2019年07月21日

◆リハビリって、再び生きること

向市 眞知 (ソーシャルワーカー)


「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。


医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。


病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろっています。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。医師が「リハビリ」という用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによる訓練をさすだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、という意味を含んでいる場合が多いのです。


しかし、患者様、家族様のほうは、リハビリは療法士がするものと思い込んでいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少ない」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分から180分です。


「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは何の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安心感の意味しかありません。


いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたといっても、患者本人が「リハビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わってしまいます。マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって身体を動かさなければもとのもくあみです。


しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしなければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者様に訓練は意味をなしません。まずは声を出してみよう、話してみようという気持ちになるように心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始められると聞きました。


このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはりリハビリも療法士と患者様の協同作業です。療法士さんの訓練の20分が終われば、患者様自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやってみることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えてもらい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことがリハビリの道のりなのです。


療法士さんまかせにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、それを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っています。


2006年4月の診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が疾病により90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなればリハビリを打ち切らざるをえません。

患者様も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできないでしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院しても自宅でもリハビリを続けていくいきごみが大切です。

2019年07月17日

◆リハビリって何?

向市 眞知 


「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとても曲者なのです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利にしかも安易に使ってしまいます。

医師は最後の医療としてリハビリに望みをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。

リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。

病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろっています。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。

医師が「リハビリ」という用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによる訓練を指すだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、という意味を含んでいる場合が多いのです。

しかし、患者、家族の方はリハビリは療法士がするものと思い込んでいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少ない」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分から180分です。

「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは、何の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安心感の意味しかありません。

いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたからといって、患者本人が「リハビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わってしまいます。

マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって身体を動かさなければもとの木阿弥です。

しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしなければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者に訓練は意味を為しません。まずは声を出してみよう、話してみようという気持ちになるように、心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始められると聞きました。

このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはりリハビリも療法士と患者の協同作業なのです。

療法士さんの訓練の20分が終われば、患者自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやってみることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えてもらい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことがリハビリの道のりなのです。

療法士さん任せにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、それを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っています。

診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が、疾病により90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなれば、リハビリを打ち切らざるをえません。

患者も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできないでしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院してからも自宅でリハビリを続けていく意気込みが大切です。
                                  (ソーシャルワーカー)

2019年07月11日

◆「認知症」には「散歩」が効果

向市 眞知


以前、住友病院神経内科先生の「認知症」の講演が、「こんな症状があったら要注意!」という話から始まり、下記の11の指摘がありました。

1、同じことを何度も言ったり聞いたりする
2、ものの名前が出てこない
3、置き忘れやしまい忘れが目立つ
4、時間、日付、場所の感覚が不確かになった
5、病院からもらった薬の管理ができなくなった

6、以前はあった関心や興味が失われた
7、水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
8、財布を盗まれたといって騒ぐ
9、複雑なテレビドラマの内容が理解できない
10、計算のまちがいが多くなった
11、ささいなことで怒りっぽくなった

「これらがいくつかあったり、半年以上続いている時は、専門病院へ行きましょう」といわれました。

私自身、同じことを言ったり、物の名前が出てこなかったり、置き忘れやささいな事で怒りっぽくなったなあと思い当たるフシがいくつもありました。専門診療の対象といわれてしまうと本当にショックです。

「認知症」というと周りの人に迷惑をかけてしまう問題行動がクローズアップして、その印象が強いのですが、新しいことが覚えられない記憶障害もそうです。また、やる気がおこらない意欲の低下もそうですし、ものごとを考える思考力や判断する力、そして手順よくし処理する実行力の低下も「認知症」の症状です。

「認知症高齢者」のかた自身の不安は、時間や場所がわからなくなったり、体験そのものを忘れていく中で暮らしているのですから、自分以外の外界のすべてが不安要因になってしまうのです。

ご本人は真剣に外界を理解しようとしているのですが、家族は「ボケ」「痴呆」ということばの印象から、「認知症だからわからないだろう、理解できないだろう」と思い込んでいる例が多くみられます。
 
診察室でなんとご本人を目の前にして「認知症高齢者」の失態を平気でドクターに訴えたり、「母さんがボケてしまって」とはばかりもなく言ってしまったりします。

その瞬間に、ご本人はその家族に対してまた不安をつのらせてしまいます。また話を向けられたドクターも、ご本人を前にしてウンウンとうなづくべきか、ほんとうは困っているのです。

うなづけば家族は安心しますが、ご本人はドクターへの信頼感をなくしてしまいます。

よく「まだらボケ」とか言いますが、「正気の時もあるからやっかいだ」と表現されるご家族もあります。しかしそれは逆で、やっかいと考えるのではなく正気の部分があるのならその正気の部分を生かして日常生活を維持するようにしむけてみませんか。
 
「認知症」があっても、くりかえし続けている一定の日常生活はできるはずです。老年期以前の過去の生活を思い出させてあげると、高齢者は自分の価値を再発見し、意欲も湧いてくるとききました。

高齢者にとって脳機能の低下だけではなく、視覚や聴覚、味覚や嗅覚などの感覚もおとろえてきていることを理解してあげてください。

すべてを「認知症」の一言でかたづけてしまわないで下さい。見えやすくする、聞こえやすくするというような場面の工夫で問題行動が小さくなることもあります。
 
「認知症だからわからないだろう」と思い込むのは大まちがいです。「言ってもしかたない」と決めつけるのは悪循環です。「認知症」の方の感じる外界への不安を考えると、情報が遮断されると余計に不安が大きくなります。

どしどし情報を与えることが不安の軽減につながります。そのために外出しましょう。

「認知症」には「散歩」の効果があります。外界の空気は聴覚、視覚、嗅覚への刺激になり、脳の活性化につながります。
                       医療ソーシャルワーカー

2019年06月22日

◆納豆と相性の悪いくすりの話

大阪厚生年金病院 薬剤部


 〜ワルファリンカリウムという血栓予防薬を服用中の方へ〜

地震や津波、洪水など突然襲ってくる甚大な自然災害は、水道やガス、電気などのライフラインを寸断し人々の生活を麻痺させてしまいますが、人の健康もある日突然血管が詰まると健康維持に必要な栄養や酸素などのライフラインが寸断されその先の機能が止まってしまいます。
 
突然意識を失いその場に倒れてしまった経験のある方で、医師から「脳梗塞」と診断された方もおられるかと思います。 脳の血管を血液の塊(かたまり)が塞いでしまってその先に血液が流れなくなってしまったのです。
 
これを予防し血液をサラサラにするくすりのひとつに「ワルファリンカリウム」という薬があります。 服用されている方も多いかと思います。

もともと人間の身体は怪我や手術などで出血したとき、血液を固めて出血を止める仕組みがありますが、その仕組みの一つに「ビタミンK」が関与する部分があります。
 
ワルファリンカリウムはこの「ビタミンK」が関与する部分を阻害することによって血液が固まるのを予防します。
 

さて、ここで納豆の登場です。 納豆の納豆菌は腸の中で「ビタミンK」を作り出します。「ビタミンK」は血液を固まらせる時に必要なビタミンですから多く生産されると、ワルファリンカリウムの効果を弱めてしまいます。
 
そのため、くすりの説明書には「納豆はワルファリンカリウムの作用を減弱するので避けることが望ましい」と書かれているのです。
 
納豆は栄養もあって健康に良い食品ですが、飲んでいるくすりによっては食べないほうが良いこともあります。 好きなものを我慢するのは“なっと〜くできない”向きもあるかと思いますが、ワルファリンカリウムを服用中の方にとって納豆は危険因子ですのでご注意ください。
 
納豆のほかにも、ビタミンKの多い「クロレラ食品」や「青汁」などもひかえましょう。

 追記: ワルファリンカリウムのくすりには「ワーファリン錠」や「ワルファリンカリウム錠」他があります。

2019年06月18日

◆認知症には「散歩」が効果

向市 眞知


以前、住友病院神経内科先生の「認知症」の講演を聴きに行きました。その時、「こんな症状があったら要注意!」という話から始まり、下記の11の指摘がありました。

1、同じことを何度も言ったり聞いたりする
2、ものの名前が出てこない
3、置き忘れやしまい忘れが目立つ
4、時間、日付、場所の感覚が不確かになった
5、病院からもらった薬の管理ができなくなった

6、以前はあった関心や興味が失われた
7、水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
8、財布を盗まれたといって騒ぐ
9、複雑なテレビドラマの内容が理解できない
10、計算のまちがいが多くなった
11、ささいなことで怒りっぽくなった

「これらがいくつかあったり、半年以上続いている時は、専門病院へ行きましょう」といわれました。

私自身、同じことを言ったり、物の名前が出てこなかったり、置き忘れやささいな事で怒りっぽくなったなあと思い当たるフシがいくつもありました。専門診療の対象といわれてしまうと本当にショックです。

「認知症」というと周りの人に迷惑をかけてしまう問題行動がクローズアップして、その印象が強いのですが、新しいことが覚えられない記憶障害もそうです。また、やる気がおこらない意欲の低下もそうですし、ものごとを考える思考力や判断する力、そして手順よくし処理する実行力の低下も「認知症」の症状です。

「認知症高齢者」のかた自身の不安は、時間や場所がわからなくなったり、体験そのものを忘れていく中で暮らしているのですから、自分以外の外界のすべてが不安要因になってしまうのです。

ご本人は真剣に外界を理解しようとしているのですが、家族は「ボケ」「痴呆」ということばの印象から、「認知症だからわからないだろう、理解できないだろう」と思い込んでいる例が多くみられます。
 
診察室でなんとご本人を目の前にして「認知症高齢者」の失態を平気でドクターに訴えたり、「母さんがボケてしまって」とはばかりもなく言ってしまったりします。

その瞬間に、ご本人はその家族に対してまた不安をつのらせてしまいます。また話を向けられたドクターも、ご本人を前にしてウンウンとうなづくべきか、ほんとうは困っているのです。

うなづけば家族は安心しますが、ご本人はドクターへの信頼感をなくしてしまいます。

よく「まだらボケ」とか言いますが、「正気の時もあるからやっかいだ」と表現されるご家族もあります。しかしそれは逆で、やっかいと考えるのではなく正気の部分があるのならその正気の部分を生かして日常生活を維持するようにしむけてみませんか。
 
「認知症」があっても、くりかえし続けている一定の日常生活はできるはずです。老年期以前の過去の生活を思い出させてあげると、高齢者は自分の価値を再発見し、意欲も湧いてくるとききました。

高齢者にとって脳機能の低下だけではなく、視覚や聴覚、味覚や嗅覚などの感覚もおとろえてきていることを理解してあげてください。

すべてを「認知症」の一言でかたづけてしまわないで下さい。見えやすくする、聞こえやすくするというような場面の工夫で問題行動が小さくなることもあります。
 
「認知症だからわからないだろう」と思い込むのは大まちがいです。「言ってもしかたない」と決めつけるのは悪循環です。「認知症」の方の感じる外界への不安を考えると、情報が遮断されると余計に不安が大きくなります。

どしどし情報を与えることが不安の軽減につながります。そのために外出しましょう。

「認知症」には「散歩」の効果があります。外界の空気は聴覚、視覚、嗅覚への刺激になり、脳の活性化につながります。
                       医療ソーシャルワーカー

2019年06月16日

◆リハビリって、再び生きること

                          向市 眞知  ソーシャルワーカー

「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。

医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。

病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろっています。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。医師が「リハビリ」という用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによる訓練をさすだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、という意味を含んでいる場合が多いのです。

しかし、患者様、家族様のほうはリハビリは療法士がするものと思い込んでいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少ない」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分から180分です。

「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは何の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安心感の意味しかありません。

いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたといっても、患者本人が「リハビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わってしまいます。マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって身体を動かさなければもとのもくあみです。

しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしなければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者様に訓練は意味をなしません。まずは声を出してみよう、話してみようという気持ちになるように心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始められると聞きました。

このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはりリハビリも療法士と患者様の協同作業です。療法士さんの訓練の20分が終われば、患者様自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやってみることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えてもらい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことがリハビリの道のりなのです。

療法士さんまかせにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、それを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っています。2006年4月の診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が疾病により90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなればリハビリを打ち切らざるをえません。

患者様も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできないでしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院しても自宅でもリハビリを続けていくいきごみが大切です。

大阪厚生年金病院・ソーシャルワーカー

2019年06月12日

◆健康百話 「感染症の簡単な予防法」

大阪厚生年金病院 薬剤部

Q.近頃、感染に関係するニュースをよく耳にしますが、簡単な予防法を教えてください。

A.まず、 「消毒」ということについて考えましょう。
「消毒」とは、人の体に害を与える細菌などの微生物の数を十分に減らすか、それらがまったく生きていけない状態をつくることを言います。

消毒には、熱を加えてやっつけてしまう方法や、消毒薬などの薬を使ってやっつけてしまう方法があります。

どちらにしても、細菌などの微生物の数を十分に減らす事を一番の目的としています。
細菌などが原因で病気になってしまう(感染する)のは、体の中に入り込んだ細菌などの数が増えすぎて、ある量を超えてしまった時です。

つまり、細菌の数を減らしてさえしまえば感染を防ぐことができるということです。
風邪の予防に手洗いやうがいが効果的と言われるのは、流水によってウィルスや細菌を洗い流し、体の中に入ってくるそれらの量を減らしているからなのです。

同じように、すり傷などの軽いけがをしてしまったら、消毒薬による消毒も必要なのですが、まず流水を使ってこまめに傷を洗ってあげることが大切です。

この流水で傷を洗ってあげるということは、傷の中にいる細菌を水で流し出して菌の数を減らすことで、もっとも身近で簡単な感染を防ぐ方法なのです。(再掲)   

2019年06月01日

◆納豆と相性の悪いくすりの話

大阪厚生年金病院 薬剤部

 〜ワルファリンカリウムという血栓予防薬を服用中の方へ〜

地震や津波、洪水など突然襲ってくる甚大な自然災害は、水道やガス、電気などのライフラインを寸断し人々の生活を麻痺させてしまいますが、人の健康もある日突然血管が詰まると健康維持に必要な栄養や酸素などのライフラインが寸断されその先の機能が止まってしまいます。
 
突然意識を失いその場に倒れてしまった経験のある方で、医師から「脳梗塞」と診断された方もおられるかと思います。 脳の血管を血液の塊(かたまり)が塞いでしまってその先に血液が流れなくなってしまったのです。
 
これを予防し血液をサラサラにするくすりのひとつに「ワルファリンカリウム」という薬があります。 服用されている方も多いかと思います。

もともと人間の身体は怪我や手術などで出血したとき、血液を固めて出血を止める仕組みがありますが、その仕組みの一つに「ビタミンK」が関与する部分があります。
 
ワルファリンカリウムはこの「ビタミンK」が関与する部分を阻害することによって血液が固まるのを予防します。
 

さて、ここで納豆の登場です。 納豆の納豆菌は腸の中で「ビタミンK」を作り出します。「ビタミンK」は血液を固まらせる時に必要なビタミンですから多く生産されると、ワルファリンカリウムの効果を弱めてしまいます。
 
そのため、くすりの説明書には「納豆はワルファリンカリウム
の作用を減弱するので避けることが望ましい」と書かれている
のです。
 
納豆は栄養もあって健康に良い食品ですが、飲んでいるくすりによっては食べないほうが良いこともあります。 好きなものを我慢するのは“なっと〜くできない”向きもあるかと思いますが、ワルファリンカリウムを服用中の方にとって納豆は危険因子ですのでご注意ください。
 
納豆のほかにも、ビタミンKの多い「クロレラ食品」や「青汁」などもひかえましょう。

 追記: ワルファリンカリウムのくすりには「ワーファリン錠」や「ワルファリンカリウム錠」他があります。

2019年05月08日

◆健康百話 点滴で自宅治療(後編)

寺内 孝子(看護師)

点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

今回は関わった方の事例にあげて、私達の仕事を紹介します。

Aさんは80歳すぎの女性です。「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることになりました。入院中やっと手押し車で歩ける程度に回復されましたが、自分で点滴の管理する事が難しく、同居されている娘さんの手助けが必要でした。

そこで娘さんを中心にお話を進め、まず介護保険の申請をしてもらいました。介護保険の認定がおりるまでには1ヶ月以上かかりますが、サービスが使えなければ自宅に帰ることができません。そこで前倒しという方法を使い、サービスを利用できるようにしました。

娘さんはしっかりされた方でしたが、「在宅中心静脈栄養法」をするには、訪問看護師に定期的に手技の確認や異常がないかを見てもらう「訪問看護」を利用するほうが安心できます。

また自宅から今の病院は遠く、何かあった時にすぐ相談でき、定期的に診察に来てもらえる「かかりつけ医」があったほうが、さらに安心できます。

トイレには手すりもないので立ち上がるために手すりをつけてもらうことやポータブルトイレ・介護ベッドも必要でした。そこで自宅から近いかかりつけの医・訪問看護師・ケアマネージャーをいくつか紹介し、家族の方に選んでもらいました。
              (大阪厚生年金病院 看護師)

2019年05月07日

◆点滴で自宅治療 (前篇)

寺内 孝子(看護師)

点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

今回は関わった方の事例にあげて、私達の仕事を紹介します。

Aさんは80歳すぎの女性です。「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることになりました。入院中やっと手押し車で歩ける程度に回復されましたが、自分で点滴の管理する事が難しく、同居されている娘さんの手助けが必要でした。

そこで娘さんを中心にお話を進め、まず介護保険の申請をしてもらいました。介護保険の認定がおりるまでには1ヶ月以上かかりますが、サービスが使えなければ自宅に帰ることができません。そこで前倒しという方法を使い、サービスを利用できるようにしました。

娘さんはしっかりされた方でしたが、「在宅中心静脈栄養法」をするには、訪問看護師に定期的に手技の確認や異常がないかを見てもらう「訪問看護」を利用するほうが安心できます。

また自宅から今の病院は遠く、何かあった時にすぐ相談でき、定期的に診察に来てもらえる「かかりつけ医」があったほうが、さらに安心できます。

トイレには手すりもないので立ち上がるために手すりをつけてもらうことやポータブルトイレ・介護ベッドも必要でした。そこで自宅から近いかかりつけの医・訪問看護師・ケアマネージャーをいくつか紹介し、家族の方に選んでもらいました。(つづく)

2019年05月06日

◆お薬 Q&A

大阪厚生年金病院 薬剤部


・お薬について

ご注意! うっかりが事故のもと

お薬を服用される皆様へ

錠剤の取出し方

おくすりは、包装シートから取り出してお飲みください。うっかりと包装シートのまま飲んでしまうと、のどや食道などを傷つけて大変なことになります。

幼児、高齢者の方が服用されるときは、保護者、介護者などの方がご注意ください。

こんなことはありませんでしたか?

以前使用した薬や注射でショックや蕁麻疹など副作用を経験されたことはありませんか?

このような経験をされた方は、その時の薬の名前を医師に伝えてください。


お薬について(飲み合わせ)

診察の時。「今、こんな薬を飲んでいるのですが・・・」と話されたことはありますか?

他のお医者さんにかかった時に出たお薬と重ならないためにも服用中のお薬の名前を医師に伝えるようにしましょう。

薬局からもらった薬説明書やお薬手帳などを見せるとさらに良いでしょう。

2019年04月20日

◆ノロウイルス食中毒の予防

                                  柴谷 涼子

 
老人保健施設などでノロウイルスの集団発生が最近報じられていました。

「ノロウイルス」について正しく理解し、ご自身も感染しないよう予防しましょう。

★ノロウイルス感染症とは・・・
 
ノロウイルスが人の小腸で増殖して引き起こされる急性胃腸炎です。

@ カキや貝類を十分に加熱せず食べた場合
A 生ガキや貝類で汚染された調理器具で調理した生野菜などを食べた場合
B ウイルスに感染したヒトの便や吐物に触れた手で調理をした場合・・・などに感染する可能性があります。

★症状
  
年齢に関係なく感染は起こりますが、高齢者や抵抗力の弱ったヒトでは重症化する例もあります。嘔気・嘔吐・下痢が主症状です。
 
腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。 高齢者の場合、症状が出て、水分摂取ができなくなるとすぐに脱水症状を起す可能性がありますので、早めに病院の診察を受けて下さい。

★予防

生のカキや貝類は内部まで十分に加熱してから食べるようにしましょう。カキの処理に使用したまな板などは、よく水洗いし、熱湯消毒をしてから使用しましょう。

★冬場はこのノロウイルスに限らず、様々な感染症が流行します。感染予防としてもっとも重要なのは、普段からの手洗いやうがいです。

外から帰ったあとは必ず手洗いとうがいをする習慣をつけましょう。

 <参考文献;>

1.国立感染症研究所 感染症情報センター感染症発生動向調査週報 感染症の話
 http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11.html
2.大阪府食の安全推進科    http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/noro/
3.厚生労働省ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/tobou/040204-1.html
          (大阪厚生年金病院 感染管理認定看護師 

2019年03月30日

◆健康百話  肝臓の血液検査

 片山和宏 医師


 〜血液検査って、一体何がわかるのでしょうか?〜

血液は人間の体の隅々まで行き来し、栄養や要らなくなったものをあちらこちらに運んでいるわけですから、血液は体のいろんな部分の情報をもっているわけです。

血液検査をすることで、非常に多くのことがわかるようになってきました。ただし、これも体の部分によって、また病気によって血液に結果が出やすい場合と、とても出にくい、いやほとんど血液検査ではわからない病気もたくさんあります。

たとえば、体の動脈硬化の状態は血液検査ではほとんどわかりませんし、また胃や大腸に癌などのできものができているかどうかも、ほとんど分からないのが現状です(但し癌によっては腫瘍マーカーという血液検査で一部わかることがありますが、あくまで参考データと考えた方がいいくらいです)。

ですから、人間ドックや健康診断では血液検査とともに、血液でわかりにくい部分は胃のレントゲンなどの検査を組み合わせていくことが大事になるわけです。

肝臓はというと、血液にのせて体のあちこちに栄養分を送りつける中心的な存在ですので、肝臓の状態は血液検査でわかりやすいという特徴があります。
ただ、肝臓は働き者でとても多くの仕事をこなしていますから、肝臓の状態を表している血液検査も非常にたくさんあり、ひとつだけをみて状態を考えることはできません。
 
そこで私は、患者に肝臓の血液検査の説明をするときには、肝臓を緑の多い、川のきれいな山に例え、肝臓の病気を山火事に例えて説明しています。

アルブミンや血液凝固機能:緑(木々)の多さ、ビリルビン:川の透明度、GOT / GPT:山火事の火の大きさ、ヒアルロン酸:緑が無くなってみえてきた地肌の大きさ。アルブミン、凝固機能、ビリルビンという血液検査の組み合わせは、医師が肝臓の働きを評価するときによく使う組み合わせですし、ヒアルロン酸はどのくらい肝硬変に近付いているかを判断する指標です。

肝機能検査として有名なGOT / GPTは、実は肝臓の機能を表しているのでは無く、肝臓の病気の勢いを表しているということが分かっていただけるかと思います。
火の大きい(GPTの高い)山火事は、早く火の勢いを小さくしないといけませんが、その時点での肝臓の元気さ(働き)はまた、別なのです。

このことを踏まえて、一度血液検査を眺めていただけると視野が拡がるのでは?

             大阪厚生年金病院 消化器担当