頂門の一針 6240号
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2022(令和4年)年 8月25日(木)
セピア色の平和主義:兼原信克
左翼ウイルスから国民を守る方法:伊勢雅臣
コロナ禍の自殺者増の「救い」:桂春蝶
予測される執行部入りの顔ぶれ:宮崎正弘
重 要 情 報
身 辺 雑 記
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頂門の一針(まぐまぐ)
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「セピア色の平和主義」
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兼原信克
【令和の国難】冷戦中と同じ議論を反芻するだけの国会は「セピア色の平
和主義」米国も一蹴できない中国の実力行使令和の国難≠ナ問われる日
本人の目覚め
習近平主席率いる中国軍は、日本のEEZに弾道ミサイルを撃ち込んでき
た(共同)
1945年8月、日本は敗戦した。大日本帝国は崩落した。国土を灰燼(かい
じん)に帰した第二次世界大戦は、日本人の心に赤心の平和主義を生ん
だ。GHQ(連合国軍最高司令部)は、日本を完全に非武装化しようとし
て、ダグラス・マッカーサー元帥は憲法9条2項の完全非武装条項を書いた。
朝鮮戦争に慌てた米国は、日本再武装にかじを切るが、最盛時1000万人を
動員した帝国陸海軍の復活には警戒心を緩めなかった。その一方で、ソ連
は、米国との同盟断絶と自衛隊の徹底した弱体化を望んだ。
冷戦の強い磁場の中で独立を果たした日本では、ソ連の利益を代弁する日
本社会党が立ち上がり、対抗して日米同盟を基軸とする自由民主党が立ち
上がった。東西ドイツ、南北朝鮮のような国家分断を幸いにも免れた日本
であったが、国内政治が真っ二つに割れた。安全保障に関する限り、国民
的コンセンサスは生まれようがなかった。
日本社会党は、ソ連の利益を代弁して「非武装中立」を掲げた。大戦中、
200万人の将兵と100万人の民間人の命を奪った米国に対する怒りは、日米
同盟締結を強行した吉田茂首相の決断にもかかわらず、灰の下の炭火のよ
うに熾り続け、左派の反米スローガンと結びついた。戦後の平和主義には
「ソ連の利益」と「反米感情」が紛れ込んだ。
あれから三四半世紀がたつ。昭和は終わり、平成から令和へと時代は移っ
た。北朝鮮は核武装した。超大国・ソ連は崩壊し、後を襲ったロシアはウ
クライナを侵略し、核の恫喝(どうかつ)さえいとわなくなった。
そして何より、貧しく小さかった中国が日本の3倍の経済力を誇るように
なった。その軍事費は25兆円を超え、日本の5倍である。2030年までには
核弾頭を1000発保有すると言われている。もはや米国でさえ一蹴できる国
ではない。
その中国が、台湾への野心を公言するようになった。沖縄県・尖閣諸島に
対する実力行使も始まった。ケ小平氏の遺訓を破り、習近平国家主席は
「3期目」に突入しようとしている。フィリップ・デービッドソン前米イ
ンド太平洋軍司令官は、数年のうちに中国は米国と軍事的に勝負する力を
蓄えると議会証言した。
日本の若者は、自分の将来を見据えている。そして、急速に現実主義化し
ている。「自分の国を自分で守る」にはどうしたらよいのかと、真剣に考
え始めている。
しかし、国会では冷戦中と同じ議論が反芻(はんすう)されるだけであ
る。色とりどりの官公労の旗が国会を取り囲み、シニアな活動家のシュプ
レヒコールが叫ばれる。すべてがセピア色に見える。日本はどうやって
「令和の国難」に対処するべきなのか。日本人の「目覚め」が問われている。
■兼原信克(かねはら・のぶかつ)1959年、山口県生まれ。81年に東大法
学部を卒業し、外務省入省。北米局日米安全保障条約課長、総合外交政策
局総務課長、国際法局長などを歴任。第2次安倍晋三政権で、内閣官房副
長官補(外政担当)、国家安全保障局次長を務める。19年退官。現在、
同志社大学特別客員教授。15年、フランス政府よりレジオン・ドヌール
勲章受勲。著書・共著に『戦略外交原論』(日本経済新聞出版)、『安全
保障戦略』(同)、『歴史の教訓』(新潮新書)、『日本の対中大戦略』
(PHP新書)、『国難に立ち向かう新国防論』(ビジネス社)など。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文
夕刊フジ令和4年8月23日採録
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左翼ウイルスから国民を守る方法
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伊勢雅臣
我が国の政治経済の停滞は、左翼ウィルスに感染した不幸な国民が多い
から。
■1.「どう見ても不幸そうにしか見えない左翼老人たち」
安倍元総理の暗殺事件から、いつのまにかテレビのワイドショーは自民
党と旧・統一教会の関係一色になりましたウクライナの戦争、中国の台
湾威嚇など世界にはもっと多くの深刻な問題があるのに、それらには目も
くれず、何週間も微に入り細に入り論じ続けている様を見ると、たいした
新情報もないのに、これだけ時間を持たせるのは、さすがに「プロは凄い
な〜」と感心してしまいます。
ひな壇には何人ものゲストが並んで、「こういう点はもう少し事実を明
らかにしないと」などとしたり顔で述べていますが、司会者や解説者も含
めて、どこか不満げな表情です。
こういう光景を見ると、数年前にベストセラーになった森口朗(もりぐ
ち・あきら)氏の『左翼老人』の次の一節が思い浮かびます。
__________
どう見ても不幸そうにしか見えない人の群れがあります。それが左翼老人
たちです。町で「憲法改悪反対!」「9条を守れ!」「戦争法制定反
対!」「安倍独裁を許さない!」と言いながらビラを配っている人を見か
けたら、その人たち(大抵は老人です)の顔を見てみてください。私には
皆さんの顔が、幸せとは無縁のように見えてしまいます。[森口H31、1,769]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
町で「9条を守れ!」というビラを配っている人たちと、テレビのワイ
ド・ショーで旧・統一教会ばかり論じている人々は、「幸せとは無縁」と
いう意味で、よく似ています。森口氏の本は新型コロナウイルスの前に出
ましたが、両者とも「左翼ウィルス」の患者であると考えると、その原因
がよく理解できる、と思われました。
■2.「幸せな老人は『世界の中で相対的に良い日本を益々良くしたい』
と言う人」
左翼ウィルスにかかると、人は不幸になります。そもそも利他心の強い
人ほど左翼ウィルスに感染しやすいのです。しかし、共産主義革命とは実
現不可能な空論のため、感染者たちの利他心は決して満たされません。共
産主義で利他心を鼓舞されながら、決して満たされない。これが左翼ウイ
ルスに罹った人が不幸になってしまう原因です。
それに対して、森口氏は「幸せな老人は『世界の中で相対的に良い日本
を益々良くしたい』と言う人」と定義しています。[森口H31、1,916]
「世界の中で相対的に良い日本」という肯定感を持ちつつ、さらに「良く
していこう」という利他心を持ちます。そして自分の周囲の「一隅を照ら
す」ことで、他者に感謝され、達成感、貢献感を持つことができます。
こういう小さくとも幸福への確かな道に比べると、左翼ウイルスは宿主
に、現状に対する怨嗟と未来に対する絶望をもたららすことがよく分かり
ます。
■3.左翼ウィルス感染による症状
左翼ウィルスに感染すると、どのような症状に苛(さいな)まれるのか、
森口氏の著書を参考にして、弊誌なりにまとめてみましょう。以下の4つ
の症状が現れます。
1)自分たちだけが正しいと信じて疑わない
左翼、厳密に言えばマルクス主義者は、これを「科学的共産主義」と称
して、自分だけが正しい「科学的」な理論を知っていると信じて疑いませ
ん。そのため、自分に反対する人間は、どうしようもない馬鹿者か、魂胆
のある悪者か、と見えてしまいます。そこで共産主義国家は例外なく一党
独裁を敷き、反対者は処刑するか、収容所に入れます。
左翼ウイルスが蔓延してしまった国では、議会制民主主義そのものが存
在できません。我が国においても、たとえば「憲法改正」を封じるため
に、改正の議論そのものを封じたりします。
2)目的は手段を正当化する
共産主義革命を実現するという「目的」のためには、すべての「手段」
は正当化されます。革命のための「反動」勢力を打倒することは、どんな
手段を使っても「正しい」とされます。「人に暴力を振るったり、嘘をつ
いてはいけません」という道徳的判断は、封建的道徳に縛られた「遅れ
た」態度と軽蔑されます。
朝日新聞が頻繁に誤報、虚報をまき散らしているのも、「嘘をついては
いけない」という「封建的道徳」に縛られていないからでしょう。
3)敵を作り、憎悪を燃え上がらせる
労働者階級が貧しい生活をしているのは、資本家階級に搾取されてい
る、と信じ込みます。大企業、資産家、自民党、アメリカは打倒すべき敵
です。自衛隊や警察は彼らの「手先」です。これら資本家階級とその手先
を打倒しなければ、理想の社会は実現できません。
4)社会的弱者は利用するが、助けない
社会的弱者、たとえば貧困者は、現在の政治の問題点を糾弾するための
格好の事例となります。森口氏はこう指摘しています。
__________
格差が広がり人々が貧困で苦しむことが革命のパワーですから、下手に
福祉で暮らしが楽になられると困るのではないでしょうか。それゆえ左翼
政党は弱者のために基本的には働きません。彼らは自分たちの活動を支持
してくれる組織化された人々、具体的には労働組合のために働くのです。
そして、日本の労働組合の組織率は官公庁や大企業で圧倒的に高い。労働
組合を持たない零細企業の労働者やフリーターなど、彼らの眼中にはない
のでしょう。[森口H31、983]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
左翼ウイルスに掛かると、こうして他者の違いを許さず、伝統的道徳を
否定し、憎悪を燃え立たせ、弱者に対する思いやりも忘れた人間になって
しまいます。そんな人間が幸福になれる訳がありません。
■4.左翼ウイルスが国全体を不幸にする
このように、左翼ウィルスはその宿主を不幸に追い込んでしまうのです
が、そうした感染者が社会の多数を占めるようになると、国自体が不幸に
なります。森口氏はこう指摘します。
__________
日本は、先進国なのに老人が左翼思想から卒業できない異様な国です。そ
れだけならば世界の笑いもので済みますが、少子高齢化のせいで老人の投
票数が多いままのため、政治が停滞し、行政は古臭いまま、経済も発展で
きない国になってしまいました。[森口H31、2,296]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
政府は左翼老人の票が離れることを恐れて、自らが採るべきと考えてい
る政策を大胆に打ち出せず、野党は政府の揚げ足とりしかできない。それ
が政治と経済の停滞の原因だというのが、森口氏の見立てです。
■5.データが示す年代別感染状況
森口氏は「左翼老人」を、データによって裏付けようとしています。氏が
示している朝日新聞の2018年8月時点の第二次安倍政権への内閣支持率を
まとめると、こうなります
29歳以下 支持率56%、不支持率22%
30〜39歳 支持率39%、不支持率32%
40〜49歳 支持率38%、不支持率41%
50〜59歳 支持率34%、不支持率49%
60〜69歳 支持率28%、不支持率54%
70歳以上 支持率38%、不支持率45%
この分布を見ると、「左翼老人」という呼び方は概括的に過ぎると思わ
れます。60〜69歳を底として、それより高齢の70歳以上は安倍政権 支持
率が高く、またそれより若い層は、わずかづつですが支持率が上昇 し、
29歳以下で跳ね上がっています。
安倍政権に対する支持率の最も低い60〜69歳は、左翼ウイルスが最 も
猛威を振るっていた時代に青春時代を迎えた、気の毒な世代です。69歳を
例にとると1949年生まれの団塊の世代で、1968〜69年の大学紛争、そ し
て翌1970年の安保闘争の年に大学生でした。
20歳前後の多感で利他心も旺盛な年代に、多くの青年が左翼ウイルスに
感染し、明日の共産主義革命を夢見て、大学紛争や安保反対運動に走った
のです。そしてソ連が崩壊した1989年には40歳前後。すでに左翼ウイルス
が骨髄まで浸透して、立ち直りもできなかったのでしょう。
この年代以降は、安倍政権支持率が徐々に上がってます。若かりし頃に
ソ連崩壊を目撃し、その後の1999年の国旗・国家法や徐々に進んだ歴史教
育の正常化などの効果が、少しづつでも現れているように見えます。
これが29歳以下の青年層は一挙に56%と15ポイントも上がっています
が、1989年以降の生まれで第二次安倍政権誕生の2012年末には23歳以下。
ちょうど大学を卒業する頃に、アベノミクスが生み出した失業率の劇的な
低下の恩恵を被った層です。経済的にも恵まれただけでなく、精神的にも
左翼ウイルスの感染からかなり免れることができた幸運な世代です。
■6.「オールド・メディア」が左翼ウイルスの主要感染源
左翼ウイルスの感染者は確実に減少しつつありますが、その感染源を断
つことが、さらに不幸な感染者を減らしていく為に必要な手段です。その
感染源は主に、以下の二つであると考えます。
・学校教育
・新聞、テレビなどの「オールド・メディア」
学校教育では弊紙で何度も論じているように、左翼ウイルスをまき散ら
している歴史教育の正常化が必要です。若年層の感染を予防するには、学
校教育という感染源から、子供たちを隔離することが必要なのです。この
面では、弊誌1276号、77号「歴史物語による歴史教育再生(上・下)」をご
覧ください。
また、新聞やテレビをオールド・メディアというのは、インターネット
のニュー・メディアに対してです。幸い、ニュー・メディアはオールド・
メディアほど左翼ウイルスまみれではなく、若いほど安倍政権支持率が高
かったのも、オールド・メディアとの濃厚接触が少ないことも一因でしょう。
森口氏は「情報ソースによる支持率格差」をデータで示しています[森
口H31、1,233]。朝日新聞が2018年7月に発表したデータでは、政治や社会
の情報入手先によって、安倍内閣支持率が大きく変わっている、という実
態が明らかになっていました。
SNS 支持率48% 不支持率22%
インターネット・ニュース 支持率42% 不支持率38%
テレビ 支持率38% 不支持率41%
新聞 支持率32% 不支持率54%
森口氏はこのデータから「新聞、とりわけ朝日新聞のような偏ったメ
ディアからしか情報を得ていないから反安倍報道に騙される」と解釈して
います。朝日新聞の過去の数々の誤報虚報の歴史から見て、私も同感で
す。[JOG(1216)、JOG(1181)]
ここから、特に高齢者層に多い左翼ウイルス感染者を治療するには、ま
ずは主要な感染源たるオールド・メディアとの濃厚接触を避けることだと
いうヒントを得られます。[森口H31、1,983]
■7.左翼ウイルス感染者への治療薬
オールド・メディアからの感染をどう防ぐか。まず、左翼ウイルス感染
者は、自分が感染しているという自覚がないので、いきなり「あなたは感
染者だ」と注意しても、反発を買うだけです。
そこでテレビのワイド・ショーを好きな感染者の方には、森口氏はフジ
テレビの「ワイドナショー」をお勧めしています。この番組では、かつて
ダウンタウンの松本人志氏が登場して、安全保障政策に対して「ただ反対
しているだけで対策が全然見えてこない。このままでいいと思っているの
なら、完全に平和ボケ」などと発言していたそうです。[森口H31、1,983]
もう一つお勧めしたのは、読売テレビの「そこまで言って委員会NP」
です。こちらはインターネットで公式無料動画を視聴できます。
たとえば最近では、ウクライナ戦争をテーマに、「戦場カメラマン」宮
嶋茂樹氏の迫力ある現地取材レポートに対して、別のゲストが「戦争を早
く止めるために、西側の武器供与をやめるべきだ」などという日本的平和
論者が論戦を挑んだりしています。こういう論戦は、左翼ウイルスによる
平和ボケには格好の治療薬です。[ytvMyDo!]
また左翼ウイルスまみれの新聞、たとえば朝日新聞を長年購読してきた
人には、森口氏は新聞の購読時に配られる景品を利用する方法を提案して
います。「今ならこの新聞に切り替えれば、こんな景品を貰えますよ。つ
まらなければ3カ月後に朝日新聞に戻ればよいじゃないですか。その時
は、朝日新聞からも景品がもらえるのですよ」とお勧めするのです。
この方法で氏から他の新聞を勧められた人は、改めて朝日新聞の偏りに
気がついて、「前までは日本中に市民団体が沢山あると思っていたけど、
あれって朝日新聞が数十人程度の集会を大げさに報道していただけなんだ
ね」と嬉しそうに話してくれたそうです。
左翼ウイルスは感染者が減っていけば、自ずから感染力も減っていきま
す。こうして現在の朝日新聞の購読者、すなわち濃厚接触者を減らしてい
くことが、日本全体を少しでも健全な状態に戻すための「一隅照らし」と
なります。朝日新聞もこうして購読者を減らしていくことで、いつか左翼
ウイルスから立ち直るかも知れません。
主要先進国で、共産党が国会で議席を持っている国は日本とフランスの
みで、フランス共産党はすでに衰亡の危機にあると言います。それだけ、
我が国は左翼ウイルス対策で、主要先進国から何周も遅れをとっているの
です。
左翼ウイルスに汚染されて政権の揚げ足とりしかできない左翼政党や
オールド・メディアから早く解放されることが、政治・経済を活性化し、
国民、なかんずく青少年が活き活きとそれぞれの人生に前向きに取り組
む、幸福な国になる近道なのです。
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コロナ禍の自殺者増の「救い」
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桂春蝶
【桂春蝶の蝶々発止】コロナ禍の自殺者増の「救い」とは極限の中の極限
「千日回峰行」を2度満行酒井雄哉師の噺
「比叡山千日回峰行」を2度達成した大阿闍梨、酒井雄哉さん
2020年3月から今年6月にかけて、新型コロナウイルスが流行した影響
で、国内で自殺者が約8000人増えた―という試算を東京大学などのチーム
がまとめたそうです。コロナ禍で、先行きに不安を覚えたことも理由と思
われます。
私は、孤独や不安を抱えた方々の「救い」とは何だろうと考えます。もち
ろん、「笑い」はその1つでしょうし、何かしら「安心する言葉」に触れ
ていただくのもいいと思います。
よくあるポジティブ論もいいですが、私は「悲しい時は、悲しい言葉が寄
り添うべきだ」という思想の持ち主です。
『置かれた場所で咲きなさい』というベストセラーもありますが、置かれ
た場所が、自分が選んだ場所でなかったらどうでしょう? 理不尽に厳し
い場所に置かれた…それを我慢して自己実現しろというのは、逆にこの言
葉が人を追い詰めていくことになる気もします。
「乗り越えられない壁はない」とも言いますが、乗り越えられないのでは
なく、乗り越えたくない壁もある。
同じような苦しみを抱えた人が、死の一歩手前で感じた境地、それは多く
の人々に共感を届けると思います。
大きな悩みを抱えている方々に知ってほしい、ある僧侶の話があります。
北嶺大行満大阿闍梨、酒井雄哉さんです。
みなさんは、「比叡山千日回峰行」をご存じでしょうか? 比叡山に点在
する260カ所の礼拝場を7年かけて回る行です。3年目までは1日30キロを
100日間(=とてもアップダウンが厳しい山道です)。4、5年目は1日30
キロを200日間。6年目は1日60キロを100日、7年目は「京都大回り」と
いって1日83キロを100日間。その間に「堂入り」といって、9日間の飲ま
ず食わず、寝ず、横にならず、読経を繰り返す儀式もあり、常に「死」と
隣り合わせの行があるのです。
酒井さんは、「この行で何か得たものは」と問われ、「特にない、しか
し、満行したから今の自分がある」という言葉を残されました。
酒井阿闍梨は戦争体験や、度重なる事業の失敗、妻の自死など、俗世での
諸々を経て、40代から千日回峰行に挑まれた。そして、50代で2度目の千
日回峰行を修(しゅう)されます。
私はこの方の人生に惹きつけられ、約90分の創作噺をつくりました。極限
の中の極限を超えた人だからでこそ、見える景色、伝えられる言葉があ
る。哲学の詰め合わせとも言えるこの一席は、大団円に「気付きの涙」へ
と帰結します。
9月27、28日、午前10時から、大阪市北区の天満天神繁昌亭で、『行と
業〜わたしは千日回峰行を生きました』という一席を心を込めて演じま
す。詳しくは私のホームページまで。あなたの心を癒す処方箋となること
を約束いたします。
■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二
代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目
桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風
で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市
の「咲くやこの花賞」受賞。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文
夕刊フジ令和4年8月23日採録
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予測される執行部入りの顔ぶれ
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)8月23日(火曜日)
通巻第7436号 <前日発行>
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中国共産党大会目前、予測される執行部入りの顔ぶれ
蔡奇、李強、李希、胡春華、陳敏爾、李鵬忠らが政治局常務委員入り?
*******************************
8月22日時点のチャイナウォッチャーたちの予測で複数重複人名があ
り、政治局常務委員会入りに有力な政治家は以下の六人。
蔡奇(北京党委員会書記)
李強(上海同)
李希(広東省同)
李鵬忠(天津市同)
陳敏爾(重慶市同)
胡春華(副首相)
この六名に加えて習近平のお気に入りは丁辟祥(中央弁事処主任)も
有力と言われる。 現在の政治局常務委員会は習近平がトップで、以下、
李克強、王洋、王こ寧、栗戦書、韓正、趙楽正の七名。大半は勇退となり
そう。
中央委員に加わりそうな顔ぶれは以下の通り。
陳小紅(統一戦線工作部次長)
鳳 飛(海南省省長。前浙江省副省長)
和 龍(国家発展改革委委員長)
黄坤明(宣伝部長)
江金泉(政府系シンクタンク)
李樹雷(習のスピーチライター、王こ寧と交代か)
劉海星(外交部幹部)。
劉建超(国際連絡部長)
劉 潔(次期外相に有力。王毅と交代か)
馬興瑞(ウイグル自治区党委員会書記)
林 澤(甘粛省前省長。「澤」は「金」篇)
王文傑(商務部長)
シェン・イーチン(少数民族パイ族。女性。孫春蘭の替わり)
王小洪(公安部長。福建幇で習のお気に入り)
易 鋼(中央銀行総裁)
趙 劉(福建省省長)
鄭山傑(安徽省省長)
鄭新彬(マカオ行政長官)
ほかに軍人がふたり指定席があるが、郡内の調整次第だ。したがって中
央委員25名(常務委員7名を含む)だから、いま列挙したリストから、
何人かは脱落し、ダークホースの浮上は大いにあり得る。なお、王毅外相
は68歳なので外相続投はないが、国務委員留任はありうるかもしれない。
□☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き
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☆⌒☆⌒☆⌒☆ ☆⌒☆⌒☆⌒☆ ☆⌒☆⌒☆⌒☆
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読
者之声
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(読者の声1)日本李登輝友の会から講演会、懇親会のお知らせです。
日 時:2022年8月27日(土)午後2時〜4時(1時30分開場)
会 場:文京区民センター 3C会議室
【交通】都営地下鉄:三田線・大江戸線 春日駅 A2出口 徒
歩2分
東京メトロ:丸ノ内線・南北線 後楽園駅 4b出口
徒歩5分
JR総武線 水道橋駅 東口 徒歩10分
演 題:台湾の日本人
*会場で新著『台湾の日本人』を販売します。
講 師:喜多由浩氏(産経新聞編集委員)立命館大学卒業後、産経新聞社
入社。韓国・延世大学留学。社会部次長、月刊『正論』編集部次長、文化
部編集委員などを
経て、現在、編集委員。主な著書に『満州唱歌よ、もう一度』『北朝鮮に
消えた歌声─永田絃次郎の生涯』『野口健が聞いた英霊の声なき声─戦没者
遺骨収集のいま』『日本から男の子を育てる場所が消えていく』『アキと
カズ─遥かなる祖国』『「イムジン河」物語 封印された歌の真実』『満
洲文化物語─ユートピアを目指した日本人』『韓国でも日本人は立派だっ
た─証言と史料が示す朝鮮統治の偉業』『消された唱歌の謎を解く』『旧
制高校物語─真のエリートのつくり方』『台湾の日本人』など多数。
参加費:1,500円(会員)2,000円(一般)1,000円(学生)
*当日ご入会の方は会員扱い
申込み:お名前、ふりがな、メールアドレス、性別、ご住所、お電話番
号、会籍(会員・一般・入会希望のいずれか)、懇親会への出欠」を明記
のうえ、メールもしくはFAXにて下記の本会事務局までお申し込み下さい
<8月26日(金)が締切です>
懇親会:講師を囲んで会場の近くにて開催予定
[参加費=3,000円 学生:2,000円]
メールでのお問い合わせ info@ritouki.jp
FAX(03)3668−2101
電 話(03)3868−2111
(日本李登輝友の会)
♪
(読者の声2)「ドーギン暗殺未遂、直前に父の車を運転、帰宅を急いだ
娘のダリヤが爆殺さる。」について。
ドーキン氏、親子とも親露、親プーチンであるため、「当然に」敵、ウ
クライナ、米国が関与した暗殺である、という判断になり、露国内での
プーチン戦争支持が高まる、という結果が生まれる、という予測の元に、
敢えて、あるいは当然の戦略として「戦時中の必要な犠牲」として暗殺し
たのだろう。本人は貴重なので、娘を犠牲にした。
この様な露の人民賎脳工作の水準は世界一であり、かつ、それを「実
行」できる国は少ない。
かつてプーチン氏が無名のモスクワ市長であった頃、野望を満たすべ
く、市民の住むアパートを数回深夜に爆破し、数百名の犠牲者を出し、こ
れは「明らかに」チチェンのテロであると断定され、怒れるロシア人民を
戦争に駆り立て、氏は英雄となり、これを機会に男を上げ、やがて大統領
となる。KGBで訓練を受け、かつその人脈を持った人間でないと可能では
ない。
倫理も人道も人権も無視し、悪魔でも「目的のためには手段を選ばな
い」ヤクザでも敵わない支那、露、朝鮮、そして米国の行動は、「結果と
して、誰が利を得たか」という視点から観察する必要がある。
先日の故安倍氏の暗殺についても、同様な動機から犯人を特定すべきで
あるが、日本の警察、司法などにはその能力も意図も無いらしい。当時の
動画を見ていると、
1発目による爆音、爆風に反応して、ほぼ全員が立ったまま後ろを振り返
るが、ただ一人が、即座に地面に触れ臥した。「タイアの爆発」だっただ
ろう、と思った、という説明であったが、そんな音を聞いて、大の大人が
「きゃーこわい」としゃがみ込むだろうか。ちなみに、元総理には一人SP
が配属される、という。この一人の怖がりの男は、次に予定されていた複
数の銃弾を避けるためにした行動であろう、と思われる。私見によれば、
この男は自殺、病死などで自白する機会を失う、だろう。
安倍氏の死体は、明らかな死因の証拠が刻まれており、最新のMRIを使
えば、確実に「失われた」弾、弾道などが明確になるが、早々と荼毘に臥
された。無論、証拠隠滅。明らかに内部の総合的な連携が有った。NHKを
はじめとするマスゴミも、「真実を国民に伝える義務」を放棄している。
(在米のKM生)
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(読者の声3)バイデンのぶざまなアフガニスタン撤退から一年を経て、
タリバンはかの国を治めているように見えますが? 中国の銅鉱山への進
出は本格化して居るのでしょうか?タリバンは外国の武装グループはいな
いと言っていたのに、アルカィーダのザワヒリが隠れ住んでいました。秩
序は存在しないように見えます(DD生、岐阜)
(宮崎正弘のコメント)米国はアフガニスタンの外貨70億ドルを凍結し
たまま。EU諸国は人道援助の目的のためボランティア組織の支部をわず
かに存続させているだけ。
米国保守派の総括は「米国の敗北のみならず政治秩序を破綻させた」と
するもの。
パンジシール渓谷に盤踞する「北部同盟」や旧政府軍残党、さらにはド
スタム将軍派やヘクマチアル一派などが納める地域があって、地域的には
タリバンの統治ならず、というよりカブールにしてからが、無秩序、公共
サービスにタリバンはまったく無能。支援してきたパキスタン軍もお手上
げ。中国は鉱山開発どころが、ETIMがアフガニスタンに潜伏している
と睨んでいます。
ハッカニ集団の思想指導者が殺害されたように各派の内ゲバが続き、平
和が戻ることはないでしょう。というよりアフガニスタンが平和だった時
代は歴史を振り返っても、ないのでは?
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重 要 情 報
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◎事改めて旧統一教会の問題ー岸田内閣にとっての危機ではないか:前田正晶
今朝の新聞に掲載された週刊誌の広告では、恰も岸田総理が深く旧統一
教会との関係があったかのようだった。その週刊誌は後で買って読んでみ
ようとは思っている。
それ以前に、私は8月13日にこの旧統一教会(世界平和統一家庭連合)
について下記のように述べてあった。
"私は既に指摘してあったように、山上徹也が安倍晋三元総理を殺害し
て、パンドラの箱を開けたのだと思わずにはいられなかった。彼らマスコ
ミはあらためて、統一教会の実態と我が国で何をしたったのかと何をした
かを詳細に世間に報じ始めたのだった。
だが、同時に「何故か?」と痛感したことがあった。それは「我が親愛
なるマスコミは山上徹也の件がなければ、家庭連合について取材してあっ
た、あれほどの膨大な(とでも言いたくなる)情報を流す意図が無かった
のか」ということなのである。如何に無知な私であっても、合同結婚式と
それに伴う哀しい話や霊感商法や教会に吸い上げられる寄付のことくらい
は承知していた。だが、今回報道し始めた政治との関連などは、関西風に
言えば「聞き初めや」なのだった。”
言うまでもない事で、私は「報道機関は当時の統一教会については十分
に取材が出来ていて、多くを語れる(報道する)にたる材料を持っていた
はずだろう」と見ていた。それにも拘わらず、山上徹也があの大事件を起
こすまでは、全くと言って良いほどこの関連の報道はしていなかったよう
だった。私などは不勉強にして「世界平和統一家庭連合」という名称に変
わったことすら知らなかった。
だが、彼らは今となっては連日連夜の如くに自民党議員と旧統一教会と
の関連の旧悪(なのだろう)と萩生田光一政調会長の現悪までを、堰を
切ったかのように報道しているのだ。そこまで承知していたのであれば、
何故もっと早く警鐘を鳴らして、自民党に彼らとの関係を断つべしと伝え
なかったのかと、奇異に感じている。その何もしてこなかった彼らマスコ
ミの姿勢を見ると、彼らの関連性も疑いたくなる方もおられるのではない
のかな、などと考えている。
ある事情通の方からは「現在の公職選挙法がある限り、無償で働いてく
れる人たちを送り込んでくれる彼らの存在が立候補者にとっては、何物に
も代え難いほど有り難いのだ。だから依存するので、それを止めようがな
いだろう」と聞かされていた。また、彼らは当然のように政権を持ってい
る方の支援をするが、立憲民主党以下の野党に対してはつれない動きしか
していないようだ。だからこそ、野党どもは平然として鬼の首を取ろうと
動き出せるのだろう。
私如きが時の総理総裁に「こうなされば宜しいでしょう」などと申し上
げる立場にはないので、岸田総理がCOVID-19から極力早期に回復され、十
分に慎重に検討された「世界平和統一家庭連合」と、COVID-19への対策と
を同時に打ち出されて、直ぐそこに迫ってきたのではないかと怖れている
国家・国民の器機を回避する為に可及的速やかに行動を開始して頂きたい
のだ。そうすることが、ご自身の危機をも解消する最上の手法となるのだ
から。
◎アメリカは普段は「分断の国」だが、時として一挙に一丸となる。その
特性を踏まえた日米同盟維持を=伊勢雅臣
(安倍元総理暗殺の)現地のニュースが第一報を報じたのはアメリカ東部
時間の7月7日夜だったが、直ちに大統領令が出され、翌8日朝には米政
府関係の建物はもとより、中心にある公園緑地「ナショナルモール」、銀
行、大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」など目に入るビルに軒並
み半旗が掲げられた。全米各州でも同様だったと思われる。
「バイデンからトランプまで」一丸としての反応だった。ホワイトハウス
などからの弔問要請もいたって速く、日本の対応が間に合わないほどだっ
たと聞く。
日本へのブリンケン国務長官の「緊急特使」としての派遣決定も素早かっ
た。さらに上院で20日に行われた安倍元総理の功績顕彰決議の採択も迅速
だった。
何かの機会に一挙に一丸となるアメリカの特性を理解しておくことが極め
て重要だと改めて思った。
アメリカの「未曽有の分断」というフレーズがいき交って久しい。それは
一面事実でもあるが、アメリカは建国の時に遡(さかのぼ)って「分断」
の国である。
1801年のトーマス・ジェファソンの大統領就任に至るまで議会で36回の投
票が必要だった。その後、南北戦争、大企業と独占禁止法、大恐慌、ベト
ナム戦争。アメリカを第一次、第二次大戦に参戦させるまでヨーロッパは
大変に苦労した。
実際のところ、「米ソ冷戦時代」以外にアメリカが「分断」の国でなかっ
たことはあったのだろうか?
安倍元総理逝去への反応一つをもって全てを論ずることはしないが、上述
のアメリカの特性を念頭に置いて、いざというときに日本の防衛に一丸と
なって初動も速いアメリカを確保するための常日頃からの同盟強化の心構
えと行動とがますます肝要になるだろう。
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身 辺 雑 記
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25日の東京湾岸は曇り。
渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。
元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。
仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。
兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。
渡部 亮次郎
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渡部 亮次郎