2018年12月31日

◆今月の法律コラム「裁判員裁判」

川原 俊明 弁護士


 平成30年12月19日(水)、寝屋川市で中学1年生の男女2人を
 殺害した事実で、大阪地裁は、山田浩二被告に対して死刑判
 決を言い渡しました。この裁判は、裁判員裁判形式で行われ、
 判決期日の閉廷後、裁判員5人と補充裁判員1人が記者会見し、
「量刑判断に頭を悩ませた」と振り返りました。

 読者の皆様は、裁判員に選ばれたことはあるでしょうか。裁
 判員に選ばれると、仕事をしている方であればそれを休んで
 裁判 に参加しなければならなくなり、また期日も1週間程度
 連続であることも多く、負担は小さくはありません。

 そのため、選任されることを躊躇される方も少なくありません。
 筆者自身は裁判員に選ばれたことはありませんが、司法修習の
 際に、裁判員裁判の評議を見学する機会がありました。

そのときの印象としては、いずれの裁判員の方も、しっかりと自分な
 りの意見を表明しており、かつ、互いの意見をよく聞きながら、
 話し合われていました。また、裁判官も、一般の方である裁判
 員に、犯罪の成否や量刑についてわかりやすく説明をするよう
 に努めていました。

また、裁判官は、裁判員が自由に意見を出
 せる雰囲気を作るために、ときには雑談も交えながら、裁判員
 の緊張を和らげる工夫をしていました。

 私見としては、裁判員として裁判に携わることは、司法を身近
 に感じられるよい機会であるので、裁判員候補に選ばれた際に
 は、ぜひ積極的に参加していただければと思います。我々法曹
 も、より国民の理解しやすい裁判を実現するために、努力し続
 けなければなりません。

2018年12月26日

◆「離婚理由」ランキング 法律コラム

川原 俊明(弁護士)

あるサイトにて、離婚理由ランキングというものが発表されていました。

1位 性格の不一致

2位 不倫

3位 DV(暴力)

4位 精神的暴力・モラハラ

5位 子供への愛情が感じられない


いかがでしょうか。

実務上の立場から申しますと、離婚事件として当事務所にご依頼いただく際、この5つのどれかに該当することがほとんどだな、という印象があります。

特に、上位2つが8割を超えているのではないでしょうか。あとは、性格の不一致から生じる暴力や、不倫を前提としたモラハラ、子への愛情不足など、上位ランクは、すべて派生的に発生することが多いでしょう。

よく様々なサイトで、
「不倫なら慰謝料◎●円!」などとうたい文句がありますが、例えば先ほどの例である、不倫→モラハラなどであれば、追加的に慰謝料請求を行うことが可能な場合も多々あります。

言いたいことは一つです。これらの判断は弁護士だから可能なのです。

ご自身で判断され、行動することよりも、確実な法的知識を有する弁護士に事件解決を依頼し、適切な手続きで相手方との交渉を行うことが、一番の近道であると断言することができます。

また、電話で無料相談をご希望される方がいらっしゃいますが、実際に顔を合わせ、事情をご説明いただかなければ交渉の必要性をはじめ、その判断自体もできかねます。
(一般論はあくまでも一般論に過ぎません。あなたに該当するかどうかは不明です。)

そのためにも、電話口だけでなく、ご足労はおかけしますが、面談という方式にこだわり、
依頼者様一人一人に適したアドバイスをしていきたいと考えております。

離婚をはじめとする、男女問題のトラブルには絶対の自信を持って事件解決に望んでいます。

2018年12月03日

◆今月の法律コラム

                     川原 敏明 弁護士


「相続法改正(遺産分割に関する見直しについて)」

メルマガ108号で、平成30年7月に民法及び家事事件手続法の一
部を改正する法律が成立し、相続法分野が改正されたことをご紹介し
ましたが、今回は、相続法改正の中で、配偶者保護のための方策
(持戻し免除の意思表示の推定規定)がどのように規律されるのかを
まとめてみたいと思います。

婚姻期間が20年以上の夫婦(夫A、妻B)がいました。夫Aは、妻
Bの長年にわたる貢献に報いるとともに、妻Bが老後も安心して自宅
で住み続けることができるようにと考え、妻Bに対し、夫A名義の自
宅不動産を贈与しました。

ところが、現行制度では、贈与を行ったとしても,原則として遺産の
先渡しを受けたものとして取り扱うため、妻Bが最終的に取得する財
産額は、結果的に贈与等がなかった場合と同じになってしまいます。
これでは、夫Aが妻Bに贈与を行った趣旨が遺産分割の結果に反映さ
れません。

そこで、改正法では、婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他
方に対し、その居住用不動産を遺贈又は贈与した場合については、原
則として、計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り
扱わなくてよいこととしました。

これにより、贈与の趣旨に沿った遺産分割が可能となり、妻Bは、よ
り多くの財産を取得することができることになります。

2018年11月17日

◆著作物ってなに!?

川原 俊明


 著作物といって頭に浮かぶものは何でしょうか?

 おそらく、ゲームのプログラム、小説、漫画のキャラクター、歌詞とかいったものでしょう。

 著作物が一体何であるかを知らなければ、気づかないうちに著作権を侵害してしまい、著作権者から突然訴えられることにもなりかねません。

 そこで、あらかじめ著作物が何であるかを知っておくことは大切なことです。

 著作権法上、著作物として「言語」「音楽」「舞踏、無言劇」「美術」「建築」「地図、図形」「映画」「写真」「プログラム」の9種類が挙げられていますが、これは、あくまでも例示であって、これら以外にも、「思想または感情を」「創作的に」「表現したもので」「文芸、学術、美術または音楽の範囲に属する」と言えれば、著作物にあたり、法律上保護されることになります。

 この著作物にあたるかのポイントとは、「思想または感情を」「創作的に」といえるかどうかですが、「新聞」「写真」を例に挙げて著作物にあたるか検討してみましょう。

 まず、「新聞」について、「記事」は著作物にあたりますが、「見出し」は著作物にあたりません。なぜなら、「記事」は、記者が独自の取材をもとにして、思考をこらして作られるものであることから、まさしく「思想または感情を創作」しているからです。

これに対して、「見出し」は、とても短く、キーワードの羅列にすぎない場合も多く、誰もが考えつく表現が多く、思想が創作的に表現されたものとは言えません。
 
 次に、「写真」について、「スナップ写真」は著作物にあたりますが、「証明写真」は著作物にあたりません。なぜなら、「スナップ写真」は、撮影者のシャッターを押すタイミング、撮影のアングル、光のあて方によって、写真の出来がかわるものであり、撮影者による独自の撮影方法によるところが大きく創作的に表現されたものと言えるからです。

これに対して、「証明写真」は、単に機械的に撮影されるものであり、撮影者による「思想または感情」を表現したものとは言えないからです。
 
 最後に私が今書いているこの文章はどうでしょうか?

これが文芸と言えるかどうかについては、意見が分かれるところですが、私が「著作物」に関する文章を「思想を創作的に表現している」ことにはまちがいではないので、まさしく著作物にあたることになります。

ですので、私に無断でこの文章をコピーして販売することになれば、私に対する著作権を侵害することになりますので、みなさま、ご注意くださいね。(笑)

530-0047 大阪市北区西天満2丁目10番2号 幸田ビル8階  
弁護士法人 川原総合法律事務所      
弁護士 川 原 俊 明 

2018年11月14日

◆外国人観光客の急増

川原 俊明(弁護士)


 最近、電車を利用していると、必ず外国人観光客を見かけます。

 私は、政府が目標としている「2020年東京オリンピックまでに外国人観光客2000万人」が実現されつつあるのを肌で感じています。

 大阪では、舞洲にカジノを中心としたリゾート総合施設の計画があり、これが実現すれば、まちがいなく政府の目標が達成されるでしょう。

 さて、ここで最近話題になっているのが、外国人観光客のお土産として注目を浴びている日本の商品です。いくつか挙げてみましょう。

 まず、炊飯器です。特に、米を主食とするアジアの人々にとって、日本の炊飯器は、とても性能がよく大人気だそうです。関西空港でも、炊飯器が入った箱を積み上げて運んでいる中国の方たちをよく見かけます。

 次に、爪切りです。海外では、ニッパー式の爪切りが主流みたいで、日本の爪切りのように、コンパクトに折りたためて、しかも切った爪を収納できるのは、非常に珍しいようです。それに、非常に良く切れるとの評判です。

 最後に、最近特に注目を浴びているのが、消せるボールペン、フリクションペンです。
 皆様ご存じでしょうが、特殊なインクを使用することで、ペンに付いているチップで軽くこすると、あら不思議、消えてしまうのです。一定の摩擦熱をインクにあたえることで消えるみたいです。日本には、とてもカラフルな色が揃っており、1箱単位で買って行かれる方も珍しくないそうです。

 これらの商品が外国人に喜ばれているのを聞いて、日本人の私としては、非常に誇りに思うと同時に、お土産として母国に持って帰っていただくことは、アピールするのが苦手な日本人にとって、これ以上の宣伝はないとも思います。

2018年11月11日

◆外国人観光客の急増

川原 俊明 (弁護士)


 最近、電車を利用していると、必ず外国人観光客を見かけます。

 私は、政府が目標としている「2020年東京オリンピックまでに外国人観光客2000万人」が実現されつつあるのを肌で感じています。

 大阪では、舞洲にカジノを中心としたリゾート総合施設の計画があり、これが実現すれば、まちがいなく政府の目標が達成されるでしょう。

 さて、ここで最近話題になっているのが、外国人観光客のお土産として注目を浴びている日本の商品です。いくつか挙げてみましょう。

 まず、炊飯器です。特に、米を主食とするアジアの人々にとって、日本の炊飯器は、とても性能がよく大人気だそうです。関西空港でも、炊飯器が入った箱を積み上げて運んでいる中国の方たちをよく見かけます。

 次に、爪切りです。海外では、ニッパー式の爪切りが主流みたいで、日本の爪切りのように、コンパクトに折りたためて、しかも切った爪を収納できるのは、非常に珍しいようです。それに、非常に良く切れるとの評判です。

 最後に、最近特に注目を浴びているのが、消せるボールペン、フリクションペンです。
 皆様ご存じでしょうが、特殊なインクを使用することで、ペンに付いているチップで軽くこすると、あら不思議、消えてしまうのです。一定の摩擦熱をインクにあたえることで消えるみたいです。日本には、とてもカラフルな色が揃っており、1箱単位で買って行かれる方も珍しくないそうです。

 これらの商品が外国人に喜ばれているのを聞いて、日本人の私としては、非常に誇りに思うと同時に、お土産として母国に持って帰っていただくことは、アピールするのが苦手な日本人にとって、これ以上の宣伝はないとも思います。

2018年11月03日

◆貴ノ岩関が訴え取下げ

                     川原 敏明  弁護士


 大相撲の貴ノ岩関が元横綱の日馬富士関から暴行を受けて傷害を負
った事件で、貴ノ岩関は、日馬富士に対し、約2400万円の損害賠
償を求めて民事訴訟を提起していましたが、ニュースでこの訴えを
取り下げたということが報道されていました。

 貴ノ岩関と代理人弁護士によると、モンゴルでの貴ノ岩関の家族へ
のバッシングが激しく、訴えを取り下げざるを得なかったということ
です。

 モンゴルでは、日馬富士は英雄視されており、貴ノ岩関は日馬富士
の後輩にあたるのですが、傷害事件の被害者家族がバッシングを受け
ているということが事実であれば、とても悲しいことです。
 これが日本であれば、貴ノ岩関の擁護派が多数であると思います。

 モンゴルで家族が批難を受けていると貴ノ岩関から相談を受けた代
理人弁護士としては、正義はこちらにあるのだから民事訴訟で戦いま
しょうという趣旨のアドバイスをしたと思います。

 それでも、最終的には訴えの取下げという苦渋の決断をせざるをえ
なかったということは、貴ノ岩関の家族への批難の程度が想像を超え
るものであり、貴ノ岩関もその事実に心を痛めていたことは間違いあ
りません。

 民事訴訟は裁判所に判決を求める手続ではありますが、両当事者か
らの主張、立証が出そろった段階で、裁判所から和解の勧告がなされ
るのが通例です。

 そして、一般的に民事訴訟の大部分は和解によって終了していると
いう統計もあります。
 今回の貴ノ岩関の訴えの取り下げによって、貴ノ岩関と日馬富士の
和解の機会も失われることになると思います。

 日馬富士本人や日馬富士のさらに先輩にあたる白鵬関がSNS等で
モンゴル国民に対して貴ノ岩関の家族へのバッシングはやめるように
訴えるということは期待できないのでしょうか。

 日馬富士関は今後も被害弁償について誠実に対応していくと述べて
います。

2018年10月30日

◆遺言書の作成

川原 俊明 弁護士


遺言には、公正証書遺言や、自筆証書遺言や、秘密証書遺言等
があります。

それぞれ遺言の方式によって、要件が決まっています。

例えば、自筆証書遺言であれば、日付と氏名を自署し、押印を
しなければならないと定められており、これを欠くと無効な遺言
と扱われてしまいます。

そのため、ご自身の意思を相続人にきちっと伝え、相続の争い
を防ぎたい方には公正証書遺言の作成をおすすめしています。

公正証書遺言は、公証役場で作成するので、要件の誤りで無効
になる心配はありませんし、遺言は公証役場で保存されるので紛
失とか書き換え等の心配もないからです。
もっとも、近日、公正証書遺言であっても、無効であるという
裁判例が出されています。その多くは、遺言能力の有無が争われ
   た事案です。
    
遺言は、15歳になれば作成できますが、15歳以上であって
   も、意思能力がない状態で作成すると無効になってしまいます。
    
公正証書遺言であっても、意思能力がなければ、無効になる可
   能性があるのです。
    
意思能力の有無は、遺言者の病状、遺言の内容、遺言の作成状
   況等から総合的に判断されます。特に、遺言者の病状(認知症の
   程度等)は重視されます。
    
そのため、確実に遺言を残してスムーズに相続させたい方は、
   病状が進む前に作成されることをお勧めします。
    
遺言の作成を希望される方や、相続の問題でお困りの方はいつ
   でも当事務所までご相談ください。
  
530-0047 大阪市北区西天満2丁目10番2号 幸田ビル8階  
弁護士法人 川原総合法律事務所      
弁護士 川 原 俊 明 

2018年10月27日

◆消費者をまもる法律

川原 俊明(弁護士)


特定商取引法とは、@訪問販売、A電話勧誘販売、B通信販売、
  C連鎖販売取引、D特定継続的役務提供、E業務提供誘引販売取
  引、F訪問購入の取引について規制をする法律です。
   
@訪問販売取引を規制する法律が制定(昭和51年)されました
  が、その後、消費生活の変化にともない、様々な取引形態につい
  て被害を受ける消費者が増加し保護する必要が生じたために、上
  記A以下の取引について、順次規制するための改正がなされてき
  ました。
   
特定商取引による消費者被害の救済方法として、もっともよく
  利用される制度として、「クーリング・オフ制度」(頭を冷やし
  て考える猶予期間を確保するという意味)があります。
   
これは、本来、契約解除するためには、解除事由が必要なとこ
  ろ、クーリング・オフ制度が適用される取引については、ある一
  定の期間については、無条件で申込みの撤回、契約解除ができる
  というものです。
   
たとえば、訪問販売などでは、突然、自宅に押しかけてきて、
  消費者に十分考える余裕なく、一方的に業者のペースで取引がさ
  れることが多いので、申込書等の書面を交付されてから8日間は、
  無条件で申込みの撤回、契約解除ができます(頭を冷やして考え
  る猶予期間を確保する)。
   
もっとも、このクーリング・オフ制度は、B通信販売には、適
  用がありません。なぜなら、通信販売の場合、訪問販売等と異な
  り、消費者自らカタログ等を見て十分考えたうえで取引をするの
  で、消費者を保護する必要性が低いからです。

ただ、通信販売には、クーリング・オフ制度と似たものとして、
申込みの撤回等の特約(返品特約)が平成21年に新設され、広告中に 返品不可の表示がなければ、商品が購入者に到達した日から8日間、申込みの撤回ができます。

   また、訪問購入の取引についての規制は、近年、業者が消費者
  の自宅で商品を売るだけでなく、物品を購入しようとする業者が
  増え、トラブルが多くなったことから、平成24年に追加された
  ものです。
 
このように、特定商取引法は、消費生活の変化にともなって、
  頻繁に改正がなされることから、消費者を守っていく法律家にと
  って目が離せない法律といえ、今後も注目していかなければなり
  ません。 
   
訪問販売や通信販売等でお困りの際は、いつでも当事務所まで
  ご相談ください。

530-0047 大阪市北区西天満2丁目10番2号 幸田ビル8階  
弁護士法人 川原総合法律事務所      
弁護士 川 原 俊 明 

2018年10月22日

◆相続前サポート 法律コラム

  川原 俊明


相続は非相続にが亡くなってから。そう思っていませんか?

結論としまして、それでは遅いと言わざるを得ません。

この場合、遺産分割で揉めてしまうことが非常に多いといえるでしょう。
(相続は「争続」とよく揶揄されます。)

相続前にできる相続サポートをすることにより、紛争の未然防止に役立つことになります。

具体的にはどのようなことをしておくべきでしょうか。

@ 相続人調査
亡くなってから行うことが多いですが、事前に行っておくことも有用です。問題を提起してきそうな人物を抽出したり、未然に合意書を交わすことなど、
相続人調査を行うことで可能となります。

A 相続財産調査
資産の管理については、わかっている部分につきましては、ある程度まとめておいた方が良いでしょう。どの不動産や動産(物)に価値があって、実際に揉める可能性があるのかなど、ある程度、把握しておけば問題の未然防止になります。

公正証書の作成
これを一番オススメする理由は、問題を未然に防止することが目的です。
後々の問題を「法的に」予防することが可能です。
揉めそうな動産・不動産について被相続人を含め、相続人間で決めておけば、
紛争の防止に役立ちます。

以上@、A、Bは、弁護士でなければなかなか出来ることではありません。

相続前にでも、弁護士が入るメリットが多いという点を
ご理解いただければ幸いです。

2018年10月21日

◆弁護士を選択できる時代

川原 俊明

「現在、〇〇弁護士先生に事件を頼んでいますが、契約解除して、そちらにお願いしたいのですが、可能でしょうか?」

そのようなお問い合わせをいただく機会が増えています。ネットの流通により、容易に弁護士を選び、自身に適した弁護士を選択できる時代に入ったということでしょう。

弁護士全体の敷居が低くなったという背景もあると思います。

この事実は反対に、私たちも容易に契約解除されるという危険性もあるということを意味します。

依頼者が契約解除しようとする背景には、説明不足や、方針の違い、金銭的な理由など様々でしょうが、信頼関係がなくなったことが原因であることは間違いありません。

私たちは、そのような依頼者・お客様を前に、日々、自身を改善し、矜持といいますか、自覚を持って事件処理に当たる必要があると考えています。

ただそれは、単に依頼者の思った通りに動く、ということではありません。

依頼者のことを真剣に考え、十分な打ち合わせ時間を利用したうえで、依頼者と私たちが納得する形での事件処理です。

私たちは依頼者にとって都合のいい、その場しのぎの存在になるつもりはありません。口酸っぱくも、依頼者にとってためになると考える提案をさせていただきます。

弁護士が選択できる・選択される時代だからこそ今後もそのスタンスは大事にした事件処理に徹する決意です。

2018年10月01日

◆今月の法律コラム

川原 俊明


 平成30年7月6日に、民法及び家事事件手続法の一部を改正する
 法律が成立しました(公布は同年7月13日です)。

 民法のうち相続法の分野についての改正ですが、
 改正項目は多岐にわたります。

 その中で、今回は、相続人以外の者の貢献を考慮するための方策が
 定められましたので、一部紹介いたします。

【例題】
 A子は、40年前にB男と結婚しました。B男は長男でしたので、
 B男の母親(父親はすでに他界)と長年同居してきました。
 他に兄弟は妹のC子だけです。
 A子とB男の間にはこどもはいませんでした。

 しかし、30年前にB男に先立たれました。
 B男には、「両親を頼む」と生前頼まれていたため、
 B男の死亡後も、10年間一人でB男の母親の介護を、
 働きながら行っていました。

 C子は母親と折り合いが悪く、母親の介護は一度も
 手伝ってくれませんでした。最近、B男の母親も亡くなりました。

 母親には500万円の預貯金の遺産がありました。
 A子はこの500万円のうち、一部でも相続できるでしょうか?


 現行法では、答えは×です。A子は一切相続できません。
 C子が500万円すべてを相続することになります。

 しかし、今回の改正で、相続人以外の者の貢献を考慮するための
 方策が定められ、A子はC子に金銭請求することができるように
 なりました。

 母親から直接相続するわけではありませんが、 これまで
 報われなかったA子の貢献が報われるようになるということです。
 もし、C子と話し合いがつかなければ、
 裁判所で金額を決めてもらうことができます。

 但し、相続開始及び相続人を知った時から6か月、
 または相続開始から1年という期限があるので、
 早めに請求しないといけません。

2018年09月01日

◆「(LGBTは)生産性がないのです」

川原 俊明 弁護士


 自民党の杉田水脈衆議院議員が『新潮45』に寄稿した論考が
波紋を呼んでいます。

 LGBTとは
 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの
頭文字をとり、 セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の
一部の人々を指した総称です。

 一昔前と比較すると、継続的な差別反対活動や
 セクシュアル・マイノリティーの方のメディア出演の成果もあってか
 セクシュアル・マイノリティーに対して寛容な考え方を持つ人が
 多くなったように感じます。

 他方で、今なお根深く差別は存在しており、ときにそれは法律問題へと発展することもあります。
 その中の一つに、アウティングの問題があります。

 アウティングとは、LGBTなどに関し、本人の承諾を得ず、その性的指向や性自認を公表することをいいます。
 アウティング自体は、プライバシー権侵害あるいは名誉毀損として、
 民法上の不法行為(民法第709条)を構成します。

 アウティングが不法行為を構成する根本には、性的少数者であることを知られたくないという感情があり、
 その感情は、性的少数者であることを公表されれば差別されるという現状を大きな要因として生まれているように感じます。

 セクシャル・マイノリティーの方も、そうでない方も、つらい気持ちになったときは、周りの方に相談し、
 場合によっては、弁護士をお役立てくださいね。