2010年11月10日

◆ビデオ映像流失への異論

毛馬一三

沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出問題について、犯罪だけを追及する事態を巡り、異論が噴出している。

たしかに、海上保安庁職員が流失していたのだったら国家公務員法の守秘義務に触れるのは間違いない。しかし問題はは中国漁船衝突事件のビデオ映像を公開する姿勢を一向に見せない政府の対応に国民は首をかしげていることだ。

そんな中、大阪府の橋下徹知事が、8日記者団のこれに関する質問に答えて「プライバシーにかかわる個人情報が出るのはよくないが、それ以外の情報は国民の情報。世に出回る社会である方がよい」と述べた。

このことは、「国民が欲しい情報は、個人情報以外、世に出回る方が当然。そんな社会が望ましい」と、国民に必要な知る権利を与えない事実を指摘し、府民の意識をバックに政府の対応をやんわりに批判している。
また同知事は、海上保安庁など公的機関の情報管理について「大阪府庁でも、情報が出てしまうことを前提に対処法を考えている。情報管理が難しいことを言い訳にはできないが、実際は問題が起きてから対応している」としたうえで「政府も管理できないことを前提に対応する方が得策だった」とものべ、政府の情報管理を皮肉っている。<産経ニュース>
既に刑事事件に発展しているため、橋下知事発言もいつもの過激さを潜めているようだが、それでも府民の間からは、知事発言の真意を評価する声が出ている。

ところで、「頂門の一針」(11月9日発刊)の阿比留 瑠比氏の記述を読むと、胸の痞えが収まる感じがする。以下、阿比留 瑠比氏の卓見を紹介する。

<菅内閣発足後の国民不在の韓国併合百年謝罪談話、竹島領有記述の載った防衛白書閣議決定の先送り、尖閣諸島沖での中国船衝突事件での船長釈放とビデオ映像の非公開、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土・国後島訪問…と、ここのところ、ずっと、日本の主権と、主権者たる国民の知る権利が侵されているという思いがありました。

特に、尖閣問題では、菅政権によって領土保全という主権問題が無原則にないがしろにされる一方、国政の最終決定権者である国民に必要な判断材料が与えられないことに強い憤りを覚え、産経紙面でもこのブログでもそれを度々表明してきたところです。

また、今回、衝突ビデオ映像がsengoku38という人物によって暴露された件をめぐっても、いたずらに守秘義務を犯した国家公務員法違反という点(それ自体は否定しないものの)に問題を矮小化しようと務めている菅政権の閣僚らに対し、改めて姑息だなあと感じている次第です。最初から公開しておけば何も問題はなかっただろうにと。>

本当に阿比留 瑠比氏の卓見は見事だ。だとすれば日本の領土保全を菅政権は本気で考えているのだろうか。政府のお粗末さを公務員犯罪にすり代えることにより、行き詰まっている政権運営を誤魔化そうとしているのか。こう思うと、日本迷走を加速させる菅政権は、日本救世の政権に急ぎバトンタッチすべきであろう。
余談だが琉球新報によると、<石垣海上保安部が集中的に捜査される中で、市民からは同海保を激励し、映像流出を歓迎する声が聞かれるという。
 石垣海上保安部には、電話では中年男性が「ビデオを見ました。よく守ってくれてありがとう。これからも応援するので頑張って。もし(流出の犯人が)海保の職員だったら守ってくれ」と語ったという。

さらには 石垣海保による年に1度の灯台公開日の6日、御願崎灯台に訪れた市民や観光客らの中には「いま大変だろうけど頑張って」と海保職員を激励する姿や愛知から訪れた62歳の人が「わざとぶつかった船長は釈放されたのに、映像を公開してくれた人が罪に問われるとしたらおかしい」と首をかしげた>。

早い話、国民は皆日本の将来に危惧を抱いている。むしろ本件を犯罪にすり代えるのでは無く、領土保全、経済安定など直面している国の進路の最重要課題として捉えるべきで、それが出来ないのなら菅政権はすぐさま降りるべきだ。
                      2010.11.09

◆本稿は、11月10日(水)刊全国版メルマガ「頂門の一針」2091号に
掲載されました。卓見満載の「頂門の一針」を、下記からお手続きしてご覧下さい。
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◆<2091号 目次>
        
・ビデオ映像流失への異論:毛馬一三
・菅政権の尖閣衝突ビデオでの倒錯 :古森義久
・「中国に怒り」東京で4500人がデモ 韓国紙:古澤 襄
・3年ぶり利上げの背景:宮崎正弘
・農村の神武(ずんむ)たち:渡部亮次郎

・ 話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
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2010年10月30日

◆大阪市は「赤バス」を廃止するのか

毛馬一三

大阪市営バスに乗った時、車内に「お出かけになる時は、赤バスをご利用ください」という大きな見出し付きの紙が張り出してあった。

よく読んでみると、大阪市内を走る「赤バス」28路線のうち1台当り乗客数が、東淀川区と平野区の2路線を除く、残る26路線で凡そ6人〜9名不足。最悪は長柄東〜大淀中路線で、1台当り22名不足など詳細に記されている。

読み様によっては、「だから赤バスをもっとご利用ください」ではなく、「現状の乗車数不足が続けば、赤字改善は期待できず、廃止も止むを得ない」と、市民に合意を求めているとも受け取れる。

その「赤バス」だが、ノンステップの外国製小型バス。02年にベンツ車(定員22名)とオム二ノバー車(定員27名)を導入したもので、地域密着型の路線として既存路線が走らない狭い道や不採算路線を走るという、謂わば「地域優先を第一に、敢て採算性度外視」の自治体だけが断行出切る善政の実施だと受けとめられてきた。

しかも運賃が「100円」と格安な上、とくに歩行に障害のある高齢者にとっては、住まい近くの停留所から楽々乗車できることから、大阪市のために長く貢献してきた高齢者への優待策として歓迎されてきた。

ところが平松市長は就任直後、本来の採算度外視の「赤バス」の意義に目を反らし、ただ赤字解消の槍玉に「赤バス」廃止を打ち出したのだ。

このため高齢者ら市民の間から不満が噴出し、市議会では、「赤字でも市民には必要」「廃止後の代替措置が示されていない」などと、批判が相次ぎ、中には「絶対廃止させない」と意気込む議員も多い。このため「廃止」は取り下げられている。

張り紙を見せるだけで、赤バスの乗客数が増え赤字解消に繋がるとは誰も思っていない。市長が再度「廃止」を提案するだろうといううわさは関係者から依然絶えない。

ではどうすればいいのか。何かいい方法がある筈だ。

一例を上げてみよう。「毛馬―京橋」路線の場合、確かに地域密着型の路線として、過疎地域をじっくり回って、終点は京阪京橋駅に到着する。地下鉄から離れている同地域の住民にとっては、「赤バス」が生活の足であることに間違いない。

しかし、この「赤バス」路線の最大欠陥のひとつは、地域住民が最も願っている総合医療機関「大阪市立総合医療センター」へ行かないことだ。乗客は「赤バス」から一旦降りて歩き、既存路線の「同センター行きバス」に乗り換えなければ、医療センターには通えない。乗り降り不自由な病人にとっては過酷な話だ。

この「赤バス」が直接「大阪市立総合医療センター」へ回れば、乗客は一挙に増えるのは確かだ。
また、同路線は、都心の梅田にも向かわない。もし何便か「梅田行き」路線を新しく組み込めば、買い物に行きたい乗客の増加は見込めるのは必至だ。

しかも、梅田など都心に行けば買い物も出来たり、催しにも参加できることになる。それが大阪の経済効果にも繋がる上、高齢者にとっては「赤バス」が老後の楽しみを喚起させる手足となることになる筈。

なぜ、赤字の責任を利用乗客になすり付けようとするのだろうか。むしろ乗客の利用志向をよく考えて、行き先の新設など路線の改善を果たせば、「廃止」だけの愚かな発想に終始するとは思えない。平松市長!一度「赤バス」に乗り、車内で「廃止」に代わる「新発想」を考えて見たら如何。

2010年10月14日

◆明日のわが身

毛馬 一三

本誌常連寄稿者の畏友・石岡荘十氏の本誌掲載が長期途絶えていることに、愛読者の友人・知人から懸念の声が多数寄せられた。そういえば、筆者自身も気にはなっていたことだったので、久し振りに架電して様子を伺った。2ヶ月ほど前のことだ。

すると石岡氏曰く、「長い間、体がだるいうえ、左胸と背中に痒みが激しくなったので、出筆どころではなかった。症状がどんどん酷くなってきたので、診察を受けたところ、“帯状疱疹” (たいじょうほうしん)といわれた。」という。

“帯状疱疹”?。加齢病の一種だというのでその場は聞き流し、発症原因や治療方法など詳しく聞かず、ただ完治を祈る見舞いの言葉を掛けただけで電話を切った。

ところがまさかこの病気が、何とわが家に及ぶとは、思いもしなかった。

実は、今月9日の連休始まりの夕方に、家内が背中の左部位が少し赤く腫れ、痒みがあると言い出した。単なる炎症だと思い込み、炎症止めのロキソニンを飲ませ、患部には抗菌剤ラミシールクリームを塗って、症状の具合を観察していた。

ところが背中部位の炎症は止まらず広がる一方、新たに左胸の部位に赤く腫れあがり、痛みと痒さも酷くなってきた。お粗末にもこの時点に至っても、石岡氏と同病の「帯状疱疹」だとは気も付かなかった。

同病名だと分かったのは、連休明けに近く皮膚科診療所の診察を受させてからからだ。そういえば、体がだるくなり、肩凝りが酷くなるという石岡氏の話と、家内の事前の症状が極似していただけに、同病と同じ可能性に気付くべきだった。真面目に聞いておれば、対処も早かった筈だった。

さて、<帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症の一種。

一般的には、体調を崩しやすい季節の変わり目に多く、高齢者の場合、神経痛が強く残ることがある。疱疹後神経痛、帯状疱疹後神経痛という。その治癒は、場合により、長びくことがある。

60歳代を中心に50歳代〜70歳代に多くみられるが、過労やストレスが引き金で若い人に発症することもある。年齢が若いから軽症ですむとはかぎらず、その患者の抵抗力により重症度が決定される。初期に軽症であっても、無理をすることでいくらでも重症化する疾患である。

知覚神経の走行に一致して帯状に赤い発疹と小水疱が出現し、強い神経痛様疼痛を伴う事が多い。前兆としてだいたい1週間くらい前から違和感やぴりぴりした痛みを感じることもある。

三叉神経に帯状疱疹ができたときは注意が必要である。髄膜炎、脳炎にいたるおそれもある。目の中にできると角膜炎や結膜炎を併発し失明に至ることもある。また、まれに歯槽骨の壊死・歯の脱落が 発生することもある。なお、歯槽骨以外の骨の壊死の報告はない。

耳の中にできると耳鳴り・眩暈などの後遺症を残すこともある。さらに、顔面神経に帯状疱疹ができることがあり、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)にいたることがある。腰部や下腹部に生じた場合、排尿障害や排泄障害が生じることもある。

通常、皮膚症状が治まると痛みも消えるが、その後もピリピリとした痛みが継続することがある。これを帯状疱疹後神経痛という。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことで起きる。
この症状は、皮膚症状が重症な人、眠れないほどの痛みがある人、または高齢者に残る可能性があるので、早期の治療が望まれる。

帯状疱疹はどういう形で何が出るかも不明ということもあり、早めの兆候を見逃さず、症状を過小評価しないことが大切である。特に顔面神経麻痺などは湿疹が消えても治療が遅れるとなかなか治癒しないこともある。

顔もしくは体にひどく痛い皮膚症状がでたら皮膚科に行くこと、また耳鼻科領域で顔面神経麻痺などが出たら、すみやかに治療に専念すべきである。適切な治療が行われれば、1週間ほどで水ぶくれはかさぶたになり治癒する。

帯状疱疹になる人は、慢性的に不規則な生活を送る事や、過度の疲労、心労を要する作業を続ける事は控えた方が良い。規則正しい生活と、十分な栄養の摂取、心の安静が必要である。>

診察を受けた医者によると、帯状疱疹は、日常よく起こる病気で、年間50万人(人生5人〜7人に1人)がかかるデータがあるとういう。これを防止するため米国では、水ほうそうのワクチンを60歳過ぎたら接種を勧めているという。

畏友・石岡氏の病状には、高齢期に入った同士として、もっと真剣に耳を傾けるべきだったと猛省している。きちんと聞いておれば、驚きもせず、適切、迅速な対応が行えたであろう。ワクチンの接種も相談してみよう。明日のわが身に繋がる貴重な情報だったのだ。
参考:ウィキぺディア                    2010.10.13

◆本稿は全国版メルマガ「頂門の一針」10月15日(金)刊2066号に
掲載されました。下記「目次」を拝読の程を。

◆<2066号 目次>
・国家観も信念もなし:櫻井よしこ
・尖閣衝突以後、在日中国語メディアは:宮崎正弘
・小村寿太郎を僭称する柳腰官房長官:阿比留瑠比
・なぜエリート検事が逮捕されたか:岩見隆夫
・明日知れぬわが身:毛馬一三
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年09月05日

◆賢い愛犬の習性

毛馬一三

最近の新聞で、「犬は飼い主の足音を聞き分けている」という記事を読んだ。

これは、京都大の比較認知科学グループが様々な種類の犬を使った実験で、この通説を確かめたものだという。犬は飼い主の微妙な癖を覚え、聞き分けているのではないかというのだ。

<京大では、チワワやポメラニアン、ミックス(雑種)など様々な犬種の計21頭を、ドアや窓を閉め切ったマンションの一室に犬だけを入れて実験をした。

知らない人に部屋の外を2往復してもらい足音を聞かせた後、(1)その人が入ってくる(2)飼い主が入ってくる、逆に飼い主の足音を聞かせ、(3)飼い主が入ってくる(4)知らない人が入ってくる―の4パターンの実験。

入ってきた人を犬が見つめる時間を比較した結果、知らない人の足音を聞かせた後、飼い主が入ってきた時〈(2)〉は、知らない人が入ってきた時〈(1)〉より見つめる時間が平均で約2割長かった。

犬は期待と反する現象が起きると、驚いてその対象を見つめる。(2)では足音を聞き分け「飼い主ではない」と思ったのに、現れたのは飼い主だったので驚いたとみられる。
京大比較認知科学グループによると、「飼い犬は、飼い主の歩き方のリズムや左右のちょっとしたアンバランスなどの癖を知っているのではないか」とみている>という。

この実験の結果には、愛犬の飼い主としておおいに納得できる内容だ。

我が家の愛犬は、6歳の小型ノーフォークテリアだが、私や家内が外出先から帰ってくると、その外出時間の長短に拘わらず、足音や歩き方のリズムなどで聞き分けるのか、ドアを開けると「帰宅歓迎」の声を上げながら飛びついてくる。マンションの外側から3段の階段を上がって来るまでの間に「足音」で、わたし達の帰宅を識別したのだろう。

ところが、セールスなどの来訪者の足音が近づくと、むっくり起き上がって「警戒心」剥き出しに大声を張り上げ、玄関に走っていく。犬が、知らない来訪者の足音には異常なほど敏感に反応する習性があるのは、飼い主なら皆ご存知の筈だ。

この習性が、マンションでの空き巣等の犯罪防止に大きな効果を挙げていると、団地内に住んでいる大手ビル管理会社の役員から聞かされ、なるほどと思ったことがある。

ところがその「足音識別の習性」より、私にはまだ驚かされることがある。

というのは、我が家の愛犬ノーフォークテリアは、私たちがさりげなく交わす電話の会話の中で、「これからお出でなさい」というやり取りを聞き分ける習性がある。そうすると、すぐさま玄関ドアの前まで移動し、じっと座り込んで来訪者が来るまで「待機」する。

単に「いらっしゃい」とか「お出でになりますか」程度の短いフレーズの意味を正確に聞き取り、しかもその来訪者が、我が家と親しい間柄の知人だと判断するのだろうが、その「聞き分け名人芸」には舌を巻く以外にはない。

暫くして来訪者が玄関に現れると、愛犬はピンピン飛び付いて喜びを思い切り表す。私たちが「いらっしゃいませ」と発する前に、愛犬の行動を宥めるのが先の段取りとなる。

訪問者も愛犬の歓迎におおいに喜び、来訪の雰囲気が一気に盛り上がる。訪問者を招き入れる私たちも、これにこしたことはない。愛犬は、歓迎の飛び跳ねを終えると、次は先頭にたって来訪者を居間へと案内する。

愛犬の賢さは筆舌に尽くし難いが、電話のやり取りから次への行動を起こすということは、人間の言葉がわかっているというだけではなく、飼い主や親しい知人の喜びの心理まではっきりと理解しているということになる。

こうした賢い「習性」が日常的にいろいろ顕になると、家族以上の愛情が湧いてくるものだ。またその愛情をしっかり理解し、それを待ち望んでいる愛犬に接していると、「賢い」という言葉しか見当たらない。(了)2010.09.04


2010年08月25日

◆橋下知事VS平松市長バトル本格化!?

毛馬一三

大阪市の平松邦夫市長が、平成23年12月の任期満了に伴う次期市長選に「だれが相手でも戦う」と、複数の議会関係者に伝えたという。

首長が次期選挙への出馬を言い出すこと自体珍しいことではない。ところが平松市長の場合、1年4ヶ月も先の2期目の市長選挙に態々出馬する意向を示したのには、それなりの意味がある。しかも知事とのバトルの本格化が関っていることが、普通とは異なる。

昔から、大阪市と大阪府のトップは、決して仲がいいとは言えなかった。ところが橋下知事と平松市長は、何故か就任直後から、関係者も驚くほどの友好な間柄だった。

しかし事態が急変することが起きた。橋下知事は今年の4月、橋下知事を代表とする地域政党「大阪維新の会」を設立、事実上の「橋下新党」を立ち上げたことが出発点だった。

というのは同党の最大政策を、大阪府と政令指定都市の大阪・堺両市を再編するという「大阪都構想」をブチ上げたためで、ここから、両者がギクシャクし出した。

「今の大阪府庁、大阪市役所という組織を前提としない新しい大阪をつくる」のが知事の狙いで、東京23区より権限と財源を持つ特別区を置くことなどを含めた「構想」を実現したいと、知事は主張する。

更に来春の府議選、市議選に同党「大阪維新」として候補者を立てて府民に同構想の是非を問うと共に、この「構想」に平松市長が賛同しなければ、橋下知事が知事を辞職して、大阪市長選に立候補する意向を示したのだ。

ここからがバトルの始まりだった。

平松市長はすぐさま、「私が2期目について何も表明していない段階でターゲットにしてもらえるのは光栄だが、的外れだ」と真っ向から批判。「府市再編にしろ、大阪維新の会にしろ、イメージばっかり。実体のないことを実体があるようにしゃべるのが非常にお得意だ」と知事の言動を皮肉った。

これに知事はすぐさま反論。「市長の市政改革は不十分。市長は大阪維新の会と喧嘩したいといっている。堂々と受けて論戦していく」と対決を顕わにし、バトルが激しくなり出した。

事態は更に悪化した。橋下知事が「大阪維新の会」に大阪市改革の方向性を探る「市政改革本部」を設置し、平松邦夫市長の改革を「まったく不十分」と批判したのだ。これに平松市長は、「知事の手法は市政への介入だ。自治権の侵害以外の何ものでもない」と、激しく反論した。

直近では、橋下知事が市営地下鉄の民営化を主張しているのに対し、平松市長は「線路などの設備・インフラ」は大阪市が所有し、「運行部門」だけを私鉄各社との共同株式会社で担う「上下分離方式」を採用する計画を進め出したことだ。

早い話、知事の民営化論をかわすために、敢て「上下分離方式」を採用した。多額の税金を投入して市のインフラ設備を所有して市の基盤を守ることを市民に訴えることにより、知事の民営化論に対抗するのが最大の狙い。知事の意向に沿った民営化論には、意地でも耳を貸さないという姿勢があからさまに表れている。

また、平松市長は23日、職員数を1万人削減するなど来年度以降の市政改革の構想を公表した。この公表の理由について、何と「橋下知事が『大阪市の改革が止まった』と発言するなど不当な『内政干渉』を繰り返し、市民を惑わせている。次の改革の方向性を市民にはかりたかった」とも述べている。バトルから離れられない市政改革になっている。

知事VS市長のバトルが激化すればするほど、市民生活とはかけ離れた次元での大阪の政治がおこなわれる可能性がある。市民の利益が枠外となる事態は、嘆かわしい話だ。なんとかバトルは収められないものだろうか。

余談だが、平松市長の市議会与党は民主党だけ。となるとこれからは、議会「維新の会」と市議会の各政党が大阪都構想をめぐって激しく対立することは必至の情勢。そうなるだけに民主、自民、公明相乗りの推薦を受けた“維新包囲網”を模索することが、平松市長の大きな課題になりそう。バトルの影響は広がりそうだ。(了)
       2010.08.24

■本稿は8月25日(水)刊・全国版メルマガ「頂門の一針」2020号に
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 他の著名寄稿者の卓見も拝読願います。

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2010年07月27日

◆韓国「青瓦台」襲撃未遂事件

毛馬一三

全国版メルマガ「頂門の一新」主宰の渡部亮次郎氏が、同誌7月25日刊に掲載された「歴史の現場に立ちながら」を拝読し、記述された北朝鮮ゲリラによる韓国大統領府「青瓦台」襲撃未遂事件のことを、改めて思い出した。

私は当時NHK大阪放送局の府庁キャップをしていたが、同事件に深い関心を覚えたため、単独で渡韓し、既知の有力新聞社社長の紹介で政府公安機関の要人と面会し、事件の「詳細」を“取材”した。

勿論休暇をとっての私的行動だった。その取材内容は立場上「公」には出来なかったが、思い出した序でに「ドキュメント小説風」に纏めた当時の「取材メモ」を探し出した。ご参考までに下記に添えておきたい。

韓国青瓦台奇襲は、1968年1月21日夜10時を期して決行する命令が、金日成首領から金正泰を通じて出された。青瓦台奇襲部隊は組長の金鐘雄大尉(事件後4日目に射殺)ら31名で、唯一生き残った金新朝も一員だった。

全員が機関短銃1丁(実弾300発)、TT拳銃1丁、対戦車手投げ弾1発、防御用手投げ弾8発と短刀で武装した。

奇襲部隊は、1組が青瓦台の2階を奇襲して朴正煕大統領と閣僚を暗殺、2組は1階を襲撃して勤務員全員を殺し、3組は警備員、4組は秘書室全員射殺というのが任務だった。

16日の午後、黄街道延山基地を出発。途中軍事休戦ライン南方の非武装地帯を緊張しながら訓練通り過ぎ、ソウルに真っ直ぐのびる丘陵を辿った。歩哨所や検問に遭遇しなかったため。金組長は「南」の士気が乱れている所為だと勘違いした。このため、31人全員が隊列を組んで堂々と行軍するという行動に出た。

だが行軍しているうち、「戸迷い」にぶち当たった。所持した地図に従いソウルにいくら接近しても、「北」で教育されたような荒廃している筈のソウル市街は21日の夜になっても現れてこない。

南下すればするほど煌々とした市街地が現れてくるばかりだ。「これはソウルではない」。「じゃ、一体ここは何処なんだ」。「北」の教育が間違っているとは一瞬たりとも気付かないミスを更に重ねた。

その上に韓国軍の服装、装備に身を固めている限り怪しまれることはないと思い上がった金組長が、敵地で初めて出会った韓国人2人に「訓練中に道に迷ったのだが、ソウルに行く道を教えてくれないか」と、呆れた質問をしている。

奇襲隊に遭遇した2韓国人は、ソウルへの道筋を教えたものの、不審に思った。眼下に広がるソウルを韓国軍が見つけられない筈はない。発音も韓国訛ではない。まして前年6月から「北」の武装スパイが上陸して韓国軍から射殺された事件を2人は知っていた。2人は急ぎ山を降り、警察に通報した。

奇襲隊は21日夜9時、ソウル北方紫霞門の坂道を通過しようとして、警察の検問にひっかかった。尋問を受けた奇襲隊は慌てて機関短銃を乱射し、市バスと民家に見境なく手投げ弾を投げた。

奇襲隊は、青瓦台の800m手前まで迫りながら、韓国軍と警察の掃討作戦によりちりじりに撃退された。2週間に及ぶ掃討作戦により、金新朝1名が逮捕され、他は全滅させられた。この銃撃戦で韓国側は、崔警察署長を含め68名が死亡している。

序でながら私の「メモ帳」には、青瓦台襲撃に失敗した「北」が、10ヶ月後の11月2日、襲撃組長金鐘雄大尉ら31名の同期生120人のいわゆるゲリラ別斑が、韓国慶尚北道蔚珍郡と荏原道三に海上から「南」に進入している。

このゲリラ隊は、山岳地帯の小部落を武力で占領、赤化せよという工作命令を受けていた。部落民を集めて赤化を強要する「部落拉致事件」。事実従わない者は短剣で刺し、石で殴り殺すという虐殺を行っている。

「共産党は嫌い」と叫んだ李承福という10歳の少年の口を引き裂いて殺した。断崖絶壁をロープでよじ登り、部落を占領して住民を」拉致し、赤化地帯にするという想像を絶するこの「北」のゲリラ事件は、何故かわが国では余り知られていない。

渡部氏は、<私も同様だが、青瓦台襲撃未遂事件、文世光事件がつながっておることを系統的に追跡取材する必要性を感じなかった。これらの事件が「北」による日本人大量拉致事件とつながっていると考える記者は知らなかった>と言っている。

<文世光事件をして、北による日本人拉致事件を予想出来る態勢が大阪府警にあったかどうか。その取材を指揮できる記者かデスクがいたか>とも指摘されている。

「メモ帳」を繰り返し見返しながら、私自身もそこまでは考えもつかなかった。

<今回の拉致事件担当相による売名パフォーマンスをマスコミが非難しないのは自らの足許が暗いからである>という指摘は、まさにその通りだと思う。(了)
2010.07.25

■本稿は7月27日刊の「頂門の一針」1991号に掲載されました。
同号掲載の他の執筆もご拝読下さい。手続きは下記からお願いします。

■<同号 目次>
・韓国「青瓦台」襲撃未遂事件:毛馬一三
・克服すべき官僚支配とは何か:西村眞悟
・次の衆院選こそ日本の岐路だ:櫻井よしこ
・無能レベルにある菅直人:前田正晶
・ブンヤ受難時代だが・・・平井修一
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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2010年07月16日

◆復活イタセンパラに早くも危機

毛馬一三

5年ぶりに復活した大阪淀川に国の天然記念物のイタセンパラが、早くも“危機”に見舞われている。予想もしないことだっただけに、信じられない。

本誌(7月9日刊1973号)で、絶滅同然の大阪淀川のイタセンパラを復活させようと、国土交通省淀川河川事務所などが昨秋放流した人工繁殖の雄と雌の成魚500匹が、今年6月までの調査で、全長10〜15ミリの稚魚133匹の生息が確認されたことを掲載した。

大阪に住む者として手放しで歓喜したのだが、何と1週間もたたない内に、生息が確認された稚魚の133匹に危機的環境が迫っているということが、明らかになったのだ。(読売オンライン)

それによると、
1)イタセンパラが卵を産み付ける二枚貝の大量死が、淀川で相次いでいる。
2)数年前から住み着いた外来魚で、ネズミの仲間のヌートリアがイタセンパラの稚魚を食べている。
という。

イタセンパラは、全長7-8 cm、最大で12 cm以上。タナゴ類としては比較的大型。体形は著しく左右に扁平で体高比1.9-2.3と体高が高く、オスメス間の体格差はあまりない。寿命は1〜2年。95年に「種の保存法」の国内希少野生動植物種に指定されている。わが国の貴重な天然記念物だ。

確かに、イタセンパラに懸念される危機的環境とは、第一に生息基地「天然ワンド」への、国の無謀かつ無思慮・無計画な河川改修が要因であり、第二には周辺の都市化にともなう生活・工業排水による水質汚濁や河川用水路への農薬流出だった。

この影響で、イタセンパラは、5年も淀川から姿を消したのだ。

ところが、今度の危機環境は情況が違っている。つまり一つはイタセンパラの産卵に欠かせない二枚貝類の大量死が明らかとなりだし、イタセンパラの繁殖環境が劣化して、稚魚を生むことが不可能な新事態が現実となってきたのだ。

30年以上淀川の生物を観察している大阪市立大桐中学の河合典彦教諭によると、二枚貝の被害は、イシガイ、トンガリササノハガイの2種類。今年複数回、ワンドで、中身をえぐられた同貝の死骸を多数見つかったという。貝柱は残っており、動物に食いちぎられた可能性が高いという。大切な二枚貝が死滅の方向に向かっている。

もう一つは、増殖した体長50〜70センチの外来魚で、ネズミの仲間のヌートリアがイタセンパラを食べて仕舞う悲惨な要素が目立ち出してきているというのだ。国土交通省淀川河川事務所の河川敷観測カメラも、ワンド内を盛んに動き回るヌートリアを確認している。

外来生物に詳しい村上興正・京都精華大非常勤講師(保全生態学)は、「ある個体が偶発的に味を覚え、群れの中で広がったのだろう。放置すれば、淀川全体の生態系に悪影響を及ぼす」と警告する。(読売オンライン)
とにかくこの2つの環境悪化がイタセンパラノ復活の可否に影響を及ぼすことは予測されてはいたが、こんなに早く稚魚133匹の生存と増殖を阻害していく要因に浮かび上がってくるとは、関係者も予想外だった。

環境委員会メンバーでもある河合教諭は「イタセンパラの復活のためにも、早急に対策をとる必要がある」としている。

となればイタセンパラが卵を産み付ける二枚貝の保護とイタセンパラを食べる外来魚のヌートリア撲滅の2対策を緊急課題として、さしあたりは、立ちはだかる思わぬ敵にたいし駆除や囲いの設置などの対策を国と大阪市が真剣に取り組むことが急務となる。

喜びに心が躍ったイタセンパラノ復活が、本当にぬか喜びに終わっては欲しくはない。わが国の天然記念物イタセンパラの「絶滅」など考えたくもない。保護対策のために関係者の知恵と行動に期待したい。(了)

■本稿は7月17日(土)刊全国版「頂門の一針」1981号に掲載
されました。
<目次>
・潰れた「輿石参院議長」:渡部亮次郎
・中国はなぜ脅威なのか:古森義久
・立場の逆転、位置の転換の理論:宮崎正弘
・復活イタセンパラに早くも危機:毛馬一三
・殿、「常在戦場戦間期」のご覚悟を:平井修一
・當局はローマ字をどうするつもりなのか:上西俊雄
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
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2010年07月09日

◆天然記念物イタセンパラ稚魚 復活

毛馬一三

これほど快哉なことはない。大阪の淀川で絶滅したと思われていた国の天然記念物の淡水魚のイタセンパラが、姿を消してから5年ぶりに、再び生息が確認されたのだ。

<国土交通省淀川河川事務所などが絶滅を防ごうと昨秋(09年)、人工繁殖させた雄と雌の成魚500匹を放流。今年4〜6月に調査したところ、全長10〜15ミリの稚魚133匹の生息を確認した>という。(産経ニュース・7月6日)

このニュースに狂喜し、イタセンパラの生息地と言われる淀川の「城北ワンド」にすぐに行きたかった。だがうち続く「ゲリラ豪雨」に阻まれ、ようやく行けたのは、30度を超える真夏日を迎えた2日後の7月8日の朝。自転車を走らせ淀川河川敷の「城北ワンド」に出向いた。

イタセンパラにどうしてそんなに愛着があるかと言うと、イタセンパラは全国で近郊の淀川水系のほかには、富山平野、濃尾平野にしかいない国の天然記念物の淡水魚だからだ。しかも家の近郊に天然記念物が生息しているという嬉しさと、全国で3つしかない中の1つの生息地が、ここ淀川だという自慢からだ。

淀川はこの日、上流から流れてきた大雨で水位は嵩み、流れも驚くほど速い。水は河川敷まで溢れ、至るところがすっかり水浸しだ。いつも溜まっている川面のゴミ山などの姿は全くない。

だが絶滅してしまったと思い込んでいたイタセンパラが、「復活」したと思うと、胸はワクワクした。

勿論、現場「城北ワンド」に行ったからといって、イタセンパラをこの目で直に確かめられるものではない。だが、調査の結果通りだったら、水流の激しい淀川の何処かで、133匹がじっと身を潜め、生き永らえる必死の努力をしているに違いない。そう考えるだけでも、「ワンド」の側で感激は全身を駆け巡った。

ところで、昨年5月6日の本誌に「絶滅?大阪淀川イタセンパラ」を掲載し、大阪淀川のイタセンパラを取り巻く危機を書いている。                    

肝腎のイタセンパラは、全長7-8 cm、最大で12 cm以上。タナゴ類としては比較的大型。体形は著しく左右に扁平で体高比1.9-2.3と体高が高く、オスメス間の体格差はあまりない。寿命は1〜2年。95年に「種の保存法」の国内希少野生動植物種に指定されている。

ところが、大問題が起きた。国土交通省近畿地方整備局が05年に行った淀川水系の「イタセンパラ」稚魚の調査では、約500匹が確認されたのに、その翌年の06年から3年連続調査では、何と1匹すら生息が確認出来なかったのだ。これは大きな社会問題となった。

原因の1つには、無計画な河川改修にあった。淀川には70年代から100以上あったイタセンパラの生息基地「天然ワンド」が、この無計画な河川改修で、ほとんど消滅させられてしまった。無謀かつ無思慮な河川改修のため、イタセンパラは死滅に追いやられたのだ。

その上に、周辺の都市化にともなう生活・工業排水による水質汚濁や河川用水路への農薬流出といった要因も加わり、イタセンパラが息絶える情況は増幅した。しかもイタセンパラの産卵に欠かせない二枚貝類の繁殖も減少して生息が圧迫され、逆に増殖した外来魚がイタセンパラを食べて仕舞うという悲惨な結果さえ生み出したのである。

国土交通省近畿地方整備局河川事務所は当時、天然記念物イタセンパラは、「絶滅とは言い切れないが、極めて危険な状態」にあるということで、「3年連続で1匹も確認できていなかった事態が、09年の調査で再び繰り返されれば大変なことになる」と説明していた。

このため、危機を乗り越えるために国などによる専門家会議を開催し、09年の秋に「人工繁殖させた雄と雌の成魚500匹を放流」し、生息が可能かどうかの大胆な実験を試みたのだ。

この賭けとも言える試みは見事に成功し、今回133匹のイタセンパラの生息が確認されたというのは、前記報道の通り。

とはいうものの、この133匹が生息し続けるかどうかの追跡調査は不可欠であり、<淀川イタセンパラ検討会の小川力也座長(48)も、「野生に定着するには十分な数ではないが、自然に繁殖できるよう環境の改善に努めたい」と話している。>(産経ニュース)

手放しで喜ぶのは尚早だが、まずは人工繁殖のイタセンパラが、淀川で133匹生息していることが確認され、「死滅」が打ち消され、「復活」したことだけは実に喜ばしいことだ。

しかしながら、国と大阪市が連携し、水質汚濁防止など環境保全や人工ワンド運営管理などの保護増殖策に必死にならなければならないことは当然だ。特に法律で定められた保護増殖策に大阪市は真剣に取り組まねばならない。もし大阪市がこれを怠ったら、再び「絶滅」の危機は迫ってくる。大阪市の責任は重大だ。(了) 2010.07.08

■本稿は7月9日刊全国版メルマガ「頂門の一針」1973号に
掲載されました。諸卓見記事もご覧下さい。

<1973号 目次>
・ペンシルロケット:渡部亮次郎
・「張作霖爆殺事件の犯人はソ連説」:宮崎正弘
・「国家機密」でアメリカを悩ます中国:古森義久
・犬の飼育、菅の教育:平井修一
・天然記念物イタセンパラ稚魚 復活:毛馬一三
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

■御意見・御感想は:ryochan@polka.plala.or.jp
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2010年06月27日

◆蕪村生誕地を定めた1通の「書簡」

毛馬一三

松尾芭蕉、小林一茶と並ぶ江戸俳諧の巨匠与謝蕪村の生誕地が、大阪毛馬村(大阪市都島区毛馬町)だと江戸時代から「定説」になっていたものと信じていた。

ところがそうではないことが分かり、驚かされた。

というのは、6月24日開催の俳句講座「蕪村顕彰俳句大学」で、関西大学文学部の藤田真一教授の講演で聴かされたのだ。

結論からいうと、蕪村生誕地が大阪毛馬であることが「定説」になったのは、実は終戦後のことで、奈良県で「蕪村直筆の書簡」が見つかったのがキッカケだったという。

藤田教授は講演の中で、更に次のように説明した。

蕪村は、自分の故郷のことには何故か余り触れたがらず、唯一、安永6年(1491)に発刊した冊子「夜半楽」(20頁ほど)の冒頭に「春風馬堤曲」を書き、毛馬村の側の淀川の馬堤に触れながら、18首の俳句を添えている。

だがこの書き様では、生誕地が毛馬村だとは断定出来ない。

ところが蕪村が、この「夜半楽」冊子を贈呈した大阪在住弟子の柳女・賀端(がつい)に宛てた添え書きの「書簡」の中に、自分の生誕地が毛馬村だと、下記のようにはっきりと書いている。

<春風馬堤曲―馬堤は毛馬塘(けまのつつみ)也。即、余が故園(注釈・ふるさと)也。余幼童之(の)時、春色清和の日ニは、必(かならず)ともどちと此(この)堤上ニのぼりて遊び候。水ニハ上下の船アリ、堤ニハ往来ノ客アリ」>。


それなら、これが物証となって、江戸時代から毛馬村が生誕地となっても良かった筈だが、そうならなかったのには理由がある。

というのは、江戸時代の発刊諸本には複製本が多く、勝手に削除・加筆されることが多々あった。「夜半楽」の添え状である肝腎の「書簡」ですら、複製ものなのか、それとも蕪村直筆のものか判定すら出来ず、これが生誕地複数説を加速させた。

ところが前記の如く、終戦後奈良県で偶然見つかった同「書簡」が、「蕪村直筆」と公に認定された。これによって、やっと蕪村生誕地が毛馬村であると確定したのである。

しかも「春風馬堤曲」冒頭の記述の、淀川風景の描写と切ない郷愁の18首も、この「書簡」を補完する形となり、生誕地が毛馬村であることを不動のものにすることなった訳だ。

この意義を考えると、蕪村生誕地を定めた1通の「蕪村直筆書簡」の存在は大きい。

これがなかったら、蕪村が大阪俳諧史に大阪俳人として登場することも無かったことになる。

蕪村が大阪の誇る俳人となってから65年ほどしかならない。だからといって芭蕉や一茶と異なり、65年間も大阪で俳人蕪村の顕彰が疎かにされてきたことを、さらりと許容する気にはなれない。

だから、これからは6年後の蕪村生誕300年に向けて、大阪俳人蕪村を顕彰する大阪俳句文化活性化が大々的に進むことを期待したいものだ。(了)2010.06.27

2010年06月23日

◆美味い自家製「紫蘇濃縮ジュース」

毛馬 一三

今年も、「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくりの季節になった。病床にいる家内も、主治医の許可を得て帰宅し、「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくりに専念した。

健康にいいから是非と団地内の友人の勧めで初めてトライしたのが、この「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくりの始まりだった。

コップの中に氷に混ぜてストローで口に含むと、なんとまあ、風味・舌触り、美味さは抜群。市販のジュースなど論外だ。赤みの色合いにも魅かれてすっかりハマった。この季節の到来を今か今かと我が家は待っていた次第。

今年手に入れた紫蘇は、去年より鮮度が劣っていそうで、出来栄えはどうかなと家内は気にしていたが、出来上がったジュースは去年より味が濃くて美味さも格別。むしろ今年のほうが私向きだ。

さて、「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」のつくり方を再掲したい。

<紫蘇(しそ、学名Perilla frutescens)は、シソ科のシソ属の植物。中国原産。
紫蘇には、こんな由来がある。中国の後漢末、洛陽の若者が蟹を食べすぎて食中毒を起こし死にかけたが、名医・華陀が薬草を煎じ、「紫の薬」を作り、同薬を用いたところ、若者はたちまち健康を取り戻した。「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草を「紫蘇」というようになった>。

紫蘇の品種は2種類がある。「青紫蘇」と「赤紫蘇」である。
<i)青紫蘇は、葉や花を香味野菜として刺身のつまや天ぷらなどにする。青紫蘇の葉は野菜としては「大葉(おおば)」とも呼ばれる。
i)赤紫蘇は、梅干しなどの色づけに使用。また葉を乾燥させたものは香辛料として(特に京都で)味唐辛子に配合され、ふりかけなどにも用いられる>。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

ところで、自家製で作る「紫蘇濃縮ジュース」には、「赤紫蘇」を使う。世間で作り方は幾通りもあるようが、家内が手ほどきを受けた作り方が、最高だったので、その作り方をご紹介したい。

<作り方>
(1)紫蘇(300g)を水できれいに洗い、水気をよく切って鍋に入れる。
(2)鍋に水(450cc)を入れ、その中に砂糖(600g)とクエン酸(20g)を加える。
(3)紫蘇を満遍なく混ぜて、鍋をガスの中火で煮出す。
(4)10分ほど沸騰させ、紫蘇の中から泡が出したら火を止める。
(5)鍋で煮だった紫蘇を別のボールに、ザルで濾す。
(6)絞り紫蘇液が自然に冷めたら、その中に「ゆず酢」を大匙2杯弱入れる。これがこの濃縮ジュースの「隠し味」。
(7)真っ赤な紫蘇濃縮ジュースが出来上がったら、氷を入れたコップに濃縮ジュースを好みに応じて注ぎ、水や炭酸水などで4倍に薄めて飲む。

これだけの作り方で、900ccの「紫蘇濃縮ジュース」が出来上がる。冷蔵庫で保存すれば、半年の賞味期限があるという。

この「紫蘇ジュース」は、紫蘇の栄養であるビタミン類、ミネラル類が含まれているので薬用効果があり、アレルギー体質、生活習慣病、食中毒予防等に効果があるそうだ。ただし糖分の加減で、飲む量は1日2杯に抑えたほうがいいとの助言もしっかり脳に刻んでいる。

手前味噌ながら風味・美味しさ抜群の「紫蘇濃縮ジュース」の作り方を紹介させて頂いたが、このジュースが他の作り方と違う点は、隠し味の「ゆず酢」。興味を感じられたら、いま盛りの「赤紫蘇」を求めて作ってみられることを再度、お勧めしたい。(了)                             

2010年06月15日

◆「光触媒空気清浄機」って何?


                    毛馬一三
                   
我が家では、5年程前から2代目の「空気清浄機」を備え付けている。室内の臭い消しが主目的ではあるが、住居がマンション1階なため、庭側のドアから入ってくる自動車・バイクの排気ガスや、室外から舞い込んで来る各種ダストの排除も目的だった。

確かに同「空気清浄機」には、悪臭分解やダスト除去にはそれなりの効果があった。しかし肝腎の花粉症の原因となるスギ花粉や外界からのガスの臭い、室内に侵入するウイルスまでの除去機能は全く具備されていない。これを備えた空気清浄機が現れることを、長らく望んで止まなかった。

ところが、その願いを叶えてくれる「新型の空気清浄機」に出会った。

6月11日、梶u貝塚生コン」の環境衛生事業部「テクノ貝塚」(大阪府貝塚市脇浜4−19−1)を訪ね、秦節子社長と環境問題について懇談中、社長室の棚に、抗菌・除菌、ウィルスも除去できるという「光触媒空気清浄機」が、展示されているのが目に止まった。驚きと同時に喜びが湧いた。

社長によると、この「光触媒空気清浄機」の製造元は、潟eィオテクノ(佐賀県小城市)で、「テクノ貝塚」は事業代理店だそうだ。

この期待の商品が、「テクノ貝塚」から大阪市場に本格登場するのは、近々ということだが、恐らく家庭用環境機材として世間の注目を集めるのは必至だろう。

そこで、「光触媒空気清浄機」の「光触媒」とはどういうものかなど、基礎的なことから社長に訊いてみた。

説明を要約すると下記のようになる。

<光触媒とは、触媒である酸化チタンに太陽光や蛍光灯の光エネルギーが当たることで酸化チタン粒子の表面で強力な活性酸素種が発生し、その酸化力で有機物を分解する力が生じる。

この働きにより汚れや悪臭の原因となる有機化合物質を分解したり、細菌やウイルスを強力に分解除去することになる。

具体的には、
1)煙草の臭い、ペットの臭い、加齢臭などの悪臭分解
2)シックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドの分解
3)車の排気ガスや希薄有毒ガスの分解
4)空気中の浮遊菌の抗菌・除菌作用
5)インフルエンザウィルスなどのウィルスの分解除去
6)空気中の花粉やダニのフン・死骸などの吸収と分解除去
7)浮遊するカビ抑制に光触媒とマイナスイオンとのW効果>
 という意味になる。

予断になるが、本来「テクノ貝塚」が代理店本業として取り組んでいるのは、特許を有する潟eィオテクノの研究開発部(佐賀市)の「光触媒コーティングの施工事業」だ。

つまり、病院や介護施設、高齢者住宅の部屋を「光触媒」でコーティングして、上記の効果を上げる環境推進事業に着手している。

序でにいうと、特許元の潟eィオテクノ自体が「光触媒の酸化チタンの安全性」について厚生労働省から「認可」を受けている。更に抗菌・殺菌・消毒・脱臭・防臭効果についても(財)日本食品分析センターから良好な試験結果を得ている。

このことから、「光触媒コーティング事業」は、今後の環境改善事業の目玉になることは間違いない。

このことに敢て触れたのは、「コーティングの施工」の技術と光触媒のティオスカイコートシステムが、実は本題の「光触媒空気清浄機」内臓のフイルターに総て組み込まれており、「コーティングの施工」とも同じ効果を期待出きるという事だ。

ということは、住環境改善だけでなく、ウィルス撃退が急務な国際空港の待合室を始め、保育園・老人ホーム・病室のこの「光触媒空気清浄機」を置けば、抗菌・殺菌に間違いなく効果を挙げられる筈だ。

この「光触媒空気清浄機」を完備すれば、ひょっとしたら危機的状況の「口蹄病」予防にも役立つかもしれない。

しかも、インフルエンザ除去やウィルス分解の効果がある以上、これからはこの「光触媒空気清浄機」に対して、国が各自治体に補助制度を設け、急ぎ支援体制をとるべきだろう。(了)  2010.06.14

■本稿が6月16日(水)刊の全国版メルマガ「頂門の一針」1950号に
掲載されました。ご案内いたします。

<1950号 目次>
・民主党が自民党へ変身中:平井修一
・参院選のトレンド調査が始まる:古澤 襄
・コレステ下げても動脈硬化は治らない:川上恭司
・「光触媒空気清浄機」って何?:毛馬一三
・ キルギスへ米中露が救援準備:宮崎正弘

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記


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2010年06月02日

◆「認知症」には「散歩」が一番

毛馬一三

最近、仕事のことが気になってイライラしたり、些細なことで怒りっぽくなることがある。「老人性うつ病」ではないかと思うと、余計に苛立ちが増してくる。

そんな折、向市眞知氏(医療ソーシャルワーカー)が、下記の11症状が半年以上続いていた場合には、「認知症の症状」と思って専門病院へ行くべきと助言してくれていたことを思い出した。

住友病院神経内科の宇高不可思医師による「こんな症状があったら要注意!」の11項目だそうだ。

それによると、

1、同じことを何度も言ったり聞いたりする
2、ものの名前が出てこない
3、置き忘れやしまい忘れが目立つ
4、時間、日付、場所の感覚が不確かになった
5、病院からもらった薬の管理ができなくなった
6、以前はあった関心や興味が失われた
7、水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
8、財布を盗まれたといって騒ぐ
9、複雑なテレビドラマの内容が理解できない
10、計算のまちがいが多くなった
11、ささいなことで怒りっぽくなった

私自身、どうも2、3、4、11が該当する。歴史に登場する人物の名前が出てこないことが多い。大切な「資料」を大事に保管すると、その保管場所を忘れ、大騒ぎとなる。時間の感覚も薄れてきた。2,3,4の症状は「認知症」だと理解できるが、まさか11項の怒りっぽくなつたのが、「認知症」症状に当てはまるとはショックだった。

向市眞知氏によると、
<やる気がおこらない意欲の低下もそうだし、ものごとを考える思考力や判断する力、そして手順よくし処理する実行力の低下も認知症の症状。

認知症高齢者自身の不安は、時間や場所がわからなくなったり、体験そのものを忘れていく中で暮らしているので、自分以外の外界のすべてが不安要因になってしまう。

また「まだらボケ」とか言うが、「正気の時もあるからやっかいだ」と表現される場合もある。しかしそれは逆で、やっかいと考えるのではなく、正気の部分があるのならその正気の部分を生かして日常生活を維持するように仕向けるべきだ>、という。
 
その上で、向市眞知氏は
<「認知症と言ってもしかたない」と決めつけるのは悪循環。「認知症」の方の感じる外界への不安を考えると、情報が遮断されると余計に不安が大きくなる。

不安が増幅すれば、怒りぽっくなる。そのためにも、どしどし情報を与えることが、不安の軽減につながる。そのためには外出が最適>だという。

つまり「認知症」には「散歩が大きな効果」があると向市氏は助言してくれている。外界の空気は聴覚、視覚、嗅覚への刺激になり、脳の活性化につながるからだそうだ。

そういえば、いらついて寝つきが悪かったり、些細なことに朝から腹を立つときなど、愛犬(ノーホークテリア・6歳)と朝の散歩に小1時間ほど出かけて、思い切り新鮮な朝の空気を吸い込むと、たしかに気持ちは軽くなり、むしろやる気が湧いてくる。

散歩の途中、愛犬仲間と朝の会話を交わすことも、同様な効果がある。仲間との会話は、脳の活性化に効果がある。

怒りっぽくなっるのが「認知症」の症状だとは、思いもよらなかった。これからは毎朝のワンちゃん散歩の時、思い切り深呼吸をしながら、聴覚、視覚、嗅覚へ刺激を与えことに専念しよう。(了)

■6月2日(水)「夕刊」「頂門の一針」1936号のご紹介
<目次>
・<鳩山首相>辞意表明:古澤 襄
・鳩山氏のだましのテクニック:花岡信昭
・祝「小鳩城、炎上崩落」:平井修一
・アルカィーダのナンバー3を殺害:宮崎正弘
・話 の 福 袋
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2010年05月24日

◆「橋下新党」が初陣で勝利

毛馬一三

大阪市議会の福島区補欠選挙に初陣した「橋下新党・地域政党大阪維新の会」が、23日の投開票で、予想通り初陣で勝利した。

選挙戦は、各党が国政選挙並みに幹部クラスを続々と現地入りさせるなど市議補選としては異常な戦いぶりを見せた。

投開票日は早朝から大雨に見舞われ有権者の出足が心配されたが、緒選から優勢を保っていた「橋下新党」の広田和美氏(46)が最後までリードを保ち、自民党の太田晶也氏(38)ら新人4人を破り、初当選した。

ところで今回の補選は、「橋下新党」の参陣が選挙戦のムードを一挙に引き立てた。橋下知事が連日街頭演説に立ち、連夜2・3箇所で応援演説会に臨んだことが他党陣営を刺激し、加熱を加速させた。

反「橋下新党」陣営は、橋下知事が訴える府市再編「大阪都構想」を争点に取り上げ、具体性に欠ける粗案だと徹底的に批判を繰り広げた。
しかし有権者にとっては、そのような「府市再編の批判」と「推進論」の対決などは、どうでもよかった。

早い話、奇想天外な行政構想を次々とブチ上げる知事が乗り込んで来ること自体に、有権者の関心は集まった。テレビで始終見慣れている知事が、目の前に現れ、しかも歯切れのいい肉声を直に発してくれることは、有権者にとっては「お祭り」同然に等しかったのだ。

この有権者の反応を他党は最後まで警戒していた。これを抑えるには、知事が掲げる「都構想」の脆弱点を訴えることが、人気の「橋下新党」イメージをダウンさせられる決め手と判断。「住民の利益とサービス低下を招くいい加減な構想は、愚かで話しにならない」と、「構想批判」で有権者の関心を取り戻そうとしたのだ。

しかし有権者にしてみれば、どんなに「知事構想」が不透明だと危機感を訴えられたところで、それへの「対案」が示されない限り、どっちもどっちのだと映り、結局「橋下人気」に走る以外に無かった。他党は決定的な読み違えをしたことになる。

しかも、全国版メルマガ「頂門の一針」主宰・渡部亮次郎氏が、5月17日刊の本誌に掲載した「大阪「都」の理由」の記事で「大阪都」の不適切さを指摘したが、これを街頭演説などで問いかける候補者や各陣営は無く、もしこれが表に出ていれば、選挙選の様相は違っていたかも知れない。

だが、そうした「疑問も不合理」も提示されない中で、「皆さんの1票は、暴動よりも力がある。皆さんが維新の志士だ」と街頭で張り上げる知事の演説に有権者を魅きつけ、「橋下新党」の将来に夢を抱かせた。

大阪では、政策を巡る「論争」よりも、タレント、もしくはそれに準じる候補者に期待を掛ける選挙機運が根強く存在する。人気絶頂の「橋下新党」に擁された広田和美氏の勝利の主因もここにあると否定はできない。

「橋下新党」は、今夏の参院選挙と同時に行われる生野区市議補選にも「橋下新党」の候補者を立てる方針。また参院選と来春の統一選も視野に入れて「新党拡張」を図る決意を知事自身は固めている。

そうした中で、橋下知事は23日、大阪を中心とした関西で法人税の大幅減免や関西空港の入国規制緩和などを国に求める「総合特区」構想をまとめ、アジアと日本の「中継都市」となる更なる方針を明らかにしている。

いずれにしても、今度の勝利で、橋下知事がこうした構想を躍進させる「橋下新党」のアクセルに力強く踏み出すことには間違いない。(了)                       2010.05.23

■本稿は、5月24日刊全国版メルマガ「頂門の一針」1926号に掲載されました。

・「頂門の一針」1926号のご案内

<同号目次>
・大阪「橋下新党」が初陣で勝利:毛馬一三
・芥川龍之介までも:岩見隆夫
・苦しい時の「小沢ガールズ」頼み:古澤 襄
・対北「紙爆弾」の大きな威力 :平井修一
・老化は熟成でもある:渡部亮次郎
・話 の 福 袋
・反     響
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