2008年02月18日

◆ソッポむかれた政党相乗り選挙

                毛馬 一三 

<<本稿は、2月18日発信の全国版メルマガ「頂門の一針」(渡部亮次郎氏主宰)の「反響の欄」に掲載されました・・・・編集部>>
      

◆17日投開票が行われた京都市長選挙は、「自公・民・社民」4党が相乗りした京都市前教育長の門川大作氏(57)が、共産党推薦の弁護士の中村和雄氏(53)に僅か951票の差で辛うじて逃げ切り、初当選した

京都市長選挙は、大阪府知事選と大阪市長選で激しく対決した自公両党と民主が一転して手を携え、しかも社民もこれに呼応する“政党相乗り”で、共産1党に挑む選挙構図となったが、やはり市民は、この分かりにくい“選挙相乗り”に厳しい目を向けたことが選挙結果に歴然となった。

選挙結果は、
◆自民党と公明党、民主党と社民党の地方組織が推す
前教育長の門川大作氏(57)        158、472票
◆共産党が推薦する弁護士の中村和雄氏(53)  157、521票
◆京都市議会議員の村山祥栄氏(30)       84、750票
◆洋傘製造卸会社相談役の岡田登史彦氏(61)    24、702票

門川氏と中村氏の差は、951票の僅差。勝った門川陣営では最後の最後まで冷や汗物だったが、負けた中村陣営でも開票終了のあとでさえ、なお納得できないという雰囲気が続き放しだったと関係者はいう。

今回の市長選挙は,自民・公明の両党と民主党と社民党の地方組織の支援を受け3期目で引退する桝本頼兼市長の後継として擁立された門川氏と、共産推薦中村氏という「非共産」対「共産」の事実上二極対決となった。

京都は、7期28年続いた蜷川共産府政の実績がいまなお根を張り、全国でもあまり類が無い伝統的に共産勢力が強い地盤。平成元年の市長選挙の時は、共産候補が相乗り候補に321票まで迫り、現職の桝本頼兼市長が初当選した平成8年の時でも、共産票が4千票の僅差まで追い上げ、共産勢力健在を誇示した実績を有する。

だから、今回の新人同士の争いでは、共産市政の復活の芽ありうるという見方が早くから市民の間で関心を集めていた。

その中で注目されたのが民主の動き。もともと民主本部や地元民主支援組織の間では、この選挙で大阪同様自公と対決して行くことがこれからの党勢拡大に繋がるとして、独自候補擁立を目指そうという動きがあったのも事実。

しかし、共産市政誕生の阻止を大優先とする意見が京都民主市議団などから強まり、結局、民主京都府連がまず門川氏を推薦、同氏が独自に自公に擁立を求めることで、異例の相乗り構図を構成させるという「秘策」を立てた。

そして、全国の都市部選挙では異例の「自公・民・社民」の“相乗り”体勢も京都ならではの特殊事情という名目を掲げて推進、満々たる自信のもとで圧勝を期した。

ところが、選挙の結果は、その見通しを完全に覆した。某報道機関の選挙投票を済ませた「出口調査」によると、なんと民主党支持者の40%が、共産に流れたというデータが出たという。

自公との対決構図は崩さない民主の気概を貫くに違いないと踏んでいた京都民主支援者の期待を外された反発が、ここに表れていると、同報道機関は分析する。

確かにその“相乗り陣営“のその他の政党からから20%程度共産に流れたことも分かっており、僅差の原因が民主に全てあるという訳ではない。

圧勝の目論見が、951票という想定外の辛勝に追い込まれた理由が、とどのつまり、市民の思惑とかけ離れた奇妙な“政党相乗り”にあったことが、選挙が終わってみて厳然たる事実として浮かびあがったことになる。

京都市民の期待を裏切った今回の市長選挙の「教訓」を、政権交代を目指す民主の小沢一郎党首はどう受け止めるのだろうか。(了)              (08.02.07)

★「新聞が書かない・書けない」論評・卓見満載の
全国版メイル・マガジン「頂門の一針」
1094号(2月18日発信)

<目次>
・ China との付き合い方: 佐藤ライザ
・ 防犯カメラの功罪:内田一ノ輔
・ 道路特定財源の意義:寺田嘉信
・ 石平氏 日本に帰化:ようちゃん
・ 難しい中華料理原稿:渡部亮次郎
・ 私の英語勉強法(32):前田正晶

 話 の 福 袋
★反     響
 身 辺 雑 記

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2008年02月12日

◆「南京の真実」の大阪試写会

                  毛馬 一三

20余年ぶりの終日降雪という荒天気に見舞われた大阪で9日夜、映画「南京の真実」第一部『七人の死刑囚』の完成試写会が行われた。

会場の大阪八尾市文化会館プリズムホールに友人と共に鑑賞に参じたが、1400人収容の会場がほぼ満席となる盛況ぶりだった。主催者の「南京の真実」関西上映実行委員会代表の開会挨拶に続き、同映画の製作・脚本・監督の水島総氏が登壇して、映画製作の意図を披露した。

水島監督は、「東京裁判(極東国際軍事裁判)の原点は、でっち上げ「南京」の告発から始まったものだ。いい加減な証拠と証人で、7人が死刑に処せられた。歴史のウソを正し、南京の真実を後世に伝えるため、史実と1aも違わないリアルなセットを再現し撮影した」とのべた。

そして「この映画によって、『南京30万人大虐殺』はなかったという厳然たる事実を、未来のこども達に伝えなければならない」と、秘めた製作意志を熱ぽく語った。

「試写会」が始まった。ストリーは巣鴨プリズンに収監されていた「東京裁判」の戦争指導者「7人(A級戦犯6名とBC級戦犯1名)の死刑囚」に死刑執行が告知された瞬間から、執行までの24時間をドキュメンタリータッチで描いたものだ。

ドラマは、執行時刻が刻々と切迫する中、一組の寝具と一脚の座り机しかない3畳ほどの独房で居ずまいを正す7人の実像を、際立った表情のクローズや強烈なノイズを折り混ぜながら、新事実のセットの中で展開していく。

主人公は、死刑判決を受け処刑された松井 石根中支那方面軍司令官兼上海派遣軍司令官、陸軍大将(浜畑賢吉役)で、このでっちあげの「南京事件」の告発で「東京裁判」での死刑判決が出されたと見方にもとづき、主役松井大将の証言を主軸に「東京裁判」そのものの不当性を暗示していく手法だ。

また、慫慂として死に就く7人の一人ひとりに心の安らぎを導き、家族と日本人宛ての遺言と辞世の句を託される役目を担う僧侶花山信勝(三上寛役)をクローズアップすることによって、7人の不動の心の有り様を描き切っている。

映画の中で目を見張ったのは、南京陥落の翌日の昭和12年12月14日、東宝映画撮影隊が南京に入り、その翌15日から正月にかけて南京の状況を撮影した記録映画だった。

花山僧侶の問いかけに松井大将が述懐する話の内容に重ねあわせる形で映し出す映像である。多くの日本人が未だ見たことが少ない貴重なフイルムだった。

この中で、南京城内で中国人を「兵を民に分離」する登録風景が映し出されている。仮に30万者虐殺があったのなら、憎しみのある日本軍に、にこやかな表情で長蛇の列を作り、分離署名に応じることはあるまい。

第一、日本兵が強姦・殺戮を平気でやる奴らだと思っていたら、憎しみと恐怖心から集うことは考え難い。子供たちが爆竹に笑顔で興じるシーンも続く。強制されたてものだったら、あんな飛び跳ねる楽しい仕種は出来ないだろう。

極めつけは、正月前の「餅つき」や「門松飾り」の行事だ。虐殺のあと累々と横たわる死骸の近くで、日本軍が平気で正月準備ができるはずがない。正月とは、日本における厳粛な行事だからだ。この記録映画は、まさに「大虐殺」があったといわれる同時期のもだが、そんな雰囲気は微塵も感じさせない。

映画は、24時間切れのクライマックスへと移る。7人は2班に分かれ、別棟の刑場に向かう。水島監督が再現したセットの刑場で、7人は相前後して絞首刑の死刑執行に服した。絞首刑の全容に至るリアルな描写に息を呑む思いだった。

水島総監督は、なぜ「南京大虐殺」が捏造されたかについて、i)中国共産党政権が繰り返してきた自国民に対する「大虐殺」を隠蔽するため。i)一党独裁体制の内部矛盾への人民の怒りを日本に転嫁するため。i)日本に対して常に精神的優位に立つための決定的「歴史カード」を設定するため―の3理由をあげる。(映画「南京の真実」製作委員会・広報誌)

同監督は、「南京大虐殺」はなかったことを世界に知らしめ、日本と日本人の名誉と誇りを守るため、これから第二部「検証編」、第三部「米国編(英語版)」を製作したいとしている。

確かに、この映画第一部「7人の死刑囚」試写会を見て、検証された歴史の事実とリアルな演出に感動し、「南京の捏造」に怒りを覚えた観客は多かったはずだ。それだけに水島監督が日本の誇りの保持のために挑む、これからの第二部「検証編」の製作に期待したい。(了)

★本稿は、全国版メイル・マガジン「頂門の一針」・ 
平成20(2008)年2月11日(月)建国記念の日「1086号」に掲載されました。

「1086号」の<目次>・
・「の」に賭けた初入閣:渡部亮次郎
・「南京の真実」の大阪試写会:毛馬一三
・マケイン有利の観測記事:古澤 襄
・輸入業者と中国メーカーを起訴:宮崎正弘
・不買のみが家族を守る:内田一ノ輔
・公が公なら民も民:平井修一

 話 の 福 袋
 反     響
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第1086号            
発行周期 不定期(原則日曜日発行)
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2008年02月07日

◆映画「南京の真実」大阪試写会(再掲)

注目の映画「南京の真実」第一部完成記念 大阪特別試写会が開かれます。是非お出掛けください.(ネットメディアおおさか編集部)

・[日時] 平成20年2月9日(土)PM5:30開場 6:30開演 10:10終演

・[場所] 八尾市文化会館プリズムホール 2F TEL 072-924-5111
    近鉄八尾駅 徒歩5分 http://prismhall.jp/access.html
・【入場無料/先着順】※2/5までに限りメール予約可能です。
・[予約・問合せ先]shinjitu_kansai@mbe.nifty.com
  http://prismhall.jp/access.html
・【入場無料】
  ※座席数には限りがありますので、あらかじめご了解願います。

★<試写会の趣旨・・・・・映画「南京の真実」関西上映実行委員会>

2月9日大阪で映画「南京の真実」完成試写会を開催いたします。
映画「南京の真実」製作発表は、07年1月24日、東京ホテルニューオータニで、多数の内外メディアが取材に詰め掛けました。

あれから1年。
心ある国民の熱い思いと寄せられた2億4千万円を超える浄財のもと、水島監督が全身全霊を懸け、チャンネル桜の全スタッフと共に心血を注ぎ、同映画・第一部「七人の『死刑囚』」を完成いたしました。

映画「南京の真実」の製作と第一部の完成を知る日本国民は、ほんの一握りにしか過ぎない、と言っても決して過言ではないでしょう。

そのような憂うべき日本の現状に風穴を空ける為、 なによりも、父祖の汚名を雪ぎ名誉を護り、次世代に父祖の真の姿と正しい歴史観を伝える為、一人でも多くの日本国民にこの作品をご覧戴くことこそ、私たちの使命であると堅く信ずるものです。

吾らの父祖は誇り高く気高い、英邁で勇敢なる民でした。 そして、私達は紛れも無くその末裔です。 謂われなき汚名を雪ぎ、真の姿を伝えることこそ、私達平成に生きる日本人の第一の責務であると信じます。

併せて、3部作からなるこの映画製作は、なにがなんでも継続・完遂させなければなりません。

どうか映画「南京の真実」の『2月9日大阪試写会』に、皆様の深いご理解と暖かいご支援とお一人でも多くのご来場をお待ち申し上げております。
           映画「南京の真実」関西上映実行委員会
               shinjitu_kansai@mbe.nifty.com
★<上映作品の紹介>
== 映画『南京の真実』 第一部 七人の「死刑囚」==
[製作・脚本・監督]
水島 総
[製作]
映画「南京の真実」製作委員会
(株)チャンネル桜エンタテインメント
(株)ワールドインタラクティブ.ネットワークシステムズ.ジャパン
[キャスト]
松井石根… 浜畑賢吉
東條英機… 藤巻 潤
広田弘毅… 寺田 農
土肥原賢二… 渥美國泰
木村兵太郎… 久保 明
板垣征四郎… 山本昌平
武藤 章… 十貫寺梅軒
花山信勝… 三上 寛
広田静子… 烏丸せつこ
松井文子… 上村香子 ほか
★映画「南京の真実」に関する最新情報は、製作員会公式サイト”スタッフブログ”(下記URL)をご覧下さい。
http://www.nankinnoshinjitsu.com/blog/

2008年02月06日

◆未知数の橋下新知事

                    毛馬 一三

自公両党の地元組織で民主党に圧勝した橋下徹氏が6日初登庁、大阪府の新府知事として新しいスタートを切った。

午前9時半大阪府庁の玄関で府職員の出迎えを受けた橋下新知事は、2階の知事室に入り、知事の椅子に座った姿をマスコミのカメラに披露する恒例の行事を済ませたあと、府議会の自民・公明両党の控え室を訪ね、就任の挨拶をした。

橋下新知事は、今回の知事選挙で有効投票の54%に当る約183万票を獲得して初当選を果たした。民主には負けられない自公両党の必死の組織固めが有力勝因だったが、大量の浮動票を掻き集めた橋下新知事自身の抜群の知名度が決定的勝因であったことは誰も否定しない。

だから新知事は、掲げた「大阪を笑顔にする」公約の柱に財政再建を最優先に取り組むことを明らかにしているが、どんな府政を進めていくのか、肝腎の行政手腕は全くの未知数。

与党自公両党ですら、果たして期待通りの府政運営が出来るかどうか、見えてこないと言い切る議員も多い。当面橋下新知事の“お手並み拝見の構え”が、正直な雰囲気といったところ。

そんなことを察知してか橋下新知事は、就任前の30日、府幹部と08年度予算案の編成方針についていち早く協議に入っている。過去の例を見ても新知事が就任前に事務方と実務にわたる協議をするのは異例のことだ。

その際府側が、当初は9月までの暫定的骨格予算とする方針を示したが、橋下氏は首を縦に振らず、繰り上げて6月までの暫定予算とするようケツを叩いたという。

また08年度から、府の一般職員、教職員、警察職員の福利厚生のための3互助団体への補助金を全廃し、年間約18億円の歳出削減する方針を府側に提示している。(アサヒ.コム)

このほか、「企業誘致の補助金の見直し」なども事務方に検討を投げ掛けたといわれる。メディアフル動員を熟知した同新知事が、橋下色を急ぎ打ち出したいという意欲の現われだと見る向きが強い。

いづれにしても、5兆円の負債を抱え破綻寸前、非常事態の大阪府財政を抜本的に再建していく詳細な基本計画が、いつ新知事の口から飛び出すのか。選挙支援で与党になった自公両党も、新知事の手腕発揮に目を注いでいるところだ。

5日退任した大阪府の太田房江前知事は、2期8年の任期を終えの退任記者会見で、橋下新知事に対して、「厳しい財政のやりくりを強いられることになると思うが、府民サービスの低下には十分に意を払いながら、福祉・医療への助成など、大阪府の特徴を生かした施策は引き継いでほしい」と注文を付けた。

とにかく「岩国市の住民投票をめぐる是非論」への登場や福田首相との異例会見など強烈なパフォーマンスを見せ付ける橋下新知事。

知事就任6日からは、地元大阪府財政の「非常事態宣言」に止まらず、さらなる具体策を急ぎ立案して、府民に開示して安心させて欲しいとの声が、早くも出始めていることを新知事自身ご存知だろうか。(了)

2008年02月05日

◆選挙の政党相乗りって?!


                    毛馬 一三       

共産市政を阻むために、「自公民社民」が相乗りして戦う京都市長選挙が3日から始まった。大阪府知事選と大阪市長選では激しく対峙した筈の自公両党と民主が、京都では一転して手を携えた変幻自在の政党相乗りに呆れる渦が広がっている。

京都市長選挙に立候補したのは、いずれも無所属の新人で、
・自民党と公明党、それに民主党京都府連と社民党京都府連合が推す前教育長の門川大作氏(57)
・洋傘製造卸会社相談役の岡田登史彦氏(61)
・京都市議会議員の村山祥栄氏(30)
・共産党が推薦する弁護士の中村和雄氏(53)の計4人。

この構図は,自民・公明の両党と民主党と社民党の地方組織の支援を受け3期目で引退する桝本頼兼市長の後継として擁立された門川氏と、共産推薦中村氏という「非共産」対「共産」の二極に、岡田氏と村山氏が割って入ったという形だ。

こうした構図には、退潮傾向はあるものの、7期28年続いた蜷川共産府政の過去実績があるなど、京都府では伝統的に府市共々共産勢力が強い独特の歴史と背景がある。平成元年の市長選挙の時は、共産候補が相乗り候補に321表に迫り、現職の桝本頼兼市長が初当選した平成8年の時でさえ、共産票との差は4千票の僅差だった。(朝日新聞)

門川氏には、まず民主が推薦を表明し、同氏の求めに応じた形で自公が擁立に参加した。この点、つい先頃の大阪市長選挙、大阪知事選の流れとは全く異なっている。

両選挙とも共産推薦候補者がいち早く名乗りをあげていたのに、民主は参院選挙の圧勝の流れを来る衆院選挙に繋げるという党本部の指示に従い、自公とは絶対手を結ばない姿勢を貫いた。つまり3極対決を堅持することの筋道が、結果的には勝利を呼び込み、党勢を誇示できると踏んでいたからだ。

ところが、民主党本部の思惑ははずれ、大阪市長選挙には勝利したものの、知事選では自公陣営に大敗、打ちのめされた。

だから、ここ京都では三度目の正直となる決戦の場として、例え伝統的に共産勢力が強くても、自公との対決構図は崩さない民主の気概を示して、必ず3極対決構図を貫くに違いないと読んでいた京都市民は、見事に肩透かしを食った形だ。

ということは、前市長の後継者で「共産市政に阻止」につながるのなら、政党相乗りの構図に対する市民感情への配慮は二の次ということになる。だとすれば、政権交代の土壌を全国の首長選挙で芽生えさせて行くという民主本部の決意は、京都は埒外というのか。

大阪2選挙の教訓を民主はどう説明するのか。それを知りたいという筆者や知人の京都市民からの戸惑いと怒りの声が今でも飛び込んでくる。

早い話、「呉越同舟」なんてカッコイイ呼称をならべ立ててはいるが、所詮勝つことだけに主眼を置いた変幻自在、目の前の利害に飛びつくだけの市民不在の政治手法を京都市民に押し付けていることに、呆れ果てたと先の市民は嘆く。

選挙戦では、市債残高が2兆円に上る財政の再建や、不祥事が続く市役所内部の改革、それに子育て支援の充実などが争いになるというが、この「共産」対「非共産相乗り陣営」との構図の是非の方が、本物の争点になりそうだ。

京都市長選挙の投票日は2月17日。政党不信を決定付ける京都市長になる気配が感じないではない。(了)         2008.0205

2008年01月28日

◆大阪知事選で自公勝利

毛馬 一三

1月10日に告示された大阪府知事選挙は、27日に投開票が行われ、33年ぶりの与野党激突の同知事選に圧勝したのは自民・公明が支援する弁護士・タレントの橋下徹氏(38)。民主推薦と共産推薦の2候補に大差を付けての初当選を決めた。

野党民主に先の参院選で大敗、政令都市の大阪市長選挙でも敗れた自公陣営は、大都市圏のこの知事選を落せば、秋にも予想される衆院選挙に悪影響を与えることは必至という危機感から、腹を括っての必死の闘いだった。

だから自公陣営は、この大阪知事選で「背水の陣」ともいえる奇策に賭け、これを見事に勝利に結び付けた。

奇策とは、抜群の「知名度」を有する橋下氏には、街頭演説など表舞台の活動を委ね、自公両党は一切表に出ない裏舞台での下支え活動に終始するという、表裏二面の作戦。全国主要都市の政党支援の首長選挙では異例のことだ。

早い話、選挙基盤となる組織固めや、広域選挙戦に欠かせない広報活動や集会動員戦術の手配りなど、経験豊富な戦術を弄し得るプロ選挙実践集団の堅実な役割を、自公両党が果たした。

橋下氏は、不得意とする分野を政党側に全面依存することにより、思い切った街頭活動に専念可能となり、府政にかける「エネルギーと爆発力」の意欲を有権者に思う存分見せ付ける、絶叫型舌戦に没頭できた。

ところが、民主・共産陣営ではこの作戦を当初甘く見ていた形跡がある。特に、有力対抗馬だった熊谷貞俊氏(63)を推す民主陣営では、小沢代表ら党幹部が応援に頻繁に駆けつけ、党主導スタイルを誇示していけば、大阪市長選挙を掌中にした“民主の追い風”に乗って、タレント候補の「知名度」など凌駕できると、踏んでいたフシがある。

だが、自公陣営の二面作戦の効果に慌て出したのは、後半戦になってからだった。第一、「政策論争」で対決する筈だった街頭活動で、橋下氏は、ひたすら「僕は悲しい!一緒に大阪を変えよう!僕に賭けて!」と感情表現で親しみを訴える作戦に出るばかりで裏を掻かれ、無党派層の人気をさらわれるのが見えて来たからだ。「お笑い票」も流れて行くのを実感し出したのもこの頃だ。

しかも小説家堺屋太一氏が、14名の同志で設立した「勝手連」を橋下氏の街頭活動の先頭に立たせる一方、橋下氏に同伴して当初熊谷陣営寄りだった関西経済界の切り崩したことも、これを頼りにしていた熊谷陣営には痛打だった。

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2008年01月25日

◆大阪知事選 「お笑い票」が鍵!?

毛馬 一三

1月10日に告示され、投開票日が27日の大阪府知事選挙は、残すところ25・26日の2日間となった。同知事選は、33年ぶりの野党激突構図の下で、有力3候補が最後の激しい戦を繰り広げている。

そんな中、24日までに報道各社が行った知事選の世論調査で、自民府連推薦・公明府本部支持の橋下徹氏(38)が選挙の情勢を先行、このあとを民主推薦の熊谷貞俊氏(62)と共産推薦の梅田章二氏(57)が追い上げている形勢になっていることが、某陣営関係者の話で明らかになった。

橋下氏が先行しているのは、自公組織をほぼ固めてきているほか、とりわけ注目されるのは、無党派層への食い込みが概略50%を越えているのが主因で、他の候補は20%〜10%に止まり大差が付いているという。

大阪の無党派層が、既成政党に無関心、或いは期待を寄せない若年有権者層を中軸にしている点は、他都市と変わりはない。しかし他都市と些か質を異にするのは、「新しモン」、「身近な人気モン」、そして際だった「アンチ権力」という浪速人特有の鋭敏な嗜好が、大阪の特異な無党派層を作り上げているといっていい。

大阪が、「お笑い票」を掻き集めて選挙戦を勝ち取ったタレント首長・議員を誕生させた都市であることは、ご承知の通り。既成政治に反発してきたこうした無党派層が、「お笑いタレント」を支持して庶民派政治家を誕生させたのだ。

漫才タレントの横山ノック氏が参院大阪選挙区で80万〜86万票を集め、99年の大阪知事選で235万を獲得。漫才師の西川きよし氏も参院大阪選挙区で97万〜105万票を得て3期連続でトップ当選している。(読売新聞)

ということは、この「お笑いタレント票」が府内に100万票存在するということになるのだが、橋下氏は既にこの「お笑い票」の無党派層の大半に食い込んでいるということになる。

だから、この無党派層を出来る限り自陣に取り込むことが、今回の知事選の勝利に結びつける秘策だと分かっている梅田、熊谷両陣営では、様々な団体や人脈を通じて、この2日間「お笑い票」の自陣引き付けに必死に取り組むという。

そして橋下氏より不足する知名度に対抗して、両氏は大阪府政の改革を前面に打ち出す政策主張の街頭活動を、東京の党幹部の応援を求めて展開、まだ意中の候補者決めかねている無党派層に訴える作戦に賭けることにしている。

このように大阪府知事選は、最終段階で大阪人特有の気質が支持する「お笑い票」が、選挙の帰趨を決める重要な局面に浮かび上がってきた。(了) 2008.01.24

◆<本稿は、1月25日の全国版メイル・マガジン「頂門の一針」1068号に掲載されました・・・・編集部>

★メイル・マガジン「頂門の一針」 1068号 1月25日(金)
<目次>
・ヒラリーが頭2つリードへ:宮崎正弘
・議員辞職を迫る菅代行:古澤 襄
・ツバメの巣立ち:長崎県の60歳
・薩摩揚に思い出す:渡部亮次郎
・「お笑い票」が鍵!?:毛馬一三

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2008年01月21日

◆大阪知事選 あと1週間

毛馬 一三

自公対民主などの与野党が対決する大阪知事選の前哨戦ともいわれた、滋賀県大津市長選は20日投開票が行われ 自公推薦現職の目片信氏(66)が、民主などの支持を受けた新人を抑えて再選を果たした。

開票の結果は下記の通り。
・目片信、無所属・現、当選、50、208票。
・黄瀬紀美子、無所属・新、46、569票。
・井上敏一、無所属・新、11、847票。

目片氏は、滋賀県議会議員を2期、衆議院議員を1期、それぞれ務めたあと、前回、平成16年の大津市長選挙で初当選した。選挙戦では、旧志賀町との合併など4年間の実績を強調すると共に、乳幼児と高齢者の福祉の充実、駅前の区画整理などによる中心市街地の活性化を訴えた。

目片氏を推薦した自公両党は、参院選に大敗した危機感と年内に予想される衆院選挙に対処するため、支持母体を固める一方、創価学会の全面支援を受けて、民主などの野党陣営と嘉田知事の組織支援を受けた黄瀬紀美子氏(56)と全面対決し、接戦の末勝利に結び付けた。

こうした中、任期満了に伴う大阪府知事選挙は、投開票日まで1週間となった。

33年ぶりに与野党対決の構図となった今回の選挙は、今月10日の告示以来、激しい選挙戦が繰り広げられ、日曜日の20日も、各候補が主に繁華街で熱のこもった演説などを繰り広げた。

共産党が推薦する弁護士の梅田章二氏(57)は、大阪北部や大阪・ミナミの繁華街で街頭演説を行い、「いよいよ1週間に迫った。元気で温もりのある大阪を実現させよう」と訴えた。

自民党大阪府連が推薦し、公明党大阪府本部が支持する弁護士でタレントの橋下徹氏(38)は、大阪市内での繁華街を歩いて街頭演説を行い、「3兆円の大阪府の予算を一から見直して、大阪府政を建て直したい。そのために皆さんの力を貸して欲しい」と訴えた。

民主、社民、国民新党の各党が推薦する元大阪大学教授の熊谷貞俊氏(63)は、大阪市内の商店街を練り歩いて支持を呼びかけ、「皆さんの力で府庁3階の知事室に送り込んでください」と訴えた。

ところで、知事選の前哨戦として注視していた大津市長選挙が接戦の末、勝利を収めたことで橋下陣営では、これで知事選挙での最終盤の組織固めと浮動票獲得が有利になったとして、21日から橋下氏の知名度を最大限に生かしたムード高めの戦術に一層力を入れたいとしている。

いずれにしても3有力候補者の選挙活動は、27日の投開票日に向け苛烈さを増すが、最終的には候補者の知名度と高感度が如何に無党派層を掴むかに掛かっているかといえそうだ。(了)2008.01.21




2008年01月10日

◆大阪知事選を左右する超大物!?


                      毛馬 一三

大阪知事選は、今日10日告示され、33年ぶりの与野党3党による激戦が火蓋を切った。ところがこの選挙での有権者の関心は、選挙戦の行方であることは当然ながらも、告示直前表舞台に突如姿を現した“ある大物”に視線が注がれている。

ある“大物”とは、小説家堺屋太一氏のことである。知らない人は少ない筈だ。その堺屋太一氏が、橋下徹候補(38)<自民推薦・公明支持>を支援する「橋下氏を知事にする勝手連」を結成して運動を始めたのだから、大阪はビックリ。

知事選には、熊谷貞俊候補(63)<民主推薦>と梅田章二候補(57)<共産推薦>、それに橋下候補が事実上争うが、知名度の面からみると橋下候補が、2候補より群を抜いているのは、誰しもが認めるところだ。

そこに輪をかけて知名度の高い堺屋氏が、橋下氏の応援に回ったことで他候補陣営にとり俄に大きな脅威のなったことは事実。ならばマニフェストの内容で勝負し、戦いに打ち勝つしかないと、2陣営は新たな戦術に切り替える動き開始し出した。

ところで、堺屋氏と橋下氏が懇意になったのは、<某弁護士を通しての昨年11月初めのことで、そこから知事選に至る人間関係が出来た」という。当の堺屋氏は、「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価して、橋下氏を応援する決意を固めた>という(産経新聞)。

ご承知のように堺屋氏は、大阪市生まれ。通産省時代に大阪万博開催を提案、1970年の同大阪万博で成功を収める。退官後も、イベント・プロデューサーとして数々の博覧会を手掛けている(出典 ウィキペディア)。
いわば都市の経済基盤の確立と景気高揚を図る第一人者である。その堺屋氏が、自ら橋下氏を同道して自民党本部の首脳と引き合わせるなどの動きを見せるが、それはあくまで影で動く“フィクサー役”に終始していた。

しかしそうした水面下の生易しい動きだけでは済まされない事態に直面することになる。つまり関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会議所など関西経済4団体が、堺屋氏の思惑とは外れた動きを見せ始めたからである。

堺屋太一氏の決断は早かった。舞台裏から演出するフィクサー役をかなぐり捨て、前記の「勝手連」を経済界中心に14名からなるメンバーで構成、表舞台に飛び出した訳だ。そして相手陣営に傾いている経済団体の切り崩し工作を着手し出したのだった。

会長自ら「橋下批判」を行い敢えて中立の立場を取ると宣言した関西経済連合界に対しては、友好関係の深い推薦政党の自民党に委ね、堺屋氏自身は、大阪商工会議所の政治団体「日本商工連盟大阪地区=小池俊二代表世話人」をまず説得、9日午後4時の会合で自らの陣営に引き入れる工作に成功した。

そして堺屋氏は、選挙事務所に各界代表で構成する「堺屋塾」のメンバーを派遣、自らは10日の告示直後の第一声を放つ市内高島屋デパート前での集会に出て、有権者に支援を呼びかけるなど、街頭活動の先頭に立った。

そんな中、熊谷陣営、梅田陣営のいずれも、告示日から連日東京本部から党首脳らが相次いで来阪、地元議員や支援者も駆けつけ、いわゆる“与野党対決”の政党色を全面に押し出した形の、激しい選挙活動を繰り広げる。

橋下陣営では、「支持」に回った公明党の府議や国会議員も同事務所に参画、自民党府議らとともに組織、票固め作戦計画立案・指示等を進める「裏方」に専念。その一方で街頭活動のすべては、知名度と人気の高い堺屋氏の「勝手連」と候補者との二人三脚の運動に委ねるいう、異例の両面戦術で臨む。

どうやら人気抜群の堺屋氏の動きが、今回の知事選挙の帰趨を決める大きな要因になってきたような気がしないでもない。投開票は27日に行われ新しい知事が誕生する。(了)
                              08.01.10

2008年01月09日

◆大阪知事選 揺れる財界

毛馬 一三

大阪知事選はいよいよ明日10日告示されるが、土壇場にきて急に候補者の支援をめぐり右や左に揺れ出したのが「関西経済界」だ。

過去の知事選で、「関西経済界」のお墨付きを貰った候補者が選挙に勝利してきただけに、関西財界が誰を推すかを決めかねるという事態は、33年振りに激突する3党各陣営にとり、大いに気懸かりなことといえる。

事の起こりは、大阪経済の大御所「関西経済連合会」の下妻博会長の7日の記者会見の発言が発端だった。同会長は、<熊谷貞俊氏(民主党推薦)のマニフェストが一番しつかりしている。弁護士でタレントの橋下徹氏(自民推薦・公明支持)については、マニフェストで掲げた公立小学校の芝生化は、市や町の担当の筈。奇異な感じがする>と疑問を呈した(毎日新聞)>。

そして同会長は、<これまでいってきたように中立で行いきたい>と、一応述べたというのだが、この発言をきっかけに、これに追随して、各副会長からも橋下氏に対する厳しい意見が飛び出したという。

<今度の知事選は、大阪府の財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策をだすのはいいが、収入源はどうするのか。橋下さんはもっと勉強する必要があるー(産経新聞)>もそのひとつだ。

そして締めくくりには、<どなたが知事になるにせよ、地に足の着いた活動を行って欲しい>と、恰も3候補ともドングリの背比べだと、バッサリ切り捨てるような発言も飛び出す始末。聞きようによっては、どの候補者にも期待できそうにないから、ただ傍観するのみと聞こえないこともない。

これに対して、お褒めの評価を受けた民主党は黙して特段の動きは見せなかったが、「大阪の将来像を託す知事選への不謹慎極まりない発言」と猛烈に反発したのが、自民党だった。

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2008年01月01日

◆大阪市内に自然の「滝」!

                毛馬 一三

新年明けましておめでとう御座います。どうか本年もご拝読の程、よろしくお願い致します。

さて、大阪のまち中に、自然の「滝」があることを知ってる?と訊いても、多分大方の人は首を傾げるに違いない。ビルの屹立する大都会大阪のまち中で、そんな湧き水が集まり、「滝」となって流れ落ちる光景など想像出来ないからだろう。

紛れも無く私もその一人だった。が、つい先日知人が話の序でに教えてくれた上、そこに案内までしてくれたことがきっかけで、「大阪市内で唯一の滝」の在りかを知ることが出来た。

その「滝」は、大阪市市内の夕陽が丘近郊にあった。「玉出の滝」といった。聖徳太子が建立した四天王寺前の大阪市営地下鉄「夕陽ヶ丘駅」を出て谷町筋から西に向かうと、「天王寺七坂」や「安居神社」「一心寺」など、寺社や名所が点在する上町台地の歴史のまち、伶人町の中にある。

その天王寺七坂のひとつ、清水坂を登り、細い道を行くと清水寺に着く。 本堂の前を抜けて墓地に挟まれた石段にさしかかると、水音がかすかに耳朶を打った。足早にそちらに向かうと、目指す「玉出の滝」に着いた。

「玉出の滝」は、「那智の滝(和歌山)や不動の滝山(岩手)」のように山の頂上から滝壺めがけて怒涛のように流れ落ちる巨大な滝ではない。境内南側の崖から突き出した石造の三つの樋から、水道水の様な水が流れ落ちる、ささやかな滝なのである。

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しかし5メートル下の石畳を打つ三筋の水の音は、大きな響きを伴い、その響きは人の心の奥底の隅々にまで行き渡る、いかにも行場の滝という感じだ。
知人によると、この「滝」には、落水で修行する常連の人がいるが、来る新年には滝に打たれて、延命長寿などを祈願する人が訪れる筈だという。

実は、この「玉出の滝」を見た瞬間、京都の清水寺の「音羽の滝」と瓜二つだと感じた。私の亡くなった母親のいとこの嫁ぎ先が京都清水寺の皿坂にある清水焼の窯元だったので、そこに遊びに行った時見たのが「音羽の滝」だった。

案の定、この清水寺は京都の清水寺を、寛永17(1641)年に模して建立した寺で、かつては京の清水にあるような懸造りの舞台も存在していたらしく、その時「音羽の滝」も、「玉出の滝」として再現されたのだという。
 
周辺は、ビルばかり目立つ都会の環境だが、この大阪唯一の「玉出の滝」が近くの四天王寺の金堂の下にある清竜池から湧き出る霊水がここで滝となっていると言い伝えもあるところから、大阪の歴史の香りを髣髴とさせる自然の造形といえる。

余談ながら、この「玉出の滝」の側に、冒頭に記述した「安居天神」がある。真田幸村の憤死の跡として知られている神社である。

大阪夏の陣で決戦を挑んだ西軍の真田幸村は、天王寺口(茶臼山付近)に布陣した。徳川方の主力が天王寺方面に進出してくることを予測してのことである。

真田幸村の狙いは、家康の首を取り豊臣家を再興させる戦略だった。真田隊は一丸となって突撃を開始、東軍の先鋒越前軍一万三千を撃破。ついに家康本陣営に突入、この真田陣の猛攻で、家康の旗本は大混乱に陥り、ついに家康の馬印までが倒されたという。

馬印が倒されたのは、武田信玄に惨敗した三方ヶ原の戦い以来、2度目だった。家康も本気で腹を切ろうとしたが、側近に制止され思い止まる。家康が幾多の合戦で切腹の決断を迫られたのは、後にも先にも生涯でこの2度だけである。

が、真田隊も猛反撃に遭って劣勢となり、今度は家康が、総攻撃を命じた。
幸村の要請にも拘らず大阪城からの加勢は現れず、戦場で傷ついた幸村は、ここ「安居天神」の中の樹木に腰を下ろして手当てをしているところを、越前軍の兵に槍で刺され、落命した。

こんな大都会のまち中で、行場ともいうべき市内で唯一の「玉出の滝」が、真田幸村の戦場の近くであったことなども連想しながら、このお正月にでも、一度ゆっくり散策されることを勧めたい。(了)

 ★<本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」元旦号に掲載されました>

◆「頂門の一針」 1044号  平成20年1月1日(火)

謹賀新年。今年も御付き合い下さい。よろしくお願いいたします。6年目
に入りました。お蔭様で健康状態は万全。約2週間後に誕生日を迎えます。
                    (主宰 渡部 亮次郎)
<目次>
   ・北京ダック:渡部亮次郎
   ・広がる格差社会:古澤 襄
   ・ジャンクと化したサブプライム:平井修一
   ・大阪市内に「滝」!:毛馬一三
   ・私の英語勉強法(6):前田正晶

        話 の 福 袋
        反     響
        身 辺 雑 記
  
  第1043号  発行周期 不定期(原則日曜日発行)
     御意見・御感想はchomon_ryojiro@yahoo.co.jp
       購読(無料)申し込み御希望の方は
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    http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm






2007年12月27日

◆大阪知事選 3極対決の激戦へ 

  
                      毛馬 一三

来年1月27日に投開票の大阪知事選挙は、橋下徹氏の擁立に慎重だった公明党が同氏への「支持」に回ったものの、事実上、自公対民主、共産による33年ぶりの3極対決の選挙戦となる見通しとなった。

大阪府知事選には、既に民主党が、大阪大学大学院工学研究科教授の熊谷貞俊氏(62)を推薦、共産党も、弁護士の梅田章二氏(57)の推薦を決めている。

これに対して立候補を表明している弁護士でタレントの橋下徹氏(38)については、自民党府連が23日「推薦」を正式に決め、公明党の動向を見守る姿勢を取った。その裏には、来る衆院選挙を控えて、公明と共に闘った大阪市長選の惨敗の轍を踏まないためにも、出来るだけ両党が足並みを揃え共同推薦の形で選挙選に臨みたい腹だった。

ところが橋下徹氏の擁立に慎重だった公明府議団は、25日橋下氏から2度目の公約説明会を受けたあと、26日午後から府議団総会を開き、橋下氏の対応について協議した。が、自民党の思惑とは異なり、橋下氏に対しては「推薦」を見送り、「支持」にすることを申し合わせ、直ちに公明大阪府連に報告した。

「推薦」を見送り「支持」に回った背景には、やはり同氏のタレント活動での発言等に対する不信感が依然として払拭出来なかったことによると関係者は明かす。

議員団総会では、橋下氏が公約の冒頭に掲げている「子供が笑うことへの集中・徹底投資策」には、意気込みが感じられるとして評価してもよいとの意見が出たという。

しかし、民放テレビ討論会で同氏が発言した、「日本の核武装」の真意を質す問い掛けに対して、同氏が「番組のコメンテーターとして際だった発言を求められる立場だったため、あのような不適切な発言になった。公人になればそうした発言は控えたい」と述べたが、公約説明の席上で発する見解ではないなどとの反発が大勢を占め、「推薦」を見送り、「支持」に決まったという。

とはいえ、橋下氏に対しては、形の上では自民推薦・公明支持となったものの、事実上自公共同支援体勢には変わりがなく、民主推薦の熊谷氏、それに共産推薦の梅田氏との3極対決選挙が33年ぶりに繰り広げられることになった。

<産経新聞がインターネットを使って有権者500人を対象にアンケート調査を19日20日両日おこなったところ、知名度は、橋下氏が90%以上、熊谷、梅田両氏は30%台だったという。また知事としてだれが好ましいかの問いに、45.2%が橋下氏、熊谷氏が29.4%、梅田氏は7.6%だった>とネットに掲載している。

こうした知名度の高い候補者に対して府民の間からは、極限状態の大阪府を救済する知事には、「タレントや学者は不要。必要なのは地方行政を知り尽くした政治家が欲しい」という声が強まっているが、総選挙を控え何が何でも勝ちに行きたい政党にとっては、知名度の高さは何にも代え難い宝物だ。

とくにノリノリが好きな大阪府民が、大阪知事選挙にどう反応していくかは既に見えているような気がしないではない。(了)  2007.12.26

◆本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」に掲載されました(編集部)

★メイル・マガジン「頂門の一針」1039号 2007年12月27日 (木) 

<目次>
      ・世界を覆い始めた華銭:宮崎正弘
      ・改めてトウ(!))小平強靭:渡部亮次郎
      ・大阪知事選 3極対決の激戦へ:毛馬一三
      ・太宰治「十二月八日」(2/5):平井修一

           話 の 福 袋
           反     響
           身 辺 雑 記


       第1039号 発行周期 不定期(原則日曜日発行)
       購読(無料)申し込み御希望の方は
       下記のホームページで手続きして下さい。
     http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    

2007年12月15日

◆1.まだ揺れる大阪知事選 (毛馬一三)

  ◆ 2.知事選を芸能人の人気取りにするな (川原俊明弁護士) 
                 

<★まだ揺れる大阪知事選>
                   毛馬 一三

大阪知事選は、3っ巴になることには間違いありませんが、政党三極になるかどうかは、まだまだ不透明です。

ご承知のように民主党は、大阪大大学院工学研究科教授の熊谷貞俊氏(62)を17日の同党府連主催のパーティーで出馬表明させます。共産党は弁護士の梅田章二氏(57)を既に推薦しています。

問題は、12日に出馬表明した弁護士でタレントの橋下徹氏(38)に対する自民公明両党の対応です。マスコミは「自公推薦」が決定しているかのような報道していますが、実態はまだ決まっておらず、そこまで決め付けるのは、些か行き過ぎた「報道」です。

大阪自民府議会派では、出馬に向けた橋下氏の「出る、出ない、出る」の豹変振りに府議の大半が批判的で、しかも出馬会見で出馬の決意を「タレントの後押し」を理由にしていることに、不快感を顕にしています。

また公明会派は、橋下氏からの「推薦要請」は一切受けていないため、それすら討議の対象に上がっていません。それに加え、橋下氏に纏わる「金銭スキャンダル」の風聞に過敏になっており、「推薦」に至るかどうか、いまのところ先行きは文字通り不透明です。

ところで、橋下氏の母体である大阪弁護士会の弁護士中に、橋下氏の出馬に批判的な人が目立ち、上記指摘のような脱税に絡む「金銭スキャンダル」のうわさを挙げて、法曹界からの知事候補としては不向きだと断じる声も聞かれます。

この「金銭スキャンダル」にまつわる風評がこれから大きく噴出すことになれば、太田房江知事の出馬断念の火種となった「政治とカネ」と結び付けられて、「推薦」同意を得ることが難しくなる事態も予想されます。

となると、自公、民主、共産による33年ぶりの国政与野党による政党三極対決となるか、それはまだ不確定ということになります。
場合によれば、自公、民主相乗りの構図も、捨て切れない選択肢で残されていることも事実です。


とはいいながらも、「新らしモン」や「ノリノリ屋」、「タレント・芸人」好きの大阪人気質は、政党の組み合わせによる候補者選びは関係なく、過去の知事選で漫才タレント知事を誕生させた経験があることはご存知の通りです。

ですから、仮に橋下氏が政党の推薦を得られなくなったとしても、「爆破的なタレントとしての知名度」を発揮すれば、他候補と互角に戦う力は持っていると見られるだけに、勝敗の行方に関しては、ここ大阪に限り、政党「推薦」とは別物のような気がします。
(了)2007.12.