2007年01月29日

◆最大の供養

川原俊明(弁護士)

事の起こりは、岡山で発生した悲惨な交通事故。
Tさんの妻が自転車で走行中、バックしてきた10トン・ダンプカーに引っかけられて、自転車もろとも転倒。妻の体の一部を後部車輪に巻き込んでしまったのです。

悲壮な女性の悲鳴に、驚いた近所の人たちが異常を察知し、ダンプカーの運転手に事故発生を知らせました。ダンプを降りてきた運転手は、初めて人身事故の発生を知り動転。ダンプカーに引き返すと、ギアをドライブにして、巻き込んだ女性を後部車輪から引き離すべきところを、何と逆に、ギアをバックに入れてしまい、思い切りアクセルを踏んでしまったのです。

 その結果、ダンプの後部車輪が、完全に女性の体に乗り上げてしまって、女性は大量失血。それが原因で死亡に至るという最悪の結果を招いてしまいました。
 
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2006年12月30日

◆「新会社法」の悪用


                  川原俊明(弁護士)

平成18年5月1日から施行された新会社法。
特徴的なことの一つに、最低資本金制度の廃止があります。従前、株式会社の場合、最低1000万円という資本金が必要で、誰でもすぐに株式会社設立、という訳にはいきませんでした。

もちろん、特例法によって、資本金の「1円企業」も可能だったのですが、それでも5年以内に資本金を1000万円にしないと存続させてもらえなかったのです。
 
ところが、新会社法によると、起業家による株式会社設立・利用の促進という観点から、資本金は、まさに1円でもいい、ということになりました。その結果、株式会社の外形を悪用し、財産隠匿、債権者からの追及回避、という法人格を濫用するケースがないわけではありません。

その一例が身近なところにありました。
最近ようやく、景気回復の波に乗り、ゴルフ場にも、ゴルフ人口が少しは戻り始めました。数年前、ゴルフ場の倒産が、日常茶飯事のように報道されていた時代からようやく落ち着きが出てきたように思います。

ちなみに、ゴルフ場のメンバー(会員)は、会員権を購入することによって、当該ゴルフ場の優先的利用権を確保します。その際、預託金なるものをゴルフ場運営会社に預託します。運営会社としては、ゴルフ会員権の販売に伴う預託金で事業を運営するために、預託金の返還を10年以上据え置く場合が多いのです。

K弁護士事務所では、Aゴルフ場のメンバーであるFさんとK弁護士との熱い議論が戦わされていました。

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2006年09月11日

108年前から間違っていた戸籍

              川原俊明(弁護士)

某市役所の住民登録の窓口でのことでした。担当者曰く、「Kさん、住民基本台帳カード申請していただいたのですが、あなたの「原」は、第三画の「点」がない「はら」ですよ。当用漢字にはありません」。Kさん「そんなことはありません」。「生まれたときから、当用漢字の「原」を使ってきました」。「もう一度戸籍を調べてください」。「何かの間違いでしょうから」。

早速、親切な担当者は、戸籍のある○○県に問い合わせてくれました。しかし、調査の結果、Kさんの戸籍には、担当者の言うとおり、当用漢字の「原」から第三画の「点」がない「はら」の文字が、書かれていたのです。
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2006年03月30日

◆承諾殺人をなくすには

            川原俊明(弁護士)

最近の朝日新聞社説に、義母への介護にまつわる悲喜こもごもを映画化した「折り梅」が注目を集めている、との記事が掲載されました。
 
折しも、当法律事務所で取り扱った「承諾殺人罪」の刑事裁判がありました。長年、妻の介護を続けてきたものの、妻の様態に改善が見られず、ますます衰弱していく姿に将来を悲観し、妻とともに無理心中を図ろうとした夫。その夫Iさんが、承諾殺人罪の被告人として刑事裁判に。

刑事弁護の依頼者は、こともあろうに「被害者」である亡き妻Sさんの息子であり、亡き妻の実母や親族でした。ふつうなら、被害者側の親族が、刑事被告人の減刑を求めて弁護士に弁護を依頼するはずがありません。

「この事件の真相は、ここにある」と、K弁護士は考えました。20年の長きにわたり、難病にかかった妻Sさんをささえてきた夫Iさんの愛情は、とても崇高なもので、その愛情に支えられた介護活動は、なかなか真似のできるものではありません。
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2006年02月05日

◆脱サラ社長の 勝利

      弁護士   川原俊明

大会社のサラリーマンを辞し、自分の力を信じ一国一城の主となったTさん。満を持して事業を興すことになりました。「いっちょうやったるでぇ。」大阪商人の心意気がここにありました。
Tさんは、長年の実務経験を生かし、家具・家庭用電化製品のリサイクルショップを経営することに・・。

出店にあたり、業界では名の知れたE社とフランチャイズ契約を締結。E社からのノウハウを得て、一気に地元の業界を制覇しようと考えたのでした。「FC」と略称されるフランチャイズ契約。

セブンイレブンやローソンなどのコンビニは、大半がFCです。
明治29年成立の民法には、予測もしなかった契約形態でした。
一定の地域で商標やサービスマークなどで知名度があり、集客力を有する企業(フランチャイザー)が、その経営ノウハウを事業者(フランチャイジー)に提供する、というのがFCの契約形態です。
 
フランチャイザー(E社)にとっては、他の事業者の資金や人材を利用して事業規模を拡大でき、フランチャイジー(Tさん)は、事業経営のため、フランチャイザーの商標・知名度・ブランドなどを使って有形無形の援助を期待できる、というものです。
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