2010年06月15日

◆「光触媒空気清浄機」って何?


                    毛馬一三
                   
我が家では、5年程前から2代目の「空気清浄機」を備え付けている。室内の臭い消しが主目的ではあるが、住居がマンション1階なため、庭側のドアから入ってくる自動車・バイクの排気ガスや、室外から舞い込んで来る各種ダストの排除も目的だった。

確かに同「空気清浄機」には、悪臭分解やダスト除去にはそれなりの効果があった。しかし肝腎の花粉症の原因となるスギ花粉や外界からのガスの臭い、室内に侵入するウイルスまでの除去機能は全く具備されていない。これを備えた空気清浄機が現れることを、長らく望んで止まなかった。

ところが、その願いを叶えてくれる「新型の空気清浄機」に出会った。

6月11日、梶u貝塚生コン」の環境衛生事業部「テクノ貝塚」(大阪府貝塚市脇浜4−19−1)を訪ね、秦節子社長と環境問題について懇談中、社長室の棚に、抗菌・除菌、ウィルスも除去できるという「光触媒空気清浄機」が、展示されているのが目に止まった。驚きと同時に喜びが湧いた。

社長によると、この「光触媒空気清浄機」の製造元は、潟eィオテクノ(佐賀県小城市)で、「テクノ貝塚」は事業代理店だそうだ。

この期待の商品が、「テクノ貝塚」から大阪市場に本格登場するのは、近々ということだが、恐らく家庭用環境機材として世間の注目を集めるのは必至だろう。

そこで、「光触媒空気清浄機」の「光触媒」とはどういうものかなど、基礎的なことから社長に訊いてみた。

説明を要約すると下記のようになる。

<光触媒とは、触媒である酸化チタンに太陽光や蛍光灯の光エネルギーが当たることで酸化チタン粒子の表面で強力な活性酸素種が発生し、その酸化力で有機物を分解する力が生じる。

この働きにより汚れや悪臭の原因となる有機化合物質を分解したり、細菌やウイルスを強力に分解除去することになる。

具体的には、
1)煙草の臭い、ペットの臭い、加齢臭などの悪臭分解
2)シックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドの分解
3)車の排気ガスや希薄有毒ガスの分解
4)空気中の浮遊菌の抗菌・除菌作用
5)インフルエンザウィルスなどのウィルスの分解除去
6)空気中の花粉やダニのフン・死骸などの吸収と分解除去
7)浮遊するカビ抑制に光触媒とマイナスイオンとのW効果>
 という意味になる。

予断になるが、本来「テクノ貝塚」が代理店本業として取り組んでいるのは、特許を有する潟eィオテクノの研究開発部(佐賀市)の「光触媒コーティングの施工事業」だ。

つまり、病院や介護施設、高齢者住宅の部屋を「光触媒」でコーティングして、上記の効果を上げる環境推進事業に着手している。

序でにいうと、特許元の潟eィオテクノ自体が「光触媒の酸化チタンの安全性」について厚生労働省から「認可」を受けている。更に抗菌・殺菌・消毒・脱臭・防臭効果についても(財)日本食品分析センターから良好な試験結果を得ている。

このことから、「光触媒コーティング事業」は、今後の環境改善事業の目玉になることは間違いない。

このことに敢て触れたのは、「コーティングの施工」の技術と光触媒のティオスカイコートシステムが、実は本題の「光触媒空気清浄機」内臓のフイルターに総て組み込まれており、「コーティングの施工」とも同じ効果を期待出きるという事だ。

ということは、住環境改善だけでなく、ウィルス撃退が急務な国際空港の待合室を始め、保育園・老人ホーム・病室のこの「光触媒空気清浄機」を置けば、抗菌・殺菌に間違いなく効果を挙げられる筈だ。

この「光触媒空気清浄機」を完備すれば、ひょっとしたら危機的状況の「口蹄病」予防にも役立つかもしれない。

しかも、インフルエンザ除去やウィルス分解の効果がある以上、これからはこの「光触媒空気清浄機」に対して、国が各自治体に補助制度を設け、急ぎ支援体制をとるべきだろう。(了)  2010.06.14

■本稿が6月16日(水)刊の全国版メルマガ「頂門の一針」1950号に
掲載されました。ご案内いたします。

<1950号 目次>
・民主党が自民党へ変身中:平井修一
・参院選のトレンド調査が始まる:古澤 襄
・コレステ下げても動脈硬化は治らない:川上恭司
・「光触媒空気清浄機」って何?:毛馬一三
・ キルギスへ米中露が救援準備:宮崎正弘

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記


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2010年06月02日

◆「認知症」には「散歩」が一番

毛馬一三

最近、仕事のことが気になってイライラしたり、些細なことで怒りっぽくなることがある。「老人性うつ病」ではないかと思うと、余計に苛立ちが増してくる。

そんな折、向市眞知氏(医療ソーシャルワーカー)が、下記の11症状が半年以上続いていた場合には、「認知症の症状」と思って専門病院へ行くべきと助言してくれていたことを思い出した。

住友病院神経内科の宇高不可思医師による「こんな症状があったら要注意!」の11項目だそうだ。

それによると、

1、同じことを何度も言ったり聞いたりする
2、ものの名前が出てこない
3、置き忘れやしまい忘れが目立つ
4、時間、日付、場所の感覚が不確かになった
5、病院からもらった薬の管理ができなくなった
6、以前はあった関心や興味が失われた
7、水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
8、財布を盗まれたといって騒ぐ
9、複雑なテレビドラマの内容が理解できない
10、計算のまちがいが多くなった
11、ささいなことで怒りっぽくなった

私自身、どうも2、3、4、11が該当する。歴史に登場する人物の名前が出てこないことが多い。大切な「資料」を大事に保管すると、その保管場所を忘れ、大騒ぎとなる。時間の感覚も薄れてきた。2,3,4の症状は「認知症」だと理解できるが、まさか11項の怒りっぽくなつたのが、「認知症」症状に当てはまるとはショックだった。

向市眞知氏によると、
<やる気がおこらない意欲の低下もそうだし、ものごとを考える思考力や判断する力、そして手順よくし処理する実行力の低下も認知症の症状。

認知症高齢者自身の不安は、時間や場所がわからなくなったり、体験そのものを忘れていく中で暮らしているので、自分以外の外界のすべてが不安要因になってしまう。

また「まだらボケ」とか言うが、「正気の時もあるからやっかいだ」と表現される場合もある。しかしそれは逆で、やっかいと考えるのではなく、正気の部分があるのならその正気の部分を生かして日常生活を維持するように仕向けるべきだ>、という。
 
その上で、向市眞知氏は
<「認知症と言ってもしかたない」と決めつけるのは悪循環。「認知症」の方の感じる外界への不安を考えると、情報が遮断されると余計に不安が大きくなる。

不安が増幅すれば、怒りぽっくなる。そのためにも、どしどし情報を与えることが、不安の軽減につながる。そのためには外出が最適>だという。

つまり「認知症」には「散歩が大きな効果」があると向市氏は助言してくれている。外界の空気は聴覚、視覚、嗅覚への刺激になり、脳の活性化につながるからだそうだ。

そういえば、いらついて寝つきが悪かったり、些細なことに朝から腹を立つときなど、愛犬(ノーホークテリア・6歳)と朝の散歩に小1時間ほど出かけて、思い切り新鮮な朝の空気を吸い込むと、たしかに気持ちは軽くなり、むしろやる気が湧いてくる。

散歩の途中、愛犬仲間と朝の会話を交わすことも、同様な効果がある。仲間との会話は、脳の活性化に効果がある。

怒りっぽくなっるのが「認知症」の症状だとは、思いもよらなかった。これからは毎朝のワンちゃん散歩の時、思い切り深呼吸をしながら、聴覚、視覚、嗅覚へ刺激を与えことに専念しよう。(了)

■6月2日(水)「夕刊」「頂門の一針」1936号のご紹介
<目次>
・<鳩山首相>辞意表明:古澤 襄
・鳩山氏のだましのテクニック:花岡信昭
・祝「小鳩城、炎上崩落」:平井修一
・アルカィーダのナンバー3を殺害:宮崎正弘
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年05月24日

◆「橋下新党」が初陣で勝利

毛馬一三

大阪市議会の福島区補欠選挙に初陣した「橋下新党・地域政党大阪維新の会」が、23日の投開票で、予想通り初陣で勝利した。

選挙戦は、各党が国政選挙並みに幹部クラスを続々と現地入りさせるなど市議補選としては異常な戦いぶりを見せた。

投開票日は早朝から大雨に見舞われ有権者の出足が心配されたが、緒選から優勢を保っていた「橋下新党」の広田和美氏(46)が最後までリードを保ち、自民党の太田晶也氏(38)ら新人4人を破り、初当選した。

ところで今回の補選は、「橋下新党」の参陣が選挙戦のムードを一挙に引き立てた。橋下知事が連日街頭演説に立ち、連夜2・3箇所で応援演説会に臨んだことが他党陣営を刺激し、加熱を加速させた。

反「橋下新党」陣営は、橋下知事が訴える府市再編「大阪都構想」を争点に取り上げ、具体性に欠ける粗案だと徹底的に批判を繰り広げた。
しかし有権者にとっては、そのような「府市再編の批判」と「推進論」の対決などは、どうでもよかった。

早い話、奇想天外な行政構想を次々とブチ上げる知事が乗り込んで来ること自体に、有権者の関心は集まった。テレビで始終見慣れている知事が、目の前に現れ、しかも歯切れのいい肉声を直に発してくれることは、有権者にとっては「お祭り」同然に等しかったのだ。

この有権者の反応を他党は最後まで警戒していた。これを抑えるには、知事が掲げる「都構想」の脆弱点を訴えることが、人気の「橋下新党」イメージをダウンさせられる決め手と判断。「住民の利益とサービス低下を招くいい加減な構想は、愚かで話しにならない」と、「構想批判」で有権者の関心を取り戻そうとしたのだ。

しかし有権者にしてみれば、どんなに「知事構想」が不透明だと危機感を訴えられたところで、それへの「対案」が示されない限り、どっちもどっちのだと映り、結局「橋下人気」に走る以外に無かった。他党は決定的な読み違えをしたことになる。

しかも、全国版メルマガ「頂門の一針」主宰・渡部亮次郎氏が、5月17日刊の本誌に掲載した「大阪「都」の理由」の記事で「大阪都」の不適切さを指摘したが、これを街頭演説などで問いかける候補者や各陣営は無く、もしこれが表に出ていれば、選挙選の様相は違っていたかも知れない。

だが、そうした「疑問も不合理」も提示されない中で、「皆さんの1票は、暴動よりも力がある。皆さんが維新の志士だ」と街頭で張り上げる知事の演説に有権者を魅きつけ、「橋下新党」の将来に夢を抱かせた。

大阪では、政策を巡る「論争」よりも、タレント、もしくはそれに準じる候補者に期待を掛ける選挙機運が根強く存在する。人気絶頂の「橋下新党」に擁された広田和美氏の勝利の主因もここにあると否定はできない。

「橋下新党」は、今夏の参院選挙と同時に行われる生野区市議補選にも「橋下新党」の候補者を立てる方針。また参院選と来春の統一選も視野に入れて「新党拡張」を図る決意を知事自身は固めている。

そうした中で、橋下知事は23日、大阪を中心とした関西で法人税の大幅減免や関西空港の入国規制緩和などを国に求める「総合特区」構想をまとめ、アジアと日本の「中継都市」となる更なる方針を明らかにしている。

いずれにしても、今度の勝利で、橋下知事がこうした構想を躍進させる「橋下新党」のアクセルに力強く踏み出すことには間違いない。(了)                       2010.05.23

■本稿は、5月24日刊全国版メルマガ「頂門の一針」1926号に掲載されました。

・「頂門の一針」1926号のご案内

<同号目次>
・大阪「橋下新党」が初陣で勝利:毛馬一三
・芥川龍之介までも:岩見隆夫
・苦しい時の「小沢ガールズ」頼み:古澤 襄
・対北「紙爆弾」の大きな威力 :平井修一
・老化は熟成でもある:渡部亮次郎
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年05月21日

◆「大阪都」論戦が激突

毛馬一三

正直言って、大阪市議補選がこんなに加熱すると予想した有権者は、あまり居なったのではないだろうか。

本誌(5月14日刊)に掲載したように、この選挙は「橋下新党」(地域政党・大阪維新の会)の初陣で、まさに橋下知事の人気に支えられた新党デビューに過ぎないという見方がつよかった。

しかも橋下知事がこの選挙の旗印に掲げる「大阪都構想」自体、その具体的内容が明確でないままの選挙選突入だったため、他陣営にとってはこれに巻き込まれるのは「橋下新党」の術策に嵌るだけと判断。従ってこれを争点にするのは、避ける方針だった。

ところが、選挙戦に入るや否や各陣営は、戦術を一変。一斉に「大阪都構想」を矢玉にとり、猛烈に「橋下新党」を批判した。当然待ってましたとばかり、「橋下新党」もやり返し、「大阪都」論戦が俄かに加熱しだしたのだ。

当初争点にやる気のなかった各陣営が、敢えて「大阪都構想」緒選から飛び付いたのは、「構想自体が余りにも荒っぽく、目指す方向性が明らかでない実態」を選挙戦で暴露していけば、「橋下新党」のイメージダウンにつながり、戦いは自陣に有利になると判断したからだった。

ところが、橋下知事にとって各陣営のこの読みは、願ってもないことだった。つまり初陣となる福島市議補選で自論の「大阪都構想」を訴え、これが有権者に受け入れられれば、その勢いを参議院選へも結び付け、「橋下新党」の党勢拡張を図る計算が成り立つからだ。

だから、橋下知事は「都構想」の具体論にはあまり踏み込まず、「役人天国の大阪市を壊すのが私の願いであり、この構想で役所を再編したいだけ」と訴えながら有権者の関心を惹きつけ、相手陣営の批判を上手くかわす作戦を取った。

噛み合わない「大阪都構想」の論戦とはいえ、選挙戦がさらに激化する方向にあることは事実だ。

ところで、この「大阪都構想」について、メルマガ全国誌「頂門の一針」の主宰・渡部亮次郎氏が、本誌(5月17日刊)で下記のように論じている。

<東京は明治維新以前の東京都都心部の旧称は江戸であり、江戸時代には江戸幕府の所在地として栄えた。第2次世界大戦中の1943年(昭和18年)7月1日に「東京都制」が施行され 、東京府と東京市を統合した形で東京都が設置」された。

第2次大戦後の1947(昭和22)年に地方自治法が施行されたために東京都制は廃止されたが、東京都の名称と行政区域は変更されず現在に至っている。

このため東京都庁は、23区を包括する市役所としての機能と県庁として広域行政体としての機能とを併せ持っている。

橋下知事はこれを狙って「大阪都」で府民の歓心をくすぐり、大阪「市」と「府」の合併を呼びかけているのである。しかし、東京都への歴史を語らずに、矢鱈「大阪都」を連呼するものだから、現在、天皇陛下をお守りしている東京都民は、橋下知事好かんと言っている。>

渡部氏に指摘されるまで、正直言って筆者にこうした視点は無かった。言われてみれば、「都」という意味はそうことなのだ。橋下知事はこのことを当然知っているに違いない。しかし選挙戦では、このことはまったく飛び出して来ない。

あるメディアの聞き取り調査によると、現下の情勢は、「橋下新党」の候補者が大幅リードしており、これを共産、自民が猛追、民主がこれに続いているという。

有権者は、どうやら過熱している「大阪都構想」より、「橋下新党」の人気の方に魅かれているようで、23日の投開票までに他陣営がどのような対抗策を弄じて挽回を期すか、それに掛かっているようだ。(了)2010.05.20


2010年05月14日

◆大阪「橋下新党」の初陣

毛馬一三

橋下徹大阪府知事が代表の地域政党「大阪維新の会」である、所謂「橋下新党」が結党以来初めて、14日告示の大阪市議補選挙(福島区)に出陣する。

同市議補選には、「橋下新党」のほか、民主党、自民、共産、諸派の新人5人が立候補し、23日までの投開票日まで激突は必至だ。

「橋下新党」とは、もともと大阪府と政令指定都市・大阪、堺両市を再編し、「大阪都」を目指そうという橋下知事の「構想実現」の呼びかけに応じて、この4月に正式に発足したもので、府議会、大阪・堺市議会から30名の議員が参加している。

大阪府知事が自ら「地域政党」の代表となり、市議補選の先陣に立つというのは異例のこと。まして今回公務を絞って街頭応援に精力を傾けるというのも過去聞いたことが無い。知名度と人気が抜群に高い知事の意気込みが感じられるだけに、選挙戦は一段と加熱しそうだ。

間違いなく選挙戦は、知事が提唱する「大阪都」の評価が争点になる。
橋下知事の「大阪都構想」とは、瀕死状態の大阪活性化を図るため、現在の梅田−難波(御堂筋)の南北ラインが中心となっているまちづくりの主軸を、大阪港とを結ぶ東西ラインにインフラ整備を広げたいとの方針である。

その東西ラインのインフラ整備としては、
・阪神高速淀川左岸線の延伸
・京阪電鉄中之島線の延伸
・JR大阪駅北側の再開発地区「梅田北ヤード」(梅田貨物駅跡地)とJR難波駅を結ぶ鉄道の新設
・大阪港・堺港の整備を図り、国外との輸出入の活性化−などを上げている。

その上で
大阪市中心部と、関西国際空港や近隣各府県とのアクセスを充実させるプランも目指すとしており、「この構想が実現すると、ベイエリアにある南港が経済基盤の結節点になる」として、「大阪都」の拠点を大阪港に置く考えを示している。

しかも、東京23区より権限と財源を持つ特別区を置くことなどを含めた「大阪都」構想などを打ち出す方針だ。

橋下知事は、「今の大阪府庁、大阪市役所などの組織を前提としない新しい大阪をつくる」としており、しかも府議選、市議選も含まれる来春の統一地方選に「大阪維新」として候補者を立て、府民に「大阪都構想」の是非を問う決意を固めている。

事実、橋下知事は、「橋下新党」結党以前に、予め大阪港の高層ビルWTC(ワールドトレードセンタービル)を大阪市から購入し、知事室主要部局、大阪府議会を除く8部局を早々に移転させ、「大阪都」拠点創設を実現させる下準備を着々と進めてきている。

とはいえ、大阪・堺両市議会の大勢は、知事の「大阪都」構想には「具体性がない」として反発しており、特に平松市長は「府市再編にしろ、大阪維新の会にしろ、イメージばっかり。実体のないことを実体があるようにしゃべるのが非常にお得意だ」と、橋下知事にまともに応じる気はない。

そんな中で「橋下新党」は、今回の補選を勝利すれば一挙に大阪の流れが変わると考えている。その結果に立ち来春の統一地方選へ繋いで「府議会と大阪、堺市議会で過半数獲得」し「大阪都構想」の実現を確実なものにしたい腹だ。

この補選には東国原英夫・宮崎県知事や河村たかし・名古屋市長ら、交流のある全国の首長らも応援も求めるという。とにかく市議補選としては異例づくし。

どうやらムードとしては、「橋下新党」候補者が一歩リードのようだが、いずれにしても大阪の再生のために「大阪都構想」を掲げる「橋下新党」が受け入れられ、躍進の糸口を掴めるかどうかが、今後の試金石になることは間違いない。(了)   2010.05.13

■本稿は、5月14日刊全国版メルマガ「頂門の一針」1915号に掲載されました。

<同号 目次>
       
・首相は戦後教育の失敗例:櫻井よしこ
・鳩山政権へのアメリカの絶望:古森義久
・金永春、張成沢、姜錫柱の側近序列:古澤 襄
・大阪「橋下新党」の初陣:毛馬一三
・藁(わら)が消えて行く:渡部亮次郎

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年04月21日

◆橋下「新党旗揚げ」の狙い?

毛馬一三

大阪府の橋下徹知事が、府議会第2会派の「大阪維新」の府議24人と、大阪市議1人、堺市議5人を伴って政治団体「大阪維新の会」を設立、19日橋下知事を代表として大阪府選挙管理委員会に届けた。

橋下知事は同日夜、大阪市内で開いた設立総会で「政治しか日本を変えることはできない。『東京都とともに、大阪都で日本を引っ張る』というゴールを共有し、本当の意味での政治を進めよう」と挨拶した。

かつ総会後記者団に対し、「日本丸は沈む。このまま見届けるのは我慢ならない。良い乗組員がいても、船が悪ければ前に進まない。まず大阪丸をもう一度作り直して、前に進んでいきたい」と強い口調で述べた。

橋下知事の“新党立ち上げ”の狙いは、まずは「大阪再生」を掲げていることだ。

ということは、今の大阪府、大阪市役所という組織を前提としない新しい大阪をつくるということを基本に置いていることになる。東京23く区より権限と財源を有する特別区を置くことなどの「大阪都」の創設を果たすことを目指している。

そういえば橋下知事は既に、大阪市が破綻させた大阪港に隣接するWTC(大阪ワールドトレードセンタービル・高さ256.0m、地上55階・地下3階建ての超高層ビル)を23年度予算で買い取る。知事はここに知事主要部局を移転させ、「新都心」の行政の拠点とする腹だ。

この「新都心構想」は、港湾立地利点をフル活用して国内港湾都市は勿論、中国や東南アジア諸国との連携も深め、貿易の面から大阪経済の活性化につなげたいというもの。

早くもこれに応じて既に日本の大手電機メーカが大規模工場の進出を名乗り上げるなど、経済界がこれに準じる動きをみせている。

ところが、知事としては大阪府単独のこうした動きだけでは、「大阪都」の実現は不十分だと考え、そのためには、大阪府が大阪市・堺市の政令都市を組み込むことが必須条件との意向から、両市に打診していた。

堺市長は、橋下知事と近い関係にあるため賛同を得ること内々出来たが、大阪市の平松市長は、新党旗揚げには無関心を装っている上、「府市再編構想は、知事のする仕事ではない」と猛反発し、3者の足並みが揃うのは見えてこなくなった。

そこで知事は、行政同士の連携に見通しが立たない以上、議会レベルでの「結党」を先行させ方が、「大阪都」構想の実現について府民の理解と支持を得のが早いと判断した。

これにより、府議会の橋本支持議員や堺市会議員に対し水面下で働きかけた。特に堺市議会議員は、堺市議らは昨年の堺市長選で、各党相乗りで支持した現職市長に対して、現市長を応援した橋下知事と対立していたので懸念されていた。

しかし「知事へのアレルギーは残っているが、知事の強烈なリーダーシップがなければ仕組みを変えることはできない。恩讐を超えてやっていきたい」と、堺市議5人が今回の連携に応じたのである。<共同通信>

橋下新党は、地域政党の位置付けで、夏の参院選にも候補者は擁立せず、国政とは一線を画す。また杉並区長らの「日本創新党」や自民党の舛添要一前厚生労働相の新党の動きなどとの連携についても、「大阪の変革にのみ全精力を注ぐ」として慎重な姿勢を示している。

とは言うものの大阪市議会の多くは、区役所が増えれば各区毎の財政負担は過酷になり、行政サービスなどの劣化も避けられないとして、「府市再編成構想」には猛反対。新党の前途は予断を許さない

こうした中20日の記者会見で橋下知事は、「この構想を実現するためには、来春の大阪市長選挙には、わが新党の支持する候補者を立てたい」と現大阪市長に対抗する発言をした。どうやらこの先新党の動きは大阪では“台風の目”になりそうだ。(了)2010.04.20

■本稿掲載4月20日「深夜便」の全国版メルマガ「頂門の一針」1891号のご案内
<目次>
・中国艦隊が日米両国を脅かす:古森義久
・5月決着、先送りの可能性=防衛相:古澤 襄
・キルギス政変で米中の狼狽:宮崎正弘
・透徹の人・ミスターLとの対話「失言の本質」:阿比留瑠比
・橋下「新党旗揚げ」の狙い?:毛馬一三
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年04月18日

◆郷愁を誘う「がめ煮」

毛馬一三

友人が会合のあと二次会に誘ったところが、大阪梅田界隈のビルの地階にある古い暖簾の「小料理屋」だった。中に入るとコの字型の椅子席はほとんど満席。予約して呉れていたので座ることができた。

「小料理屋」では老主人が黙々と「つまみ料理」に専念し、老婦人が注文と配膳に気を配っている。ビールで軽く乾杯したあとは、壁に掛けられた「つまみの品」に自然と目が行き出した。下戸だから、酒を飲むより、旨い料理を食したほうが楽しい。

壁をぐるりと眺めて行くうち、はたと目が停まった。なんと「がめ煮」と書かれた品札がぶら下がっているではないか。「がめ煮」とは、筆者出身の福岡筑後久留米の郷土料理の呼称だが、この名前が品札で出されている店は滅多に無い。

そう言えばこの「がめ煮」は、筑後地方以外では「筑前煮」と呼ばれているが、本当は「がめ煮」と「筑前煮」とは具材の味の深みが違い、「がめ煮」の方が食の玄人向きかも知れない。

早速注文して味を確めたところ、味わってきた郷土味と似ていた。九州出の主人ではないにしては、腕は良いのだろう。

さてその「がめ煮」のことだが、博多の方言で「がめくり込む」(「寄せ集める」などの意)が、その名前の由来だとの説がある。

一方で、豊臣秀吉が朝鮮半島を攻めた文禄の役の時に、朝鮮に出兵した兵士が、当時「どぶがめ」と呼ばれていたスッポンとあり合せの材料を煮込んで食べたのが始まりとの説もある。

どうやらこの亀煮が、「がめ煮」と呼ぶようになったという説が、本当ではないだろうか。

しかしいつ頃からかは分からないが、「がめ煮」にはスッポンは使わず、代わって鶏肉をいれるようになった。この作り方を考え出した筑後地方が自慢の郷土料理に仕上げた訳だ。

子供の頃、「がめ煮」が食卓に出る時は、今とは違ってお正月などの祝い事の時だったので、この味に接すると昔の慶事がいろいろと蘇ってくる。

さて、作り方だが、
<一般の「筑前煮」と本場筑後「がめ煮」の一番の違いは、この最初に具材をすべて炒める手順にあるそうだ。まずはだし汁、シイタケの戻し汁、酒、醤油、みりん、砂糖を混ぜて鍋で煮立たせるのから始まる。

そこに、一口大に切った鶏肉を入れてひと煮立ちさせる。その後、里芋、干し椎茸を戻したもの、コンニャク、アクを抜いたゴボウ、レンコン、ニンジン、ナスで筍を一口大に切ったものなどを入れる。

野菜が柔らかくなるまで煮れば、出来上がり。煮あがったところにサヤエンドウにサヤエンドウを加えることもある。>

聞くところによると、福岡筑後の久留米市では2006年10月に作った久留米市食料・農業・農村基本計画で、本来の「がめ煮」を調理することのできる市民の割合を、2014年度までに65%とする目標を立てているという。

きっと「がめ煮」を筑後の伝統料理として後世に残したいためだろう。年に1度郷里久留米の姉の家に寄ると、昔ながらの見事な味の「がめ煮」を作ってくれる。里芋、椎茸、コンニャク、ゴボウ、レンコン、ニンジンの舌触りは、流石に昔ながらの本場の深みのある味だ。

今回の「小料理屋」で食した「がめ煮」の味は、長く離れた郷愁を誘ってくれた。「食べ物」とは底が深い。(了)
2010.04.16

参考 フリー百科事典ウィキペディア

2010年04月02日

◆「条」から「條」に戻らぬ悩み

毛馬 一三

自治体名の正しい表記の書き換え要請に、中々応じてくれない公的交通機関があるという、珍しい話題を耳にした。

話題の自治体とは、本誌3月8日刊の「百家争鳴」欄で「古代の馬の渡来地」として取り上げた大阪府の四條畷市のことだ。

四條畷市は、南北朝時代の武将・楠木正成の息子正行(南朝)が自決した「四條畷の戦い」の有名な所で、そこには「四條畷神社」があり、楠木正行を主祭神とし、一族将士24人を祀っており、休日になると大勢の観光客が訪れている。いわば四條畷市の観光拠点のひとつだ。

このため四條畷市では、古くから受け継がれてきたこの「伝統的な地名」を継承すべきだとして、同市の施設表示には一貫して「條」の字を使ってきたが、警察や府立高校、国道の道路標識、そしてJR駅などでは、「條」の字を使用せず、常用漢字の「条」を使ってきていた。

これでは市のイメージに混乱を期たすとして四條畷市は、平成16年に大阪府に要請し、市名を「四條畷市」の表記を正式に使用する条例を制定させた。これによりそれまで「条」を使ってきた警察署、保健所、国道標識、公立高校など民間も含め公的機関のほとんどが、「条」から「條」に改めた。

ところが、ここにきてひとつの壁に当たった。

というのは四條畷市の交通機関の主要駅で「玄関口」ともいえるJR片町線の「四条畷駅」の看板等が依然として「条」のままで、「條」に改まらない。それだけではなく、JR各駅で発売される乗車券や列車運行表内等に表示される駅名も、「条」のままだ。

府条例がJRには及ばないにしても、何とか協力して貰えないかと先頃、四條畷市の首脳がJR西日本を訪ね、「四條畷」駅名などの変更の応じて貰えない理由を訊ねた。

これに対してJR側は、切符発売システムや運行表の手直しなどJRコンピュータシステム全体の改編に手を付けなければならず、そのためには数億単位の費用が掛かる。ただ、JRのダイヤ改正時に併せれば、約8000万円で済むということだった。

しかもJR西日本は、「條」への変更要請への協力は、8000万円を市当局が全額負担してくれることが条件で、それが実現すればJRとしての対応も可能という、いわば「条件付きの回答」だった訳だ。

これを聞いて困惑したのは四條畷市。22年度一般会計予算が176億円の四條畷市にとって、これに8000万円もの金を支出しければならないとなれば、市財政運営上大変な支障となるのは明らか。

とはいうものの、観光客が訪れる表看板駅名や当市までの切符までもが、市の「條」名前と違うままで継続するという事態も、安穏に見過ごせる問題でもない。

四條畷市では妙案がないものかと、今悩んでいる。(了)

■本稿は全国版メルマガ4月2日刊「頂門の一針」1869号に掲載されました。
<1869号・目次>
・理想のNHK会長を探そう:「NHK110番」
・NHK毛虱物語(再掲):渡部亮次郎
・普天間問題に首相「腹案ある」:古澤 襄
・「条」から「條」に戻らぬ悩み:毛馬一三
・ドイツは「マルク」に復帰するのか?:宮崎正弘
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年03月23日

◆「米パラマウント大阪進出」一歩前進

毛馬一三

<本稿は、3月24日刊の「頂門の一針」1860号に掲載されました>
大阪府の橋下徹知事が、先の府議会で初めて明らかにした「米パラマウント大阪誘致構想」が、いよいよ現実の向かい一歩前進した。

「米パラマウント誘致構想」は、閉鎖した大阪府吹田市の万博記念公園等の跡地に、米大手パラマウント・ピクチャーを誘致して一大テーマパークを作り、それによって税の増収、雇用促進、観光集客等を図り、大阪経済の活性化を推進させようという知事の計画だ。

ところが大きなネックは、テーマパークの予定地となる万博記念公園跡地40ヘクタールのうち、半分に当たる20ヘクタールが国有地で、それを大阪府へ賃貸してくれるか否かだった。

つまりテーマパークの「用地」が決まらなければ、進出への鍵となる「出資」に見通しが立ちにくいと言う、いわば「鶏が先か、卵が先か」と同じ論理が長きにわたって交錯していたのだ。これに目途が付かなければ実現の可能性は見えてこない。

ところが橋下徹知事が21日、枝野幸男行政刷新相と、土地所有者の独立行政法人・日本万国博覧会記念機構をまじえ、東京都内で同「構想」をめぐり意見交換した結果、大阪府に跡地を貸与する方向でほぼ合意したという。「用地」が解決の方向に向かったのだ。

これにより「知事構想」は、実現に向かってが一歩前進したことになる。これを支えるように枝野幸男行政刷新相がこの後記者会見で、「万博跡地は利潤を生む可能性がある。ここにテーマパークが出来れば、大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)とあわせて、一大エンターテイメント都市になる」と述べているが、この発言の意義は大きい。。

これを受けて大阪府は5月にも、跡地を含むエリアの活用プランをまとめる方針を固めた。

活用プランのまとめは、これまで米大手パラマウント・ピクチャー誘致窓口となってきた大阪の民間投資会社「燦キャピタルマネージメント」と協議しながら「観光客に、感動的で独創的なエンターテインメントを体験してもらう」計画を組み立てる方針。事態は急速に進展しそうだ。

ただ問題が無いではない。財務省・万博機構では、「万博跡地の活性化計画に大阪府が責任を負う」との条件で、跡地貸与を認めることにしたとしているため、事業仕分けで機構が廃止されると、大阪府営とするべきだという意見の浮上の可能性もある。

となると、万博機構からエキスポランド跡地の20ヘクタールを含む40ヘクタールを借りる場合、賃料は年36億円という高額賃料が伴う。これは大阪府にとり高負担となる。

そこで知恵者の橋下知事は、会談した枝野幸男行政刷新相に、「公の財産を有効活用させてほしい。所有は国でいいから、マネジメント権だけ渡してほしい」と、府営に固執しないようにと釘を刺している。

と同時に知事は、誘致後に利益が出たら国に一部を還流させる仕組みも検討していると、国も喜ぶ「アメ」も覗かせている。

ところで、「米パラマウント進出構想」とは、40万平方メートルの万博跡地に、パラマウント映画ブランドを冠する世界的なエンターテインメント・リゾート施設の開発を目指す計画。豪華な造園風景、美しい建築物、革新的「グリーンテクノロジー」を特徴とする、パラマウント映画の伝説的な貯蔵フィルムの感性をちりばめた複合施設を設けるものだ。その姿が見え出してきたのはたしかだ。

昨年7月ごろから府庁と大阪経済界の舞台裏で話題になっていた米パラマウント進出構想は、ついに今回の知事と枝野幸男行政刷新相との会談で、いよいよ道が開けることになり、大手銀行・商社・証券会社などが出資に応じる態勢が確実となってきた。

橋下知事は「国は膨大な資産を持っているので儲かるようにすべきだ。資産の有効活用という視点でいろいろ提案していきたい」と話している。

活気を求める大阪府民の夢を結ぶ知事構想が、今回の会談で大きく前進し出し、1万人の集客を見込んだテーマパークのシュミレーションが5月には示されるというだけに、期待は膨れ上がる一方だ。(了)2010.03.22

2010年03月19日

◆「米パラマウント」大阪誘致へ意欲

毛馬一三

大阪府の橋下徹知事は、知事就任直後から逼迫する府財政を立て直すため、先ずは職員給与のカットや不要府施設の廃止・経費削減など府財政切り詰めに集中してきたが、肝腎の府財政収入増加を目指す施策は宙に浮いたままになっていた。

大阪流に言えば、「節約」に終始するばかりに見えたことから、府民の間からは肝腎の「金儲け」事業には中々知恵が湧かない知事ではないのかという、過激な批判も飛び交い始めていた。

ところが、これを逆転させるような新たな知事方針が明らかにされ、これを知った府民は、目を剥いた。

というのは、3月18日開かれた大阪府議会の府民文化常任委員会で、橋下知事は府税収入増加に貢献するだけではなく、雇用促進、観光集客等にも多大な効果が見込める「画期的な府経済活性化構想」を、光澤忍府会議員(公明会派)の質問に答えて、初めて明らかにしたのだ。

この「画期的な構想」とは、閉鎖した大阪府吹田市の万博記念公園等の跡地に、米大手パラマウント・ピクチャーを民間の力を借りて一大テーマパークのしようというものだ。

この常任委員会で知事は「万博の南側の跡地に、世界で初めてパラマウントが大阪にテーマパークとして出来れば、大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)とあわせて一大エンターテイメント都市になる」と述べている。

この発言で最も注目されるのは、パラマウントが大阪進出に意欲のあることを知事が、初めて公に発言したことだ。しかも「万博公園の跡地は非常に勿体ない状況になっている、相当インパクトのあるものを持って来ないといけない。このテーマパークで賑わいの施設を作りたい」と付け加えたことからも積極性が伺える。

そこで光澤議員が「誘致プランをつくって活用の方策を、(万博跡地53%所有する)国に対してどう働きかけていくのか」と質したのに対し、橋下知事は「溝畑観光庁長官に間に入ってもらい、大阪府がきちんと責任を持てば、既に土地を貸せるようになった。21日には枝野行政刷新相と会い、実現に向けて協力を働きかける」と裏舞台まで明かした。

ところで、進出を予定しているパラマウントは、40万平方メートルの万博跡地に、パラマウント映画ブランドを冠する世界的なエンターテインメント・リゾート施設の開発を目指す計画。豪華な造園風景、美しい建築物、革新的「グリーンテクノロジー」を特徴とする、パラマウント映画の伝説的な貯蔵フィルムの感性をちりばめた複合施設を計画している。

一方、誘致役に名乗りを上げている民間会社(大阪市北区)の「燦キャピタルマネージメント」は、開発・建築資金の出資を募ることしているが、出資の確保には確信を持っており、「大阪地元と観光客の双方に、感動的で独創的なエンターテインメントを体験してもらう」ための計画作成も、ほぼ完了しているという。

要は、昨年7月ごろから話題になり初めたパラマウント進出の動きは、今回の府議会での知事の積極取り組みの意向が初めて表面化したことにより、関西財界などでは、大手商社や大手証券会社などが出資に応じる態勢を固めだすことが予想される。

今後、知事と国との交渉が順調に進めば、パラマウントテーマパーク進出の動きは今後急速に進みそうだ。しかも混迷する大阪の雇用情勢や大阪経済活性化とともに、大阪を訪れる観光客も増え、活気溢れる大阪を期待する府民の夢が実を結ぶことも予想される。

これに取り組む知事の意欲も強く、「知事構想」が実現に結びつくことに期待したいものだ。(了)2010.03.18

映画橋下知事と光澤議員の質疑応答動画(パラマウント関係)全体約40分





2010年03月14日

◆気付けてぇ!大流行の「副鼻腔炎」

毛馬一三

 <本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」3月15日刊(1849号)に
掲載されました>

喉にきつい痛みが出だし、熱が伴いだしたので近くの内科医院に診察に行った。昔から花粉症には罹ったことはないので、単なる風邪の一種だと思ったからだ。3月9日だった。

診察の結果、鼻腔にウイルスが感染し、鼻の炎症が喉へ移行し痛みが発生する「副鼻腔炎」だと、医師(阪大医学部卒)診断された。医師から取り敢えず4日分の「飲み薬」を出すので、4日後には「必ず再診」に来るよういわれた。

出された「飲み薬」は、
・抗生物質・クラリス錠 200mg(朝・夕 各1錠)
・鼻づまり防止等薬・アレロック錠 5mg(朝・夕 各1錠)
・胃薬・セルベックスカプセル50mg(朝・昼・夕 各1c)。

薬を飲み始め熱は下がり出したが、逆に喉の痛みはますますひどくなっていく。体のだるさも急激に加速する。「副鼻腔炎」に罹ったことはなく、初診の薬で快方に向かうだろうと気楽に思っていたが、迂闊だった。医師から「必ず再診」に来るよういわれた意味も分かった。

4日後医院に駆けつけた。診察の結果、まだ鼻腔・喉の炎症は治っていないといわれた。医師の話によると、春の季節病「副鼻腔炎」は「花粉症」とは別の病気で、今年は早くインフルエンザが終息したため、その直後から発症し全国的に大流行しているという。しかも4月まで流行するそうだ。

再診後に出された「飲み薬」は、
・抗生物質・クラリス錠 200mg(朝・夕 各1錠)
・鼻づまり防止等薬・アレグラ錠 60mg(朝・夕 各1錠)
・咳を鎮める薬・メジコン錠 15mg(朝・昼・夕 各2錠)
・痰や膿をうすめる薬・ムコダイン錠500mg(朝・昼・夕 各1錠)
・胃薬・セルベックスカプセル50mg(朝・夕 各1c)。

上記の薬を飲んだら、喉の痛みはやや減り出した。

大流行している「副鼻腔炎」の罹患者は大人だけだそうだが、喉に違和感、痛みが走ったら、大事になる前に、かかりつけの医院に行かれることをお勧めする。(了)          20010.03.14

■3月15日刊「頂門の一針」をご高覧下さい。
<目次>
・次に斬られるのは石井氏?:渡部亮次郎
・小沢幹事長が男を上げる方法:石岡荘十
・総員玉砕せよ!!聖ジョージ岬 哀歌:馬場伯明
・真の狙いは別にある?:宮崎正弘
・大流行の「副鼻腔炎」:毛馬一三
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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  http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm

2010年02月15日

◆今年生まれも「八方塞の厄」だった

毛馬一三

人生、突然行く先を遮る切る壁にブツかると、「四面楚歌」だとか「八方塞がり」だとか、心の中で密かにつぶやいて仕舞うものだ。

ところが「八方塞がり」の語源が、何と「暦の厄」に関るものであることを初めて知った筆者は、2月5日の本誌(下記参照)に掲載した。
http://hyakka.seesaa.net/article/140289176.html

2月10日には、渡部亮次郎氏主宰の「頂門の一針」1813号に「八方塞の厄祓い」として掲載され、全国に発信された。
http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm

ところが掲載後に、予想外の反響があり驚かされた。郷里福岡や、関西・東京の同じ年生まれの学友や知人、読者からは勿論、昭和4年生まれの81歳の先輩からも連絡があった。

<平成22年は、暦の「八白土星」の年齢者が、暦の方位吉凶図で九星干支の残りの「八星干支」に周囲をしっかり囲まれ、外への道が完全に塞がれている構図になっているため、「八方塞がりの厄」というのですか。早速厄祓いに行ってくるよ>。概してそうした感想だった。

ところが、この話題はその後、実に身の引き締まる思いをする状況に直面した。実は先日(2月12日)、畏友仲村友彦氏と会食した時のことだった。仲村氏は、昭和22年生の63歳、筆者と同じ「八白土星」だ。話題は共通する「八方塞がり」に及んだ。

海運会社役員の仲村氏は、すでに本誌とファンの「頂門の一針」を既読して、驚きのあまりすぐさま早速神社に「厄祓い」に行ったそうだ。そのあと、「厄年」と思われる親会社の部下だった数人に、「頂門の一針」を閲覧するようメールしたという。そうすると、1人の該当者がいたが、他の数人は「厄年」ではなかったそうだ。

ところが、これに関連する話が進んでいく内に、緊張を呼び起こす事態が起きた。仲村氏が携帯電話の「画像」を開いて見せてくれたのがキッカケ。この12日の日に生まれたばかりの女の赤ちゃんの写真が映っている。なぜこの「写真」を見せるのか、訝しがって仲村氏の顔を見た。

仲村氏曰く「今日生まれたばかりの女の子の写真を送ってきてくれたのは、先に「厄年」かどうか確認した後輩の赤ちゃんなんです。後輩夫婦は共に厄年じゃなかったのですが、この赤ちゃんは「厄年」なんですよね」。

だから、機会を見つけてこの子のために「厄祓い」をしたら如何と、お祝いの言葉にこのことも付け加えて伝えました」と仲村氏は言う。

たしかに、今年生まれ、即ち平成22年生の0歳は皆、「八白土星」の「八方塞がりの厄年」である。

筆者はこれを書く時、「八方塞がりの厄年」の「語源」の新知識会得に新鮮味を感じて書き綴ったものだった。しかし書く途中で迂闊にも、今年生を受けた赤ちゃんまでもが「厄年」であることに深く思いを馳せていなかった。急激に身の引き締まる想いを感じ出した。

「厄年」に何度も経験した人なら、「八方塞がりの厄年」が新たに出現してしても、驚きはするだろうが、何とか受け流せるだろう。ところが今年生を受けた新生児が「厄年」となると、これはまるで意味が違う。知った親御さんは戸惑うに違いない。

その胸中の想いを告げると仲村氏は「八方塞がりの厄祓いを生まれ立ての時に済ませて、人生の活路を拓いてやることも大事なことです。その子のためになると思う親が、思い立って「厄祓い」をするならば、それはいいことじゃないですか」と言ってくれた。

今年既に生まれた、また生まれる子は沢山いる。携帯電話に映し出された生まれたばかりの赤ちゃんは可愛かった。次世代を背負う赤ちゃんたちが、健やかに育ち、未来の日本をしっかり支えてもらいたいと思う。仲村氏の助言で筆者の気持ちが些か軽くなった。

再掲するが、「暦」(神宮館蔵版)によると、「八方塞がりの厄」の「八白土星」の年齢は、
・平成22年生の0歳
・平成13年生の9歳
・平成4年生の18歳
・昭和58年生の27歳
・昭和49年生の36歳
・昭和40年生の45歳
・昭和31年生の54歳
・昭和22年生の63歳
・昭和13年生の72歳
・昭和4年生の81歳
・大正9年生の90歳
となっている。    (了)  2010.02.14

2010年02月08日

◆脂に載る橋下府政の3年目

毛馬一三

大阪府の橋下徹知事が2008年2月6日に就任して、丁度任期の折り返しを迎えた。橋下知事の府政運営は、逼迫状態の府財政緊急建て直しを軸に、府庁の財政健全化と国に地方分権を求める内外二面改革を進めてきた。

知事の際立った特徴は、独自発想の施策構想を真っ先にメディアに公表し、その反応を伺いながら運営の実現を図るという手法で、この積極的なやり方が府民から「大阪府のため、何かをやってくれる知事」という印象をうけている。

つまり、「役所機構主導型」の歴代府知事とは異なり、「知事主導型」に180度切り替えて、役所機構を自らの方針に牽引しながら、施策実現に向けて推進させるというやり方が効を奏して入る。内部統制も職員ごとに管理する厳しい手法が取られている。

とは言うものの、一度打ち上げた構想が宙に浮いたり反対機運が高まり出すと、間髪を入れず撤回、あるいは次善の策をとるなどの変わり身の速さを見せる。その切り替えは、まさに知事固有の感性と政治感覚に基づくものと見ても的外れではない。

事実、朝日新聞が1月末に行った「世論調査」によると、橋下知事の支持率は79%と非常に高く、全国では09年の東国原英夫宮崎県知事の92%に次ぐ高さだ。しかも支持の理由として、やはり指摘した「改革の姿勢や手法」を挙げていることが注目される。

中でも橋下知事が渾身の力を振り絞って立ち向かったのは、府庁舎を大阪港近くのWTC(大阪ワールドトレードセンタービル)に移転し「新都心」の構築を図る構想だった。だが、府議会の全面反対を受けて、一時は挫折を余儀なくされる事態に陥った。

そこで打ち出した奇策が、府議会を含め本庁部局は移転しないものの、別館などの8部局を移転させる譲歩議案を再提出し、これに賛成の議決を受け、構想実現へ向けて夢をつなぐ一歩を踏み出したのだ。

また、関西空港の活性化を図るため、近畿3空港のうち伊丹空港を廃止するという案を打ち出し兵庫県からは猛反発を浴びたが、矛先を変えて折衝した国土交通省から「前向きに検討する」という回答を引き出し、関西経済界等から評価を受けた。

さらには、「市立高の実質無料化制度の拡大」を図る意向をブチ上げたことで、直ちに2010年度の私立高入試の競争率が過去最高の3.44倍に跳ね上がる効果を生み出すなど、とりわけ受験生を持つ府民からの支持を受ける結果に繋がっている(2月6日・朝日新聞)。

特に注目されるのは府経済活性化。万博記念公園に民間投資を呼び込む環境を整え、内外から年間1000万人が訪れる、にぎわいと魅力溢れる一大アミューズメント(約130ha)等の近々設立構想も視野に入れて動き出していることだ。知事の意欲は止まる所が無い。

とは言え、総てが知事の手のひらの中で動いているわけでもない。知事は、「府が歳入を確保して自立的な運営をするには、国と地方の関係を変えて、地方に課税自主権を完全に与える形にしないと無理」として、「道州制」を就任当初から主張し続けている。

ところが、橋下知事が最近「大阪府と大阪市の合併」を大阪市に提案したのに対し、大阪市は直ちに、大阪市には何のメリットもなく、市民生活を阻害する要点が多くて提案自体に理解ができないと反発し、同意する気配を全く示していない。

考えようによっては、悲願の「道州制」構想が足元から崩れた格好だ。

これは一例に過ぎないが、これに挫ける知事ではないようだ。これに関してもおそらく府市共通の行政部門を統合させる方向で再提案を試み、「道州制」確立の機運が醸成されるような手を打つに違いない。

任期前半の橋下知事は、話題が豊富で、曲折に立ち向かう日々の連続だったが、府政運営のリズムはしっかりと掴んでいる。それだけにこれからの3年目の任期後半は、益々脂に載り、勢いを受けた様々な挑戦に取り組むに違いない(了)  2010.02.06