平井 修一
■10月18日(日)、朝は室温21度、快晴、ハーフ散歩。
9.29(苦肉)の転倒事故以降、体力の衰えを痛感すること、しばしばだが、昨日は体が揺れまくるというか、ふらついて往生した。一体全体どうしたのだろうと調べたら、「飯食ってるの?」と真っ先に出てきた。
そういえば、と10月のカレンダーを見てびっくりした。1、6、11、17日以外は孫・子らが来ていたのだ。つまり必死で夕食を作り、疲労困憊して小生は食欲をなくし、ちょこちょこっとおかずを肴代わりにつまんで終わりという日がずーっと続いていたのである。
慌てて卵を落とした味噌汁と納豆でご飯を一膳食べたら、体調は少し回復してきた。家族や犬の食事管理はしっかりやっているが、医者(主夫)の不養生で、自分のことを忘れていた。まったく危ないところだった。
適度な運動ときちんとした食事。これが健康維持の要だ。忘れないようにしないといけない。ネットと酒、散歩を楽しみ続けたいのなら「胃の用をということだ。(なんと少欲なのだろう!)
支那人の生き甲斐は「蓄財蓄妾美酒美食」だが、先立つものは賄賂で、これがあるからこそ一所懸命に働く。なければ働かない。高口康太氏(ジャーナリスト、翻訳家)の論考『汚職の次は「さぼり」を取り締まり始めた中国』(ニューズウィーク10/15)から。
<13日、日本に導入されたばかりのマイナンバー制度をめぐる汚職事件が発覚した。厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者が経営コンサルタント企業から現金100万円を受け取った容疑で逮捕された。
日本の汚職事件はいつも中国人に新鮮な驚きを与える。「たったこれっぽっちの収賄で官僚が逮捕されるの?」という驚きだ。ちょっとしたポジションにつけば数億円、数十億円の蓄財が当たり前の中国とは次元が違う。
汚職は官僚の専売特許ではない。先日、知り合いの中国人から「ブランド物の財布が欲しいので、日本で買ってきて欲しい」と連絡があった。
月給3000元(約6万円)程度のコックさんなのによくお金があるなと思って話を聞いてみると、仕入担当となったため業者からキックバックをもらえる身分となり、一気にお金持ちになったのだとか。
悪徳業者の横領によって社員食堂や学食の食事が劣化、暴動騒ぎになるというのはよくあること。突然ブランド物で身を固めた彼が吊し上げられないか、心配である。
ことほどさように、中国では権力、権限と金が深く結びついている。うまい汁を吸えない一般市民がもっとも恨みを抱く問題であり、権力の正統性を失わせる要因だ。この状況を変えようとしたのが習近平体制の反汚職運動だ。
大物官僚のみならず膨大な数の官僚が摘発された。実際には摘発数の割当を満たすため、拷問してまで無理やり汚職を自白させているケースもあるが、反汚職運動が習近平の庶民人気を支える柱となっていることは間違いない。
*「汚職は避けられないから仕事をしない」という説
ところがこの反汚職運動が今、中国経済の足をひっぱっていると問題になっている。賄賂に使われる高級贈答品が売れないという話もあるが、それ以上に注目されているのが「不作為」だ。
「不作為」とは、やるべきことをしないこと、つまりサボタージュだ。積極的な経済成長策を実施しない、開発に取り組まない、企業誘致を行わないといった問題である。これらが経済成長の鈍化につながっているのではないかと懸念されている。
不作為の動機については諸説が飛び交っている。第一に、賄賂がなくなり仕事をするモチベーションがわかないという解釈。第二に、反汚職運動に対する消極的な抗議という説だ。
サボタージュが広がれば反汚職運動をストップせざるを得ないとみて政権に圧力をかけていると考えられる。
一番面白いのが第三の説で、官僚が仕事をすれば確実に汚職が発生するので保身のためには働いたら負けだという説である。自分だけ清廉潔白を貫こうとしても部下が収賄していれば監督責任を問われる。
冒頭でも述べたように、権力、権限があれば必ず汚職があるのが中国の常。汚職撲滅が無理なら仕事をやめるしかないというあきらめの境地だ。
*予算未執行、プロジェクト遅延、空き地未開発を処罰
9月末に、李克強肝いりの督査グループの調査結果が公表され、24省・市・区の官僚249人が処罰された。主要な摘発対象は、予算を執行せずにプールしていたという予算未執行、土地収用や工事着工が決められた期日通りに進まなかったというプロジェクト遅延、そして空き地未開発の3分野だ。
中国の土地収用は大都市近郊の農村では「補償金で一夜にして大金持ちになった農民が酒とギャンブルにおぼれて社会問題に」というケースまであるほど。
それほど多額の補償金を支払っているならば、政府や払い下げを受けた企業はどうやって儲けているのだろうか。答えは時間である。何年間か土地を寝かせてから売却すれば、値上がり分が利益となる。右肩上がりの地価上昇が続いているからこそできる芸当だった。
土地価格の急騰が止まった今でも、地価下落を防ぐために空き地の転売面積は慎重に制限されてきた。中央政府はこれを「屯地」(土地買い占め、屯は国構え)と呼んで批判してきた。不作為の典型として槍玉に挙げられたが、古くからの問題である。
予算未執行やプロジェクト遅延も、必ずしも不作為と直結する話ではない。懸念されていた不作為と実際に摘発された案件には大きな隔たりがある。サボりを摘発するのは難しいということだろう。
汚職がいいわけではないが、官僚がばりばり仕事をするためのインセンティブであり、いびつな成果主義として機能していた側面もある。反汚職運動を進めるならば、インセンティブを与える別のシステムも作る必要があるのだろう>(以上)
シンガポールでは汚職を鎮圧するために役人の給料を社長並にしている。「汚職する必要がない」のだ。リークアンユーは華人のマインドをよく知っていた。高給待遇でしか防ぎようがない、と。リークアンユーを尊敬する習近平も倣ったらどうか。
■10月19日(月)、朝は室温21度、秋晴れの快晴、ハーフ散歩。
柿の実が色づき収穫期を迎えたが、老人世帯では誰も収穫できない。梯子から落ちたら最悪、寝たきりになってしまうからだ。鳥がついばむのを見ているしかない。
そんなことを考えながら散歩していたら、狭い未舗装路を自転車が来たので避けたが、その際に木の根っこに躓いて左手から出血してしまった。10.19(天逝く)事件。老いるというのはこういうことで、若い時の無理がたたっているのだろう、小生は老化、体力低下が速いようだ。そのうち手首を骨折するかもしれない。今のうちにせっせと書くしかない。
何清漣女史の論考10/12『中共は「世界と軌を一に」から「世界の孤児」型へ』から。
<TPPが中国を仲間はずれにしたというのが大変中国人を刺激しています。中国政府はずっとTPPは米国の中国に対する陰謀だと宣伝してきましたから、この布石はしっかりと発酵期間を経て、TPP協議が基本合意にした後は政府が前面で宣伝しないでも中国内の各界はしっかり強烈に反応しました。
その唯一の共通点は中国が孤立化するという点です。でも、孤立した原因と結果についての見方は色々異なっています。これは中国人が自国と外の関係をどう認識しているかという点で外国人の理解に大変役立つでしょう。
・意見A:中国は国際ルールを守らずに孤立化、唯一の出口は「世界と共に」
この種の意見の持ち主は、中国がWTOに加入してからの十数年、数々のルール違反を重ねたおかげで他のメンバー各国が中国に嫌気がさしており、だから米国などが中国を除いた別の経済組織を作ろうとしたということを認めています。
・意見B:TPPは米国の作った資本主義帝国の陰謀で、中国は引き続き「クソ壺かき回し棒」でいくべきだ
この種の意見はTPPに溢れる敵意をもっており、「経済的NATO」で中国封じ込めを意図しているとみます。
*「チャイナドリーム」の実現か?「世界の孤児」になるか?
表面的にはTPPというのはただの経済組織で自由貿易を論じ、新しいルールをつくろうというものですが、実際にはこれは米国が自分たちの価値観をしっかり守ろうというものです。
オバマ大統領が語ったように、「95%の潜在顧客が暮らす私たちの国境の外において、私たちは中国のような国家に全世界の経済ルールをきめさせることはできない。我々がこう
した規則をきめるべきであって、米国の商品が新しいマーケットを開くと同時に、労働者と環境を守る高い水準をもうけるべきだ」と。
TPPは「投資家VS政府のトラブルを解決する機構」というのはつまり政府の経済に干渉する権力を制限するということです。
私が引用した「意見B」はたしかに中国政府にとって「痒いところに手が届く」ものです。
「こうした政府の権力を制限しようとするTPPに、なんで俺たちが入らないといかんのだ。入ったとしてもそれは掻き回してやるためのものにすぎない。なぜなら中国政府にとって権力は生命線であり、だからこそ何年もかかって一歩一歩、政府の経済干渉力を強めてきたのだから」ということです。
中国政府は当然、TPPの各条項を研究し、米国の「平和的に中国を変えようとする新たな陰謀」にほかならなないと思い込んでいます。習近平総書記は最早「世界と軌を一にして歩んでいく」政策をきれいさっぱり終わらせて、「別のやり方で新しいカマドをつくる」という意図をいささかも隠していません。
10月10日、北京大学で開かれた「世界マルクス主義大会」では2年に一度ひらく定例の会にするといい、10月9日には朝鮮労働党成立70周年記念祝賀活動に、劉雲山を招きに応じて派遣し、金正恩と親書を交わしました。政府側の微信ネットの不完全な統計によると、これは18大会以来、習近平と金正恩の間にかわされた13回目の「相互連絡」だそうです。
いま“社会主義陣営”は僅かにいくつかの、表面は一緒だが中身は違う“昔からの兄弟”しかいません。
キューバは米国と国交回復してしまい、ベトナムはTPPに“家出”してしまいましたから、兄貴分としての中国と弟分の北朝鮮がのこるだけで、“兄弟”はしっかり急いで「連絡」を取り合い、中国を世界のマルクス主義のあらたなセンターにしようと努力しようということです。
「共産党のおいしい天下」を維持継続するためなら、「世界の孤児」になっても怖いものなんかありません。ましてやTPPに入れてもらえるかどうか、などは北京の眼中にはいささかの大事でもありません>(以上)
「別のやり方で新しいカマドをつくる」というのはAIIBインチキ銀行で砂漠に水を流す計画を指すのだろうが、今更マルクス主義でインフラ=固定資本投資をしたところでゴーストタウンができるだけだ。経済活性化は絵に描いた餅でしかない。
劉暁明・駐英国中国大使は人民日報10/18にこう書いた。
<習主席まもなく英国公式訪問、中英関係の新たな一里塚
私は確信する。習主席の新たな時代の一里塚となる今回の訪問は、過去を受け継ぎ未来を切り拓き、両国関係の発展に必ずや力強いエネルギーを注入し、中英関係の「黄金時代」をスタートさせるものになるということを>
日経10/15はこう書いた。
<英皇太子、習主席歓迎の晩さん会欠席へ
【ロンドン=共同】中国の習近平国家主席の英国訪問に合わせ、ロンドンのバッキンガム宮殿でエリザベス英女王が20日に主催する歓迎の公式晩さん会をチャールズ皇太子が欠席することが分かった。15日付の英紙タイムズは「冷遇」と見なされるのは必至だと指摘した>
英国は昔はアヘンを売りつけて支那から銀と香港を巻き上げたが、今は投資勧誘と精密機器で人民元、ドル、金塊を巻き上げようとしている。歴史は繰り返す、最初は悲劇、2回目は喜劇だ。
■10月20日(火)、朝は室温22度、快晴、ハーフ散歩。脚力を鍛えるために屈伸運動を始めた。そのうち効果が顕れれば結構なことだ。
ブログArgus Akita10/17「戦争、武力行使が自己目的化しているのがアメリカ」から。
<英FT紙を始め各紙でここ数日盛んに出てきたFreedom of navigationというミッション名。
南シナ海での支那による人工島建設と領海の主張に対抗するアメリカがそれらの人工島の領海とされる12海里に『航行の自由』を主張して艦船を派遣するというものだ。
カーター国防長官や、海軍のトップ等の発言もあり、ここ数週間以内に何らかの動きがあるだろうと見守っている向きは多そうだ。
当然、支那は猛反発しているが口先では強がりを言っても内憂外患状態の支那としては相当に脅威を感じているだろう。
来週はシー・ジンピン(習近平)が国賓としてイギリスを訪問する予定で留守になる。アメリカが共産党崩壊を狙うなら絶好のタイミングであることは確かだ。
筆者のドイツの知人は進出先のベトナムから現地スタッフ以外は全員引き揚げたそうで、南シナ海周辺ではそれなりに不穏な動きがあるのかもしれない>(以上)
今インド洋では米印日が軍事演習している。これに越比豪が加わり『航行の自由』作戦を敢行し、長期間居座れば、中共はどうするか。中共軍を出動させなければ面子丸つぶれになり、国内的に保たない。出動させれば包囲連合軍を追い出さないと、これまた面子丸つぶれになる。
中共軍高官は先日「安易に武力は発動しない」と語ったが、武力で追い出そうとすれば敗けるリスクもある。敗けたら共産党独裁はお仕舞だ。どうなるのか、興味津々だ。
ところで米国は「人種の坩堝(るつぼ)」なのか。坩堝は「理化学実験や鉱工業において、高熱を利用し て物質の溶融・合成を行う際に使用する湯のみ状の耐熱容器」(ウィキ)だ。米国で人種は融け合っていない。
司馬遼太郎曰く「坩堝じゃなくてサラダボール。色々な材料が個性を発揮しながらボールの中で自己主張している」。「自由」という名のサラダボール。
その自由の危機になれば米国民は結束する。中共が反米に動けば米国民の結束を促すことになる。連合軍が立てばオバマの支持率は上がる。中共軍を南/東シナ海から駆逐できれば「ヘタレ」ではなく「強い大統領」になれる。これは大きな政治遺産になる。次期大統領選で民主党は勝つだろう。
100頭のライオンを率いる1頭の羊で終わるのか、それとも羊からライオンへ変身するのか。オバマの決断次第だ。立てば「オバマは口先だけではなかった。確かにノーベル平和賞にふさわしい偉大な大統領だった」と歴史家は記すだろう。
ルビコン川を渡れ、イザ! 皇国の興廃この一戦にあり、皇軍頑張れ! 後れを取るな! 中共殲滅、支那解放へ!
転倒老人は戦場では使い物にならない。残念だが仕方がない。戦意高揚で貢献するしかないな、イザ!(2015/10/20)