毛馬一三
大阪府の橋下徹知事が、20日開いた自ら代表を務める地域政党「大阪維新の会」集会に、この日辞職を申し出た河村たかし名古屋市長と愛知県知事選に出馬する大村秀章衆院議員を来賓として招いた。
3人は、橋下知事が進めている「大阪都構想」と、河村・大村両氏が打ち出した「中京都構想」の理念が一致したことを強調。「われわれは平成の薩長同盟。東京都、中京都、大阪都の3都で日本を引っ張るエンジンになろう」と、がっちり握手を交わした。
その上で、名古屋市長選と愛知県知事選と来年4月の大阪府議、大阪・堺市議選をお互いに応援し合う方針にも合意した。橋下知事にとっては、願ってもない演出効果を上げたことになった。
ところで橋下知事が代表の地域政党「維新の会」について、改めて触れておく。
橋下徹知事は今年4月19日、大阪府と大阪市を解体・再編して「大阪都」を新設する構想実現を目標に掲げて、自ら代表となり、府議・市議と地域政党として立ち上げた。
橋下知事は、政党結成当初、「政治しか日本を変えることはできない。『東京都とともに、大阪都で日本を引っ張る』というゴールを共有し、本当の意味での政治を進めよう」という決意を表明していた。
ところが今回、これまで独自だった「大阪都構想」を、河村・大村両氏が打ち出した「中京都」構想」と連携させたことで、橋下知事にとっては、大阪府民へは勿論、全国に向けて「大阪都構想」理念の理解を深める更なる一歩を踏み出したことになる。
もうひとつは、大阪市解体を激しく批判し日増しに過激になっている大阪市長とのバトルに、心理的な圧力を一段と強めたことになる。また、「大阪都構想」を愛知県知事候補者と名古屋市長との有名人と共鳴したことで、府民の驚きと賛同を得ることにもなる。
ところが、3者がともに唱えた「都構想」には、意外にも具体像にズレが潜んでいる。
つまり「大阪都構想」では、大阪府庁と大阪市役所を解体し、広域行政は大阪都、住民サービスは特別区が担い、区長は公選制にするものだ。しかし「中京都」は、広域行政を一本化するものの、名古屋市は存続させることにしている。しかも区長公選は想定していないなど、根っこの部分で仕組みが異なっている。
更に河村市長は、「中京都」は、「減税」実施を最大の構想の柱にしており、「大阪都構想」の中味とは食い違っている。これに対して、「維新の会」の議員らから懸念の声が上がっている。
恐らく今後、3者で構想の詰めは進められるかも知れないが、橋下知事にとっては、「構想のズレ」などはどうでもよく、今回の連携演出の効果が上々だったことに満足しているのが本音だろう。
早い話、全国的な話題の主の2人と「構想理念」が一致したことが、来年春の統一地方選挙に初登場する「維新の会」所属の各議員が好成績をあげ、「大阪都構想」の実現を支えてくれることへ繋げる大きなパフォーマンスになったと、自信を深めているのではないか (了)
◆本稿は、12月22日(水)刊の全国版メルマガ「頂門の一針」2131号に
掲載されました。同号の目次は下記の通りです
◆<2131号 目次>
・小沢の茶番劇にうんざり:阿比留瑠比
・馬鹿同士の90分間:西村眞悟
・朝鮮学校に神奈川県が6300万円を:古森義久
・「中京都構想」と連携した本音:毛馬一三
・外交トップの姜錫柱と譲歩した米外交:古澤 襄
・話 の 福 袋
・反 響
・身 辺 雑 記
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