2013年05月17日

◆人格を疑う橋下発言

川原 俊明(弁護士)


「戦時中の慰安婦容認。」「沖縄駐留米軍に風俗店活用を。」、これらの言葉が大阪市長たるものの口から出た発言かと耳を疑いました。まさしく日本の恥です。

いやしくも政治家たるもの、国民あるいは住民を代表する責任ある言動をとるべきです。政治家に愛想が尽きました。

21世紀になり文明もますます進化してきました。日本も男女共同参画社会を唱えるくらい成熟社会に入ってきました。

男性も女性も平等でなければなりません。男女が互いを尊重し合い補い合う社会を実現しなければなりません。これも教育によって、次の世代につなげていく必要があります。

ところが教育の重要性を説き、教育委員会すら切り捨てようとする橋下大阪市長が、女性の人格を無視した言動を平気で公言するのは、人格的にかなりの低レベルだと評価せざるを得ません。橋下発言は、国民や住民に対する背信行為です。

少なくとも次の選挙では、圧倒的多数の女性は橋下市長を支持しないでしょう。常識的な男性もまったく支持しません。

また橋下発言を擁護する石原前都知事、ならびに松井大阪府知事は人間失格です。彼らが率いる政党は、賞味期限切れどころか政治の世界から退場処分が必要です。一日も早く。

私は、大阪府民として、こんな首長しか選択できなかった大阪市民や大阪府民に改めて言いたい。選挙は人気投票ではないのだ、ということを。

橋下発言によって、またしても世界が日本を異様な国として評価されてしまいます。同盟国アメリカからも早速非難が来ています。非難を受けるのは当然です。

今回の橋下発言は、日本人そのものの評価を下げてしまいます。実にばかげた発言です。
結局、損失を被るのは日本国民なのです。

(弁護士法人 川原総合法律事務所   
ホームページ http://www.e-bengo.com )

2013年05月09日

◆ニュアンスの違う「改憲論」

川原 俊明(弁護士)


安倍政権のもとで、自民党支持率の堅調さを背景に改憲論議が意気盛んです。
改憲論者にも様々なニュアンスの違いが見られます。

● 一つの改憲論。
今の憲法は、日本が第二次大戦の敗戦後、占領下のアメリカによって押し付けられた憲法である。自主的な憲法ではない。だから新たに日本の意思に基づいて新たに制定すべきである。占領時の手続的な問題を指摘する感情派の主張です。

しかし、直前まで軍国主義一辺倒の日本が、敗戦と同時に平和主義、国民主権を謳歌する憲法草案など作れるはずがありません。その意味で、今の憲法は、民主主義国家アメリカからの日本に対する素敵なプレゼントでもあります。

憲法前文に謳われた崇高な理想は、むしろ人類の永遠の願いです。こんなすばらしい憲法をいだく日本は世界に胸を張れることができます。

その意味で、基本的には実に良くできた憲法と私は評価しています。
憲法前文を変えたり、なくしたりしてはいけません。

● 二つ目の改憲論
以前から問題になっている自衛権をめぐる憲法9条改正論議です。9条に定めた戦争放棄条項をなくそうというものです。

独立国家である限り、他国からの侵害を防御するのは当然で、自衛権の範囲で武力を保持するという自衛隊合憲論が基調になり、自衛権だけではまどろっこしい、というのが論拠です。

しかし、日本が第二次大戦で莫大な被害を被った歴史を忘れてはいけません。戦争を知らない世代が、映画、テレビゲームの世界だけで伝わってくる戦争というものに対する格好良さで済まされないものがあります。戦争は人格を否定する悪そのものです。

これに手をつけるべきではありません。戦後70年近く日本が平和でいられたのも憲法9条のおかげなのです。
 
● 三つ目の改憲論
96条改正論。改正条項そのものを先に変えてしまおう、とするものです。さまざまな憲法条項を変えるにしても、日本の憲法はとてつもなく手続を困難にしています。衆議院、参議院それぞれの総議員の3分の2以上の賛成、さらに国民の過半数の賛成、という二重の制約を課しています。

一つ一つの問題を議論していたら憲法改正はあり得ないことになるので、手続条項そのものを憲法改正しやすくなるように先に変えましょう、という議論。

手続だけなら、というご意見もあるでしょう。しかしこれが一番怖いです。
時の為政者によって国民が振り回される恐ろしい世界が見えてきます。

● そして私の改憲論
私は、やみくもに憲法改正を反対するものではありません。憲法といえども、たかが国の決まり事。永遠に、というのはあり得ません。

しかし、日本の国をどうするのか、この根本的な議論を国民全体で議論しましょう。政治家に頼らないで。そうすれば、何を改正すべきで、何を改正すべきでないか、が国民の共通認識になってくると思います。

私の持論は、二院制の廃止。

すなわち参議院の廃止を求めます。これには憲法改正が必要です。いまの日本は、変化する世界のスピードについて行けていません。参議院制度が元凶の一つです。

同時に、議院内閣制も廃止。大統領制に向かうべき、と。国民主権といいながら選挙権の不平等すら是正しようとしない政治家しか選べない選挙制度、そして政治制度はさっさとやめましょう。

2013年04月30日

◆ハーグ条約と子の引き渡し

川原 俊明(弁護士)


3組に1組が離婚するともいわれる日本の高い離婚率。離婚に伴い、 争点の一つとなるのが、子の処遇です。

特に、離婚を前提として別居 を開始する際などに、一方の親の監護権を侵害する形で子の連れ去り が行われる事案が少なくありません。このような連れ去りが日本国内でなされた場合には、管轄の家庭裁判所に子の監護者の指定や子の引 渡しの審判、調停の申立て等により、子の処遇を定めます。
  

もっとも、この問題は、国内のみに限られません。というのも、グ ローバル化の影響で、国際離婚も増加しているからです。
  

国際的な子の奪取の民事面に関する条約(通称ハーグ条約)は、締 約国間で子(※16歳未満)の不法な連れ去りが行われた場合の、子 の返還手続や、子との面会交流の実現について定めた条約です。
  

ハーグ条約は、現在、アメリカ、全てのEU加盟国、韓国など、世 界中で89か国が締約しています。G8諸国では、日本のみが未締結 の状態です。


4月23日に同条約への加盟を承認する法案が、衆院本会議で 可決されました。今後参院で審議され、5月下旬にも同条約が承認される見通しです。
  

一方の親の監護権を侵害する形での子の連れ去りは、子の福祉を害 するおそれの高い問題行為です。子の福祉が回復されるよう、すみや かに法的措置をとる必要があるといえます。
  

離婚や離婚に伴うお子さまの福祉等についてお悩みの際は、お気軽 に当事務所までご相談ください。

 ☆ 家事事件等についての法律相談は、こちらからどうぞ。
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2013年04月13日

◆法律コラム「子の引き渡し」

川原 俊明(弁護士)



離婚の際にもっとも問題になるのは、子どもの監護をどちらが行うか、です。
  
ともすれば、別居後こちらで子どもをきちんと監護していたのに、ある日突然相手方に連れ去られる、といったことがあります。
  
このような場合に取りうる手段として、家庭裁判所に子どもの引き渡しを求めるというものがあります。
  
子どもの引き渡しが認められるか否かは事案によりますが、それが認められた場合に実効性はあるのかということが問題になります。
  
かつては、家庭裁判所で子の引き渡しが認められても、強制的に相手方から子どもを取り戻すことは困難で、ひたすら相手方を説得するという方法が取られていました。
  
しかし、その方法では実効性がないため、最近では、強制的に子どもを取り返すことが可能になってきました。
  
きちんとした手続を踏めば、例えば、相手方の近所に通っている子どもを保育園から連れ出したり、相手方が拒んでも多少の威力を行使して子どもを取り戻したりすることも可能です。
  
ただし、子どもの年齢が高くなると本人の意思が強くなりますので、強制的に連れて帰ることができなくなります。
  
事案によりますが、だいたい7歳くらいまでなら、強制的に連れ戻すことが可能だと考えられています。
  
もしもあなたの子どもが相手方に連れ去られてしまった場合には、泣き寝入りせずに、まずは、私の法律事務所までご相談ください。

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2013年01月19日

◆家事事件手続法について

川原 俊明 
        


平成25年1月1日より施行される「家事事件手続法」(以下、「新法」という)について、簡単にお話します。


なお、平成25年1月1日以前に申立がなされた事件については、旧法が原則、適用されます。


新法では、家事事件手続きをより利用しやすい制度にする改正が行われました。その中でも、電話会議、テレビ会議の導入については、手続 保障の観点から、その有効利用が期待されます。


電話会議、テレビ会議については、すでに民事訴訟において、採用されています。民事訴訟では、当事者の一方は裁判所に出頭しなければなりませんが、新法では、当事者が誰も裁判所に出頭しなくても、電話会議システムによる手続進行が可能となりました。
  

離婚調停等で、当事者の一方が遠隔地で別居している場合や、相続人 が全国に点在する可能性がある遺産分割などの事件では、利用率が高くなることが期待されています。
  

なお、電話会議システムでは、離婚または離縁の調停を成立させることはできません(法268条3項)。無事に調停成立の場合は、裁判所が 当事者の意向をしっかり確認した上で、事件終了させることになります。
  

新法には他にも改正点があり、家事調停をより利用しやすくなります ので、大阪在住の方はもちろん、地方にお住まいの方で、当事者間で解 決できない遠隔地での離婚調停や遺産分割などをお考えの際は、ぜひ当 事務所までご連絡ください。

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2012年12月12日

◆「むちうち」について

川原 俊明


むち打ちは、交通事故の中では比較的軽い傷害として受け取られているうえに、他覚所見がないことが多いため、被害者救済が充分なされないことがあります。

その上、注意してもらいたいのは、症状が軽いからと言って、被害者が受傷の初期段階で適切な治療を受けなかった場合には、後々、思いもよらず不利な結果を招くことがあります。

すなわち、被害者には、損害を拡大しないように適切に対応する信義則上の義務が課されていますので、被害者が事故後治療を怠り損害を拡大してしまい、加害者がその事実を立証した場合には、過失相殺されてしまうことがあります。

たとえば、被害者が、事故直後に病院にいって医師からなんらかの指示があったにもかかわらず、その指示を無視して治療を続けなかったために治療期間が長引いた場合には、何割か過失相殺され、充分な賠償を受けられません。

もっとも、被害者が、医師から入院を勧められたにもかかわらず、家庭や家業の都合によって通院した事例において、治療期間が多少長引き後遺障害の程度に多少影響があっても、被害者に過失があったとは認められないと判断されています(福岡地裁判決昭和46年1月29日)。

したがって、合理的な理由があれば初期に適切な治療を受けなくても、加害者からきちんと満額の損害賠償を受けることができますが、不用意に医師の指示に従わなかったり、病院に行かなかったりすると、充分な賠償を受けられなくなってしまいます。

交通事故に遭ったら、軽いむち打ちといった症状しか出ていなくても、きちんと病院に行って医師の指示に従いましょう。          (弁護士)

2012年12月01日

◆「相続時精算課税」制度をご存知?

川原 俊明


みなさんは相続時精算課税制度をご存じでしょうか?

贈与税は、暦年課税(毎年1年間の贈与を受けた財産の価額を合計し、そこから基礎控除額110万円を差し引いた金額に税率をかけて計算する方法)され、税率は、課税価格によって10%から50%と定められ>ています。

しかし、相続時精算課税制度を利用すると、2500万円の特別控除 額を超えない限り、何回でも複数年にわたって非課税で贈与をすることができます。しかも、税率は一律20%です。

この制度を利用すると、相続時に贈与を受けた財産を相続財産に加算 して相続税を計算し、贈与時に支払った贈与税を控除して相続税を支払うことになります。

ただ、この制度は生前贈与を行いやすくする制度なので、65歳以上 の親から20歳以上の子に贈与する場合にしか適用できません。

贈与時より相続時の時価が上がる財産があれば、この制度を利用して> 相続税を低く抑えることができるかもしれませんね。

さて相続税です。

被相続人が死亡すると、相続が開始します。

被相続人の遺産を承継した相続人は、相続税を支払わなければなりません。

納税の義務は、国民の三大義務のうちの1つですから、申告期限 (相続開始のあったことを知った日の翌日から10か月以内)や納期限 (原則申告期限と同様)を超過すれば、重加算税が課されるばかりか、 脱税の罪に問われる可能性もあります。

もっとも、相続税は、財産があればその全てについて課税されるわけではありません。

まずは基礎控除によって、課税価格が減額されます。

基礎控除は、「5000万円の定額に、法定相続人1人あたり1000万円を加算した額」です(ただし、平成27年1月1日以降の相続に ついては、3000万円+600万円×法定相続人数に改正予定。)。

例えば、法定相続人が配偶者と子1人であれば、7000万円(50> 00万円+1000万円×2)が控除されます。

また、配偶者は、配偶者に対する相続税の軽減特例により、取得した遺産が法定相続分相当額以下もしくは1億6000万円までであれば、相続税はかかりません。

このような控除は、相続税を最小限に抑えるために、大いに活用すべきといえます。相続が開始した場合には、相続税もお忘れなく、遺産をどのように分けるか話し合いましょう。

当事務所では、弁護士のほか、司法書士も在籍しており、相続に関連する事案を多く取り扱っております。

相続について、お困りのことがあれば、いつでも当事務所までご相談ください。

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                                (弁護士)
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2012年11月06日

◆弁護士バッチを外す若手弁護士

川原 俊明


弁護士バッチは、弁護士の理念たる自由と正義が、ひまわりと天秤(てんびん)の形状で表されています。
 
最近の若手弁護士。このバッチを積極的に胸元につけようとしない風潮があります。大きな金色のバッチなので、目立ちすぎて気恥ずかしいと思うのでしょうか。あるいは、かっこ悪いとさえ思っているのでしょうか。

私はあえて言います。弁護士バッチがかっこ悪いと思うのならば、弁護士をやめてしまえばいい。 弁護士バッチをつけたがらない弁護士は、おそらく、このバッチに表された意味を理解していないのでしょう。あるいは、弁護士業務のなんたるかを理解しないまま、たまたまロースクールを卒業し、新司法試験に合格してしまった、という人種ではないでしょうか。

弁護士たるもの、法律家としてのプロ意識を持つべきでしょう。

私たちは、プロの仕事をして、その成果を依頼者から感謝され、そのうえで報酬という形で対価を得るのです。依頼者の立場から言えば、弁護士がプロの法律家であるという認識があるからこそ事件の依頼をし、着手金を支払っているのです。

たしかに、「弁護士」というのは、あくまで資格であり、バッチそのものではありません。しかし、弁護士は、そのバッチに表された弁護士業務のなんたるかを理解したうえ、責任ある仕事をすべきものです。

私がイソ弁時代、尊敬するボス弁の宮ア乾朗弁護士によく言われました。

「依頼者は、弁護士に対し、全幅の信頼を寄せて事件を託すものだ。弁護士は、そのバッチに恥じない仕事をせよ。弁護士たる資格に恥じない仕事をするためにも、弁護士バッチを必ずつけろ」と。

弁護士として目的意識の薄い、あるいは弁護士業務に自信のない連中が、バッチを外すのでしょうか。私には、その因果関係の程はわかりません。

しかし、最近の弁護士をみていると、プロ意識のない、サラリーマン根性しかない、なさけない弁護士がいることも事実です。 これは、依頼者にとって、大変迷惑な話です。


2012年07月05日

◆高次脳機能障害と介護費用

川原 俊明


通常の障害の場合、症状固定後に介護費用が出るケースは、後遺障害等級第3級以下であると認められないケースもあります。

交通事故によって、脳に障害を負ったケースで、幸いにも意識を回復し、リハビリで、一定の日常生活が出来るようになったケースで、「高次脳機能障害」が残るものがあります。

その場合にいつも問題となるのが、将来の介護費用です。

日常生活はある程度自分で出来るが、高次脳機能障害が残ったケースというのは、生命の維持に最低限必要な所作は自分でできるけど、火を消し忘れたり、刃物に対して注意を払わなかったり、突然異常行動を起こしてしまうなど、近親者にとっては一人にしておくことが心配になるというケースも多くあります。

その場合の介護の形態は、いわゆる肉体的な介添えではなく、看視、声かけの程度にとどまり、そのような形態が、果たして介護といえるのかという議論があります。

最近は、「高次脳機能障害」に対する理解が高まり、必要な介護費用の全額は認められなくても、一定の割合で将来の介護費用について裁判で認められることもありますが、全額が保障されるケースはまだまだ多くないと思います。

しかし、高次脳機能障害の患者は、一定程度自分で行動が出来るために行動範囲も広く、現実に看視、声かけなどをするといっても、自宅で全身介護をする以上の負担がかかることもあります。

そのため、障害の程度が全身介護が必要な人よりも軽く、自分である程度行動が出来るからといって、必ずしも介護の費用及び負担が、全身介護の人よりも安い(軽い)とは限らず、家族の負担、不安は図り知れないことを、もっと広く理解される必要があるのだと思います。(再掲)        (弁護士)

2012年03月15日

◆交通事故とむち打ち症

川原 俊明



交通事故の被害者が、その後の後遺症に悩まされるケースとして、「むち打ち症」というものがあります。

「むち打ち症」は、頚椎捻挫、頚部挫傷、頚部外傷、外傷性頚部症候群など、様々な傷病名で呼ばれ、いくつかの分類があります。

交通事故との関係では、症状固定時期や後遺障害の有無・等級をめぐって問題になることがあります。

交通事故の後、被害者の方が「むち打ち症」に苦しんでいても、他覚所見がない場合、受傷後6か月を過ぎると、保険会社は症状固定になったとして、治療費の打ち切りを告げてくることがあります。また、等級認定にあたって後遺症として評価されない可能性もあります。

しかし、被害者の方にとっては、「むち打ち症」で苦しんでいる場合、少しでも不安を解消して欲しい、慰謝して欲しいと思うのが当然です。

被害者の方は、レントゲンやCT、MRIなどの画像診断やスパークリングテスト、ジャクソンテストなどを行っているか確認しましょう。

自覚症状だけでなく客観的側面から、その損害算定の資料収集に努めるとともに、少しでも被害者の不安や苦労が慰謝されるよう、努力することが大切です。
                             (弁護士)


2012年02月23日

◆参議院は廃止すべし

川原 俊明


参議院は、なくした方がいい。

日本国憲法は、2院制を前提とした国会組織を制定しました。第二次世界大戦敗戦後の昭和21年。

旧憲法、すなわち貴族院制度を基軸とした明治憲法制度を背景にして、天皇制維持を前提に、新(現行)日本国憲法が制定されました。占領軍GHQの意向を踏まえながら、民衆代表の衆議院と、貴族院の変型となる良識の府代表の参議院を設け、2院制が堅持されました。ここでは「貴族」の意思とも、民衆代表の衆議院とも異なる「良識の府」が参議院だったのです。 
 
日本国憲法では貴族制度などの身分制度が廃止されました。そのため現代社会に適合するように衆議院とは異る「良識の府」としての参議院が必要だというのでしょう。 しかしながら、現実を直視しましょう。

現代において、参議院は、衆議院と異なった良識の府としての機能を発揮しているでしょうか。現実には、民意の「足かせ」となっているのです。

民主主義社会においては、民意集約による意思形成が必要です。しかしながら、貴族院という特殊身分制度がなくなった現代の社会では、同じ民意を反映するものとして、衆議院と参議院の二つも必要ありません。しかも、その時々の政治情勢のもとで選出される代表を二つ競合させるとすれば、一つの国家意思の形成は至難の業です。
 
要するに、異なる時期に設定された異なった二つの民意の存在は、国家意思決定には不必要です。そんな異なった2種類の民意の調整に要する時間的ロスを考えるべきです。世界は、スピーデイに動いています。ウサギとカメの比較ではありませんが、今は、カメでなくウサキのスピードが必要です。スピーデイな国家意思形成が必要なのです。

今の国際社会を勝ち抜くため、よりスピーデイな国家意思の決定が必要です。日本の2院制によって、日本の国家意思形成が遅れ、世界の動きに日本が立ち後れてしまっているのが現実です。日本の国家意思形成の組織が必要です。
 
参議院を廃止しましょう。世界情勢の中で、日本の立ち後れの原因は明らかに2院制にあります、独裁的な中国共産党がいいとは決して申しません。しかし国家意思形成には即決が必要なのです。日本復活のために一院制をすべきです。

そのために、思い切って憲法改正をしましょう。

2012年02月19日

◆日本人と韓国人の子ども

川原 俊明


日本人と韓国人の夫婦の子どもの国籍は、日本国籍と韓国国籍のどちらになるのでしょうか。
 

まず、日本国籍法によれば、両親のどちらか一方が日本人であれば、子は日本国籍を取得します。また、韓国国籍法によっても、両親のどちらか一方が韓国人であれば、子は韓国国籍を取得します。
 

すなわち、日本人と韓国人の夫婦の子どもは日本国籍と韓国国籍の両方を取得します。いわゆる二重国籍です。
 

では、その子はずっと二重国籍かと言えばそうではありません。
 

まず、日本国籍法によれば、二重国籍者は満22歳までに国籍を選択しなければならず、満22歳までに選択しない者は、法務大臣の催告の上、なお選択しなければ、日本国籍を失うこととされています。
 

また、韓国国籍法によれば、二重国籍者は満22歳までに国籍を選択しなければならず、満22歳までに選択しない者は、法務部長官からの選択命令の上、なお選択しなければ、韓国籍を失うこととされています。
 

以上をまとめると、日本人と韓国人の夫婦の子どもは、当初日韓の二重国籍をもち、満22歳までに日本籍と韓国籍のどちらの国籍を持つかを選択し、その後は選択した国籍を持つということになります。

2012年02月11日

◆日本と韓国の離婚においての違い

川原 俊明


1、裁判離婚における離婚原因について

⑴ 韓国・日本に共通する離婚原因
 @配偶者の不貞行為、A配偶者からの悪意の遺棄、B配偶者の3年以上の生死の不明、Cその他離婚を継続 しがたい重大な事由があるとき

⑵ 韓国法にあって日本法にない離婚原因
 @配偶者またはその直系尊属から甚だしく不当な待遇を受けたとき、A自己の直系尊属が配偶者から甚だしく不当な待遇を受けたとき

「不当な待遇」とは、身体・精神に対する虐待又は名誉に対する侮辱を意味し、「甚だしく」とは、配偶者の一方が夫婦の同居生活の継続に対して苦痛を感じる程度を意味します。

⑶ 日本法にあって韓国法にない規定
 @配偶者が強度の精神病かかり、回復の見込みがないとき
  韓国法と日本法では、離婚原因について⑵、⑶のような違いがあります。

2、離婚請求権について

韓国法では、@不貞行為が離婚原因となった場合は、不貞行為を事後に宥恕したときや、不貞行為の事実を知った日から6か月経過したときや、不貞行為があった日から2年経過したときに、A婚姻を継続することが困難な重大な事由が原因となっている場合は、その事由を知った日から6か月経過したとき、離婚請求権は消滅すると規定されています。

一方、日本法には、このような規定はありませんので、韓国法を準拠法にする場合にはこの点に注意が必要です。

3、子の氏
 日本法では、夫婦の離婚に際して、子の氏を変更する手続きが規定されていますが、韓国法には、そのような規定はありません。また、韓国法では、原則として子の姓・本(父系血統の始祖が現れた場所をいう。)は、父の姓と本に従うとされていますので、離婚により、子の姓と本が変わることはありません。

そこで、子の姓を母の姓に変えたい場合は、例外として認められている子の福利のために姓と本を変更する必要があるときにあたるとして、子の姓と本の変更許可を求める審判を申し立てる必要があります。 

このように、韓国法と日本法にはさまざまな違いがあり、また、本人の国籍や居住地、争いの相手の国籍や居住地によっても準拠法や手続法が異なってきますので、何かわからないことがあれば、弁護士にご相談ください。