2007年09月28日

◆心臓血管手術のメッカ

       石岡 荘十(ジャーナリスト)

神奈川県大和市に、どこにでも見かけるの病院がある。最寄の駅(小田
急・南林間)からはタクシーでワンメーターの距離だが、駅前の大通り
からくねくねと曲がった細い路地に入り込んだ、どこにでもある住宅街
の中に。

3階建ての病院、というより地方都市でよく見かける診療所規模のたた
ずまいだ。大和成和病院。ここへ、京大心臓血管外科教授を辞任した米
田正始医師(52)が移籍し、週に2〜3日が心臓手術の執刀すること
になった。京大病院心臓血管外科教授の、一見“華麗”とはいえない転
進である。

米田元教授の辞任をめぐるごたごたの経緯については、これまでも何度
か本欄メルマガ(ネットメディアおおさか)や、いま発売中の月刊誌(『新潮 45』10月号)で詳報しているのでここでは繰り返さないが、要するに、多分、日本では10人ほどしかいない“神の手”を持つといわれる心臓血管外科ドクターが、母校京都大学医学部との間で治療方針をめぐって衝突。

結果、京大での地位確認を求める訴訟が和解という形で決着、この15日、
正式に退任した。

ただ、これまでのリポートでは、辞任後の彼の身の振り方については触
れていないので、21日、ご本人に「これからどうするのか」、今後の医
療活動についての考え訊いた。それによると、米田医師のルーティンは
こうだ。

・月曜(午前) 京都市内の病院(泉谷病院)で、これまで9年間、京
大で執刀した患者千数百人の術後のアフーケアを外来で行なう。

・火、水曜 中京地方でよく知られた民間の心臓病専門病院である豊橋
ハートセンターで手術を行なう

・木〜土曜 民間の心臓病専門病院、大和成和病院で手術を行なう

基本的にはこのローテーションで、心臓病患者の治療を続ける。この中
で、冒頭に紹介した大和成和病院の院長は、日本では数少ない“神の手”
を持つといわれる南淵明宏(48)だ。

南淵院長は米田医師とは共に奈良県出身だからというより、時期や場所
は違っても大学卒業後、大学医局を飛び出して、長い間欧米で修行を重
ね、欧米流の「常識」を身につけているという点で、意気投合した間柄
だ。

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2007年09月16日

◆京大病院米田教授やはり辞任

               石岡 荘十(ジャナーリスト)

脳死肺移植で患者が死亡した手術をきっかけに、心臓手術のメスを事実
上取り上げられていた京都大学病院の米田正始(こめだまさし 52)心
臓血管外科教授が、15日付けで母校京都大学医学部教授を正式に退職した。

事の始まりは、昨年(’06年)3月、京大病院で行なわれた脳死肺移植
手術だった。患者は30歳の女性で、手術が肺手術であるため呼吸器外科
を主担当に、麻酔科と心臓血管外科の3科が協力する体制が取られた。

手術は順調に進んだかに見えた。しかし患者は酸素が脳全体にいきわた
らない障害を起こし、手術後も意識を回復することなく、10月24日死亡
した。

この手術をめぐって、病院当局は昨年12月27日、いわば手術の助っ人だ
った心臓血管外科の米田正始(こめだまさし)教授に対してだけ、突然
「手術停止」を宣告し、事実上、教授のメスを取り上げた。呼吸器外科、
麻酔科に対しては“お咎めなし”だった。

米田教授は‘55年奈良県生まれ、’81年京都大学医学部卒。国内の病院
で研修を終えたあと、’87年、海外へ武者修行に飛び出す。

カナダのトロント大学を振り出しにアメリカのスタンフォード大学を経
て、メルボルン大学ではオーストラリアで70人しかいない心臓血管外科
医に選任されている。

そして’98年、11年に及ぶ海外での実績を携えて42歳で母校京都大学に
心臓血管外科教授として迎えられている。

ここでいう「海外での実績」とは、世界的に有名な心臓外科医の下での
執刀1200例、アシスト(助手)や術後の患者管理を含め8000例を超える
経験と研究業績を指す。

日本では米田元教授に匹敵する手術経験のある心臓外科医はそう多くな
い。マスコミや、彼の“手にかかった”患者たちは、彼に「ゴッドハン
ド(神の手)」という尊称を奉っている。

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2007年06月12日

◆「さらば、京大心臓外科」


               石岡 荘十(ジャーナリスト)

今年1月以来、手術の進め方をめぐってメスを取り上げられていた京都
大学医学部の心臓血管外科診療科長・米田正始(こめだまさし)教授
(52)が、このほど辞任・大学病院には戻らない決意を固めた。
 
事の次第はこうだ。
昨年3月、30歳の女性に対する肺移植手術が、呼吸器外科を主担当に心
臓血管外科、麻酔科の3科が協力する形で行なわれたが、手術はうまく
いかず、10月患者は死亡。

この症例をめぐって、“病院当局”は患者死亡の2ヵ月後の12月、米田
教授に対してだけ「心臓外科の安全管理に問題がある。手術スタッフと
のコミュニケーションが取れていない」などとして、

教授本人から1度の事情聴取もしないまま、一方的に「手術自粛」を申
し渡した。手術ティームのリーダーである診療科長も解職(降格)され
た。呼吸器外科、麻酔科に対しては“お構いなし”、自粛通達はなかっ
た。

米田教授の経歴・実績、手術の安全性のデータなどについては、
2007,03,05の本メルマガ

http://blog.mag2.com/m/log/0000153821/108313477.html

で紹介しているので、ここではそれを踏まえて、その後の経過と同教授
の決意を紹介する。

今年1月から、手術停止の処分を受けていた米田教授は、院長以下病院
執行部との話し合いを求めていたが、埒が明かないため、3月6日、診
療科長としての地位保全と慰謝料を求めて京都地裁に仮処分を申請した。

その後今日まで、裁判所は双方の審尋(事情聴取)を行い、和解を含め
審理を進めてきたが、ここ1〜2ヶ月以内に結論が出される見通し(米
田教授)だという。

病院側は、このごたごたが週刊誌や新聞で取り上げられ、病院としての
評判・評価が落ちることを慮って、5月10日、鹿児島大学の坂田隆造教
授を招聘、同教授の指導の下、5ヶ月ぶりに心臓手術を再開した。事実
上、これで米田教授の帰るところはなくなったことになる。

そこで8日、あらためてこの騒動の本当の原因と、今後の展開を米田教
授に訊いた。

――病院が、メスを取り上げた本当の原因はなにか。

米田:院長とそれを取り巻く執行部が外科のことをよく分かっていない、
嫌いだということでしょう。院長はもともと血液内科の出身で、外科が
嫌いなのです。いじめです。

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2007年04月02日

◆なぜ高い日本の医療機器


                       石岡 荘十

薬事法上、医療機器はそのリスクに応じて3つに分類されている。

まず、高度管理医療機器。 副作用や機能に障害が起きたとき、まかり間違えば人の命や健康に重大な影響を与える恐れがあるもの。

例えば、透析器、人工骨、人工呼吸器、PTCAカテーテル、ペースメーカなど(PTCAカテーテルは、狭心症や心筋梗塞を治療するための管)。

次に管理療養機器。前項以外の機器で、やはり副作用や機能に障害が起
きたとき、それほどではないが患者の命や健康に重大な影響を与える恐
れがあるもの。

たとえば、MRI、腹腔鏡、電子式血圧計など。MRIは、日本語では
「磁気共鳴画像診断装置」といわれ、強力な磁場や電波で脳や体を輪切
りにした画像を撮影する大型の検査機器。

よく似た機能を持つものにCTがあるが、MRIはCTに比べタテ・ヨ
コ・ナナメなど断面を自由に設定できるなどの利点がある)。

さらに、一般医療機器。副作用や障害が起きても直ちに人命や健康に影
響を与える恐れのないもの(聴診器など体外診断用機器、X線フィルム
など)。

これらの機器のうち、ペースメーカ、PTCAカテーテル、MRI、腹
腔鏡の4つについて、公正取引委員会が05年12月、詳細な実態調査を行
なっている。

それによると、まずペースメーカは100パーセント輸入。メーカーは欧米の10社程度で、04年の日本国内での販売個数は47,460個。その市場規模は465億円だった。

ペースメーカは機能的には8つに区分され、国内価格は、116万円から
185.2万円となっている。

ところが、たとえば国内で133万円のものがアメリカでは83万円余と、日本の価格はアメリカの1.6倍である。日本で148万円のものはアメリカで95万円、これまた1.6倍という価格差となっている。

実態調査報告書の翌年06年、保険適用が承認された最新型InSync3マー
キー(419万円)の価格差は多少圧縮されて1.27といわれている。それ
でもこの比率で換算すると、アメリカでは330万円で売られている計算になる。その価格差は90万円である。

ことほど左様にPTCAカテーテルの場合の内外価格差はさらに大きく、2倍以上。

ペースメーカとカテーテルの価格差が大きいのは、国内の多すぎる医療
機関の数に関係があるといわれている。

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2007年03月26日

◆せめぎ合う内科と外科


                       石岡 荘十

医療技術の賞味期限は5年、といわれる。心臓疾患治療の分野もその例外ではない。

心臓の筋肉にエネルギーを送り届ける冠動脈の血管が狭まって血液が流
れにくくなるのが狭心症、完全にふさがってしまうのを心筋梗塞という。こんな病状の患者の治療法をめぐって、内科医と外科医の陣取り合戦が繰り広げられている。

とりわけ、心筋梗塞の治療法は、かつては心臓外科医の独壇場だった。
手術は胸の胸骨の真ん中を縦に真っ2つ切り離し、肋骨、つまり胸板を
持ち上げて心臓を露出し、人工心肺を取り付けて、全身への血液循環を
確保しながら、心臓に張り付いた冠動脈の詰まったところをまたぐよう
に別の血管を吻合(縫い合わせる)し、詰まった部分をまたいでバイパ
スを作る。

開心手術というが、医者にこんな説明を受けた患者は例外なく衝撃を受
ける。だけでなく、その後肉体的にも患者には大きなダメージとリスク
を強いる手術が待っている。

そこで、内科医は考える。

「心臓を露出しないで、詰まった血管を開通させる方法はないのか」と。

考え出された治療法が、細い管(カテーテル)を、血管を通して心臓ま
で挿入する。狭くなった部分にカテーテルが到達すると、そこで先端に
仕掛けられたフーセン(風船)をぷっと膨らませて狭くなったところを
広げる。あるいは、先端に仕掛けられたドリルで血管にこびりついたコ
レステロールを削り取ったり、最近、脳梗塞治療薬として人気が高まっ
たt-PA で血栓を溶かしたりする方法だ。続きを読む≫≫

2007年02月26日

◆ここまで来た新聞販売合戦


石岡 荘十(ジャーナリスト)

新聞販売・拡張合戦は「ナベ・カマ商法」といわれたのも、いまは昔。
このごろは、キャッシュが飛び交っているという話を聞いた。

東京・世田谷に住む知り合いが、勧誘員のあまりのしつこさに根負けし
て、先月から、Y新聞を取ることに同意した。契約は3ヶ月。

その知人は、若いときから某宗教団体の会員なので、当然、その機関紙
の愛読者で、商業紙を取るのは初めて。宅配に同意した日、新聞販売店の拡張員は、いまどきナベ・カマは喜ばれないらしく、洗剤4箱、箱入りのティッシュ5つ、etc-----を差し出した。

そこまでは、まあいいとしよう。その後が傑作だった。

懐から財布を取り出して、1万円札を抜き出して渡しながら「これは黙っててくださいよ」と言ったそうだ。

「3ヶ月経ったらまた来ます」とも言ったそうだから、「そのときが楽
しみだ」と、年金暮らしでそれほど豊かではない、男やもめの知人はほ
くそえんだ。

3ヶ月毎に、1万円と各種家庭雑貨となると、差し引き、新聞はタダ、
ひょっとしたらトータルでプラスの計算になるかもしれない。

「こんなにたくさん洗剤をもらっても使い切れないよ。今度は他のもの
がいいなぁ」とも知人は言っている。

1万円の出所が、販売・拡張のための営業経費なのか、本人の営業成績
を上げるための自腹なのかは確認していないという。

新聞販売の仕組みがどうなっているのか詳しくないが、編集部門と営業
部門は、直接は関係なさそうだから、記事の内容や信頼性とは関係ない
かもしれない、あるいは「本社営業と販売店は関係ありません。販売店
が勝手にやっていることです」ということかもしれない。

しかしいずれにしても、放送を含めたマスコミ報道がかつてのような情
報機関としての権威と信頼を失いつつあることは間違いない。

原因はいろいろあるだろうが、本メルマのようなITツールの普及も無
関係ではない。

件の知人は、パソコンの達人で、大概の世の中の出来事はwebで間に合わせている。

だから、「どうせ読まないのに、アパートの3階から下まで持っていく
のが結構大変なんだ」と、新聞が結構な重さになることに今頃気づいて、愚痴っていた。


2007年02月22日

◆AED救命の“効果”


石岡 荘十

2/18の東京マラソンで、AEDを使った救命救急のスタンダードといえ
る体制が組まれ、一旦、心停止したランナー2人が命を取り留めた。

市民マラソン中に亡くなる原因の多くが心臓の疾患で、突然の心停止は
「心室細動」と呼ばれる不整脈が原因といわれる。その治療に有効なの
が電気的除細動(電気ショック)で、最近では携帯型の体外式除細動器
(AED)が急速に普及している。 

そこで、マラソンに先立って東京都は、救急救命に熱心で、イベント会
場での救急体制に関する体制構築の実績がある国士舘大・大学院学体育
学部に、マラソンコースの「AED救急体制」作りを依頼。

田中秀治教授を中心に、全コース1キロごとにAEDと学生2、3人を
1組にして配置。事故者が出た場合には、携帯電話で連絡、一番近くに
いるティームが自転車で現場に急行する体制を取った。

参加した学生は52人、これに加えて、卒業生20人が協力。名づけて「モ
バイルAED(自動対外式除細動器)隊」。

これとは別に、12ヶ所に救護所が置かれ医師が待機する体制でマラソン
スタート。

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2007年02月18日

◆世界の非常識

               石岡 荘十(ジャーナリスト)


「日本の心臓血管外科専門医はレベルが低過ぎる」

こんな評判を返上しようと、専門医の認定をする認定機構が、すでに専
門医として認定されている看板を5年で更新することを、先月12日決め、その基準を公表した。

といっても、マスコミはほとんど取り上げていないから、日ごろからこ
の分野に関心の薄いむきは、「それがどうした?」と思われるかもしれ
ない。しかし、じつは高齢者、とりわけ団塊世代以上の方々の余生に、
大いにかかわりのある制度変更である。

心臓に関連のある3つの学会で作っている「心臓血管外科専門医認定機
構」が専門医制度を発足させたのは2002年。

その翌年11月、ペーパーテストを行なった結果、受験者の7割を越える
1600余名が合格。テストは毎年1回行なわれ、現在専門医を名乗る心臓
外科医は1848人にのぼる。

ところが、受験資格が「手術経験たった20症例」という低いハードルだったため、「もどき」が一丁前にメスを握ることを許すこととなり、結果、手術ミスで患者を死なせるケースが続出した。

それはそうだろう。

欧米ではほとんどの国で、受験資格として最低300件の手術経験という条件を課した上で、厳しい実技試験を経なければ専門医のライセンスはもらえない。

しかも毎年最低でも数百件の手術を継続、スキルを維持するというのが
常識だから、日本の専門医制度は、「世界の非常識」なのである。

「毎年、最低100件を手がけ続けなければプロとしての技術は維持できない」といわれる。そうだとすれば、1人年間100例を手がけてスキルを維持するためには、日本では18万人を切りまくらねばならない計算になる。

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2007年01月30日

◆中国残留孤児に新救済制度?

石岡 荘十(ジャーナリスト)・<メルマガ「頂門の一針」より転載許諾>


中国残留孤児が原告となって全国15の裁判所に起こしていた国家賠償
請求訴訟(原告2000人)のうち、東京地裁の判決が30日午後、言い渡さ
れる。

これに先立って、今月10日、孤児の代表とこれを支援する団体の代表が、
公明党浜四津敏子参議院議員(党代表代行)に会い、この席で浜四津参
議院議員は「太田(明宏党代表)と北側(一雄国土交通相、党幹事長)
に言って、自民党の中川(秀直幹事長)さんと同じ中川(昭一)政調会
長に会談を申し入れて、この問題を話すよう、段取りしましょう。もう
一歩ですから」と約束した。

この間の経緯については、本メルマガ(1.11 第80号)で「潮目
が変わるか、中国残留孤児問題」と題して報じた。
http://www.melma.com/backnumber_108241_3498241/ 

北側党幹事長と中川幹事長の会談こそ実現しなかったが、いまや党の顔
となった浜四津参議院議員ら公明党議員5人と塩崎官房長官が25日会
談、この問題について協力を要請、安倍総理に会わせてほしいと申し入
れた。

この結果がどうなったかは確認できないが、その日の夜、共同通信が、
「独自ダネ」とわざわざ注意書きをつけて、次のような記事を配信して
いる。

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2006年10月02日

◆「侵略」の時効は?


               石岡荘十

どなたか教えてください。

先日、大学時代の友人数人と会った。その席でひとりがこう訊いて来た。

「歴史上、人の国を侵略し、植民地化し、虐殺し、じつに多くの人を大
規模に連れ去って奴隷とした例は数知れない。日本はいま、60数年前の
戦争をめぐって、近くの国から『謝れ。口ばかり出なく、謝罪の意を行
動で表せ』と攻め立てられている」。

その上「戦争指導者を祀っているところに,総理がお参りするのはけしか
らん。おまえの歴史認識をこっちと同じに改めない限り、会ってやらん
と脅されている」

そこで、2つ訊きたいと友人は言う。

まず、歴史上、他国を侵略し、占領し、植民地化した国々が、謝った話
はあまり聞かないが、あるとすればどこの国がどこにどんな謝り方をし
たのか。先の戦争で謝罪をしたのは、ドイツと日本ぐらいだと思うが
------。ほかにあったっけ? 

次に、歴史認識が国によって異なるのは当たり前だと思う。が、それを
変えなければ、会ってやらんとごねた国は、歴史上あるのか。あるとす
ればどの国がどこの国にそう言ったのか。言われた方は、どう対応した
のか。

日本はかつて蒙古に襲われたり、近海でロシアの海軍相手に戦ったりし
たこともあった。防衛のために多数の死傷者が出ている。幸い、侵略未
遂だったが、彼らは謝ったのか。

藤清正のことを謝れとは言っていないようだが。

友人はつまり、先の戦争が「侵略」だったとして、それがいつになった
ら時効になるのか、そんなものに時効はないのか、教えてくれと言って
いる。

酒席だったこともあって、むにゃむにゃとごまかして、議論は消化不良
のまま終わってしまった。

どなたか、正解を教えてくれませんか。2006,10,01


2006年07月07日

PETをご存知ですか

石岡荘十

ペットの話をしようというのではない。

ソフトバンクの王貞治監督が2006年7月6日、胃の腫瘍除去手術を受けるため、慶応病院に入院した。報道によると監督は3日「組織をとって病理検査した」結果、手術をしないといけないことがわかった、と伝えられている。また一部では、「PET検査の結果――」と伝えられている。

PETは最新のがん診断法、日本語では「ポジトロン断層撮影法」といわれる。今世紀最新の画期的ながん診断法である。

検査方法はこうだ。
がん細胞は正常な細胞に較べ、多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質 がある。この性質を利用して、まず放射性同位元素をくっつけた薬剤(FDG)をブドウ糖に混ぜて注射する。
・・続きのページへ・・

2006年04月07日

EBMとガセメール事件

            石岡荘十(ジャーナリスト)

「ガセメール事件」は説明する必要はないだろう。が、EBMとは何か。似ているが、若者に人気のある車BMWとは縁もゆかりもない。

EBMはEvidence Based Medicine、つまり(医学的に)「根拠のある医療」のことをいい、ここ10数年、コンピュータの普及と手を携えて、臨床医療のありようを見直そうという考え方だ。
と言っても、なに?

患者が、病院に行くと、大概の場合まず検査。心臓病の場合、検査の定番は心電図、採血、レントゲン。そしてお医者さんの前に座って、診察を受け、くすりの処方となるが、それだけでなく、患者によっては、ときには開胸手術(心臓を切り開く手術)や、ご婦人の場合は子宮の全摘など残酷な治療方法を宣告されることもある。

ところが、そんな重大な診断結果について、それがきちんとした医学的な根拠にもとづいたものか、その医師個人のささやかな経験だけで判断した診断結果なのか、それ以外の選択はないのか、患者は知るよしもない。

それどころか、当の医者でさえ、「ともかく切ってみよう」と、胃を全摘されるケースもあることを、多くの医師が認めている。「根拠のない治療」なんてあるのかと、不思議に思われるムキもあるかもしれないが、それがある。
・・続きのページへ・・

2006年02月14日

では、バターは大丈夫なん?

          石岡 荘十(ジャーナリスト)

「危ない!?マーガリン」(既掲載)を読んだ小生のメルトモから以下のようなメールが届きました。

<トランス酸なるものを初めて知りました。バターがマーガリンにとって代わったのは、どういった理由だったか思い出せないくらい長いことマーガリン党です。

(アメリカに住んでいる)娘の所では勿論マーガリンで、それもマーケットに行くと、バケツに似た容器で売っていてとても使いやすく、どうして日本ではこうゆう容器で売らないのかしらと思っていました。でも、動物性脂肪のことはどう考えたらいいのかしら?>

そういわれてみると、寄稿した文章はいささか舌足らずだった。で、少し補足をしたい。
・・続きのページへ・・