2008年01月09日

◆大阪知事選 揺れる財界

毛馬 一三

大阪知事選はいよいよ明日10日告示されるが、土壇場にきて急に候補者の支援をめぐり右や左に揺れ出したのが「関西経済界」だ。

過去の知事選で、「関西経済界」のお墨付きを貰った候補者が選挙に勝利してきただけに、関西財界が誰を推すかを決めかねるという事態は、33年振りに激突する3党各陣営にとり、大いに気懸かりなことといえる。

事の起こりは、大阪経済の大御所「関西経済連合会」の下妻博会長の7日の記者会見の発言が発端だった。同会長は、<熊谷貞俊氏(民主党推薦)のマニフェストが一番しつかりしている。弁護士でタレントの橋下徹氏(自民推薦・公明支持)については、マニフェストで掲げた公立小学校の芝生化は、市や町の担当の筈。奇異な感じがする>と疑問を呈した(毎日新聞)>。

そして同会長は、<これまでいってきたように中立で行いきたい>と、一応述べたというのだが、この発言をきっかけに、これに追随して、各副会長からも橋下氏に対する厳しい意見が飛び出したという。

<今度の知事選は、大阪府の財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策をだすのはいいが、収入源はどうするのか。橋下さんはもっと勉強する必要があるー(産経新聞)>もそのひとつだ。

そして締めくくりには、<どなたが知事になるにせよ、地に足の着いた活動を行って欲しい>と、恰も3候補ともドングリの背比べだと、バッサリ切り捨てるような発言も飛び出す始末。聞きようによっては、どの候補者にも期待できそうにないから、ただ傍観するのみと聞こえないこともない。

これに対して、お褒めの評価を受けた民主党は黙して特段の動きは見せなかったが、「大阪の将来像を託す知事選への不謹慎極まりない発言」と猛烈に反発したのが、自民党だった。

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2008年01月01日

◆大阪市内に自然の「滝」!

                毛馬 一三

新年明けましておめでとう御座います。どうか本年もご拝読の程、よろしくお願い致します。

さて、大阪のまち中に、自然の「滝」があることを知ってる?と訊いても、多分大方の人は首を傾げるに違いない。ビルの屹立する大都会大阪のまち中で、そんな湧き水が集まり、「滝」となって流れ落ちる光景など想像出来ないからだろう。

紛れも無く私もその一人だった。が、つい先日知人が話の序でに教えてくれた上、そこに案内までしてくれたことがきっかけで、「大阪市内で唯一の滝」の在りかを知ることが出来た。

その「滝」は、大阪市市内の夕陽が丘近郊にあった。「玉出の滝」といった。聖徳太子が建立した四天王寺前の大阪市営地下鉄「夕陽ヶ丘駅」を出て谷町筋から西に向かうと、「天王寺七坂」や「安居神社」「一心寺」など、寺社や名所が点在する上町台地の歴史のまち、伶人町の中にある。

その天王寺七坂のひとつ、清水坂を登り、細い道を行くと清水寺に着く。 本堂の前を抜けて墓地に挟まれた石段にさしかかると、水音がかすかに耳朶を打った。足早にそちらに向かうと、目指す「玉出の滝」に着いた。

「玉出の滝」は、「那智の滝(和歌山)や不動の滝山(岩手)」のように山の頂上から滝壺めがけて怒涛のように流れ落ちる巨大な滝ではない。境内南側の崖から突き出した石造の三つの樋から、水道水の様な水が流れ落ちる、ささやかな滝なのである。

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しかし5メートル下の石畳を打つ三筋の水の音は、大きな響きを伴い、その響きは人の心の奥底の隅々にまで行き渡る、いかにも行場の滝という感じだ。
知人によると、この「滝」には、落水で修行する常連の人がいるが、来る新年には滝に打たれて、延命長寿などを祈願する人が訪れる筈だという。

実は、この「玉出の滝」を見た瞬間、京都の清水寺の「音羽の滝」と瓜二つだと感じた。私の亡くなった母親のいとこの嫁ぎ先が京都清水寺の皿坂にある清水焼の窯元だったので、そこに遊びに行った時見たのが「音羽の滝」だった。

案の定、この清水寺は京都の清水寺を、寛永17(1641)年に模して建立した寺で、かつては京の清水にあるような懸造りの舞台も存在していたらしく、その時「音羽の滝」も、「玉出の滝」として再現されたのだという。
 
周辺は、ビルばかり目立つ都会の環境だが、この大阪唯一の「玉出の滝」が近くの四天王寺の金堂の下にある清竜池から湧き出る霊水がここで滝となっていると言い伝えもあるところから、大阪の歴史の香りを髣髴とさせる自然の造形といえる。

余談ながら、この「玉出の滝」の側に、冒頭に記述した「安居天神」がある。真田幸村の憤死の跡として知られている神社である。

大阪夏の陣で決戦を挑んだ西軍の真田幸村は、天王寺口(茶臼山付近)に布陣した。徳川方の主力が天王寺方面に進出してくることを予測してのことである。

真田幸村の狙いは、家康の首を取り豊臣家を再興させる戦略だった。真田隊は一丸となって突撃を開始、東軍の先鋒越前軍一万三千を撃破。ついに家康本陣営に突入、この真田陣の猛攻で、家康の旗本は大混乱に陥り、ついに家康の馬印までが倒されたという。

馬印が倒されたのは、武田信玄に惨敗した三方ヶ原の戦い以来、2度目だった。家康も本気で腹を切ろうとしたが、側近に制止され思い止まる。家康が幾多の合戦で切腹の決断を迫られたのは、後にも先にも生涯でこの2度だけである。

が、真田隊も猛反撃に遭って劣勢となり、今度は家康が、総攻撃を命じた。
幸村の要請にも拘らず大阪城からの加勢は現れず、戦場で傷ついた幸村は、ここ「安居天神」の中の樹木に腰を下ろして手当てをしているところを、越前軍の兵に槍で刺され、落命した。

こんな大都会のまち中で、行場ともいうべき市内で唯一の「玉出の滝」が、真田幸村の戦場の近くであったことなども連想しながら、このお正月にでも、一度ゆっくり散策されることを勧めたい。(了)

 ★<本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」元旦号に掲載されました>

◆「頂門の一針」 1044号  平成20年1月1日(火)

謹賀新年。今年も御付き合い下さい。よろしくお願いいたします。6年目
に入りました。お蔭様で健康状態は万全。約2週間後に誕生日を迎えます。
                    (主宰 渡部 亮次郎)
<目次>
   ・北京ダック:渡部亮次郎
   ・広がる格差社会:古澤 襄
   ・ジャンクと化したサブプライム:平井修一
   ・大阪市内に「滝」!:毛馬一三
   ・私の英語勉強法(6):前田正晶

        話 の 福 袋
        反     響
        身 辺 雑 記
  
  第1043号  発行周期 不定期(原則日曜日発行)
     御意見・御感想はchomon_ryojiro@yahoo.co.jp
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2007年12月27日

◆大阪知事選 3極対決の激戦へ 

  
                      毛馬 一三

来年1月27日に投開票の大阪知事選挙は、橋下徹氏の擁立に慎重だった公明党が同氏への「支持」に回ったものの、事実上、自公対民主、共産による33年ぶりの3極対決の選挙戦となる見通しとなった。

大阪府知事選には、既に民主党が、大阪大学大学院工学研究科教授の熊谷貞俊氏(62)を推薦、共産党も、弁護士の梅田章二氏(57)の推薦を決めている。

これに対して立候補を表明している弁護士でタレントの橋下徹氏(38)については、自民党府連が23日「推薦」を正式に決め、公明党の動向を見守る姿勢を取った。その裏には、来る衆院選挙を控えて、公明と共に闘った大阪市長選の惨敗の轍を踏まないためにも、出来るだけ両党が足並みを揃え共同推薦の形で選挙選に臨みたい腹だった。

ところが橋下徹氏の擁立に慎重だった公明府議団は、25日橋下氏から2度目の公約説明会を受けたあと、26日午後から府議団総会を開き、橋下氏の対応について協議した。が、自民党の思惑とは異なり、橋下氏に対しては「推薦」を見送り、「支持」にすることを申し合わせ、直ちに公明大阪府連に報告した。

「推薦」を見送り「支持」に回った背景には、やはり同氏のタレント活動での発言等に対する不信感が依然として払拭出来なかったことによると関係者は明かす。

議員団総会では、橋下氏が公約の冒頭に掲げている「子供が笑うことへの集中・徹底投資策」には、意気込みが感じられるとして評価してもよいとの意見が出たという。

しかし、民放テレビ討論会で同氏が発言した、「日本の核武装」の真意を質す問い掛けに対して、同氏が「番組のコメンテーターとして際だった発言を求められる立場だったため、あのような不適切な発言になった。公人になればそうした発言は控えたい」と述べたが、公約説明の席上で発する見解ではないなどとの反発が大勢を占め、「推薦」を見送り、「支持」に決まったという。

とはいえ、橋下氏に対しては、形の上では自民推薦・公明支持となったものの、事実上自公共同支援体勢には変わりがなく、民主推薦の熊谷氏、それに共産推薦の梅田氏との3極対決選挙が33年ぶりに繰り広げられることになった。

<産経新聞がインターネットを使って有権者500人を対象にアンケート調査を19日20日両日おこなったところ、知名度は、橋下氏が90%以上、熊谷、梅田両氏は30%台だったという。また知事としてだれが好ましいかの問いに、45.2%が橋下氏、熊谷氏が29.4%、梅田氏は7.6%だった>とネットに掲載している。

こうした知名度の高い候補者に対して府民の間からは、極限状態の大阪府を救済する知事には、「タレントや学者は不要。必要なのは地方行政を知り尽くした政治家が欲しい」という声が強まっているが、総選挙を控え何が何でも勝ちに行きたい政党にとっては、知名度の高さは何にも代え難い宝物だ。

とくにノリノリが好きな大阪府民が、大阪知事選挙にどう反応していくかは既に見えているような気がしないではない。(了)  2007.12.26

◆本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」に掲載されました(編集部)

★メイル・マガジン「頂門の一針」1039号 2007年12月27日 (木) 

<目次>
      ・世界を覆い始めた華銭:宮崎正弘
      ・改めてトウ(!))小平強靭:渡部亮次郎
      ・大阪知事選 3極対決の激戦へ:毛馬一三
      ・太宰治「十二月八日」(2/5):平井修一

           話 の 福 袋
           反     響
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2007年12月15日

◆1.まだ揺れる大阪知事選 (毛馬一三)

  ◆ 2.知事選を芸能人の人気取りにするな (川原俊明弁護士) 
                 

<★まだ揺れる大阪知事選>
                   毛馬 一三

大阪知事選は、3っ巴になることには間違いありませんが、政党三極になるかどうかは、まだまだ不透明です。

ご承知のように民主党は、大阪大大学院工学研究科教授の熊谷貞俊氏(62)を17日の同党府連主催のパーティーで出馬表明させます。共産党は弁護士の梅田章二氏(57)を既に推薦しています。

問題は、12日に出馬表明した弁護士でタレントの橋下徹氏(38)に対する自民公明両党の対応です。マスコミは「自公推薦」が決定しているかのような報道していますが、実態はまだ決まっておらず、そこまで決め付けるのは、些か行き過ぎた「報道」です。

大阪自民府議会派では、出馬に向けた橋下氏の「出る、出ない、出る」の豹変振りに府議の大半が批判的で、しかも出馬会見で出馬の決意を「タレントの後押し」を理由にしていることに、不快感を顕にしています。

また公明会派は、橋下氏からの「推薦要請」は一切受けていないため、それすら討議の対象に上がっていません。それに加え、橋下氏に纏わる「金銭スキャンダル」の風聞に過敏になっており、「推薦」に至るかどうか、いまのところ先行きは文字通り不透明です。

ところで、橋下氏の母体である大阪弁護士会の弁護士中に、橋下氏の出馬に批判的な人が目立ち、上記指摘のような脱税に絡む「金銭スキャンダル」のうわさを挙げて、法曹界からの知事候補としては不向きだと断じる声も聞かれます。

この「金銭スキャンダル」にまつわる風評がこれから大きく噴出すことになれば、太田房江知事の出馬断念の火種となった「政治とカネ」と結び付けられて、「推薦」同意を得ることが難しくなる事態も予想されます。

となると、自公、民主、共産による33年ぶりの国政与野党による政党三極対決となるか、それはまだ不確定ということになります。
場合によれば、自公、民主相乗りの構図も、捨て切れない選択肢で残されていることも事実です。


とはいいながらも、「新らしモン」や「ノリノリ屋」、「タレント・芸人」好きの大阪人気質は、政党の組み合わせによる候補者選びは関係なく、過去の知事選で漫才タレント知事を誕生させた経験があることはご存知の通りです。

ですから、仮に橋下氏が政党の推薦を得られなくなったとしても、「爆破的なタレントとしての知名度」を発揮すれば、他候補と互角に戦う力は持っていると見られるだけに、勝敗の行方に関しては、ここ大阪に限り、政党「推薦」とは別物のような気がします。
(了)2007.12.

2007年12月12日

◆橋下弁護士が出馬表明

毛馬 一三

「橋下弁護士が出馬?出へんと言ってたんとちゃうの?」。弁護士でタレントの橋下徹氏(38)が12日午前、大阪府庁で記者会見し、 08年1月10日告示、27日投開票の大阪府知事選に一転、出馬表明をした。上記感想は、この急展開に対する大阪府民の率直な気持ちだ。

出馬表明の中で橋下徹氏は、「11日午後に立候補出来る環境が整った。私に、二転三転した印象があるようだが、普通の都道府県並みになってしまった大阪を明るく、活力ある楽しいまちに変えたい。子供が笑い、府職員が汗を掻ける府政運営に全力を上げる気持ちにブレはない」と強調した。

この出馬表明にあたっては、経済評論家の堺屋太一氏らが後押しして、自民党に働き掛けたと漏らす関係者もいる。橋下弁護士としては、自民・民主・公明3党に「推薦」を要請したことも会見で付け加えた。

ところで、今日の出馬会見は橋下弁護士が自ら急遽開いたもので、地元大阪府議会の自民公明会派には正式な連絡はなく、また両党本部からも今のところなんの指示もきていないという。

従って橋下弁護士の出馬に対し、民主党との相乗り問題もまだ不透明なことから、自公会派の対応は、これからの情勢を見極めて決めたいとしている。

一方関係者によると、民主党は橋下氏の「推薦」には応じないとした上で、17日の民主主催のパーティーで独自の候補者を擁立する構えを崩していないという。

このように大阪知事選は、政党のしがらみで「ほんま、どうなるんや」といった具合に、まだ流動的だ。
                       
橋下氏は、大阪府立北野高校、早稲田大学卒業後、97年に弁護士登録。タレントとしてテレビ番組に出演している。

府知事選には、これまでに共産党推薦の弁護士、梅田章二氏(52)が無所属で立候補を表明している。(了)          2007.12.12

2007年12月05日

◆橋下弁護士 一転出馬要請を固辞?


                      毛馬 一三

08年1月28日の大阪知事選挙で、大阪弁護士会所属の橋下徹氏(38)を擁立する動きが自民・公明両党を軸に進んでいたが、5日午前10時半、橋下弁護士の法律事務所から同要請を固辞する電話連絡があった。

大阪府知事選挙をめぐっては、自公両党の組織内で、民主党を含めた3党の相乗りを前提に候補者選びを進めることに強い反発が出だしたことから、自公両党は、弁護士でタレントとしてテレビにも出演している橋下徹氏へ出馬意向を打診してきた。

関係者の話によるとその際橋下氏は、接触した自民党幹部に、立候補に前向きな意向を伝えていたという。

ところが、一転して固辞した理由について事務所側は、「山口県光市の母子殺人事件差し戻し控訴審を巡る損害賠償請求訴訟の対応の追われている」ことを上げていると関係者は証言するが、弁護士自身から直接の固辞の言葉は受けていないという。

しかし自公複数の幹部は、事務所からだけの連絡で「要請拒否」と即断するのは早計で、弁護士本人から直にその意思を確認出来るまでは、本人には要請に前向きだった以前の意向を勝手に否定するわけにはいかず、目下確認を急いでいるところだと言っている。

ということは、「固辞」が確定した訳ではなく、本人自身になお要請を受ける意思が多少でもあれば、粘り強く説得したい腹積りだ。告示まで1ヶ月しかない府知事選挙では、テレビ出演などで知名度が高く、選挙の帰趨を左右する無党派層からの支持が期待できる同弁護士を、短期決戦の決め手の候補者にしたいという考えはまだ変わっていない。

ただ、事務所のいう通り「固辞」が本人から確認される場合も想定して、水面下では知事経験者や有識者、官僚への模索を進めているとも関係者は明かす。

こうした中、民主党内には小沢代表が「政党相乗り禁止方針」を示したことや自公を軸に俄に「橋下擁立」の動きが今回表面化したことから、独自候補擁立論が強く台頭しだした。このため民主の今後の動向次第では、先の大阪市長選挙と同様、中央の与野党対決の構図再現の激しい選挙戦も予想される事態となってきた。(了)   2007.12.05

◆橋下弁護士を自公で推薦へ

毛馬 一三
       <本稿は、日本一メルマガに掲載されました=編集部>

08年1月28日の大阪知事選挙で、大阪弁護士会所属の橋下徹氏(38)を擁立する動きが自民・公明両党を中心に出てきた。

大阪府知事選挙をめぐっては、現職の太田房江知事が立候補を断念したことを受けて、自民・民主・公明の各党が、水面下で3党相乗り可能な新たな候補者の人選を進めてきた。

しかし自公両党の組織内で、3党が相乗りを前提に候補者選びを進めることに強い反発が出だしたことから、両党を軸に弁護士でタレントとしてテレビにも出演している橋下徹氏へ出馬意向を打診してきた。

自公両党が橋下徹弁護士の擁立で動き出したのは、告示まで1ヶ月しかない同選挙では、テレビ出演などで知名度が高く、選挙の帰趨を左右する無党派層からの支持が期待できる同弁護士が、短期決戦では最適者と判断した理由が底流にある。

関係者の話によると橋下氏は、接触した自民党幹部に、立候補に前向きな意向を伝えているという。

このため自民・公明の両党は、5日から、地元議員や傘下組織と協議を進め、最終的な結論を出すとしている。

橋下徹氏は、大阪府立北野高校から早稲田大学を卒業後に弁護士となり、現在は大阪市内で法律事務所を開いている。

こうした中、民主党内には依然として独自候補擁立論も根強く、民主の今後の動向次第では先の大阪市長選挙と同様、中央の与野党対決の構図再現の線もあり、激戦も予想される。(了)   2007.12.05


◆<上記原稿は、平成19(2007)年12月05日(水)発刊・メイル・マガジン「頂門の一針」1018号に掲載されました>

   <目次>
        ・橋下弁護士が自公候補に浮上:毛馬一三

  ・あれが公正選挙とは:宮崎正弘

  ・星野仙一は大丈夫か:石岡荘十

  ・収拾のつかない事態へ:大紀元日本

  ・参謀本部「機密戦争日誌」:平井修一

  ・ 南京陥落 70年 国民の集い

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2007年12月03日

◆遂に大阪府知事選立候補断念

自民公明民主3党から“推薦”を拒否されて“孤立無援”の状態に陥っていた大阪府の太田房江知事(56)が、遂に3選出馬を断念した。

太田知事は、3日午前11時すぎから緊急記者会見し、12月7日に出馬表明をする予定を急遽取り止め、3選を目指した08年1月の知事選に立候補しないことを正式に表明した。

その理由として「今の状況では立候補は不可能と判断した。この8年間、一定の成果を上げ、府民1人1人にそれを実感してもらうことが私の役割と思ってきたが、ここ最近の出来事で府議会や府民の信頼を損なってしまった。支援者の方々といろいろ相談したが、状況は厳しいと判断した」と述べている。

太田知事は、中小企業経営者などの任意団体の飲食をともにした講演会に出席、あわせて883万円高額謝礼を受けていた問題など、知事をめぐる「カネと政治」スキャンダルが相次いで発覚。このため知事与党だった自民・民主・公明の3党が、相次いで推薦を拒否。さらに、支援母体の連合大阪や経済界も支援しない態度を明らかにしだしたことから、事実上“裸の女王”になり、予想されていたとはいえ、遂に立候補断念する決意したようだ。

太田知事は、横山ノック前知事の辞職に伴う平成12年の大阪府知事選挙に自民・民主・公明などの各党の推薦を受けて立候補し、全国で初めての女性知事に就任して、2期務めた。

太田知事の出馬断念を織り込み済みだった自公民主は、今起きた「知事の出馬断念」になんら動揺はない。むしろ水面下では3党による今後の選挙戦の進め方についての協議を急ぎ進めたいとしいる。

3党とも、切迫する衆院選を意識しながらも、知事選挙を中央与野党対決と同じ次元に持ち込むことは避けたいとの意向では内々合意している模様で、民主の独自候補の擁立に、自公が相乗りする「京都市長選挙方式」の公算が強まっている。

民主では、今週中に「候補者擁立」にこぎ着けたい腹だと関係者は言っており、現在学識経験者の候補者数人の名前が浮上しているという。大阪知事選挙は急展開が予想される。(了)    07.12.03

2007年11月30日

◆太田大阪府知事が出馬断念?

                    毛馬 一三

大阪知事選は、知事にまつわる「カネと業者癒着」のスキャンダル批判が収まらないのを受けて、突如知事与党3党が推薦を拒むことになり、結局3選を目指す現職知事が出馬断念も予測される異常な事態となってきた。

08年1月10日に告示される大阪知事選挙は、3選を目指す太田房江知事(56)が12月7日に出馬宣言を行い、与党の自民公明民主3党に「推薦」を正式要請する段取りを組んでいた。

しかし、一番先に推薦に回ると内外から見られていた民主党が、相次ぐ「カネと政治」のスキャンダル批判を受けている太田知事に、選挙では府民の支持は得られないとして、一転して「推薦」を取り止め、独自候補者擁立に踏み切る意向を29日の会見で明らかにした。傘下の支援組織連合大阪とも共同歩調を取るという。

これに対して最大会派の与党自民と与党公明では、「カネ」に絡む太田知事のスキャンダルが相次ぐ中で、もともと太田知事に対する府民の不信感を拭うことは出来ないとして、3選出馬の推薦には応じられないとの意向を固めていた。

このように太田知事の推薦を拒んだ民主党の動きが、29日に急遽先行したことから、結果として与党3党が「太田知事離れ」で一致することが、事実上確定したことになった。

となると、今後この「太田離れ」の3党が再び「相乗り」する形で、新人候補を共同で担ぐかどうか、ということが焦点となる。

この点では、民主は「自公に相乗りは出来ないが、民主に自公が相乗りすることまでは阻まない」と、与野党対決を回避する道も開く姿勢をのぞかせている。

そこで焦点は自公の動きとなるわけだが、この知事選で自公の退潮と受け取られかねない「市長選の二の舞にはしたくない」との意見が大勢を占めている。つまり自公で独自候補を擁立し民主党と対決する形は避け、その上で民主の候補者に相乗りしてでも知事選に「勝利」を手に入れることが、先決という理屈だ。

しかもこの判断は、現3与党が分裂して票を分散すれば、府下に強力な支持基盤を有する共産党票に凌駕され、共産府政の再現に手を貸すことになりかねないという危機感から出ている。と同時にスキャンダルの太田知事を2期8年支持してきた3与党から離れていく組織票と、特に「カネにまつわるスキャンダル」を嫌う無党派層が大挙して、共産党へ流れていけば収拾が付かなくなるという訳だ。

こうした情勢を踏まえ「太田氏離れ」をした自公陣営としては、中央の与野党対決の代理戦争は避け、3党相乗りをすることで、強力な共産票の封じ込めと無党派層からの集票に一致団結して臨みたいのが本音だ。

29日の午後からは水面下で、自公両党が民主の推薦する新人候補に相乗りする意向を内々伝え折衝を進めている。告示日が切迫する中で、仮に民主党に候補者探しが暗礁に乗り上げた場合は、自民がこれまで打診してきた候補者を、民主候補者として擁立してもらう事もやぶさかでないとの意向も伝えているようだ。

こうした情勢下で、知事が中小企業経営者らで作る任意団体の飲食をともなう講演会で883万円もの高額講師謝礼を受け取り、その団体に所属する21の企業に大阪府が随意契約で36億円もの工事を発注したという「カネと癒着」疑惑についていくら釈明と謝罪をしても、疑惑と批判はそう簡単に沈静化する気配を見せていない。

知事支援周辺では、再度3与党を巡回して「推薦拒否」の撤回をひたすら求めたい方針だが、正直対応策に苦慮している。知事の最大支援母体だった関西財界内に、支援に難色を示す動きが出始めていることにも頭を痛めている。

こうしたことから知事周辺では、3選出馬断念も否定できないとの意見も出始めており、太田知事は苦境に立たされて来たと周辺関係者は漏らす。大阪知事選は、再び大きな局面を迎えた。(了)
                      07.11.29



◆上記記事は「わたなべりやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 1013号・平成19(2007)年11月30日(金)」に掲載されました。

<目次>

  ・孤立する参院民主党:古澤 襄

  ・無謀な山岡国対委員長:渡部亮次郎

  ・太田大阪府知事が出馬断念?:毛馬一三

  ・ヒラリーは苦戦に陥る:宮崎正弘

  ・ 南京陥落 70年 国民の集い

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2007年11月28日

◆混迷深まる大阪府知事選

                  毛馬 一三

08年1月10日に告示、同27日に投開票される大阪府知事選挙が、ここへ来て俄に混乱の度を噴出してきた。終わったばかりの大阪市長選挙につづき、再び激震に見舞われる見通しとなってきた。

3選を目指す大阪府の太田房江知事(56)は、この29日に「立候補表明」をする腹積りだったが、突如期するところがあったのか同表明を何と12月7日まで延期する意向を固めた。1日でも早く体勢を整えたい筈の知事が、こうした異様と思える意向を示したことで、その動揺振りを露呈する印象を世間に与えた。

少なくとも、前回の選挙の時の出馬表明が、告示に先立つこと4ヶ月前だったことを考えると、今回告示までほぼ1ヶ月前に迫った時点にまで出馬表明を延期せざるを得ないという事態は、極めて異常そのものだ。

この知事の出馬表明延期には、大きく分けて2つの理由がありそうだ。1つは、現在知事与党の自民・公明・民主3党の相乗り体勢が、果たしてそのまま継続し共同推薦を受けられるか。2つ目は、知事に集中している「政治とカネ」に対する批判が早期に鎮静化の方向に向かうか、その対策を講じるためだ。

順序を逆にして、2つ目の理由から先に触れたい。発端は、太田知事が883万円の高額講演謝礼を受け取った中小企業経営者らの任意団体所属21企業に対し、大阪府が338件総額約36億円の業務契約をしていたことが明るみに出たことからだった。

このうち契約金額が5億円を越えた2件は、太田知事が決済していたという(読売新聞11.21朝刊)。これは、正に講演会を通じての知事と業者の癒着疑惑だとして府議会各会派は一斉に反発、「知事の政治とカネ」との関りを追及する姿勢を強めだした。これ以前にも太田知事が東京の政治団体の事務所を親族の住むマンションに置き、月額5万円の賃料を払っていた問題も発覚しており、カネにまつわる疑惑はこれとも重なって広がった。

これが最大会派の自民党と公明党会派の間で、太田知事を3選に向けて「推薦できるかどうか」の決定的な疑念の火種になった。2つ目の理由である。

そこで1つ目の理由だが、上記問題が表面化する前の段階で、大阪市長選挙に勝利した民主会派は、その勢いを駆って一気に知事選まで制しようと、自公に先んじて太田知事の推薦を決める方針を一旦固めた。そして「自公の候補には乗れないが、民主の候補を自公が推薦することまでダメだとは言えない」と結果的に相乗りになることを容認する余裕の姿勢も示していた。

しかし、その直後に「知事のカネと政治」まつわる問題が発生。これを機に府民の反発の中で民主が突出して太田知事を担ぎ、知事選を先導することに自重を求める慎重論が会派内に出始め、いま静観を余儀なくされている。

一方、中央政治の代理戦となった大阪市長選挙で、民主に大敗した自公会派は、知事選で民主との相乗りは在り得ないとして、自民会派では独自の候補者探しを進める動きが出始め、テレビにも出て知名度のある私立大学の女性教授と比例区の女性代議士の2人に絞って、密かに出馬の打診を進めている。

しかも市長選挙の際、自公の推薦する現職市長の応援を保留していた太田知事が、当選した民主候補者に「当確」速報の直後に共にバンザイしたことが、自公両党から厳しく批判され、自公の太田離れに拍車を掛けた。そこへきて今回の「政治とカネ」の問題、太田知事への反発は頂点に達した恰好だ。

太田知事が出馬表明を延期したのは、こうした2要因が重なり合い、しかも非難轟々の与党の動きを看過できなくなったためで、止む無く延期の措置を取り、「表明」までの10日の間に3与党相乗り体勢を何としてでも固めたいとの意図のようだと、知事周辺関係者は苦衷を覗かせる。

このように大阪知事選挙は、「自公民の3与党」の相乗り体勢が崩れ、大阪市長選挙と同じ与野党対決の構図が再現する可能性は、激震の余波を考えると否定は出来ない。ただしその場合は、太田知事を民主が推薦し、自公が新人候補を擁立するというパターンの時である。

ところが、大阪知事選では共産党勢力が強く、かって共産党知事が誕生したことがある。だから3与党の間では3与党の枠組みが崩れて独自候補を立てる事態となった時に組織票が分散して、共産党の候補者を有利にすることになるという危機感が底流にある。

しかも与党サイドで追及する「カネと政治」の批判が、無党派層を共産票に流れさせてしまう皮肉な結果にも繋がりかねないとの
見方も出てきている。

こうしたことから、これからの10日の間は極めて流動的で、中央の構図を反映した市長選挙同様の「与野党対決」が再現するか、それとも「政治とカネ」という難問が沈静化で3与党会派の相乗りが固まり、共産府政を阻む戦いに挑むのか、知事周辺と3与党の10日間の動きは予断を許さない。(了)    07.11.27

◆同上「大阪知事選」記事は、メイル・マガジン「頂門の一針」 1011号
   平成19(2007)年11月28日(水)に掲載されました(編集部)

   ●「頂門の一針」 <1011号・目次>
     ・万能細胞への臨床医のコメント:石岡荘十

  ・報道されぬODA惨事:内田一ノ輔

  ・馬鹿につける薬:渡部亮次郎

・今度は大阪府知事選混迷:毛馬一三
 
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2007年11月19日

◆野党が制した大阪市長選挙

                    毛馬 一三

大阪市長選挙が18日投開票され、民主党、国民新党が推薦し社民党が支持する元民放アナウンサーの新人・平松邦夫氏(59)が、自民公明両党が推薦する現職の關淳一氏(72)らを破り、初当選した。

平松氏は、昭和22年に市長公選制になって以来、初めての民間出身の市長となる。

同市長選挙は、福田政権発足後初の政令都市市長選挙で、自公と民主が激突する与野党対決の色濃い大型構図となったが、先の参院選挙の勢いをそのまま維持し民主党が、この“対決”にも圧勝した形となった。

○投票結果は、
(当選)367058 平松邦夫(59)民主・国新推薦・無所属 新         317429 關 淳一(72) 自民公明推薦 無所属 現
113201 姫野 浄(72) 共産推薦 無所属 新 
89843 橋爪伸也(46)無所属 新

昭和38年以来の政党対決となった今回の大阪市長選挙は、自公推薦の現職と民主推薦の新人との事実上の一騎打ちとなり、同時に連立与党と参院選で大勝した民主の激突という中央政界の代理戦争ともいえる様相を示した。

告示当日に起きた「民主小沢騒動」の激震で、一時は市民の間に白け冷風が吹きぬけたが、民主陣営では「この戦いは、迫る衆院選の勝利に繋げる前哨戦」として、来阪した小沢代表や鳩山幹事長ら党幹部が揺れた組織を引き締める一方、現職市長と離反していた市職労組や部落開放同盟などを陣営内の中核に据えてフル活動した作戦が功を奏した。

民主推薦の新人に敗れた自公陣営の有力幹部が、敗因は「参院選で大勝した民主党の風の“高留まり”がそのまま続き、民主党に寄せる期待感がなお強かったのを、自公の力で食い止められなかった」と自省する一方、關市長の2期目に手がけた市政改革の内容とこれからの方針が、市民の理解と評価が十分に得られなかったことも要因だと指摘した。

しかも、国会と訪米の日程があるにせよ、その間隙をぬって福田首相自ら来阪しなかったことも、市民の眼には市長選挙に取り組む民主党との温度差とし映り、これも集票に繋がらなかった一因ではなかったか、と同幹部は声を落とした。

平松邦夫氏は、当選確実となった直後のインタビューで、「大阪を再生させるため、あらゆる情報開示を行い、市民サービスを低下させないシンプルな政策を心掛けたい」と抱負を語った.

が、具体的な政策を進め方について聞かれると、「市庁に入って、有能なスタッフと共にこれから取りまとめたい」と述べるだけに止まり、依然「市政には素人」を売り物とする気懸かりな発言をした。

と同時に大阪市会との対応についても平松氏は、「いずれの会派とも、共同歩調と対決の両面で臨む」と楽観とも受け取られる考えを示した。しかし与野党対決で敗れた自公与党は、衆院選挙を控えて民主との対決姿勢を崩すことを視野に入れておらず、平松新市政は民主単独の少数与党による市議会運営を迫られることから、難航は避けられそうにない。

いずれにしても、民主党の追い風と現職市長の“身から出た錆”といわれる市政停滞批判に援けられて当選を決めた平松新市長だが、気になるのは選挙の争点となった市営地下鉄民営化問題、破綻寸前の財政再建策、大阪まちづくり計画、巨額赤字の第3セクター処理などの重要課題については、選挙中から明確にせず、すべて持ち越していることだ。

国政の代理戦争を背景に勝利した新平松市政は、待ったなしのこれら市政重要課題にどのように望むのだろうか。市民パワーを表看板に登場した新市政が、地に着いた市政運営に実を付け出すのは何時のことだろうか、与野党対決決着の戦塵の燻る中で、はやくも懸念を寄せる声が高まっている。

 敢えて記しておきたいことは、与野党対決という党利党略の激突する中で、政党に頼らず無党派層に“大阪の現状危機”を訴え、新人ながら異例の9万票も獲得した元市大教授の橋爪伸也氏の存在だ。

今回投票率が43.61%と、市長選が単独選挙となってからの最高を記録したが、これは与野党対決旋風の所為ばかりではない。やはりどん詰りの大阪を政党に頼らず、都市再生の専門家に委ねたいと願った9万票が介在したことも見逃せせない事実だ。新市長は、こうした市民派の声に真剣に耳を傾けて貰いたい。(了)
                      2007.11.19

2007年11月17日

◆結局、与野党全面対決へ

毛馬 一三

民主小沢騒動で迷走していた大阪市長選挙は、18日の投票日が迫るにつれ、結局自公与党と民主野党が「勝敗は次期衆院選への影響を及ぼしかねない」との判断を固めた本格的な態勢を取ったことから、真っ向勝負の様相となってきた。

騒動の張本人民主小沢代表が、推薦する元アナウンサー新人候補を激励するため16日来阪。街頭演説には出なかったものの訪問した事務所で、候補者の前に「この選挙は、新しい市政をつくるだけではなく、来るべき衆院選に重要な選挙」だとゲキを飛ばした。また鳩山幹事長も来阪して街頭演説に立ち、中央地方での民主主導政治の確立を訴えた。

「市長選挙と政局とは別物」として、暗に小沢騒動による影響を最小限の抑えようとしていた民主新人陣営では、本部の強烈なテコ入れに押された恰好で運動姿勢を急遽転換、10万人を擁する強力団体の支援と、民主党、労組などの陣営内主力組織を固めるため、俄に与野党対決の構えを前面に打ち出してきた。

一方自公与党の現職陣営では、自民本部の副幹事長が常駐させて、陣営内の自民指揮態勢を固め、地元・応援代議士、府議・市議を投入すると共に候補者との連動布陣をきめ細かく決めるなど、終盤型の組織固めに懸命になってきた。

与党公明は、38万票の組織を漏れなく現職候補にまとめるため、党代表をはじめ、閣僚や党代表代行が来阪して、衆院選並みの応援態勢で臨んでいる。

関係者の話を総合すると、「民主候補が先んじていた趨勢も、終盤に来て両陣営はほぼ互角になった模様」との分析が出されていという。しかし問題は40%前後の「無党派層の去就」。政党が推薦する3候補が中々食い込めない同層には、候補者の中で1番若く、党利党略に左右されない元大学教授の新人候補への期待感が高いという。

同候補は、「後ろ向きの改革ばかりしている70歳の市長に任すわけにはいかない。シロウトのアナウンサーに大阪を託すわけにはいかない。大阪のために「いのち」を捧げる男でないと大阪市長が務まるはずがない」と都市再生を専門とする市民派をあからさまに訴え、政党推薦の選挙戦に背を向ける、特に40台以下を中心とした無党派層に食い込みを狙っている。

このため、政党が推薦する3陣営では、残された僅かの時間に無党派層への食い込みを運動の主力とする戦術を事実上手控え、むしろ足元の傘下有力組織と地元議員の基礎票固めで勝敗の決着を付けたい方針に集中してきた。

となるとやはり残された大詰めの最終盤は、告示以来大きな曲折はあったものの、当初予想された通りの与野党全面激突がふたたび復活することになってきたことになる。

だが、衆参両院の国政選挙とは違い、政令都市の市長選挙ともなれば、地元特有の行政改革や都市再生など地域に山積した重要テーマの対する公約の審判が置き去りになっていい筈はない。党利党略によって地方首長の選挙が決定されるということに地元有権者の反発が強いことも事実だ。

果たして、与野党対決一色に染まった大阪市長選挙が、市民にどのように判断を下されるのか。18日の選挙投開票の結果を見守りたい(了)
   2007.11.16

◆日本一のメルマガ「渡部亮次郎氏の頂門の一針  第999号
 平成19(2007)年11月17日(土)に掲載されました(netmo編集部)

<目次>
   
・毛馬さんの原稿差し替えにつき修正版を配信します。

  ・ 小沢的と小泉的:古澤 襄

  ・ 終盤の大阪市長選挙:毛馬一三

  ・ 鰻は冬が美味なのだ:渡部亮次郎

  ・憂国忌の案内:三島由紀夫研究会

                         話 の 福 袋
                         反     響
                         身 辺 雑 記


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2007年11月12日

◆民主小沢騒動の余震

                      毛馬 一三

民主小沢騒動で告示当日激震が走った大阪市長選挙は、後半戦に入ってからも各陣営は、まだまだその余震に揺れている。

困惑を隠せないまま方向転換を余儀なくさせられたのが、当の民主推薦の陣営。当初は参院大勝利を背景に一挙に態勢固めにこぎ着けたい腹だったが、戦い突入直後にこの騒動に巻き込まれた。

以来、「中央の動きと市長選とは別」と内部動揺の沈静化に躍起となり、関係傘下諸団体の総動員と候補者のキャラクターに頼った前半選挙戦だったが、後半戦に入っても当初の目算狂いのダメージから未だ完全に抜け切ってはいない。

「衆院選の勝利は困難で、民主党は力量不足と言い放った小沢代表が応援に来ても、党への期待や信頼の回復にはつながらず、反ってイメージダウン」だとして、来阪はお断りとの辛辣な意見が陣営内部に今なお燻ぶっている。

ところが、この小沢騒動で漁夫の利を得たのが、現職市長と政党の推薦を受けない無所属新人。自公の推薦は受けている現職市長陣営は、「思わぬ敵失で、フォローの風が吹き出した」と、むしろ民主党との全面対決を打ち出す作戦で臨んでおり、民主陣営とは明らかに対照的。

他方、政党推薦抜きの新人陣営では、「政党が絡めば、大阪を本当に変えるリーダーの誕生は期待出来ない」として、今回の小沢騒動を批判。「都市再生を目指す市民派市長」の選出こそが今回の選挙の課題だと訴えながら、小沢騒動で白けた市民の間に食い込もうとしている。

某陣営が入手した、某報道機関の大阪市長選挙の世論動向調査情報によると、多少の程度の差はあっても、政党支持の3候補は選挙戦前半で、組織の半分以上を既に固めているという。だが、投票に行くと答えた無党派層の中には、政党に左右されない新人候補への期待が大きいという結果が出ているという。

こうした中、この10日大阪に出張ってきた民主党の幹部は、「今回は非常に大切な選挙だ」と街頭演説して、この市長選挙を政権交代への呼び水にしたい強調。一方現職市長陣営でも、11日に自民党本部の四役が來阪、「与党もこの選挙を重要な選挙として位置付けている」と、与野党対決姿勢を打ち出し、来る衆院選挙の前哨戦として華々しい勝利を収めたいと演説した。

しかし、このような政党対決の印象付けが、果たして後半の選挙戦の「利に叶うか否か」、各陣営はその判断と対応に苦慮している。つまり、政党が対決姿勢を露骨に見せれば其れだけ、小沢騒動が種を捲いた党利党略の政争の具に、大阪市長選挙が利用されるのはゴメンだとの市民の声が強まりそうだからだ。

たしかに首都圏に次ぐ都市圏大阪は、一局集中の煽りをもろに受けて、経済・産業共に停滞し、極端な財政難に直面している。利に聡い大阪市民の願いは、与野党対決などの関心より、如何に大阪の再生に力を発揮できる市長を選ぶかが先なのである。

211億円の黒字を出している大阪市営地下鉄の民営化の是非、市の第3セクターの赤字など6000億円の「負の遺産」の処理問題、職員削減を軸とする市政改革など、山積する財政再建の難問題の解決を急ぐよう求めるのが、市民の声だ。

大阪市長選挙の各陣営は、投票日までの残された期間に、小沢騒動の余震で揺れる市民の関心をどのようにして投票行動に結び付けるかが正念場となってきた。(了)                2007.11..11

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