2018年09月18日

◆健康百話 「感染症の簡単な予防法」

大阪厚生年金病院 薬剤部


Q.近頃、感染に関係するニュースをよく耳にしますが、簡単な予防法を教えてください。

A.まず、 「消毒」ということについて考えましょう。
「消毒」とは、人の体に害を与える細菌などの微生物の数を十分に減らすか、それらがまったく生きていけない状態をつくることを言います。

消毒には、熱を加えてやっつけてしまう方法や、消毒薬などの薬を使ってやっつけてしまう方法があります。

どちらにしても、細菌などの微生物の数を十分に減らす事を一番の目的としています。
細菌などが原因で病気になってしまう(感染する)のは、体の中に入り込んだ細菌などの数が増えすぎて、ある量を超えてしまった時です。

つまり、細菌の数を減らしてさえしまえば感染を防ぐことができるということです。
風邪の予防に手洗いやうがいが効果的と言われるのは、流水によってウィルスや細菌を洗い流し、体の中に入ってくるそれらの量を減らしているからなのです。

同じように、すり傷などの軽いけがをしてしまったら、消毒薬による消毒も必要なのですが、まず流水を使ってこまめに傷を洗ってあげることが大切です。

この流水で傷を洗ってあげるということは、傷の中にいる細菌を水で流し出して菌の数を減らすことで、もっとも身近で簡単な感染を防ぐ方法なのです。(再掲)   

2018年09月04日

◆健康百話・「肝臓をいたわっていますか?」

片山 和宏(医師)



肝臓は、右のわき腹からみぞおちのあたりにある、重さが約1kgちょっとの臓器です。

心臓のように「どきどき」したり、お腹が空いた時の胃や腸のように「グーグー」鳴ることもありませんが、ただひたすら黙って体の他の臓器に栄養を送ったり、いらなくなったごみを捨てたりしていますので、家族で言えばまさに最近の若いお母さん達にはとても少なくなった昔の良妻賢母型のお母さんの役割を果たしています。

だからといって、あまり無理ばかりをさせていると、ご主人を見捨てて家出してしまうかもしれません。ですから、ご主人であるあなたが普段からちゃんといたわってあげる必要があるわけです。
 
基本的に肝臓は、少しくらい弱っていても自覚症状が出にくい臓器です。しかし、血液検査をすると、実はとても早くから「SOS」のサインを出していることが多いのが特徴です。

 「沈黙の臓器」として有名な、自覚症状の出にくい肝臓も、血液にはちゃんと気持ちを伝えているわけで、血液検査は肝臓の気持ちを察して上げられる重要な検査です。

 これから、どのようにいたわってあげればいいかとか、文句を言いたそうだけど、どのようにすれば早めに察してあげられるかなどについて、シリーズでご紹介していきたいと思います。

            大阪厚生年金病院 消化器担当 

2018年08月30日

◆介護保険のサービスとは

大阪厚生年金病院
 

介護保険で受けられるサービス内容についてお話します。

A;家に帰っても自分で掃除や洗濯をするのがつらいのですが・・・
Q;入浴や排泄のお世話、衣類やシーツの交換、通院の付き添い、掃除、洗濯、買い物、食事の準備など身の回りのお世話をヘルパーがしてくれる訪問介護というのがあります。

A;床ずれがあるんですが、その処置が私にはできません・・・
Q;医師の指示のもとに看護師が訪問し、床ずれの手当てや点滴の管理をする訪問看護があります。

A;家にお風呂がなくて祖父をお風呂に入れてあげることができません・・・
Q;家庭の入浴が難しい場合、移動入浴車が訪問して浴槽を提供し、入浴の介助をする訪問入浴介護や昼間施設に行き、食事や入浴のサービスを受ける通所介護(デイサービス)があります。

これは家族が介護できない場合など利用したり、外に出て人と交流したいとかレクレーションを楽しみたい人が受けるサービスです。

A;家族で数日でかけなければならなくなったのですがどうしたらいいでしょうか?
Q;福祉施設に短期間入所して食事・入浴・機能訓練が受けられる短期入所生活介護(福祉施設におけるショートステイ)があります。介護で疲れた場合も利用してみましょう。

A;家に帰って病院のようなベッドを利用したいのですが、購入できますか?
Q;介護保険でできます。購入もレンタルも可能です。夜間のトイレが心配な方には簡易トイレの購入や車椅子のレンタルもできます。

A;トイレやお風呂に手すりをつけたいのですが・・・
Q;転倒を防いだり、自立しやすい生活環境を整えるため、段差解消や手すりをつけたりする住宅改修の費用が支給されます。ただし、一生涯の利用限度額の決まりがあります。

これらの他にも訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・通所リハビリテーションといったサービスもありますので必要に応じて利用してみてください。

これらのサービスにかかる料金を介護度に応じた利用限度額の中でまかないます。

どんなサービスをどれくらい受けたいか、ケアーマネージャーとよく相談してプランを決めましょう。 

いかがですか?介護保険について少しおわかりいただけたでしょうか?なかなかなじみがないかもしれませんが、これらのサービスを利用して自宅の介護に役立て、少しでもご家族の介護の負担を少なくしていきましょう。(完)

2018年08月25日

◆健康百話・薬編 「水虫に勝つ!」・・・

大阪厚生年金病院 薬剤部


Q 再発させないためには?

A、薬を塗って治っても再び水虫になるというのは治療が不完全だったために、生き残った白癬菌が繁殖するからです。治ったと思って薬を塗るのをやめると、夏など足が蒸れる季節に水虫が再発します。

塗り薬を3〜4ヶ月間塗り続けると再発は減るようです。水虫は治らないとあきらめていませんか?一見正常に見えても皮膚の深部や爪に白癬菌は残っていることがよくあります。根気強く塗り薬を塗り続けてください。

 水虫は皮膚の浅いところで白癬菌という真菌(カビ)によって起こります。白癬菌は細胞壁という硬い殻に覆われているのでなかなか死にません。皮膚の浅いところに住み着いた白癬菌は適度に湿ったところの皮膚の古い角質を栄養にして育って生きているので塗り薬を塗るだけでなおります。

しかし、足の裏が硬くなったところの水虫や爪の水虫(爪白癬)は塗り薬がとどかないので飲み薬でなおします。塗り薬はドラッグストアで買えるものもありますが、飲み薬は病院で診療を受けないともらえません。

今までの水虫の塗り薬は1日に何回も塗らなければいけなかったのですが、最近は従来のものに比べ皮膚への浸透性がよくなり1日1回塗ればよいものが増えてきました。水虫になったら患部を清潔にし、薬を塗り、蒸れた靴を履かずに通気をよくしてください。

しばらくすると見た目には治ったように見えますが白癬菌はしぶといので途中でやめないで薬を塗り続けてください。塗り続ける目安は3〜4ヶ月間です。根気強さが水虫に勝つコツですね。(了)

2018年08月24日

◆「痴呆」から「認知症」へ

 向市 眞知


「ボケ」も「痴呆」もやはり不適切な呼び方だと思います。やはり「認知症」「認知障害」が、用語としては適切と思います。
 
<脳生理学によれば、脳の神経細胞は140億個というとんでもないたくさんの数だそうです。しかし、実際に働いているのは40億個だけ。脳は20歳頃に発達を終え、脳のピーク時の重量は1400gだそうです。20歳のピークを過ぎると、1日に10万個ずつ脳の神経細胞がダメになっていき、脳細胞の数は日に日に減少。
 
1日に10万個、1年365日で3650万個が失われていき、10年で3億6500万個が失われ、30年で約10億個が失われる計算になります。すなわち20歳で40億個働いていた脳の神経細胞が50歳で30億個になり、80歳で20億個になる。つまりピーク時の重量より100gも重量が減るのです。>

この話を知った時、物忘れがひどくなって当たり前と納得してしまいました。一生懸命考えても考える脳の量が減っているのだから、思い出せないし覚えられなくて当然と思ってしまいました。人の名前が出てこない、ふと用事を思いついて立ってみたものの「さて何をするつもりだったのか?」わからなくなってしまう。まさしく老化の入口なのでしょう。

しかし、「認知症」となるともっともっと記憶の障害が強くなるわけです。よく言われるように自分が朝ごはんを食べたことさえも忘れてしまう。とすれば、一瞬のうちに自分のしたことを忘れてしまうという、とてもつらい体験のなかで暮していることになります。
 
1週間前の記憶、昨日の記憶、今朝の記憶も忘れてしまう。自分のしたことを忘れて記憶していないということは、記憶喪失に近い感覚で、体験の積み重ねができないことになります。

すなわち毎日毎日新しい体験ばかりが自分に降りかかってくるという、緊張とストレスの連続の中で生きてゆかねばならないことになります。そんな認識の中で生きている高齢者の辛さをまずわかってあげてほしいと思います。

「認知症」の人が、それぞれの脳に残された能力の範囲で一生懸命に世界を認識しようとしている。私達からみればその世界が非現実的でまちがっている世界であっても、高齢者からすれば他に考えようのない現実なのです。それを頭から否定されたらどうしてよいかわからなくなって、混乱におちいってしまうことになります。
 
「認知症」の人への対応の奥義は「(相手を)説得するより(自分が)納得する」ことです。しかし、だんだんと世の中の決まりごとを超えた行動をとりはじめるのが、「認知症」や「精神科疾患」の特長です。客観的に見ればありえない話が患者さんを支配します。

もの取られ妄想とか、しっと妄想といわれる行動です。たとえば妻が「ここに置いてあった財布を知らないか?」と夫にたずねたとします。夫が「知らないよ。見なかったよ。」と答えます。

夫の答えに対して通常妻は「おかしいなあ、どこへ置いたのかなあ。」と自分の態度を修正するのです。しかし、「認知症」となると自分の態度が修正できません。夫の「知らない。見なかった」という答えに対して「おかしい?!私の財布をとったな?!かくしたな?!」と思い始めるのです。
 
今のところ「認知症」に対する効果的な治療は見つかっていません。まず周りの者が「認知症」を理解し、対処のしかたを身につけることが現実的な道です。そして、その対処の仕方を授けてくれるのが、医療や介護の専門家です。

「老人性認知症疾患センター」という相談機関があります。精神科のある総合病院などに設置されており、大阪全域の場合、9ヶ所の病院にあります。ここでは、「認知症」についての診断と、医療・福祉サービスの情報提供を行っています。まずしっかりと診断を受けないことには対処方法も立てられません。

介護保険をはじめ福祉サービスをうける場合も、入院や施設入所をする場合も、すべて医師の診断書がなければ利用できないことをご存知でしょうか。診療をうける必要を感じない「認知症」の本人を診察につれて行くことが最大の難関となります。もし高齢者に認知症状を疑われたら、本人の身体に関する訴えに注意しておきましょう。

「もの忘れがひどくなった」とか「夜ぐっすり眠れない」という症状は、案外本人も自覚しているものです。それを理由に「受診」をすすめてみましょう。最近は「精神科」という看板ではなく、「もの忘れ外来」という看板をあげている病院もふえてきています。

「おしっこの出が悪い」でも何でも構いません。ご本人の訴えをもとに医師に診てもらうチャンスを作り出してください。精神科でなくても内科系の開業医でも「認知症」の理解はあります。受診にこぎつければ、医師は検査や服薬をすすめてくれます。

「おかしい」と気付いた家族が、本人の診察の前か後かに医師へ本人の在宅の様子を伝えておけば医師は上手に診察をしてくれます。家族の方々も皆それぞれに生活があるのですから、その生活までもが脅かされる問題行動が続く場合には、施設の利用も考えていかざるを得な
いと思います。         (了)
             大阪厚生年金病院 ソーシャルワーカー

2018年08月16日

◆効果ある食べ物あれば「薬」不要?

大阪厚生年金病院 薬剤部

Q テレビで言っていた、病気に効果のある食べ物を食べていれば、病気の薬を飲まなくても大丈夫?

A う〜ん、それは、だめですね。

病気でお薬が必要といわれ、医師から薬を処方されている人は、食べ物だけでの完治は難しいですね。食べ物とお薬は同じ効果を示さないからです。
 
たとえば、胃潰瘍の場合を例にあげてみましょう。胃潰瘍の原因の1つとしてピロリ菌があります。胃の中にピロリ菌がいるといわれて除菌のお薬を飲んでいる方が、ピロリ菌に効果があるといわれるヨーグルトを食べてさえいれば薬は飲まなくてもいいのか?というと、答えはNOです。

予防的にヨーグルトを食べるのは、いいことだと思いますが、すでに医師からお薬での除菌が必要と言われている場合、ヨーグルトを食べるだけで胃潰瘍を治すのは難しいと思います。「ヨーグルトではお薬と同じだけの効果は期待できない」し、「食品はあくまでも食品」ですからね。きちんと、治療のためのお薬を飲むようにしましょう。


最近は健康ブームで、さまざまな食品の栄養についての特集があります。病気をお持ちの患者さんが興味を持つ気持ちはよくわかりますが、すべてを鵜呑みにしてお薬の治療をやめてしまうのでは、と心配になります。

「食品は副作用がない」「食品で病気が治るなら薬を飲まなくてもよい」と思いがちですが、自分の判断だけで、お薬を飲むのをやめてしまうのはよくありません。
 
また、テレビの情報は、一般的な話か、もしくは、ある特定の人だけの話と両極端なことが多いです。お薬は、個々の患者の病態に合わせて、医師は処方設計し、薬剤師は調剤していますが、テレビの場合はそうではありません。
 
テレビや雑誌で気になる記事があれば、「この前こんな話聞いたけど、自分にはどうかな」って、かかりつけの医師や薬剤師に気軽に聞いてみてください。(再掲)

2018年08月09日

◆「痴呆」から「認知症」へ

                         向市 眞知

有吉佐和子さんの小説「恍惚の人」でボケ老人が話題になって、何年が経つでしょうか。「ボケ」も「痴呆」もやはり不適切な呼び方だと思います。やはり「認知症」「認知障害」が、用語としては適切と思います。
 
<脳生理学によれば、脳の神経細胞は140億個というとんでもないたくさんの数だそうです。しかし、実際に働いているのは40億個だけ。脳は20歳頃に発達を終え、脳のピーク時の重量は1400gだそうです。20歳のピークを過ぎると、1日に10万個ずつ脳の神経細胞がダメになっていき、脳細胞の数は日に日に減少。
 
1日に10万個、1年365日で3650万個が失われていき、10年で3億6500万個が失われ、30年で約10億個が失われる計算になります。すなわち20歳で40億個働いていた脳の神経細胞が50歳で30億個になり、80歳で20億個になる。つまりピーク時の重量より100gも重量が減るのです。>

この話を知った時、物忘れがひどくなって当たり前と納得してしまいました。一生懸命考えても考える脳の量が減っているのだから、思い出せないし覚えられなくて当然と思ってしまいました。人の名前が出てこない、ふと用事を思いついて立ってみたものの「さて何をするつもりだったのか?」わからなくなってしまう。まさしく老化の入口なのでしょう。

しかし、「認知症」となるともっともっと記憶の障害が強くなるわけです。よく言われるように自分が朝ごはんを食べたことさえも忘れてしまう。とすれば、一瞬のうちに自分のしたことを忘れてしまうという、とてもつらい体験のなかで暮していることになります。
 
1週間前の記憶、昨日の記憶、今朝の記憶も忘れてしまう。自分のしたことを忘れて記憶していないということは、記憶喪失に近い感覚で、体験の積み重ねができないことになります。

すなわち毎日毎日新しい体験ばかりが自分に降りかかってくるという、緊張とストレスの連続の中で生きてゆかねばならないことになります。そんな認識の中で生きている高齢者の辛さをまずわかってあげてほしいと思います。

「認知症」の人が、それぞれの脳に残された能力の範囲で一生懸命に世界を認識しようとしている。私達からみればその世界が非現実的でまちがっている世界であっても、高齢者からすれば他に考えようのない現実なのです。それを頭から否定されたらどうしてよいかわからなくなって、混乱におちいってしまうことになります。
 
「認知症」の人への対応の奥義は「(相手を)説得するより(自分が)納得する」ことです。しかし、だんだんと世の中の決まりごとを超えた行動をとりはじめるのが、「認知症」や「精神科疾患」の特長です。客観的に見ればありえない話が患者さんを支配します。

もの取られ妄想とか、しっと妄想といわれる行動です。たとえば妻が「ここに置いてあった財布を知らないか?」と夫にたずねたとします。夫が「知らないよ。見なかったよ。」と答えます。

夫の答えに対して通常妻は「おかしいなあ、どこへ置いたのかなあ。」と自分の態度を修正するのです。しかし、「認知症」となると自分の態度が修正できません。夫の「知らない。見なかった」という答えに対して「おかしい?!私の財布をとったな?!かくしたな?!」と思い始めるのです。
 
今のところ「認知症」に対する効果的な治療は見つかっていません。まず周りの者が「認知症」を理解し、対処のしかたを身につけることが現実的な道です。そして、その対処の仕方を授けてくれるのが、医療や介護の専門家です。

「老人性認知症疾患センター」という相談機関があります。精神科のある総合病院などに設置されており、大阪全域の場合、9ヶ所の病院にあります。ここでは、「認知症」についての診断と、医療・福祉サービスの情報提供を行っています。まずしっかりと診断を受けないことには対処方法も立てられません。

介護保険をはじめ福祉サービスをうける場合も、入院や施設入所をする場合も、すべて医師の診断書がなければ利用できないことをご存知でしょうか。診療をうける必要を感じない「認知症」の本人を診察につれて行くことが最大の難関となります。もし高齢者に認知症状を疑われたら、本人の身体に関する訴えに注意しておきましょう。

「もの忘れがひどくなった」とか「夜ぐっすり眠れない」という症状は、案外本人も自覚しているものです。それを理由に「受診」をすすめてみましょう。最近は「精神科」という看板ではなく、「もの忘れ外来」という看板をあげている病院もふえてきています。

「おしっこの出が悪い」でも何でも構いません。ご本人の訴えをもとに医師に診てもらうチャンスを作り出してください。精神科でなくても内科系の開業医でも「認知症」の理解はあります。受診にこぎつければ、医師は検査や服薬をすすめてくれます。

「おかしい」と気付いた家族が、本人の診察の前か後かに医師へ本人の在宅の様子を伝えておけば医師は上手に診察をしてくれます。家族の方々も皆それぞれに生活があるのですから、その生活までもが脅かされる問題行動が続く場合には、施設の利用も考えていかざるを得な
いと思います。         (了)
             大阪厚生年金病院 ソーシャルワーカー

2018年08月04日

◆介護保険の知識―福祉用具編

      大阪厚生年金病院 看護師

 
今回は介護保険を使って手に入れることのできる福祉用具についてお話をします。

約4,400種類の福祉用具の中から、自分に合う機種を選べることになっています。在宅生活の自立を支援するためや、介護力の軽減のために使われるもので、よくみかけるものでは、車イスや歩行器があります。

また、脳梗塞で半身マヒの残った患者さんが退院される場合には、三種の神器ではありませんが、電動ギャッジベッドとポータブルトイレ、車イスの三種をセットで準備することが多いものです。

また、整形外科で股・膝関節の手術をうけられた患者さん方には、入浴時のシャワーイスや、風呂場の手すりの準備が必要となります。

介護保険の福祉用具には、貸与(レンタル)で利用するものと、購入して利用するものの2つのタイプに分かれます。腰掛便座(ポータブルトイレ)や特殊尿器、入浴補助用具などは直接肌に触れるものですから貸与(レンタル)にはなじみません。これらは自分専用のものを購入することになります。

たとえばお風呂で使うシャワーイスの値段は15,000円くらいしますが、介護保険ではその1割の1,500円の負担で手に入れることができます。ポータブルトイレも1万円前後のものから家具調のもので5万円くらいするものまでありますが、その1割の1,000円〜5,000円で購入できます。

介護保険では4月から翌年の3月までの1年間に合計10万円までの福祉用具が購入できます。

 福祉用具貸与(レンタル)で利用できるものは、車イス、電動車イス、特殊寝台(電動ギャッジベッド)、床ずれ予防用具(エアマット)、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープなどです。

たとえば車イスが500円、電動ベッドが1200円、電動車イスが2,000円、エアマットが600円程度の月額料金でレンタルができます。これらは介護度にもとづく利用限度額内でレンタルすることになります。
 
他人が使用したものを使いたくないとダダをこねる方もおられますが、レンタル終了時にはきちんと法に定められた消毒方法が実施されています。しかし考えようによっては、この貸与(レンタル)が案外と重宝することがあるのです。

図体の大きいギャッジベッドや車イスなどを購入しますと、不要になった時に始末に困ります。しかし、貸与(レンタル)であれば不要となればケアマネージャーに頼めばすぐに引き上げてもらえます。それから、新しい機能のついた新機種が出た時に、借り換えがすぐに出来ることも重宝です。

電動ギャッジベッドを購入しますと25万円くらいしますが、新機種がでたからといって簡単には買い換える決心はつかないと思います。

しかし、貸与(レンタル)であればケアマネージャーに頼んでケアプランの立てなおしを頼み、翌月から新機種を導入してもらえば済むことです。身体の回復具合にあわせて機種を変更してゆけるという長所を考えていただければ、貸与(レンタル)というのも利点だと思えます。毎年新しい機種が介護保険の福祉用具に認められてきています。

ポータブルトイレにもウォシュレット機能のついたものや、温風便座機能のついたものが新しく認められました。ポータブルトイレはレンタルではなく福祉用具の購入となります。

先ほど述べたように購入は毎年1年間(4月〜翌3月)に10万円が福祉用具を購入できると決められています。

ということは翌年の4月になれば10万円分の新たな購入が可能になるということです。新しい機能のついたポータブルトイレに切り換えたければ、翌年4月まで待って、ケアプランに新たに新機種の購入をあげれば利用が可能となります。



2018年07月27日

◆効果のある「食べ物」あれば「薬」は不要?

 大阪厚生年金病院 薬剤部


Q テレビで言っていた、病気に効果のある食べ物を食べていれば、病気の薬を飲まなくても大丈夫?

A う〜ん、それは、だめですね。
 病気でお薬が必要といわれ、医師から薬を処方されている人は、食べ物だけでの完治は難しいですね。食べ物とお薬は同じ効果を示さないからです。
 
たとえば、胃潰瘍の場合を例にあげてみましょう。胃潰瘍の原因の1つとしてピロリ菌があります。胃の中にピロリ菌がいるといわれて除菌のお薬を飲んでいる方が、ピロリ菌に効果があるといわれるヨーグルトを食べてさえいれば薬は飲まなくてもいいのか?というと、答えはNOです。

 予防的にヨーグルトを食べるのは、いいことだと思いますが、すでに医師からお薬での除菌が必要と言われている場合、ヨーグルトを食べるだけで胃潰瘍を治すのは難しいと思います。「ヨーグルトではお薬と同じだけの効果は期待できない」し、「食品はあくまでも食品」ですからね。きちんと、治療のためのお薬を飲むようにしましょう。


最近は健康ブームで、さまざまな食品の栄養についての特集があります。病気をお持ちの患者さんが興味を持つ気持ちはよくわかりますが、すべてを鵜呑みにしてお薬の治療をやめてしまうのでは、と心配になります。
「食品は副作用がない」「食品で病気が治るなら薬を飲まなくてもよい」と思いがちですが、自分の判断だけで、お薬を飲むのをやめてしまうのはよくありません。
 
また、テレビの情報は、一般的な話か、もしくは、ある特定の人だけの話と両極端なことが多いです。お薬は、個々の患者様の病態に合わせて、医師は処方設計し、薬剤師は調剤していますが、テレビの場合はそうではありません。
 
テレビや雑誌で気になる記事があれば、「この前こんな話聞いたけど、自分にはどうかな」って、かかりつけの医師や薬剤師に気軽に聞いてみてください。

2018年07月26日

◆飲んだら乗るな 乗るなら飲むなは酒だけではない

〜睡眠薬でもないのに、眠くなったり、意識が薄れるくすり〜

大阪厚生年金病院薬剤部 


「酒は百薬の長」とか「酒をのめばみんな友達」とか言って飲む「お酒」は人生を楽しく豊かな気分にしてくれます。

しかしいざ今宵も、と酒を酌み交わそうとした時、「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」と標語が頭の中を駆け巡ると、車に乗ってきたときは,
飲む訳にはいきませんね。最近では法律が変わって「酒酔い運転は運転者だけでなく同乗者も」みんな捕まってしまいます。罰金は高いそうです。

法律には書いてありませんが、実は薬にも「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」というくすりがあるのです。睡眠薬はもちろんですが、ある抗生物質にはまれですが、「飲んだ後、突然意識が消失して車で事故った・・」と言う報告もあって、くすりの説明書には「意識消失・・があらわれることがあるので自動車の運転に従事させないこと・・・」などの記載がしてあります。

また、風邪薬やアレルギーを抑えるくすりは殆どが「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」の類の薬で、注意が必要です。

薬局で貰うくすりには必ず「くすりの説明書」が付いてきますので、飲んでいる薬は「大丈夫かな?」と一度は確認してみましょう。

説明書の中身は注意事項が多いし、文字も小さくて読みにくいかもしれません。そんなときは『分かりにくいし、字も小さくて読めないぞ。』と、薬剤師に説明を求めてください。

真面目で四角い薬剤師ですが、きっと頼りになります。

2018年07月16日

◆健康百話・「睡眠薬はくせになる?」

大阪厚生年金病院 薬剤部

Q.夜、布団に入ってもなかなか眠れません。睡眠薬を勧められましたが,睡眠薬は飲み始めると癖になってやめられなくなることが心配です。飲んでも大丈夫でしょうか?

A.睡眠薬といえば、「やめられなくなる」、「大量に飲むと死んでしまう」などという怖いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
確かに昔の睡眠薬ではそのようなこともありましたが、最近の睡眠薬ではそのような心配はほとんどありませんので安心してください。

ただし、継続して睡眠薬をのんでいる場合、眠れるようになったからといって、突然飲まなくなると、かえって眠れなくなってしまいます。自分の判断で服用を中止するのではなく、必ず医師・薬剤師に相談することが大切です。

また、「ぬるめのお湯でゆっくりとお風呂にはいる」、「寝る前のコーヒーや紅茶を控える」といったことでも不眠を改善できることがありますので一度ためしてみてください。(完)

2018年07月12日

◆飲んだら乗るな 乗るなら飲むなは酒だけではない

〜睡眠薬でもないのに、眠くなったり、意識が薄れるくすり〜

大阪厚生年金病院薬剤部 

「酒は百薬の長」とか「酒をのめばみんな友達」とか言って飲む「お酒」は人生を楽しく豊かな気分にしてくれます。

しかしいざ今宵も、と酒を酌み交わそうとした時、「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」と標語が頭の中を駆け巡ると、車に乗ってきたときは,
飲む訳にはいきませんね。最近では法律が変わって「酒酔い運転は運転者だけでなく同乗者も」みんな捕まってしまいます。罰金は高いそうです。

法律には書いてありませんが、実は薬にも「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」というくすりがあるのです。睡眠薬はもちろんですが、ある抗生物質にはまれですが、「飲んだ後、突然意識が消失して車で事故った・・」と言う報告もあって、くすりの説明書には「意識消失・・があらわれることがあるので自動車の運転に従事させないこと・・・」などの記載がしてあります。

また、風邪薬やアレルギーを抑えるくすりは殆どが「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」の類の薬で、注意が必要です。

薬局で貰うくすりには必ず「くすりの説明書」が付いてきますので、飲んでいる薬は「大丈夫かな?」と一度は確認してみましょう。

説明書の中身は注意事項が多いし、文字も小さくて読みにくいかもしれません。そんなときは『分かりにくいし、字も小さくて読めないぞ。』と、薬剤師に説明を求めてください。

真面目で四角い薬剤師ですが、きっと頼りになります。
     

2018年07月06日

◆介護保険の知識―福祉用具編

      大阪厚生年金病院 看護師

 
今回は介護保険を使って手に入れることのできる福祉用具についてお話をします。

約4,400種類の福祉用具の中から、自分に合う機種を選べることになっています。在宅生活の自立を支援するためや、介護力の軽減のために使われるもので、よくみかけるものでは、車イスや歩行器があります。

また、脳梗塞で半身マヒの残った患者さんが退院される場合には、三種の神器ではありませんが、電動ギャッジベッドとポータブルトイレ、車イスの三種をセットで準備することが多いものです。

また、整形外科で股・膝関節の手術をうけられた患者さん方には、入浴時のシャワーイスや、風呂場の手すりの準備が必要となります。

介護保険の福祉用具には、貸与(レンタル)で利用するものと、購入して利用するものの2つのタイプに分かれます。腰掛便座(ポータブルトイレ)や特殊尿器、入浴補助用具などは直接肌に触れるものですから貸与(レンタル)にはなじみません。これらは自分専用のものを購入することになります。

たとえばお風呂で使うシャワーイスの値段は15,000円くらいしますが、介護保険ではその1割の1,500円の負担で手に入れることができます。ポータブルトイレも1万円前後のものから家具調のもので5万円くらいするものまでありますが、その1割の1,000円〜5,000円で購入できます。

介護保険では4月から翌年の3月までの1年間に合計10万円までの福祉用具が購入できます。

 福祉用具貸与(レンタル)で利用できるものは、車イス、電動車イス、特殊寝台(電動ギャッジベッド)、床ずれ予防用具(エアマット)、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープなどです。

たとえば車イスが500円、電動ベッドが1200円、電動車イスが2,000円、エアマットが600円程度の月額料金でレンタルができます。これらは介護度にもとづく利用限度額内でレンタルすることになります。
 
他人が使用したものを使いたくないとダダをこねる方もおられますが、レンタル終了時にはきちんと法に定められた消毒方法が実施されています。しかし考えようによっては、この貸与(レンタル)が案外と重宝することがあるのです。

図体の大きいギャッジベッドや車イスなどを購入しますと、不要になった時に始末に困ります。しかし、貸与(レンタル)であれば不要となればケアマネージャーに頼めばすぐに引き上げてもらえます。それから、新しい機能のついた新機種が出た時に、借り換えがすぐに出来ることも重宝です。

電動ギャッジベッドを購入しますと25万円くらいしますが、新機種がでたからといって簡単には買い換える決心はつかないと思います。

しかし、貸与(レンタル)であればケアマネージャーに頼んでケアプランの立てなおしを頼み、翌月から新機種を導入してもらえば済むことです。身体の回復具合にあわせて機種を変更してゆけるという長所を考えていただければ、貸与(レンタル)というのも利点だと思えます。毎年新しい機種が介護保険の福祉用具に認められてきています。

ポータブルトイレにもウォシュレット機能のついたものや、温風便座機能のついたものが新しく認められました。ポータブルトイレはレンタルではなく福祉用具の購入となります。

先ほど述べたように購入は毎年1年間(4月〜翌3月)に10万円が福祉用具を購入できると決められています。

ということは翌年の4月になれば10万円分の新たな購入が可能になるということです。新しい機能のついたポータブルトイレに切り換えたければ、翌年4月まで待って、ケアプランに新たに新機種の購入をあげれば利用が可能となります。

ケアマネージャーさんは、これらの新情報についてはいち早く手に入れておられますから、ケアマネージャーさんとはいつも話せる状況をつくっておかれることが大切です。