2006年09月01日

退院調整看護師の役割<3>

     大阪厚生年金病院 主任看護師 寺内孝子

皆さんは「ディスチャージナース」あるいは「ディスチャージコーディネータ」という名前を聞いた事があるでしょうか?「ディスチャージナース」は、日本語で退院調整看護師と言われています。

退院調整とは入院初期から患者様が生活する最適な場所を見当し、退院後に起こりうるであろう問題を予測しながら、それをおこさないように予防的にアセスメントし、専門家とタイアップしながら協働して問題を解決することです。その仕事を担っているのが退院調整看護師なのです。

1回目は「退院調整看護師とは何か」についてお話し、その後具体的内容についてはシリーズでお伝えしたいと考えております。これはシリーズ3回目です。

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2006年07月07日

人工呼吸器と医師


 エデンの園で暮していたアダムとイブは蛇にそそのかされて、神様との約束をやぶり禁断の木の実を食べてしまいました。そのため楽園を追放され、永遠に苦悩を背負い生きていくことになります。この禁断の木の実は「智恵(・・)の(・)木(・)」の実でこれを口にしたことで「恥」を知ることになり、アダムとイブは裸を恥らいその恥部をイチジクの葉でかくしたのです。智恵は恥じらいを生むということなのでしょうか。

 実はエデンの園にはもう一本の禁断の木がありました。それは「生命(・・)の(・)木(・)」といわれる木です。最近の人工呼吸器をはずした事件や臓器移植、人工授精、クローン誕生の話題になると、私は21世紀の人類はエデンの園のもう一本の禁断の木の実「生命の木」の実を食べてしまったと思えてなりません。生命の木の実を食べてしまったので、さらに楽園を追放され人類はあらたな苦悩を背負ったように思われてなりません。人工呼吸器があらたな苦悩をつくり出しました。そしてこの苦悩から逃れることはむずかしいと思います。

 実は私自身、3年前に「母の人工呼吸器をはずして下さい」と医師にお願いをした経験をもちます。
 母はくも膜下出血で倒れ、意識のもどらぬまま3週間目に脳浮腫が出現し、つよい点滴を使うことになりました。そのため「人工呼吸器を装着する」と医師から告げられました。私は人工呼吸器装着というコトバに過剰反応してしまいました。人工呼吸器は装着したらはずせないし、その状態で先の読めない精神的ストレスがいつまで続くかわからない苦悩を知っていたからです。病院からは退院を迫られるでしょうし、療養先もそう簡単には見つからない。さらに果てしない入院代の負担と家族へのしわ寄せは必至です。
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2006年04月19日

リハビリって、再び生きること

          向市 眞知

「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。

医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。
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2006年04月12日

「ディスチャージナース」の役割<その2>

            寺内孝子

前回は「ディスチャージナースって何?」についてお話しました。ではその具体的内容について、これから数回にわたり紹介したいと思います。
 
患者様は何らかの病気や怪我で入院されます。入院は人生の中のほんの一部の事にすぎません。いずれは退院というという経過をたどります。しかし、病気や怪我によって何らかの障害を生じ、退院にも影響を与えることがあります。
 
例えば、「今までよりも筋力が低下してできていたことができなくなった」や「医療的な処置をしながら生活を送らなければならなくなった」などがあります。
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2006年03月17日

◆「ディスチャージナース」ってご存知?

             寺内孝子

皆さんは「ディスチャージナース」、あるいは「ディスチャージコーディネータ」という名前を聞いた事があるでしょうか?「ディスチャージナース」は、日本語では「退院調整看護師」と言われています。


「退院調整」とは、入院初期から患者様が生活する最適な場所を見当し、退院後に起こりうるであろう問題を予測しながら、それをおこさないように予防的にアセスメントし、専門家とタイアップしながら協働して問題を解決することです。その仕事を担っているのが「退院調整看護師」です。
 

では、何故そのような役目を担う看護師が必要なのでしょうか?
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2019年09月22日

◆点滴で自宅治療(前篇)

                          寺内 孝子(看護師)


点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

今回は関わった方の事例にあげて、私達の仕事を紹介します。

Aさんは80歳すぎの女性です。「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることになりました。入院中やっと手押し車で歩ける程度に回復されましたが、自分で点滴の管理する事が難しく、同居されている娘さんの手助けが必要でした。

そこで娘さんを中心にお話を進め、まず介護保険の申請をしてもらいました。介護保険の認定がおりるまでには1ヶ月以上かかりますが、サービスが使えなければ自宅に帰ることができません。そこで前倒しという方法を使い、サービスを利用できるようにしました。

娘さんはしっかりされた方でしたが、「在宅中心静脈栄養法」をするには、訪問看護師に定期的に手技の確認や異常がないかを見てもらう「訪問看護」を利用するほうが安心できます。

また自宅から今の病院は遠く、何かあった時にすぐ相談でき、定期的に診察に来てもらえる「かかりつけ医」があったほうが、さらに安心できます。

トイレには手すりもないので立ち上がるために手すりをつけてもらうことやポータブルトイレ・介護ベッドも必要でした。そこで自宅から近いかかりつけの医・訪問看護師・ケアマネージャーをいくつか紹介し、家族の方に選んでもらいました。(つづく 再掲)
(大阪厚生年金病院 看護師)