2013年10月29日

◆中小企業経営承継円滑化法とは

〜法律コラム〜
川原 俊明


中小企業経営承継円滑化法には、遺留分に関する民法の特例、事業承継時の金融支援措置、事業承継税制の基本的枠組みが規定されています。

今回は、遺留分に関する民法の特例について簡単に解説します。
   
民法では、相続人らの生活の安定や相続人の公平を担保するために、最低限の相続の権利を規定しています。例えば、被相続人に配偶者および子の相続人がいるにもかかわらず、遺言によって不倫相手の女性に全ての財産を遺贈された場合、配偶者や子は不倫相手に最低限の相続分を主張し、金銭の支払いを要求することができます。

これを遺留分減殺請求権といいます。
   
事業承継の場面では、先代は後継者に多くの株式を譲りたいと考えます。しかし、遺言によって後継者に株式を譲り渡しても、他の相続人が遺留分を主張すれば、後継者が多くの支出をすることになり、事業継続が困難になる場合があります。

そこで、中小企業経営承継円滑化法は、この民法の遺留分の規定について、2つの特例を設けました。

1つ目は、一定の株式の価額を遺留分算定の基礎にしない除外合意ができ、2つ目は、遺留分算定の基礎財産に算入すべき価額を予め固定できることになりました。但し、推定相続人全員の合意が必要です。
   
どちらかの合意をして、経済産業省の確認および家庭裁判所の許可を受けることによって、当該合意の効力が発生します。
   
同特例を利用するためには一定の要件があります。
   
スムーズな事業承継をご検討の際は、当事務所にご相談ください。
(弁護士)
   ☆http://www.e-bengo.com/mail_it.html

2013年10月12日

◆ヘイトスピーチ(憎悪表現)は違法

川原 俊明


最近、京都朝鮮学園の周辺で在日の人たちの排斥を主張する団体に対し、京都地裁が、学校周辺での街宣活動禁止と1200万円の損害賠償を命じる判決を下した、という報道がありました。

「ヘイトスピーチ」。

聞きなれない言葉という感覚とともに、どこの国の人種差別行動かな、と思っていました。ところがこれが教育水準の高い平和な国日本の出来事だと知って愕然としました。

日本は理想的な平和国家であり平等社会を実現するため、世界に誇れる憲法を掲げています。いくら改憲論議があっても、日本を独裁軍事国家に変えようとする政治家はいません。

グローバル社会に向かう日本は、世界の人々と理解を深め合って平和に暮らしていかなければなりません。人種差別は許されません。

ヘイトスピーチは、表現の自由の域をはるかに越えています。刑法的に見ても、威力業務妨害罪、脅迫罪、侮辱罪など多くの刑罰法規に抵触します。民事的には不法行為として損害賠償 の対象になります。

人は、さまざまな考え方を持っています。それは当然のことです。

しかし法治国家のもとでは、他人を傷つけたり、人格を侵害することは決して許されないのです。

日本人としての崇高な人格を信じています。冷静な対応をお願いしたいと思います。            (弁護士)

2013年10月04日

◆特定商取引法改正のあり方

川原 俊明

 
昨今、自宅に押しかけた事業者に貴金属等を強引に買い取られるといった被害が増えていることを受け、新たに「訪問購入」の規制を盛り込む「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」(平成24年法律第59号)が平成24年8月22日に公布され、平成25年2月21日に施行されました。

この改正により、従前から規制されている「訪問販売」、「通信販売」等の契約類型と同様に、物品の種類や特徴、購入価格、引渡しの拒絶に関する事項などが記載された書面の交付義務が課されたり、同書面の交付から8日以内であれば、消費者は無条件で契約の申込みの撤回や契約の解除(いわゆる「クーリング・オフ」)が可能となりました。
   
また、業者が買主、消費者が売主となる契約類型であるとの特殊性から、消費者は、クーリング・オフ期間中、物品の引渡しを拒むことができるとの規定が設けられています。さらに、迷惑をかけるような方法等で同期間内に引渡しをさせること等も禁止されました。

訪問購入を行う業者としては、消費者から購入した物品をさらに転売して利益を得る態様が通常であると考えられます。
   
そこで、今後は、クーリング・オフ期間の経過前に業者が第三者に転売をしてしまい、その後、消費者から解除がなされた場合等の処理が法律上問題となり得るでしょう。

訪問購入や訪問販売、通信販売等にお困りの際は、お気軽に当事務所までご相談ください。法律相談はこちらからどうぞ。               (弁護士)
   ☆http://www.e-bengo.com/mail_it.html

2013年09月19日

◆新司法試験制度の問題点

川原 俊明


今年の司法試験合格率26.8%。新司法試験発足時、ロースクール卒業後の受験者に対する合格率予測が7割から8割の鳴り物入りで出発しました。

ところが、こんな高い合格率は達成したこともなく、むしろ低下傾向にあります。
 
理想と現実のギャップは余りにもひどいものがあります。これでは優秀な人材が司法界から消えてしまいます。三権分立とされる国の権力機構のなかで、チェック機能を働かせる立場にある司法が弱体するようでは、平和で安全な社会の構築維持できなくなります。

さらに、予備試験制度の途中発足も問題でしょう。問題と言っても新司法試験制度に対する疑問です。

ロースクールに入らなければ司法試験を受けさせない、という制度を作っておきながら、途中から、ロース クールにいかなくても受験させます、というのはすでに入学しているロースクール生に対する欺罔です。

これだけを見てもロースクール制度そのものが崩壊して います。こんなことならば、もともとロースクール制度が不要だったのではないか、と言えなくもありません。

文科省は、「入試の競争倍率が2倍未満」「3年 連続で司法試験合格率が半分未満」などの基準に基づき、18校のロースクールに対する補助金を削減する方針です。

しかし、その前提となる合格率も問題です。

ロースクールには、法学部出身など法律を学んできたものを対象とする既習コースと、本来のロースクール制度趣旨に沿った幅広く多様な人材を法曹に送り込む 未習コースとがあります。試験内容は同じなので合格率は当然既習コース組が高くなります。

ところが、マスコミ発表はこれを合体したかたちで報道しています。その数値が世間のそれぞれのロースクールの評価に繋がってしまいます。

結果はどうなるか。ロースクールは、合格率を上げるために既習コースに多く入学 させ、未習コース入学者を極力抑えようとします。

ロースクールが合格率を高く維持しようとすれば、既習コース生に以前の司法試験予備校と同じ勉強をさせてしまうことになりかねません。ロースクールの合格率も既習コースと未習コースを分けて発表すべきです。

今回合格者数の上位ロースクールの慶応、東大、中央のいずれも既習合格者が圧倒的です。合格者上位校の中でも早稲田は既習と未習をほぼ同じくらいに合格者を出しています。未習合格者だけで見ると圧倒的にトップです。

本来の新司法試験制度に沿ったロース クールは早稲田が一番であり、ロースクールはそうあるべきでしょう。合格率の偏った報道はロースクール制度を歪めます。                         (弁護士)

2013年09月13日

◆消費者をまもる法律

川原 俊明


特定商取引法とは、@訪問販売、A電話勧誘販売、B通信販売、C連鎖販売取引、D特定継続的役務提供、E業務提供誘引販売取引、F訪問購入の取引について規制をする法律です。
   
訪問販売取引を規制する法律が制定(昭和51年)されましたが、その後、消費生活の変化にともない、様々な取引形態について被害を受ける消費者が増加し保護する必要が生じたために、上記A以下の取引について、順次規制するための改正がなされてきました。

特定商取引による消費者被害の救済方法として、もっともよく利用される制度として、「クーリング・オフ制度」(頭を冷やして考える猶予期間を確保するという意味)があります。

これは、本来、契約解除するためには、解除事由が必要なところ、クーリング・オフ制度が適用される取引については、ある一  定の期間については、無条件で申込みの撤回、契約解除ができるというものです。

たとえば、訪問販売などでは、突然、自宅に押しかけてきて、消費者に十分考える余裕なく、一方的に業者のペースで取引がさ  れることが多いので、申込書等の書面を交付されてから8日間は、  無条件で申込みの撤回、契約解除ができます(頭を冷やして考え  る猶予期間を確保する)。
   
もっとも、このクーリング・オフ制度は、B通信販売には、適用がありません。なぜなら、通信販売の場合、訪問販売等と異なり、消費者自らカタログ等を見て十分考えたうえで取引をするので、消費者を保護する必要性が低いからです。

ただ、通信販売には、クーリング・オフ制度と似たものとして、申込みの撤回等の 特約(返品特約)が平成21年に新設され、広告中に返品不可の  表示がなければ、商品が購入者に到達した日から8日間、申込みの撤回ができます。
   
また、訪問購入の取引についての規制は、近年、業者が消費者  の自宅で商品を売るだけでなく、物品を購入しようとする業者が増え、トラブルが多くなったことから、平成24年に追加されたものです。
 
このように、特定商取引法は、消費生活の変化にともなって、  頻繁に改正がなされることから、消費者を守っていく法律家にとって目が離せない法律といえ、今後も注目していかなければなりません。 

訪問販売や通信販売等でお困りの際は、いつでも当事務所まで  ご相談ください。法律相談はこちらからどうぞ。 

http://www.e-bengo.com/mail_it.html

また、9月25日には消費者保護セミナーを開催しますので、内容を詳しくお知りになりたい方は、お気軽にご参加ください。
お申込みはこちらからどうぞ。   
http://www.e-bengo.com/mail_seminar.html
(弁護士)


  

2013年09月10日

◆プレゼンテーション能力の勝利

川原 俊明


東京が2020年夏のオリンピック開催都市に決定しました。日本では深夜の時間帯でしたがIOC国際オリンピック委員会総会での東京のプレゼンテーションの内容は最高でした。

フランス語、英語でのプレゼンテーションながら、アスリートを始め、プレゼンテーター全員が、いままでの日本人らしくない表現豊かで身振り手振りを使ったものでした。

説明内容もスポーツが夢と笑顔、希望と決意を与えてくれる、というIOC委員の心に訴えるものになりました。

オリンピック精神を上手に盛り込んだ演出も見事でした。

高円宮妃久子さまをはじめ、東日本大震災被災地出身の佐藤選手、フェンシングの太田選手、安倍総理、竹田理事長など、プレゼンチームは気持ちが完全に一つにまとまっていました。

私は、マスコミが直近に流した福島での原発汚染水問題や、韓国の日本産水産物輸出禁輸措置などのマイナス要因を完全に打ち消したプレゼンテーションの勝利で、東京決定は間違いないと確信しました。

もちろん、プレゼンテーションはあくまでアピール力の一つにすぎません。しかし、この内容どおり、日本が世界政治に翻弄されることなく、安全で平和なオリンピック開催を実践することが日本に課せられた責務です。

今回の東京オリンピック開催決定により、最近、失われつつある日本の「自信」を取り戻してもらいたい。経済的にも再発展の要因となることを期待しています。

ただし、政治面でも、日本は、自国の主張だけにこだわってはいけません。

まさにオリンピック精神を前面に出し、あらゆる国と平和な社会を築くようにするのが日本の役割だと思います。(了)
                       <弁護士>

2013年09月06日

◆子どもに罪はない

川原 俊明


最高裁判所で、婚外子に対する相続割合が、嫡出子の半分とする民法の法律(条文)を違憲・無効とする判断を下しました。

当然のことです。多いに賛成です。生まれてきたすべての子どもに何ら区別も差別もあってはなりません。婚外子に対する相続割合を差別する民法の条項は、戦後の家族制度・一夫一婦の夫婦制度を守る意味合いがありました。

結婚していない男女から生まれた子どもの相続割合を婚姻関係にある親から生まれた嫡出子と比較して半分に差別することにより従来の婚姻制度を守ろうとしてきたのです。婚姻制度を守らないで生まれた子は平等扱いされない、と。

法律は、社会制度を維持するために必要なきまりごとです。しかし、社会はたえず変化しています。一夫一婦の夫婦制度そのものが日本の社会から崩壊しつつあります。

多様な家族のあり方が生まれつつあります。婚外子といえども、子どもの立場からすれば、何ら差別される理由はありません。

結婚していない女性が子どもを産んではいけないのか。結婚していない立場の男女から生まれた子どもがどうして夫婦から生まれた嫡出子と差別されなければならないのか。生まれてきた子どもに何の責任もありません。

法律は、本来、その時々の社会の規範であるべきでした。しかし社会は大きく変化しています。一旦成立した法律も時節に応じた社会の変化に対応できなければ、逆に足かせとなり社会の発展を遅らせる原因となります。

法律改正を迅速に対応することによって法律と現実社会とのギャップを是正すべきです。
しかし、現実の国会運営をみると、法律改正手続は余りにも時間がかかりすぎ、二院制の下で時間的な無駄が多すぎます。その間隙を埋めるのが判例法でしょう。

最高裁判所の判決は、下級審を含め司法判断を支配します。同じ係争案件は、下級審で最高裁判所の判断と結論を異にすると、結局は上告により下級審判断が覆されることになるからです。 

その意味で、今回の最高裁判所による婚外子違憲判断は、民法解釈に大きな影響を与えることになるでしょう。

裁判所の判断において、個々の事例による判断が、異なっては法の平等の精神に違反します。

全国一律に子どもを平等扱いするためには、早急に民法改正が必要です。                   (弁護士)

2013年08月27日

◆藤圭子と私

川原 俊明


「圭子の夢は夜ひらく」。1970年ころ藤圭子が歌っていた大ヒット曲でした。

藤圭子が不慮の死を遂げたという報道がありました。ご冥福をお祈りします。芸能人とは接点が少ない私ですが、藤圭子だけは強烈な思い出があります。藤圭子というよりも、藤圭子にまつわる私自身のなつかしい強烈な思い出でがあります。

当時、私は早稲田の貧乏学生でした。早稲田界隈の下宿屋に、3畳一間の狭い部屋に一か月3,000円(畳一枚1000円)の家賃で住んでいました。

司法 試験受験のため、大学の図書館と下宿を往復する毎日でした。下宿にはテレビもなく部屋のラジオも滅多に聞かない生活でした。なぜなら部屋の間仕切りはベニ ヤ板だったからです。

朝起きてベニヤ板の壁にもたれてお茶を飲んでいると、偶然にも隣の学生も同じ位置にもたれたので、壁がせり上がって驚いたことがあり ます。信じられないことですが、背中の異様な感触を数十年後の今もなつかしく覚えています。

そんな下宿生活だったものですから、ラジオを聞くと隣の部屋に 丸聞こえなので遠慮して聞かなかったのでした。ですから当時の流行歌も知らず、ひたすら勉学の日々を送っていました。

あるとき、仲のいい高校時代の友達が、大阪で就職し、東京出張の機会に私に会いに来てくれたことがありました。「おいしいもの食っていないだろう」と貧乏学生の私を案じて、新宿の繁華街にある寿司屋に連れて行ってくれました。
 
東京在住とはいえ、ほとんど早稲田村から出たことがない私には、新宿の繁華街はむしろもの珍しさが一杯でした。食事を終わって寿司屋を出たとたん、目の前に着物姿の小柄な可愛い女性が立っていました。

大阪の友人は、「藤圭子や」と目を輝かして私に伝えてくれました。しかし、当時の私は、「藤圭子」の名前も顔も知らず、ましてや「圭子の夢は夜ひらく」といったヒット曲も知りません。ただ可愛い子だ、と思って見ていた女性が超有名人だと知った強烈な印象が残っています。

私と藤圭子との接点はただそれだけでしたが、当時は世間知らずの「今浦島」であった私。今回の訃報を伝える新聞記事が、「藤圭子と私」の記憶を蘇らせてくれました。
                       (弁護士)

2013年08月23日

◆猛暑の中で冷静に考えたこと

川原 俊明


8月15日の終戦記念日が過ぎました。閣僚の靖国神社参拝をめぐり、今年もまた例年のように隣国とのトラブルが絶えません。これが続く限り、日本に平穏な終戦は到来しません。

日本の立場を振り返ってみました。

少なくとも日本は、真珠湾攻撃により第二次大戦に突入しました。大東和共栄圏を唱えてアジア地域を囲い込みました。天皇の詔勅により敗戦を迎えました。これだけは歴史的事実です。

国家間の戦争も子ども同士の喧嘩も基本的には同じ側面があります。

紛争の原因一つをとっても互いの立場から異なる見解が生じるのはそれぞれの人間が自己防衛本能を持つ限り当然のことに思えます。人間が神にならない限り、これは永遠の課題でしょう。

しかし、紛争の発生により、紛争当事者は、意識するとしないにかかわらず時には加害者となり、時には被害者の立場に立ってしまいます。

戦争は人間から平常心を奪います。罪もない市民を巻き込みその命を奪います。少なくとも戦争当事者が加害者の立場に立つ場面があることを否定できません。より被害を受けた立場の者が被害意識を強めるのも経験則上当然のこととして受けとめざるを得ません。

問題の平和的解決の方法は互いの立場を理解し合うことです。それぞれがより冷静な対応をして相手の気持ちを冷静に受けとめることです。でないといつまでたっても日本に終戦は来ません。

隣国とのトラブルは日本の国益を害しています。
                           (弁護士)


2013年06月01日

◆改正労働契約法について

川原 俊明


アベノミクスと言っても、まだまだ不況続きの世の中。パートタイム労働者や派遣労働者などの「有期労働契約」で働く人たちにとって、契約期間の満了は、死活問題です。

このような、有期労働契約者がかかえる雇い止めの不安を解消し、安心して働き続けることができるよう、労働契約法が改正されました。

改正の結果、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約に関し、同一使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された時は、労働者が希望すれば、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できることになったのです。

無期労働契約転換後の労働条件は、別段の定めがない限り、直前の労働契約と同一です。より具体的な例を挙げて説明します。

10年前から1年ごとのパート契約を締結していた場合を考えてみます。すでに10年以上契約が更新されていたからといって、直ちに無期契約への転換請求はできません。同年4月1日以降の有期契約締結から始めて「5年」がカウントされます。

なぜなら、改正労働契約法の施行日(効力発生日)は、平成25年4月1日なので、それ以降の有期契約に適用されます。施行日以降の1年ごとのパート契約が5回更新され6回目の更新中に「無期転換請求」ができることになります。

もっとも、5年のうちに6か月以上契約がない期間があったり、使用者が同一でなかったりすれば、改正労働契約法の適用はありません。また、無用のトラブルを防ぐため、転換の意思表示は書面等で明確にしておくべきですし、転換後の労働条件等についても具体的な協議をしておく必要があるでしょう。

改正労働契約法は、本来、有期労働者の雇用確保を目的としたものです。しかし、雇用の固定化を嫌う使用者にとっては、無期転換請求が来る前に雇い止めをしてしまうことが考えられます。改正法は、不合理な雇い止めを禁止しています。

したがって、無期労働契約への転換を希望する場合には、当事務所にご相談いただき、適切に対応されることをお勧めします。(弁護士)

◆法律相談はこちらからお気軽にどうぞ。 
 ☆http://www.e-bengo.com/mail_it.html
   
◆また、6月20日には雇用問題セミナーを開催しますので、内容をより詳しくお知りになりたい方はこちらからお申込みください。   
http://www.e-bengo.com/mail_seminar.html

2013年05月17日

◆人格を疑う橋下発言

川原 俊明(弁護士)


「戦時中の慰安婦容認。」「沖縄駐留米軍に風俗店活用を。」、これらの言葉が大阪市長たるものの口から出た発言かと耳を疑いました。まさしく日本の恥です。

いやしくも政治家たるもの、国民あるいは住民を代表する責任ある言動をとるべきです。政治家に愛想が尽きました。

21世紀になり文明もますます進化してきました。日本も男女共同参画社会を唱えるくらい成熟社会に入ってきました。

男性も女性も平等でなければなりません。男女が互いを尊重し合い補い合う社会を実現しなければなりません。これも教育によって、次の世代につなげていく必要があります。

ところが教育の重要性を説き、教育委員会すら切り捨てようとする橋下大阪市長が、女性の人格を無視した言動を平気で公言するのは、人格的にかなりの低レベルだと評価せざるを得ません。橋下発言は、国民や住民に対する背信行為です。

少なくとも次の選挙では、圧倒的多数の女性は橋下市長を支持しないでしょう。常識的な男性もまったく支持しません。

また橋下発言を擁護する石原前都知事、ならびに松井大阪府知事は人間失格です。彼らが率いる政党は、賞味期限切れどころか政治の世界から退場処分が必要です。一日も早く。

私は、大阪府民として、こんな首長しか選択できなかった大阪市民や大阪府民に改めて言いたい。選挙は人気投票ではないのだ、ということを。

橋下発言によって、またしても世界が日本を異様な国として評価されてしまいます。同盟国アメリカからも早速非難が来ています。非難を受けるのは当然です。

今回の橋下発言は、日本人そのものの評価を下げてしまいます。実にばかげた発言です。
結局、損失を被るのは日本国民なのです。

(弁護士法人 川原総合法律事務所   
ホームページ http://www.e-bengo.com )

2013年05月09日

◆ニュアンスの違う「改憲論」

川原 俊明(弁護士)


安倍政権のもとで、自民党支持率の堅調さを背景に改憲論議が意気盛んです。
改憲論者にも様々なニュアンスの違いが見られます。

● 一つの改憲論。
今の憲法は、日本が第二次大戦の敗戦後、占領下のアメリカによって押し付けられた憲法である。自主的な憲法ではない。だから新たに日本の意思に基づいて新たに制定すべきである。占領時の手続的な問題を指摘する感情派の主張です。

しかし、直前まで軍国主義一辺倒の日本が、敗戦と同時に平和主義、国民主権を謳歌する憲法草案など作れるはずがありません。その意味で、今の憲法は、民主主義国家アメリカからの日本に対する素敵なプレゼントでもあります。

憲法前文に謳われた崇高な理想は、むしろ人類の永遠の願いです。こんなすばらしい憲法をいだく日本は世界に胸を張れることができます。

その意味で、基本的には実に良くできた憲法と私は評価しています。
憲法前文を変えたり、なくしたりしてはいけません。

● 二つ目の改憲論
以前から問題になっている自衛権をめぐる憲法9条改正論議です。9条に定めた戦争放棄条項をなくそうというものです。

独立国家である限り、他国からの侵害を防御するのは当然で、自衛権の範囲で武力を保持するという自衛隊合憲論が基調になり、自衛権だけではまどろっこしい、というのが論拠です。

しかし、日本が第二次大戦で莫大な被害を被った歴史を忘れてはいけません。戦争を知らない世代が、映画、テレビゲームの世界だけで伝わってくる戦争というものに対する格好良さで済まされないものがあります。戦争は人格を否定する悪そのものです。

これに手をつけるべきではありません。戦後70年近く日本が平和でいられたのも憲法9条のおかげなのです。
 
● 三つ目の改憲論
96条改正論。改正条項そのものを先に変えてしまおう、とするものです。さまざまな憲法条項を変えるにしても、日本の憲法はとてつもなく手続を困難にしています。衆議院、参議院それぞれの総議員の3分の2以上の賛成、さらに国民の過半数の賛成、という二重の制約を課しています。

一つ一つの問題を議論していたら憲法改正はあり得ないことになるので、手続条項そのものを憲法改正しやすくなるように先に変えましょう、という議論。

手続だけなら、というご意見もあるでしょう。しかしこれが一番怖いです。
時の為政者によって国民が振り回される恐ろしい世界が見えてきます。

● そして私の改憲論
私は、やみくもに憲法改正を反対するものではありません。憲法といえども、たかが国の決まり事。永遠に、というのはあり得ません。

しかし、日本の国をどうするのか、この根本的な議論を国民全体で議論しましょう。政治家に頼らないで。そうすれば、何を改正すべきで、何を改正すべきでないか、が国民の共通認識になってくると思います。

私の持論は、二院制の廃止。

すなわち参議院の廃止を求めます。これには憲法改正が必要です。いまの日本は、変化する世界のスピードについて行けていません。参議院制度が元凶の一つです。

同時に、議院内閣制も廃止。大統領制に向かうべき、と。国民主権といいながら選挙権の不平等すら是正しようとしない政治家しか選べない選挙制度、そして政治制度はさっさとやめましょう。

2013年04月30日

◆ハーグ条約と子の引き渡し

川原 俊明(弁護士)


3組に1組が離婚するともいわれる日本の高い離婚率。離婚に伴い、 争点の一つとなるのが、子の処遇です。

特に、離婚を前提として別居 を開始する際などに、一方の親の監護権を侵害する形で子の連れ去り が行われる事案が少なくありません。このような連れ去りが日本国内でなされた場合には、管轄の家庭裁判所に子の監護者の指定や子の引 渡しの審判、調停の申立て等により、子の処遇を定めます。
  

もっとも、この問題は、国内のみに限られません。というのも、グ ローバル化の影響で、国際離婚も増加しているからです。
  

国際的な子の奪取の民事面に関する条約(通称ハーグ条約)は、締 約国間で子(※16歳未満)の不法な連れ去りが行われた場合の、子 の返還手続や、子との面会交流の実現について定めた条約です。
  

ハーグ条約は、現在、アメリカ、全てのEU加盟国、韓国など、世 界中で89か国が締約しています。G8諸国では、日本のみが未締結 の状態です。


4月23日に同条約への加盟を承認する法案が、衆院本会議で 可決されました。今後参院で審議され、5月下旬にも同条約が承認される見通しです。
  

一方の親の監護権を侵害する形での子の連れ去りは、子の福祉を害 するおそれの高い問題行為です。子の福祉が回復されるよう、すみや かに法的措置をとる必要があるといえます。
  

離婚や離婚に伴うお子さまの福祉等についてお悩みの際は、お気軽 に当事務所までご相談ください。

 ☆ 家事事件等についての法律相談は、こちらからどうぞ。
   http://www.e-bengo.com/mail_it.html