らの祖国(ベラルーシとロシアの連
合国家を指すのだろうが、もはやルカシェンコはロシアの一地方首長に成
り下がったかのようでもある)を守るために、核兵器さえ使う用意がある
一方、プーチンの発言は次の通り。

米国は欧州6カ国に200発の戦術核兵器を貯蔵しておりそれらの運用能力を
持つ航空機は欧州側も含めて257機である
(そのような基地はロシアにはないのか?とのルカシェンコの問いに対し
て)ロシアにはない
米国の行動に対して「鏡面的対応」を行うことも可能だが、その必要はな
いだろう
ベラルーシ軍にはかなり多数のSu-25攻撃機がある。これらを改装するこ
とができる(核弾頭搭載可能とするかどうかは明言せず)。その作業はロ
シアの航空機工場で行う必要がある
過去の合意に従い、数ヶ月以内にベラルーシにイスカンデル-M作戦・戦術
ロケット・コンプレクスを引き渡すことを決定した。知られている通り、
このコンプレクスは弾道ミサイルも巡航ミサイルも発射でき、通常弾頭も
核弾頭も搭載可能である
          
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日中「正常化」50周年
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         伊勢雅臣

この50年でなぜ日中対立が深まったのかその検証をすべき
今年は日中国交正常化50周年である。この話題を新聞・メディアに見る
ことは、ほとんどない。

当時はパンダ来日もふくめ、たいへんな騒ぎだった。しかし現代日本はあ
げて嫌中のさなか、そんな節目など、もうどうでもよいのかもしれない。

いま日本が大陸中国を敵視し、台湾を友邦とみるのは、いわばあたりま
え、しかし半世紀前は必ずしもそうではなかった。日中国交「正常化」と
いう表現にも、時代の雰囲気があらわれている。日中の交わりがないのは
異常だったのであり、それを「正常化」するため、台湾と断交した。それ
が「正常」で、正当だったのである。

「正常」な50年で対立が次第に深まり、断交の半世紀はかえって絆を強
めた。大いなる逆説ながら、そんな日本外交を長期的なスパンで検証しな
くてもよいのだろうか。

日々記事にせよ、とはいわない。せめて節目くらいは来し方をふりかえり
得失を吟味してはどうかと思うのである。


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ビルゲーツは全米に26万7000
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月25日(土曜日)弐
          通巻第7382号
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ビルゲーツは全米に26万7000エーカーの農地を所有
 ノウスダゴダ州の2100エーカーでジャガイモを栽培
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 ビルゲーツは全米に26万7000エーカーの農地を所有している。ノ
ウスダゴダ州では2100エーカーにジャガイモ栽培を始めた。カナダ国
境へ80キロの寒冷地だ。
 1エーカーは1224坪。26・7万エーカーはおよそ3億3000万
坪=10億9000万平方メートル。つまり東京ドーム24500個分で
ある。

 各州は気象条件や河川、森林保護、環境保全、灌漑状況などにより、か
なり厳しい農地の開発条件がある。
だが、ビルゲーツにはよほどの先見の明と未来への食糧予測があるのだろう。
 ウクライナ危機で表面化したのは小麦、食用油の輸出困難な市況に陥っ
たため、食品の値上げがあいつぐ一方で、中国の爆買いと備蓄、アフリカ
諸国の飢餓、南アジアから中東にかけては主食のナンが急騰した。
 
 世界中で食糧危機が叫ばれ、日本ではパンを止めてお米を食べようとい
う運動も起きている。日本の経済安保政策には食糧の安全保障が基軸でう
たわれている。

 さて世界一の金持ちでもあるビルゲーツはマイクロソフトの創業者であ
る。GAFAMブームを先導し、つねにビジネスの規範と仰がれ、スキャ
ンダルは沈静化し、ベゾスやマスクより、依然としてビルゲーツのほうが
全米で人気があるのだ。

 そのGAFAMやテスラの株価が年初来、下落傾向にあり、著名四人衆
の株価(時価総額)下落は(1)イーロン・マスクが691億ドルの減
価。(2)べゾス(アマゾン)は611億ドル。(3)マーク・ザッカー
バーグ(フェイスブック)が541億ドル。(4)ビルゲーツは217億
ドル、それぞれ時価による資産評価が下がった(5月22日。ブルーム
バーグ)。
      
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 悪いか、
もっと悪いかがウクライナ戦争の本質だ
  宮崎正弘『ロシアVS.ウクライナ 戦争とユダヤ人』
  https://www.amazon.co.jp/dp/B09YC8NY5J/
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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  ♪
樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2384回】          
  ──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習50)

   △
 いま共産党の権力をめぐって「習降李昇」の4文字が取り沙汰されてい
る。厳格なゼロコロナ対策で経済を冷え込ませた習近平に代わって李克強
の進める合理的経済政策が密かに支持を集め、これに習近平の権力膨張を
好まない江沢民、朱鎔基、胡錦濤などの長老連が同調することで、世評で
は「既定の路線」と見なされていた今秋の第20回共産党大会における習政
権3期目が揺らぎ始めた、あるいは破綻する。少なくともスンナリとは3期
目を迎えることはないだろう──というのだ。
 
 これまでも権力交代期には多くの観測・解説の類が「出所不明」のまま
に伝えられはしたが、振り返ってみるに、そのどれもが噂の域から大きく
飛び出すことはなかった。
 社会主義化をめぐって「急進・過激VS漸進・穏健」で争った毛沢東対劉
少奇、米ソ両超大国をめぐって「対米対話VS対ソ協調」で対立した(とさ
れる)毛沢東対林彪、毛沢東路線の「抜本的方向転換VS全面的継承」を
争った?小平対華国鋒──これまでみられた主な対立を振り返るなら、合理
的な政策が必ずしも勝利したわけではない。

 権力闘争の勝敗を決した最大の要因は、やはり権力に対する執念であり
狂気だったはず。
 毛沢東と劉少奇、毛沢東と林彪、?小平と華国鋒の対立を時系列で追っ
てみると、権力闘争の根底を流れる政策的対立は三者三様に異なっていて
並列化して判断することは難しい。だが3つの権力闘争の帰趨から判断す
るなら、勝者の側の執念・狂気が敗者のそれを遙かに上回っていたことを
指摘しておいても、強ち間違いはないだろう

 劉少奇の場合、毛沢東が強行した大躍進政策の混乱を収拾し経済を安定
軌道に乗せたことで国民的支持が集まっているはず。そこで「毛降劉昇」
との慢心と油断があった。そこを、毛沢東は密かに、徹底して衝いたので
ある。

 65年に入ると、先ず江青が動き出す。上海で後に「四人組」として手を
握ることになる張春橋、姚文元に文革開始の号砲となったとされる論文
「新編歴史劇『海瑞罷官』を評す」の執筆を命ずる。1月半ば、毛沢東は
「党内の実権派」に対する闘争を宣言する一方、側近の陳伯達に社会主義
運動の目的が劉少奇失脚にあることを示唆した。

 4月以降、江青を中心に毛沢東思想を称える革命現代京劇を全面的に推
奨する。9月、林彪が論文「人民戦争勝利万歳」を発表し毛沢東思想に基
づく「自力更生」による対米方針を打ち出し、劉少奇派の主張する「反米
統一戦線結成」論を批判した。一方、毛沢東は早くも「党中央に修正主義
が見られる」と危険性を指摘している。

 10月には毛沢東の検閲を経た論文「新編歴史劇『海瑞罷官』を評す」が
公表され、11月には林彪が「軍隊建設のための百年大計」を発表し、人民
解放軍による毛沢東思想の「活学活用」が打ち出される。
 さに着々と文革に向けた舞台が整えられているにもかかわらず、劉少奇
は毛沢東の真意を測りかね、モタモタするばかり。いや舐めきっていた、
と言っておこうか。
 こんな毛沢東派の動きを象徴するのが、14歳の号手(ラッパ卒)である
于魯紅を主人公にした絵本『雪山上的号手』(趙?・秦大虎 上海人民出
版社)だろう。

 彼は毎日、ラッパを金ぴかに磨き上げ、柄のところに赤い布を結びつ
け、そいつを背中に威風堂々と行軍し、全身全霊を革命のために捧げ、勇
猛果敢に戦闘に参加してきた。そこで兵士たちは親しげに于魯紅を「小号
手(小さなラッパ卒)」と呼ぶ。

 大難関の大雪山越えを前に、長征部隊は小休止し陣容を整える。冷えた
体を芯から暖めるため、于魯紅は近在の村で厳寒の行軍に必需品の唐辛子
と焼酎を調達。
「大雪山は豪雪に強風。空気は希薄。だが革命的英雄主義を発揮し、団結
して闘い困難を克服し、勝利のうちに踏破しよう」と、部隊長が気合いを
入れる。
毛沢東思想で・・・気合いダ〜ッ!
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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(読者の声1)明石元二郎顕彰碑建立記念ドキュメンタリー映画「我、死
して護国の鬼とならん」の完成発表上映会及びトークショー」のお知らせ
です。
 4月23日に多くの方にご支援いただき、そして除幕にも多くの方のご出
席いただき、 明石元二郎顕彰碑を筥崎宮外苑に建立いたしました。
 しかし、私たちがこの顕彰碑を建てたのは、ただ単に石のモニュメント
を建てたかったからではありません。明石元二郎という福岡出身の英雄の
ことを一人でも多くの日本国民に知っていただき、当時も現在も日本を取
り巻く状況は全く変わっていないことに警鐘を鳴らしたかったのです。
 そのために、顕彰碑建立とともにドキュメンタリー映画「我、死して護
国の鬼とならん」の制作も同時に手掛けてきました。この映画は、明石元
二郎の日露戦争における活躍はもとより明石家三代が台湾に貢献したこ
と、そしてこの顕彰碑建立のために心血を注いで奔走した人、それを支え
ていただいた方々を描いています。
 明石元二郎の再現シーンでは元タカラジェンヌの穂高ゆうさんが美しい
顔にひげを付けて熱演していますし、あの門田隆将先生があちこちと登場
し、解説をしていただいております。
 森田拡貴氏が脚本を書き、撮影をし、そして編集をした彼の記念すべき
第一回監督作品です。不肖、歴史ナビゲーターの私が監修をし、文言や映
像などを厳しくチェックさせていただきました。
 ぜひ、大勢の方にご覧いただきたいので、上映会のご出席と宣伝に力を
貸していただきたいと思っております。厚かましいお願いですが、いつも
のことと暖かく受け入れていただきますようお願いします。
         記
 7月3日日曜日 13時からと15時半からの入れ替え制で二回行います。
 場所は 福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(百道浜3−7−1)
https://toshokan.city.fukuoka.lg.jp/facilities/access.pdf
 会費は2000円(記念誌付き)
 連絡先 井上政典 090-3280-4025 または森田拡貴 090-3075-3123 まで
   (九州・歴史・観光戦略研究所 井上政典)

(読者の声2)後期認知症患者バイデン氏に与えられていた、後悔・公開
されない筈の「指導・命令書」が、本人自らの不注意によって、世界に発
信されてしまった。あたかも保母さんが知能指数の低い幼児に与えた脚本
の様な内容。
「君は、部屋に入り、こんにちは、と言う、
君は指定の椅子に座る。報道陣が入る。
君は、2分間、感想を述べる。報道陣は退席。
君は、LI Z SCHULER氏に一つ質問をする。
君は、参加者に礼を述べ、退席する。」
 この短い極秘文書を報道のカメラに向けてしまったので、上記の内容が
バレた。
先日は、停まっている自転車から転けて恥をかいた。要するに米国大統領
は、操り人形であり、かつてのオバマ・クリントン政権の幹部が実権を操
作している。彼らは基本的に反米であり、親中・親露路線であり、当然に
独裁主義であり、表面的にはその裏を見せて、国民、世界を騙している。
https://summit.news/2022/06/24/biden-given-cheat-sheet-that-
instructs-him-how-to-say-hello-and-sit-down/(在米のKM生)
  

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重 要 情 報
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◎大谷翔平の新ボブルヘッド人形が
          限定販売された:前田正晶

矢張り、これは言っておきたくなる。「テレビ局は何故“bobblehead
doll”をボブルヘッド人形とカタカナ表記するのか。これはおかしいバブ
ルヘッド人形であるべき」と。是非とも、「ローマ字読みのカタカナ表記
は元の英語の発音とは違っている」と認識しておいて欲しいのだ。

大谷翔平が所属するAngelsはアメリカのMLBの球団である。それなのに、
何故bobbleを「ボブル」とカタカナ表記するのか。辞書を見て見ろ。発音
記号は「バブル」か「バーブル」になっている。英連邦のOxfordには「ボ
ブル」というQueen’s English式とアメリカ式の「バブル」の両方が出て
いる。アメリカの球団に所属する大谷翔平の人形であれば、チャンとアメ
リカ式に「バブルヘッド人形」として置いて欲しかった。

何でもかんでも、英語の単語をローマ字式にカタカナ表記をするのを、も
う好い加減に止めたらどうか。ナショナルリーグの我が国での人気球団、
Los Angels Dodgersは戦後間もなくから「ドジャース」にされてしまった
が、あれは断固として「ダジャース」なのである。思うに、戦後間もなく
からローマ字式の読み方と表記が一般化していたようだった。

余計な話かも知れないが、遊戯であるような「ドッチボール」は広辞苑に
は「ドッジボールの訛り」と出ているように、元の英語ではdodgeball=
ダッジボールなのだ。こんな例を挙げていけばキリがないが、先ほど新た
に大谷翔平のボブルヘッド人形、即ちbobblehead dollが限定販売された
とのニュースがあったので、「これは宜しくないと思った」ので敢えて取
り上げた次第だ。



◎35度Cの酷暑をものともせずに街頭で:前田正晶

先ほど、午後12時過ぎに高田馬場駅前でバスを待っていた。その時にあの
建前では35度Cの酷暑をものともせずに、某政党の中年のご婦人の数名が
路上で「消費税を5%に」と「憲法を守ろう」と記されていたと思うチラ
シを、懸命に道行く人たちに配ろうとしていた。99%以上の人は無視して
通り過ぎていった。初めて今回の参議院議員の選挙演説に出会ったのだった。

あの頃の時間帯ではアスファルト道路の照り返しを考えれば、体感温度は
40度を超えていたのではないか。正直に言えば「熱中症を考えれば、危険
極まりないのでは」と感じていた。それほど、あの党に忠実なところが凄
いと思わずにはいられなかった。

その光景を見ていたバス待ちの高齢のご婦人は「あの小母様たちは大丈夫
なのかしら」と寧ろ同情的だった。その党の候補者と応援弁士たちは駅前
のロータリーの前に駐車した街宣車の屋根の上に立って獅子吼していた
が、果たしてどれほどの人たちがこの暑さの中で立ち止まってくれるのだ
ろうかと思って眺めていた。念の為に申し添えておくと、この候補者は現
職だった。

申し上げておきたいことは「現在進行中の参議院選挙の候補者たちは非常
に危険な街頭演説を余儀なくされているのではないのか」と感じたこと
だ。ここまでは気象条件の問題だが、私はこの他に仮令「単なる風邪」と
の言い方もされ始めたCOVID-19が、またもや都内での感染者が増加し始め
たという危険な材料もあることを考慮すべきだと見ている。それは「候補
者その人が危険を冒しているのではなく、通行人か密になっても聞こうと
する人たちを巻き込む事になりはしないのか」という辺りだ。

何れにせよ、先ほど初めて現在進行中の選挙運動を見る(演説を聞いては
いなかった、念の為)機会があって、現在の気象条件の下では来月の9日
までは大変な苦労をせざるを得ないのだろうなと思った次第だった。

新宿駅西口に行けばもっと盛況かも知れないが、とてもこの酷暑の下では
そこまでの危険を犯しても他の政党の候補者の政見を聞こうという勇気は
出てこない。

2022年06月30日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6184号
□■■□──────────────────────────□■■□
       
        

   2022(令和4年)年 6月30日(木)

      プーチン後継者はナワリヌイ氏?:津田慶治

   我々がどれだけ理不尽に奪われていたか:三橋貴明

 あの中国が「ソフト鎖国」を目指し始めたワケ:富坂聰
          
         
        ウクライナ軍事支援の拠点化:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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         頂門の一針(まぐまぐ)
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プーチン後継者はナワリヌイ氏?
━━━━━━━━━━━━━━

           津田慶治


ロシア政府内で議論が進む「戦後」

6月27日にはウクライナ中部のショッピングセンターにミサイルを撃ち込
むなど、蛮行を重ねるプーチン大統領。しかしこのまま戦争を続ければ、
先に待つのは敗戦であることは間違いないようです。今回のメルマガ『国
際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、
これまでの戦況を詳細に解説するとともに今後の紛争の行く末を予測。さ
らにロシア政府内で話し合われているという「敗戦プラン」とその席で上
がっている仰天と言っても過言ではない戦後の指導者の名を紹介しています。

ロシア軍全縦深攻撃への対抗処置
ウクライナにやっと、欧米の重火器が届き、これから反撃開始のようです
が、ロシア軍はセベロドネツクを掌握し、次の全縦深攻撃に移る。ウ軍の
体制立て直しはどうすればよいかを検討する。

ウクライナ東部での戦争は、ロシア軍はセベロドネツクを制圧し、アゾッ
ト工業団地からもウ軍は撤退し、リシチャンスクで防衛して、それでもス
ラビアンスクからリシチャンスクへの補給路T1302高速道路の防衛が難し
くなったら、スラビアンスクまで撤退になるようだ。

これでルハンスク州の大部分をロ軍は制圧することになる。1つの目標を
ロ軍は達成することになる。

ロ軍の戦車などの装甲兵力、203m自走カノン砲やTOS-1多装ロケット弾砲
を多数、この地域に集めて、ロ軍が全縦深攻撃したことで、ウ軍の装甲兵
力や火力の10倍以上の差で押したことで圧倒した。しかし、ロ軍の損耗も
大きく、ルハンスクとドネツク人民軍の兵員の55%が失われたという

ロ軍の全縦深攻撃は、1ケ所に多数の戦車大隊戦術群(BTG)と203m自走カ
ノン砲やTOS-1多装ロケット弾砲を集めて、戦車部隊を複数群にして、最
初にウ軍陣地と後方の155mm榴弾砲を叩き、次に第1軍でウ軍陣地を突破さ
せ、その後方の第2・3軍が突破した箇所から進撃する方法である。今まで
の1戦車BTGではできずに、複数のBTGを集めて攻撃を行う方法にロ軍は攻
撃方法を変更した。

この方法でポパスナ周辺地域でウ軍陣地が攻撃されて、一度の攻撃で10キ
ロ以上も侵攻された。ロシアは久々の戦術的勝利を得た。

ウ軍に欧米兵器が実戦に出てくると形勢は分からなくなるが、全縦深攻撃
を受けると、ウ軍の消耗も大きくなり、脱走兵などが出て、そのような攻
撃を受けないようにウ軍も対応策を立てる必要がある。

ウ軍にも、米からのM777榴弾砲、仏からのカエザル、独からのPzH2000
砲、他からのFH-70、M109、AHSクラフなど多数の大砲が供与されたが、こ
れらを足してもロ軍の火砲の数には、大きく及ばない。

重大なのは、ロ軍の電子戦兵器クラハ8が効果的に機能したことであり、
電波妨害でウ軍のUAVが使えない事態や砲管理システムでの通信ができな
い事態になっていることだ。このため、早期に電子戦兵器を叩く必要がある。

この電子戦兵器を叩くには、長距離の射程をもつロケット砲と電子戦兵器
の場所を探知するレーダーをケーブルでつなぎ同位置で運用する必要がある。

もう1つが、ロ軍の集中場所を察知して、その個所の防衛を厚くして、突
破されても次の陣地を構築して、そこで第2・3軍を抑えることである。

それでも、リシチャンスクの防衛を強化して、そこで反撃を開始すること
になる。

     

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我々がどれだけ理不尽に奪われていたか
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           三橋貴明

骨太の方針2022の真実財務省は国民の敵だ!!
[三橋TV第564回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/pmUjzj8nW88

改めて考えてみると、
ガソリン税と再エネ賦課金は似ています。

我々は理不尽な形、「自動車のために道路を建設するわけではない」ある
いは、「日本のエネルギー安全保障が強化されるわけではない」にもかか
わらず、所得の一部を奪われ、かつ「ガソリン税や再エネ賦課金の理不尽さを
ほとんどの国民が知らない」という点で。

ガソリン税は、元々は道路特定財源として、「道路建設」のために徴収さ
れていました。それが、道路国会を経て一般財源化し、我々ドライバーは
ガソリン1リットル50円以上の税金を取られているにもかかわらず、道
路は建設されなくなりました。

かつ、高額なガソリン税に、消費税をかけられている
(※軽油は消費税がかかりません)。
しかも、ガソリン税は「地方在住」の方が主に払っている税金です。都心
部で徒歩で生活する人は、支払いません。

ガソリン税には、明らかに「東京一極集中」という政策目的があるのです
(意識しているか否かはともかく)。

この辺りの話は、わたくしは大石久和先生の三橋TV出演、以降に語り始
めましたが、再エネ賦課金の理不尽さは
FIT導入時点から批判を続けてきました(結果、グローバリスト、反原
発派の双方から攻撃された)。

『国民「再エネ賦課金 一定期間停止に」参議院選挙の約に追加 電気料
金が記録的に高い水準となっていることを受け、国民民主党は、家計の負
担を軽減するため、再生可能エネルギーの普及のために徴収されている賦
課金を一定期間停止することを、参議院選挙の公約に追加しました。

これは、国民民主党の玉木代表が、26日、東京都内で発表しました。具
体的には、太陽光などの再生可能エネルギーを普及させるため、毎月の電
気料金に上乗せする形で
徴収されている、いわゆる「再エネ賦課金」を一定期間停止するとしてい
ます。

「再エネ賦課金」は、電気の使用量が標準的な家庭の場合、現在、年間1
万700円余り徴収されているということで、国民民主党は、停止によって
電気代を1割下げられるとしています。

一方、賦課金を徴収している電力会社側に対しては、国が減収分を予備費
などで補てんすることで、再生エネルギーの推進に支障が生じないように
するとしています。

玉木氏は「政府は、『節電ポイント』の制度によって電力需要を抑えよう
としているが、暑い中、クーラーを無理して切ると健康被害が生じる可能
性がある。

電気代の高騰対策としては、直接、値下げしたほうが効果的だ」と述べま
した。』国民民主党は相変わらず
「一定期間」と煮え切りませんが政策の方向性は正しい
(本当は、FIT廃止、と言って欲しい)。

ガソリン税にせよ、再エネ賦課金にせよ、「価格が高騰している際に徴税
を停止し、国民を助ける」税金(等)はあるのです。問題は、国民が「知
らない」ことです。

今回の物価高騰、参議院選挙を機に、我々がどれだけ理不尽に「奪われて
いたか」について、多くの国民に知って欲しいのです。
          
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あの中国が「ソフト鎖国」を目指し始めたワケ
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            富坂聰

未来の戦争も視野に。
国際2022.06.28 18 by 『富坂聰の「目からうろこの中国
ロシアによる黒海封鎖に起因し、アフリカや中東諸国で深刻化する食糧危
機。先進国にとっても食料安全保障の確立は喫緊の課題と言っても過言で
はありません。そんな中、今や世界最大級の食料輸入国となった中国が、
14億人の国民が食べてゆく最低限の食料生産に全力で取り組み始めたよう
です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著
者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、中
国共産党が見せている食料安保への本気の取り組みを紹介。さらに習近平
政権がそう動かざるを得ない理由を解説しています。

中国は本当にソフトな鎖国を視野に入れ始めたのか?
最近、中国経済の専門家たちと意見交換する機会を持った。

興味深かったのは、そこで話をした人々の何人かが、このところ国務院が
発表する統計に明らかな変化が見られると指摘したことだった。どこが変
わったかといえば、統計のなかで農業に関わる数字が目立って増えた、と
いうのだ。

もちろん農業政策(農村問題も含めて)は中国共産党にとっての「一丁目
一番地」。言うまでもなく最重要テーマだ。毎年、春節後に発表される
「一号文献」が必ず農業政策に関わるものであるのは象徴的だ。しかし、
とはいってもそこは本音と建前である。貿易や工業生産の華々しい数字の
前に隅の置かれてきたのが実態だった。

だが昨今の傾向は、それとははっきり区別されるのだ。

豊作に恵まれた、種付けが終わった、機械化の割合が上昇した、新しい生
産方法が生かされた……。たしかに国家統計局な公表する数字のなかでも、
その傾向は明らかだ。上海を筆頭にロックダウンが続き、消費や貿易、工
業生産が落ち込み、芳しい数字がなくなったため農業生産でお茶を濁そう
としているとの見方もあるが、どうやらそうでもないようだ。

6月22日には中国中央テレビ(CCTV)が李克強総理の主催した国務院常務
会議の内容をニュース(新聞聯播)として報じた。そこでは緊急性の高い
防災関連(南部で起きている洪水)に続いて農業生産に関する聞き取りを
伝えていた。

農業生産の重要性は、会議のなかで「現在の複雑で厳しい状況やインフレ
が加速する国際環境下において」高まっていると説明されている。インフ
レが庶民の生活を直撃しているという事情もあるが、中国共産党中央が食
糧安全保障を強調するようになったのは、インフレが問題になる前からの
ことだ。

ある研究者は「習近平政権のこのところの農業へのテコ入れは、未来の戦
争を視野に入れた動き」と指摘する。

もちろん、台湾侵攻への備えといった漫画チックな話ではない。主眼は攻
めよりも守りに置かれているからだ。また備えているのは、戦争だけでは
ない。

ロシアによるウクライナ侵攻から3ヵ月の間に少なくとも世界20カ国が何
らかの形で自国の食糧の輸出に制限を加えているのだ。

アメリカの対中攻勢──バイデン政権というのではなくワシントンに根付い
た中国敵視──も懸念材料だ。「中ロ」という枠組みで、激しい制裁にさら
される未来を見据えざるを得ないのだ。

いずれにせよ、どんな事態に陥ったとしても国民が食べてゆく最低限の食
糧はきちんと確保したい。その目標のに向けて中国が本気で動き出したと
いうことだ。大豆、トウモロコシ、油の輸入大国として知られる中国だ
が、基本的に国民が食べる穀物の需要は国内で満たすことはできる。その
上にさらに大きな躍進を目指そうというのだ。



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ウクライナ軍事支援の拠点化
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月24日(金曜日)弐
         通巻第7380号  
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ポーランド、ウクライナ軍事支援の拠点化
   単独でも16億ドルの武器をウクライナへ送った
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 ポーランドのモラウィッキ首相に拠れば、ウクライナへの軍事支援は合
計16億ドル(邦貨換算2160億円)に上るという。T72戦車を
200両(代わりに米国からエイブラムズ戦車250両)、自走榴弾砲、
ドローン、携帯式防空システム「MANPADS」、ライフル、マシンガ
ンなどである。

 くわえて西側からの武器支援は殆どがポーランドを経由するため、北の
バルト海に面するグダニスク港にはベルギーやデンマークなどからも戦
車、装甲車が大量に陸揚げされ、大型トレーラーに積み込まれている。ま
た東側のジェシュク市には飛行場もあるので輸送機が頻々に到着している。

 ポーランドは16世紀にリトアニアと共立の王国、その後のポーランド
王国は、ベラルーシ、ウクライナを従えたほどの大国だった。
 このためウクライナには近親観と反発心が同居しており、カソリック信
者の難民がポーランドを目指した。ロシア正教信者は、ロシアへ非難した。

 ポーランドと言えば、古都クラコウには日本文化センターがあり、その
南西がアウシェビッツである。グダニスクは東西冷戦末期に組織化された
『連帯』発祥の地であり、ワレサ初代大統領の地盤でもあった。ちなみに
現地ではグダニスクはグダンスク。ワレサはヴァレンツァと発音する。

 当時、西側はポーランド支援に熱心で、欧米の投資が続き、証券取引所
も開設された。ポーランド政府の招待で、日経、共同、産経記者等とワル
シャワに一週間滞在したことがある。
 夜が明けるのが午前十時頃、午後二時には暗くなる。町のネオンやセー
ター、看板が赤、黄色、緑の原色が好まれるのは、その反作用だろう。T
シャツ工場で紫色の見本を一枚買ったが、洗濯したら染料がはげ落ちた。
すさまじい安物を造っていたのが90年代後半のポーランドだった。

 ワレサとの会見はできず、ヤルゼルスキー元大統領がインタビューに応
じた。その二年前にも西ベルリンから列車でワルシャワに入り、タクシー
でグダニスクへ行った。当時、日本食堂は一軒だけ、中国人労働者が餃子
をたべにきていた。

五年ほど前にワルシャワへ行ってみたが、様変わり。ワルシャワ駅周辺は
大都会、高層ビル、寿司屋が数軒。日本風の居酒屋もあった。
駅前のマリオットホテルは安倍首相訪問時に宿舎となった。ロビーにはフ
ランクフルトで印刷、空輸された日本経済新聞があった。
ワルシャワ進出の日本企業は数百社に及び、1500人前後の駐在日本人
がいる。現地の緊張感を聞きたいものである。
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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(読者の声1)ルパート・マードックが四番目の妻と離婚のニュース。そ
れにしても、欧米人って、どうしてこうもくっついたり、離れたりが年中
行事なんでしょうね?
 マードックの場合、三番目の妻が中国のスパイと呼ばれましたが、具体
的にどのような報道姿勢の変化があったのでしょうか?(HS生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)新聞王マードックとマックスウェルの熾烈な買収
合戦は流行作家ジェフリー・アーチャーがモデル小説にもしましたが、世
界の新聞、テレビをつぎつぎに買収しマックスウェルは敗れてヨットで行
方不明に。
 マードックは最終的には香港からアメリカへ上陸、フォックスニュー
ス、ウォールストリートジャーナルを傘下に収めます。『マスコミ王』と
呼ばれるゆえんです。
 最初の結婚は1966年パット・ブッカーとの間に一人娘。二番目の妻
はアンナで三人の子供、三番目が問題女性ウェンディ・デンで、14年連
れ添い、娘がふたり。
 このデン女史は強烈な野心家で徐州生まれ、イェール大學でMBA取得
後、香港のスターTVでまたたくまに副社長に登り、社長だったマードッ
クを籠絡、中国共産党とのコネを拡げます。
マードックは香港で名門サウスチャイナモーニングポストを所有していま
したが、マレーシア華僑に売却、同紙はその後、アリババの馬雲が買収
し、いまでは中国よりの論調に路線変更。これはマードックと関係がない
ことです。
そして四番目の妻が流行モデル、女優のジュリー・ホール。マードック
91歳、ホール65歳。タフマンですねぇ。

(読者の声2)四月頃から河南省で銀行の取り付け騒ぎが起きているよう
ですが、その後日本では報道がありません。恒大集団のデフォルトと関連
があるとも言われましたが、何か『その後』の情報があれば(IS生世田
谷区)


(宮崎正弘のコメント)河南省鄭州が拠点の河南銀行は、河南新財富集団
が率いる銀行集団で、省内に13の関連金融機関をもち、およそ40万人
の口座があります。取り付け騒ぎは春頃から起きており、ATMから現金
が引き出せないと連日、座り込みのデモ。当局が抗議者を逮捕して沈静化
させましたが、預金の60億ドルは蒸発したまま、トップは米国へ逃亡し
たらしい。
 創業の劉義(音訳)は香港中文大学でMBA、北京大学で国際法をマス
ターしたとされ、河南省の高速道路事業で当てて、国際的なビジネスに乗
りだし、パリ、ジュネーブなどにも支店を設立、食品事業を拡げ、
2016年にキプロスでも会社を設立しました。キプロスはマネーロンダ
リングのメッカとして知られます。
経営がおかしくなったのは恒大集団との取引ではないかと噂され、
CBIRC(中国銀行保険証券監査委員会)が査察に入っていました。 
 恒大集団は事実上倒産しているのに、どういう処理をするのか、闇の
中、いかにも中国的『市場経済』です。



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重 要 情 報
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◎岸田文雄内閣総理大臣の考察と彼に望むこと:前田正晶


もう内閣総理大臣就任後8ヶ月目が終わろうとしているのだから、私が岸
田文雄氏をどのように見ているかを述べてみようと思う。


風の便りに聞いたのだが、アメリカ西海岸の南部に住む日本人の間では岸
田文雄総理の評価が余り高くないそうなのだ。私は常日頃から「アメリカ
のテレビや新聞は殆どと言って良いほど、日本のニュースなど取り上げな
い」と言ってきた。では、彼らアメリカに永住するような同胞がどうやっ
て日本国内の情報を手に入れているかを取り上げてみよう。

私が知る限りでは、アメリカの何処にいても我が国の新聞のその日の朝
刊が、大袈裟に言えば簡単に読めるのだ。それは、東海岸ならば13時間、
西海岸では16時間の時差を利用できるから、朝にはアメリカで印刷された
日本語の新聞が読めるのだ。日本国内の朝刊の原稿は前日の深夜には用意
できるのだから、それを直ちにアメリカに送って印刷すれば十分間に合う
のだ。

私は実際にシアトルのFour Seasons hotelでは朝食で読売新聞と日本経
済新聞が読めていたので、ブレックファストミーティングがない限り、朝
刊を読んでから仕事に出掛けていた。また、ロスアンジェリースの邦人た
ちの間では「頂門の一針」が情報源として読まれているとも聞いている。
という次第だから、アメリカにいても、時差を利用して日本国内のニュー
スが遅滞なく届いてくるのだ。

私には岸田文雄総理の現在までの総理大臣としてのご活躍振りを余り批
判してこなかった。だが、海の向こうの方々は我々よりも限定された情報
量から、岸田氏を見る目には厳しいものがあるようなのだ。私には国内で
は情報の過多であって、かえって判断に迷わされているような気もするのだ。

私は安倍内閣の頃から「次期総理の呼び声が高い岸田文雄氏の演説は抽
象的で、聞き手を魅了しない。あれでは安部総理の後継となるの
は・・・」ということが内部でも語られていると、漏れ聞かされたことが
あった。だが、そうと聞かされても当然のことで、彼と接触がある訳では
ないのだから、実感がなかった。しかし、実際に総理に就任されると「検
討使」と揶揄されたように、常に慎重に検討される安全第一主義の方のよ
うにさえ見えた。

しかしながら、飯島勲氏が指摘されたように元外務大臣の経験を活かさ
れて、海外を回られて大いに外交能力を発揮されたし、ロシアのウクライ
ナ侵攻に対する制裁にも積極的に振る舞われ、大いにその存在感を高めて
こられた。その一方では、私には極端な円安、それにも起因する物価高、
エネルギーコストの上昇等々の難しい問題への対応があるにも拘わらず、
G7への出席等に出向かれるのは如何なものかと思ってしまう。電力供給不
足に対する対応も十分とは思えない。

それはそれとして、岸田総理が次回のG7の会場を広島に決められたこと
には疑問を感じざるを得ない。それは「被爆地は広島だけではなく、長崎
がある」からだ。私には遺憾ながら、ご自身の選挙区である広島を選ばれ
たのは「我田引水」的に見えてしまうからだ。長崎に対する配慮が欠けて
いないか。東京都内の開成高校から早稲田大学ご出身でも広島を選挙区に
されているからなのかと思ってしまう

過日、ある評論家が「国会議員は選挙区である地方の為に働いているだ
けで良いのか。そうではあるまい。国家と国民の為に働くべきだ」と指摘
していた。尤もだと思って聞いた。彼がまさか岸田総理を脳裏において指
摘していたのかどうかは知る由もないが、そうだったとしても仕方がない
ように思えた。私はG7も我が国にとっては重要なことだとは思うのだが、
国内の重要案件を優先して欲しかった

岸田文雄総理には物事の優先順位をお決めになる際に、国内の重要案件
と国際的な問題の何れが国家と国民の為かを繰り返して慎重にご検討願い
たいのだ。何処かに2億ドルを供与されるのも結構だ。だが、東京電力管
内で節電に協力すればポイントを与えるというような弥縫策で、この市民
にとって重要な電力供給問題のお茶を濁していられては感心できないのだ。



◎2時間の充電で20km走行の費用は¥14:前田正晶

電力の供給不足の時期にEVを強力に推進するのは如何なとつい思ってしま
うので、その辺りを考えて見ようと思う

この見出しは、近頃は余り見ていない、テレ東の人気番組なのだろう出川
哲朗の「充電させて下さい」での、電動バイクの充電の実態である。2時
間かけて、電動アシスト自転車の電池よりは大型と見える電池の充電が2
時間かかるという知識を得た。そもそも、EVとやらに全世界の自動車が置
き換わってしまう頃まで自分が生き長らえているとは到底考えられないの
で、自動車の電気化には殆ど関心がなかった。

だが、現在の東京電力管内だけの現象かどうかも知らないが、「電力の
供給が危機的になってきたし、原子力発電所は2ヶ所か3ヶ所しか動かせて
いない状況」で、「天気が悪くなれば太陽光パネルからの発電が落ち込み
という時期」に、「如何なる目論見があってEVを全メーカーが挙って強力
に推し進めるのだろうかな」と、少しばかり考えるようになった。

「無学者論に負けず」じゃなかった「無知識者論を吹っ掛ける」積りな
ど毛頭ないのだ。だが、「充電を必要とする(のだろう)EVを大量に市中
に出すのは二酸化炭素問題対策などには結構なことだ」と十分に理解でき
る。だが、「その充電を担当する電気スタンドを何処にどれほど設置し
て、その電気を何処から供給する態勢を整えるのかな」と思ってしまう。
国民に節電して下さいと命令するほど不足している電力を、何年か先にど
れほど供給能力を増やせるのだろうかと疑問に思う。

いきなり余談になるが、真面目に英語というかカタカナ語を取り上げる
が「ガソリンスタンド」というカタカナ語を先に作ってしまったのでEV
用には「電気スタンド」となりはしないかと指摘したまでだ。以前に何度
も述べておいたことで、英語では“gas station“だったのだ。だから、
「電気ステーション」にすれば済むことだろう。

その電気ステーションだが、疑問に感じていることがある。それは、出
川哲朗の電動バイクのあの小型の電池でも充電に2時間もかかっているこ
とから考えると、何百キロも走ろうとするEVの充電には、何時間かかるの
かなという不安感。「そんな事は既に承知していて、対策を着々と打って
ある」と言われれば、それで結構だと思う。だが、EVの1台の充電が仮に2
時間で終わったとしても、電気ステーションには何十台もの充電機を設置
しておかないと、延々長EVの列が出来るのではないのか。

その「オールEV化」が終わるのが何年先か知らないが、その頃に「電力
供給ドンと来い」の体制が整うものなのだろうか。私が心配しても無意味
なのだが、不思議なEV化の方向のように見えるのは、無知識者だからなの
だろうか。

私は、そんな何年も先のことはどうでも良いのだ。それよりも「たった
今、安心して猛暑対策で室内の空調を目一杯動かして、安心して暑さに対
応した生活がしたいだけ」なのだ。電力が危ういのならば、例えば、NPB
に「全試合を昼間にして欲しい。甲子園で真っ昼間開催して高校生も観客
も無事だったから」と要望したら如何。コンビニエンスストアにはそれで
なくとも苦境に立たされている夜間の営業を止めて事態を乗り切ることの
協力を」と要請したら如何か百貨店は既に種々やっているのだから。

岸田総理は折角諸外国の首脳に会っておられるのだから「この重大な
電力供給危機を乗り切る為に、火力発電所を短期間稼働させて国民を安心
させるのからご理解を」くらいのことを言って頂けると嬉しいのだが
なー。何処かの地区に向けて2億ドルを供与されるのも立派だと解るが、
自国民の苦境を救われるのもお忘れなきようとお願いしたいのだ。私には
総理は何か優先順位のつけ方が宜しくないように思えてならないのだが、
私の僻目か。


◎9条があると油断をしてゐたら、どんどん増える拉致の被害者:北村維康

どうやって暮らしを守るの憲法を拝むばかりの精神分裂
戦力を持つなと禁ずる九条で、如何にせよとの国の窮状
平和憲法あると安心してゐたら、家族は拉致され誰も助けずブルーリボ
ンバッヂ着けてる岸田さん、それを泣かすないつまで検討

2022年06月29日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6183号
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   2022(令和4年)年 6月29日(水)


    点(つ)けたら消す・開けたら閉める:馬場伯明

  亡国の危機、備えを固めるに如かず:シーチン”修一

       NATOvsロシアという図式:宮崎正弘 
   
   実現なら株価も企業業績も右肩上がりへ:栫井俊介
         
       
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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         頂門の一針(まぐまぐ)
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点(つ)けたら消す・開けたら閉める
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           馬場 伯明

日常生活の行為について山の神(妻)に指摘されることが多くなってきた。

1.「点(つ)けたら消す!」。この指摘は相撲番付なら東の横綱である。
「点けたら(必ず)消してください」と。消し忘れるのは「(物事に)け
じめがない人間」ということである。

それなのに、今日の休日も書斎の電灯を消さないまま、リビングルーム
(LR)へひょいひょいと移動した。「消しましたか?」という追い打ちの
礫(つぶて)が飛んできた。う〜〜ん。
テレビ(TV)を観るために、ダイニングルーム(DR)からLRへ移動した
ら、あっ、DRのパソコン(PC)画面が点いたままだ。あらら〜〜。(新型
のPCは放置すれば自動的に消えは・・する)。

PC操作の椅子に戻り振り返ったら、あら、テレビ(TV)がつけっ放しのま
まだ。(今のTV画面はしばらくすれば自動的に消え、近寄ればまた点灯す
るような仕組みになっては・・いる。TVメーカーの健忘者への親切な配慮
だ)。

70年以上前の幼い頃、長崎の実家の端っこにあったトイレは暗かった。そ
の反動からか私は明るい部屋が好きだ。(TVドラマで)徳川時代の江戸城
の廊下などが妙に煌々と明るいことがある。だが、当時の歴史的事実と
違っていても私は好ましいと感じる。

1.「点けたら消す」のもっとも重要な急所は「火の元」である。ガス・電
気の火の元は必ず消さなければ、やばい。大ごとになる。かつて湯を沸か
したまま空炊きとなりヤカンを焦がし、火気感知警報を鳴らした前科があ
る。認知症の老人が火の元を放置し自宅を全焼させたという悲惨な事故の
話を以前聞いた。今の自分から遠く離れた「他人事」ではない。

2「開けたら閉める!」。指摘事項の西の横綱である。「開けたのに閉め
忘れる」ことが増えてきた。洗面所の蛇口を全開で放置することはないが
ポタポタ洩れていることがあるこれも閉まり(締まり)がない人間という
わけだ。

家の入口のドアは自動的に静かに閉まるようにできている。でも、鍵を閉
め忘れたら意味がない。また、私が通った後、部屋の引き戸がわずかに開
いていることがある。LRのドアがぴったり閉まっていない。冷暖房の省エ
ネ効果が低下する。では、一転、自分の口元はどうか。こちらはかろうじ
て閉まっている。毎日の通勤の電車内を見渡せばポカンと開けて眠ってい
る他人の口は再々見かける。

それもこれも、(頭では)わかっちゃいるけどそうなっている。加齢なの
か、いや、認知症が忍び寄っているのか、脳の機能が劣化し命令が手足ま
で届きにくくなっているのか・・・。つらいな。

机に向かい日常生活で守るべき行為を列挙してみた。1.「点(つ)けた
ら、消す」:電灯・パソコン アイロン・炬燵・各種のスイッチ。2.「開
けたら閉める」:傘・水道の蛇口・入口のドア、引き戸。3.「脱いだらし
まう・畳む・揃える」:洋服・下着・靴・洗濯物。

4.「零(こぼ)したら拭く」:醤油・ビール・コーヒーを、あっ!と、零
す回数が増えた。5.「外したらはめる」:鍵・ねじ。6.「借りたら返
す」:本・CD、金は必ず。7.「貰ったら礼を言う・書く」:お土産・手紙。

8.「汚したら洗う」:手足・服。9.「破れたら縫う」:服・ズボン。10.
「脱いだら掛ける・しまう」:帽子・服・コート。11.「来訪には訪問で
応える」:年末年始の挨拶。12.「着信には返信する」:電子メール。こ
れらはすべて、世間の当たり前の行為を当たり前に実行する日常生活で守
るべき最低限の基礎的な行為である。

では、どうけじめをつけるのか。自覚的に「パブロフの犬」になりきるこ
とであろう。「点けたら消す」という条件反射的な行動を自分の頭と体
(手足)に繰り返し刷り込む。若い頃やっていた「いいか、よし!」。そ
う、「指さし呼称!」を正しく実行することである。

「点(つ)けたら消す」を厳守していたのに、古稀になって「ふと、点い
ちゃった」、つまり「焼けぼっくいに火がついちゃった。いや、向こうか
ら点火されちゃった」という昔ハンサムの知人がいた。「消すかな?消そ
う、消さなきゃ!」と努力したが、逆にストレスが溜まり、再点火が火災
になった。この現象は、「点けたら消す」の法則ではなく「消えたら点け
る」のだから、困ったことではなく喜ばしいことかもしれない。

家の中には、12.「点けたら消す」べき新しい機器も多い。オイルヒー
ター・各種の充電器・電動歯ブラシ・(それに)Wii・・・など。

電気炬燵に入り「消さずに」そのまま眠ってしまうことがあった。じつ
は、炬燵での転寝(うたたね)は最高にいい気持ちであり至福の時間であ
る。でも、山の神の許可が出ることはない。とほほ。

日常生活の行為で最後に大切なことは13.「言ったらやる」:「有言実
行」である。だが、不本意ながらじわじわと崩れていく。「不言実行」は
抑制が利いていて男らしく美しい行為である。しかし、口に出さなけれ
ば、加齢とともにやるべきことを忘れてしまう恐れがある。

だからと言って「有言不実行」では信用ガタ落ちになる。「不言不実行」
を続けたとしても、達磨さんのように悟りの境地に達すればいいが、悟る
前に手足だけがなくなってしまっては、動きが取れず、困る。だから、何
とか「有言実行」で行きたい。たまに「有言不実行」に陥っても、なお、
向上心を胸に抱きつつ、前を向いて歩いて行こう。

さあ、有言実行! 点(つ)けたら消そう。開けたら閉めるぞ。(2022/6
/25千葉市在住)


     

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亡国の危機、備えを固めるに如かず
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       “シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」60/通算492 2022/6/27/月】6/25/土に散歩から
帰ると室内温度は35度。窓は全開していたが、まるでサウナだ。パンツ一
丁になっても耐え難いので今夏初めてクーラーを入れた。28.5度、湿度
50%、ホッとする。軟弱だが、露中北を殲滅するまでは倒れるわけにはい
かないから・・・なーんて言い訳したり。

産経6/25の「花田紀凱の週刊誌ウオッチング」に、朝日を“脱藩”した峯
村健司氏が週刊ポストで連載「プーチンと習近平」を始めたとあったので
読んでみた(NEWSポストセブン6/23)。サブタイトルは「世界でもっとも
危険なふたり ウクライナ戦争で習が堕ちた“友情の罠”」。1回目だか
ら、まあアントレ、前戯だが、次回からは本番、楽しみだ。

峯村氏は脱藩の際にnoteに心細いようなことを書いていたので「大丈夫
かなあ」と心配していたが、note6/18に以下の「プロジェクト始動!」が
アップされていた。

<1カ月以上noteの更新をしておらず、申し訳ございません。たくさん
の「スキ」をいただいたうえ、サポートまでいただいたことは望外の喜び
です。改めてフォロワーの皆様には感謝を申し上げます。

更新が遅れた言い訳をさせてください。複数のプロジェクトが動いてお
り、忙しさにかまけておりました。2冊の新著を同時に取材、執筆にとり
かかっています。何とか年内には成就することを目指しています。

そのプロジェクトの第一弾を発表いたします。6月20日発売の「週刊ポ
スト」誌上で緊急連載が始まります。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、中国の動向が注目されるなか、両
国関係について改めて取材しました。中でも、習近平とプーチンという2
人のトップに注目をしています。タイトルは「プーチンと習近平 世界で
最も危険なふたり」です。権力を握り、「一強体制」を築き上げた2人
は、自ら戦略や政策を決め、トップダウンで部下たちに指示をしていま
す。今回のウクライナ侵攻も「プーチンの戦争」と呼ばれるのもそのため
です。2人が何を考えていて、何をしようとしているのか。それを分析す
ることが重要だと考えています。

そこで参考としたのが、アメリカの情報機関、CIAがやっている「プロ
ファイリング」という手法です。その人物の幼少期まで振り返ってどのよ
うな発言をしていたのか、どのような行動をとっていたのか。公開情報を
集め、会ったことがある人からインタビューをして、人物像を分析してい
きます。

トランプ前政権が、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記と直接対話をしよ
うと決めたのも、金氏のプロファイリングでした。金氏がスイスに留学し
ていたときの同級生や先生ら、約200人からインタビューをしました。当
時、金氏がどのようなことをしゃべっていたのか。どんなスポーツをして
いたのか。何を食べていたのか。それらを集めた公開情報とともに分析し
て、人物像を予測した結果、金氏が「欧米の文化や考え方に憧れを持って
おり、対米関係の改善にも積極的だ」と判断したそうです。

今回の連載は、その手法をプーチンと習近平に当てはめてみようという大
胆な試みです。2人はなぜここまで親密になったのか。互いの国にどのよ
うな印象を持っているのか。そもそも二人の家族構成は。どのような本を
読んでいるのか。計5回で分析を進めていきます。ご覧いただければ幸い
です>

元気で何より。ゴルゴ13ことデューク峯村、アンタの出番だ! 21世紀
のダーティペア「プーチン&習近平」、略して「プー近平」の邪道でタダ
レタ関係を暴いてくれ!  依頼者は週刊ポスト、ビッグコミックでお馴
染みの小学館、カネはスイスの銀行に振り込んだ。いざゆけ つわもの 
日本男児!

小生は小学館の本をあまり知らないが、雑誌「SAPIO」(2019年廃
刊?)は読んだ記憶がある。出版社は一般的に「娯楽系の売れる本で稼い
で、売れないけれど学術系の本を刊行する」のを矜持とするが、同社は
2018年あたりから「儲かる書籍雑誌」に舵を大きく切ったようだ。以来、
出版不況と言われる中にあっても経常利益は一桁大きくなった。2021年2
月期:売上高 943億1600万円、経常利益72億4600万円、純利益56億7300
万円・・凄い、大変身、凄すぎる!

同社の定期採用サイトには「変わらない出版への想いと 変わらなきゃ
いけない出版のカタチ みんなの「変」で、世界はちょっとずつ、変わる
はず あつまれ、“変”集者!」とあった。「良書を出したい、しかし、そ
れだけでは食えない、会社が成り立たない、そのためにも今は売れる本に
傾注しようじゃないか」と言っているようだ。峯村氏など実力のあるライ
ターが増えて行けば、週刊ポストの評価も上がり、売れ行きも良くなるだ
ろう。

余計なお世話だが、「反・中露北」「反・立憲共産党」「反・朝毎東」
など旗幟を鮮明にしないと週刊誌、オピニオン誌は没落する。アカに乗っ
取られた岩波「世界」はとっくに消えた?が、「文藝春秋」は未だに「私
は良い人、リベラルです」のままで時代から取り残され、話題にもならな
いよう。

川の流れが変わるように時代は「容共から反共」へ変わってきた。共産
主義はかつては理想郷、この世の天国のように喧伝されたが、それは中露
北やその同調者のプロパガンでしかなかった。現実が徐々に明らかになる
と、良識ある人々や小生のような良識のない過激派も共産主義信仰から目
覚めて行ったが、共産主義=反・資本主義で稼いでいる労組幹部や立憲共
産党などパラサイト的な人々は目をつぶって現実を見ない。

それを「邪道」「姑息」「欺瞞」「愚昧」「暗愚」と言う。つける薬な
し。彼らは不都合な真実を見たくないから見ないままでいるが、それでは
新しい大きな波に流されて溺死するだけだ。立憲共産党やリベラル≒アカ
モドキはそういう人々で、今年や来年で消えるだろう。絶滅歓迎種・・・
静かに逝ってくれと思うが、鳩、菅、村山、枝野・・・最期までジタバタ
しそうだ。往生際の悪い「悪あがき」、ひたすら醜い。

出版界や報道界、マスメディアの社員はリベラル≒アカモドキが未だに
多そうだが、「大戦危機&経済不況の時代」にあっては自ら変わらなけれ
ば落ちこぼれることは確かだ。経営者も社員もみんな利に敏いから、時代
の空気を読んで徐々に右に舵を切り始めているのではないか。朝日あたり
は確信犯的な容共反日屋がまだ多いだろうが、その手の社員は退職勧奨し
たり希望退職を募っても応じそうもないから、新聞そのものの劣化=読者
減になりやすい。「週刊金曜日」は中共に乗っ取られたよう。

ダイヤモンドオンライン2021.3.27「朝日新聞『希望退職100人募集』の
リストラ事情 社外秘の労組アンケート結果付き」がこう報じている。

<ここ数年の国内新聞(全体の)発行部数は毎年115万〜209万部(減
少)の右肩下がり。さらに新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年
は、対前年比272万部減と大きく落ち込んだ・・・

朝日新聞労組が発行する機関誌「新研かわら版」(2021年1月)を入手
した。会社が希望退職者の募集を開始した直後に発行されたもので、そこ
には組合員へのアンケート結果が約80人分収録されている。

その一部を抜粋すると・・・50代の編集局社員も「取材費の削減、要員
不足による原稿枯渇があり、お手軽系のまとめ記事が多発している」と訴
えている。中には「政権を揺るがすようなスクープが、『週刊文春』と
『赤旗』に集中している現状は本当に危機的だ。なぜ朝日新聞からこのよ
うなスクープが出ないのか」(50代編集局)と報道機関としての駄目出し
もあった>

朝日に限らないが、活字離れに加えてコロナ不況で新聞購読者は減る
し、折込チラシも減って販売店は「押し紙」を減らすようになったから、
紙の新聞発行部数は減るばかりだろう。突破口は有料ネット配信の拡大だ
ろうが、71歳の小生の経験では手続きが難解過ぎて申し込めなかった。

小生は紙の産経新聞を20年ほど購読しているが、それをネットで購読申
し込みをした際に使用した暗証番号?を忘れてしまい、有料ネット配信を
申し込もうと数回試みたが「ハッキングだ!」と拒絶されて、今はどーす
ることもI can not状態だ。ヂヂイが簡単に申し込めるような工夫、たと
えば公的な「個人番号」で申し込めるとかしないと有料ネット読者は大き
くは増えないのではないか。10年、20年も昔の暗証番号を覚えている人は
少数派なのだから。手続きが簡単でないと普及しない。閑話休題。

さて、その産経だが、体調が回復したらしい古田博司先生の論考「ロシ
アと韓国…『歴史は進歩する』のウソ」(2022/6/26)は往生際の悪いリベ
ラル≒アカモドキへの痛烈な批判だった。曰く、

<いまだに多くの人が、歴史は進歩すると考えている。人類は過ちを繰
り返しながら一歩ずつ進歩してきたのであり、やがて理想の社会へと行き
着くというわけだ。戦争にしたって、第一次世界大戦、第二次世界大戦と
多くの過ちから学んできたのだから、いつかは戦争も核兵器もない平和な
世界を実現できるという理想を抱く。

こういうことを言う人は、特に新聞やテレビなどに出てくるインテリや
マスコミ人に多い。彼らは、社会がある発展段階を経つつ進歩しどの国で
も必ず近代化できるし、せざるを得ないという進歩史観で世の中を論じよ
うとする。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、そういう人たちが、進歩とい
う虚構(ウソ)をばらまいてきたことを証明してしまった。2度の大戦を
経て、冷戦の敗北・ソ連崩壊まで経験したロシアは、またも侵略戦争を始
め、ウクライナのみならず、他国も核で恫喝している。

ウクライナでは、ロシアが略奪や暴行、惨殺、強姦、収容所送りをして
いることが報道されているが、これなど、第二次大戦末期に日ソ中立条約
を破って満洲に攻め込んだソ連軍が、日本人に対してやったことと同じで
ある。この前近代さながらの所業を見ると、ロシアは1917年のロシア革命
から100年以上の歴史を経ても、なんの進歩もしていないと言わざるを得
ない。

しかし、進歩史観にとらわれた人々は、そのことがよく理解できない。
だから日本の専門家と呼ばれている人は「まさか本当にウクライナ侵攻を
するとは」などと思ってしまうのだ。

プーチン大統領の言動は、近代的な国家の国際ルールでは説明がつかな
い。プーチンの発想は近代より古代に近いように思われる。科学の発達は
別としても、精神的な意味では、そもそもロシアが近代社会を望んでいる
はずだという考え自体が、勝手な思い込みなのかもしれない。

ロシア人の6割以上が、ソ連の社会主義時代がもっともいい時代だと考
えているという調査もあるが、社会主義というのは身分制、専制政治、農
奴制(共同農場)など古代社会に通じる要素が多く、擬古代社会ともいえ
る。土地の所有権も皇帝(ツァーリ)にあり、皇帝専制の下、農奴制が敷
かれていたロシア帝国によく似ているのである。

どんな国も進歩して近代化するのだという進歩史観で、ロシアや韓国を
見ると、その史観のおかしさが露呈するということを言っているに過ぎな
い。ロシアも韓国も、そういう国なのだから、そのまま受け止めるしかない。

進歩史観はかつて、国家は歴史的な進歩の末に社会主義の理想にたどり
着くというマルクス主義の土台となった。日本では過去に「進歩的文化
人」と呼ばれるインテリたちが朝日新聞などをにぎわし、自分たちにとっ
て理想的と思われる海外の都合のいい事例を持ってきては「これに比べて
日本は遅れている」と言っていたものだが、彼らの頭には、資本主義は社
会主義に劣るもので、今の資本主義は社会主義という理想に進歩するの
だ、しなければならない、それが「歴史的必然」だという考えがあった。

それは共産主義者や社会主義者を自称する者だけではない。代表的な戦
後知識人である丸山眞男も、その講義録でマルクス主義講座派(日本のマ
ルクス主義者の一派)を受け継ぎ、ブルジョア革命からプロレタリア革命
への歴史的必然を説いていた。(米原謙「丸山眞男と社会主義」『思想』
第988号、2006年8月) 

社会主義の理想が日本のインテリを魅了したのは、戦後、資本主義の後
進国として再スタートした日本人の劣等感を打ち消してくれたからではな
いかと思う。彼らはその劣等感から脱するために、米国とは違う、社会主
義の理想を追ったのではないかと思うのだ。敗戦コンプレックスから来る
インテリの反米感情の裏返しである。

 さすがに、この頃は、老朽化した進歩的文化人のこのような社会主義も
影響力を失ってきたが、それでも進歩史観そのものは生きているし、その
ウソを信じ込んで、骨の髄までひたってきた老人たちの人生はもはや戻ら
ない。夏草や、マルクスどもが夢の跡。罪深きは進歩史観である>(以上)

記者時代の小生はいつも「このテーマではダメかもしれない」と焦りま
くっていたが、ヒーヒーしながら書いていくうちに「読者がナルホド」と
それなりに腑に落ちる記事になったことが多かった。幅広く取材する、現
実を見る、両論を知る、考えて考え抜いて方向を予測する。記者の基本だ
が、予測が大きく外れたり完全な誤情報だと叩かれる、信用を無くすか
ら、たとえ数千部の業界専門紙であっても結構、真剣勝負だ。

その思いは多分、政治、経済、社会、学問といった大きな分野でのオピ
ニンリーダーや記者なら尚更だろう。各界で批判されるのはまだしも、
「ミスリードした」「ドジを踏んだ」などとマスメディアで叩かれると、
再起不能どころか死後もそのレッテルから免れなかったりする。言論は命
懸け、一種の恐怖、薄氷の思いを免れない、と言っても良い。

国際政治、外交についての戦後の論争では「高坂正堯 vs 坂本義和」論
争が有名で、「現実主義」対「理想主義」などと言われている。それから
60年経ってプーチン・ロシアが侵略戦争を始め、習近平・中共もそれに続
こうとしているのをリアルタイムで見ている我々は、坂本的「理想主義」
の完全な終焉をも目撃、体験していることになる。

故人曰く「良い予感は概ね外れる、悪い予感はよく当たる」。明日の世
界、明日の日本は明るいか? 今は「悪い予感」どころか「亡国の危
機」、崖っぷちだ。故人の教えに従って備えを固めるに如かず、というこ
とだ。

          
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NATOvsロシアという図式
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月22日(水曜日)弐
         通巻第7377号  
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「これではまるで第三次世界大戦ではないのか」
(トランプ)。
NATOvsロシアという図式に移行している
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 ピーター・サンダーズ英陸軍大将はウクライナ戦争の見通しに関して
「長期戦」を予測しており、「ロシア軍が近代兵器と機甲化部隊投入の前
にウクライナの戦力を強化する必要があり、NATOは動員態勢と近代化
準備を迅速に、ロシアより早くに進めなければならない。陸戦でロシア軍
を駆逐するには長い時間を要し、状況は1941年と似てきた」。

 つまり西側はウクライナが勝てるように武器供与を急げと言っているこ
とになる。これではまるで第三次世界大戦である。

 トランプ前大統領はニューズマックス番組に出演してこう言った(6月
20日)。
 「わたしなら戦争は起きていなかった。バイデンがやっていることは
狂っている。私の政権では、ウクライナへ3億9100万ドルの武器供与
をなしたが、これはウクライナが返済可能な範囲だった」。
 バイデンのウクライナへの武器、人道支援は330億ドル。トランプの
100倍!!

 英国のウクライナ援助は軍事面で13億ポンド、人道援助が28億ポン
ドにのぼっている。1ポンド=168年で計算すれば、合計6800億円
強になる。なにしろ英国のはりきりようはジョンソン首相が二回もキエフ
へ飛んで、ゼレンスキー大統領に発破をかけていることからも了解できる。

 戦前の状況に酷似していないか。
チャーチルはあらゆる手を講じて、とうとうルーズベルトを第二次世界大
戦に巻き込んだように。英国のジョンブル精神とは前向きに「不屈の精
神」などと解釈されることが多いが、誤解を懼れずにいえば、粗忽で乱暴
な紳士道ではないだろうか?

フォークランドをアルゼンチン軍が突如占領したとき、サッチャーはすぐ
に軍艦派遣を決めた。閣内には反対、あるいは慎重論が多く、時の米国は
ヘイグ国務長官が、ロンドンとアルゼンチンを往復して調停を試みた。
サッチャーからヘイグは軽くあしらわれた。ロンドンの閣議では「この内
閣に『男』はいないのね」と言った。


▲サッチャーは「この内閣に『男』はいないのね」と言った。

 独仏伊の三国首脳も雁首をそろえて列車でキエフに赴き、さらなる軍事
援助を約束した。
 ストルテンベルグNATO事務総長も呼応するかのように「エネル
ギー、食糧の逼迫と価格上昇も問題だが、これは時間との闘いである」と
発言している。
 欧州はそろってタカ派に変貌したかに見えた。フランスはマクロン惨敗
の結果、ウクライナ政策に変化の兆しがある。

 なにしろドイツは初期段階では軍事支援をためらったため批判が多かっ
た。その後、シュルツ政権は姿勢を改め、高度な武器支援に踏み切った。
その中味は多連装ロケットシステム「MARS」、砲兵検出レーダー「コ
ブラ」の他、スティンガー・ミサイル500基、自走榴弾砲7門、1・5
万個の対戦車地雷。10万発の手榴弾、走行車両ならびに暗視ゴーグルな
ど、かなり実務的な兵器である。

なかでもロシアが集中し、ドローンで索敵して破壊しているのが、この
155ミリ榴弾砲。6月21日にも運搬中の15門が破壊された。

バルト三国も間接的参戦である。
エストニアは6月21日、ロシア軍ヘリコプターの領空侵犯に厳重に抗議し
た。『ロシアへ周辺国に軍事的脅威をあたえている』と。
エストニアにはまだ人口の二割近くがロシア人であり、世界初のスマホ投
票はロシアのハッカー部隊にさんざん妨害された。

リトアニアはロシアから領内を経由する鉄道とハイウェイによるカリニン
グラードへの物資輸送をバリケードした。「これはリトアニア一国の措置
ではなくEUが決めた制裁品目が含まれているための『規制強化』の実施
であって、『戦争行為』ではない」とした。
プーチン側近のパトロシェフ安全保障会議書記は「必ずやロシアは深甚な
報復をする」と息まいたものの、具体的な行為反応は6月22日時点でま
だない。

ところがリトアニアの鉄道輸送停止は効果覿面で、カリニングラードでは
建材価格が70%高騰、食品が12%、GDPはマイナス6%予測となっ
た。名産の家具生産は20%激減。カリニングラードの合弁自動車メー
カー「アドトトル」(現代、紀亜、BMWの合弁)は21年度に販売実績
17万台。EUの制裁により合弁からBMQがおりた。
 こうなるとNATO vs ロシアという図式に移行しているのが現在
のウクライナ戦争の実態になる。

 オルデガ・イ・ガセットの箴言を思い浮かべる。
 「ヨーロッパ社会において最も重要な事実」とは「大衆が完全な社会的
権力の座に登った」ことである。(中略)「この事実は、ヨーロッパが今
日、民族や文化が遭遇しうる最大の危機に直面していることを意味してい
る」(オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』、神吉敬三訳。ちくま文庫)。
     
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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   ♪
(読者の声1)最近、一帯一路関連の中国書を集中的に読み見返していま
すが、ウクライナ関連で腹を抱えて笑ったのが、「ウクライナでは腐敗現
象が甚だしく、ビジネス上の便法を求める余りウクライナ当局の関係部門
に賄賂を送ってはならない。ウクライナの腐敗した役人は賄賂に依存して
おり、中国商人は不正な手段で商売をしているといった印象が与えてし
まったらウクライナにおける中国企業の長期経営にとってマイナスとな
る」との「忠告」です
目くそ鼻くそを笑うの類と言ってしまえばそれまででしょうが、中国の研
究者にここまで言わせるわけですから、ウクライナ人は相当なモノ。
ここからだけでも、日本に伝わることのないウクライナ人の「気質」が判
るような気がします。以上、参考までに。
(樋泉克夫)
  ♪
(読者の声2)中国は毎年恒例となった洪水のニュース、香港の営業休止
していた水上レストランが曳航中に沈没というニュースとともに中国の先
行きを暗示しているようでもある。香港と深センは山で隔てられ香港では
雨でも深センは晴れだった。
 三峡ダムに大量の水を貯め長江流域にずらりと高層ビルだらけの100万
都市を並べればどうなるか。鹿児島〜沖縄〜台湾まで、島の上空だけ雲が
できるように、季節によっては上昇気流で雲ができ雨が降りやすくなるの
だろう。
 かつてソ連ではカスピ海の東のアラル海の水を綿花栽培で大量に使用
し、アラル海はほとんど消失してしまった。
人間の考えることなどこんなものかもしれない。
 欧米諸国と対比されるロシア、イラン、インドだがイランの国営海運会
社がサンクトペテルブルクからムンバイまでコンテナ含む貨物のテスト輸
送に成功。ヴォルガ川の内航水運と鉄道でアストラハンまで運びカスピ海
でイランへ、陸路でバンダルアッバース、海路でムンバイへ。スエズ運河
経由で16000km以上が7200km、輸送コスト30%削減、移動時間40%削減が
期待できるという。
https://www.russia-briefing.com/news/russia-tests-india-freight-direct-via-instc.html/
https://twitter.com/DimitriASimes/status/1536697026204901378

 ムンバイはイランからのパールシー(ゾロアスター教徒)であるTATA財閥
で有名インドはイラクからのユダヤ人がいたり、イスラムのマハラジャは
ロンドンに邸宅を構えエジプトに霊廟を建てるなど日本の金持ちとはス
ケールが違う中東からアフリカまで大英帝国とともにネットワークを築い
てきただけに非欧米の中心勢力となるのかもしれない。
  (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)さすが「印華」、かの「華僑」より商いがうまい
のは確かでしょう。アラブから東アフリカにかけて、インド人が目立ちま
す。南アフリカも、中国勢が大挙進出する前まではインド商人の世界でした。
 ところで香港の水上レストランが南シナ海で沈没というニュース、あれ
は香港名物の「珍宝王国」ですね。
https://www.sankei.com/article/20220621-3B2TGCDJVJK3BO3KZGU4QBWTQU/
 香港島の南端アバディーン港から艀(はしけ)でわたり、料理はともか
く風情がありましたね。四回ほど、人を案内して行ったことがありまし
た。玉座にすわって写真を撮るのが観光客の定番でした。

(読者の声3)発刊されたばかりの『第三次世界大戦はもう始まってい
る』(文芸新書)でエマニュエル・トッド氏の意見を読むと、今日本の空
気を覆っている「ウクライナ応援歌の絶唱」はだいぶ様子が変わって聞こ
えてきます。
  彼はフランス人ですから当然ドイツや北欧その他ヨーロッパ諸国の国
際関係上の「内幕」を把握しているようで、主にアメリカから流れてくる
日本のマスコミの報道、つまりウクライナをロシアが侵略したという「合
唱曲」はだいぶ「濁って」聞こえてくるのです。
 つまり、あの真珠湾攻撃の原因がそうであったように、ロシアの「真珠
湾攻撃」はあの頃の欧米の「日本締め付け策」に我慢しきれなくなった日
本の「悲鳴」と重なって聞こえてくるのです。「あれと同じことだったか
も知れない・・・・」と。
いずれにしても実態があらわになるのは「時」が必要でしょうが、一連の
貴誌の記事や同書を読むことで、かなり参考になります。(SAA生)

(宮崎正弘のコメント)トッドは人口学者であり、家族構成から社会をカ
テゴリーに分けて、旧ソ連は家族構成が激変したため、破綻すると予言し
ました。
日本は中国と敵対する以上、ロシアを重視するべきだし、核武装するべき
と唱えたユダヤ系フランス人ですが、ハンチントンを全面否定しているあ
たりがユニークです。
  ただトッドを日本の一部が教祖扱いしているのも、どうかと思いま
す。かれは基本的に左翼です。


(読者の声4)三島由紀夫研究会の6月「公開講座」は下記の通り開催さ
れますので是非ご参加下さい。
       記
1.日時  6月29日(水)18時開演(17時半開場)
2.会場  アルカディア市ヶ谷(JR, 地下鉄市ヶ谷駅から徒歩2分)
      https://www.arcadia-jp.org/access/
3.講師  小川榮太郎先生(文芸評論家)
4.演題 「現代作家の値打ち、三島文学を超える小説家がなぜ出ない」
5.講師略歴 大阪大学文学部卒。埼玉大学大学院修士課程修了。専門は
近代日本文学。
6.会場分担金 会員・学生1千円(一般2千円)
  どなたでも予約不要で御参加いただけます。
(三島由紀夫研究会)


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実現なら株価も企業業績も右肩上がりへ
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岸田首相「資産所得倍増プラン」が日本を救う日。
            “一億総株主”=栫井駿介

岸田総理が「資産所得倍増プラン」というものを掲げています。これまで
の岸田総理といえば、何かと投資家に対して後ろ向きとも見える政策を掲
げていましたよね。しかし、ここにきて投資家フレンドリーな政策を掲げ
てきました。しかも、この政策は今後の日本株を長期的に押し上げる可能
性もあります。岸田総理が掲げる資産所得倍増プランの具体的な内容とは
何か。そして米国市場のこれまでの変遷をたどり、今後の日本株の見通し
を見ていきたいと思います。「今後の株式相場の行方が気になる」「岸田
さんは何をしようとしているの?」「資産所得倍増プランで何か変わる
の?」そんな疑問を持っている方は、ぜひご覧になっていただければと思
います。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)


プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立
鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事
した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第
2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラム
にてMBA取得。
資産所得倍増プランとは何か?
資産所得倍増プランというのは、分かりやすく言うと貯蓄から投資に移行
させたいというプランです。岸田総理が掲げている看板政策『新しい資本
主義』の中の1項目として出てきます。


貯蓄から投資へというのは、もうかれこれ20年ほど叫ばれている内容です
が、今回かなり具体的な形で出てきました

<具体策1. NISAの拡充>
具体策の1つめは、NISA、少額投資非課税制度の抜本的な拡充です。

NISAとは、投資した分の利益に対してかかる税金を、特定の金額までゼロ
にする制度です。
通常投資で得た利益は20.315%の所得税がかかりますが、年間120万円の投
資枠に対して、5年間は利益が非課税となります。

さらに、積立NISAは年間40万円までの投資に対して20年間、利益に対して
非課税となる制度です。今回拡充されると言われているのは、特にこの積
立NISAです。
現在40万円の積立NISAの枠がもっと大きくなる可能性があります。

<具体策2. iDeCoの加入年齢の引き上げ>
さらに2つめは、iDeCoの加入年齢の引き上げです。現在、iDeCoに加入で
きる年齢は65歳までですが、これを70歳まで延ばすということです。

現在、金融資産の大部分は高齢者が持っていることが分かっています。高
齢者のiDeCo加入を伸ばすことで、より預金を投資資産に持っていくとと
もに、将来の年金に対する不安をなくそうという動きに見えます。

日本と欧米の資産の違い
日本人の金融資産は、半分以上が預貯金となっています。米国や欧州と比
べるとかなり預金が多く、株式・投資信託等が少ないのが現状です。特に
米国では株式の資産が多く、さらに株高ということもあり資産が20年で3
倍になっています。

一方で、日本では1.4倍にしかなっていません。

しかし、株式・投資信託等の資産が増えると、当然そこから得られる配当
も増えるため、結果として国民が豊かになることを目標としているので
しょう。

実際の家計の資産状況を見比べてみると、日本の株式等はわずか10数%に
対して米国では50%程度、ヨーロッパでも30%近くあります。日本の残りの
資産は預金が50%以上となっており、欧米と比べても偏っている状況です。

現在は銀行に預金していても、ごくわずかな金利しかつきませんから、利
子による所得はほとんどない状態です。これを倍増させようというのが岸
田総理の計画です。

2022年06月28日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6182号
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   2022(令和4年)年 6月28日(火)

     
   世界激変、経済安全保障が新ルールだ:櫻井よしこ

       “最も信頼できる”戦況分析:高島康司

    ゼレンスキーを操っているのは誰か?:高野孟
         
   ウクライナ、すべての野党を非合法化:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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世界激変、経済安全保障が新ルールだ
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        櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第1004回

米国切っての中国問題専門家、マイケル・ピルズベリー氏が著書
『China2049』(日経BP)で、自分は中国に騙されていたと悔
やんだ。氏自身も、氏を重用した米国政府もいまや中国心酔の熱からさ
め、現実に目醒めた。彼らは矢継ぎ早に対策を打ち出した。軍事力増強は
無論、貿易、技術移転等の制限で中国を締めつける枠組みを強力に推進中だ。

日本はどうか。前国家安全保障局長、北村滋氏は、近著『経済安全保障 
異形の大国、中国を直視せよ』(中央公論新社)で、わが国の安全保障意
識の低さについてこう記した。

「我が国の行政法大系の大宗をなす事業法。政府が保安、育成等の観点か
ら民間事業を規制する一連の法律群だ。ここには安全保障の観点はない」

わが国の法体系に安全保障の考えが全くないというのだ。経済大国であり
ながら国防を米国に頼りきりで恥じないのは、国法の根本に自国防衛の思
想がないことにも起因するのか。国防意識を欠いたまま、経済肥大化の道
を走ってきた日本だからこそ、世界を動かす鍵となった「経済安全保障」
の意味も、その重大性もよく理解できないのではないか。

北村氏は経済安全保障を「経済を、安全保障政策の力の資源として利用す
る政策、分かりやすく言えば経済的措置を武器の代わりに使うという攻撃
的又は能動的側面」と説明する。

右の考え方を正確に理解できれば、どのようなモノや技術を潜在的敵国に
移転してはならないのかを判断できるはずだ。が、現状を見るとその危機
感が余りに薄い。核、ミサイル、侵略の意図の全てを有する中国、ロシ
ア、北朝鮮などに対しても警戒感がなさすぎる。

福田恆存は国家をフィクションだと喝破した。国民が「守り通す」と決意
し、日々守る努力を重ねなければ潰(つい)えてしまう脆弱な存在が国家だ
という意味だ。福田の国家論に基づけば、現在の日本人の国家に対する考
え方や姿勢が続けば、やがて日本国は膨張欲の強い中国のような国に呑み
込まれ、消滅するだろう。日本人の国を守る意識がどれほど希薄か、北村
氏の著書から、防衛庁(現在の防衛省)元技官の事例を拾ってみる。

売国行為の動機

元技官は2002年、防衛庁技術研究本部主任研究官で定年退職した。在職中
に、潜水艦の船体に使われる「高張力鋼」と呼ばれる特殊鋼材やその加工
に関する技術報告書をコピーし、第三者を介して中国側に渡した。日本の
潜水艦技術、とりわけ特殊鋼材に関する技術は世界屈指のレベルにある。
高張力鋼情報の漏洩は、潜水艦の潜航深度や、魚雷からの攻撃でどの程度
破壊されるかといった弱点を教えるばかりか、「敵」の潜水艦建造に利用
される。

元技官は、資料は最終的に中国側に渡ると思っていたことを認めたが、わ
かっていながら飲食代欲しさでスパイになったわけだ。

売国行為の動機が飲食代かと腹が立つ。しかし警察庁外事情報部でスパイ
を取り締まってきた北村氏は言うのだ。「実は飲食が一番安上がりな手な
のです。人間とはそういうものなのです」

スパイたちはかつて、命懸けで情報受け渡しの現場を押さえられないよう
に工夫した。ところが技術の発達で状況は一変した。東芝子会社の社員
は、ロシアの対外情報庁(SVR)の先端技術獲得部門所属のスパイ、サ
ベリエフと居酒屋やファストフード店で会い、東芝の半導体やその製造工
程に関する情報を渡していた。ある夜、彼らは居酒屋を出て駅まで並んで
歩いた。北村氏は彼らの「無警戒」な行動に「正直面食らった」。

スパイとその協力者が堂々と肩を並べて歩く。こんな緩みきった事象は、
いくら技術が発達して情報受け渡しの形態が変わったからといって、他国
ではあり得ないのではないか。スパイ防止法もなく、罪も非常に軽いスパ
イ天国、日本ならではの現象ではないのか。現にこのケースでは、事件が
発覚するとサベリエフはロシアに逃げ帰り、東芝子会社の社員は「起訴猶
予処分」となった。日本にスパイ防止法が必要なゆえんだ。

これらの事例は、実は本書の入り口にすぎない。本書の真髄は習近平国家
主席の下で、異形の大国中国がどのような戦略に沿って前進しつつあるか
を鋭く描き出した点にある。

北村氏はまず、中国人民大学教授、王義桅(ワンイーウェイ)氏の「一帯一
路」構想についての考え方に着目する。それによると、「一帯一路」は、
中国を陸上と海上に同時に進出させることにより、従来、ハートランド
(大陸の中心地域)に依拠した文明を陸海兼備の文明に変質させ、中国文
明に内生的変化を生じさせるというのだ。

米国は孤立化する

これまでは海洋国家が先行的に発展し、経済や文明の流れは沿岸から内陸
に向かい、それが「東洋は西洋に従属し、農村は都市に従属し、陸地は海
洋に従属する」という負の効果を生み、国際秩序の「西洋中心論」をもた
らしたと、王氏は説く。

しかし、習近平氏の一帯一路は、このような従来の世界秩序を再編するこ
とになると王氏は考えているというのだ。中国とロシアを含む欧州の連合
を通じて、ユーラシア大陸を世界文明の中心に回帰させれば、米国は「孤
島」の地位に落とされ、孤立化する。それこそが中国の大目標だ。王氏の
ユーラシア大陸論の視点はそこに辿り着くという北村氏の見方は正しいだ
ろう。

ユーラシア大陸の決定的重要性について、北村氏はニコラス・スパイクマ
ンによる第二次世界大戦中の研究『平和の地政学』を紹介している。

「米国の2.5倍の広さと10倍の人口(当時)を持つユーラシア大陸全体の
潜在力は将来アメリカを圧倒する可能性がある」「アメリカが統一された
ユーラシアのリムランド(辺境)に直面することになれば、強力な勢力に
よる包囲状態から逃れられないことになってしまう。よって平時・戦時を
問わず、アメリカは、旧世界(ユーラシア)のパワーの中心が自分たちの
利益に対して敵対的な同盟などによって統一されるのを防ぐことを目指さ
なければならない」

米カーター政権の国家安全保障担当大統領補佐官、ブレジンスキーは25年
前にユーラシア大陸の重要性を喝破したが、それより50年以上も前にスパ
イクマンが同様の警告を発していたのだ。

中国がユーラシア大陸を統合すれば日本こそ危うい。中国の戦略は、「海
洋民主主義国家が協力して、この地域の自由貿易や法の支配を進める」と
いう日本主導の「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)や、「日米
豪印」(QUAD)協力体制の思想とは真正面から対立する。

根本的に相容れない専制独裁体制の新世界秩序構築に抗する手段が経済安
全保障だ。北村氏は孫子の兵法をも踏まえて本書を上梓した。氏の書を心
して読むのが国益であろう。

     

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“最も信頼できる”戦況分析
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敗北するウクライナ、戦時中の日本と酷似か。西側メディアが報じない
“最も信頼できる”戦況分析=高島康司

日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。しかし海外のレポートや報道を見ると、こうした希
望的な観測を許さないほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。
(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)


※毎週土曜日or日曜日16:00からLIVE配信予定「私たちの未来がどうなるか
考える!メルマガ内容の深堀りと視聴者からの質問に答えるQ&A」世界中
から情報を収集、分析し、激変する私たちの未来を鋭く予測する『ヤスの
備忘録』でおなじみ、ヤスこと高島康司さんのライブ配信が大人気。世界
の未来を、政治経済の裏表だけでなく、歴史、予言、AI、陰謀、スピリ
チュアルなどあらゆる角度から見通します。視聴方法はこちらから。
この記事の著者・高島康司さんのメルマガ

初月¥0で読む
敗色濃厚なウクライナの戦況
日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。

しかしこうした観測は、ワラにもすがるように、ウクライナ軍に有利なわ
ずかな情報にしがみついているだけのように見える。

東部ドンバス地方を中心とした戦況は、こうした希望的な観測を許さない
ほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。こうした状況は日本ではほ
とんど報道されることがないので、今回の記事で書くことにした。

ウクライナ戦争の戦況の詳細は、スイス参謀本部の元大佐でNATO軍の一員
としてウクライナをモニターしていたジャック・ボー、また複数の専門家
の集まりである「ザ・デュラン」、米国防総省出身と思われる人物の分析
を掲載する「ドレイゼン・レポート」、米軍情報将校で元国連核査察官の
スコット・リッター、ロシア軍の動きに詳しい軍事アナリスト、アンドレ
イ・マリヤノフの分析、米軍出身の分析者、ブライアン・バーレティッ
ク、そして、世界で300万人の読者を持つ大手紙、「アジア・タイムス」
が毎日行っている戦況報告である。

これらのソースはほぼ同じ戦況を報告しており、ズレがない。客観的な現
実を知るにはもっともよいソースである。

このなかでも、「ドレイゼン・レポート」を発信しているジェイコブ・ド
レイゼンは突出している。経歴の詳細は一切発表していないのではっきり
とは分からないが、ロシア語に非常に堪能で、ロシア内部の情報に詳し
い。「ドレイゼン・レポート」は戦況を詳しく報告するだけではなく、次
にどうなるのか予想をして、そのすべてを的中させている。分析者のなか
でも突出した存在だ。

「アジア・タイムス」の戦況分析
それでは、「アジア・タイムス」がほぼ毎日掲載している戦況分析と評価
を見てみよう。「アジア・タイムス」は、複数の軍やシンクタンクの情報
源に基づくウクライナの戦況レポートを掲載している。各方面の戦争プロ
パガンダや誤報を排除するために、最善を尽くすとしている。

<6月20日の戦況の評価>
東部ドンバス地方でのロシア軍の動きは、緩慢ではあるが、再び活発に
なっており、ドンバス地方最東端のウクライナ軍への補給を中断するだけ
でなく、断ち切る決断をしたようである。

今後の重要な課題は、訓練された人材の確保である。消耗戦はウクライナ
に有利ではない。ウクライナ側は、これまでに最大で50%の武器と装備を
失ったとされているが、NATO諸国は時間をかけてそれを補うことができる
と主張している。

しかし、実際に代替できないのは、失われた人的資源である。一方、奇妙
なことに、ある米国情報機関の幹部は、「ウクライナ人は武器を与えれば
戦い続けられるというのが一般的な論調だ。しかし、ロシア人はウクライ
ナの約4倍の人口を抱え、組織的にも人口的にも完全に崩壊寸前であると
評価されている」と言っている。

NATOは、「カリーニングラード封鎖を破ろうとするロシアの脅威に対して
対処する準備ができていない。しかし、カリーニングラードはロシアの核
ミサイル旅団、SS-26の基地である。3月には核兵器演習が行われ、2機の
SU-24が核兵器を積んでバルト海上空を飛行している。

ちなみにカリーニングラードは、リトアニアの飛び地でロシア領である。
必要な物資の多くは、ロシアからリトアニア領を通過する鉄道で輸送され
ている。6月20日、リトアニアは鉄道の通過に厳しい規制を課した。これ
がカリーニングラード封鎖である。

<その他>
タス通信によると、5月に「アゾフ製鉄所」で投降した「アゾフ大隊」の
スビャトスラフ・パラマール副司令官と第336海兵旅団のセルヒイ・ヴォ
リンスキー司令官はロシアに移送され、裁判に備えてモスクワの「レフォ
ルトヴォ刑務所」に収監されているとのことである。

そして、捕虜となったアメリカ人傭兵の裁判も行われることになりそうだ。
          
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ゼレンスキーを操っているのは誰か?
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戦争で金を儲ける「代理店」の存在 :高野孟


プロフェショナルによるイメージ戦略により、たやすくコントロールされ
てしまう我々の意識。商品やサービスのコマーシャルがその最たる例です
が、戦争に関しても、私たちは広告のプロたちにいいように騙されている
ことは確実なようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著
者でジャーナリストの高野孟さんが、湾岸戦争やボスニア・ヘルツェゴビ
ナ紛争で米国の広告代理店が展開したPR作戦を詳しく紹介。たとえ流され
る情報がフェイクであれ、彼らの「働き」が戦争の行方を左右するという
空恐ろしい現実を記しています。

プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告
会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経
ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイ
ダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授
に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県
鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

戦争の行方を左右する「広告代理店」のマインドコントロール戦略/ゼレ
ンスキーを操るのは誰か?
戦争にプロパガンダは付き物で、アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の
法則』(草思社文庫、2015年刊)によるとどちらの側も次のように言いた
がる。

▼われわれは戦争をしたくなかった。しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
のだ。

▼(だから)敵の指導者は悪魔のような奴だ(と判るだろう)。

▼われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。

▼われわれの大義は神聖なもので、これは正義の戦いである。この正義に
疑問を投げかける者は裏切り者である。

▼(いや)われわれも意図せざる犠牲を出すことが(少しは)あります
よ。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる。卑劣な兵器や戦略を用いてい
る……。

何やら、ごく最近も毎日のように耳にしてきた論法のようにも聞こえる
が、これは英国の貴族の家柄でありながら労働党のリーダーになったポン
ソンビー卿が、第1次大戦中に英政府が行った「あらゆる国民に義憤、恐
怖、憎悪を吹き込み、愛国心を煽り、『嘘』を作りあげ、広め」るための
戦争プロパガンダの手法を分析して「10の法則」としてまとめたものの要
約である。著者のモレリはベルギーの歴史家で、これらの法則が第2次大
戦でもその後の戦争でも繰り返されてきた常習パターンであることを後付
けている。
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ウクライナ、すべての野党を非合法化
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月22日(水曜日)
         通巻第7376号  
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 ウクライナ、すべての野党を非合法化、財産を没収
   欧米は、言論の自由を奪ったゼレンスキー大統領をなぜ批判しない?
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 ウクライナの野党最大の「生活のためのプラットフォーム党」
(OPPL)は、2022年6月20日にウクライナ裁判所によって公式
に政治活動が禁止された。ウクライナ法務省は当該野党の資産、資金を州
に譲渡するとした。
 すでに3月20日にウクライナに存在した11の野党はすべてが活動禁
止措置となっている。そう、ウクライナには野党がないのだ!

「親ロシア」の政党は存在も活動も認可しない訳だから、自由は失われ、
全体主義と変わりないと批判されても仕方がないだろう。ところが不思議
なことに西側は、ロシアの言論の不自由を批判しても、ウクライナの自由
の封殺については沈黙している。

 この闇を照らすと、ウクライナ政治を影で動かした一人のオルガルヒが
浮かんでくる。
 20年以上に亘ってプーチンと家族ぐるみの親密な関係にあって夏休み
には黒海でプーチン一家とも海水浴を愉しんでいたのがヴィクトル・メド
ヴェドチュクである。かれはクチマ政権で大統領補佐官を務め、ロシアと
のパイプライン利権を持ち、ゼレンスキーに敵対してきた。ゼレンスキー
大統領の胴元でアゼフ連隊の資金源でもあるユダや人オルガルヒのコロモ
イスキーとは利権上のライバルでもあった。

 メドヴェドチェクはパンデミック危機にさいしてもモスクワへ飛んで
プーチンからワクチンの無料給付の約束を取り付けた。メデヴェドチェク
しか出来ない離れ業だった。
 これを妨害したのはバイデン政権だった。21年8月にメドヴェドチェ
クの秘書官だったボーシィが米国へ飛んで、CIAと接触した。後日、米
国はこれをもって反ゼレンスキー大統領のク−デターが画策されたとし
た。危機を察したボーシィはダラスで銀行から資金を下ろし、セルビアへ
亡命した(TIME、22年2月2日)。

 ▲背後で画策したのはバイデン政権だった

すぐ後に米国はウクライナの親ロシアのオルガルヒの在米資産凍結を発表
した。
 OPPLはウクライナ最大の野党。得票率(2019年議会選挙)は13%だっ
た。2021年の世論調査ではゼレンスキー大統領の「国民の僕」を上回る人
気だった。
 OPPLはロシアと良好な関係を追求し、ゼレンスキーの西側重視は国
益に有害とするとメドヴェドチュクは主唱した。

2021年5月、メドヴェドチュクはクーデターを画策した「反逆罪」で告発
された後、自宅軟禁となり、足にGPSが架せられ、自宅は監視され、彼
のもったテレビ局は閉鎖された。夫人はテレビ番組の人気アナウンサー
だった。娘のダリアはプーチンが名付け親である。
そして逮捕された。

 22年5月14日、ゼレンスキー大統領は、「反ウクライナ」と見なされ
る政党を禁止するプロセスを簡素化する法案に署名した。
モスクワとの紛争に関して、政府の公式的立場に反対、もしくは異議を唱
える当事者は、その活動を禁止し、資産を没収することができるというシ
ロモノ、たとえば、ドネツク共和国とルガンスク共和国の軍隊を「反政府
勢力」と呼ぶのは違法であり、「テロリスト」と呼ばれるべきだと規制さ
れた。

 かくして旧ソ連で言論の自由が確保されているのはバルト三国(エスト
ニア、ラトビア、リトアニア)、かろうじて言論の自由が残るのはアルメ
ニア、ジョージア。言論の自由がまったくないのはベラルーシとウクライ
ナという図式になった。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム  
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  ♪
樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2382回】                      
 ──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習48)

   △
 64年に入ると、毛沢東とその周辺が蠢動を始める。
 年初、康生は劉少奇支持派が押さえる文芸政策当局が推奨する古典に材
を取った映画『桃花扇』を批判し、「投降主義だ。台湾やフルシチョフに
送って見せてやればいい」と難癖を付ける。

 2月に入ると毛沢東は「本は多く読んだからと言って良いというわけで
はない。マルクス主義の本は読まねばならないが、多くを読むことはでき
ない。精々が数十冊だろう。読み過ぎると逆転して書迷(本の虫)になる
か、教条主義や修正主義になるのが関の山だ」と、劉少奇や?小平が進め
る大躍進後遺症脱出策──ある程度の私有財産を認めることで労働意欲を刺
激し生産活動を活発化させる──を修正主義だと批判する。

 5月、国防部長の林彪が『毛主席語録』を全軍に配布し、人民解放軍の
全兵士に毛沢東思想の徹底学習を指令した。
 6月、毛沢東は革命現代京劇『智取威虎山』を観劇し、大感激の態で役
者一同と記念写真を撮る。もちろん同行は江青である。

8月、京劇の現代化を目指す全国京劇現代戯観摩(コンテスト)会の総括
大会に臨んだ康生は、劉少奇派が押さえる文芸政策当局を激しく批判した。
なお10月14日には毛沢東が蛇蝎の如く嫌ったフルシチョフが失脚している。
 なにやら文革前夜を思わせる64年の出版で手持ちは『草原児童団』(上
海人民出版社 8月)と『林紅和?的?伴』(費・林・陳・童子編絵 人民
美術出版社 10月)の2冊。

 『草原児童団』は「東の空が明るくなり、太陽が昇る。毛主席の英明な
指導の下、カラチン草原は解放され、至る所に紅旗が翻る。農民は地主を
倒し、田地を等しく分け、大地は精気に溢れる。児童団も喜び勇み、自ら
の持ち場を守り、地主と富農による策動の監視を怠らない」で始まる。
 主人公の児童団長は「黒牛」と呼ばれる13歳の少年で、腰に拳銃を挿
し、鋭い槍を手にした剽悍な姿が描かれている。民兵隊長から「土匪討伐
から戻るまでの間、村を守れ。村に残る地主や富農がおかしな動きを見せ
たら、直ぐに連絡せよ」と指令を受けるや、黒牛は仲間の団員を指揮して
地主や富農の動きに目を光らせる。

 ふと見つけた怪しげな足跡を追うと、山中の洞窟に向かっている。監視
を続けると洞窟から「大花蛇」と呼ばれる土匪が這い出してきた。みんな
で大花蛇を追い詰め立木に縛り上げ調べた結果、洞窟の中に隠された大量
の武器を発見する。毛沢東の説く「土豪劣紳(ごろつき)」が共産党に反
攻を試みようとした動かぬ証拠であった。

 かくて児童団は民兵隊と共に土豪劣紳を粉砕し、意気揚々と村に戻る。
 子どもは子どもとしてではなく、毛沢東の革命に尽くす「小さな大人」
として描かれている点は、紅衛兵より幼い世代の紅小兵の出現を予感させ
るに十分な絵本と言える。64年の時点で、すでに文革への導火線に火が点
けられていたのでは・・・用意周到・深謀遠慮。

 『林紅和?的?伴』は、古くから中国で見られた連環画──絵と簡単な文章
で綴られる絵物語──である。
 
主人公の林紅は、農村の中学校を卒業したばかり。共産党下部組織の共産
主義青年団々員で、可愛らしく気立てがよく、そのうえ肉体堅固で我慢強
い娘さんだ。

 両親が都市で仕事をしているので本来なら都市で進学できるのに、「農
村こそ広大な天地。そこでは、なんだってできないことはない」という毛
沢東の「有難い教え」を堅く信奉している。
だから農村に留まり、自分から率先して困難な仕事に立ち向かおうと決意
したというのだから、共産党にとって非の打ち所のない理想的な若者とい
うことになる
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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   ♪
(読者の声1)自民党の防衛費を五年以内にGDP2%に増やすという方針
が、(岸田総理とは反対に安倍氏の意向を組み入れ?)決まりましたが、
一方「防衛費増額は(国債などではなく)いまの歳入から捻出を」という
世論の意見が多いと産経記事に在ります。
 小生は通巻7340号で下記のように投稿しました。
1.岸田総理は民間預金を投資に回すと言っているが、実際は投資資金量
には問題はなく、「投資資金が不足しているからイノベーションが生まれ
ず経済成長できない」のではない。フォーカスすべきは「投資資金をどう
やってイノベーション・事業化に繋げるのか」だ。
2.日本の専門家やマスメディアの論調は、「日本もシリコンバレー風の
民間主体の環境を整えよ!政府が民間のベンチャーを支援せよ!」だ。然
しアメリカの、「最優秀な人材がトップスクールに行き、成長した世界的
会社で働き数年後に起業して、再生産を加速している」のではなく、アメ
リカ政府の産業政策は軍事産業向けの政策が主体であった。
3.一言でいえば、日本がアメリカのようなベンチャー大国になれない最
大の理由は
親方日の丸のせいでも、規制のせいでも、外国人が少ないからでも、英語
が話せないからでもない。単にアメリカは世界最大の軍事大国であったか
らだ。このことを完全に理解してきたのが中国・イスラエル・ロシアであ
る。スケールの大きなイノベーションとは、「お花畑国家」から生まれる
ほど簡単なモノではなく、生存をかけた厳しい競争を基盤にこそ生まれる
「生存をかけた軍事強化とコインの裏表」であるのだ。
 岸田首相は、盛んに骨太の方針として、ヒトへの投資を強調しますが、
どうせ実際は実物価値へではなく、サービス業分野(これとてGDP を増大
させる!)にばかりお金が流れ、イノベーションへ繋がらず無駄に終わる
事でしょう。
然るに防衛費の倍増を一気呵成に集中させる方が一挙両得となります。換
言すれば防衛費を「経由」して民間の経済成長を促す起爆剤にするのが賢
明なのです。
(SSA生)

2022年06月27日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6181号
□■■□──────────────────────────□■■□
       
        

   2022(令和4年)年 6月27日(月)


     「投票したい政党がない」危機:乾正人 
         
 温故知新:歴史を学び今を知る:“シーチン”修一 2.0

    サヨクの「憲法上の権利」の敗北:Andy Chang


                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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「投票したい政党がない」危機
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【風を読む】 論説委員長・乾正人 


日曜の午後は、競馬の重賞レースがあるため、なるべく仕事を入れないよ
うにしているのだが、19日は参院選を前に主要6党首が集まるというの
で、のこのこ芝公園にあるホテルまで出かけた。

財界、労働界、学界の有志約100人が参加して不断の改革実現を目指し
て発足した「令和国民会議(令和臨調)」が、キックオフ企画として招い
たのだが、いろいろと感慨深かった。

何しろ防衛力増強に否定的な意見を述べたのが、6党中、日本共産党のみ
で、立憲民主党の泉健太代表でさえ「必要な防衛力は整備する」と言い出
した。

安倍晋三政権時代の安保法制整備にあれほど反対していたのがウソのよう
だ。ロシアのウクライナ侵略が、いかに大きな影響を与えたかがよくわかる。

岸田文雄首相ら各党代表の発言は、真摯(しんし)でそれなりにまとまっ
てはいたが、馬券を買うのを我慢するほどでもなかった。有権者を投票所
に向かわせるだけの「熱」がどうも感じられなかったのだ。

日本をとりまく脅威の増大、急速に進む少子高齢化、一向に上がらぬ実質
賃金などなど現代日本が抱える危機の深刻さは、誰しもがわかっている。
だが、それらの危機から脱する具体的な処方箋をどの党も示せなかった。
まぁ、そんな魔法のレシピがあったら、政府も与党も野党も苦労しないだ
ろうが、世の中甘くない。

小泉純一郎氏の「郵政民営化」、今はなき民主党の「政権交代」という魔
法の言葉に熱狂した結果、どんな結末を招いたかは有権者自身がよくわ
かっている。

そんな既成政党を尻目に、いま最も「熱」を感じるのが、泡沫(ほうま
つ)政党視されていた参政党である。

「投票したい政党がないから、自分たちでゼロからつくる」をキャッチフ
レーズに、ネット中心に運動を続けているが、新橋駅前などの街頭演説に
は立錐(りっすい)の余地がないほど支持者が詰めかけている。たまたま
昼飯を食べに通りかかった我が先輩は、30分近く空腹を忘れて演説に聞
き入ったという。

3年前の参院選は、投票率が50%を割り、投票に出かけた20歳代以下
の若者は、3人に1人もいなかった。政治には関心があるが、投票したい
政党はない、という人々に刺さる政策をどうして既成政党は打ち出せない
のか。

空調の効いたホテルの片隅でついつい考え込んでしまった


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 
産経新聞採録


     
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温故知新:歴史を学び今を知る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」59/通算491 2022/6/25/土】古代ギリシャの芸術
作品を見ると溜息が出る。2500年も前に創られたものなのに今なお生き生
きとして小生を感動させる。その一方でローマ帝国に亡ぼされた後、キリ
スト教の浸透により顧みられることなく消滅し、つまらぬ宗教ゲージツば
かりになってしまった。感動の溜息と無念の溜息・・・栄枯盛衰とはいえ
残念なことである。

<ひとつの時代から次の時代へと受け継がれていった数多くの文化の中
でも、古代ギリシアの芸術や文学は特筆に値する。しかし、古代ギリシア
の文化遺産の偉大さは、そのためだけではない。人間は全て自由であり、
かつ尊敬されるべき存在だという確固とした信念、精神に目覚めていたこ
とである。

三大悲劇詩人のひとり、ソフォクレス(紀元前496〜406年)曰く「この
世は素晴らしさに満ちている。しかし我々人間ほど素晴らしい存在がまた
とあろうか」。

アテネを絶頂期に導いた軍人・政治家ペリクレス(紀元前495〜429年)
は、ペロポネソス戦争の第1回「戦没者追悼式典」でこう演説した。「今
の人々が我々を見て驚くように、後世の人々も我々のなし得たことに驚く
であろう」>(タイム・ライフ「人間世界史 古代ギリシャ」)

ペリクレスはこうも言っている。「アテナイの住民は富を追求する。し
かしそれは可能性を保持するためであって、愚かしくも虚栄に酔いしれる
ためではない」「貧しいことは恥ずべきことではない。しかし、その貧し
さから脱しようと努めず、安住することこそ恥ずべきことである」

実に哲学的で、古代ギリシャをもっと知りたいと百科事典を開いたが、
難し過ぎてギブアップ。E.H.カーの講演録「歴史とは何か」にあたってみ
たら・・・

<ジョン・ビュリ(英国の歴史家)が申しますように「古代史および中
世史の記録には脱漏が散在している」のです。歴史は「紛失した部分がた
くさんある大規模なピクチュアパズル」と呼ばれてきましたが、主たる悩
みは「脱漏」ではありません。紀元前5世紀のギリシャの姿が不完全なの
は、史実が失われたというのが主たる理由ではなく、アテナイ市の住民の
中のごく小さなグループによって形作られた姿であるという理由によります。

前5世紀のギリシャがアテナイ市民にとってどう見えたかは私たちはよ
く知っていますけれど、スパルタ人、コリント人、テーベ人などにとって
どう見えていたかということになりますと、私たちはほとんど何も知らな
いのです>

「歴史は勝者が創る」と言うが、焚書坑儒や不都合な真実の隠蔽は今な
お珍しくない。大体子供から「パパとママはどうして結婚したの?」と聞
かれて、パパは「お前はチャタコ、できちゃった子、結婚するしかなかっ
たから」、ママは「あなたがパパの子だと分かったから」・・・こんなこ
とは言えやしないから「歴史を封印、隠蔽」するのは世の倣い。「真珠湾
の真実」は2050年あたりに解禁か・・・♪オラは死んじまってるだー。
It's too late!

今でもそれは変わらない。プーチンが勝つとウクライナ侵略はプーチン
史観では「正義の戦い」になる。少なくともロシアではそうなる。一事が
万事で歴史の真実を知ることは群盲象を撫でるがごとし、容易なことでは
ない。「古事記」の神武東征も「蛮族を駆逐し国家統一した」ことになっ
ているが・・・夏彦翁曰く「人みな飾ってモノを言う」。閑話休題。

「ローマ人の物語」で知られる塩野七生氏なら古代ギリシャに触れてい
るはずだと同書文庫本を見たらありました、ナント60ページも!・・・基
礎知識がない小生には決意を固めないととても読めない。もしかしたらと
女史の「逆襲される文明 日本人へ(4)」を開いたら、

<ついに脱稿。とはいえ昨年(2016?)から始めていた「ギリシア人の
物語」3部作の2巻目を書き終えたに過ぎないのだが、私の場合、脱稿後に
感じる想いは「書き終えた」というより「分かった」という想いの方が強
い。あるインタビューで、「学者たちとあなたではどこが違うのか」と問
われたことがある。こう答えた。

「その面の専門家である学者たちは、知っていることを書いているので
す。専門家でない私は、知りたいと思っていることを書いている。だから
書き終えて初めて、分かったと思えるんですね」

もちろんそれなりの勉強は書き始める前に済ませてある。ただ、いかに
著名な歴史家の叙述でも、世界的な権威の意見でも、それに捕われたくな
いだけなのだ。

この3部作を書きたくなった動機は2つあって、第1は古代のギリシア人
を分かりたいと思ったこと。第2は、彼らの創造した政体である民主政
が、なぜある時代には機能し、なぜある時期からは機能しなくなったのか
を分かりたいと思ったこと。

これまでの定説では、前者は「デモクラツィヤ」(民主政)、後者は
「デマゴジア」(衆愚政)と簡単に片づけてきた。何しろ日本の辞書では
「衆愚政」を「愚かな者たちによる統治」としか説明していないのだか
ら。だが、学校での出来がはなはだ悪かった私は、何であろうとバカバカ
しいくらいに素朴な疑問からスタートする癖がある。

アテネの民主政と衆愚政の境目は、大政治家であったペリクレスの死、
というのも定説になっているのだが、ペリクレスが死んだ途端にアテネの
民衆が愚か者に一変した、というわけでもないでしょう、と考えたのだっ
た。一夜明けたらアテネ人の全員がバカになっていた、というようなこと
は起こり得ないのだから。

この重要極まる命題を総論という形で正面から切り込めば新書版で済む
のだが、私にはもう一つ悪い癖があって、アテネ市民、ギリシア人全体の
行跡を一つ一つ追っていくことで解答に迫るやり方を専らとしている。
「各論を積み重ねていく」と言っても良いが、この方が歴史を書くのに適
しているとも思っているのだ。

要するに「民主主義(の有無次第による)」と言えば、それだけで問題
が解決すると思い込んでいる人々への疑問を、書いていくことで晴らした
かったのであった>

古代ギリシャと言えば「ポリス=民主主義」を思い浮かべるが、階級社
会の上位の民による自由民主人権法治であったようだ。百科事典マイペ
ディアによると、

<ポリス/polisは古代ギリシアの都市国家。本来は外敵が侵入した際に
避難し防御するための丘(アクロポリス)を意味した。前8世紀ころ集住
によって成立。一般にアクロポリスを中心にアゴラと呼ばれる広場をもつ
城壁に囲まれた都市部と、郊外の農村とからなる。

貴族政、寡頭政、民主政の各時代を通じて市民は参政権をもち、ほかに
メトイコイ(在留外人)、奴隷、ときにはペリオイコイ(市民以外の自由
民)がいた。ポリスは自由・自治を原則とする国法を有し、自給自足を理
想としていたが、他のポリスに従属的になったものも多い。

最盛期にはこうしたポリスがエーゲ海地域のみならずイタリア南部、シ
チリア島、フランス南部にまで広く分布。例外的に大きなアテナイ(アテ
ネ)、スパルタなどのポリスを中心に抗争が繰り返された。ヘレニズム時
代以後、ポリスの政治的独立は失われたが、なお多少の自治は享受した>

あくまで「市民=上層階級」による民主主義であり、それ以外の、多
分、市民よりも圧倒的に多い下層階級には参政権はなかったろう。江戸時
代の士農工商と一緒で、政治にかかわるのは武士階級(人口全体の10%ほ
ど)という身分制と似ている。身分制がいいかどうかはさておき、覇を競
う戦時になると「国民皆兵」で下層階級の民にも頼らざるを得なくなるか
ら身分制は緩めざるを得なくなる。だが「政治への関与、選挙権もないの
になんで国のために戦わなくてはいけないのか?」・・・当然の主張が起
こる。

かくして民主主義は広がるのだろうが、選挙で勝つためには「主義主
張、正論」だけではなく選挙民に美味しいプレゼント、例えば減税や福祉
を約束せざるを得ない。古代ギリシャのポリス=エリート政治が弱体化し
ていったのも「戦力強化のための身分制の緩和」という要素があったろ
う。国民全体の選挙による自由民主人権法治・・・これは理想ではある
が、下手をすると国家を分裂しかねない。悩ましいことだが、自由民主人
権法治の政治は「民度が高くないと上手く機能しないシステム」であるこ
とは確かだ。

古森義久先生の「ウクライナ危機の日本への教訓」Japan Indepth
2022/6/22から。

<ロシアのウクライナへの軍事侵略は日本にどのような影響を及ぼした
のか。結論を先に述べれば、国際情勢への衝撃的な覚醒、そして日本の安
全保障への自己否定にも近い反省の教訓だといえよう。

第一には国際情勢の危険な現実への目覚めのような認識である。核兵器
を保有する軍事大国のロシアが武力の微少な隣の小国を正面から侵略す
る。そして殺戮と破壊をためらわない。

こんな事態は日本のこれまでの多数派の国際認識の否定だといえよう。
日本の憲法が前文でうたうように「平和を愛する諸国民の公正と信義」に
頼れば自国の安全も世界の安定も得られるという認識がいかに現実離れし
ているかの、いやというほどの証明だろう。

この世界には相手が平和や友好を求めれば求めるほど軍事力で自国の野
望を押しつけるという国家が存在するのだ。ロシアの蛮行は日本国民にも
いまの世界の現実を冷徹にみせつけたといえよう。

日本ではロシアのウクライナ侵略は文字通り、連日連夜、衝撃的な
ニュースとして報じられ続けた。その衝撃はこれまでの日本の多数派の
「世界はアメリカ、中国、ロシアの力の均衡でそれなりに安定し、日本は
とくに日米同盟で守られている」という安逸な国際認識を打ち砕いたとい
えよう。

第二には、自国の独立や安全を守るためには軍事力での抵抗が不可欠とい
う場合があるという教訓である。ウクライナはロシア軍の侵略に対し決然
と戦った。その闘争が自国の独立を保ち、国際的な支援をも獲得した。

日本でもこのウクライナ国民の闘争への賞賛が高まった。その賞賛は日
本の一部で根深かった「いかなる戦争も拒否」という無抵抗敗北志向を後
退させた。朝日新聞が喧伝するような「自国を守るための自衛戦争でも人
殺しだ」とする降伏主義がウクライナ国民の勇気ある戦いにくらべると、
いかに堕落し、非人道的かの実証だった。自衛のための戦争までも否定す
れば、残るのは侵略の相手への隷属である。

日本ではこれまで「八月の平和主義」が目立っていた。毎年、原爆投下
や敗戦の月の八月になると、「平和こそが最も大切」という標語の下、
「いかなる戦争も否定」として事実上の降伏主義が唱えられてきた。自国
を保つための防衛や抑止、反撃という概念も排されてきた。

だがいまの日本では国防の強化、防衛費の増額、反撃能力の保持という
正常な国家なら当然の安全保障策を唱える声が驚くほど広まってきた。こ
れもまた明らかにウクライナの教訓だろう。

総括すればウクライナ紛争は日本国民の多くに正常な国家意識を呼び覚
ませてくれたようなのだ>

「ようなのだ」、そうなるかどうかは未知数のようなのだ・・・悩まし
いことである。

ここまで書いて、「さて、どう締めくくるか」と一服していたら「国家
意識よりもバラマキ福祉、ユスリタカリも芸のうち」の池田教ナンミョー
がやってきた。来月は参院選・・・“ウクライナショック票”があるかどう
か分からないが、中露北が大好きな左巻きの立憲共産党(立共)などが不
可逆の絶滅に向かえば結構だろう。

それにしても立共は畢竟、今の日本で「共産主義革命を!」という政党
だ。時代錯誤どころか暗愚か狂気。民主主義を装う鳩山、菅、野田、岡
田、前原、小沢、辻元、枝野、泉・・・人材の宝庫どころか「人災の宝庫」。

感動の芸術を世界に遺した古代ギリシャとは比べようはないが、立共は
図らずも身をもって共産主義者の愚かさを示し、結果的に日本から共産主
義を一掃した政党として記憶されるかもしれない・・・かつての社会党と
同様で、せいぜい1年ほどで忘れ去られるだろうが。


         
━━━━━━━━━━━━━━━━
サヨクの「憲法上の権利」の敗北
━━━━━━━━━━━━━━━━
       Andy Chang

AC 論説No.898

予期していた通り25日金曜日、最高裁は妊娠中絶を憲法上の権利と認め
た1973年の「Roe vs.Wade」
判決を覆す判断を下した。この判決については既に最高裁内部から草稿が
リークしていたので別に新し
い事ではない。判決が出ると中絶禁止派と中絶賛成派の双方が全米各都市
で大規模なデモが起きたが、
幸い暴力事件とならなかった。

総じていえばこの判決は保守派とサヨク(リベラル派)の闘争でサヨクが
負けたのである。サヨクの
「憲法の権利と言う横暴」が通らなくなったのである。

バイデン大統領はホワイトハウスの広報室でテレプロンプターを読む「判
決に反対」の講演を行った。
(バイデンの演説がテレプロンプターを読むだけとは、演説している間の
彼の目が常にある1箇所を見
つめていることで明らかである。)バイデンは「最高裁は米国民の憲法上
の権利を奪った」として最高
裁の判決を批判し、最高裁と対決する態度を明らかにした。

だがバイデンの主張は明らかな間違い、でっち上げである。最高裁は「憲
法は国民に中絶の権利を与え
ていない」ことを明確にしただけなのにバイデンは「憲法が国民に保証し
た権利」を最高裁が奪ったと
嘘をついたのだ。

判決文は簡単に言って二つの判決である。(1)憲法は国民に中絶の権利
を与えていない。(2)中絶
を規制する権限は、国民と国民に選ばれた代表に戻す。この二つだけであ
る。つまりバイデンの言う国
民の憲法上の権利はない。そして中絶を規制する権限は最高裁ではなく、
国民に選ばれた代表、つまり
州政府にある。

ここで注意すべき事は最高裁は妊娠中絶について反対も禁止もしていな
い。それなのにバイデンを左翼
の頭とする民主党側は「最高裁が国民の権利を奪った、中絶を禁止した」
と嘘をつき、国民を煽動して
保守派とリベラル派の対立を高めているのである。

この度の裁判は妊娠15週以後の中絶を原則禁じるミシシッピー州の法律の
合法性を巡る訴訟である。最
高裁の判決はミシシッピー州には中絶を規制する権利があるとした。但
し、最高裁は妊娠中絶を15週以
内に限る事について判決したのではない。サヨクは中絶が原則禁止された
と言う嘘を宣伝している。

バイデン氏は24日の演説で「最高裁の判決は極端な主張と悲劇的な間違
いを犯した悲しい日であっ
た。そして(最高裁の判決は)この国を極端な方向に導いていく」と述
べ、「私は今後も国民の個人の
決定する権利を全力で守る」と述べ、中間選挙で中絶の権利の擁護に投票
するよう呼びかけた。

権利、権利である。サヨクの主張する個人の自由と権利は時として社会の
自由と平和を奪い、法の無視
と崩壊を招く。この数年の間アメリカでおきた数々の暴動と放火、商店に
侵入して金品強盗を働く事件
についてバイデン政権は放任し続けていた。しかもニューヨーク州やオレ
ゴン州など民主党州の政府は
警察の予算を大幅に削減して警察を無力化することに熱中していた。

アメリカの崩壊は法の崩壊で始まると言っても良い。バイデン政権はBLM
やAntifaの跋扈、黒人の犯罪や
彼らの「権利」を放任してきた。「人民の権利」と呼ぶ暴力を利用する民
主党政治家が法の無視、法の
崩壊を促進させてきたのである。今回の最高裁の判決は「何でも憲法上の
権利」で覇権を維持してきた
サヨクの敗北だった。

保守の勝利はトランプが指名した3名の保守側の最高裁判事のおかげで5
対4の判決となった。つまり
サヨクと戦っているトランプが勝利したのである。だがたとえバイデンが
負けたからといっても、一国
の大統領が公然と国の最高裁判所の決定に反対すると発表したのは許され
るべき事ではない。国の制度
を弁えないバイデンは大統領失格、弾劾されるべきだ。

最後になったが今回の最高裁の判決でまだ残っている問題は、判決文の草
稿を盗んでメディアにリーク
した犯人が未だに捕まっていないことである。ガーランド司法長官もFBI
もサヨクの一端を担いでいると
言われる現状では、中間選挙で保守が圧勝しなければサヨクによるアメリ
カの衰退は続くだろう。

2022年06月26日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6180号
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   2022(令和4年)年 6月26日(日)



          国民の命より反原発≠ゥ:有本香

              ★新現代君主論:北野幸伯
 
            編集長ピックアップ:豊川雄之

        台湾を習近平に売り渡すのか:宮崎正弘 
                 

                 重 要 情 報
                 身 辺 雑 記

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国民の命より反原発≠ゥ
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【有本香の以読制毒】 省エネ大国で「節電ポイント」の愚策 エネル
ギー政策を参院選の争点にせよ 

「総理やめましょうよ。くだらない」

これは、6月21日夕方に投稿した私のツイートだ。手前みそのようで恐縮
だが、この短いつぶやきが、丸一日後の22日夕方までに約7000もリツイー
トされ、3万超の「いいね」がついた。ネット用語でいうところの「バ
ズった」状態である。

21日といえば、参院選の公示前日。選挙戦の火ぶたが切って落とされ
る、まさにその直前に速報された「岸田総理、節電した家庭や企業を優遇
する新制度発表」という記事を引用しての投稿だった。見出しにある「新
制度」とは、節電をした家庭や企業に電力会社のアプリを通じてポイント
を付与するという、あの愚策のことである。

「ポイントより電気を供給しろ」「国民をなめてんのか」―。案の定、
ネット上には怒りの声があふれた。

目標は3%の節電で、月260キロワット時を使うモデル世帯に当てはめる
と、月約数十円の還元となるそうだ。いまどき子供でも喜ばない「インセ
ンティブ」の額に、「なめてるのか」の声がますます高まっている。

最近は、官房長官が「冷蔵庫にものを詰め込みすぎないように」などと、
30年前の家事雑誌みたいなことを言ったりもしている。岸田文雄内閣は広
告代理店でも開業したつもりなのか。

少し古いデータだが、2018年の「実質GDP(国内総生産)あたりの一次
エネルギー消費の国際比較」を挙げておく。この統計では、日本を上回っ
ているのは英国のみ。日本を1とすると英国は0・881。日本に次ぐのがド
イツの1・11、オーストラリアが1・253、少し空いて米国は1・81、中国
に至っては4・258である。

日本は世界に冠たる省エネ大国なのだ。われわれは世界で最も効率よくエ
ネルギーを使って経済を回している。現在のこの成果は、近年の政府の策
が当を得たためではなく、民間の努力のたまものだ。

第1回物価・賃金・生活総合対策本部で発言する岸田文雄首相

官房長官の頭を悩ます冷蔵庫を例にあげれば、日本の同じメーカー、同
じ容量の冷蔵庫の消費電力が、2006年からの15年間で3割も削減されてい
る。06年時点でも、日本メーカーの家電の省エネ設計は世界最高レベル
だったものを、さらに3割も減らした。

「文句あるか、と言いたくなるほどの努力ですよ」

日本の大メーカーで経営の一翼を担う筆者の知人は苦笑する。民間企業の
こうしたたゆまぬ努力に、比肩できるほどの仕事をしたと胸を張れる政治
家が、永田町にどれほどいるのか。

一方、産業遺産情報センター長で、古今の日本の製造業に詳しい加藤康子
氏によれば、日本の産業用電力料金は世界でダントツに高く、先進諸外国
と比べても2倍近い額だという。これでは、いくら円安が進んでも日本の
メーカーは国内に工場を戻すことができない。

「地元が広島」をことさら強調し、核に関することはことごとく「NO」
を明言する岸田首相に謹んで申し上げたい

かつての日本政府が、原子力基本計画を制定したのは昭和30(1955)年。
広島と長崎に原爆が投下され、日本中が焼け野原となった敗戦から、わず
か10年後のことだった。

核兵器の恐ろしさを身にしみて知っていたはずの先人たちは、しかし、そ
の恐怖に怯むことなく、また国民の核への恐怖感情を政治利用することも
控えて「原子力の平和利用」に敢然と歩を進めた。

その目的は「将来のエネルギー資源確保」であり、「人類社会の福祉と国
民生活の水準向上に寄与する」ことと記されている。原子力を「怖くな
い」というつもりはないが、電力逼迫(ひっぱく)が人の生死を分けるこ
とを思えば、既存原発の再稼働に踏み切る決断を望む。

「クリーンエネルギー」というお題目を唱え、旗を振っていた欧州は、ロ
シアによるウクライナ侵攻を機に、政策を大転換させた。ドイツは石炭に
回帰し、フランスは原発に軸足を置く。日本だけが周回遅れのお題目に忠
義立てして、国民を不幸にしてはならない。

参院選でも、エネルギーに関し、核心に鋭く迫る論戦を聴きたい。

■有本香(ありもと・かおり)ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。
東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係
や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の
「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文
庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」
の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録

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━━━━━━━━
★新現代君主論
━━━━━━━━

      北野幸伯

はやいもので、私がモスクワから日本に完全帰国して4年
目になります。この4年間で、世界は大きく変わりました
まず、
2018年、米中覇権戦争がはじまりました。
2020年、新型コロナパンデミックが世界を襲いました。
2022年、ロシアがウクライナに侵攻しました。

ウクライナ侵攻後、日本人、ロシア人から、「いい時に逃
げましたね」といわれます。実際、事実、真実を語る私がモスクワに残っ
ていれば少なくとも捕まっていたでしょう

ところで、日本に帰国して、私の生活は大きく変わりまし
た。モスクワでは、メルマガ、ダイヤモンドオンラインその他の執筆、本
の執筆などがメインでした。シンプルで気楽な生活です。今は、モスクワ
時代の仕事に加え、毎月のパワーゲーム作成、

たまに「ミヤネ屋」「ワイドスクランブル」のテレビ出演
などもあります。とても忙しいです。ところで、日本に戻った私が最初に
取り込んだのは、
「現代君主論」の制作です。
「経済覇権編」
「軍事覇権編」
「国家と君主編」
「大衆操作編」
「令和日本の大戦略編」
からなる現代君主論。

これを見た人は、一気に世界の支配者と同じ視点を獲得す
ることになります。現在までに1万人の人が受講してくださったとのこ
と。支配者視点の人が新たに1万人誕生したことで日本はよい方向に変
わっていくと確信しています

現代君主論が出てから3年が経ちました。皆さんもご存知のように、2019
年から現在までに、大きな変化が起こっています。新型コロナパンデミッ
クもそうですが、ロシアによるウクライナ侵攻は、世界に衝撃を与えました。

パワーゲームの会員さんは、去年から戦争勃発の可能性に
ついて知っていました。しかし、「大きな変化」であることは、間違いあ
りません。このウクライナ侵攻。
「現代君主論的に見ると非常に興味深い戦争」といえるで
しょう。いくつか例を挙げると、

・ウクライナに軍事侵攻したロシアに対し、欧米は
【地経学的戦い】をしています。
これは、「経済覇権編」のテーマです。

・なぜ「世界2位の軍事力を持つ」といわれるロシア軍は、4か月経っても
ウクライナ軍に勝てないのでしょうか?これは「軍事覇権編」のテーマです。

・戦争の当事国プーチン、ゼレンスキー、そしてバイデン
はリーダーとしてどうなのでしょうか?

私はプーチンについて、「【戦術的大統領】で進めば進む
ほど苦しくなっていく」とずっといいつづけてきました。
なぜ、予想通りの展開になっているのでしょうか?
これは「国家と君主編」のテーマです。

・世界から非難されているウクライナ侵攻。では、なぜ83%のロシア国民
がプーチンを支持しているのでしょうか?どのような手法で洗脳が行われ
ているのでしょうか?これは、「大衆操作編」のテーマです。

というわけで、ロシアによるウクライナ侵攻は、現在進行
形で起こっている「生サンプル」といえるのです。もちろん戦争は起こら
ない方がいいです。ウクライナ戦争が、一刻も早く終わることを願いま
す。しかし、同時に私たちは、今起きている悲劇から教訓をえなければな
りません。

日本が明日のウクライナにならないために。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というわけで、最新事情を踏まえた
【 新現代君主論 】を作りました。

これを学ぶことで、あなたの視点は、一気に世界の支配者
レベルまで引き上げられます。視点が変わることで、あなたの実生活にも
さまざまなよいことが起こるでしょう。是非、内容をチェックし、入手し
てください。

詳細は↓
https://in.powergame.jp/kikgu_2206_kmag


          
━━━━━━━━━━
編集長ピックアップ
━━━━━━━━━━

     豊川雄之

 言われてみれば、どのような根拠で点数がつけられていたのか分からな
いが、強いて否定する理由もないので何となく従っていた。それどころ
か、小数点以下のポイント差も大きな差のように考えていた。ネットの検
索サイトの評価のことだ。

 飲食店を検索すると、5点満点での評価とともに検索結果を示してくれ
るグルメサイト「食べログ」が、原告の焼き肉チェーン店の評価を一律に
引き下げたことが売り上げの低下につながたっとして、店側に対して損害
賠償を支払うよう命じる判決が出された。
▼「食べログ」評価下落巡り独禁法違反、賠償を命令 東京地裁

 先週には、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策で「侮辱罪」を
厳罰化し、現行の懲役や罰金刑の対象とする改正刑法が成立した。これ
は、令和2年に女子プロレスラーの木村花さん=当時(22)=が交流サ
イト(SNS)で中傷を受けた後に死去したことを機に行われたものだ。

 民間企業が営利活動として展開しているサイトの評価や個人の書き込み
が、店の経営に影響を及ぼしたり、人を死に追いやったりしてしまう影響
力を持っている現状を反映した出来事だ。
▼食べログ「優越的地位」公取懸念 ブラックボックスの評点基準

 いまや「ネット検索」は生活に不可欠だ。ニュースから料理のレシピ、
電車やバスの時刻表…、スマートフォンをタップすればたちどころに知る
ことができる。だが、検索結果は「評価」とセットになることが多い。企
業は、自社の展開する商品やサービスを検索したときに、ライバル他社よ
りも上位に、しかも高い評価が表示されることが大きなアドバンテージと
なる。ネット上の「評価」はもはや、経済活動の最重要項目になっている。

 だが、大手の「検索・比較」サイトの運営者が、自サイトの評価結果が
持つ影響力と責任をどこまで認識しているかは運営者によって濃淡があ
る。「食べログ」がユーザーにとって有益なサイトであることは疑いない
が、採点の透明性は限りなく担保されるべきだ。
▼【主張】「食べログ」判決 透明性が信頼につながる

 今回の裁判では、残念ながら採点の基準は明らかにされなかった。技術
的にも公開することは難しいかもしれない。それなら、私たちユーザーは
「店の評価は計算方法で簡単に変わってしまうもの」と割り切る余裕を
持って、評価サイトを活用していきたい。ネット情報との付き合い方は、
どこまで行っても難しい。


━━━━━━━━━━━━━━━━
台湾を習近平に売り渡すのか
━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月21日(火曜日)弐
         通巻第7375号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
金門島と厦門(アモイ)に端をかけると良い(何文哲・台北市長)  台
湾を習近平に売り渡すのか、台湾で猛烈な何非難の合唱
******************************

 以前から提唱されてきたプロジェクトである。
 金門島と対岸のアモイに海上大橋を架橋すれば、大陸との交流が加速度
的に進展し、わざわざ台北飛行場まで行ってアモイへ飛ぶより、自動車で
さっとわたれる。病院も建てれば大陸の人々の療養を受け入れることがで
きると何文哲台北市長は提言した。
この演説は台湾人民党が金門島にオフィスを開所した記念集会でなされ
た。台湾人民党は何市長が党首を務めるミニ政党だ。

 二十年ほど前だった。読売、東京新聞、共同通信の記者等と金門島取材
のおりに知事を尋ねてインタビューしたことがある。
 当時の金門知事は「新党」、橋を架ける推進派だった。新党は国民党の
李登輝路線に不満を持つ、強烈な中華思想の支えられた外省人二世が結成
した政党で「台湾向けにミサイルを実戦配備しているときに、橋を架ける
なんて、安全保障上、あまりに危険すぎないか」と質問すると、「大丈
夫、われわれは中国人同士だ」と明快な、尻餅をつくような回答があった。
 一斉に批判が始まった。
「まさにトロイの木馬であり、国家安全保障上の懸念に気づかない愚かさ
だ」と台北市議会議員の林穎孟の口火を切った。
 「何市長は台北市民を代表せず、中国を代表した発言だ」とし、また
「台湾海峡を『中国の内海』とも主張した。国家安全保障に関して台湾に
深刻な脅威をもたらす可能性がある」と林議員は激しく批判した。

 人民解放軍の金門占領を容易にし、台湾を併合の危険にさらす可能性が
ある。もし、橋が建設された場合、金門島は完全に中国の支配下に置かれる。

 まさに「侵略のための橋を台湾自らが架橋するのか?」と多くの民進党
の議員らはこの提案を「台湾国民を中国に売り渡す愚挙」と非難し、「国
家安全保障問題に無知であって、「トロイの木馬」計画だ」としている。
 それにして、この「とんでも市長」だが、「変人市長」といわれながら
も、台湾で意外な人気がある。台北市はもともと国民党が強く、2014
年の初当選のときは、筆者も現場にいたが勝利集会は音楽会だった。

何文哲台北市長は外科医で、自らもアスペルガー症候群と認めており、再
選では、国民党候補との差が0・23%という際どさだった。
(註 「何文哲」の『何』は木偏です)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 ど
くしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1「ウクライナに平和を」祈り願ふ行動ご案内
【日時】7月9日(土) 午後4時30分 集合(午後5時出発)
【場所】常盤公園(東京都中央区日本橋本石町4ー4ー3)
※JRだと山手線または京浜東北線の「神田」、東京メトロだと銀座線の
「神田」や「三越前」が最寄りの駅となります。
【主催】「ウクライナに平和を」祈り願ふ会
  事務局(三澤浩一) 09026224242
 「罪と罰」について考へてゐます。文学の話ではなく、ウラジーミル・
プーチンが率ゐるロシアすなはちプーチン・ロシアの罪と罰です。
 プーチン・ロシアが本年2月24日、ウクライナへの侵略を再開しました。
 侵攻ではなく、侵略です。またウクライナ侵略を開始したのではなく、
すでにクリミナ半島を侵略してゐるのですからウクライナ侵略を再開した
といふべきだと存じます。
 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略を断じて許せません。
 もちろん侵略だけではなく、さらにその地における虐殺も蹂躙も苛政も
許すことはできません。
ウクライナの平和を祈り願ふとともに、小さい声だらうと言ひ論じ、弱い
力だらうと行ひ動くべきだと信じます。兇大な熊に立ち向かふには、蟷螂
の斧にも等しい抵抗となりますが、「ウクライナに平和を」祈り願ふ行動
といふデモを上記の通りに行ひます。参議院議員選挙は6月22日が告
示、7月10日が投票となります。7月9日は選挙期間中のため、なにか
と制限を受けますので、ご高配ください。
ひとりでも多くの皆さんが参加されることを期待して、ご案内します。侵
略者には、その罪に値する厳しく重い罰が下されるべきです。侵略者には
死を下されることを願ひます。
 【お願ひ】1.マスクを着用してください。
2.国旗の掲揚はもちろんですが、旭日旗やZ旗の掲揚も歓迎します。
3.ウクライナの国旗の掲揚はもちろんですが、独立運動を象徴する旗の
掲揚も歓迎します。
4.プラカードや拡声器の持参を歓迎します。選挙期間中ですから、表現
にはご注意ください。以上ですので、宜しくお願ひ申し上げます。(三澤
浩一)


(読者の声2)源義経が、壇ノ浦の戦いで、平家側の船頭を射殺した。非
戦闘員を狙わないという戦争の倫理を義経が破った、「卑怯なり」と叫ん
で平家が負けたという説がある。
 日本の真珠湾攻撃、2001年9月11日の時も直ちに第二の卑怯な真珠湾と
認識された。卑怯なりと言うのは負けた者の論理であり、戦争は勝つのが
目的であり、手段は選ばない、選んで負けてはならない。最近、日本でも
とうとう「核武装、抑止力、報復」の是非などが話題になってきた。いず
れの論者も、当然のように「戦争の倫理、国際協定」をみんなが仲良く守
るはずだ、という条件での議論になっている。
 真珠湾では日の丸のついた飛行機であったので、直ちに敵が判定でき
た。911ではしばらくの間、誰が敵なのか不明であった。もし仮想敵国
が、日本を攻撃する場合、「報復を避ける為に、秘匿性の攻撃」が可能で
ある。例えば、日本の近くに沈む潜水艦から近距離の核弾頭を東京に打ち
込み、そのまま深く沈んだまま逃げる、と敵が特定できない、故に報復も
できない。「
誰だか知らないが、卑怯なり!!」と国連にでも訴える。
 日本海沿岸には北朝鮮の船が深夜に頻繁に訪れ、拉致被害者を連れて行
く。ついでに小型の原爆を配達し、翌朝小型トラックで永田町付近まで運
転し、炸裂させる。証拠は全て破壊されるので、誰の仕業かも不明。この
方法は極めてコスパが良く、貧乏な北朝鮮でも、日本に壊滅的な被害をも
たらす等々の手段がある。
 このような「秘匿性」の攻撃は言論・報道操作、諜報が決め手になり、
敵も味方も「真実が存在しない」ので、嘘を元に、抗議、制裁、攻撃・反
撃などを行う。
軍、政府、国民、報道も「現実の戦場・混乱」の中に暮らす羽目になる。
 この様な卑怯な攻撃は物理的破壊だけではなく、非伝統的な非物理的な
攻撃にも適応される。
例えば、2020年に始まる、「自然発生的」と宣伝されている武漢菌による
生物兵器による攻撃。今のところ、敵は正式に認定されず、故に反撃、報
復措置を誰も受けていない、完全犯罪。これから始まる世界経済恐慌もそ
んな非軍事的な攻撃なのかもしれない。(在米のKM生)



━━━━━━━
重 要 情 報
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◎24日夜のスワローズ対ジャイアンツの試合から(「野球とはモメンタム
のスポーツだ」):前田正晶

ジャイアンツの余りの負けっぷりに、心ならずも2日続けて野球を論じる
ことにした。即ち、今日取り上げないと「くさる」話題なのだ。

スポニチのネット版だかでは「ジャイアンツの歴史的惨敗」と銘打ってい
たが、私はそれもそうだが監督とコーチの無為無策というか、指導力の欠
如を問題にした方が良いかと思っている。詳細は別途述べるとして、先ず
思い浮かんだことが故篠竹幹夫日本大学フェニックス監督は「練習試合で
どんな大学を相手にしても、常に一軍選手を使って全力で臨み、完膚なき
までに叩きのめして『二度とフェニックスと争うまい』と思わせることが
肝腎だ」と言っておられたのを思い出した。

スワローズは2位のジャイアンツを19安打で16点と叩きのめしていたの
だった。高津監督が何処まで篠竹式を意識していたかは知らないが「もう
良いじゃないか」と思わせてくれたほど、ジャイアンツが出してくる投手
たちを打ちまくった。実は、私は前夜にドラゴンズを相手に14安打、10得
点と打ちまくっていたので、私の持論である「10本以上も打った翌日は打
線が沈黙する」ので、昨夜の出来が不安だったのだ。

所が、案ずるよりは何とかで、1回に菅野から中村悠平のホームランも
あって4点を取って得たモメンタムが止まらなくなって「あれよ。あれ
よ」と言う間に16点まで取ってしまった。中村と村上が2本ずつホームラ
ンを打ったのが目立つだろうが、私は解説の江本孟紀が指摘していた山田
哲人が3安打で3打点だった復調の方が重要だと見ていた。山田は「ここ
ぞ」という場面で打てないのが特徴だが、昨夜は3回も適時打を見せてい
たのだった。

しかし、あそこまで打てば、今夜の出来がまた気になってしまう。スワ
ローズは昨年日本シリーズを取ったので、勝ち方を知っている者たちが多
いのは良いことだとは思う。だが、ショートストップに抜擢されている長
岡は未だプロ3年目だし、1シーズンを通して試合に出ていた経験がない。
これから猛暑と言われる夏場をどうやって乗り切るかが課題だろう。外野
の山崎にも同様な懸念がある。高齢の青木に何時までも依存している訳に
は行くまい。

でも、ジャイアンツを11ゲームも引き離したのには驚きを禁じ得ない。ス
ワローズがこの儘モメンタムを維持しきれるとまでは見ていないのだが、
追いかけるジャイアンツがあの体たらくだし、タイガースもカープも負け
越しの状態ではジャイアンツに追い付くどころか、3位だった怪しいテ
イーム状態だと思う。

問題はジャイアンツだ。私は以前から「原辰徳は名監督でも何でもない」
と酷評してきた。昨夜の無残な試合ぶりを見れば、その感が益々濃厚に
なった。彼は球団が金に飽かして他球団のFAの古手を購入してきて「余所
にはない厚い選手層」を与えられているのだから、優勝して当たり前なの
だった。それが、ここ数年は見ていられない惨状で、昨年はタイガースに
次いで3位だったのである。

特に、私が「残念ながら良い投手だ」と褒めた菅野智之を殆ど潰してしま
う使い方をしていた。昨夜も、私ならば1回に4点も取られたところで思い
きって引っ込めていただろう。その後に当日に二軍から引き上げてきた櫻
井を使った辺りは、投手コーチたちの無能振りには笑うしかなかった。彼
らがやるべきだったことは「キチンとした投手を出して、スワローズのモ
メンタムを潰しにかかること」だったはずだ。

我が国では「キャッチャーのリードの良し悪し」を言いたがる。その点か
ら見れば、私はジャイアンツの大城と小林が駄目だから、負け試合が多く
なるのだと見ている。ダルビッシュはMLBに行って「アメリカでは気の毒
なくらいキャッチャーのリードは云々されていない」とbaseballと野球の
違いを指摘していた。あの両名が何人の外国人投手を育てることに貢献し
たか、していなかっただろう。同時に、宮本前コーチと桑田に反省を求め
たくなる。

しかしながら、ジャイアンツは12安打で岡本のホームランもあって6点を
取っていた。投手たちがまともにスワローズの打者を抑えていれば、勝て
たかも知れない出来だ。今夜にはスワローズが昨夜の打ち過ぎ疲れでモメ
ンタムを失ってしまうことにでも期待しなければなるまい。そこまで注意
していないが、今夜はテイームの勝ち頭・戸郷を使うのだろうから、何と
かしないと自力優勝が消えてしまうのだそうだ。


◎ウクライナという国が汚職国家だとは:前田正晶


私は既に「ロシアは悪の権化のような国で、一方のウクライナには一点の
曇りもない100%清廉潔白な国であるが如きマスコミ(新聞とテレビのこ
とだが)報道を鵜呑みにして良いのか」と論じてきた。見方を変えれば、
これまでにこの国には殆ど関心がなく、精々中国に遼寧となった空母を
売った国で、愚息の知人のロシア人だと思っていた女性がウクライナ人
だったことと、英語表記ではUkraineと書いて「ユークレイン」と発音す
ることくらいしか知らなかった。

ロシアの侵攻があって初めて、「過剰な」とでも言いたい報道が連日連
夜あって色々と知り得たのだが、マスコミ報道のように何らの瑕疵もない
国などあるものだろうかという疑念もあった。尤も、日頃から批判してい
るマスコミは、如何なる事で詳細に裏表を承知しているのだが、現実に報
道することの内容は当たり障りがない話ばかりだとは解っていた積リだ。

だから、週刊文春には一寸辟易させられるが、週刊新潮が書くことと、
テレビと新聞の報道を照らし合わせてみれば、この辺りが真相なのだろう
と思われることが浮かび上がってくると考えていた。だが、新聞もどれを
読んでいるかで、本当の姿が見えてこない場合があると思っている。

そこに、ウクライナについて、本日の産経新聞にウクライナを研究して
おられるとある神戸学院大学の岡部芳彦教授が「瑕疵がある」旨を指摘さ
れる「一歩前進も汚職対策が鍵」との見出しで、EU候補国入りに関する問
題点を表明しておられた。初めて「ウクライナは瑕疵物件だった」と学習
できたのだった。その寄稿から関連する記述を引用してみよう。

>引用開始

EU加盟には法の支配や人権など多くの項目でEU基準をクリアする必要があ
る。ウクライナ加盟に向けて国内法や規制を変更してきたが、それでも候
補国になれていなかったのが実情だ。(筆者注:加盟するのが当然なのか
と思わせる報道があったような気がするが)

新興財閥(オリガルヒ)が政権と癒着する、裁判官や検察官の試験に賄賂
で合格する。大学教授が授業の単位を金で売るなど、ウクライナは有数の
汚職国家と言われてきた。親露派政権が倒れてクリミア半島が占領された
2014年以降、国家汚職対策局を新設するなど汚職排除に努めたが、いまだ
になくならない。(以下略)

<引用終わる

通俗的な言い方で申し訳ないが「へー、勉強不足で知らなかった事ばっか
りじゃん」なのだった。最も信頼して良いと評価している産経新聞だから
ここまで載せたのか、産経でもこの程度で岡部教授の筆の力を借りたのか
俄に判断出来ない。だが、これくらいのことをもっと早い時点で採り上げ
ておいても良かったのではないのだろうか。それとも、「それは貴殿が不
勉強だっただけだよ」と切り捨てられてしまうのだろうか。


◎21世紀は、「思考科学」の幕開けか:北村維康

 1947年に、アメリカのロズウェルに墜落したUFOに乗ってゐて、生存し
てゐた宇宙人に対して、米軍看護婦のマチルダさんと言ふ人は、接触を試
みたが、そこで言語として使はれたのは、テレパシーであった。実はこの
テレパシーが、新しい科学の分野として登場するかもしれない。

 UFOを運転して見たボブ・ラガー氏によると、操縦は心を通じてする
のださうである。地球人でも、心の持つ無限のエネルギーを指摘した例
は、多い。ここから、テレポーテイション(瞬間移動)や、タイムマシン
(時間移動)も、できる可能性が現れてくる。「人間は、考へる葦であ
る。人間の尊厳は、思考の内にある。だから、良く考へることに努めよ
う。」(パスカル) ロダンの「考へる人」や、京都の「半跏思惟像」が
我々に感動を与へるのは、そのテーマが「考へる」ことだからである。だ
から我々地球人は、戦ひの無い、平和な地球を、宇宙を、求めようではな
いか。それも心の働きを通じて。

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6179号
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   2022(令和4年)年 6月25日(土)



        【変見自在】ペナガンて何だ:高山正之

  経済制裁は成功しなかった!は本当か??:北野幸伯
         
      中国海軍、三隻目の空母「福建」:宮崎正弘 
       
     【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】:夕刊フジ

日本で食糧危機は起こるか?:高島康司
                



                 重 要 情 報
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【変見自在】ペナガンて何だ
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           高山 正之


 略歴には「ロサンゼルス特派員」がある。
スクラップ帳ではピーター・ドラッカーをインタビューもしている。ただ
正直、英語はからっきし駄目なのだ。

 赴任前に駅前の英語学校に少し通った。だからまあ大丈夫だろうと思っ
て着任してテレビを点けた。CNNニュースが流れ出したが、早口で半分
も分からない。

 中でも「ペナガン」に困った。何度もその言葉が出てくるのに字引に
載っていない。外信部長が意地悪で助手も付けてくれなかったから暫くペ
ナガンが何モノなのか分からなかった。

 そんなとき家探しを頼んだ不動産屋がきた。「いい物件がある」と地図
を広げる。「ほらサンヴィセネのすぐ脇だ」と指で示す。地図には「サ
ン・ヴィセンテ通り」と綴ってある。で、ピンときた。「お前ら単語中の
tを勝手にサイレントしていないか」

 不動産屋は頷く。これで「ピナガン」を解く糸口が摑めた。どこかでt
を入れていき、ついにPentagon(国防総省)にたどりついた。
multinational(多国籍)のtは読むけど発音は「マルチ」
ではなく「モータイ」と聞こえる。

 米語の訛りはホントに酷い。英語圏の青森弁だ。それをこなして街の駐
車場に行ったら係りの黒人の言葉が分からない。まるでラップだった。助
手席の女性が翻訳しなかったら駐車もできなかった。

 いわゆるエポニクス(黒人英語)は日本人にはまず理解できない。白人
女給ニコールを見初めたOJ・シンプソンはその黒人英語を矯正するのに
3年かかった。それで求婚し、悲劇が始まった。

 英語世界で育ったOJですら癖のある米国人英語を習得するのにそれほ
どの時間がかかる。ロスには他にメキシコ系のスペイン語訛りがある。そ
れぞれを聞き分けて初めてAngeleno(ロスッ子)になれる。西海
岸でこの有り様だ。米南部に行けばまた別の英語に遭遇する。米国ですら
それだけ勝手な英語が喋られている。

 その意味で英語は支那語と似る。上海人の支那語を広東人は分からな
い。ただ「蘋果(りんご)日報」はどこの支那人でも意味は理解できる。日
本人も漢字を書けばトイレに行け、湯麵(たんめん)も注文できる。

 我文部省はそれが分からない。英語を話せることは偉大だと思い込んで
「外人と話せる」が英語教育の本道と信じている。かくて小学生から英語
授業を始めさせ、それも外人を教壇に立たせてナマ英語を聞かせるのが正
しい教育と規定した。

 外人が募集され、今、世界では英語が話せれば日本で教員になれると広
く信じられている。中には「日本女の顔を股間に押し付けろ」のジュリア
ン・ブランク型の犯罪者も多く混じる。

 因みに強制送還を拒否して死んだスリランカ女性もシンハラ語が母国語
なのに日本で英語を習って英語教師になる気だった。日本ではシンハラ訛
りでも通用すると思われているところがコワい。

 実際、文科省も英語世界が実は訛りだらけという事態が分かってきたみ
たいで、訛りを理解するのも正しい英語教育だと言い出した。その証拠に
少し前の大学入試共通テストではリスニング部門に3人のスピーカーを登
場させた。

 一人がペナガンと訛る米国人。二人目が英国人。つまり「Rain
in Spain」を「ラインインスパイン」と読む。そして3人目が日
系米国人の英語で、その訛りを「聞き取り、聞き分ける」テストだった。
聞くだにアホらしくないか。

 そのうち黒人英語もシンハラ訛りもテストに出してくるつもりだろう。
そんな英語を学んで通訳じゃあるまいし、何の意味があるのか。日本人は
支那語の発音など知らない。それでも漢字で彼らの意図は分かる。

 語学などというのはその程度でいい。余った時間は日本語教育に回せ。

〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、単行本になりました。

『変見自在バイデンは赤い』(定価1650円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 
        週刊新潮採録


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経済制裁は成功しなかった!は本当か??
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        北野幸伯


プーチンは6月17日、サンクトペテルブルグで開かれた
「国際経済フォーラム」で演説しました。その中で、「西側による経済制
裁は成功しなかった」といいました。

これ、皆さんもよく聞くのではないでしょうか?
「制裁は、効いていないようだ」と。実際は、どうなのでしょうか?

▼制裁の影響は長期で見るべき

ロシアの知人、友人に、「制裁どう?」と聞いています。
皆さん、「インフレだけだ」といいます。ロシア連邦統計局の発表による
と22年5月のインフレ率は、前年同月比で、17.1%だそうです。確かに
「ひどいインフレ」ですが、「破滅的」とまではいえないでしょう。
しかし、経済制裁の影響は、長期で見る必要があります。
皆さん、もう忘れているでしょう。

プーチンの1期目2期目、つまり2000年から08年まで、ロシアのGDPは、年
平均7%成長していたのです。ロシア政府高官は強気で、07年08年には、
「ルーブルを世界通貨にする!」と豪語していたものです。

ロシアは2014年3月、クリミアを併合しました。そして、その後、さっぱ
り成長しなくなりました。2014年から2020年のGDP成長率は、年平均
0.38%。何が起こったのでしょうか?そう、欧米と日本が経済制裁を科し
たのです。

2014年3月当時、ロシア国民は、笑っていました。
曰く、「ロシアは、世界有数の資源大国で、食糧を自給す
ることもできる!核超大国で、侵略される恐れもない。
制裁は効かない!!!!!!!!!!!」と。ところが、バリバリ効いて
いたのです。

プーチンは今回も、「制裁は効いてない!」といっていま
す。確かに、短期的に見れば、「効いているが、破滅的ではない」といえ
るでしょう。しかし、クリミア併合後の推移を見れば、「必ず長期で効い
てくる」と断言できます。

しかも、今回の制裁は、クリミア併合時とは比較にならな
いほど厳しいものです。まさに「地獄の制裁」と呼ぶにふさわしい。どん
な影響が予想されるのでしょうか?

▼ロシア経済の長期的打撃は壊滅的たとえば自動車。
ウクライナ侵攻後、欧米日の自動車メーカーは、ロシアへ
の輸出、現地生産を止めました。ロシア人は、日本車、ドイツ車が大好き
です。しかし、在庫が切れれば、買えなくなる。ロシアにも、自動車メー
カーはあります。
AvtoVAZ、GAZ.、KAMAZ.、UAZなどうです。

ところが、これらのメーカーは、欧米日からの輸入部品を
使っている。それで、「ハイテク車」は作れなくなります
具体的に。たとえば、欧州の排ガス基準は2014年から「ユーロ6」になっ
ています。

しかし、ロシアの自動車メーカーは、単独でユーロ6の車
を作ることができない。ロシアメーカーが生産する車は、「ユーロ2レベ
ルだ」といいます。「ユーロ2」というのは、1996年の基準。つまりロシ
ア車は、「26年前のレベル」まで落ちてしまう。

「ロシアに行くと、排ガスくさいな!」となるでしょう。
しかも、ロシア車には、「エアバック」がつかないそうで
す。以前にもお話しました。私の友人はスズキの車に乗っています。故
障したので、修理しようとしたら、「部品が入ってこないから無理です」
と断られたそうです。

友人は、悩んでいます。次に航空機のことを考えてみましょう。ロシアで
つかわれているのは、主にボーイングとエアバスです。そのうち半分ぐら
いががリース。

ウクライナ侵攻が始まると、リース会社はロシアに「
航空機の返還」を求めました。ところがロシア政府は、「航空機を返却せ
ず、そのまま使ってもいいよ」としたのです「乗りものニュース」3月12
日を見てみましょう。

<2022年3月、日本や欧州各国のリース会社が所有し、ア
エロフロート並びにS7航空などロシアの航空会社が借り受
けていた旅客機515機が、ロシア政府によって接収される
見込みとなっています。

推定価値1兆円以上にも及ぶ前代未聞の「旅客機の盗難」
という事態に直面し、航空業界は大きな岐路に立たされて
います。>

ロシア政府は「航空機を盗んでもいいよ」と。マフィアですね。しかし、
盗むことはできても、その後どうするのでしょう?整備は?部品の交 換
は?しばらくすれば、盗んだ515機の航空機に乗るのは危険になってくる
でしょう。

私の友人の「スズキ車」同様、使えなくなるのです。
次に、鉄道を見てみましょう。モスクワとサンクトペテルブルグを結ぶ高
速鉄道サプサンがあります。
時速250キロで走る。(新幹線は320キロ)「ロシアの技術もそこまで向上
したか・・・」ではないんです。

これ、ドイツのシーメンス製なのです。そして、シーメンスは、ロシアか
ら撤退した。じゃあ、サプサンの整備、部品交換どうするのでしょう?自
動車、航空機と同じで、できなくなるのです。おわかりでしょうか?

現状、ロシア制裁の目に見える影響は、「インフレだけ」
です。しかし、長期的に見ると、基幹インフラまで影響がでてきます。だ
から、欧米日の制裁を「地獄の制裁」と呼ぶのです。私は、ウクライナ侵
攻がはじまる前から、

「ロシアは、ウクライナとの戦争に勝つかもしれないし、
負けるかもしれないウクライナとの戦争に勝ったとしても、地獄の制裁は
つづくので、

【戦略的敗北は不可避】だ」といいつづけてきました。
その考えに変更はありません。

●PS
激動の時代がつづいています。
どんな時代にも、強く進める生き方の指針。
          

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日本で食糧危機は起こるか?
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世界で始まった穀物の奪い合い、日本人が飢える最悪シナリオ=高島康司

食料価格の高騰が原因で、スリランカ、インドネシア、ペルー、パキスタ
ンなどでは、すでに暴動や抗議運動などの社会不安が拡大している。これ
は、これから先、前例のないスピードで先進国にも襲いかかる予兆なのか
もしれない。このような状況なので、近い将来日本でも本格的な食糧危機
が起こり、我々の生活基盤が根底から覆されるのではないかという恐怖さ
え感じる。我々の周囲でもさまざまな生活物資が急速に上昇するのを感じ
る。そのような可能性はあるのだろうか?(『未来を見る! 『ヤスの備
忘録』連動メルマガ』高島康司)


食糧危機は世界中で起こっている
読者の方から、「やはり日本でも食糧危機が近い将来起こるかどうか心配
になる。ぜひリサーチしてほしい」というリクエストをいただいた。もっ
ともな心配である。このメルマガでは2021年6月に一度食糧危機が日本で
起こる可能性について取り上げているが、ウクライナ戦争で状況が根本的
に変化しているので、改めて取り上げることにした。

国際的な食料価格だが、すでにウクライナ戦争前から高騰していた。最大
の小麦生産国である中国は、昨年の雨で作付けが遅れたため、今年の作柄
は過去最悪になっている。さらに世界第2位の生産国であるインドの異常
気温に加えアメリカの小麦地帯からフランスのボース地方まで、他の穀倉
地帯でも雨不足が収量を圧迫する恐れがある。東アフリカでは過去40年間
で最悪の干ばつに見舞われている。このような状況で起こったのが、ロシ
ア軍のウクライナ侵攻であった。

小麦の世界的な生産国であるロシアとウクライナは、4億人を養うに足る
食糧を生産し、世界で取引されるカロリーの12パーセントも占めると推定
されている。ロシアには金融制裁が課せられているので、食料輸出の国際
決済ができない状態だ。またウクライナは、小麦の中心的な輸出港である
黒海沿岸のオデッサ港が機雷で閉鎖されているため、輸出が物理的に不可
能になっている。

その結果、ロイター通信によれば、穀物類は69.5%、油類は137.5%、食
品価格指数全体では58.5%上昇している。ウクライナ戦争、気候変動、コ
ロナウイルスの流行によって悪化した食糧危機の結果として、3億2,300万
人が飢餓に向かっており、4,900万人が文字通り飢餓の入り口にいる

食料価格の高騰が原因で、スリランカ、インドネシア、ペルー、パキスタ
ンなどでは、すでに暴動や抗議運動などの社会不安が拡大している。これ
は、これから先前例のないスピードで先進国にも襲いかかる予兆なのかも
しれない。

しかし、2023年はさらに暗い展開になる可能性がある。価格だけでなく、
ウクライナにおける来年の作付けの失敗や、農家の年間コストの3分の1以
上にもなる肥料価格の高騰といった構造的な要因によって多くの人々が食
糧に手が届かなくなり世界はかつて考えられなかったような真の食糧不足
を経験するかもしれないという暗い予測まである。


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中国海軍、三隻目の空母「福建」
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)6月19日(日曜日)
         通巻第7372号  
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 中国海軍、三隻目の空母「福建」が進水式
  電磁式カタパルト、運用は米軍でも難しいとされるのだが。。。。
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 「江蘇」と命名される予定だった。突然「福建」となった中国の第三号
空母。
 そういえば二隻目の空母は「毛沢東」の筈だったのに、突然「山東」に
なった。遼寧、山東、そして三隻目が福建なら、たぶん次(もし、次があ
るとすれば)の空母は「江蘇」だろう。北から海軍基地のある地名をつけ
ていく方針らしい。米軍の空母命名が歴代大統領か将軍(海軍提督)であ
るように。

6月17日、上海の造船所で空母「福建」の進水式がおこなわれた。
晴れ舞台というのに習近平の隣席はなく軍事委員会副主任の許基亮が祝辞
を述べた。中国メディアの扱いも派手派手しさがなかった。

「福建」は8万トン、電磁式カタパルトで原子力駆動と言われる。だが、
艦載機の機種、搭載可能員数などは不明。しかし米海軍とて電磁式カタパ
ルト空母は運用に苦労している様子で、大量の電力が必要である。

通常、空母打撃群は早期警戒機が空を警戒し、海中には潜水艦がもぐり、
駆逐艦、フリゲート艦、巡洋艦、補給船が空母のあとさきに随航する。
米国は空母十一隻体制、ロシアは旧ソ連時代に九隻の空母を就航させた
が、いずれも役に立たずお払い箱。最後の一隻はウクライナに置き去りに
していた。その鉄の塊をカジノホテルにするなどと嘯いてウクライナから
購入し、遼寧省大連まで運んで電気、信号系統などの艤装工事に十年をか
けて、やっとこさデビューしたのが遼寧だった。
発着艦訓練で死亡事故が多発し、航行も五日が限界とされるが、公海にで
て、訓練を繰り返してきた。
       
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☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆     書評 しょひょう 
BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 軍事パ
レードで「どんがら」のミサイル、兵器は「中古」だった北朝鮮   い
つのまにICBM、核弾頭を開発したのか。その目的は?

  ♪
西村金一『図解でよくわかる! 北朝鮮軍事力のすべて』(ビジネス社)
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 金正恩の影武者説が消えない。まるっきり顔の輪郭が異なる人物の映像
をみると明らかにダミーと思われる。しかし極左・親北派の文在寅政権以
後,韓国の軍事情報はまるで当てにならないから、重病説も出てくるし、
米国は機密情報を『同盟国』の筈の韓国には渡さない。
 北朝鮮は軍事パレードを夜中にするようになった。
兵器の「どんがら」を隠す為と思われたが、そうではなく、暗殺を懼れて
いるからだと著者は言う。
年初来、6月10日までに北朝鮮が発射を繰り返したミサイルは17回に
及び、韓国国防研究院に拠れば、費用は870億円となって北朝鮮GDP
の2%に匹敵する。このカネをコメ換算すると51〜84万トンになり国
民の飢えを防げた筈である。
金正恩斬首作戦は、ドローンが主役となるだろう。
イランの革命防衛隊のトップも、核開発の中枢を担ったとされる核物理学
者も,ドローンの自爆機で暗殺された。
 遠隔操作で,確実にドローンを操作し、目標の敵に爆弾を炸裂させる。
偵察と監視、指令、爆撃ドローン発射ならびに爾後の成果を見届ける観察
ドローン。いずれも低空飛行だからレーダーにはひっかからない。GPS
は中国の北斗システムでなされている。
ということは、台湾有事の際はまっさきに中国のGPSシステムを破壊す
る作戦が有効だろう。中国は大量のドローンを飛行させ、無差別爆撃を行
う訓練もしている。

 ウクライナ戦争は基礎的にふたつの重要なことを教えてくれた。
 第一にドローンの有効性である。ウクライナのドローン攻撃隊は兵士で
はなくIT産業の若者等が志願した。偵察、爆薬を積んだドローンを発射
し,誘導する。GPS(今回はイーロン・マスクが提供したスペーズX)
が敵の位置を補足し、発射すると、ドローン部隊はすぐに他の場所へ移動
する。発射位置を気づかれないためである
ましてITドローン戦に参加するなかにはロシアとベラルーシからの志願
兵がかなり混在していると『キエフポスト』が報じている。
 皮肉なことにウクライナが駆使したドローンは中国製かトルコ製で、爆
弾発射装置などは手作りで改良したのだ
 第二はウクライナのゼレンスキー大統領がいみじくも指摘したように
「ブルガリア覚え書き」で、ウクライナは旧ソ連からの独立と引き替えに
核兵器を放棄した。
 「核を保有していたら侵略されることはなかった」とウクライナ大統領
は切実に訴えたではないか。
この言葉を日本の為政者はどういう風に認識できたのか?
 北朝鮮は、この教訓だけは身にしみている。核さえもっていれば北朝鮮
が侵犯されることはない。例外的懸念が、斬首作戦、つまりドローン攻撃
による金正恩暗殺である。
 本書は専門家が語る北朝鮮の軍事力の『実力』である。
 ストックホルム国際平和研究所は「北野核弾頭は30〜40個」と報告して
いる。北が頻度はげしく実験しているミサイルは、高度化し、日本が配備
するパトリオットでは迎撃できない。アイアンドームをもし配備しても迎
撃の成功率は70%程度、だから敵地攻撃能力が必要なのだ。
 現時点で、北朝鮮が核弾頭を小型化し、ミサイルに搭載できる技術を
もったか、どうかは不明である。
潜水艦発射SLBMの発射実験成功というのは虚偽の『宣伝』だろう。ミ
サイルを水中から発射できる潜水艦を北朝鮮は保有していない。
 だが、近未来に北がミサイルの核弾頭を搭載する日がくる。それだけは
確実だ。
 現在までのミサイル実験でも、北朝鮮は,日本列島全域をカバーできる
ことが判明している。
 日本のメディアは北朝鮮の宣伝に踊らされて、正確は情報を伝えていな
いが(日本の新聞記者、テレビニュース記者の大半は軍事知識ゼロだから
フェイクが見抜けない)、正確な情報の把握が必要と結語している。
   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  
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  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@
【知道中国 2381回】                       
  ──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習47)

    △
 大躍進の苦境から脱し落ち着きを取り戻した安堵感が感じられる『動脳
筋爺爺』、毛沢東の怨念と復讐心が行間に渦を巻いているような『石荘児
童団』、ソ連社会帝国主義の堕落と米帝国主義の残虐ぶりを糾弾し、中国
共産党の正しさを切々と諄々と熱く説く『在戦争与和平問題上的両条路
線』──63年当時の中国を象徴する3冊に続き、当時の日中関係の実相が浮
かび上がってくる『日語会話』(周浩如編 商務印書館)を紹介するのも
一興か。

 かつて中国は誰もが気軽に観光旅行に出かけられるような国ではなかっ
た。共産党政権の政治基準にメデタクも合格し有難くゴ招待を受けた日中
友好人士だけが先ず香港に向かった後、中華人民共和国との数少ない接点
の1つであった羅湖で橋を渡り深?に入ることで、初めて足を踏み入れる
ことを許された「聖域」だったのだ。

 『日語会話』は、そんな時代の中国旅行を題材に「日本語の口頭通訳工
作者と学習者に日本語会話の規範を示し、同時に一般の日本語学習者と教
授者の参考に供」されたわけだ。
 会話本らしく、「(1)深●の橋の袂で」の「失礼ですが、日本××代表
団の皆さんでしようか?」との出迎えの場面から始まり、入国のための諸
手続き、北京までの汽車旅行、北京の散策、万里の長城や武漢長江大橋な
どの見学を経て北京で香港行きの列車に乗り込む場面を繋ぎながら、会話
が進められる。

 なにはともあれ、当時の日中関係を象徴するような会話のいくつかを紹
介しきたい。
 「(中国国内の至る所で)スローガンを拝見し、こうしてお話をうかが
つていますと、なんですか新しい社会に来たのだという感じで、身が引締
まるようですわ。『共産主義は楽園』だ──希望に満ちた、とても明るい感
じですわ!〔中略〕忘れないうちにノートしていかないと」と口にしたの
は「婦人外賓」、つまり日本人女性である

 男の「外賓」は列車の中で第三世界からの訪問客を眼にし、「アジア・
アフリカの方たちのようですね。こんど北京に参りましてから、人民中国
の成立が、民族独立のために闘つている、特にアジア・アフリカの各国人
民にとつて、どのように大きな意味を持つているかということを痛切に感
じさせられました」。

 極め付きは、天安門広場における次のやり取りだろう。
「日本の方達の新安保条約反対を支持する百万人を越えた集会もここで催
されたのです」と「通訳」が解説すると、直ちに「婦人外賓」が「ええ、
聞きました。中国の皆さんの力強い声援で、私達どれだけ勇気づけられた
か知れませんわ。王さん、天安門は、もう新中国の象徴なばかりでなく、
今では私達日本人の、いえ、平和を愛する世界中の人々の心の中のシンボ
ルになっていますよ」と、底知れないまでに底抜けの天安門賛歌である。

 無邪気が過ぎる。世界には裏の裏の、またその裏の・・・裏は無限に続
くモノ。
 『日語会話』出版から9年が過ぎた72年2月の北京である。日米安保条約
破棄を逼る周恩来に対しニクソンは、「我々の軍隊が日本から撤退すべき
だという総理(周恩来)の立場を知っています。〔中略〕私はそれに同意
しません。私は在日米軍を撤退させません。【なぜならば、日本を抑制す
ることが太平洋の平和にとって利益になると私は信じるからです。】私た
ちが話し合ってきた全ての状況が、我が軍の駐留を求めています」(『ニ
クソン訪中機密会談録』(毛里和子・毛里興三郎訳 名古屋大学出版会 
2016年)と応じた。
つまり『日語会話』で強く反対する日米安保だが、周恩来は米中会談では
「反対」を引っ込める。

 流血の天安門事件発生は、ニクソン訪中から17年後の89年である。米中
接近によって経済力を手に政権基盤を強化した共産党は民主化要求を力で
押し潰し、強権化に突き進む。
「天安門は、もう新中国の象徴なばかりでなく、今では私達日本人の、い
え、平和を愛する世界中の人々の心の中のシンボルになっていますよ」と
は、時の流れは不可解だ。
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+++++++++++++++++++++++++++++
★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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   ♪
(読者の声1)桜チャンネル『フロント JAPAN』(6月17日放送)宮
崎正弘、葛城奈海「GAFAMからFANNGへ」と「トップガンとスク
ランブル」は下記サイトです。
https://www.youtube.com/watch?v=32Xx6Nw_FKc
   (日本文化チャンネル桜)
   ♪
(読者の声2)怠惰な金に困った者は「売血」をして酒や薬を買う。表向
きには、他人の病などを助けるという大義がある。
 粗大ゴミとして家で遊んでいると、家内が売血でもして家計を助けよ、
と再度言われていたので、YOUTUBEの広告が目についた。この一月ほど
「日本人の治験参加者」を求める、という日本語による宣伝が頻繁に出る
様になった。この種の宣伝は前例が無い。健康な日本人成人に最高100万
円程の謝礼金。現在3種類ほどの新薬が治験されている、らしい。
この人体実験を担当しているのは、多分大手の製薬会社の下請け。免責の
便宜で、本家への被害を防ぐのだろう。
 https://jp.wcct.com/current-studies/(日本語)
 過去2年間に武漢菌問題で、世界の製薬会社は膨大な利益を得て、特に
日本政府はたいへん気前が良いので、いい鴨に認定された。おそらく厚生
省の役人が、人民の疑惑を恐れ、自己の責任逃れのため今回は製薬会社に
「日本人を対象として治験」を要求したと推測される。
勿論、結果は既に決まっており、巨額の治験費用を使って、膨大な精緻な
資料が届けられる。政府は、既に恐らく数兆円の購入契約を結んでいるの
だろう。
 国民の命、財産を守るのが、政府の最大の責務であるが、もはや人民は
自分で判断し自衛せねばならない哀しい状況になった。先日紹介にあっ
た、ロバート・ケネディの息子の著書『ファウチの真実』などに詳しい。
 最近までは、ソ連、支那、北朝鮮などの「政府が人民の敵」であった
が、世界中の政府、日本もが支那化・全体主義独裁政府に進化。
 周知であるが、かつては黒人、囚人、ユダヤ人などが、本人の許可を得
ず、謝礼金もなく、治験の対象になっていたが、今日では、そんな差別が
無くなって、全員が自国の政府によって罰せられる。
日本国厚生省、医師会、保健所、御用報道者などは、本来の使命を放棄
し、国民の健康、命を害し縮める、殺人犯罪集団となった。この真実があ
まりにも悍ましいので、みんなで一緒に「見ても聞いても喋らない」猿に
なったと歴史は記録するだろう。
2020年に始まる新世界大革命は、武漢菌、ウ・露戦争、食糧石油危機、経
済金融通貨恐慌、史上最大のバブルが加わって、いよいよその本性・目的
を表す時期になったらしい(在米のKM生)

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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】
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夕刊フジ 

大いなる美人局¢I挙前に起こった怖いパワーゲーム 若手衆院議員が
18歳女子大生と「パパ活」デート 


「美人局=ツツモタセ」という言葉は、本来は「筒持たせ」と書き、賭博
における「イカサマ」の意味だという。

筒(ツツ)はサイコロばくちの筒で、「細工した筒」という意味だ。こう
いう話を学ぶたびに、言葉とはなんと面白いものだとうなってしまう。

そして、この手の「色事」も、そのカラクリを想像するたびに、世の中の
深く暗いものを感じざるを得ない。

与党ホープとして名高い、某若手衆院議員が、クラブ勤めの18歳の女子
大生とパパ活<fートをして、高級ホテルでともに過ごしていたことが
スッパ抜かれた。

また2人が高級ホテルに向かう様子やそこから出てきた現場なども写真に
収められている。

また、悲しいかな、女性は週刊誌の直撃取材に対し、あっさりと「4万円
をいただいた」と不必要なまでに事細かく証言している。

彼のことを美人局≠ノ落ちた「スケベ政治家」と笑い飛ばすのは簡単で
ある。しかし同時に、誰かが大いなる目的のために「絵」を描いていると
知るべきだ。

夜の女子大生が、週刊誌からお小遣いをもらうためだけに、ここまでの
「絵」を描いたとは思えない。

この政治家がスケベである事実は変わりないが、それ以上に「怖い」パ
ワーゲームが、何を目的に行われたかということを理解しないと、それは
私たちが「美人局」にあったことになる。

「スケベ政治家」「夜の女子大生」「週刊誌」の他に、「絵」を描いた人
物がもう一人いる。

そもそも、ホテルに秘密裏に入ろうとするシーンをうまく撮影すること
は、ターゲットの生活リズム、メールのやり取りなど、どこから、いつ、
どんな車で向かい、どこの入り口から入るか、ということを綿密に調べな
ければならない。

また撮影された写真が近距離での「隠し撮り」であることから見ても、特
殊な撮影機材やプロの技術が必要である。

ドラマや映画の野外撮影などでも、カメラと被写体の距離、光や照明など
の都合で撮影NGになることが多いぐらい、撮影というものはそれほど簡
単なものではない。

完全に、何らかの目的のために、誰かがそれなりの費用を使って計画した
と考えるほうが理解しやすい。

彼の名前を検索してみると、地方政治家の二世で、大物政治家の秘書経験
を積んだ後に「比例系」で当選している。

彼自身が恨みを買っているか、何らかの利権に関わっているかなどは知る
由もないが、一番分かりやすいのは「選挙前」というタイミングだ。

しかし、与党への不信をあおるにしては、少し的外れな気もしないではない。

飲み友達である某ジャーナリストいわく、与党不信をあおるこの手のイジ
ワルは「ユーラシア大陸特有」だという。

私はこのスケベさんが国際的な視点からは、標的となるような人物とは思
えないと反論した。しかし彼方さんの戦い方というのは、数年先ではな
く、10年以上の先を見据えてのたゆまざる努力だという。

城の土台に対して、こういうヒビ割れを常にあちこちに作り続けること
で、気がつくと天守閣が崩れてしまうということか。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん)1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳
優、小説家、映画監督。88年、映画「首都高速トライアル」で俳優デ
ビュー。90年には「スプラッシュ」で第14回すばる文学賞を受賞し小説家
デビュー。東京・新宿花園神社内の特設紫テントで上演中の新宿梁山泊の
公演舞台「下谷万年町物語」(同月25日まで)に出演している。
YouTube公式チャンネル「大鶴義丹の他力本願」も更新中。最新の
長編小説「女優」(集英社)が発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
夕刊フジ【zakzak】採録

━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━
◎コスト上昇分の売価への転嫁どころではないから安売り、それとも投げ
売り:前田正晶


つい先日、こんな事を取り上げたばかりだった。良く考えるまでもない
ことだろうが、このような努力をするか、試みている間はその企業は未だ
健全経営の状況にあるのだと思うのだ。

つい一昨日だったか、高田馬場のジムの道路を挟んで反対側のバス停の
前のドンキホーテの店頭で、「売り切れ御免」と張り紙があって国産のマ
スク10枚入り1箱が100円で売られていた。迂闊にも「これはお買い得だ」
と信じて一箱買ってしまった。目的はジム内では未だ必要なので、その用
途に適当と思ってしまったのだった。

だが、「何とかの知恵は後から出る」で、買ってから意気揚々とリュッ
クサックにしまい込んだ後で、我が百人町の名物イスラム横丁の直ぐ先に
ある中国製品を中国人が売っている店では、50枚一箱で290円だったと気
が付いたのだった。何の事はないドンキホーテの商売の上手さにしてやら
れたのだった。

ドンキホーテでは屡々「本当にこの値段でマブツ(紙流通業界の隠語か
も知れない「正規品」という意味)を売るのか」と驚かされるのだ。噂で
は、「この店では、過剰在庫や売れ残った名が通った商品を巧みに仕入れ
して目玉商品にしている」とかだ。理屈を言う前に「誰でも安い方を歓迎
するのだ」と思う。

だが、正規品がメーカー希望小売価格よりも廉価で出ているのは、「コ
スト上昇分を売価に転嫁して売りに出せない業者が未だ未だいるというこ
とではないか」などと解釈している。

私には「景気回復は未だし」だと思わせる現象がここに現れているので
はないかと思っている。デフレーションがどうのこうのと論じるよりも、
20年以上も初任給が上がっていない、上げられない経営者がいることの方
が大きな問題だと思うのだ。コスト上昇分の売価への転嫁を考える前に、
少しでも在庫を売り切って起きたいと考えている苦境に立たされている中
小企業が多いのではないか。

不況から脱却できていないからこそ、ドンキホーテのような大規模な小
売業が繁盛し、大久保通りの同店内には外国人の買い手ばかりとなって
「安い日本現象」を見せていると考えている。

岸田総理にはマスコミが騒ぎ立て始めたらしい、党内の勢力争いもほど
ほどにして「安い日本」の改善策を懸命に慎重にご検討願いたいと真剣に
考えている。



◎セントラルリーグの野球観戦記ー日テレはジャイアンツしか中継放映し
ないのでね:前田正晶

23日の夜は久しぶりにNPBの野球だけを見ていた。私はジャイアンツが
好みではないので、DeNAとの対戦を敢えて避けて、専らタイガースとカー
プの試合を見ていた。残念ながら、2位のジャイアンツを9ゲームも引き離
しているスワローズのドラゴンズとの試合は中継されていなかった。日テ
レが毎晩のようにジャイアンツの試合を中継しては「解説者たちも気を遣
わねばならないから大変だろうな」と要らないことに気を遣っている。

阪神タイガース:

タイガースはビリから何とか立ち直って、一度は3位にまで上がってき
た。だが、私の見るところでは未だに投・攻・守・走の全部が噛み合って
おらず、苦境から脱出し切れていないようだった。それは折角中野、島
田、近本と3人の左打ちで攻・守・走等全てが備わった者たちを1番から3
番まで並べても、肝腎の大砲である佐藤輝と大山が弱点を突かれて無為に
終わったので、初回の2点以降沈黙してしまった。

投手の方では青柳と秋山は良いのだが、西勇輝は「終わった感」が濃厚
で、西純矢は未だ将来に期待程度に止まっている。そこで、ウイルカーソ
ンやガンケル等の輸入した連中依存になるので不安定だ。矢野監督が梅野
捕手を干しにかかっている選手起用も私には解りにくい。あの様子では、
弱り気味のジャイアンツを追いかけて3位を目指すのには未だ未だ苦労す
るだろう。

広島カープ:

苦難のシーズンだと思って見ている。解説者たちが言うように、アメリカ
に出て行ってしまった鈴木誠也の後を埋め切れていないだけではなく、鈴
木が大砲だとして比べれば、拳銃のような西川が故障欠場されては辛いだ
ろう。私はMLBから打者を連れてきても、我が国の投手たちが精密なコン
トロールで欠陥を攻めていく投球術には容易に対応できないと認識してい
る。しかも、baseballから野球の世界に飛び込むのだから、文化の違いに
悩むだけだ。

カープでは、昨夜も解説の和田が「もっと伸びるはずの素材だ」と褒め
ていた坂倉将吾に注目している。それは、彼が日大三高の出身者である点
に注目しているからだ。この学校は野球界以外では、フットボールの分野
にも数多くの一流の素材を数多く送り込んでいるからだ。彼らは一様に体
格と身体能力に優れ、何処まで伸びるかと期待されるのだ。だが、何故か
タイガースの高山俊のように1年目だけの大活躍で後は鳴かず飛ばずに
なってしまう傾向が見えるのだ。

私は坂倉が補欠の捕手の頃から「ある程度はいける人材かな」という程
度の評価はしていた。広島の首脳陣もそれが解っていたようで、今では三
塁や一塁で使っていて、捕手は副業の如きだ。昨夜も一時は打率が3割台
に達していたので、鈴木誠也の穴埋めの域に迫るところまでいけるのかな
と思ってみていた。心配な点は他の日大三高の出身者のような尻すぼみに
終わりはしないかという点なのだ。お疑いの向きは選手名鑑で他の三高出
身者の近況をご覧下さい。

広島の苦しさは投手陣で森下と野村がなりを潜めてしまったかのようで
ある点と、大瀬良と九里が孤軍奮闘になっている辺りだろう。私は矢張り
今日の衰退はジャイアンツに身売りした悪人・丸佳浩の所為であると決め
つけたい。あれ以来、田中広輔が沈んでしまって再浮上しないし、野間そ
の他が育っていないではないか。何時までも松山が代打に出てくるような
層の薄さも気になる。昨夜も和田は栗林の三連投を避けたいと言っていた
のに、使って近本に打たれてしまった。

ジャイアンツ:

先ずは原監督の投手起用に疑問を感じた。昨夜も有望新人だった赤星投手
がホームランも含めて5失点と打たれまくっていたにも拘わらず変えな
かった。彼は先頃も滅多打ちに遭っていた赤星を続投させていた。「ライ
オンは子供を崖から云々」という言い慣わしがあるが、あの放置した使い
方には悪意すら感じた。

原監督は毛嫌いしていると報じられていた1億円も払っている井納を一
昨夜起用して、四球を与えた途端に交替させた。首尾一貫していない起用
法だ。こんな事をしている上に、ホームランだけは沢山打つが打率が2割5
分にも満たない岡本和真に4番を打たせているから、現在のようになるの
だ。岡本の競争相手であるはずのスワローズの村上は、チャンと3割を
打っている4番打者だ。比較してみよ。

ジャイアンツ嫌いとしては何時までも中嶋如きMLB崩れに頼るのではな
く、中田翔を在籍させるのではなく、今季は諦めて若手の養成を心がける
べきだと言ってやりたい。増田陸だって育成から引き上げたら打っていた
じゃないか。

DeNA:

この球団は監督を替えない限り良くならないと見ている。その点は、嘗て
「喝」の時間で張本勲が「三浦大輔は野球を知っているのか」とゲスト
(誰だったかは失念)に真顔で尋ねていたのが非常に印象的だった。いみ
じくも、張本勲はDeNAの駄目振りを予告していたのだった。この辺りは何
時か別の機会に論じてみたいが、兎に角この球団は野球の質が「雑」なの
である。

中日ドラゴンズは、根尾を投手に使おうとするような考えでは、論評の
限りではないような状態だから割愛する。私はマスコミが高校時代の根尾
君を賞賛していたときに「プロには向いていない素材であり、過剰な期待
は禁物」と酷評しておいた。



◎共産主義の悪夢:北村維康

 今から30年ほど前の話だが、アメリカの新聞王、ハースト氏の令嬢が誘
拐されて、行方が判らないことがあった。然し何か月が経って、その令嬢
が誘拐犯人たちに洗脳されて、ベレー帽をかぶって、機関銃を構へてゐる
写真が送られてきたので、大衆はもっと驚いた。それをある新聞は、
「ハーストの悪夢」と言ふ見出しで報じた。

 昨日、私は国立駅の前を通りかかった。ここは共産党の幹部が住んでゐ
る、本拠地のやうなところである。案の定、大々的に「憲法を守って平和
も守る」底の、空理空論を必死で繰り広げてゐた。そのせいか、夕べは変
な夢を見た。かつてマルクスは、「今、欧州には妖怪が歩き回ってゐる。
共産主義と言ふ妖怪が」と書いたが、その妖怪はソ連が崩壊しても、どっ
こい日本で生きながらへてゐるが、ウクライナの戦争を眼前に見せられ
て、共産党は存続するか否かの瀬戸際に追ひ詰められてゐる。この妖怪を
退治するのは、かつて八岐大蛇を退治した日本の、素戔嗚尊に俟つしかない。

 神州清潔の民よ、神社にお詣りして必勝を祈願せよ。そして山陰神話
研究会の本をお読み下さい。『新事記』『わくわくスピリチュアル』『今
こそ古事記が分かった』などは特におすすめである。



━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━
25日の東京湾岸は晴。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎

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