2015年10月25日

◆米中どちらが“チキン”になるか

平井 修一


習近平を歓迎した英国が何を考えているのかは分からないが、政穏経熱で行こう、政治は政治、商売は商売、ということかもしれない。女王はスピーチで「一国二制度」に触れたが、「乱暴なことは止めろ、英国は警戒しているぞ」という習への苦情だったかもしれない。

長谷川幸洋氏の論考「イギリスよ、中国に媚を売るのはやめてくれ! ヒトラーをつけあがらせた“大失敗”を繰り返してはいけない」(現代ビジネス10/23)から。

<*「イギリスが中国を大歓待」のワケ

英国が中国の習近平国家主席を異例の厚遇で迎えた。一方、米国は南シナ海における中国の軍事基地建設を許さず、埋め立てた人工島周辺12カイリ内に米軍を展開する構えだ。中国をめぐって緊迫する世界情勢をどう読むか。

私は4月30日公開コラムで、中国が設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に英国はじめ欧州勢が参加したのは「インフラ投資ビジネスへの参加と人民元国際化の取引だ」と指摘したが、その通りの展開になった。
http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42747

欧州勢はアジアでのインフラ投資に参画することで利益を得る。一方、中国はロンドンやフランクフルトの金融市場で人民元建て取引が盛んになれば、人民元の国際化が進んで米国のドルに対抗できる。

*英国は「ミュンヘンの失敗」を繰り返すのか

次に米国だ。米国は中国の南シナ海軍事基地化を許さず、フィリピンなど周辺国に「近く人工島12カイリ内に米軍を侵入させる」と通告した。

さて、これらの展開を目の当たりにして、私は歴史の先例を思い出す。

1つ目は1938年の英国の宥和政策だ。当時、英国のチェンバレン首相はドイツのヒトラーがチェコスロバキア・ズデーデン地方の割譲を要求したのに対して、独仏英伊の4ヵ国が開いたミュンヘン会議でヒトラーの要求に屈し、割譲を認めてしまった。

英国の弱腰をみたヒトラーは調子づいて翌39年9月1日、ポーランドに侵攻する。2日後、英仏はついに戦争やむなしとみてドイツに宣戦布告した。第二次大戦の幕開けである。

いまではドイツの侵攻と世界大戦の悲劇を招いた一因は、チェンバレンの宥和政策にあったという見方が定着している。国際関係論の世界で「ミュンヘン」といえば、宥和政策の大失敗を意味する代名詞になっているほどだ。

そして今回だ。英国はまたも「ミュンヘン」を繰り返すのだろうか。

*ロシアもつけあがらせることにもなる

自国の利益追求のために東アジアで繰り返される中国の無法を見過ごしてしまえば、中国はますます図に乗っていく公算が高い。いくら遠く離れているといっても、無法は伝染する。

それはロシアの行動が証明している。プーチン大統領がウクライナで傍若無人にふるまっているのも、中国が南シナ海で無法行為を続けているのに世界は手出しできないではないか、と見切っているからだ。

そんな中国に英国が媚を売れば、ロシアはますます大胆になるだろう。中国への宥和政策はめぐりめぐって、英国を含む欧州にロシアの脅威となってふりかかってくるはずだ。

英国では欧州連合(EU)脱退論が勢いを増している。英国は大陸欧州と手を切って、マイナス分を中国の関係強化で補おうとしているのかもしれない。

だが、中国への異常接近は大陸欧州だけでなく米国との関係も緊張させる。英国の選択が吉と出るか凶と出るか。「ミュンヘン」の二の舞いにならない保証はない。英国が視野狭窄に陥っていなければいいが、と懸念する。

もう1つの歴史の先例は、1950年のアチソン演説である。米国のディーン・アチソン国務長官は同年1月、演説で「日本と沖縄、フィリピン、アリューシャン列島を結ぶ線が米国の防衛線」と表明した。

「アチソン・ライン」と呼ばれる防衛線の中に朝鮮半島が含まれていないことが決定的だった。この演説を聞いた北朝鮮の金日成国家主席は「そうか、米国は朝鮮半島で戦争が始まっても軍事介入しないのだ」と受け止めて、5ヵ月後の6月に38度線を越えて韓国に侵攻した。朝鮮戦争の始まりである。

この史実は朝鮮半島に「米国は手出ししない」と事実上、宣言したことが、かえって戦争を招き寄せた失敗の教訓として、これまた国際関係論の常識になっている。

ちなみにいえば、安倍晋三政権が安全保障法制の見直しで日本が介入する可能性がある具体的地域の明示を避けたのも、同じ理由からだ。日本が介入する地域を明示してしまえば、除外された地域はかえって不安定になりかねない。

安全保障の世界では「軍事的に対抗するかもしれないし、対抗しないかもしれない」と態度をあえてあいまいにしておくのがイロハのイである。それが抑止効果にもつながるからだ。

*ついに決断したオバマ大統領

今回、もしも米国が人工島12カイリ内に侵入しないままでいれば、事実上、そこは中国の領海と容認してしまうのと同じことになる。領海の主張が既成事実化されてしまうのだ。

アチソンが「朝鮮半島は米国の利益に関係ない」と事実上、宣言したことが北朝鮮の侵攻を許したように、いま米国が侵入をためらっていれば、中国に「南シナ海は米国の利益に関係ない」という誤ったメッセージを与えてしまう。ひいては東アジアの平和と安定を損ねてしまう。

米国は歴史の教訓を学んでいる。オバマ大統領は侵入を求める軍司令官たちの進言にもかかわらず、ずっとためらっていた。だが、先の米中首脳会談で習主席がまったく非妥協的だったために、ついに決断したようだ。

米軍の侵入は時間の問題だ。ここから米中関係は新しい段階に突入する。それは間違いなく日本の安全保障にも大きな影響を与えるだろう>(以上)

スプラトリー(南沙)諸島での「航行の自由」作戦。中共は「俺の領海、縄張りだ、入るな!」、米と周辺諸国は「あそこは公海だ、自由航行の国際ルールを守れ!」。まるでチキンレース。チキン=弱虫はどちらになるか。(2015/10/24)

2015年10月24日

◆現実に目をつむる一部政治家の異様さ

阿比留 瑠比



安倍晋三首相は18日、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備された原子力空母ロナルド・レーガンに現職首相として初めて乗艦した。一部のメディアは「日米軍事一体化」などと否定的に捉えていたが、海洋への膨張を進める中国への鮮烈なメッセージとなったことだろう。

米原子力空母が日本を母港としている意味、日米の強固な連携ぶりを強調することは抑止力につながり、中国に自制を促す効果があったのは間違いない。

■学界と世論の乖離

また、これに先立ち神奈川県沖の相模湾で行われた海上自衛隊観艦式での安倍首相の訓示も興味深かった。首相はこう皮肉っぽく「過去の議論」を紹介したのである。

「残念なことに、諸君の先輩たちは心ない多くの批判にさらされてきた。中には、自衛隊の存在自体が憲法に違反するといった議論すらあった」

安倍首相はあえて過去形で語っていたが、自衛隊違憲論は現在でも学界では多数派である。朝日新聞がこの6月、憲法学者らに実施したアンケートでは、自衛隊を「違憲」または「その可能性がある」と答えた人は計77人に上り、「違憲には当たらない」「その可能性がある」は計41人にとどまった。

1月に内閣府が行った世論調査では、自衛隊に好印象を持つ人が92・2%に上り、昭和44年の調査開始以来最高となっているにもかかわらず、大半の憲法学者にとっては自衛隊はいまも不当・不正な存在だということになる。

憲法学界の主流の見解と世論・国民意識との乖離に驚くしかないが、もともと一般社会の利害や必要と離れた学問の世界とはそういうものなのだろう。

ジャーナリストの櫻井よしこ氏が本紙9月7日付朝刊で指摘していたように、憲法学者である小林節・慶大名誉教授は6月の衆院平和安全法制特別委員会で、学者の立場を次のように説明している。

「(われわれは)ただ条文の客観的意味はこうなんだという神学論争を言い伝える立場にいる」

「神学でいくとまずいんだ、ではもとから変えていこうと政治家が判断することはあると思う」

 「われわれは字面に拘泥するのが仕事で、それが現実の政治家の必要とぶつかったら、それはそちらで調整してください。われわれに決定権があるなんてさらさら思っていない」

もっともな話であり、率直な表明だと感じる。問題は、学者の「神学論争」を神の啓示であるかのように絶対視し、それに逆らうことは一切まかりならんとばかりに報じてきたメディアや、政治家として現実に向き合う責務を放棄して学者の意見に頼った一部野党議員の方にあるのだろう。

■不毛な「異端審問」

6月の衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者が、そろって安保関連法案は憲法違反だとの意見を示した後の国会の論戦や多くのメディアの論調は、今振り返っても異様だった。

日本の外の世界でのさまざまな動きや厳しい現実には目をつむり、ひたすら内向きで不毛な異端審問のような様相を呈していた。

1カ月前の安保関連法成立以降の各種世論調査では、安倍内閣の支持率はおおむね上昇傾向にある。通常国会での政府・与党を悪と決め付けて面罵し、己が神学上いかに正しいかを誇るような野党による魔女狩り騒動など、国民は見たくなかったのだろう。

                  (論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2015.10.22
              
(採録: 松本市 久保田 康文)


◆総額7兆円の投資を約束したが

〜習近平訪英で〜

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)10月23日(金曜日)弐 通算第4696号 >

 
〜習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
  李嘉誠たった1人の対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた〜

訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。

投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。

2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。

欧州全体に対する中国の投資額は過去10年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。

英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。

ちなみに李嘉誠がなして英国投資を一覧すると、

 2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
 2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
 2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
 2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
 2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
 2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで
「02UK」社買収を提案。
 これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。

   

◆私の「身辺雑記」(273)

平井 修一



■10月21日(水)、朝は室温21.5度、晴、ハーフ散歩。

脚力をつけるために相撲の四股(しこ)踏みを学び始めた。だんだん上手くなるだろう。

以前、ハワイの本屋を覗いたら風刺画集が目につき、面白いのがあった。「老人は健康に良いとジョギングに励むが、大方は命を縮める。たまたま長生きする老人がいて、彼らが『健康の秘訣はジョギング』と言うから、多くの老人が騙される」という内容。嘘か真かは知らない。

日本トライアスロン連合のサイトにはこうあった。

<中高年(40歳以上)のスポーツ中の突然死は、その多くが狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、すなわち心臓の筋肉への血流が不足して発生する病気が原因となっています。これは生活習慣病の中で冠危険因子と呼ばれる高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満や、喫煙などが動脈硬化を進めてしまうことが原因となることが多いです>

老いてからの運動はほどほどにということだろう。四股なら問題はなさそうだ。

<スポーツトレーナーが言う。

「四股は江戸時代から伝わる究極の体幹トレーニング法です。足を開いて腰を落とすのはかなり大変。足を上げる段階でかなりキツいし、お尻に負荷がかかっているのがわかります。体幹が鍛えられれば、背中や腰が曲がらず正しい姿勢で歩けるようになります。

また、1日10回、3カ月ほどで劇的にお尻がサイズダウンしてヒップアップの効果が出たという研究結果もあります。スクワットのようにひねる動きがないので、身体が重い人や、ひざに不安のある中高年にも適した運動です」

この四股トレーニングは、メジャーリーガーのイチローも取り入れている。

「イチローは打順を待つ間に必ず四股立ちをしています。そうすることで、体幹を整え、身体のブレをなくそうとしているわけです」>(Asagei+ 1/21)

無理は禁物、「年寄りの冷や水」にならぬように注意することだな。

今夜、カミサンは遅く帰宅した。病院で勉強会があったのだ。かなり疲れ果てている。テーマは「医療事故調査制度」。厚労省のサイトにはこうあった。

<制度の概要:医療事故調査制度は、平成26年6月18日に成立した、医療法の改正に盛り込まれた制度です。制度施行は平成27年10月1日です。

医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組み等を、医療法に位置づけ、医療の安全を確保するものです>

相変わらずお役所文書は難解だが、「医療機関で事故があったら、まずは自分たちで一次報告書をまとめろ。国はそれをチェックするぞ」ということだろう。

カミサンはなんと勉強会の司会と講師をやらされ、レジュメ、原稿作成から、さらにパワーポイントデータも病院傘下のIT業者に指示しながら作成、なんだかんだで2カ月間も呻吟していた。

勉強会はどうやら無事に終わったそうだが、「今度ばかりは理事長に“ボーナス50万円上乗せしてください”ってお願いするつもりよ、もうホント疲れたわ」。

亭主がアーダコーダと四股を練習している時に、カミサンはシコシコ勉強して必死に講義している。小生は体力、カミサンは知力を鍛えている。補完関係にあるからこれからもそこそこ上手くいきそうだ。

■10月22日(木)、朝は室温19.8度、今季最低、いよいよ10度台になってきた、冬子見参、快晴、ハーフ散歩。

読者からメールを頂いた。

<我が家の父(86)も転倒で入院。検査の結果、原因の一つが「栄養失調」でした。この平成の世の中に・・・

母の食事を見ておりますと、糖尿病があるということでパワーの無いものばかり家で食べさせられていた。だから入院すると逆に太って帰ってきました。

地元には大きな病院がたくさんありますが、気が付いた事に若い医者はパソの画面ばかり見て、入力にいそがしい。患者をほとんどみない。これは危ない。医者の言う事だけではなく、常識で按配する必要もあり。母には時にケーキや饅頭もたべさせていたら顔が輝きだしました。父も同じ>

パワーのつくものをバランスよく食べないとふらついたり筋肉が急に衰えたりするということだ。

先日、転倒してケガをしたので川崎市にメールを送った。

<二か領用水管理通路の危険除去を

二か領用水管理通路(多摩区宿河原)の宿河原橋から西方面50メートルの所が、畑との柵が半壊状態で、畑側から鉄パイプ、コンクリートの杭、木杭が通路に倒れこんでいます。

10月19日に自転車を避けようとして転倒しましたが、その際に針金の先端で手を怪我し出血しました。駐輪場があるため多くの人が利用するところなので、大変危険です。

危険除去の措置をとってくださいますようお願い申し上げます>

以前、テキヤが市営駐輪場に半恒久的な屋台を作り、ときどき商売していたので、メールで「撤去してくれ」とお願いしたら速攻でやってくれた。まったく日本はいい国だ。常識、良識が通じる。

どこかの友愛鳩ポッポ的おバカな国では「この国は私たちだけのものではありません。テキヤさんも生きる権利があります。くいっぱぐれたテキヤさん、いらっしゃーい!」とやっており、それに反対する人を「極右!」「差別主義者!」と叩きまくっている。常識、良識が通じない。遠からず自滅するだろう。

日本人は一国平和主義的だったが、世界情勢へ目を配るようになってきたようだ。ネットのお陰だろう。「日本でテロリズムへの関心が急上昇! BBCが日本版サイトを立ち上げる理由」(ダイヤモンド・オンライン10/22)から。

<10月15日、BBCが日本語版国際ニュースサイトを立ち上げた。背景には、日本での国際ニュースへの関心の高まりがある。

*イスラム国の人質事件以降、日本で高まるテロリズムへの関心

世界各国で24時間、ニュースやドキュメンタリーを配信している英国放送協会(BBC)。日本でも20年前からニュースを放送している。そのBBCが新たに、日本語版国際ニュースサイト「BBC.jp」を開設した。

ニュース映像は世界200ヵ国以上で提供しているBBCだが、意外にも、海外の現地言語でのウェブサイト開設は、日本が初めてなのだという。

「国際ニュースへの関心の高まりは世界的に見られる現象ですが、特に日本では一昨年から昨年にかけて、大きく関心度が高まったのです」

BBCワールドジャパンの渡辺雄二代表取締役マネージングダイレクターは、こう話す。BBC.comへも毎月、日本からのアクセスが800万PVほど、コンスタントにあるという。

BBCでは今年6月、世界8ヵ国で世界情勢に対する関心度調査を行った。日本では国際情勢について「これまでになく興味がある」と答えた割合は75%。一方で「興味がない」と答えたのは、わずか3%だった。

また、調査対象国全体でもっとも関心の高いジャンルはテロリズムで、70%の人が関心を示したが、日本人に限れば81%もの人が関心があると回答した。

「おそらく、イスラム国(IS)の人質事件がきっかけなのではないでしょうか」(渡辺代表取締役)。確かにISは日本人も標的にすると名指しで警告をしており、海外旅行や出張時に警戒する人も増えた。これまで、中東情勢には欧米人ほど関心を示してこなかった日本人だが、そうした感覚を変える事件だったのは間違いない。

国際ニュースへの関心が高まっているといっても、多くの日本人にとって言葉の壁は厚い。日本人のニュースへの接点がテレビや新聞、雑誌といった既存メディアからウェブにシフトしている中、BBCのウェブサイト開設は朗報だろう>(以上)

テレビ漬けは中2レベルで話にならないが、ネットなら高度な情報も得られ、やがては高2レベルに進級できるだろう。若い人たちに期待したい。

夜は集団的子育て。海苔巻と鶏・野菜の炒照り煮物でもてなす。

■10月23日(金)、朝は室温21度、曇、ハーフ散歩。

農家はTPPに戦々恐々として、まるで「虚に吠える」臆病犬のようだ。戦後70年も補助金漬けできたから挑戦しようという気概がまったくない。これではいつまでたっても農業は活性化できない。猛省を促したい。

日本戦略研究フォーラム理事/政治評論家・屋山太郎氏の論考「TPP=貿易革命 農産物輸出額の増加はコメ政策の転換がキーワード」は歯切れが良かった。

<TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の内容が公開された。これは“貿易革命”とでもいうべきスケールである。

いまだにTPPに反対する人がいるが、日本はガット(関税貿易一般協定)に加盟することで、経済成長を遂げてきた。ウルグアイ・ラウンドでコメの門戸開放を強いられて農家の反発を招いたが、コメ政策を現状のままにとどめ得ると考えてはならない。

今回は米側に5万トン、NZに3万トンの別枠輸入を認めたが、このような糊塗的手段がいつまで続くだろうか。国民は、国際価格の7倍ものコメを買わされた上に、全く余分な別枠輸入分を買わねばならない。そのカネはドブに捨てたも同然だ。

政府が敢てこのような策をとったのは、TPP全体をまとめたい一心からだろう。日米を加えて世界のGDPの4割が同一貿易圏になる。貿易量はじわじわと増えて、その中で日本の国富は必ず増えていく。ガットに加入した後の日本の軌跡を見れば明らかだ。

日本はこれまで周辺国との貿易圏造りを様々試みてきた。いずれも隣国中国を加えた構想で二進も三進もいかなくなっていた。WTOのドーハ・ラウンドが破綻した原因も中国の身勝手な振る舞いや発想に主要国が振り廻され、愛想をつかしたからだ。

今回、何が何でもTPPをまとめようという気になったのは、「とにかく正常な貿易ルールを作っておこう」という動機だ。中国では盗用、偽物は当たり前。口約も公約も守らない。その大国を脇に置いたのが、TPP協定が成立した所以だ。

知的財産権では偽物を作った場合に課せられる罰則が重い。加えて、遡って賠償額を請求することができる。これまで証拠集めが困難だったが、これも一段と緩和された。

TPP反対論の一つに、あらゆる分野の製品が競争に負けて、日本が貧乏になるという論がある。

かつてバナナの自由化の時、青森のりんご農家が“むしろ旗”を揚げて、農水省に押し掛けたものである。「皆がバナナを食べるようになるとリンゴが売れなくなる」というのだ。サクランボの時も大騒ぎだったが、品質の違いで「うまい方を食べたければ日本産」の慣習が定着した。

日本ほど食品の改良技術が高い国はない。最初から負け犬根性で脅えていてどうするのか。

工業製品についても、日本の部品は世界を席捲しているではないか。これまでは技術を海外工場で作っていたが、国内生産に回帰するチャンスでもある。

農産物を含めたあらゆる分野で日本は技術もモラルも高いものを持っている。日本がドン詰まりに到着して一貫の終わりということはあり得ない。

これまで農産物の輸出額は3500億円。安倍首相がハッパをかけて6000億円規模になりそうだという。あの小さなオランダの農産物輸出額は6兆円。日本がその半分、3兆円の目標を掲げてもおかしくない。それを可能にするキーワードはコメ政策の転換だ>(以上)

中共の富裕層は「支那の米はカドミウム汚染が心配だ、高くても安心だから日本産米を買う」という人さえいる。農林水産業者は世界一の日本産品をもってアグレッシブに挑戦すべきである。(2015/10/23)

◆南京戦は正面から戦へ

大江 洋三



残念ながら、シナの策動で南京事変がユネスコの世界記憶遺産に登録された。多分、TPP大筋合意ができシナ政府が焦った結果である。

あまりに政治的過ぎて、日本政府が反論するのは当然だとしても、当時の軍事常識は把握しておくべきである。

この8月14日に「平時法制で戦時法制を叱る愚」を説いたが、今回も同じことがいえる。

秦郁彦氏のように「虐殺したのは4万人ぐらい」の類である。

シナ人の死者数としては正しいのだろうが、ここにもまた「平時法制で戦時法制を裁く」図がある。

特定地域を平定するにあたり、残敵掃討戦をするのは軍事常識である。そうしないと安心して進駐できないからだ。

各国軍隊もそうした。日本の戦国時代にもみられる光景である。

米軍も、ルソン島、硫黄島やペリリュー島で同じことをした。少しでも、潜む日本兵の気配や怪しさを感じると手榴弾を放り込み火炎放射し殺傷した。

シラミ潰しの如くで、平時における警察・検察の家宅捜査みたいなものだ。

確かに惨い事だが、軍事の常識である。

つまり、平定と残敵掃討は同じものである。

南京派遣軍司令官の松井石根大将は、南京防衛司令官・唐生智に降伏による南京の無血開城を申し出ている。蒋介石も唐生智も拒否したから、攻略戦をやるしかなかった。

真っ先に唐生智は逃げ出していて、たった3〜4日で攻略しているから既に組織的抵抗は無かった。

大陸系では「親分が先に逃げる」は普通に見られる光景で軍律が守られる組織ではなかった。

親分が逃げ出すくらいだから、指揮命令系統が無く、他も競って民間人に雲隠れした。

攻略したら、秩序の回復と軍の安全を図るため市街地掃討をしなければならない。繰り返すが、安心して進駐できないからだ。

平定と残敵掃討は同じもので軍事の常識である。

悪いことに、歴史上シナはまともな軍隊を持ったことがない。

つねに寄せ集めである。餌で釣った人達に武器を持たせたようなものだ。出所は知らないが、事実、蒋介石夫婦は大金持ちだった。

そんな有様だから、軍律が守られるはずがなく戦闘になれば各個バラバラに壊滅する。なにせ親分が先に逃げるのだ。

だから、直ぐに浮足出し壊滅する。

これらの軍には、軍律の代わりに督戦隊がいる。逃げる兵を殺す役割だ。これはシナだけではなくユーラシア大陸で普通に見られる。

モンゴル軍が強かったのは二重三重に督戦隊を配置したからだ。彼等は逃げる兵士を容赦なく弓で射殺した。

シナ兵が弱かったのは、督戦隊まで軍律が無く逃げ出したという事だ。督戦隊が要る軍隊は、訓練無しの掻き集め部隊で、ソ連軍もそうだった。司馬遼太郎風にいえば無教養の集まりである。

蒋介石が、米・ソの支援をうけていたことは明らかだが、それ以前の問題で、規律が全く守れない軍隊であった事に違いはない。 今のシナ人も規律が守れないというか無い。


彼等は、軍靴や軍服を脱ぎ捨て民間人になって建物に逃亡した。

正面の銃口と、思わぬ所からの銃口はどちらが怖いか?

もちろん後者である。一発でも銃声がしたら、南京派遣軍は徹底した家宅捜査をしたはずである。

残敵掃討戦では、怪しき振舞いする者、或いは危害を加えそうな気配のある者は基本的には殺す。秩序の回復・安定が近々の課題の場合、他に方法は無い。

ことの善し悪しを問われれば、平定の軍事常識としか答えようがない。であればこそ、平定後の南京は栄えたのである。 

試みに、本屋さんで高校世界史の参考書を覗くと「多数の民間人が殺された」とある。こんな有様では反論のしようがない。

せめて、軍事常識としての平定・残的掃討戦ぐらいは記載すべきである。その上で公平に「市街地なので一部の民間人が巻き込まれた」


2015年10月23日

◆エンロン事件に懲りない人々

平井 修一



現役の30代頃までは経済小説などを結構好んで読んでいた。日本経済の軌跡、先人の苦闘を知ることは勉強になったし、ハラハラドキドキのスリリングな展開などもあって面白かった。

それが次第に読まなくなったのは、バブル経済(1986〜2001年)の進展で“金融小説”が増えたためだ。内容が専門的になり過ぎているし、金を動かして(金自体を働かせて)金を得るということにロマンを感じなかった。

そもそも金儲けに興味がない。座右の銘は「欲少なく足るを知る。足るを知りて分に安んずる」で、33歳で起業したのは「文字を書いて食えたらいいなあ」というのが動機で、スローガンは「真面目にコツコツいい仕事」。儲からなくても、忙しくても、仕事の依頼が来れば二つ返事で受けていた。

確かに資金繰りには追われていたが、決算では不正、粉飾と言うほどの操作はしなかった。クライアントに迷惑をかけずに会社を清算できたのは実によかった。

会社清算で業務の他社への移管などでシコシコやっていた2001年、エンロンの粉飾事件が起きた。当時は「日本の決算は人が創る、米国のそれは事実が作る」などと言われていたから、「なーんだ、米国も同じじゃないか」と思ったものである。

<アメリカのエンロン社の不正発覚事件のこと。1985年にエネルギー会社として発足したエンロン社は、エネルギー業界の規制緩和の中、ブロードバンドビジネスや天候デリバティブ取引も手がける多角的大企業に急成長した。

しかし、2001年10月、同社の簿外債務の隠蔽を始めとする不正が明るみにでて、エンロンの株価は暴落した。結局、01年末に同社は破産宣告を出し倒産した。

さらに、エンロンに続いて様々な企業の不正会計が次々と明るみに出たことで、一企業の倒産にとどまらない大事件に発展し、これを契機に、米国全体のコーポレートガバナンスが問われることになった。

02年、企業の不祥事に対する厳しい罰則を盛り込んだサーベンスオックスレー法(通称SOX法)が制定されたのもこの流れによるものである>
( ASCII.jpデジタル用語辞典)

そういうわけで天国から一気に地獄に堕ちたエンロンは小生にとって忘れがたい会社だが、経済小説を読むようなスリリングなインタビュー記事があったので紹介する。

金融ジャーナリスト・伊藤歩氏の論考「エンロン粉飾、内部告発者の過酷すぎる半生 危険人物のレッテルを貼られ再就職できず」(東洋経済オンライン10/21)から。

<エンロンの不正会計を内部告発したとして世界的に有名になった、同社元幹部のシェロン・ワトキンス氏(女性)がこのほど来日し取材に応じた。

今回ワトキンス氏が来日することになったのは、日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)のカンファレンスに登壇するため。当該カンファレンスの登壇者は、当初予定では、エンロンの不正会計の実働部隊を指揮し、2011年に6年の刑期を終えて出所した元CFOファストウ氏だった。

だが、ファストウ氏は日本政府から入国許可が下りず、来日を断念。(平井:「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」という上陸拒否事由の該当者)

ファストウ氏のピンチヒッターとして登壇したのがワトキンス氏である。

天然ガスのパイプライン会社にすぎなかったエンロンが、エネルギーのトレーディング会社として飛躍的にその規模を拡大させる、その立役者となったのが、1990年にマッキンゼーから移籍したスキリング氏。スキリング氏をスカウトしたのは、1985年から破たんまでエンロンのトップを務めたレイ氏だ。

そのスキリング氏が自らの懐刀として、コンチネンタル銀行からスカウトしたのがファストウ氏である。レイ氏は有罪評決後に急逝したが、ファストウ氏は捜査協力が功を奏し、10年の禁錮刑が6年に短縮されて2011年に出所。現在服役中のスキリング氏は司法省に対し減刑を求め、24年の禁固刑を12年に短縮することに成功、2017年にも出所する。

ワトキンス氏はエンロンに在籍した9年の間に、ファストウ氏の元で2度働いている。最初は1993年の入社から1996年まで。2度目は2001年6月から、内部告発後に配置換えを余儀なくされるまでの約3カ月間である。

*出産のために思いとどまった転職

──会計不正に気づいたのはいつでしょうか。

2度目の時です。

──最初の時はファストウ氏は不正を働いていなかったと。

不正とまで言えるほどではありませんでしたが、かなりアグレッシブな会計処理を推し進めており、違和感を持っていました。

私は資産ポートフォリオの運用部門の責任者だったのですが、実務を担当していた会計士が資産価値を実際よりも高めに評価し、その評価をもとに作成した文書で、潜在的な投資家の発掘・勧誘をしろと言われていました。その文書は私の名前で出るわけで、それは嫌だなと思っていました。

──投資家をミスリードするような文書があなたの名前で出ることに違和感があったと。1996年にファストウ氏の元を離れて別の部署に異動されたのは、そのあたりが原因ですか。

そうです。

《スキリング氏は1996年に社長兼COOに、ファストウ氏は1998年CFOに昇格しており、ペーパーカンパニーによる連結はずしのスキームを使った飛ばしが本格化するのは1997年以降である》

──そういったいきさつが過去にあったのに、なぜもう一度ファストウ氏の下で働くことにしたのでしょうか。

社内でポストを得るためです。エンロンは業績に対して非常に厳しい会社でした。その頃、私はブロードバンドの部署に所属していたのですが、そのブロードバンドの部署は収益を上げていなかったので、解散の危機に瀕していました。

他社に転職する道がなかったわけではありませんが、当時私には2歳の子供がいて、なおかつ2人目の子供を妊娠していました。新しい職場に移ってすぐに産休に入るなどということは難しいと思いましたので、エンロンにとどまることにしたのです。

*広報部門にはリスクを感じた

──ファストウ氏の部署以外にもオファーはあったんですよね。

ありました。でも広報部門からのオファーで、広報部門にはリスクを感じていました。

──というと?

その時点では、私はエンロンで何が起きていたのか、全てを知っていたわけではありませんでしたが、何かおかしなことが起きているということは理解していましたので、投資家に投資を薦める広報担当の仕事にはリスクを感じていたのです。

実際、広報部門のトップだったコーニックは後に18カ月の実刑になりましたし、私を広報部門に誘ったレイカーも服役しました。

──そして2度目にファストウ氏の下で働き始めたのは2001年6月ですね。すぐに不正に気づいたのでしょうか。

そうです。私の仕事は社有資産を値付けして売却し、資金を得ることだったのですが、すぐにラプター(飛ばしのためのペーパーカンパニー)のスキームで巨額の損失を隠していることに気づきました。

──2001年8月15日、あなたはトップのケネス・レイ氏に対し、不正を告発するメモを匿名で送ったわけですが、不正に気づいてすぐに行動を起こされたのではなかった様ですね。

転職先を探していたところだったのですが、8月14日にスキリングが突然CEOを辞任したことがきっかけです。

《スキリング氏は2001年2月、会長に昇格したレイ氏に代わってCEOに就任していたが、それからわずか6カ月で「個人的な理由」で突然退任。レイ氏が再びCEOに就任した》

──ナンバー2の辞任ですから、当然社内は動揺したわけですね。

もちろんです。私は先を越されたなと思いました。そこで社内で何が起きているのか、トップであるレイに知らせようと考えたわけですが、いきなり実名というのはリスクがあると考えて匿名にしました。

──懲罰人事を警戒されたわけですね。でも8月22日にはレイ氏に直接会って進言されたんですよね。

8月16日に全社ミーティングが開催されて、その場でレイは正しいことを言ったのです。エンロンが尊敬される会社であるべきだということ、そのためには誠実であることが大切だと。だから少しでもおかしなことを感じているのであれば、自分に話してほしいと言いました。

それで私はトップから正しいシグナルが出ているのだと判断し、自ら名乗り出ることにし、人事部門のトップ経由でレイと会える場をセッティングしてもらったのです。

──あなたはレイ氏に対し、飛ばしの事実を知らせ、決算を修正するなど、適切な対応をとるべきだと進言されたわけですが、それは結局無視され、貴方は懲罰人事の対象になるわけですね。

そうです。もうファストウの下にはいられないと思ったので、異動を申し出たのですが、異動先は不本意なものでした。私の執務室はそれまでエグゼクティブフロアである49階にあったのですが、異動先の部署は16階。

サラリーこそ従来どおりでしたが、業務内容は明らかに私の地位には見合わないものでした。会社に行っても何もやることがなかったのです。

──典型的な懲罰人事ですね。

転職先を探すようにし向けたということです。実際、私も転職先を探し始めましたし。

あとからわかったことですが、この時期、会社側は顧問弁護士に、内部告発をした社員を解雇した場合、どういったリスクが発生するかという相談を持ちかけていたのです。結論としては、解雇すると係争になり、その過程で会社にとって不都合なことが外に出る、だから解雇は妥当ではない、といった内容でした。

《内部告発の2カ月後の10月16日、エンロンは決算修正と10億ドル以上の償却実施を公表。11月8日には再度決算修正を行い、12月2日、連邦破産法11条(チャプターイレブン)の申立を行い破たんした。

翌年1月には破たんに至る原因を示す証拠書類を大量に破棄するなど、証拠隠滅を図ったことが発覚。FBIが強制捜査に乗り出す。

ワトキンス氏の処遇に関する弁護士と会社とのやりとりを示した資料は、FBIがエンロン本社を強制捜査した際に押収、2002年2月に開かれた上院での聴聞会の場でワトキンス氏の知るところとなった》

──チャプターイレブンの申請後、大規模なリストラが実施される中で、貴方は会社側の弁護士から「訴訟の際に証人として必要になるだろうから、少なくともあと1カ月は残れる」と言われたわけですね。そしてそのことをお友達に話したところ、自分で弁護士を雇え、というアドバイスを受けるわけですね。

そうです。私自身は何も悪いことはしていない。それなのに会社が破たんして経済的にも不安な時に、高額の報酬を支払って自分で弁護士を雇うなんて、とも思ったのですが、友人は

「会社は自らを正当化するため、内部告発をした社員を悪者に仕立て上げようとあらゆる手段を使うもの。あり金をはたいてでも、出来るだけ大物で腕の立つ弁護士を雇え」と。

そして特にエンロンの社内弁護士には注意しろと。「自分で雇ってもいない弁護士を信じるな」という忠告も受けました。

──恐ろしい話ですが、サラリーマンにとっては人ごとではないですね。

*これまで後悔したことは一度もない

──2002年1月、議会で貴方が内部告発者であることが明るみに出て、2月の上院聴聞会で、スキリング氏やファストウ氏の犯罪を裏付ける証言をし、一躍ヒロインになりました。

ただ、どこの国でも内部告発者は、結局はトラブルメーカーという烙印を押され、なかなか再就職は難しいようです。あなたもそうでしたか。

そのとおりです。私自身、2度と米国企業では働けないということは自覚しています。エンロンを辞めたあともオファーはいろいろあったのです。大学で教えないかとか、取締役会向けのコンサルティングをやらないか、とか。でも最終段階でいつもダメになる。

──後悔はしていませんか。

全く。一度も後悔したことはありません。正しいことをした結果、精神的な面でさまざまな奇跡を経験しました。与えられた才能を使ってリスクをとれば、必ずいいことがある。神様の手にふれられたという実感を得られたことは、おカネを得ることよりもずっと価値がありますよ>(以上)

この事件をきっかけに日本でも「コンプライアンス」「CSR(企業の社会的責任、corporate social responsibility)」という概念が急速に広まった。

しかし、東芝の不正会計処理のような事案はこれからも出てくるだろう。社員は組織の一員であり、上司の指示、事実上の業務命令には従わざるを得ない。「できません」と言えば配転で、解雇されないまでも冷遇される。不正会計や粉飾は厳罰で抑止するしかないだろう。

中共は国家ぐるみでエンロンだ。何が正しい数字か誰も把握していないだろう。「調べてみたら金庫もビルも空っぽ」、そういう“どんぶり勘定”国が一流になれるはずがない。エンロン事件は終わってはいない。
(2015/10/22)

◆第二次保守合同を!:対反日

MoMotarou

自由民主党結党大会:1955(昭和30)年11月15日 中央大学駿河台講堂保守合同(ほしゅごうどう)とは、1955年11月15日に日本で自由党と日本民主党の2つの保守政党が合同して自由民主党が結成されたことを指す。これと先に行われた社会党再統一により55年体制が成立した。(WIKIより)

       ★

日本共産党が提唱する「国民連合政府」構想は、日本国民の"民族暗黙智"によって阻止される。

WIKIの説明は対左翼連合の脅威に説明が無く、「合同」の解説だけになっているのは注意が必要です。

■油断した日本

日本共産党には戦後長年に渡って構築された"統制の取れた"ネットワークが存在します。官界司法界。それが明らかになったのが今回の「戦争法案反対デモ」です。マスコミ支配も出来ており、テレビは連日「若者デモ」と称して報道。日本共産党の「き」の字も出てこない見事なもの。

自民党国会議員はテレビを見ないので、影響に無関心だったと思われるます。否、無関心というより「共産主義思想」に抵抗力がなくなってきていると判断します。油断大敵。

■放映料を反日勢力に請求せよ!

国民の大多数は無料のテレビでニュースを知ります。共産国の「大きな立て看板」は、日本に於いては「無料テレビ」が役割をします。NHKニュースは中共・韓国・北朝鮮・在日等の影響下に置かれておるのが顕著になりました。

彼らは「受信料」も「放映料」も払いません。無料で我が国の国営メディアを利用し、「洗脳」し、更に受信料の「強制徴収」さえ視野に入れております。

■男たちよ!

日本のマトモな男子諸君!密かに立ち上がれ。定年を迎えたおじさん男子諸君、これからもう一働(ひとはたら)きだ。家庭に町内に、市に県に、身の回りから「反日本民族色」を一掃しましょう。現実を長年に渡り通り抜けてきた人こそ「桜の勇者」だ。敗者共産主義思想は男女共同参画を通じて「家族・家庭」まで浸透しつつある。
 
馬鹿な「空想主義」から目を覚ませさせましょう! 現実を見よう!

追記:「第二次保守合同」と言っても事実上自民党しかおりませんが、それでも精神の引き締めが大切だと云うことです。油断は禁物です。

◆外務省無策で、記憶遺産登録

櫻井よしこ



国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に、中国が申請した「南京大虐殺文書」が登録される。

「慰安婦関係資料」は今回は却下されたが、彼の国は次回審査に向けて韓国、北朝鮮、インドネシア、オランダを巻き込んで申請する計画だとも伝えられる。

「南京大虐殺」など存在しなかったことは、これまでの研究で明らかにされている。韓国政府の主張する慰安婦の強制連行も「南京大虐殺」同様、事実ではない。にも拘わらず、中韓が捏造した歴史が、人類が忘れてはならない事柄として国際社会の記憶遺産に登録される。一体わが国政府、外務省は何をしているのか。
 
明らかに日本政府は情報発信を怠ってきた。中韓両国がこれまでの数年、国家戦略として対日歴史戦を展開してきたことに、日本外交が如何に無関心であり続けたか。ユネスコの記憶遺産とは直接関係ないが、日本外交の無策振りを示す事例を、前衆議院議員の杉田水脈氏が体験談として語った。
 
氏は14年2月の衆議院予算委員会で河野洋平氏の参考人招致を要請し、河野談話を正す国民運動を立ち上げ署名14万筆超を集めた。昨年12月に落選した氏は今年7月27日、ジュネーブの国連本部で開かれた女子差別撤廃委員会の会合に出席して、日本外交の重大欠陥を実感したという。

「参加したのは女子差別撤廃委員会の準備会合です。『なでしこアクション』代表の山本優美子さんと各々2分間の意見発表を許され、慰安婦は性奴隷ではないと訴えました。

同会で発言した他の人は日弁連、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク、すぺーすアライズ、全国『精神病』者集団、大阪子どもの貧困アクショングループ、それにもうひとつ、正式名称は不明ですが非嫡出子の権利を守る団体の日本人でした。彼らからは、『従軍慰安婦は日本の重大な戦争犯罪で、日本は十分に謝罪していない』『教科書から従軍慰安婦の記述が削除された』などと日本批判が出ました」

「日本政府の回し者」
 
日本における差別が主題であるため参加者は日本人ばかり。訴えを聞く委員は、日本について余り予備知識もない外国人だ。氏が続けた。

「日弁連の人は如何にもこの種の委員会になれているように見えました。日本に選択的夫婦別姓制度がないのは女性差別だという主張や、他のNGO代表からは琉球民族やアイヌ民族など4つのマイノリティが酷い差別を受けているとの訴えもありました。日本が多額の資金を拠出して支えている国連で、多くの日本人が、恐らく何も知らない間にこのような日本非難が行われていることに、私は唖然としました」
 
山本、杉田両氏は役割を分担して的を絞って語った。山本氏は、米国では慰安婦に関する虚偽の情報が書かれたプレートや像が設置され、日本人が酷い被害を受けている。これは女性の人権という問題を超えて、日本を貶める政治的キャンペーンだと英語で主張した。
 
杉田氏は、慰安婦は強制連行ではなかった、強制連行説は吉田清治氏の捏造から生まれた、氏の作り話を歴史的証拠として32年間の長きにわたって報道した『朝日新聞』も、吉田証言を報じた一連の記事を14年8月5日に取り消したと、フランス語で報告した。彼女はまた、世界では慰安婦は強制連行の性奴隷だと考えられているが、事実無根だと断言した。こうして2人は各々、持ち時間を最大限活用して主張を終えた。
 
杉田氏らに、委員側から「あなた方は日本政府の回し者か」という詰問調の質問があった一方で、「このような見解は初めて聞いた。あなたの主張に事実の裏づけはあるのか」という、少なくとも事実関係を重視しようという問いもあった。
 
主張を裏づける根拠を示せと言われた杉田氏らに、日本で「テキサス親父」と呼ばれる評論家のトニー・マラーノ氏らが助け船を出した。

「マラーノさんは慰安婦に関する1944年の米軍の調査報告書などを引用して、女性たちは性奴隷でも強制連行でもなかったと反論してくれました」
 
杉田氏は、委員たちが「慰安婦の強制連行はなかったという主張は初めて聞いた、証拠は何か」と繰り返し質問したこと、さらに委員会の議長が「今後は慰安婦問題には2つの異なる見方があることを念頭に置いて考える」と言ってくれたことが印象的だったと語る。
 
つまり、それ以前の会議では、NGO関係者が日本を非難することはあっても、彼らに反論し、事実を基に日本擁護の主張を展開する日本人がいなかったということではないのか。国連に出入りする日本のNGOは、左翼的思想で日本非難をする人々が圧倒的に多いということでもあろう。

「性奴隷」という決めつけ

旧日本軍の蛮行を象徴する言葉として国際社会に定着している観のある「性奴隷」(sex slave)という表現は、戸塚悦朗弁護士が「多分に直感的に」考え出したと、氏自身がミニコミ誌『戦争と性』第25号(2006年5月)で回想している(『よくわかる慰安婦問題』西岡力、草思社)。
 
氏はこの言葉を用いて国連人権委員会の下部組織「差別防止少数者保護小委員会」(通称、人権小委員会)や「現代奴隷制作業部会」に日本非難を働きかけ続けたという。その結果、「性奴隷」という決めつけが国連から世界へと広がった。だが、日本政府が正しい情報をきちんと発信していれば、戸塚氏の造語が恰も真実を語る言葉であるかのように広がることはなかったかもしれないのだ。
 
さて、杉田氏らが自費参加した女子差別撤廃委員会から7月に、日本政府に質問状が届いた。慰安婦は強制連行ではないとの主張について答えよとの内容だ。杉田氏らの発言が国連の委員らの注意を喚起したのだ。正しい情報を発信すれば、そのことに耳を傾け、まともな議論が行われる余地が国連にはあるということだ。日本側が本気で慰安婦問題についての事実を語り、すでに明らかになっている資料を示せば、来年2月に開かれる同委員会の本会議で日本の主張が認められる可能性がある。そこでいま外務省がどう回答するかが非常に重要なのである。
 
慰安婦問題は始まりから現在に至るまで日本人によって捏造された濡れ衣で、中韓両国に利用された。それに対して外務省はこれまで殆んど反論してこなかった。民間の女性が必死の思いで自費でジュネーブに行き、数ある委員会の内のひとつで、慰安婦は強制ではなかったと、ようやく意見陳述し、日本政府に事実関係確認の要請がきた。外務省は今度こそ慰安婦の強制連行などなかったと明確な事実を示せ。そうしたことのために、500億円という予算が与えられたのではないか。

『週刊新潮』 2015年10月22日号 日本ルネッサンス 第676回

2015年10月21日

◆安倍長期政権と野党の地殻変動

屋山 太郎



安倍晋三政権が多くの課題を次々に解決している。教育委員会、大学など教育面の改革は何十年も前からの懸案だった。官僚主導の政治をただすため幹部人事を政治の側が握る「内閣人事局」を設置した。

60年にわたって、農政を牛耳ってきた農協も、その元締のJA全中の 改革に踏み切った。近い将来、農政は劇的変化を遂げるだろう。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)大筋合意も安倍政権でなければできない芸当だった。

何よりの成果は国防面の整備である。特定秘密保護法の制定、国家安全保障会議(NSC)の創設、安保法の成立だ。これによって対米外交を強化し、中国とはそこそこ付き合う路線が確定した。

 《方向性固めた対米中外交》

対中関係は聖徳太子の頃から「対等外交」を貫いてきた。中国と深くかかわるべきではないとの方針を破ったのがつまずきの始めだった。自民党は内政外交の両面にわたっていまやまっとうな政党の姿になってきた。

自民党は長い間、政権を独占してきた。このため自民党政治家は親米も親中も必要と考えてきた。日米同盟があるのに三木武夫元首相は「等距離外交」を唱えたものである。全面講和派の流れだ。

そういう思想があるために、いまだに「安倍政権が終わったら対中外交をやり直さねばならない」と思っている党幹部がいる。

小泉純一郎政権の時代、財界の大物が首相に「商売に差し障るから靖国参拝をやめてくれ」と陳情したものである。

異形の経済圏に入っていくのだから、リスクは自分で負ってもらいたい。日本企業は中国に2万3千社が進出し、1千万人を雇った。ところがすでに3千社以上が撤退した。引き揚げは続いているが、いかにそれが難しいか知らしむべきだ。

中国や韓国は日本に「歴史認識」を迫っているが、中国は共産党独裁を正当化するために、日本を使っているだけだ。安倍首相は4月に訪米した際、上下両院での演説で「日米は不動の同盟関係だ」と説いた。

8月14日の戦後70年談話は安倍首相自身の「歴史認識」を示すもので、オバマ政権に支持された。これで安倍首相は日本の今後の対米外交、 対中外交の方向性を固めたといえるだろう。

 《追随する官僚、業界団体》

自民党では一党支配だったためか「振り子の原理」と称して、党内の右派が政権をとれば次は左派と、バランスをとるのを常とした。このために日本の外交方針が定まらなかった。

教育改革、農協改革、外交方針の決定など、これまで何十年も言われてきた大問題が、なぜ履行できたか。一言にしていえば首相のリーダーシップと長期政権のおかげだ。

いくら与党の方針が決まっても任期が短い首相では、役人は気に入らないことはやらない。無視して次の首相を待つ。しかし3年も4年も持ちそうだと思うと、官僚も業界団体も言うことをきかざるを得なくなる。

 今回、総裁選で安倍首相が無投票で選ばれたのは自民党議員が“長期政権の効用”を感じたからだろう。安倍首相のあと、自民党が左に振れることはないだろう。安倍政権の安定こそが野党各党に地殻変動をもたらしている。自民党が右側に定着すると野党も右側に寄らざるを得ない。小選挙区比例代表並立制をとっている国は与野党の政策は常に近似している。

《政権狙える新しい野党とは》

民主党の岡田克也代表はこれまで通り、組合の連合の協力も得たい、旧社会党のメンバーも抱えていくという路線である。これに対し前原誠司、細野豪志、長島昭久氏らは連合や旧社会党のイデオロギーと縁を切るべしとの考えだ。

また橋下徹大阪市長の「おおさか維新の会」は連合に担がれた民主党とは手を組まないと断言している。橋下氏と対立している松野頼久、江田憲司氏らが中心の「維新の党」は民主党との連合を模索して分裂した。

野党再編の動きに乗じて共産党の志位和夫委員長は岡田氏に「安保法廃止」の一点で選挙協力をする。共産党の候補を降ろしてもいいと持ちかけたが、「安保法廃止」の一点ばりで、他の政策がないというのは“革命”のようなものである。

岡田氏は若干、引いているが、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表はこの際「オリーブの木」方式で、共産党も入れて自民党に対抗すべしと言っている。イタリアで「オリーブの木」が成功したのはベルリンの壁が崩れたころからで、共産党は「左翼民主党」と名を変えた。さらに共産党独特の「民主集中制」もやめた。要するに普通の政党に変身したからこそ、国民は「オリーブの木」を受け入れたのである。

政界再編の動きの中で、共産党と小沢氏の出てくる余地はない。政権をとれる新しい野党は、旧社会党や連合のイデオロギーと手を切った側が浮上してくるはずだ。
                   (ややま たろう・評論家)
産経ニュース【正論】2015.10.20 05:02更新
 

◆50名以上漢族労働者が殺害された?

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)10月20日(火曜日)弐 通算第44690号>     

〜新彊ウィグル自治区のタクラマカン砂漠の西の鉱山で
  50名以上の漢族労働者がウィグル族に殺害されたという情報〜


不気味な情報はいくらでも転がっている中国。にわかには信じがたい話が多く、検証が必要である。

だが、このニュースはフリーアジアラジオが最初につたえ、ニューヨークタイムズ(10月18日)が後追い記事を大きく掲載した。

新彊ウィグル自治区にはイスラム過激派が地下ネットワークを構築しているが、その組織が関連したのかは明らかではない。

イリとカシュガルの中間地域でアクスの近辺というからタクラマカン砂漠の西の果て、もう少し西へいくと山岳地帯でカザフスタンとの国境である。
 
バイチェン(中国語の当て字は不明)という炭鉱町がある。漢族が大挙入植し、石炭、鉄鋼、セメント工場が稼働していた。中国経済の不況により、石炭もセメントも大不況で次々と工場を閉鎖し、漢族はこの地から去っている。

事件が起きたのは9月18日以前とされ、鉱山で漢族の労働者、守衛等がナイフなどをもったウィグル族に襲われ、50名前後が殺害され、多数が負傷したという。

折りしも中国共産党の「ウィグル解放60周年」の記念式典が仰々しく行われ、漢族のおもねる地元のウィグル族等が参加した。

事件は、このセレモニーに当てつけるかのように起こり、しかし官製メディアには箝口令が敷かれているため、一切の報道はない。 地元民も誰も知らないという。

「不況」「突然の解雇」「工場閉鎖」「経営陣の行方不明」。こうした経済的要因による大がかりなストライキは各地で頻発しており、日本企業のメッカといわれた遼寧省大連では、およそ2000社の日系企業のうち、すでに200社は去った。

広州でもシチズン時計が40年の歴史の終止符をうって工場を閉鎖、全員を解雇したが、ちゃんと補償金を支払い、従業員らの暴力沙汰には発展していない。パナソニックも殆どの工場を閉めた。

北京の日本人学校は生徒数が600から400に激減、いまもオフィスを畳んで、かえり自宅の日本人スタッフが目立つが、中小零細企業のなかには、夜逃げも増えている。

中国の不況は想像以上に深刻である。

◆私の「身辺雑記」(272)

平井 修一



■10月18日(日)、朝は室温21度、快晴、ハーフ散歩。

9.29(苦肉)の転倒事故以降、体力の衰えを痛感すること、しばしばだが、昨日は体が揺れまくるというか、ふらついて往生した。一体全体どうしたのだろうと調べたら、「飯食ってるの?」と真っ先に出てきた。

そういえば、と10月のカレンダーを見てびっくりした。1、6、11、17日以外は孫・子らが来ていたのだ。つまり必死で夕食を作り、疲労困憊して小生は食欲をなくし、ちょこちょこっとおかずを肴代わりにつまんで終わりという日がずーっと続いていたのである。

慌てて卵を落とした味噌汁と納豆でご飯を一膳食べたら、体調は少し回復してきた。家族や犬の食事管理はしっかりやっているが、医者(主夫)の不養生で、自分のことを忘れていた。まったく危ないところだった。

適度な運動ときちんとした食事。これが健康維持の要だ。忘れないようにしないといけない。ネットと酒、散歩を楽しみ続けたいのなら「胃の用をということだ。(なんと少欲なのだろう!)

支那人の生き甲斐は「蓄財蓄妾美酒美食」だが、先立つものは賄賂で、これがあるからこそ一所懸命に働く。なければ働かない。高口康太氏(ジャーナリスト、翻訳家)の論考『汚職の次は「さぼり」を取り締まり始めた中国』(ニューズウィーク10/15)から。

<13日、日本に導入されたばかりのマイナンバー制度をめぐる汚職事件が発覚した。厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者が経営コンサルタント企業から現金100万円を受け取った容疑で逮捕された。

日本の汚職事件はいつも中国人に新鮮な驚きを与える。「たったこれっぽっちの収賄で官僚が逮捕されるの?」という驚きだ。ちょっとしたポジションにつけば数億円、数十億円の蓄財が当たり前の中国とは次元が違う。

汚職は官僚の専売特許ではない。先日、知り合いの中国人から「ブランド物の財布が欲しいので、日本で買ってきて欲しい」と連絡があった。

月給3000元(約6万円)程度のコックさんなのによくお金があるなと思って話を聞いてみると、仕入担当となったため業者からキックバックをもらえる身分となり、一気にお金持ちになったのだとか。

悪徳業者の横領によって社員食堂や学食の食事が劣化、暴動騒ぎになるというのはよくあること。突然ブランド物で身を固めた彼が吊し上げられないか、心配である。

ことほどさように、中国では権力、権限と金が深く結びついている。うまい汁を吸えない一般市民がもっとも恨みを抱く問題であり、権力の正統性を失わせる要因だ。この状況を変えようとしたのが習近平体制の反汚職運動だ。

大物官僚のみならず膨大な数の官僚が摘発された。実際には摘発数の割当を満たすため、拷問してまで無理やり汚職を自白させているケースもあるが、反汚職運動が習近平の庶民人気を支える柱となっていることは間違いない。

*「汚職は避けられないから仕事をしない」という説

ところがこの反汚職運動が今、中国経済の足をひっぱっていると問題になっている。賄賂に使われる高級贈答品が売れないという話もあるが、それ以上に注目されているのが「不作為」だ。

「不作為」とは、やるべきことをしないこと、つまりサボタージュだ。積極的な経済成長策を実施しない、開発に取り組まない、企業誘致を行わないといった問題である。これらが経済成長の鈍化につながっているのではないかと懸念されている。

不作為の動機については諸説が飛び交っている。第一に、賄賂がなくなり仕事をするモチベーションがわかないという解釈。第二に、反汚職運動に対する消極的な抗議という説だ。

サボタージュが広がれば反汚職運動をストップせざるを得ないとみて政権に圧力をかけていると考えられる。

一番面白いのが第三の説で、官僚が仕事をすれば確実に汚職が発生するので保身のためには働いたら負けだという説である。自分だけ清廉潔白を貫こうとしても部下が収賄していれば監督責任を問われる。

冒頭でも述べたように、権力、権限があれば必ず汚職があるのが中国の常。汚職撲滅が無理なら仕事をやめるしかないというあきらめの境地だ。

*予算未執行、プロジェクト遅延、空き地未開発を処罰

9月末に、李克強肝いりの督査グループの調査結果が公表され、24省・市・区の官僚249人が処罰された。主要な摘発対象は、予算を執行せずにプールしていたという予算未執行、土地収用や工事着工が決められた期日通りに進まなかったというプロジェクト遅延、そして空き地未開発の3分野だ。

中国の土地収用は大都市近郊の農村では「補償金で一夜にして大金持ちになった農民が酒とギャンブルにおぼれて社会問題に」というケースまであるほど。

それほど多額の補償金を支払っているならば、政府や払い下げを受けた企業はどうやって儲けているのだろうか。答えは時間である。何年間か土地を寝かせてから売却すれば、値上がり分が利益となる。右肩上がりの地価上昇が続いているからこそできる芸当だった。

土地価格の急騰が止まった今でも、地価下落を防ぐために空き地の転売面積は慎重に制限されてきた。中央政府はこれを「屯地」(土地買い占め、屯は国構え)と呼んで批判してきた。不作為の典型として槍玉に挙げられたが、古くからの問題である。

予算未執行やプロジェクト遅延も、必ずしも不作為と直結する話ではない。懸念されていた不作為と実際に摘発された案件には大きな隔たりがある。サボりを摘発するのは難しいということだろう。

汚職がいいわけではないが、官僚がばりばり仕事をするためのインセンティブであり、いびつな成果主義として機能していた側面もある。反汚職運動を進めるならば、インセンティブを与える別のシステムも作る必要があるのだろう>(以上)

シンガポールでは汚職を鎮圧するために役人の給料を社長並にしている。「汚職する必要がない」のだ。リークアンユーは華人のマインドをよく知っていた。高給待遇でしか防ぎようがない、と。リークアンユーを尊敬する習近平も倣ったらどうか。

■10月19日(月)、朝は室温21度、秋晴れの快晴、ハーフ散歩。

柿の実が色づき収穫期を迎えたが、老人世帯では誰も収穫できない。梯子から落ちたら最悪、寝たきりになってしまうからだ。鳥がついばむのを見ているしかない。

そんなことを考えながら散歩していたら、狭い未舗装路を自転車が来たので避けたが、その際に木の根っこに躓いて左手から出血してしまった。10.19(天逝く)事件。老いるというのはこういうことで、若い時の無理がたたっているのだろう、小生は老化、体力低下が速いようだ。そのうち手首を骨折するかもしれない。今のうちにせっせと書くしかない。

何清漣女史の論考10/12『中共は「世界と軌を一に」から「世界の孤児」型へ』から。

<TPPが中国を仲間はずれにしたというのが大変中国人を刺激しています。中国政府はずっとTPPは米国の中国に対する陰謀だと宣伝してきましたから、この布石はしっかりと発酵期間を経て、TPP協議が基本合意にした後は政府が前面で宣伝しないでも中国内の各界はしっかり強烈に反応しました。

その唯一の共通点は中国が孤立化するという点です。でも、孤立した原因と結果についての見方は色々異なっています。これは中国人が自国と外の関係をどう認識しているかという点で外国人の理解に大変役立つでしょう。

・意見A:中国は国際ルールを守らずに孤立化、唯一の出口は「世界と共に」

この種の意見の持ち主は、中国がWTOに加入してからの十数年、数々のルール違反を重ねたおかげで他のメンバー各国が中国に嫌気がさしており、だから米国などが中国を除いた別の経済組織を作ろうとしたということを認めています。

・意見B:TPPは米国の作った資本主義帝国の陰謀で、中国は引き続き「クソ壺かき回し棒」でいくべきだ

この種の意見はTPPに溢れる敵意をもっており、「経済的NATO」で中国封じ込めを意図しているとみます。

*「チャイナドリーム」の実現か?「世界の孤児」になるか?

表面的にはTPPというのはただの経済組織で自由貿易を論じ、新しいルールをつくろうというものですが、実際にはこれは米国が自分たちの価値観をしっかり守ろうというものです。

オバマ大統領が語ったように、「95%の潜在顧客が暮らす私たちの国境の外において、私たちは中国のような国家に全世界の経済ルールをきめさせることはできない。我々がこう
した規則をきめるべきであって、米国の商品が新しいマーケットを開くと同時に、労働者と環境を守る高い水準をもうけるべきだ」と。

TPPは「投資家VS政府のトラブルを解決する機構」というのはつまり政府の経済に干渉する権力を制限するということです。

私が引用した「意見B」はたしかに中国政府にとって「痒いところに手が届く」ものです。

「こうした政府の権力を制限しようとするTPPに、なんで俺たちが入らないといかんのだ。入ったとしてもそれは掻き回してやるためのものにすぎない。なぜなら中国政府にとって権力は生命線であり、だからこそ何年もかかって一歩一歩、政府の経済干渉力を強めてきたのだから」ということです。

中国政府は当然、TPPの各条項を研究し、米国の「平和的に中国を変えようとする新たな陰謀」にほかならなないと思い込んでいます。習近平総書記は最早「世界と軌を一にして歩んでいく」政策をきれいさっぱり終わらせて、「別のやり方で新しいカマドをつくる」という意図をいささかも隠していません。

10月10日、北京大学で開かれた「世界マルクス主義大会」では2年に一度ひらく定例の会にするといい、10月9日には朝鮮労働党成立70周年記念祝賀活動に、劉雲山を招きに応じて派遣し、金正恩と親書を交わしました。政府側の微信ネットの不完全な統計によると、これは18大会以来、習近平と金正恩の間にかわされた13回目の「相互連絡」だそうです。

いま“社会主義陣営”は僅かにいくつかの、表面は一緒だが中身は違う“昔からの兄弟”しかいません。

キューバは米国と国交回復してしまい、ベトナムはTPPに“家出”してしまいましたから、兄貴分としての中国と弟分の北朝鮮がのこるだけで、“兄弟”はしっかり急いで「連絡」を取り合い、中国を世界のマルクス主義のあらたなセンターにしようと努力しようということです。

「共産党のおいしい天下」を維持継続するためなら、「世界の孤児」になっても怖いものなんかありません。ましてやTPPに入れてもらえるかどうか、などは北京の眼中にはいささかの大事でもありません>(以上)

「別のやり方で新しいカマドをつくる」というのはAIIBインチキ銀行で砂漠に水を流す計画を指すのだろうが、今更マルクス主義でインフラ=固定資本投資をしたところでゴーストタウンができるだけだ。経済活性化は絵に描いた餅でしかない。

劉暁明・駐英国中国大使は人民日報10/18にこう書いた。

<習主席まもなく英国公式訪問、中英関係の新たな一里塚

私は確信する。習主席の新たな時代の一里塚となる今回の訪問は、過去を受け継ぎ未来を切り拓き、両国関係の発展に必ずや力強いエネルギーを注入し、中英関係の「黄金時代」をスタートさせるものになるということを>

日経10/15はこう書いた。

<英皇太子、習主席歓迎の晩さん会欠席へ

【ロンドン=共同】中国の習近平国家主席の英国訪問に合わせ、ロンドンのバッキンガム宮殿でエリザベス英女王が20日に主催する歓迎の公式晩さん会をチャールズ皇太子が欠席することが分かった。15日付の英紙タイムズは「冷遇」と見なされるのは必至だと指摘した>

英国は昔はアヘンを売りつけて支那から銀と香港を巻き上げたが、今は投資勧誘と精密機器で人民元、ドル、金塊を巻き上げようとしている。歴史は繰り返す、最初は悲劇、2回目は喜劇だ。

■10月20日(火)、朝は室温22度、快晴、ハーフ散歩。脚力を鍛えるために屈伸運動を始めた。そのうち効果が顕れれば結構なことだ。

ブログArgus Akita10/17「戦争、武力行使が自己目的化しているのがアメリカ」から。

<英FT紙を始め各紙でここ数日盛んに出てきたFreedom of navigationというミッション名。

南シナ海での支那による人工島建設と領海の主張に対抗するアメリカがそれらの人工島の領海とされる12海里に『航行の自由』を主張して艦船を派遣するというものだ。

カーター国防長官や、海軍のトップ等の発言もあり、ここ数週間以内に何らかの動きがあるだろうと見守っている向きは多そうだ。

当然、支那は猛反発しているが口先では強がりを言っても内憂外患状態の支那としては相当に脅威を感じているだろう。

来週はシー・ジンピン(習近平)が国賓としてイギリスを訪問する予定で留守になる。アメリカが共産党崩壊を狙うなら絶好のタイミングであることは確かだ。

筆者のドイツの知人は進出先のベトナムから現地スタッフ以外は全員引き揚げたそうで、南シナ海周辺ではそれなりに不穏な動きがあるのかもしれない>(以上)

今インド洋では米印日が軍事演習している。これに越比豪が加わり『航行の自由』作戦を敢行し、長期間居座れば、中共はどうするか。中共軍を出動させなければ面子丸つぶれになり、国内的に保たない。出動させれば包囲連合軍を追い出さないと、これまた面子丸つぶれになる。

中共軍高官は先日「安易に武力は発動しない」と語ったが、武力で追い出そうとすれば敗けるリスクもある。敗けたら共産党独裁はお仕舞だ。どうなるのか、興味津々だ。

ところで米国は「人種の坩堝(るつぼ)」なのか。坩堝は「理化学実験や鉱工業において、高熱を利用し て物質の溶融・合成を行う際に使用する湯のみ状の耐熱容器」(ウィキ)だ。米国で人種は融け合っていない。

司馬遼太郎曰く「坩堝じゃなくてサラダボール。色々な材料が個性を発揮しながらボールの中で自己主張している」。「自由」という名のサラダボール。

その自由の危機になれば米国民は結束する。中共が反米に動けば米国民の結束を促すことになる。連合軍が立てばオバマの支持率は上がる。中共軍を南/東シナ海から駆逐できれば「ヘタレ」ではなく「強い大統領」になれる。これは大きな政治遺産になる。次期大統領選で民主党は勝つだろう。

100頭のライオンを率いる1頭の羊で終わるのか、それとも羊からライオンへ変身するのか。オバマの決断次第だ。立てば「オバマは口先だけではなかった。確かにノーベル平和賞にふさわしい偉大な大統領だった」と歴史家は記すだろう。

ルビコン川を渡れ、イザ! 皇国の興廃この一戦にあり、皇軍頑張れ! 後れを取るな! 中共殲滅、支那解放へ!

転倒老人は戦場では使い物にならない。残念だが仕方がない。戦意高揚で貢献するしかないな、イザ!(2015/10/20)

2015年10月20日

◆軍隊の事故は殆どが隠蔽

宮崎 正弘 

<平成27年(2015)10月20日(火曜日)通算第4689号 >     

 
〜軍人を30万削減し、軍改革を前進させると習近平は獅子吼したが
   軍隊の事故は殆どが隠蔽されている〜


甘粛省酒泉の郊外、それも200キロは離れた場所が中国の宇宙船打ち上げセンターである。

華々しい宇宙船打ち上げ成功のニュースの影で、これまでに500人前後の兵隊が死んでいることは知られていない。付近には「英雄烈士」の陵園がある。

2006年6月3日に安徽省で早期警戒機が墜落し、墜落現場の住民ともども40人が死亡したことは、つい最近になって明らかにされた。陵墓が建築されて判明したのだ。

総政治部に特別調査班を組織して、過去の事故の報告をもとめた習近平は、ことし第3四半期まで(1月? 9月)の僅かな期間内にも陸海空ならべに第2砲兵(戦略ミサイル軍)で100件前後の「事故」が発生し、すでに40枚の軍人が犠牲になっているとわかって愕然としたという(博訊新聞網、10月17日)。

空軍の事故は墜落事故が多いため、報道されることが多いが、軍の基地内部でおきた事故は決して外部に知らされることはない。

また軍艦区内でのみ報告されるため、中央への報告が遅れるか、報告されないでうやむやに消される。

海軍事故は海の上のことなので、これまた外部はうかがい知れず、潜水艦事故などは、決して表沙汰になることはない。軍はこうした事故の秘密を守秘義務があるという。

2003年4月6日に北海艦隊所属の361号潜水艇が山東省興で事故にあい、乗組員70名が死亡した。10日後に事故艦が浮上して漁船が発見したため、大騒ぎとなったが箝口令が敷かれた。

14年6月17日、湖南省衝陽市にある76112部隊武器庫で爆発があり、17名が犠牲になったらしいが、殆どのメディアは報道せず、また軍の正式発表はなかった。

ことほど左様に中国人民解放軍はあらゆることが機密になっており、内部のことをうかがい知るのは至難の業と言える。
         

◆安倍談話は日本人の「必読文献」

平川 祐弘



安倍晋三首相の『戦後70年談話』は日本人の過半の賛成を得たが、反 対もいる。「『戦後70年談話』は日本人がこれから先、何度も丁寧に読むに値する文献だ」と私が言ったら、「どの程度重要か」と問い返すから「明治以来の公的文献で『五箇条ノ御誓文』には及ばぬが『終戦ノ詔勅』と並べて読むがよい。これから日本の高校・大学の試験に必ず日英両文とも出題されるだろう」と答えた。 

「『教育勅語』と比べてどうか」と尋 ねるから「文体の質が違うが、これからの必読文献は『戦後70年談話』 の方だ」と答えた。すると早速講義するよう、ある大学に招かれた。そこ でこう話した。安倍談話は歴史への言及で始まる。

 ≪悪と化した明治以来の日本≫

「…百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」

これからの若者にはこれが共通知識となるだろう。もっともロシア側の見方は異なる。レーニンは日露戦争に際し日本の正義を支持したが、スターリンはそれとは逆の歴史観を述べた。

昭和20年、戦争に負けるや日本は悪い国だと私たちは教育された。占領軍の手で新聞ラジオを通して宣伝というか洗脳が行われた。それで明治以来の日本がすべて悪と化し、歴史の洗脳も行われた。大山巌満州軍総司令官が揮毫(きごう)した忠魂碑を取り壊すことはさすがにしない。だが私が通った都会の学校の講堂からは東郷平八郎の書も乃木希典の書も撤去された。

日本人の変わりざまは早かった。昭和23年、東大教養学部の前身の一 高で「大東亜戦争やシナ事変を戦った日本が悪かったからと言って日露戦争まで悪かったのでしょうか」と全寮晩餐(ばんさん)会の席で発言した卒業生がいた。それは当時としては言ってはいけないタブーにふれたから、数百人の一高生がシーンとしている。いちはやく拍手した私は間が悪く、彼は「私は酔っております」と断りを入れて降壇した。

しかしその頃の私は夜な夜な「胸に義憤の浪湛(たた)へ 腰に自由の太刀佩(は)きて 我等起(た)たずば東洋の 傾く悲運を如何(いか)にせむ 出でずば亡ぶ人道の 此世に絶ゆるを如何にせん」と大声で寮歌をうたっていた。日露戦争前夜の青年の気持ちは戦後にも底流していた。

 ≪日露戦争に寄せた思い≫

それだから私たちは平和主義を奉ずるが、それでも1960年代になるや、島田謹二『ロシヤにおける広瀬武夫』や司馬遼太郎『坂の上の雲』を 愛読したのである。それは若き日の和辻哲郎や柳田国男が「黄禍」は「白禍」であると言った作家アナトール・フランスに共感したと同じようなものだろう。私が日本フランス文学会で最初に発表したのも日露戦争に際してのアナトール・フランスの発言についてであった。

昭和20年、戦争に負けるや日本は悪い国だと私たちは教育された。占領軍の手で新聞ラジオを通して宣伝というか洗脳が行われた。それで明治 以来の日本がすべて悪と化し、歴史の洗脳も行われた。大山巌満州軍総司 令官が揮毫(きごう)した忠魂碑を取り壊すことはさすがにしない。だが 私がった都会の学校の講堂からは東郷平八郎の書も乃木希典の書も撤去 された。

日本人の変わりざまは早かった。昭和23年、東大教養学部の前身の一高で「大東亜戦争やシナ事変を戦った日本が悪かったからと言って日露戦争まで悪かったのでしょうか」と全寮晩餐(ばんさん)会の席で発言した卒業生がいた。それは当時としては言ってはいけないタブーにふれたから、数百人の一高生がシーンとしている。いちはやく拍手した私は間が悪く、彼は「私は酔っております」と断りを入れて降壇した。

 しかしその頃の私は夜な夜な「胸に義憤の浪湛(たた)へ 腰に自由の太刀佩(は)きて 我等起(た)たずば東洋の 傾く悲運を如何(いか)にせむ 出でずば亡ぶ人道の 此世に絶ゆるを如何にせん」と大声で寮歌をうたっていた。日露戦争前夜の青年の気持ちは戦後にも底流していた。

 ≪日露戦争に寄せた思い≫

それだから私たちは平和主義を奉ずるが、それでも1960年代になる や、島田謹二『ロシヤにおける広瀬武夫』や司馬遼太郎『坂の上の雲』を 愛読したのである。それは若き日の和辻哲郎や柳田国男が「黄禍」は「白禍」であると言った作家アナトール・フランスに共感したと同じようなものだろう。私が日本フランス文学会で最初に発表したのも日露戦争に際してのアナトール・フランスの発言についてであった。

そんな私が定年で駒場を去って23年、その昔大学で教えた学生もまた定年を迎えつつある。私はそんな老骨だが、年配の男女でも賛否両論、議論に花が咲く。

外国人研究員は「『朝日』は日本の良心」で、慰安婦報道で『朝日』が謝罪したのは安倍政権が圧力をかけたからだという程度の日本理解である。教え子の女性も配偶者の職業やキャリアによって賛否が異なる。極端に安倍首相を嫌う人は、本人か配偶者に学校づとめや弁護士が多かった。

 ≪悪態をつく私への賛意≫

『朝日』は「この談話は出す必要がなかった。いや、出すべきではなかった」と8月15日の社説に書いた。そんな新聞を半世紀以上読んできた夫婦が反対を口にするのは当然だろう。しかし周辺の名誉教授連は「『朝日』があれだけけちをつけるのだから安倍談話はきっといいのだろう」とシニカルな口を利く。

ただ皆さんお利口さんで、私のようにはっきりと意見を活字にしない。根が正直な私は「ろくに歴史も知らないくせにどこぞの論説主幹は偉そうな口を利く」と心中で感じたことをすぐ口にする。口にするばかりかこのように「正論」欄に書く。

すると意外やそんな私に賛同する教え子の女性がいたりする。本人がたとえ教師でも、配偶者が官僚や商社とかで外国も長く社交も広いと「日本人に生まれて、まあよかった」と思うらしい。そこは大新聞中毒となった人たちの井の中の大合唱と違って面白い。

そんな悪態をつく私になんと朝日の元記者が大賛成の手紙をよこした。その永栄潔氏が『ブンヤ暮らし三十六年』(草思社)を書いて慰安婦報道で大きく躓(つまず)いた朝日新聞の実態を回想して新潮ドキュメント賞をとった。日本の言論自由のために祝賀したい。

(ひらかわ すけひろ・東京大学名誉教授)
                産経ニュース【正論】2015.10.16