. 渡部亮次郎
ノーベル賞は日本人にとって遠いものだったが、ノーベル賞の受賞者は2009年7月23日現在 1949年の湯川秀樹氏(物理学賞)をはじめとして12人に達している。科学者以外でも佐藤栄作(元首相)、大江健三郎(作家)がいる。
1965年 朝永 振一郎(物理学賞)
1968年 川端 康成(文学賞)
1973年 江崎 玲於奈(物理学賞)
1974年 佐藤 栄作(平和賞)
1981年 福井 謙一(化学賞)
1987年 利根川 進(医学・生理学賞)
1994年 大江 健三郎(文学賞)
2000年 白川 英樹(化学賞)
2001年 野依 良治(化学賞)
2002年 小柴 昌俊(物理学賞)
2002年 田中 耕一(化学賞)
<賞を作ったノーベルはスウェーデンの人で、ダイナマイトの発明などで富を得て、1896年に亡くなりました。彼の遺言で物理、化学、医学、生理学の科学部門3賞と文学賞、平和賞の授与が始まりました。
ほかに経済学賞がありますが、これはノーベルの遺言とは関係なく、スウェーデン銀行(中央銀行)が1969年から授与しています。
ノーベル平和賞だけはちょっと違う。
ほかの賞はスウェーデンの首都ストックホルムで選考され、授与されますが、平和賞だけは選考はノーベル財団ではなくノルウェー国会による委員会が選んでノルウェーの首都オスロで授与されます。ノーベルがなぜ平和賞だけをノルウェーに任せたのかは、はっきりしません。
賞の対象も、平和賞以外が学問研究や文学作品で世界的な成果をあげた人におくられるのに対し、平和賞は、国と国の関係を良くしたり、戦争のための設備を減らしたりといった社会的な業績に贈られてきました。
最近では環境問題への取り組みも選ばれるようになっています。
2007年は地球温暖化の危機を訴えている前の米国の副大統領アル・ゴアさんと、この問題を調べて対策を提案している国際組織に決まりました。
温暖化問題と平和とは何の関係もないように見えます。でも温暖化が進むと、水や食べものが不足したり、土地が水没して住む場所を失う人が大量に出たり、資源の奪い合いが起きたりする危険が大きくなります。
2004年にはアフリカで植林活動をしたケニアのワンガリ・マータイさんが平和賞を受賞しました。マータイさんは「戦争は資源をめぐって起きる。環境保護は平和につながる」と話しています。>
岐阜新聞Web(2007年10月29日)より。
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/nie/news/news20071029.htm
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2009年7月22日(貳)通巻第2672号に依ると、中国で「08憲章」の起草者劉暁波にノーベル平和賞を、という動きを巡って共産党政府との対立が予想され「平和賞」とは裏腹なことになりそうだ。中国政府は猛烈に反対し、まず米国に圧力をかけるだろう、というのだ。
それによると、「中国民主論壇」は米国の人権団体と中国人留学生らが中心のグループで、劉暁波にノーベル平和賞を!のキャンペーンを開始するための委員会を設立する(多維新聞網、7月21日付け)。
劉は「08憲章」起草者として著名な活動家で、現在中国当局に拘束されている。
同憲章は中国の平和的発展と民主化を基軸に中国政治の変革を希求したもので、300人あまりの知識人らが署名した。
「世界の普遍的価値観と中国の特殊状況は乖離し過ぎており、世界最大の人口を抱える国が平和に発展することは世界の平和に繋がる」ので、あり、この価値観を推進する劉暁波に、この時点でノーベル平和賞を与えることは有意義である、と「中国民主論壇」は声明で述べている。
宮崎氏によると中国の反応はまだないが、嘗て魏京生のノーベル平和賞を直前で巧妙に潰し、昨年はカディール女史(「世界ウィグル会議=在ワシントン=代表」の平和賞受賞も政治力を駆使して潰した「実績」があるだけに、ノーベル財団やノルウェー議会に巨大な圧力をかけることが予測される、という。
この際、佐藤元首相の受賞についての論評は避けるが、ノーブベル平和賞を巡る争いは当に戦争である。多分、戦いは共産党が勝つだろう。負けたら共産党政府が立ち行かなくなるから。
最後に「Yahoo智恵袋」から。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1119726571
<中国人は基本的にノーベル賞が大っ嫌いです?
ダライラマが受賞したのなんか、やつらからすると、われわれの感覚で言ったら麻原がノーベル賞取ったぐらいの感覚なので。そりゃ嫌いになりますよ。
あくまで「あいつらにとっては」ってことですよ。断っておきますが、私はダライラマ尊敬してます。あと台湾人がとってるのも気に入らないらしいです。
中国人の知り合いがノーベル賞のことぼろっかす言ってました。
あんなものは欧米人の感性ですばらしいということで、われわれ東洋人は関係ない。
「あんなものに迎合していてはいけない。日本人の皆さんは、いっそのことノーベル賞なんか全部お返ししてしまったほうがいいです。そして中国が中心になって、アジアのノーベル賞を作るべきだ」
と主張していました。
中国からは当分ノーベル賞に値する研究は出ないと思います。最近中国は数学オリンピックなんかで頑張っていますが、はっきり言って方向性間違えてます。
特に大学教育はひどいものだと思います。奴ら論文がまともに書けないんですよ。
自分で考えて、理論を組み立てることがまったく出来ません。本を引き写して、最後に「私もそう思います」みたいな、しょうもない論文しかかけません。それが、結構勉強ができる優秀な連中なんですよ。
中国人は勤勉だといわれます。確かに非常に勤勉です、でも「勉強」と「研究」は違います。中国は優秀な奴らに「研究」ではなく「がり勉」させて、ドンドン潰しています。
「公文式」で研究はできません。
国としては都合がいいんでしょうね、従順な奴が増えて。
実際に、中国人での受賞者は例外なく、海外の研究施設で受賞してますよね。おそらく北京大学からも、上海大学からも、当分はノーベル賞は出ないでしょう>。2009・7.22