2007年09月18日

◆健康百話・「風と肺炎にご注意を!」

柴谷涼子(感染管理認定看護師)

秋〜冬にかけては、風邪やインフルエンザが流行する季節です。特にこの時期、季節の変わり目で朝晩の気温の変化が激しいことに加えて、空気が非常に乾燥するときには、風邪の原因になるウイルスの活動も活発になり、風邪をひきやすくなります。

<事前の予防>
日ごろのこころがけとしては、外出から帰った後のうがいと手洗いが基本です。また、お天気の良い日には、日光浴や散歩など適度な運動をするよう心がけ、入浴により身体を清潔にしておくことも大切です。

<肺炎は高齢者にとって危険な病気>
肺炎はお薬の進歩によって、かなり治療ができるようになりましたが、高齢の方にとってはまだまだ怖い病気です。とくに糖尿病や心臓、呼吸器系に慢性的な病気を抱えている方、腎不全や肝機能障害のある方も罹患しやすく、病状も重くなる可能性があります。

厚生労働省が報告している人口動態統計でも肺炎による死亡率はここ数年上昇してきています。肺炎は細菌やウイルスなどいろいろな原因で起こりますが、肺炎を起こす原因となる細菌に肺炎球菌があります。

<肺炎球菌による肺炎を予防する>
肺炎球菌は健康な人でも鼻腔などに常在する菌です。しかし加齢などにより免疫力が低下すると、病気を引き起こしやすくなります。日本では、ペニシリンという抗生物質が効きにくい肺炎球菌の割合が増加しています。抗生物質の効きにくい肺炎球菌による肺炎に罹患すると、治療に難渋する場合があります。
 
そこで、肺炎球菌によって起こる肺炎を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。ただし、肺炎球菌ワクチンを接種してもこれ以外の原因で起こる肺炎は残念ながら予防することはできません。
 
ワクチンを接種して得られる免疫は約5年以上持続するといわれています。
次のような方に肺炎球菌ワクチン接種をおすすめします。
・65歳以上の高齢者 
・心臓や呼吸器系に慢性疾患のある方 
・糖尿病の方 
・腎不全や肝機能障害のある方

肺炎球菌ワクチンの接種については、最寄りの病院やかかりつけの医師にご相談下さい。肺炎球菌ワクチンのみでなく、今年もインフルエンザワクチンを積極的に接種しましょう。(再掲)

              大阪厚生年金病院 看護部看護ケア推進室

2007年09月12日

◆健康百話・「治療」の前にまず「予防」

                            向市 眞知 
 
医療が「治療」をおこなうだけでなく、「治療」の前に「予防」を、そしてそのあとに「社会復帰」という概念を位置づけるようになってだいぶ経ちました。 そのため医療は、在宅生活にも意識を向けるようになりました。

今では入院患に対して「退院に向けて心配なことはありませんか?」と、医療の側から患者の療養生活にまで援助を行なう時代になりました。

 定年後奥さんと2人暮らしをしておられた人が、脳梗塞で倒れ入院してこられた時の例です。この患者は、集中治療室で管理をうけて意識も回復し、幸い10日後一般病棟に移ることができました。ですが、「一命をとりとめた」とホッとしたその瞬間、「これからどうなるのだろうか?」という今後の心配に奥さんはとらわれたのです。

「どこまで回復できるのだろうか?」「家に連れて帰れるのだろうか?」「このままでは私ひとりでは介護できない」「入院費はどのくらいかかるのだろうか?」と不安なことが次々と表れてきます。

病院では、医師や看護師、ソーシャルワーカーが、「退院後のくらしについて心配はありますか?」と、家族にたずねて、退院計画を一緒に立てるシステムをとっています。 「右半身マヒは残りますが、杖歩行ができるようリハビリを頑張ってください」と担当医が回復のゴールについて説明します。

でもこれだけの話だけではこれからの生活をイメージすることはできません。
「お風呂は入れるのかしら?」
「トイレは1人で行けるかしら?」
「食事は1人で食べられるのかしら?」
「階段は登れるのかしら?」など、わからないことだらけです。考えれば考えるほど、家族はパニックになってしまい「こんな状態では連れて帰れない」と逃げ出したくなってしまいます。

続きを読む≫≫

2007年08月27日

◆健康百話・「納豆と相性の悪いくすり」


〜ワルファリンカリウムという血栓予防薬を服用中の方へ〜
大阪厚生年金病院 薬剤部 

 地震や津波、洪水など突然襲ってくる甚大な自然災害は、水道やガス、電気などのライフラインを寸断し人々の生活を麻痺させてしまいますが、人の健康もある日突然血管が詰まると健康維持に必要な栄養や酸素などのライフラインが寸断されその先の機能が止まってしまいます。

 突然意識を失いその場に倒れてしまった経験のある方で、医師から「脳梗塞」と診断された方もおられるかと思います。脳の血管を血液の塊(かたまり)が塞いでしまってその先に血液が流れなくなってしまったのです。

 これを予防し血液をサラサラにするくすりのひとつに「ワルファリンカリウム」という薬があります。服用されている方も多いかと思います。

 もともと人間の身体は怪我や手術などで出血したとき、血液を固めて出血を止める仕組みがありますが、その仕組みの一つに「ビタミンK」が関与する部分があります。
 ワルファリンカリウムはこの「ビタミンK」が関与する部分を阻害することによって血液が固まるのを予防します。

 さてここで納豆の登場です。続きを読む≫≫

2007年08月24日

◆健康百話・効果のある「食べ物」あれば「薬」は不要?

                 大阪厚生年金病院 薬剤部

Q テレビで言っていた、病気に効果のある食べ物を食べていれば、病気の薬を飲まなくても大丈夫?

A う〜ん、それは、だめですね。
 病気でお薬が必要といわれ、医師から薬を処方されている人は、食べ物だけでの完治は難しいですね。食べ物とお薬は同じ効果を示さないからです。
 
たとえば、胃潰瘍の場合を例にあげてみましょう。胃潰瘍の原因の1つとしてピロリ菌があります。胃の中にピロリ菌がいるといわれて除菌のお薬を飲んでいる方が、ピロリ菌に効果があるといわれるヨーグルトを食べてさえいれば薬は飲まなくてもいいのか?というと、答えはNOです。

 予防的にヨーグルトを食べるのは、いいことだと思いますが、すでに医師からお薬での除菌が必要と言われている場合、ヨーグルトを食べるだけで胃潰瘍を治すのは難しいと思います。「ヨーグルトではお薬と同じだけの効果は期待できない」し、「食品はあくまでも食品」ですからね。きちんと、治療のためのお薬を飲むようにしましょう。

続きを読む≫≫

2007年08月18日

◆二階から目薬をさす人いませんよね

健康百話 〜眼から目薬が溢れるというはなし〜
                      大阪厚生年金病院 薬剤部 

 「二階から目薬」のことわざは、まわりくどく遠まわしなために、とてもじれったくもどかしいことのたとえ。

恋を打ち明けるのがへたな男のさまをいっているようでもありますが、二階から目薬をさすごとく目薬の一滴がうまく眼に入らず、何滴も何滴も試されているのを見かけることがあります。見ていてもどかしくじれったくて「もうちょっと右、いや左」とつい声を掛けたくなります。

 逆に上手にさしているのに何滴も何滴もさして眼から溢れているのを見ると、なんともったいないと思ってしまいます。目薬を持つ手を別の手で支えてその手を顔につけて目薬がぐらぐら揺れないようにして狙いを定めてさすと意外とうまくさせます。

 また、目薬の一滴は0.05mL(ミリリットル)とごくわずかですが、眼が受け止めれる量もちょうど同じくらいなので、この一滴で相性ぴったりなんです。ですから、一度に何滴もさして眼から溢れさせてしまうのは実にもったいないのです。

 2種類の目薬を使うときも、一つ目の目薬をさしてすぐ後にもう一つの目薬をさすとあとからさした目薬は眼に入らずほとんど流れてしまいます。

2種類の目薬をさすときは、くすりの成分も違いますので4,5分ほど間を空けてから二つ目の目薬をさしましょう。それから、一回にさす量も一滴(失敗しなければ)が適量です。

目薬を眼から溢れんばかりにさすのは、今日からやめて、一滴だけ狙いを定めてさしましょう。目薬も乙女の涙もほんの一滴で効果は抜群です。(完) 
        

2007年08月04日

◆健康百話 「漢方薬に副作用?」


大阪厚生年金病院 薬剤部

漢方薬にだって「副作用」はありますよ。(その@:高血圧、浮腫、筋肉痛の副作用がでる?)。「漢方薬」を連用している方、複数の「漢方薬」を
飲んでいる方は、是非ご一読を・・・・。

 “漢方薬は天然物を原料にしているから副作用はない”、“中国3000年の歴史に裏付けられているから安心だ”という過信から、漫然と連用したり、いくつもの漢方薬を同時に服用していると、時に思わぬ副作用が出ること
があります。
今回は漢方薬で「高血圧、浮腫、筋肉痛」などの副作用が出ることがある、というお話をしましょう。
 
漢方薬の原料の多くは植物の根や樹皮、葉、茎、果実ですが、この中で特に原料として多く用いられているものに甘草(かんぞう)があります。マメ科の植物の根です。食品の甘味料としても多く用いられているので、名前はご存知の方も多いと思います。
 
ところが、この「甘草」は多量にあるいは長く漫然と服用していると、手足のしびれや筋肉痛、全身のだるさ、疲れやすさ、手足に力が入らない感じといった症状があらわれ、高血圧や浮腫などよろしくない副作用が発症することがあります。

甘草に含まれている成分が尿中へカリウムを排泄するのを促進するため体内からカリウムが少なくなって起こる症状です。

初期症状のないこともありこの副作用を予測することは困難です。「甘草」を含む漢方薬を2種類、3種類と複数飲んでいる方や「甘草」を含む漢方薬を長く連用している方はご注意ください。

味も名前も「甘い」甘草(かんぞう)ですが、摂り過ぎると高血圧や浮腫、筋肉痛を起こすなど悪さをしますので漢方薬といえども決して「甘く見ない」ことです。 

 追記: 「甘草」を含んでいても「甘草」が品名に使われていない漢方薬も多いので、一度服用されている漢方薬の成分をお確かめください。
特に「甘草」の量が多い漢方薬には、「芍薬甘草湯」「小青竜湯」「半夏しゃ心湯」「人参湯」「黄連湯」など12品目ほどあります。(完)



2007年07月27日

◆「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」は酒だけではない

〜睡眠薬でもないのに、眠くなったり、意識が薄れるくすり〜
大阪厚生年金病院薬剤部 

「酒は百薬の長」とか「酒をのめばみんな友達」とか言って飲む「お酒」は人生を楽しく豊かな気分にしてくれます。

しかしいざ今宵も、と酒を酌み交わそうとした時、「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」と標語が頭の中を駆け巡ると、車に乗ってきたときは,
飲む訳にはいきませんね。最近では法律が変わって「酒酔い運転は運転者だけでなく同乗者も」みんな捕まってしまいます。罰金は高いそうです。

法律には書いてありませんが、実は薬にも「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」というくすりがあるのです。睡眠薬はもちろんですが、ある抗生物質にはまれですが、「飲んだ後、突然意識が消失して車で事故った・・」と言う報告もあって、くすりの説明書には「意識消失・・があらわれることがあるので自動車の運転に従事させないこと・・・」などの記載がしてあります。

また、風邪薬やアレルギーを抑えるくすりは殆どが「飲んだら乗るな」「乗るなら飲むな」の類の薬で、注意が必要です。

薬局で貰うくすりには必ず「くすりの説明書」が付いてきますので、飲んでいる薬は「大丈夫かな?」と一度は確認してみましょう。

説明書の中身は注意事項が多いし、文字も小さくて読みにくいかもしれません。そんなときは『分かりにくいし、字も小さくて読めないぞ。』と、薬剤師に説明を求めてください。

真面目で四角い薬剤師ですが、きっと頼りになります。
     

2007年07月15日

◆「健康百話」流行性角結膜炎(はやり目)


                        柴谷涼子

流行性角結膜炎は例年8月を中心にして夏に多く発生すると報告されています1) 。 春先から増加し始め、大阪市内や当院ではすでに流行性角結膜炎に罹患し受診される方が増加しています。
 年齢では1〜5歳の小児に多いとされていますが、幅広い年齢層に発生しますので、注意が必要です。

【症状】
急に白眼の部分が充血したり、めやにが出ます。涙が多くなったり瞼が腫れることもあります。
職場や家庭などで、感染した人の涙やめやにが付着したタオルを共有したり、洗面器などに触れるなどして感染します。
この疾患はアデノウイルスというウイルスが原因となる感染症ですが、アデノウイルスは消毒薬等にも抵抗性をもっており、感染力も強いのが特徴です。

【疑わしい症状がある場合は・・・】
1.眼科で診察を受けましょう。
 病院内で他の人にうつさないように、「はやり目」の症状があることを、受付時に申し出て下さい。
2.タオルなどのリネン類は家族と共用しないようにしましょう。
3.入浴は家族が済んでから最後に行ない、入浴後に浴槽をよく洗い流して下さい。
4.外出は控えましょう。
5.お仕事をされている場合には、医師の許可があるまで休むようにして下さい。

【感染予防対策】
感染予防には手洗いが重要です。人ごみに出て、大勢の人が接触するような所に触れた手で、直接目に触れないようにしましょう。
まめに石鹸と流水でよく手を洗うよう心がけて下さい。

             (大阪厚生年金病院 看護部看護ケア推進室) 

引用・参考文献
1) 国立感染症研究所 IDWR:感染症の話
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_29/k02_29.html
2) 日本眼科医会 目の健康情報:ウイルス性結膜炎―5.流行性角結膜炎 http://www.gankaikai.or.jp/health/24/05.html

2007年07月12日

◆「健康百話」・薬の期限?


大阪厚生年金病院 薬剤部 

Q).残った処方薬を使おうと思うのですが、薬の期限について教えてください。

A).一般的に薬の有効期限は、製薬会社で作られてから2〜3年です。もちろん、薬そのものによってそれぞれ違いますし、みなさんの手元に届くまでに、随分と時間の経ている薬もあるかもしれません。

また、保管方法によっても大きく変わってきます。
薬にはそれぞれ適切な保管方法があるのです。例えば、冷蔵庫に保管しておかなければならないお薬を、暖かい部屋の中に長期間置いておいたり、光に不安定な薬を直射日光に当たるところで保管していたりすると、すぐに駄目になってしまいます。

ですから、一言にどれだけもつのかというのは答えられないんです。
そもそも、病院や診療所で処方される薬というものは、受診されたときの症状に合わせて出されるものです。自分では同じ症状だと思っても、実は違っていて、前回処方されたときとは異なるお薬が必要な場合もあるのです。

わかりやすく言うと、「病院で出される薬は、その人のそのときの症状に合わせた、オーダーメイドの薬だ」ということです。

病院で処方された薬をとっておいて、同じ症状の時に飲むというのはあまりいいことではありません。出されたときに正しく飲むようにして下さい。もったいないからと、次回に取っておかずに、必要がなくなれば捨てることをおすすめします

2007年06月15日

◆「健康百話」ー禁煙できる薬がある?


大阪厚生年金病院 薬剤部

Q、タバコをやめたいのですが、なかなかやめられません。禁煙できる薬があるときいたのですが、教えてください。

A タバコをやめやすくしてくれるお薬は現在2種類あります。
1つ目は、テレビのCMでも宣伝している「ニコレット」というガム製剤です。これは薬局で自由に買うことができます。

もう1つは「ニコチネルTTS」といわれる貼り薬です。これは病院で医師の診察をうけて、処方してもらえるお薬です。

どちらもタバコをやめにくくしている原因のニコチンを体のなかに取り入れて、「タバコが吸いたくてたまらない」といった症状を抑えてくれますので、比較的楽に禁煙できます。

タバコは皆さんもよくご存知のように、体によくないものですので、この機会に一度禁煙してみてはいかがでしょうか?
                               


2007年06月03日

◆[健康百話」薬を飲んだら、排泄物の中に白いものが?


大阪厚生年金病院 薬剤部
 
Q、薬を飲んだら、排泄物の中に白いものがありました。これは何ですか?

A、徐放剤という薬を飲むと便の中に白いものが混じることがあります。この白いものは薬の残骸です。徐放剤というのは1日1〜2回飲めば薬の効果が出るように設計された薬です。

スポンジの中に薬の成分が収められているのをイメージしてください。これを飲むと、胃や腸の中でゆっくりと薬の成分が溶け出し効果を発揮します。薬の成分が溶けだしてしまったスポンジは残骸として身体の外に排出され、便の中に白いものとして混じるのです。

ですから白いものが混じっていても少しも心配いりません。安心して薬を飲んでください。

便に白いものが混じっていることを発見された方は自分の健康に特に気をつけておられるのですね。自分の排泄物で健康を見ておられるのだと思います。そのとき発見されたのではないですか?

 このような「スポンジの中に薬の成分が収まった」形をした徐放剤は薬が長く効くために工夫した製剤のひとつです。種類は多くなく、持続性を必要とする薬に採用されており、例えば喘息薬のテオドールG20%の顆粒や抗てんかん薬のデパケンR錠などにみられます。

病院や薬局で薬をもらうとき「薬の説明書」も一緒に渡されます。徐放剤を飲むと便に白いもの含まれ、患者様はびっくりされるので「薬の説明書」の注意事項に記載されています。もらった薬の説明書をゴミと思わず、よく読んでいただければと思います。

薬を飲んで便に白いものが混じっていることは薬をちゃんと飲んでいる証拠、薬もちゃんと効いていると思います。

                   


2007年05月26日

◆「健康百話」水なしで薬の服用をしていいの?


                    大阪厚生年金病院 薬剤部

Q.薬を水なしで飲むと、どうしてダメなのですか?

A.薬を飲むときにしばしば、とても少ない水で、更には、まったく水を飲まずに薬を飲んでいる方を見かけます。そういった方は水なしで薬の服用していることが、さも元気な証であるかのようなお話をされることがあります。

しかし、薬を飲むときの水は重要な役割を持っていて、(1)お薬を流し込む。(2)お薬を溶かす。という2つの働きがあるのです。

(1) お薬を流し込む:薬の中には刺激のある薬もあります。飲む水の量が少ないと、お薬が胃まで流れ込まずに食道に留まってしまいます。そして、その薬の刺激のため喉や胸に不快感を感じたり、また場合によっては食道を傷めてしまうことがあります。

(2) お薬を溶かす:飲む水の量が少なければ、胃の中で十分に薬が溶けずに、その薬の吸収が遅れたり、また吸収されずに便として排泄されたりしてしまいます。  

このようにお薬を飲むときの水には大切な役割があり、水も薬と思っていただきたいのです。

最近では水なしで飲める薬も出始めてきましたが、われわれ薬剤師は飲む水の用法として「医師の特別な指示がなければ、お薬を飲むときはコップ1杯くらいの水で服用するのが良いです。」と説明しています。(了)                                     

2007年05月09日

◆健康百話・薬編 「水虫に勝つ!」・・・


大阪厚生年金病院 薬剤部
Q 再発させないためには?

A、薬を塗って治っても再び水虫になるというのは治療が不完全だったために、生き残った白癬菌が繁殖するからです。治ったと思って薬を塗るのをやめると、夏など足が蒸れる季節に水虫が再発します。

塗り薬を3〜4ヶ月間塗り続けると再発は減るようです。水虫は治らないとあきらめていませんか?一見正常に見えても皮膚の深部や爪に白癬菌は残っていることがよくあります。根気強く塗り薬を塗り続けてください。

 水虫は皮膚の浅いところで白癬菌という真菌(カビ)によって起こります。白癬菌は細胞壁という硬い殻に覆われているのでなかなか死にません。皮膚の浅いところに住み着いた白癬菌は適度に湿ったところの皮膚の古い角質を栄養にして育って生きているので塗り薬を塗るだけでなおります。

しかし、足の裏が硬くなったところの水虫や爪の水虫(爪白癬)は塗り薬がとどかないので飲み薬でなおします。塗り薬はドラッグストアで買えるものもありますが、飲み薬は病院で診療を受けないともらえません。

今までの水虫の塗り薬は1日に何回も塗らなければいけなかったのですが、最近は従来のものに比べ皮膚への浸透性がよくなり1日1回塗ればよいものが増えてきました。水虫になったら患部を清潔にし、薬を塗り、蒸れた靴を履かずに通気をよくしてください。

しばらくすると見た目には治ったように見えますが白癬菌はしぶといので途中でやめないで薬を塗り続けてください。塗り続ける目安は3〜4ヶ月間です。根気強さが水虫に勝つコツですね。(了)