2017年04月05日

◆派遣労働者の保護を図っていく時代

川原 俊明(弁護士)


 
労働者派遣法は、昭和60年に制定されて以降、時代の流れに沿って、度々、改正されてきました。

 労働者派遣法第40条の2もそのひとつで、同条は、「派遣先は、同一の業務で派遣可能期間(最長3年)を超える期間、継続して派遣労働者を使用してはならない」と規定しており、これに関連して、派遣先が講ずべき措置に関する指針第14項は、「派遣期間終了後3か月を超えない場合には継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなす」と規定しています。

 これによって、3年の派遣契約期間終了後、3か月間のクーリング期間をおくことで派遣労働者の使用をできないようにして派遣労働者による常用労働者の代替防止の確保を図っていました。

 ところが、これらの規制をうまくかいくぐるように、派遣契約期間終了後、すぐに3か月間を超える期間(3年と1日)の直接雇用契約をし、その契約終了後、再度、派遣契約をして、実態として、3年超える期間、派遣労働者の継続使用する会社が現れました。

 これは、上記指針の3か月間というクーリング期間を利用して、再度、派遣契約を締結し、これによって、派遣労働者を使用し続けるというものでした。

 これについては、元派遣労働者の派遣先での直接雇用を認めていく方向での判決がなされ、この判決を契機に、派遣労働者の保護を図る以下のような労働者派遣法の改正が行われ、平成27年10月1日に施行されます。

 派遣先が違法派遣を知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなされるという労働契約申込みみなし制度です。

 今回の法改正で、派遣労働者の地位の改善が少しはなされたかと思いますが、まだまだ不十分かもしれません。会社に都合のいいように利用されがちな派遣労働者の地位の向上を図っていくためには、現場にいる派遣労働者の声が裁判所、国会に届けなければなりません。

 上記判決、今回の法改正は、それを実感させるものでした。



2017年03月29日

◆プリペイド式携帯電話の転売

川原 俊明



プリペイド式携帯電話が、犯罪に利用されるようになってから久しくなります。
 
プリペイド式携帯電話は、前払い式の携帯電話で、外国人旅行客や子供による使いすぎ予防等に利用されれば、非常に有用なものです。
 
しかし、日本でプリペイド式携帯電話が販売された当初、購入時の身元確認が不要であったため、犯罪に多用されるようになりました。
 
今では、携帯電話不正利用防止法が施行され、プリペイド式携帯電話も身元確認しないと購入できなくなりましたが、未だにインターネット等を利用して転売され、犯罪に利用されているのが実情です。
 
さて、以上のように、プリペイド式携帯電話が転売されるといっても、購入者は窓口で身分証を提示して購入しなければなりません。
 
その際、転売を目的とするこの購入者は、なんらかの罪に問われないのでしょうか。
 
この点、ある被告人が第三者への無断譲渡を意図してプリペイド式携帯電話を購入した事件について、東京高等裁判所(平成24年12月13日判決)は、「詐欺未遂罪」にあたると判断し、同被告人を1年6か月の懲役(実刑)としました。
 
「未遂罪」となっているのは、窓口の人間が「無断譲渡されない。」と信じたかどうかが分からなかったためです。逆に言えば、窓口の人間が「無断譲渡はされない。」と信じていれば、「詐欺既遂罪」(未遂罪より重い罪)が成立するということです。
 
上記判決が、プリペイド式携帯電話の転売目的に関する他の事件にどこまで適用されるかは分かりませんが、今後、購入者が詐欺罪に問われていけば、プリペイド式携帯電話の犯罪利用は減少するかもしれません。

2017年03月23日

◆某プロ野球選手の悩み

川原 俊明(弁護士



Q「困っています・・・」
私はT球団のプロ野球選手なのですが、最近調子が良くありません。

ファンからきついヤジを浴びせられたり、メガホンを投げつけられ、さらに調子が落ちてしまいました。

このままでは契約更改で減給必至です!年俸が下がった分を、ヤジを飛ばしたファンに対して損害賠償請求できませんか?

A「お答えします」
民法は不法行為によって損害を被った場合に、損害賠償を請求できるとしています(709条)。

しかし、損害賠償請求が認められるには、加害行為と損害の間に「因果関係」がなければなりません。

あなたの場合、確かにヤジ行為によってあなたが精神的に弱ってしまった可能性はありますが、野球のプレーに影響を与えたといえるかがは別問題となります。

そして、通常のヤジ行為程度であれば、一般的にはプレーに影響が出たりするとは認定されない可能性が高いです。

まして、あなたの場合、ヤジを受ける前から調子を落としているとのことなので、ヤジによって調子を落としたとは認定されない可能性は非常に高いと思われます。

プロ野球選手になった以上、ヤジに負けない強い精神力を養って、今年もがんばってください。


2017年03月19日

◆損害賠償請求の可否

川原 俊明(弁護士)


Q:実は不倫してました・・・慰謝料請求されたくないので、新相方と国外逃亡を決意!
もう請求されませんよね?

A:不倫は民事上不法行為として損害賠償責任を発生させます。
 従って、相手方は貴方を被告として訴訟で損害賠償を請求してくるものと思われます。
 ここで、貴方が国外に逃亡した場合、訴訟上問題がいくつかあります。

 第1 訴状は、貴方(被告)に送達されなくてはなりません。そこで、貴方(被告)の所在が不明の場合、訴状の送達ができずに裁判が始まらないのではないかが問題になります。

 しかし、貴方(被告)の所在が不明だからといって、裁判ができないというのも不合理です。原告の申立により、公示送達(裁判所の掲示板に掲示する)等により貴方(被告)に送達したものとみなされて、裁判が開始されるのが通常です。

 第2 裁判が始まって、貴方(被告)が欠席したらどうなるのでしょうか?

 相手方が主張する事実を貴方(被告)が争わない場合には、これを自白したものとみなされます。従って、欠席すれば、自白したものとみなされて、貴方(被告)の敗訴=損害賠償義務が認められることになります。

 第3 強制執行はどうなるのでしょうか?

 貴方(被告)が所在不明であっても、その不動産や預金等の財産が国内にある限り、判決に基づき強制執行は可能です。

 また、貴方(被告)の財産が国外にしかない場合でも、その国が外国裁判所の判決による強制執行を認めている場合には、原告はその国の裁判所に申し立てて強制執行が可能です。

 以上から、残念なお知らせですが、国外逃亡しても、大丈夫とは言えないでしょう。

2017年03月16日

◆使用者の安全配慮義務違反を理由とする

〜労働者の損害賠償請求と弁護士費用について〜

川原 俊明(弁護士)

 交通事故にあった被害者の方が加害者に対して損害賠償を求める際に、弁護士に委任した場合、被害者は、当該弁護士に対し、弁護士費用を支払わなければなりません。

 もっとも、従来から、交通事故の損害賠償請求訴訟において、裁判所は、被害者が負担すべき弁護士費用のうち相当額を交通事故に起因する損害の一つとして認め、加害者に対し、その賠償を命じています。

 交通事故の損害賠償は、民法上の「不法行為」をその根拠としています。
 他方、労働者が使用者の管理体制の不備により業務中に事故にあった場合は、使用者の安全配慮義務違反、すなわち、民法上の「債務不履行」を根拠として、使用者に損害賠償を請求していくケースが多いです。

 もちろん、労働者としては、交通事故の場合と同様、弁護士に委任して、できる限り優位な立場で賠償を求めていきたいところでしょう。

 では、この場合にも弁護士費用は損害に含まれるのでしょうか。

 これまで、この点に関する裁判所の立場は、明確ではありませんでした。
 そうした中で、今回、最高裁判所が、使用者の安全配慮義務違反を理由とする労働者の損害賠償請求の場面においても、労働者が負担する弁護士費用を損害として認めましょうという判断をしました(最高裁平成24年2月24日第二小法廷判決)。

 損害を被った被害者にとっては、事故がなければ高額の弁護士費用を支払わなくてもよかったわけですから、法律上の根拠が「不法行為」であろうが、「債務不履行」であろうが、損害として請求したいところでしょう。

 この意味では、一般の市民感覚に沿った常識的な判断であると考えます。

2017年03月09日

◆借地借家法38条2項所定の書面の意義

川原 俊明(弁護士)

 

建物の賃貸借を行う場合で、その期間を定める場合のことを「定期建物賃貸借」といいます。

 定期建物賃貸借契約を締結する場合には、『建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借契約は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない』とされています(借地借家法38条2項)。

 このように法が定めるのは、定期建物賃貸借は期間が定められており、賃借人に不利な契約であるため、十分に賃借人に契約内容を熟知させる必要があるからだと考えられています。

 そうだとすると、賃借人が十分に契約内容を熟知している場合には、事前の書面の交付がなくとも、定期建物賃貸借は成立しており、賃貸人は期間が満了すれば賃借人を追い出すことができるのではないかとも思われます。

 しかし、最高裁は「法38条2項の趣旨は契約の更新の有無に関する紛争を未然に防止することにもある」として、書面の交付を形式的、画一的に取り扱うべきであると判断しています。

 つまり、契約書とは別個独立に更新がなく、期間満了で契約が終了する旨記載した書面は必要であり、そのような書面がない場合には、期間の定めがない賃貸借として更新されたこととなります。

 定期建物賃貸借契約を締結する場合には、書面の存在に十分に気をつけて契約することにしましょう。

2017年03月05日

◆外国人観光客の急増

川原 俊明(弁護士)



 最近、電車を利用していると、必ず外国人観光客を見かけます。

 私は、政府が目標としている「2020年東京オリンピックまでに外国人観光客2000万人」が実現されつつあるのを肌で感じています。

 大阪では、舞洲にカジノを中心としたリゾート総合施設の計画があり、これが実現すれば、まちがいなく政府の目標が達成されるでしょう。

 さて、ここで最近話題になっているのが、外国人観光客のお土産として注目を浴びている日本の商品です。いくつか挙げてみましょう。

 まず、炊飯器です。特に、米を主食とするアジアの人々にとって、日本の炊飯器は、とても性能がよく大人気だそうです。関西空港でも、炊飯器が入った箱を積み上げて運んでいる中国の方たちをよく見かけます。

 次に、爪切りです。海外では、ニッパー式の爪切りが主流みたいで、日本の爪切りのように、コンパクトに折りたためて、しかも切った爪を収納できるのは、非常に珍しいようです。それに、非常に良く切れるとの評判です。

 最後に、最近特に注目を浴びているのが、消せるボールペン、フリクションペンです。

 皆様ご存じでしょうが、特殊なインクを使用することで、ペンに付いているチップで軽くこすると、あら不思議、消えてしまうのです。一定の摩擦熱をインクにあたえることで消えるみたいです。日本には、とてもカラフルな色が揃っており、1箱単位で買って行かれる方も珍しくないそうです。

 これらの商品が外国人に喜ばれているのを聞いて、日本人の私としては、非常に誇りに思うと同時に、お土産として母国に持って帰っていただくことは、アピールするのが苦手な日本人にとって、これ以上の宣伝はないとも思います。

2017年03月02日

◆精神的不調に基づく解雇

川原 俊明(弁護士)

 最近、精神的な不調から、会社を長期休養する方が増えています。会社はそのことを理由に、当該労働者を解雇できるのでしょうか。

 解雇の有効性は、様々な要因から判断されるので一概には言えませんが、要因の一つに、会社がきちんと労働者をケアしたか、があげられます。

 会社がきちんとケアしても労働者の長期休養が終わらなければ解雇も有効だと判断されやすくなりますし、会社がケアもせずに解雇すると無効と判断されやすくなります。

 最高裁平成24年4月27日判決においても、「精神科医による健康診断を実施するなどした上で、その診断結果等に応じて、必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し、その後の経過を見るなどの対応を採るべき……」とされています。

 上記判決は、当該労働者が、精神的不調の原因が同僚にある旨の主張をしていた事件ですので、そのまま当てはめられるかは分かりません。

 しかし、会社としては、精神的不調により長期欠勤が続いているからといって必ずしも即解雇ができるとは考えない方が良いようです。

 まずは、裁判所に説明できるくらいに、精神的ケアを行う環境を整えましょう。

2017年02月26日

◆ETCレーン内の交通事故

川原 俊明



最近は、ほとんどの車にETCが搭載されています。それに比例して、ETCレーンでの交通事故が多発しています。そこで、ETCレーン内での事故について、判例を踏まえてご紹介したいと思います。

高速道路のETCレーン内でA車が徐行していたところ、その後ろを走っていたB車がレーン内で追突しました。

ETCシステム利用規程8条1項には、「ETC車線内は徐行して通行すること」「前車が停止することがあるので必要な車間距離を保持すること」とされており、ETCシステム利用規則実施細則4条には、「ETC車線内で前車が停止した場合、開閉棒が開かないもしくは閉じる場合その他通行するに当たり安全が確保できない事情が生じた場合であっても、前車又は開閉棒その他設備に衝突しないよう安全に停止することができるような速度で通行」すべきと規定されています。

裁判例では、上記条項を指摘した上で、追突車両に一方的な過失を認めました(A車:B車=0:100!!)。

そして、「仮に、開閉棒が開かない場合で、A車が急ブレーキをかけた場合であっても」、これに追突することは上記規定・違反に反するB車の一方的な過失だとして、A車の過失を否定しています。

事例判断ですので、ケースバイケースな面もありますが、裁判所の基本的な考え方は、ETCレーンに侵入した前方車両がある場合、その後方を走る車両は、万が一、開閉棒が開かなかった場合であっても、追突しないよう、高度な注意義務が課せられているということです。

ETCは、渋滞緩和にもつながる便利なものですが、便利ゆえにより一層注意して利用したいものです。


2017年02月23日

◆戦艦武蔵の所有権

川原 俊明



米マイクロソフト社の創業者の一人であるポール・アレン氏が率いる調査チームが、フィリピンのシブヤン海内の水深1000メートルに沈んでいた戦艦武蔵を発見したそうです。
 
戦艦武蔵と言えば、姉妹艦の戦艦大和とともに第二次世界大戦下では世界最大級の戦艦としてあまりにも有名です。
 
ところで、法律的な観点から見て、今回発見された武蔵の所有権は、誰に帰属するのでしょうか。
 
発見者のポール・アレン氏なのか、もともとの所有者である日本国(当時の大日本帝国)なのか、あるいは、フィリピン国なのか。
 
ちなみに、日本には、遺失物法という法律があります。
 
遺失物法は、遺失物の所有権はもともとの所有者に帰属することを原則としながら、同法28条1項は、遺失物が無事に所有者に返還された場合、所有者は、当該物を拾ってくれた者に対して、当該物の価格の100分の5以上100分の20以下に相当する額の報労金を支払わなければならないと規定しています。
 
とはいえ、武蔵が発見されたのは外国の海底ですので、日本の遺失物法の適用はありません。
 
今回の場合、適用の可能性のあるのは、フィリピン国の法令のほかに、水中文化遺産保護条約、国際法である海事法などがありますが、武蔵の所有権の帰属について明確な回答は難しそうです。
 
もっとも、ポール・アレン氏は、仮に同氏が武蔵の所有権を取得したとしても、これを日本に寄贈するという意向を示しているそうです。
 
最終的には、1944年の沈没から70年以上の時を経て、日本が戦艦武蔵の所有者として認められることになるかもしれません。
 
ただし、フィリピンの領海内なので、日本政府が勝手に引き上げたり、撤去したりはできませんし、海底1000メートルなので観光も難しいでしょう。
 
それにしてもロマンのある話なので、ぜひ映画化期待ですね。題名は「男たちの武蔵」でいかがでしょう?

2017年02月18日

◆成年後見制度について

川原 俊明 (弁護士)


私たちは、部屋を借りたり、物を買ったり、買い物をしたり、いろいろな契約を結んで、生活をしています。

契約を結ぶ際、私たちは、契約の内容を理解して、どのような利益や負担が生じるのか判断して意思決定します。

しかし、認知症の方や知的障害のある方等のように、適切に意思決定をすることが困難な場合があります。

このような場合、ご本人や、その親族等からの申し立てにより、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあると裁判所が判断すれば、後見が開始され、成年後見人が選任されます。

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができますので、成年被後見人が、例えば、ひとりで訪問販売の勧誘を受け、高額な契約をしてしまったとしても、
後から、本人や後見人が取り消すことが出来ます。

但し、日用品の購入その他日生活に関する行為は取り消すことは出来ません。
その他、例えば、施設に入る必要がある、介護サービスを受けたい等、必要な契約があれば、後見人が被後見人の意思を尊重して、本人の代わりに契約を締結することができます。

このようにして、被後見人の意思を尊重しながら、安心して社会生活を営むことができるようにするのが成年後見制度です。

ご家族の中で、意思決定をひとりでさせることにご不安がある等のお悩みがあれば、ご相談ください。


2017年02月15日

◆相続させる旨の遺言

川原 俊明



Aには、Bという息子とCという娘がいます。
Aは、世話になっている息子のBに、遺言で、自身の財産をすべて譲りたいと考えました。

そこで、Aは、Bへの感謝の気持ちを込めて、「Aの所有に係る財産全部をBに相続させる」旨を記載した公正証書遺言を作成しました。
その後、Aが亡くなりましたが、Aが亡くなる3か月前に、Bが亡くなっていました。法律上、死人には権利主体の資格はありません。

そこで、Cは、死んでいる人に対する遺言だから失効していると主張し、法定相続分を主張しました。

一方、Bには、妻D1、子D2がおり、Dらは、Bがもらうはずだったから、
Bの相続人である私たちがもらう権利があると主張しました。
AとBは天国にて困った顔をしています。

さて、裁判所はどのように判断したのでしょうか?

最高裁平成23年2月22日判決によりますと、
「『相続させる』旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた
推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該『相続させる』旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、

遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情がない限り、その効力が生ずることはないと解するのが相当である」と判示しています。
 
確かに、その人に相続させるとしていても、その人の子供らにまで自分の財産をあげたいと思っているわけではないという発想は間違っていないでしょう。

ただ、相続が順番にいけば、その人の財産は基本的に相続人に承継されます。
特別の事情があれば、その相続人まで広げて解釈しましょうという裁判所の判断は、上手くバランスを取ったのではないでしょうか。

皆さまならどう考えられますか。 川原総合法律事務所   06−6365−1065


2017年02月13日

◆自転車に関する道路交通法の改正について

川原 俊明 (弁護士)


道路交通法の一部が改正され、自転車に関する罰則規定が大きく改定されます。
 
信号無視や酒酔い運転など、罰則強化も当然という認識のものから、一時停止違反に対する罰則や、安全運転義務違反という一般的に、車両を運転する者以外には耳なじみのない罰則規定が新規に設けられました。
これらの規定に反した者に対して、3年以内に“違反切符による取り締まり”または“交通事故”を2回以上行った場合、公安委員会の受講命令が来ます。
 
ちょっと厳しすぎるんじゃないか?というご意見もあるかと思います。
 
特に、常日頃自転車をよく乗ることの多い子どもたちにどれだけ意識を入れ替えることができるのかなど、疑問や課題もあります。
 
しかし最近、自転車事故の数は増え続けています。それに伴う慰謝料請求の額も、地裁レベルではありますが1億円近くが認定されたものすらあります。
 
自転車も法律上は軽車両であるのだから、その意識を再確認させるという思惑もあるのでしょう。

確かに、夜間、歩道を猛スピードで駆け抜ける自転車には恐怖を覚えることも少なくはありません。
 
一番は事故を起こさないことが一番ですが、もし事故に遭ってしまった場合には、自動車と同じように、法律家の出番が増えそうだな、という実感です。
 
今まで軽い気持ちで乗っていた自転車ですが、今後は、少し意識を変える必要があるのではないでしょうか。
 
くれぐれも自転車事故にはお気をつけください。そしてもし事故に遭われた際には、早めの弁護士対応をお勧めします。

川原総合法律事務所  電話 06−6365−1065