2011年01月20日

◆点滴で自宅治療

寺内孝子

点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

今回は関わった方の事例にあげて、私達の仕事を紹介します。

Aさんは80歳すぎの女性です。「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることになりました。入院中やっと手押し車で歩ける程度に回復されましたが、自分で点滴の管理する事が難しく、同居されている娘さんの手助けが必要でした。

そこで娘さんを中心にお話を進め、まず介護保険の申請をしてもらいました。介護保険の認定がおりるまでには1ヶ月以上かかりますが、サービスが使えなければ自宅に帰ることができません。そこで前倒しという方法を使い、サービスを利用できるようにしました。

娘さんはしっかりされた方でしたが、「在宅中心静脈栄養法」をするには、訪問看護師に定期的に手技の確認や異常がないかを見てもらう「訪問看護」を利用するほうが安心できます。

また自宅から今の病院は遠く、何かあった時にすぐ相談でき、定期的に診察に来てもらえる「かかりつけ医」があったほうが、さらに安心できます。

トイレには手すりもないので立ち上がるために手すりをつけてもらうことやポータブルトイレ・介護ベッドも必要でした。そこで自宅から近いかかりつけの医・訪問看護師・ケアマネージャーをいくつか紹介し、家族の方に選んでもらいました。(つづく)
(大阪厚生年金病院 主任看護師)

2011年01月17日

◆風邪と肺炎にご注意

柴谷涼子
 
風邪やインフルエンザが流行する季節です。特にこの時期、朝晩の気温の変化が激しいことに加えて、空気が非常に乾燥するときには、風邪の原因になるウイルスの活動も活発になり、風邪をひきやすくなります。

●事前の予防
日ごろの心掛けとしては、外出から帰った後のうがいと手洗いが基本です。また、お天気の良い日には、日光浴や散歩など適度な運動をするよう心がけ、入浴により身体を清潔にしておくことも大切です。

●肺炎は高齢者にとって危険な病気
肺炎はお薬の進歩によって、かなり治療ができるようになりましたが、高齢の方にとってはまだまだ怖い病気です。

とくに糖尿病や心臓、呼吸器系に慢性的な病気を抱えている方、腎不全や肝機能障害のある方も罹患しやすく、病状も重くなる可能性があります。厚生労働省が報告している人口動態統計でも肺炎による死亡率はここ数年上昇してきています。

肺炎は細菌やウイルスなどいろいろな原因で起こりますが、肺炎を起こす原因となる細菌に肺炎球菌があります。

●肺炎球菌による肺炎を予防する
肺炎球菌は健康な人でも鼻腔などに常在する菌です。しかし加齢などにより免疫力が低下すると、病気を引き起こしやすくなります。

日本では、ペニシリンという抗生物質が効きにくい肺炎球菌の割合が増加しています。抗生物質の効きにくい肺炎球菌による肺炎に罹患すると、治療に難渋する場合があります。
 
そこで、肺炎球菌によって起こる肺炎を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。ただし、肺炎球菌ワクチンを接種してもこれ以外の原因で起こる肺炎は残念ながら予防することはできません。
 
ワクチンを接種して得られる免疫は約5年以上持続するといわれています。

次のような方に肺炎球菌ワクチン接種をおすすめします。
・65歳以上の高齢者 
・心臓や呼吸器系に慢性疾患のある方 
・糖尿病の方 
・腎不全や肝機能障害のある方

肺炎球菌ワクチンの接種については、最寄りの病院やかかりつけの医師にご相談下さい。肺炎球菌ワクチンのみでなく、今年もインフルエンザワクチンを積極的に接種しましょう。
       (大阪厚生年金病院 看護部看護ケア推進室感染管理認定看護師) 

2010年11月30日

◆ノロウイルス食中毒の予防

柴谷涼子(感染管理認定看護師)

<NHK関西ニュースによると、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が、11月末から大阪府内で急増していることがわかりました。大阪府立公衆衛生研究所では食事の前の手洗いを徹底するなど感染の予防を呼びかけています。そこで大阪厚生年金病院の柴谷涼子感染管理認定看護師の感染予防の寄稿を下記に再掲します。>(編集部)


老人保健施設などでノロウイルスの集団発生が報じられておりますが、ノロウイルスについて正しく理解し、ご自身も感染しないよう予防しましょう。

★ノロウイルス感染症とは・・・
ノロウイルスが人の小腸で増殖して引き起こされる急性胃腸炎です。@カキや貝類を十分に加熱せず食べた場合A生ガキや貝類で汚染された調理器具で調理した生野菜などを食べた場合Bウイルスに感染したヒトの便や吐物に触れた手で調理をした場合・・・などに感染する可能性があります。

★症状
年齢に関係なく感染は起こりますが、高齢者や抵抗力の弱ったヒトでは重症化する例もあります。嘔気・嘔吐・下痢が主症状です。
 腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。 高齢者の場合、症状が出て、水分摂取ができなくなるとすぐに脱水症状を起す可能性がありますので、早めに病院の診察を受けて下さい。

★予防
生のカキや貝類は内部まで十分に加熱してから食べるようにしましょう。
カキの処理に使用したまな板などは、よく水洗いし、熱湯消毒をしてから使用しましょう。

★冬場はこのノロウイルスに限らず、様々な感染症が流行します。感染予防としてもっとも重要なのは、普段からの手洗いやうがいです。
外から帰ったあとは必ず手洗いとうがいをする習慣をつけましょう。(再掲)

 <参考文献;>

1.国立感染症研究所 感染症情報センター感染症発生動向調査週報 感染症の話
 http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11.html
2.大阪府食の安全推進科    http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/noro/
3.厚生労働省ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/tobou/040204-1.html
          (大阪厚生年金病院 看護部 看護ケア推進室 )

◆本誌主宰者の原稿が、11月30日(火)刊の全国版メルマガ「頂門の一針」2109号に
掲載されました。著名な寄稿者の卓見も拝読願います。<編集部>

<2109号・目次>
・中国へあり得ない期待:宮崎正弘
・砲撃をうけた延坪島に高校はあった:泉 幸男
・「消えた群の掟」をどうする:馬場伯明
・猿でも分かる「EU危機」:平井修一
◆・顕微鏡検査で歯周病発見:毛馬一三
・字母制限と平板化のすすむ國語表現:上西俊雄
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
◆購読(無料)申し込み御希望の方は
 下記のホームページで手続きして下さい。
  http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm

2010年11月25日

◆風邪と肺炎にご注意

柴谷涼子(大阪厚生年金病院)
 
風邪やインフルエンザが流行する季節です。特にこの時期、朝晩の気温の変化が激しいことに加えて、空気が非常に乾燥するときには、風邪の原因になるウイルスの活動も活発になり、風邪をひきやすくなります。

●事前の予防
日ごろの心掛けとしては、外出から帰った後のうがいと手洗いが基本です。また、お天気の良い日には、日光浴や散歩など適度な運動をするよう心がけ、入浴により身体を清潔にしておくことも大切です。

●肺炎は高齢者にとって危険な病気
肺炎はお薬の進歩によって、かなり治療ができるようになりましたが、高齢の方にとってはまだまだ怖い病気です。

とくに糖尿病や心臓、呼吸器系に慢性的な病気を抱えている方、腎不全や肝機能障害のある方も罹患しやすく、病状も重くなる可能性があります。厚生労働省が報告している人口動態統計でも肺炎による死亡率はここ数年上昇してきています。

肺炎は細菌やウイルスなどいろいろな原因で起こりますが、肺炎を起こす原因となる細菌に肺炎球菌があります。

●肺炎球菌による肺炎を予防する
肺炎球菌は健康な人でも鼻腔などに常在する菌です。しかし加齢などにより免疫力が低下すると、病気を引き起こしやすくなります。

日本では、ペニシリンという抗生物質が効きにくい肺炎球菌の割合が増加しています。抗生物質の効きにくい肺炎球菌による肺炎に罹患すると、治療に難渋する場合があります。
 
そこで、肺炎球菌によって起こる肺炎を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。ただし、肺炎球菌ワクチンを接種してもこれ以外の原因で起こる肺炎は残念ながら予防することはできません。
 
ワクチンを接種して得られる免疫は約5年以上持続するといわれています。

次のような方に肺炎球菌ワクチン接種をおすすめします。
・65歳以上の高齢者 
・心臓や呼吸器系に慢性疾患のある方 
・糖尿病の方 
・腎不全や肝機能障害のある方

肺炎球菌ワクチンの接種については、最寄りの病院やかかりつけの医師にご相談下さい。

肺炎球菌ワクチンのみでなく、今年もインフルエンザワクチンを積極的に接種しましょう。
(再掲)
(大阪厚生年金病院 看護部看護ケア推進室感染管理認定看護師) 

2009年01月12日

◆介護保険の知識―福祉用具編

      大阪厚生年金病院 看護師
 
今回は介護保険を使って手に入れることのできる福祉用具についてお話をします。

約4,400種類の福祉用具の中から、自分に合う機種を選べることになっています。在宅生活の自立を支援するためや、介護力の軽減のために使われるもので、よくみかけるものでは、車イスや歩行器があります。

また、脳梗塞で半身マヒの残った患者さんが退院される場合には、三種の神器ではありませんが、電動ギャッジベッドとポータブルトイレ、車イスの三種をセットで準備することが多いものです。

また、整形外科で股・膝関節の手術をうけられた患者さん方には、入浴時のシャワーイスや、風呂場の手すりの準備が必要となります。

介護保険の福祉用具には、貸与(レンタル)で利用するものと、購入して利用するものの2つのタイプに分かれます。腰掛便座(ポータブルトイレ)や特殊尿器、入浴補助用具などは直接肌に触れるものですから貸与(レンタル)にはなじみません。これらは自分専用のものを購入することになります。

たとえばお風呂で使うシャワーイスの値段は15,000円くらいしますが、介護保険ではその1割の1,500円の負担で手に入れることができます。ポータブルトイレも1万円前後のものから家具調のもので5万円くらいするものまでありますが、その1割の1,000円〜5,000円で購入できます。

介護保険では4月から翌年の3月までの1年間に合計10万円までの福祉用具が購入できます。

 福祉用具貸与(レンタル)で利用できるものは、車イス、電動車イス、特殊寝台(電動ギャッジベッド)、床ずれ予防用具(エアマット)、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープなどです。

たとえば車イスが500円、電動ベッドが1200円、電動車イスが2,000円、エアマットが600円程度の月額料金でレンタルができます。これらは介護度にもとづく利用限度額内でレンタルすることになります。
 
他人が使用したものを使いたくないとダダをこねる方もおられますが、レンタル終了時にはきちんと法に定められた消毒方法が実施されています。しかし考えようによっては、この貸与(レンタル)が案外と重宝することがあるのです。

図体の大きいギャッジベッドや車イスなどを購入しますと、不要になった時に始末に困ります。しかし、貸与(レンタル)であれば不要となればケアマネージャーに頼めばすぐに引き上げてもらえます。それから、新しい機能のついた新機種が出た時に、借り換えがすぐに出来ることも重宝です。

電動ギャッジベッドを購入しますと25万円くらいしますが、新機種がでたからといって簡単には買い換える決心はつかないと思います。

しかし、貸与(レンタル)であればケアマネージャーに頼んでケアプランの立てなおしを頼み、翌月から新機種を導入してもらえば済むことです。身体の回復具合にあわせて機種を変更してゆけるという長所を考えていただければ、貸与(レンタル)というのも利点だと思えます。毎年新しい機種が介護保険の福祉用具に認められてきています。

ポータブルトイレにもウォシュレット機能のついたものや、温風便座機能のついたものが新しく認められました。ポータブルトイレはレンタルではなく福祉用具の購入となります。

先ほど述べたように購入は毎年1年間(4月〜翌3月)に10万円が福祉用具を購入できると決められています。

ということは翌年の4月になれば10万円分の新たな購入が可能になるということです。新しい機能のついたポータブルトイレに切り換えたければ、翌年4月まで待って、ケアプランに新たに新機種の購入をあげれば利用が可能となります。

ケアマネージャーさんは、これらの新情報についてはいち早く手に入れておられますから、ケアマネージャーさんとはいつも話せる状況をつくっておかれることが大切です。


2009年01月10日

◆介護保険の知識―認定限度額は?

大阪厚生年金病院 看護師

誰も彼も皆が介護保険を利用しようとするから、保険料が高くなり介護保険が破綻してしまうのだと心配している方が多いと思います。

利用者を見ての実感ですが、介護保険を利用して在宅生活を頑張っておられる方々で、認定限度額を目一杯使っておられる方々は意外とおられません。

例えば、介護認定2の方であれば月額206,500円のサービスを利用できるのですが、全額利用はしておられません。やはり1割の自己負担がありますから、支出を考えてサービス利用をセーブしておられる傾向がみられます。

逆に限度額すべてを利用してもまだ足りないと悲鳴をあげておられるのは、介護認定5の方を在宅介護しておられる家族です。

オムツ交換、食事介助、体位変換、身体拭き、口腔ケア、入浴介助、着替え、通院介助、24時間365日介護のために、ホームヘルパー、訪問看護師、ショートステイを利用しても家族の負担は軽減されているとは言えないようです。

今、私が一番注目していることは、介護付き有料老人ホームの台頭です。有料老人ホームといいますと、数千万円の入居金を支払って、毎月数十万円の利用料金を支払うものが今までの主流でした。

ところが最近は、入居一時金が100万円以下で、毎月の利用料金が15万〜25万円の介護付き有料老人ホームが次から次へと台頭してきています。現在大阪府下で105件の有料ホームがあるようです。

これらの施設は、ホームに入所しているのですがホームを在宅と考え、そのホームで提供される介護サービスを介護保険の対象とするものです。「特定施設入所者生活介護」と分類されるものです。

例えば、ホームの居室を掃除してもらう、洗濯をしてもらう、食事を提供してもらう、風呂に入れてもらう、これらのことをホーム内でサービスをうけるのですが、在宅ヘルパーによる援助と同様に見なして、介護報酬の9割を介護保険から、その1割を入居者から負担金として施設が得る形になっています。

こうなると在宅では支出を考え抑制されていた利用限度が、特定施設では目一杯使われることになり、有料老人ホームへの収入にまわっていきます。

これらの比較的一般の方でも手の届きそうな料金体系の有料ケアホームは、利用者ニーズをとてもよくリサーチしたものだと思います。しかし介護限度額を目一杯使う、いい方をかえれば介護保険に企業が目をつけたと考えてもあながち間違いではないと思えます。

これらの手の届く範囲の料金体系の民間有料ホームが台頭してきたのが2004年に「ゴールドプラン21」の整備目標が終了し、その後特別養護老人ホームの新設がストップしてからということがやはり気がかりなところです。

またこれらの民間有料ホームが、ホームとして新装であっても建物がバブル崩壊した企業の社員寮や保養所を安価で手に入れ建て直ししたものであるという裏があります。

自宅で在宅介護サービスを利用している高齢者が介護保険を食いつぶすということは絶対ありません。

介護を儲かる対象と考え、売りぬけする民間企業が、介護保険を食いつぶす気配を感じます。介護や福祉が儲かるなんてウソだと私は思います。プラス・マイナスあわせてトントンでいいと思います。それでも十分の経済効果はあるはずです。

高齢者が年金からホームの利用料を支払う。その利用料が、ヘルパーとして雇用されている若者の賃金として流れていく。ホームでは高齢者と若年の介護者の交流が展開される。

もうけは0でもこれだけのお金の流れと世代間の心の交流と、雇用の創出が生まれます。流れがあれば経済として社会として十分だと思うのですが・・・

これらの民間有料ホームを儲けの対象として、どこかのファンドのように売りぬけされてしまわないように、利用予備軍の50〜60代が介護保険を育ててゆかなければならないと思います。
                                        

2008年12月25日

◆介護保険の申請方法は・・・

大阪厚生年金病院                 

介護保険の申請方法についてお話します。

1;まず申請の仕方です
住所地の市区町村の保健福祉センター介護保険課の窓口で申請します。
40歳〜64歳の方は今もっている健康保険証と印鑑を持参ください。65歳以上の方は介護保険被保険者証も持参ください。料金はかかりません。

居宅介護支援事業所・介護保険施設に申請を代行してもらうことも可能です。担当医を自己申請するため普段みてもらっている医師の名前を言えるようにしておきましょう。

2;意見書の作成依頼
申請が終われば、市区町村から担当医に意見書が送られてきます。担当医が病気に関しての意見書を作成し市区町村に送ります。

3;認定調査
委託を受けた調査員が本人の心身の状態を調査するため入院先や自宅を訪問します。

4;介護認定審査会
専門家が認定調査の結果と担当医の意見書をもとに審査します。

5;認定結果の通知 
要介護認定を本人に通知します。申請から認定まで1ヶ月〜1ヶ月半かかるため早めの申請が必要となります。
要介護認定は現在、心身の状態に応じて要支援・要介護1〜5に分類されています。要支援が一番軽く、要介護5が一番重い状態です。

6;サービスの計画
認定を受けた方は必要なサービスを居宅介護支援事業所(一覧表については介護保険課でもらえます)に依頼し、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成します。このお手伝いをするのがケアーマネージャーといわれる人です。作成のための自己負担金は不要です。

居宅介護支援事業所はお住まいの地域にいくつかありますので、長い付き合いになりますのでよく考えて選びましょう。

7;サービスの利用
 ケアプランに基づきサービスを利用できます。

流れはおわかりいただけたでしょうか?

2008年11月30日

◆介護保険のサービスとは

大阪厚生年金病院 

介護保険で受けられるサービス内容についてお話します。

A;家に帰っても自分で掃除や洗濯をするのがつらいのですが・・・
Q;入浴や排泄のお世話、衣類やシーツの交換、通院の付き添い、掃除、洗濯、買い物、食事の準備など身の回りのお世話をヘルパーがしてくれる訪問介護というのがあります。

A;床ずれがあるんですが、その処置が私にはできません・・・
Q;医師の指示のもとに看護師が訪問し、床ずれの手当てや点滴の管理をする訪問看護があります。

A;家にお風呂がなくて祖父をお風呂に入れてあげることができません・・・
Q;家庭の入浴が難しい場合、移動入浴車が訪問して浴槽を提供し、入浴の介助をする訪問入浴介護や昼間施設に行き、食事や入浴のサービスを受ける通所介護(デイサービス)があります。

これは家族が介護できない場合など利用したり、外に出て人と交流したいとかレクレーションを楽しみたい人が受けるサービスです。

A;家族で数日でかけなければならなくなったのですがどうしたらいいでしょうか?
Q;福祉施設に短期間入所して食事・入浴・機能訓練が受けられる短期入所生活介護(福祉施設におけるショートステイ)があります。介護で疲れた場合も利用してみましょう。

A;家に帰って病院のようなベッドを利用したいのですが、購入できますか?
Q;介護保険でできます。購入もレンタルも可能です。夜間のトイレが心配な方には簡易トイレの購入や車椅子のレンタルもできます。

A;トイレやお風呂に手すりをつけたいのですが・・・
Q;転倒を防いだり、自立しやすい生活環境を整えるため、段差解消や手すりをつけたりする住宅改修の費用が支給されます。ただし、一生涯の利用限度額の決まりがあります。

これらの他にも訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・通所リハビリテーションといったサービスもありますので必要に応じて利用してみてください。

これらのサービスにかかる料金を介護度に応じた利用限度額の中でまかないます。

どんなサービスをどれくらい受けたいか、ケアーマネージャーとよく相談してプランを決めましょう。 

いかがですか?介護保険について少しおわかりいただけたでしょうか?なかなかなじみがないかもしれませんが、これらのサービスを利用して自宅の介護に役立て、少しでもご家族の介護の負担を少なくしていきましょう。(完)

2008年11月20日

◆風邪と肺炎にご注意を!!

柴谷涼子(大阪厚生年金病院) 

風邪やインフルエンザが流行する季節です。特にこの時期、朝晩の気温の変化が激しいことに加えて、空気が非常に乾燥するときには、風邪の原因になるウイルスの活動も活発になり、風邪をひきやすくなります。

●事前の予防
日ごろの心掛けとしては、外出から帰った後のうがいと手洗いが基本です。また、お天気の良い日には、日光浴や散歩など適度な運動をするよう心がけ、入浴により身体を清潔にしておくことも大切です。

●肺炎は高齢者にとって危険な病気
肺炎はお薬の進歩によって、かなり治療ができるようになりましたが、高齢の方にとってはまだまだ怖い病気です。

とくに糖尿病や心臓、呼吸器系に慢性的な病気を抱えている方、腎不全や肝機能障害のある方も罹患しやすく、病状も重くなる可能性があります。厚生労働省が報告している人口動態統計でも肺炎による死亡率はここ数年上昇してきています。

肺炎は細菌やウイルスなどいろいろな原因で起こりますが、肺炎を起こす原因となる細菌に肺炎球菌があります。

●肺炎球菌による肺炎を予防する
肺炎球菌は健康な人でも鼻腔などに常在する菌です。しかし加齢などにより免疫力が低下すると、病気を引き起こしやすくなります。

日本では、ペニシリンという抗生物質が効きにくい肺炎球菌の割合が増加しています。抗生物質の効きにくい肺炎球菌による肺炎に罹患すると、治療に難渋する場合があります。
 
そこで、肺炎球菌によって起こる肺炎を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。ただし、肺炎球菌ワクチンを接種してもこれ以外の原因で起こる肺炎は残念ながら予防することはできません。
 
ワクチンを接種して得られる免疫は約5年以上持続するといわれています。

次のような方に肺炎球菌ワクチン接種をおすすめします。
・65歳以上の高齢者 
・心臓や呼吸器系に慢性疾患のある方 
・糖尿病の方 
・腎不全や肝機能障害のある方

肺炎球菌ワクチンの接種については、最寄りの病院やかかりつけの医師にご相談下さい。

肺炎球菌ワクチンのみでなく、今年もインフルエンザワクチンを積極的に接種しましょう。

(大阪厚生年金病院 看護部看護ケア推進室感染管理認定看護師) 

2008年10月21日

◆納豆と相性の悪いくすり

大阪厚生年金病院 薬剤部

〜ワルファリンカリウムという血栓予防薬を服用中の方へ〜

地震や津波、洪水など突然襲ってくる甚大な自然災害は、水道やガス、電気などのライフラインを寸断し人々の生活を麻痺させてしまいますが、人の健康もある日突然血管が詰まると健康維持に必要な栄養や酸素などのライフラインが寸断されその先の機能が止まってしまいます。

 突然意識を失いその場に倒れてしまった経験のある方で、医師から「脳梗塞」と診断された方もおられるかと思います。脳の血管を血液の塊(かたまり)が塞いでしまってその先に血液が流れなくなってしまったのです。

 これを予防し血液をサラサラにするくすりのひとつに「ワルファリンカリウム」という薬があります。服用されている方も多いかと思います。

 もともと人間の身体は怪我や手術などで出血したとき、血液を固めて出血を止める仕組みがありますが、その仕組みの一つに「ビタミンK」が関与する部分があります。
 
ワルファリンカリウムはこの「ビタミンK」が関与する部分を阻害することによって血液が固まるのを予防します。

 さてここで納豆の登場です。

納豆の納豆菌は腸の中で「ビタミンK」を作り出します。「ビタミンK」は血液を固まらせる時に必要なビタミンですから多く生産されると、ワルファリンカリウムの効果を弱めてしまいます。

そのため、くすりの説明書には「納豆はワルファリンカリウムの作用を減弱するので避けることが望ましい」と書かれているのです。

 納豆は栄養もあって健康に良い食品ですが、飲んでいるくすりによっては食べないほうが良いこともあります。好きなものを我慢するのは“なっと〜くできない”向きもあるかと思いますが、ワルファリンカリウムを服用中の方にとって納豆は危険因子ですのでご注意ください。

 納豆のほかにも、ビタミンKの多い「クロレラ食品」や「青汁」などもひかえましょう。

追記: ワルファリンカリウムのくすりには「ワーファリン錠」や「ワルファリンカリウム            錠」他があります。(了)

2008年10月12日

◆ビタミンの取りすぎにご用心


                     大阪厚生年金病院 薬剤部

ビタミンは健康のためにいいし、食品の中に入っていて害のないものだからたくさん飲んでも大丈夫だと思っている方はいませんか?

実は、ビタミンにも取りすぎると体に悪い影響がでるものがあります。

ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。

脂溶性ビタミンは、ビタミンA,D,E,Kで、その他が水溶性ビタミンになります。
水溶性ビタミンは取りすぎたものは排泄されますが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積され、過剰症が起こることがあります。
 
ビタミンAを取り過ぎると、頭痛、顔面紅潮、筋肉痛や食欲不振などの症状が現われます。
また、ビタミンDを取り過ぎると、食欲不振、吐き気、頭痛などが現われます。
 
脂溶性ビタミンとナイアシン、ビタミンB6、葉酸は1日に摂取してよい量が決められています。

通常の食生活でビタミンを取りすぎてしまうことはありませんが、ビタミン剤やサプリメントを飲んでいる方は注意が必要なので決められた量を守って飲むようにしましょう。 
                

2008年02月21日

◆健康百話・治療前にまず予防                   

                 向市 眞知 

医療が「治療」をおこなうだけでなく、「治療」の前に「予防」を、そしてそのあとに「社会復帰」という概念を位置づけるようになってだいぶ経ちました。 そのため医療は、在宅生活にも意識を向けるようになりました。

今では入院患者に対して「退院に向けて心配なことはありませんか?」と、医療の側から患者の療養生活にまで援助を行なう時代になりました。

 定年後奥さんと2人暮らしをしておられた人が、脳梗塞で倒れ入院してこられた時の例です。この患者は、集中治療室で管理をうけて意識も回復し、幸い10日後一般病棟に移ることができました。ですが、「一命をとりとめた」とホッとしたその瞬間、「これからどうなるのだろうか?」という今後の心配に奥さんはとらわれたのです。

「どこまで回復できるのだろうか?」「家に連れて帰れるのだろうか?」「このままでは私ひとりでは介護できない」「入院費はどのくらいかかるのだろうか?」と不安なことが次々と表れてきます。

 病院では、医師や看護師、ソーシャルワーカーが、「退院後のくらしについて心配はありますか?」と、家族にたずねて、退院計画を一緒に立てるシステムをとっています。 「右半身マヒは残りますが、杖歩行ができるようリハビリを頑張ってください」と担当医が回復のゴールについて説明します。

でもこれだけの話だけではこれからの生活をイメージすることはできません。
「お風呂は入れるのかしら?」
「トイレは1人で行けるかしら?」
「食事は1人で食べられるのかしら?」
「階段は登れるのかしら?」など、わからないことだらけです。考えれば考えるほど、家族はパニックになってしまい「こんな状態では連れて帰れない」と逃げ出したくなってしまいます。

そこで退院調整担当者が、患者や家族と相談することになります。時々、「早く退院させようとしているのではないか」と、家族の方から勘違いされることがありますが、全くそんなことはありません。

自宅のお風呂の構造、トイレまでの距離、玄関段差などを聞き、リハビリテーションの計画に取り入れますし、手すりをつけたり段差解消をしたり、住宅改修も考えてゆけば、身体にマヒがあっても自立した生活が可能になるからです。

もちろん、家族の体調や希望も無視できないことです。たとえば奥さんが腰痛の場合や、息子さんと同居していても仕事があり、昼間は「独居」ということもあるからです。
 
家族から得た情報も含め、病院の関係者でカンファレンスを開きます。そして、リハビリテーション計画と看護計画を立てることになります。早期の計画・立案は入院治療の有効活用の第一歩です。

お風呂の入り方、衣服の着脱練習、食事の工夫、介助方法の工夫が、訓練士、看護師、栄養士により実施されることになります。スタッフがバラバラにかかわるのではなく、目標をきめて、その目標に向けて協同でかかわることが有効です。

かなり早い時期から、退院に向けてのお話をすすめて行くことになりますが、退院計画は早期に立てる必要があることを理解していただけたと思います。また、退院計画は一方的に病院側が決めるものではありません。患者の希望の「どこでどのように暮らしたいか」を基本に、病院側が「療養プラン」をアレンジしていくことになります。

退院計画は病院側と患者側との協同で立案するものです。その意味で病院に話しても仕方ないとか、病院では聞いてもらえないと早合点せずに、ご自宅の生活の様子やご希望を病院にお話し下さることが適切な計画を立てる一助となると思います。病院にある相談室やソーシャルワーカーをご利用されるのが一番話しやすい方法です。    (完) 再掲                      大阪厚生年金病院 前ソーシャルワーカー


2008年02月04日

◆健康百話 点滴で自宅治療(後編)

                寺内孝子(看護師)

点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

こうした点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話を、前編でご紹介しました。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

そこで80歳すぎの女性に「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることを紹介したのですが、その話の続きを後編としていたします。

私達は、医師の紹介状や看護師の看護サマリーをもとに、何度も地域の医療機関と連絡を取り合い情報交換を行います。

同時に、お話をしていた80歳すぎの女性の娘さんには、「在宅中心静脈栄養法」を行えるようパンフレットを利用し、点滴の液をチューブに通す方法や針をさす方法・点滴が時間通りに終わるよう調節する方法・注意点などを、病棟の看護師に指導してもらいました。

退院前には患者・家族・訪問看護師・ケアマネージャー・病棟看護師・医師が集まりカンファレンス(話し合い)を行い、どんなところに注意したらいいか、どんな援助が必要か、どんなことをしてほしいかなど話し合い、患者・家族の方がより安心して自宅に帰れるように配慮しました。

また、自宅の改修をおこなうために外出してもらい、より効果的な手すりの位置を業者の人と検討してもらい、退院前に手すりをつけることができました。

この外出が自信となり回復へのはずみにもなりました。そして、必要な点滴のセットや点滴の内容を準備して、いよいよ退院となりました。

退院後顔を見せに来てくださいましたが、本当に嬉しそうににこやかで、「家がいいわ、順調に過ごせています」。「いい人達を紹介してくれて感謝しています」という言葉を頂いた時は、この仕事の喜びを感じる時でもあります。

このように点滴をしながらでも、自宅でその人らしい生活を送ることができます。迷っていらっしゃる方が一歩前に踏み出せるようお手伝いさせていただくのが、私達退院調整看護師の役割です。(完)
大阪厚生年金病院 主任看護師


<お知らせ>
◆映画「南京の真実」第一部完成記念 大阪特別試写会 ◆
[日時] 平成20年2月9日(土)PM5:30開場 6:30開演 10:10終演

[場所] 八尾市文化会館プリズムホール 2F TEL 072-924-5111
    近鉄八尾駅 徒歩5分 http://prismhall.jp/access.html