2015年10月03日

◆日台の絆を深めた安保法制

櫻井よしこ


9月18日午後、台北に向かい、19日午前には「両岸関係とアジア太平洋地域国際平和セミナー」に出席した。午前8時すぎに会場に行って驚いた。台湾の関係者らが「安保法制成立、おめでとうございます」と次々に声を掛けてきたのだ。

彼らは、真夜中すぎまでずっとテレビで見ていたという。中国の脅威を生々しい現実として、また重圧として感じている人々にとって、日本の安保法制の議論は到底、他人事とは思えなかったのであろう。

事情はフィリピンやベトナムなど、東南アジア諸国にとっても同様だ。アジア諸国の安保法制に対する評価は台湾同様、極めて前向きで高い。実に嬉しそうな台湾の人々の表情が強い印象となって私の胸に残ったが、「戦争法案だ」「徴兵制がやってくる」と叫ぶ人々は、中国の脅威や危機に目をつぶる余り、アジア諸国の懸念を理解していないのではないか。

台湾をはじめアジア諸国にとって、中国との向き合い方は、即、国家と国民の運命に直結する。とりわけ台湾は、自分たちが中国の一番の標的であることを常に意識させられており、独立国としての台湾の現状が、日米の存在によって維持されていることを十分に認識している。特に米国が鍵だと骨身にしみている。

そのためか、セミナーの冒頭で講演した民主進歩党主席の蔡英文氏は非常に慎重だった。来年1月の総統選挙で、彼女が台湾初の女性総統に選ばれる可能性は高い。それだけに、米中共に彼女の言葉に神経質な視線を投げかけており、彼女も必然的に慎重になっている。

かつての学者らしいイメージを残している蔡氏は、演説では安全保障や外交政策には触れず、専ら国内問題を語った。少しでも独立志向を見せれば中国の怒りを買い、波風が立つのを嫌う米国をも苛立たせる。米国の支持を揺るぎないものにするためにも、蔡氏は独立志向の色合いを見せるわけにはいかないのであろう。氏の慎重さは、中国の脅威と米国の意向を気にしなければならない厳しい台湾の現状を反映している。

最も親和性の高い民族

南シナ海の7つの島の埋め立てが完成したと中国が発表したのは6月末だった。中国は世界に工事停止の印象を与えたが、この国が侵略を中止することなどあり得ない。9月15日、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)のサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ」に、中国が依然として複数の岩礁で埋め立てを続けている映像が公表された。

米国側の発表に対して、中国外務省副報道局長の洪磊氏は事実を認め、「南沙の主権は中国にある。合法で筋道が通った完全に正当な措置だ」と反論した。

南シナ海における覇権を中国が握るにつれて、台湾の運命が危うくなる。台湾の重要性は単に戦略上のことだけではないという事実を、日本はいまこそ認識しなければならないだろう。台湾人は日本にとって、恐らく世界で最も親和性の高い民族であること、それがどれ程日本にとっても大事であるかということを知っておかなければならない。

セミナーを終えた翌日、私は初めて台湾の新幹線に乗って台中に向かった。人口約270万人、緑の水田が広がる平野部を抜けるとやがてビルの林立する台中の市街地が広がる。新幹線の駅からは離れているが、街中には風情のある「臺中驛」が残されている。かつて日本人が建てた駅舎が大切に手入れをされて使われているのだ。市役所の建物も日本人が造ったままに、赤レンガと白い壁の美しい姿が青空に映えていた。

その台中市に寶覺禅寺というお寺がある。元駐日代表の許世楷氏と盧千惠夫人、黄木壽氏の案内で訪ねた。お堂を正面に見て境内左手に「日本人遺骨安置所」と刻まれた、上部が半球体の石造りで高さ2メートル余の塔がある。日本国陸海軍人及び軍属として大東亜戦争時に台湾で散華した3万3千余柱の遺骨がおさめられている。

この塔から少し離れた奥には、これまた高くて立派な碑が立っている。碑に刻まれた「霊安故郷」の文字は李登輝元総統の揮毫による。さらにその後方に「追遠亭」がある。大東亜戦争で日本国民として戦った20余万の台湾の人々の碑である。

日本国政府は戦後長い間、これらの戦没者の遺骨収集や、遺族への弔慰金支払いなどに取り組むことも出来ずにいた。「台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律」が、「台湾戦没者等問題議員懇談会」によって議員立法されたのは、1987年になってからだったと、碑の台座に刻まれている。

日本人が遺骨収集や慰霊のためにようやく台湾を訪れた時、彼らは思いがけないことを知らされた。この時までに台湾の人々が、台湾に残されていた日本人及び台湾人戦没者の遺骨を拾い集めて、台北、台中、台南の3か所におさめ、手厚く回向していたのである。

「新生国家」

私が案内された台中の寶覺禅寺はその内のひとつである。台湾で亡くなった日本人と台湾人、多くの軍人と軍属のご遺骨と御霊を祭る碑の前で手を合わせ、大東亜戦争下の台湾で没した全ての人々に心からの慰霊と深い感謝の祈りを捧げた。

日本人、台湾人の区別なく、ご遺骨をこのように集めて塔を建立し、回向を続けてくれる国や民族が、台湾の他に存在するだろうか。

台湾には、このような日台の深い絆を示す足跡がそこかしこに刻まれている。盧千惠氏が2012年に出版した『フォルモサ便り』(玉山社)には、台湾人の心優しさと日本人の心優しさが溶け合って築かれた絆の事例が多く紹介されている。その台湾が中国の一部とならずに済むことこそ、日台双方の国益である。

許世楷氏は、台湾が平和裡に国連加盟を目指すことが未来永劫中国に併合されない台湾の地位を確立する唯一の道だと主張する。目的達成の理論は、台湾は「新生国家」であるということだ。

まず、台湾は蒋介石の中華民国を継承する国ではないと明確にし、中華人民共和国は一度も台湾を支配したことがなく、台湾は中国からの分裂国家ではないと宣言する。そのうえで国連加盟を申請する。国連憲章は紛争当事国(この場合、中国)に投票権を認めない。つまり中国は台湾加盟に関して拒否権を使えない。

このような状況を作り、台湾は中国ではないと理を尽して国際世論に訴え、10年単位の時間をかけて国連加盟を目指したいと許氏は主張する。

いま日本では議員立法で台湾関係法を制定する動きがある。総裁特別補佐の萩生田光一氏は1年後を目標に置いている。日本の明確な意思表示は日台双方の国益のみならず、アジア全体に希望を与えるとの思いを強くした。015.10.01 (木)
『週刊新潮』 2015年10月1日号日本ルネッサンス 第673回

◆私の「身辺雑記」(266)

平井 修一



■9月30日(水)、朝は室温23度、快晴、ハーフ散歩。

昨日の転倒事故で頬骨のあたりが腫れてきたが、今朝は首回りと左脇腹が痛む。老いてからの転倒は快復は遅いし、致命傷になりかねない。日本の老人が散歩をあまりしないのは、転倒を恐れているからだろう。

自分自身が転んで老いを自覚しないと、そんなことも分からない。技術は継承されるが、「生きるということはどういうことか」ということはちっとも継承されない。

それが分かってしまえば皆、「なーんだ、結局は種を遺すということじゃん、それなら俺はもういいや」と自殺する老人が増えるから、それは為政者にとって大いにまずいことで、「お年寄りに安らかな老後」なんて猫撫で声を出す。

人生は死ぬまで「初舞台」、未体験ゾーンだから「怖いものなし」。老人自身も半死半生のろくでもない末期については「知らぬが仏」で、まあ、天寿を全うするか、などという老人ばかりになる。かくして国力は衰退する。

国家の命脈も、実は結構怪しい。明日もあるだろうと思っていたら、突如として瓦解する例なんてゴマンとあるだろう。ある日、転倒して(押し倒されて)、それが致命傷になったりする。

どうなんだろう、習近平の訪米は得点どころか、自分で転んでオウンゴールになってしまった感じがする。近藤大介氏の論考『米中「新」冷戦の幕開けか!? 首脳会談で浮き彫りになった習近平の「空回り」、アメリカの「冷淡」』(現代ビジネス9/28)から。

<*アメリカから邪険に扱われた習近平主席

アメリカ時間の9月24日夜、国賓として訪米した習近平主席夫妻を迎えてホワイトハウスで晩餐会が開かれ、翌25日午前中に米中首脳会談、そして昼に共同記者会見が開かれた。

今回の習近平主席の訪米を一言で表せば、「中国の熱気、アメリカの冷気」である。

習近平政権は今回の訪米を、今年の中国外交最大のイベントと位置づけ、それこそ国を挙げて推進してきた。

安倍晋三政権が安保関連法案を強行採決した時、本来なら中国は激しく反発しそうなものなのに、なぜかおとなしかった。それは、すでに習近平訪米3日前から、中国国内の報道が、ほとんど習近平主席の訪米一色になっていたからである。

これに対し、アメリカはと言えば、トップニュースはいつも、同時期に訪米したローマ法王の一挙手一投足である。習近平主席は、俗な言い方をすれば、邪険に扱われていた。

象徴的だったのは、25日昼に開かれたオバマ大統領と習近平主席の共同記者会見である。

アメリカ人の女性記者が、「その場を借りて」オバマ大統領に、危機に陥ったアメリカの来年度予算について問い質し、オバマ大統領が長々と答えるという場面があったのである。その間、オバマ大統領の向かって左側に立った習近平主席は、「なんのこっちゃ?」という表情で、イヤホンを耳に当てて興味なさげに聞いていた。

ちなみに中国中央テレビはこの56分間の会見を生中継せず、会見終了から4時間半を経て、12分間のダイジェスト版を放送した。しかも、中国人記者二人のヤラセ質問(あらかじめ政府に指示された質問をして、習近平主席が用意した「模範回答」を読み上げる)の部分を強調して放映したのだった。

*アメリカにとって中国は「味方」から「敵」に変わりつつある

ここで見えてくる図式はこうだ。

2013年の米中首脳会談は「中<米」で、2014年の会談は、「中≒米」くらいまで来た。そこで中国としては、今年の首脳会談で「中=米」まで持っていきたかったのだろう。

だからこそワシントンに先駆けてシアトルへ行き、ボーイングの旅客機を300機も無理して買い、中国のIT産業のトップをズラリ引き連れて、「米中IT企業家会談」をセットしたのだ(もっともグーグルとツイッターは、「中国国内で禁止されているのに行っても意味がない」として欠席したが)。

だが、習近平主席が満を持してシアトルからワシントンDCに乗り込んでみると、本人も思いもよらなかったであろう「冷遇」が待ち受けていたのである。

24日のホワイトハウスでの歓迎晩餐会を終えて出てきた習近平主席は、「国賓待遇」とは思えないほどの苦虫を噛み潰したような表情をしていた。どこかで見た表情だと思ったら、昨年11月に初めて安倍首相と握手した時の様子と似ていた。

今回、オバマ政権が習近平主席を冷遇したのは、主に二つの理由によるものだろう。

一つは、サイバーテロと南シナ海の埋め立て問題によって、アメリカにとって中国が「味方」から「敵」に変わりつつあることだ。アメリカはすでに大統領選モードに入っているため、オバマ大統領としては、弱腰を見せるわけにはいかない。

もう一つは、中国経済の失速である。独立まもない18世紀末から現在に至るまで、アメリカにとって中国は、常に「自国に富をもたらす黄金の市場」であり続けた。

ところが昨今の中国経済の停滞によって、それほど特別な魅力がなくなってしまったのである。その証拠に、今年上半期のアメリカから中国への直接投資は、前年同期比で37.6%も減少している。

オバマ大統領は、かつて胡錦濤主席に言ったように、今回も「アメリカは、平和的に繁栄し台頭する中国を歓迎する」と述べた。つまり「平和的でない」、もしくは「繁栄しない」中国は歓迎しないのである。

*すべては「皇帝気取りの統治」が招いたツケ

冒頭でも述べたように、全体的に「中国の熱気、アメリカの冷気」を感じさせるアンバランスな米中首脳会談だった。2年前に訪米して以来、習近平主席が唱え続けている「新たな大国関係」も、すっかり空回りしてしまった。

だが考えてみれば、経済の失速も、サイバーテロや南シナ海の埋め立ても、習近平政権の「身から出た錆」だ。いずれも胡錦濤政権時代にはなかったことで、習近平主席の「皇帝気取り」の統治が招いているのである。

9月27日の「中秋節」(中秋の名月)に、少なからぬ中国人から「微信」(WeChat)の挨拶が届いた。その中で、次のように書いてきた知人がいた。《今回のアメリカ訪問で、あまりの冷遇ぶりに一番驚いたのは、当の習近平本人ではないか。主席の帰国後に、一体誰が責任を取って「腐敗分子」として粛清されるのかが、早くも話題になっている》>(以上)


「たそがれ中共」の趣だ。中共は「自分の価値観は絶対的に正しい、それに反対する者は敵だ、敵は金で懐柔するか、恫喝して黙らせる!」というのが外交でも内政でも基本だから、「多様な言論、見解がある、すり合わせていくしかない」という現実をまったく知らない。

結果的に世界中から蛇蝎のごとく嫌われ、寄ってくるのは金目当てのゴロツキ国家ばかりとなった。信頼と安定から程遠い人民元の国際化は、今の米国の中共に対する嫌悪感からすると、かなり難しいのではないか。昨日も中共発の経済減速懸念で世界は同時株安だった。

■10月1日(木)、朝は室温21度、薄曇り、ハーフ散歩。

産経9/30「中国南部で宅配小包が爆発、7人死亡、50人超負傷 刑務所や病院、政府施設など17カ所で同時に爆発」から。

<中国国営新華社通信などによると、中国南西部の広西チワン族自治区柳州市柳城県で30日、宅配便の小包計17個が各地で同時多発的に爆発し、少なくとも7人が死亡、2人が行方不明となり50人以上が負傷した。

同通信はテロの可能性を否定しており、当局が地元在住の33歳の男を容疑者として拘束したとの情報もある。

中国メディアのニュースサイトなどでは爆発関連の記事が次々と削除されており、建国66周年を祝う国慶節(10月1日)を控えて当局が報道を制限しているとみられる>(以上)

「17カ所で同時爆発」・・・すさまじい。人民の爆弾製造能力が相当向上したようだが、江沢民派の軍部の工作があるのかもしれない。

66年前の1949年10月1日、建国宣言の際に毛沢東を中心に天安門のお立ち台に並んだ中共幹部の多くはその後、毛に徐々に粛清され、さらに文革で大量に粛清された。習近平の父親も粛清され、習は中坊なのに農村へ下放され、姉は自殺に追い込まれた。それなのに習は毛沢東気取りだ。イ・カ・レ・テ・ル!

中共応援団の在香港弁護士、村尾龍雄氏の論考「国慶節直前の浦東新空港は未曾有の出国者数だった」9/28から。

<早朝から仕事をする習慣のある私は朝のフライトでの移動がある場合でも、ギリギリまで自宅やホテルで仕事をして、出発1時間前に空港に到着、慌しくチェックインをして余裕のないままに搭乗するパターンが確立しています(全然褒められた習慣ではありませんが)。

そのため、同時期における格安を選択するものの(そのため日中間移動は90%以上の確率により中華系航空会社で移動することになります)、国際便の場合、ビジネスクラスで移動することにしています。

エコノミーを選択しようものなら、遅くとも出発2時間前の到着を余儀なくされるうえ、長蛇の列に並ぶ羽目になることもしばしばですから、時間を売って商売をしている私には耐えられないお話だからです。

通常の場合であれば、ビジネスクラスのチケットを保有している限り、出発1時間前でも余裕こそ十分ではないものの、乗り遅れることはないのですが、先週土曜日(9月25日)に浦東新空港(上海市)に到着すると、エコノミークラスのアナコンダ級の長蛇の列が!

一体何事かと思うほど、人、人、人で溢れ返っているのです。

しかし、まあ、中国東方航空のエグゼクティブチェックインカウンターは問題ないだろうと思ってトコトコそこへ赴くと、そこにも過去見たことがない長蛇の列が!

過去にも国慶節直前に帰国することは多々ありましたが、今回ほど空港が人で溢れ返っている様子は見たことがなく、日本のメディアを騒がせている中国の不景気とは相容れない景色がそこに広がっているのでした(高級レストランでも6月の株価急落後も中国人顧客で満員の様子は変わらず、一体、何が本当何か、よくわかりませんね)。

中国の不景気と言いますが、それは真理の一面を確かについているのでしょうけれども、百聞不如一見(百聞は一見に如かず)、現場に赴き、何が本当であるかを自分の目で確かめることが重要であることを日常のこうした一場面からも学ぶことができます>(以上)

中共は外貨不足で海外旅行を制限しようとしているのではないか。それにより国内消費をテコ入れしたいのだろう。人民は「今のうちに海外旅行をしよう」と空港に殺到しているように思われるが、どうなのだろう。

支那でコンサルタントをしている田中信彦氏の論考「レストランは中国人の結節点〜景気低迷の中、外食産業が盛り上がる理由」9/25から。

<最近、上海で週末の夜に友人たちと食事をしようと思っても、まともなレストランが全然取れない。仕方がないので、先着順で案内するタイプの店に誰かを先に派遣し、順番待ちをさせることがよくある。こんなことは以前にはなかった。

株価の暴落や人民元の切り下げ、天津の倉庫大爆発など、このところ中国にはあまり良いニュースがないが、一歩街に出てみれば、レストランは大賑わいである。政府の「ぜいたく禁止令」で高級店は大打撃だが、代わりに都市部の中産階級を主要なターゲットにした店がどんどんできて、新たな隆盛の時代に入りつつある。

*「食」に執着が強い人たち

外食産業の成長ぶりが目につくが、なぜこのような現象が起きてきているのか。 最も本質的な原因は、言うまでもなく所得が増加したことだが、それ以外にもいくつかの要因がある。

第一に、中国人はもともと「食」に執着が強い人たちであるという点だ。もともと「おいしいものが食べたい」という欲求は強かったが、要はお金がなかったので、基本的に家で食べるしかなかった。それが所得の増加で、外で食べる余裕が出てきた。これが最も大きな理由だろう。

食生活の変化も大きい。以前の中国人は食生活には保守的な人たちで、日常的な食事はほとんどが中華料理だった。ところがインターネット時代になって、海外のさまざまな料理の情報が入るようになった。

収入増とそれに伴う各国のビザ発給要件の緩和で、海外旅行経験のある人の数も毎年数百万人単位で増えている。

さらに現在の若年層の中心である1990年以降生まれの世代は、日本も含む海外発のファーストフードに子供の頃からなじんだ世代で、その味に慣れている。ところが両親はまだ海外の味に対するなじみが薄く、自分で作ることができない。

最近、全国の大型ショッピングモールには、ラーメンや寿司、とんかつ、焼き鳥などの専門店や居酒屋、日本料理店が大量に出店しており、その他イタリア料理や米国風のステーキハウス、韓国料理、タイ料理などの店も少なくない。こうした家庭では作れない外国料理の浸透が、外食機会の増加に役立っていることは間違いない。

(会食の)足になるのが自分のクルマである。中国の自動車保有台数は2014年末時点で1億5400万台に達し、2000年の35倍と飛躍的に増加している。100世帯当たりのマイカー保有台数は、北京では63台、広州、成都などでも40台を超える。もはや都市部のホワイトカラーではクルマを持っているのは当たり前である。

中国の家庭では、一部の超エリートみたいな人は別として、勤め先からまっすぐ帰宅することが多い。同僚と一緒に帰りにちょっと一杯、というケースはさほど多くない。

いったん家に帰って、奥さんや場合によっては子供や両親なども連れて、自分のクルマを運転してレストランにやってくる。マイカーがなければ、とてもこんなことはできない。

かくして(SNSの)「微信」と自分のクルマという手足を得た中国人は、自由自在に連絡を取り、自由自在に移動してご飯を食べに集まってくる。そこでは単なる世間話もあれば、商売の話もあり、時には人生の問題を論じることもある。

中国人にとっては信頼できる家族や親類、友人たちこそが人生で最も大切なものであり、大事な議論は(会社でではなく)食事の場で話される。レストランは中国社会で人と人をつなぐ結節点である。

そう考えれば、中国人の暮らしに余裕が出て、連絡と移動の手段を持った現在、「集まってご飯を食べる」機会が増えるのは自然な流れだ。株価や為替の変動にかかわらず、外食産業の成長は続いていくだろう。

中国の人口は日本の10倍だが、外食産業の市場規模はまだ2倍強でしかない。これから内陸部の都市化が進んでいく中で、最も有望な業界のひとつが飲食業で、日本企業にもチャンスがある数少ない業界だと思う。成功のカギは「微信」とクルマにある、そう私はにらんでいる>(以上)

準高級料理店が隆盛のようだが、「明日は分からないから今のうちに楽しんでおこう」という“刹那的な消費”のような気がするが・・・日本では「いつでも楽しめるから、別に今でなくてもいいや、余裕があるわけじゃないし」という消極的な消費マインドが多い気がするが、それとは逆のようだ。

さて、中共経済は堅調なのか、不調なのか。個人消費は上記のように旅行業や飲食業などの一部では伸びているが、全体の景気を牽引する住宅、自動車など大きな買い物が低迷しており、「全国的に曇でしょう、一部では晴れ間も期待できそうでしょう」というところか。

三菱UFJリサーチの9/28の見立てはこうだ。

<輸入金額は2014年11月以降10カ月連続して前年比マイナスとなっている。6月、7月とマイナス幅は一旦、一桁台に縮小したものの、8月には前年比−13.9%と再び二桁台に拡大した。

「世界の工場」と呼ばれ、輸出入金額がともに前年比2〜3割のペースで拡大していた2000年代前半とは様変わりである。輸入は比較対象となる前年水準はもとより、過去5年間で最も低い水準で推移している。

しかし、足元の輸入の不振を一概に中国経済減速の証左と断じるのは少し無理があるように思われる。一方、政策的に貿易構造の高度化が着実に進んでいることに注目すれば、現状を貿易面における「新常態」に向けた移行過程とむしろ前向きに評価もできるのではないだろうか。

(原油など)国際商品価格の下落が止まれば、輸入金額が拡大基調に転じる可能性もあると考える>

歯切れが悪いからプロも「どうなんだろう」と迷っている印象だ。それなら習近平も迷っているだろう。中共は経済を安定成長に軟着陸できるのかどうか。どうも“打つ手なし”の印象だが、このままでは減速どころか失速、墜落しかねない。「どうするのだろう」と世界中が首をかしげている。

■10月2日(金)、朝は室温24度、雨のち曇り、ハーフ散歩。

デイリーNK10/1によると金正恩は中国の国慶節で祝電送ったが、昨年より文章は短いそうだ。祝電は――

<われわれは、中華人民共和国創建66周年に際して朝鮮労働党と朝鮮民主主義人民共和国政府と人民の名義で貴方たちと、そして貴方たちを通じて中国共産党と中華人民共和国政府と人民に祝賀を送る。 中華人民共和国の富強・繁栄と貴国人民の幸福を願う>

ずいぶんそっけないのは、中北の今の“政冷経冷”を象徴しているが、北は華僑へ露骨な圧迫を加え始めたようだ。同じくデイリーNK10/1から。

<北朝鮮、中朝関係悪化で「在朝華僑」を弾圧…銃殺のケースも

北朝鮮当局が、北朝鮮に在住する「華僑(以下、在朝華僑)」に対する締め付けを強化しているという。背景には、中朝関係の悪化があるようだ。

2015年に入って、北朝鮮当局は、在朝華僑が所有する住宅を没収したり、数十人をスパイ容疑で逮捕して一部を収容所送りにするなど、様々な弾圧を加えているが、一連の弾圧の規模が、既報よりも大々的であることが明るみに出た。

香港の週刊誌「亜洲週刊(2015年9月27日号)」によると、少なくとも100人以上の在朝華僑が逮捕された。

同誌に対して、中朝貿易に従事している徐福森氏(仮名)は、「今年に入ってから北朝鮮の国家安全保衛部(秘密警察:以下保衛部)が、在朝華僑の逮捕を始めた。夏以降、より激しくなっている。自分の知る限り少なくとも100人以上が逮捕され、取り調べを受けた」と語った。

保衛部は、在朝華僑たちに対して「スパイ行為」「韓流ドラマの視聴」「国内の状況を撮影して国外に持ちだした」「脱北者をサポートした」「宗教の宣伝を行った」など、ありとあらゆる理由を付けて逮捕しているという。

別の情報筋によると、逮捕された在朝華僑の多くが懲役8年以上の刑に処せられ「終身刑や銃殺のケースもある」とのことだ。

徐氏の知人は2014年末に、違法な動画を持ち込んだ容疑で逮捕され、保衛部の取り調べを受け、懲役6年の刑に処せられた。また、徐氏の家族の華僑の同僚2人は、慈江道中江郡でスパイ容疑で銃殺された。

在朝華僑は、80年代中頃には2万人を超えていた。しかし、中国は急速な経済発展を成し遂げたが、北朝鮮には一向の変化がない。さらに、中朝関係の悪化で弾圧が厳しくなり、処遇は悪くなる一方だ。こうしたことから、北朝鮮に嫌気が指して中国に帰国する人が増えている。

公式統計がないだけに正確な数は不明だが、中国丹東市政府の関係者によると「在朝華僑は、約5400人まで減少した」という。一方、同市に在住する在中北朝鮮華僑は約400人に達する。

在朝華僑が、中国に帰国する場合、住居や仕事を自力で探さなければならない。しかし、様々な優遇策が適用されることもあり、定年退職した人を中心に帰国する人が増えているという>(以上)

中北が不仲だと、中共は韓露と、北は露と接近するが、海千山千のプーチンは北を「まともな国」と思うはずはないから、深入りはしないだろう。

結局、北は中共とヨリを戻すしかないが、“金北豚”金正恩は排除するはずだ。金北豚抜きの中北手打ち。中共のその工作の手先になっていたのが「在朝華僑」で、金北豚派が危機感を募らせて在朝華僑叩きをしているのではないか。

いずれにせよ、中共にとって「中北手打ち、南北分断固定化」は理想だから、南北統一は中共が体力が残っているうちはあり得ないことになる。クネは中共にいいようにおもちゃにされるだけだろう。

韓国中央日報10/2から。

<北核危機は過去20年以上にわたり東アジアの平和を脅かす存在だった。それでも国際社会は制裁で北朝鮮の核開発を抑止できなかったし、北朝鮮も核実験を通じて安全になることもなかった。こうした状況で取り上げられるのが中国の役割だ。

世界で米国に次ぐ国力を持ち、北朝鮮の最大後援者でもある中国は何をしているのかということだ。北核を防げないのか、それとも防がないのか>

防げないし、防ぐ気もない。ユン・ピョンジュン韓神大学教授(政治哲学)が朝鮮日報10/2に寄稿している。

<「中国との間で韓半島(朝鮮半島)の平和統一について深く話し合った」。今月初めの韓中首脳会談の後、朴槿恵大統領が最初に発した言葉だ。これは韓国の政府や民間に広がっている、中国に対するバラ色の期待を圧縮したものといえる。

それは厄介者の北朝鮮を、中国が見捨てる日が来るのではないかという期待だ。だが、冷厳な国際政治は、このような楽観論を拒否するものだ。韓国主導の統一に向けたシナリオを中国が認めた証拠はない>

♪あんた泣いてんのネ だから云ったじゃないの 港の酒場へ 飲みにくる 男なんかの云うことを バカネ ほんきに ほんきにするなんて まったくあんたは うぶなのね 罪なやつだよ習近平

クネの次の大統領は潘基文になりそうだが、2代、10年間も“習さま命”の暗愚が続けば韓国は二度と立ち上がれないだろう。自業自得だ。(2015/10/2)


◆日本車やったらどないなってた?

宮嶋 茂樹



フォルクスワーゲン問題。

アカンがな…独フォルクスワーゲン(VW)の不正な排ガス規制逃れ問 題は。試験走行のときだけインチキコンピューター載せて11000万台も 売りまくり、アメリカの環境NPOに指摘されるまで知らんぷりしてたん やて?

EU(欧州連合)もEUやで! 2年前には不正コンピューターの存在に気付いとったっていうんやろ。ヨーロッパっちゅうんは、シリア難民にはやさしいけど地球環境にはエグいことやってくれよるのう。

せやけど…妙やないか。こんな大スキャンダルを引き起こしたというのに、あの米中首脳会談の話題にも上らんかったんやて? これが日本車でも、そないに冷静におられたんか? 数年前の中国の反日暴動の折には「日本車に乗っている」という理由だけで襲撃事件まで起きたんやろ。

日本製品とて中国製や韓国製とは比べものにならんほど安全とはいえ、完璧というわけやない。現にエアバッグ問題など少なからずトラブルも起こしたが、中には、「そりゃあ言いがかりやろ?」みたいなインネンつけられても、ちゃんとリコールに応じてきたんや。

VWが急躍進し、トヨタを抜いて世界一になったんも、中国の反日暴動が起きたんをきっかけに“漁夫の利”を得て、大陸でバカスカ売りまくったからや。

VWも今回はタダでは済まんやろ。いやヘタ打ったら、会社の存亡にも関わる…っていうか、少なくとも今までの中国大陸でのもうけ全部吐き出さなアカンぐらいなところまでゆくやろ。

あっ読めたで。中国共産党は、軍事パレードなど重要国際行事のときしか青空が見えない大陸の大気汚染問題の責任をVWにかぶせるつもりやな。いやいや中国人が日本相手以外で他人の揚げ足取ることはせんか。

あんまりVWつるし上げて上海あたりで雨後のたけのこのように乱立しとる高層ビルの耐震構造や防災データもついでに調べられたら、おとろしゅうて、中国人でも住まんようになるからな。あっという間に不動産バブルも崩壊…ってもう崩れ始めとるか。


                ◇

【プロフィル】宮嶋茂樹

みやじま・しげき カメラマン。1961年、兵庫県出身。日大芸術学部卒。写真週刊誌を経てフリーに。東京拘置所収監中の麻原彰晃死刑囚や、北朝鮮の金正日総書記をとらえたスクープ写真を連発。写真集に男女の若き海上自衛官を撮った「国防男子」「国防女子」。

産経ニュース【宮嶋茂樹の直球&曲球】2015.10.1


2015年10月02日

◆習近平の権力中枢にNYタイムズ

宮崎 正弘
 


〜習近平の権力中枢は5人のブレーンとニューヨーク〜


<平成年(27年)(2015)10月1日(木曜日)
         通算第4669号>  
タイムズ
  王岐山、王炉寧、劉?、栗戦書、そして劉源〜

まったく小誌の予測と同じ分析がニューヨークタイムズに出た。同紙中国語版9月28日に習近平政権の「核心権力圏中的重要人物」として、以下の五人が並んだ。

反腐敗キャンペーンの中軸は「戦友」とも言える王岐山(政治局常務委員。序列六位)。太子党でもあり、頼もしい兄貴分。しかも王岐山には子どもがいない。中国では政治家に子どもがいないと汚職をしないというおまじないがある。

外交安全保障でもっとも信頼するのが王寧(「中国のキッシンジャー」といわれ、全ての外遊に同行し、演説草稿を書く)。

首席秘書官役の栗戦書は、陝西省に下放されていたときからの友人であり、この栗と王は次期政治局常務委員会入りが確実視されている。
 
経済ブレーンは劉?。ハーバード大学で修士。経済理論かでもあり、習近平の掲載諮問委員会をリードしている。

 軍事問題のアドバイサーというより軍師役は、劉少奇の息子、太子党でもあり、文革で辛酸をなめた兄貴分、劉源である。

この5人が習近平ブレーンのなかでも、飛び抜けて影響力があるとなれば、ほかのトップセブンのうち残りの5人は、李克強を含めて「干されている」ことを意味するのではないのか。

実際に北京で9月3日に行われた軍事パレードで、李首相は「司会役」と小僧扱いされた。

軍事委員会の10人をさしおいて劉源が国防政策の中枢に関与しているということは、許基亮、氾長龍らの副主任は2人とも団派出身ゆえに満腔の信頼が無いという意味でもあり、太子党の張又峡が、これから頭角をあらわす可能性がある。

 

◆台湾が阻む「中華帝国」復活の夢 

村井 友秀

現在、200年ぶりに東アジアに超大国が生まれつつある。中国共産党 は「中華民族の偉大な復興」をスローガンに、100年間にわたって抑え られてきた「中国の夢」を実現しようとしている。中華人民共和国はモン ゴル人が建国した元、満州人が建国した清に次ぐ中国史上3番目に巨大な帝国である。既に、中華人民共和国は漢民族が支配する国家としては中国史上最大の国家であるが、中国共産党の主張を見る限り、清帝国の影響圏の復活を目指しているように見える。

 ≪独裁政権を強化する軍事力≫

19世紀の中国は、漢民族が住む本土、チベットのように異民族を直接 支配している藩部、朝鮮半島のように異民族を間接支配している朝貢国で成り立っていた。しかし、19世紀後半に欧米列強の圧力によって清帝国は朝貢国を失った。さらに、本土の沿海州はロシア領になり、東方の小国日本との戦争にも負けた。20世紀は中国にとって屈辱の世紀であった。

しかし、21世紀になって中国は再生しつつある。中露関係を見ても、 中国人によれば、20世紀にはロシアが兄、中国が弟であったが、今はロ シアが妹、中国が兄である。日中関係でも中国の経済力と軍事力は日本の数倍になった。今、19世紀以前の中国は中国人の目の前にある。中国の王毅外相は「世界は中国の台頭という現実に慣れなければならない」と主張している。国内の異民族支配は強化され、嘗(かつ)ての朝貢国に対する経済的政治的影響力も拡大している。

現在の中国が影響圏を拡大する主力は世界第2位の経済力である。しかし、共産党にとって資本主義経済は、場合によっては共産党支配を脅かす危険物である。他方、中国は周辺諸国を威嚇するに足る十分な軍事力を持っている。

しかも、軍事力は独裁政権が国民を支配する道具であり、その増強は独裁政権を強化する。従って軍事力の行使や威嚇は、中国共産党にとって国内を安定させる効果的な対外戦略である。軍事力を無人の海で展開すれば、人が住む陸上よりもリスクとコストは小さい。中国共産党が主張する「強軍の夢」は海で実現する。

 ≪輸送船の墓場だったバシー海峡≫

中国軍は東シナ海と南シナ海を支配し、さらに西太平洋に進出しようとしている。南シナ海で活動する中国海軍の艦艇が太平洋へ進出しようとすれば、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡を通らなければならない。太平洋戦争末期にバシー海峡は輸送船の墓場と呼ばれ、米軍潜水艦が多数の日本の輸送船を撃沈した。台湾は西太平洋で活動する中国海軍の死命を制することができる位置にある。

中台間の軍事力を比較すれば、中国軍の戦力は台湾軍を圧倒しており、台湾軍の高官も、台湾軍の戦闘は2週間から1カ月で終わると述べている。台湾では軍事的手段による抵抗は不可能である、という雰囲気が一般の人々の間に広がっている。

しかし抑々(そもそも)、戦争に負けるという意味は、戦争目的を達成する前に損害が耐えられる限度を超えるということであり、戦争に勝つという意味は、損害が耐えられる限度を超える前に戦争目的を達成するということである。

また、戦争が継続している間は強者も弱者も戦争から利益 を得ることはできない。戦争は双方に不利益をもたらすだけである。強者 が戦争から利益を得るのは戦争が終わった後に行われる戦後処理の結果で ある。

すなわち、戦争が終わらなければ戦争に勝者も敗者もない。弱者の軍事的能力が低くても、降伏せずに延々と戦争を続けることができれば、戦争に勝者はない。

 ≪国民の意志が対中抑止力になる≫

仮に台湾が中国軍に占領されたとしても、台湾の住民に抵抗を続ける意志があり、耐えられる損害の限度が高ければ、中国が望む短期決戦が成功する可能性は低くなる。台湾を攻撃する中国軍のミサイルが1400基あり、1基のミサイルが500キロの爆弾を搭載しているとすると、台湾の 都市や軍事基地に降り注ぐ爆弾は700トンということになる。

ベトナム 戦争では、12日間に8万トンの爆弾がハノイに投下されたが、北ベトナ ムは屈服しなかった。ベトナムの対中抑止力の源泉は、軍事力よりも戦争 になれば最後の一人まで戦うという国民の意志である。

中国は圧倒的な軍事力を見せつけることによって相手の戦う意志を挫(くじ)き、「不戦にして相手を屈服させる」ことを狙っている。従って、中国軍の軍事的圧力が台湾において政治的効果を発揮するかどうかは台湾人の意志次第である。

2014年現在、台湾の対中輸出比率は40%、対中輸入比率は20% である。しかし、60%以上の人が自らを「台湾人」であると考え、「中 国人」であると考える人は4%以下である。また、50%以上の人が独立 を望み、中国との統一を望む人は10%以下である。経済的には中国の強 い影響を受けているが、中国に併合されることを望まない台湾の存在は、
「中華民族の偉大な復興」にとって大きな障害物になっている。
(むらい ともひで・東京国際大学教授)

            産経ニュース【正論】015.9.28

◆ドイツは亡国へまっしぐら

平井 修一



ドイツはすさまじいことになっている。内戦が始まるのではないか。「ロルちゃんのブログ」9/30から。

<*沈没寸前? 追い出しが始まっちゃった

難民大危機の関連で、日本ならでは考えられないことが、ここ数日でドイツで報道されている。市営住宅からドイツ人は所々、市の決定で追い出されるようになっている。

うちの州のニーハイム市や南のエシュバッハ市という所からはこういうニュースが流れて、話題になっている。

ニーハイム市の場合、23年も前から市営受託に住んでいるドイツ人の女性が市から手紙を受けて、年末までに今のアパートから出るように命じられている。理由は「難民の為にそちらの住宅が必要だ」とのこと。エシュバッハ市でも同じ様な話になっている。

住んでいる人はこれを当然弁護士の援助で行政裁判所で告訴ができるが、両市のその決定自体は日本人なら夢でも考えられないような事に違いないだろう。


(緑豊かな美しい街の写真)Eschbach市、この町は難民の為にドイツ人を市営住宅から追い出している。恥を知れ!

(同)Nieheim市、この町も難民の為にドイツ人を市営住宅から追い出している。市長をぶん殴りたい!

日が暮れるのに従って夕方がドンドン寒くなっていく中で、住宅状況は益々深刻になる。(難民は)今はまだまだテント、体育館、使用済みの軍基地、メッセ会場等々に滞在しているが、絶えずに入ってくるから、ただでさえ各市町村が苦しんでいるのに、毎日の様に状況が酷くなってくる。

難民が学校の体育館に泊まるから学生達は体育の授業ができない。メッセ会場のホールを占領しているから、そのホールでオーナーが展示会を開けない。サッカースタジアムの駐車場にもテントを張っているから、週末のサッカー試合には数多くの観客は自動車でプレーを見に行けない。

状況はこれからもっともっと大変になる。いつでも非国民の思想を潜んで持っている緑の党が連合政権の枠内で政府の一部である所では、現在空いている業務用の不動産、つまり産業地帯内の空き地、建物を含めて、州の政府によって押収、没収される事は今検討中である。

いつか、個人所有の空いている住宅も押収されたら、革命が始まる・・・

その次のステップは、一般人が住んでいるアパート、マンションの空いている部屋に強制的に難民を入れなくてはいけなくなるという事は目に見えている。

憲法によってそれは無理だが、戦争中ならプライベートの車も軍によって没収されるから、ここで非常事態宣言が出たら、なんでもあり得る。

しかし、僕はその日、武器を手に持って、自分の家族と自分の家を守る!それは大約束!>(以上)

庇を貸して母屋を取られる。情けは人のためならず、どころか、情けが仇となる。恐ろしい事態だ。ドイツは国家百年の計を完璧に誤った。リベラルを装った危険なアカに引きづり回されている。

フォルクスワーゲンの不祥事によるブランド毀損は5年、10年で回復するだろう。しかし難民(ほとんどは移民希望者)は一度受け入れたらどんどん繁殖し、代々続くから、ドイツはゲルマン系のドイツ語を母語とし、キリスト教を信仰(63%)するドイツ民族(91%)の国ではなくなってしまうのだ。

ドイツ人の出生率はたったの1.4人。一世代、30年もすれば多産のイスラム系アラブ民族の国になってしまう。

亡国の危機だ。地獄の穴が目の前にあるのに、停まって後退するどころか、前進している。「難民カワイソ教」に洗脳され、愛は盲目、「今はあなたしか見えないの」と、自分のおかれた危険な状況、悲惨で深刻な状況がまったく見えていないのだ。

イスラム教に耽溺した人々は、まともな国造りができなかったから母国から逃げ出した。そしてまともな国に「みんなで渡れば怖くない」と押し寄せている。国際社会のルール無視、力による現状変更だ。「難民カワイソ教」の暗愚どもは「難民さん、いらっしゃーい!」。ほとんど末期症状。

戸締り用心、火の用心。良識あるドイツ人は今こそ声を上げ、行動すべきだ。「本物の政治難民はEUの取り決めによって受け入れるが、それ以外のただの移民は拒否する」と。まずは国境を封鎖し、怪しい人々の入国をチェックすべし。明日では遅い、今すぐに始めよ。

こういうことを日本のマスコミは報じない。なぜか。メディアの9割は「難民カワイソ教」だからだ。日本も油断していると、あっという間にドイツになる。強烈な警戒と対策が必要だ。一朝ことあれば中北から怒涛のごとく難民が押し寄せることは間違いない。しっかり備えることだ。(2015/10/1)

◆安保法制に関する民主党の言動は

峯  匡孝



歴史の評価に耐えうるのか?

集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法が9月19日未明に成立した。安倍晋三首相が平成24年12月に第2次政権を発足させてから2年9カ月をかけて成し遂げた一大事業だった。

だが、その参院での採決をめぐっては、もはや守るべき秩序すら存在しないかのような「学級崩壊」に等しい光景が繰り返された。棒倒し、暴行…

9月17日午後4時半前、参院第1委員会室で開かれていた平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長(自民党)は自身の不信任動議が否決された直後、質疑を打ち切った。その瞬間、野党議員が鴻池氏めがけて押し寄せ、与野党議員がもみくちゃになった。

自民党はあらかじめこうした事態を想定し、鴻池氏を自民党議員が取り囲む「3重ブロック」の態勢を敷いた。だが、民主党議員の行動は常軌を逸していた。

民主党の小西洋之氏は鴻池氏が持つ議事進行のペーパーを奪いたかったのだろうか、他の議員の背中を踏み台に、何度も鴻池氏の背後に飛びかかろうとしていた。その姿は「棒倒し」を想起させた。同党の牧山弘恵氏も前にいた議員の背中を乗り越え、その輪の中に乱入しようとしていた。

このシーンはNHKの生中継で全国に放送され、各テレビ局が何度もこの様子を報じた。

さらに、この委員会室の後ろでは、自民党の大沼瑞穂氏が、民主党の津田弥太郎氏に羽交い締めにされ、引き倒されるなどの暴行を受けていたとされる。すでにインターネット上には、この場面を捉えた動画が出回っている。

歴史の審判

19日の参院本会議で、野党は長時間の演説で議事進行を妨害する「フィリバスター」や、採決の際は投票を遅らせる「牛歩」を繰り出し、ルール違反が横行した。少なくない野党議員が投票するときに、本会議場中央の壇上で「戦争法案、反対!」などと大声で叫んだ。

生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎氏に至っては、喪服姿で採決に臨み、牛歩戦術で採決の引き延ばしを図った。パフォーマンスはそれだけにとどまらず、手には数珠を持ち、安倍首相に向かって拝むようなしぐさをみせた。

こうした数々の行動からは、自らの訴えを表現するには、自分たちに課せられているどんな秩序やルールさえも無視してもいいという錯誤があるとしか考えられない。

巷間では「戦争になるんでしょ」という漠然とした不安の声を聞く。しかし、今回の安保関連法のどこにもそんな条文は存在しない。「戦争法案」と主張する野党が納得できる根拠を示したこともない。国民の不安をあおるための根拠なきレッテル貼りでしかない。

1960年の日米安全保障条約改定のときも同じだった。「米国の戦争に巻き込まれる」「徴兵制につながる」と反対派が連呼した。

民主党の岡田克也代表は「集団的自衛権は要らない」と断言した。だが、なぜ不要なのか判然としない。これに対し安倍首相は19日の産経新聞のインタビューに「特定秘密保護法も『この法律ができれば、映画が作れなくなる』『報道が規制される』と批判されたが、全く起きていない。事実をもってレッテルをはがすことで国民の信頼を勝ち取れる」と粘り強く国民に説明する考えを示した。

安保関連法は国家の存立と国民の生命を守るために必要なものだ。その必要性は60年安保と同様、歴史が証明するはずだ。それでも民主党などは「反対」で押し切った。歴史の審判に耐える覚悟があるのだろうか。(政治部)産経ニュース【安倍政権考】2015.9.30

◆やぶにらみの政局占い 

浅野勝人 (安保政策研究会理事長)



私は、ある時期から政権の勢いを測るには支持率より「不支持率」の方が、世論の実勢をより正確に示していると気づきました。不支持率の動向は、その政権の行方を比較的正確に予測します。


もう少し、蘊蓄(うんちく)を傾けると、支持率が不支持率を上回っている時は政権が安定していることを示し、逆に支持、不支持が逆転した場合は、政権が危険水域に近づいたことを暗示します。


当たり前のことではないかとおっしゃいますが、「コロンブスの卵」です。メデイアの皆さん方は、通常、支持率が何パーセントかによって政局の動向を占う判断としています。勢い不支持率の分析を蔑(ないがし)ろにしがちです。


心理学者の見解通り、人は賛成すると決める気軽さよりも、反対を決心する時の方がより強度の意識を伴います。従って、支持不支持の逆転現象は、賛成者の中のかなりの人が強い認識をもって思考を転換しないかぎり起こりません。


安倍政権は、先日(2015/6月)、朝日新聞の世論調査で支持率が40%を切って39%になりました。一時70%と驚異的な支持率を誇っていた政権にしては、半減に近づいており、危険信号ではありますが、まだ支持が不支持をわずかに上回っています。


安保法制が、安倍好みのタカ色で、戦争をし易くするための措置と映っている現状からみれば、ビックリする数字ではありません。


ところが、今朝(2015/7月6日)の毎日新聞は世論調査の結果を「安倍内閣不支持上回る」と1面トップで伝えました。


5月の前回調査から支持率は3ポイント落ちて42%。問題なのは不支持率が7ポイント増えて43%になった結果、支持不支持が逆転したことです。たった1%の逆ザヤとみくびると世論の深層を見誤ります。


安保法制の内容および扱い方については反対・賛成が2対1で従来通りです。ところが、自分たちにとって気に食わない報道をする新聞社はつぶせと言い放った自民党国会議員の報道威圧発言については、「問題だ」「問題ではない」が76対15、つまり5対1ですから、安保法制に“思い上がり発言”が加算されて逆転したのは明らかです。


この問題に関する大部分の人の認識は「開いた口が塞がらない」と述べた林芳正農水大臣と同じ思いです。そして、右翼趣味の作家と民主主義の根幹を勘違いしている幼稚な国会議員に、こんなに住みよい豊かな社会が踏みにじられてはたまらないと思った人たちの数字です。


賛否が問われる政治課題として前代未聞の現象となったのは、発言そのものが論外だったことに加えて、安倍総理が、当初「私的な勉強会で、自由闊達な議論があってもいい」と述べて問題視するのを避けたこと。


麻生副総理が「不用意な発言は国会運営の足を引っ張るだけ」と述べて、威圧発言の内容を戒めなかったことが世論の反発に輪をかけたのは否めません。


確かに支持不支持の逆転現象を政権維持機能の危険水域への接近と申しましたが、この指摘は今のところ安倍政権には当たりません。

理由は、自民党の支持率に変化がないこと。支持率二ケタの野党が存在しない「野党不在」という稀有な時代背景によります。


ただ、同時に、この政治現象は、自民党に思い違いさせる原因にもなっています。つまり、総選挙で他に投票したいと思う政党が存在しないから、より益(ま)しだと思う自民党に投じられている「消極的支持」を「積極的支持による圧勝」と勘違いしている点です。


直近の調査で、久しぶりに無党派層と呼ばれる「支持政党なしグループ」が自民党に代わって第1党に返り咲いたことが、この事情を裏付けています。無党派の多数を占める「政治的無関心層」は高学歴層によって構成されています。

無党派には、もともと政治に無頓着で全く関心のない層も含まれていますが、政治学の分野で、ポリティカル・アパシー:政治的無関心層という場合、知的レベルが高く、政治的社会的現象に強い関心と理解力があって独自の見解を持ち合わせているけれども、現状の政治情況に失望ないしは飽き足らず、関心がない振りをしている層のことをいいます。


現代の政治情況にピッタリ当てはまる政治学の理論です。ですから、第1党となった無党派層は、ビクともしないと思っている「不動の山」を一挙に動かす不気味な政治的マグマです。

そして、この巨大なマグマは、ある一定の限界を超えると突然爆発し、公明党が指摘する「オウンゴール」程度ではとても収まりません。


野党不在に安住して、憲法を軽んじ、国の基本方針を決めるのは総理大臣でも、国会議員でもない、国民有権者だという常識を弁(わきま)えず、安保法制(国政)をぞんざいに扱うと何が起きるかわからない素地を「支持不支持逆転現象」が秘めていることだけは間違いないと指摘しておきます。


内閣支持率に1%の逆ザヤが生じてからちょうど2ヶ月。安保関連法が混乱の中で成立しました。(2015/9月19日)


反対デモは、国会議事堂の周辺にとどまらず、全国主要都市で連日行われましたが、参加人員は少なく、穏やかでした。


55年前、私が大学4年生の時、岸内閣を退陣に追い込んだ全学連を中心とする安保改定反対闘争、いわゆる「60年安保」騒動の折のデモ隊とは比較になりませんでした。


あの時は、職業革命家気取りのリーダーがはびこり、セクト間の争いが絶えず、人々はテレビ、新聞の報道に顔を背け、結局、国民から見放されました。言い換えると、無党派層から相手にされない反政府運動でした。


確かに、今回のデモは、60年安保の規模とは比べものになりませんが、お年寄りや普通のおばさんの参加が目立ちました。「戦争法案反対」「憲法を無視するな」「平和な国を守ろう」といった類の素朴なプラカードを掲げて、人生で初めての経験をしているという感じの人たちが少なくありませんでした。


あの時との決定的な違いは、テレビ・ニュース、新聞報道を通じて、無党派層の共感が得られるかもしれない雰囲気だったという点です。


安保関連法強行成立2日後の21日、各紙は一斉に19、20両日に行った全国緊急世論調査を1面トップに掲載しました。


<安保法制に批判的な朝日新聞>  数字は%、( )は前回の数字。

@安倍内閣 支持35(36) 不支持45(42)
A政党支持率 自民33(36) 民主10(10) 維新2 (2) 
公明3 (3) 共産4(4) 社民1(1) 支持政党なし37(37)
B安保関連法 賛成30(29) 反対51(54)
C国会の強行採決 よかった16 よくなかった67
D憲法に違反している 51 違反していない 22 

<毎日新聞>

@支持35(32) 不支持50(49) 
A自民27(28) 民主12(9) 維新3(6) 公明4(4)
 共産5(4) 社民1(1) 支持政党なし38(38)
B賛成33(43) 反対57(57)
Cよかった24 よくなかった65
D憲法違反60(61) 違反していない24 (28) 

<共同通信>

@支持38.9(43.2) 不支持50.2(46.4)
A自民32.5(35.0) 民主9.5(10.5) 維新2.8(4.7)
公明3.8(2.5) 共産3.9(5.0) 社民1.5(0.9) 

支持政党なし43.6(39.2)
B賛成34.1(31.1) 反対53.0(58.2)
Cよかった14.1  よくなかった79.0
D憲法違反50.2(55.1) 違反していない31.8(30.4)


<安保関連法に賛成の立場の読売新聞>

@支持41(45) 不支持51(45)
A自民33(37) 民主11(10) 維新3(3) 公明3(3)
 共産4 (4)  社民1(1) 支持政党なし42(39)
B賛成31 反対58
Cよかった30  よくなかった60
D調査対象にない


この時期、各紙の投書欄に目を通して、賛否両論の代表的な例を拾ってみました。

「 安保法制の整備はやむを得ない(愛知県、56才、男性)
安保関連法が成立したが、批判の声も多い。だが、私はこの法律に積極的に反対する気持ちにはならない。
 日本国憲法の第9条がこれまで果たしてきた役割は大きかったと思うが、複雑な国際情勢は9条があれば解決するという状況にはない。現実問題として、近隣の国が過去に拉致事件を起こしたり、反日暴動をあおったりしてきた。

 こうした中で、不法行為に対する備えが出来ていることを示すために、安保法制を整えるのはやむを得ない。そのようなところまで、現状は来ているのではないだろうか。

 「徴兵制が復活する」「日本が他国を侵略する」と想像する人もいるようだが、私はそのようなことが実際に起こるとは思っていない。しかし、拉致も領海空侵犯も暴動も、想像ではなく近隣国で起こっている事実である。備えあれば憂いなしと考える。」


「 国会周辺デモに初めて参加した(埼玉県、66才、女性)
 安保関連法案の採決が大詰めを迎えていた18日、国会周辺のデモに初めて参加した。老若男女の集う穏やかなデモだった。1人で参加しているのは私だけではなかった。

 若い頃、祖父母や父、母が「なぜ、戦争に反対しなかったのか」理解できなかったが、政治に失望していたからだと今はわかる気がする。だから、自分に出来ることは何かと考えてデモに参加した。 
デモの現場では、様々な人が国を思い、平和を思い、民主主義を大切に思う気持ちを訴えていた。若者もスマホを置いて、肉声で叫んでいた。世代を超えた共通の思い、共通の言葉がそこにはあった。『若者言葉』は分からないとよく言われるが、しっかり自分の思いをつたえている姿を見て、うれしくなった。彼らと共に平和を語り、守っていく責任を感じた。

 2015年安保は、平和に慣れて忘れていた「共通の思い」を、すべての世代に思い出させてくれたのではないだろうか。」


56才氏は、集団的自衛権の行使は最小限必要だと考えている消極的自民党支持者でしょう。来年の参議院議員選挙では、自分の納得する新しい保守党が存在していない限り自民党に投票します。


66才さんは、たった一人でデモの参加したことから推測すると、安保関連法は日本の平和を脅かす戦争法案だと懸念している無党派でしょう。来年の選挙では、安保関連法に明確に反対した野党に投票します。


この二人の心情は世論調査に微妙且つ巧みに反映されています。安倍首相に対する支持率の減少に反比例して不支持率が増え、逆ザヤの幅が、二桁半ばまで広がりました。
 

安倍人気に対する陰りが明白なのに、自民党の支持率は微減にとどまっています。6割〜7割の人が、安保関連法案に反対しており、7割〜8割の人が、強行採決を繰り返した国会運営を批判しているのに、その意向に沿って徹底抗戦した民主、共産両野党の支持率は、微増、微減でまるで反映されていません。安倍首相が「ある程度の支持率下落は想定の内」と覚悟している根拠でしょう。
 
ただ、はっきりしていることは、無党派層が、断然、第1党を占め、第2党の自民党に11%(毎日、共同)も水をあけている点です。


なんともやっかいな世論の複雑な心理動向ですが、安倍政権の重要政策の扱いをめぐる政局運営に批判的な層が増えてはいるものの、野党が受け皿になっていないと分析するのが妥当でしょう。

それなら、これからどうなるか。

一層大きな塊に育つ気配の“無党派層の動向”がカギを握っているのは間違えありません。安保一辺倒から転換して経済政策を重視する安倍首相の回帰路線が、無党派マグマを鎮めることが出来るかどうかにかかっています。


毎日新聞の7/6の世論調査では、安保関連法案に反対している層の内閣支持率は21%ありましたが、法案成立後の調査では「成立を評価しない」層の内閣不支持率は79%に達し、支持率は8%に止まりました。


首相官邸は「支持率低下は予想の範囲内。法案反対の層はもともと安倍批判票で織り込み済み」と受けとめていると想像されます。


ただ、安倍政権に対する報道姿勢が違っているどのメデイアも、その相違に関わりなく内閣不支持率の傾向が共通している現況は軽視できません。


ですから、支持率の回復は、起死回生の新たな経済政策による景気の押し上げが功を奏するかどうかにかかっています。それを測るわかり易いバロメーターは株価です。高値から日経平均3,500円も下落(9月末現在)しているままでは八方ふさがりの死にたい内閣です。


業種別に散在する比較的業績がいいのに株価が不当に安い中低位株人気相場をテコに、年内に2万円を回復して、参議院選挙前には2万2、000円台になっていないと経済回帰の名目は立ちません。


アベノミクス、「ク」の字が欠けたら「安倍のミス」に終わったら政権の寿命でしょう。
(2015/9月29日、元内閣官房副長官)



2015年10月01日

◆猜疑心かき立てる米中首脳会談

田久保 忠衛


案の定、米中首脳会談は不首尾に終わった。両国がぶつかり合う主要なテーマは、サイバー攻撃と南シナ海問題の2つだ。前者は、米連邦職員と元職員2150万人の個人情報と数十億ドル分(約数千億円)相当の米企業秘密がハッキングされたという。

歴史始まって以来、これ以上の大規模な窃盗事件はない。ところが、オバマ大統領も習近平国家主席も閣僚級の「ハイレベル対話」を創設することで合意した。失礼ながら笑わざるを得ない。

《かなぐり捨てた「韜光養晦」》

習主席は共同記者会見で、あたかも人ごとのように「両国は協力を拡大し、紛争を回避しなければならない」と語っていた。言論、報道の自由を厳重に制限し、反体制派を徹底的に弾圧する一党独裁政権がハッカーの正体を知らないはずはなかろう。オバマ大統領は習主席を追い詰めていない。

後者は自国の主張を言い合っただけで、何の妥協もなかった。大統領は記者会見で「率直に話し合った」と述べたから、激しく迫ったのだろうと思われる。スプラトリー(南沙)諸島で人工島の建設、軍事化を正しいと認める国などは世界でも稀(まれ)だろう。

にもかかわらず習主席は「南シナ海の島々は太古から中国の領土だ。自国の領土主権と合法的で正当な海洋権益を守る権利がある」と記者会見の場で言い放った。昨年11月の首脳会談で軍同士の信頼醸成措置を構築するとの合意はでき、それに基づいて国際空域での軍用機行動規範は公表された。が、肝心の南シナ海に適用されるかどうかは決められていない。

そもそも中国は、国際社会と協調して国を運営するのだと称し、「平和的台頭」を目指した筈(はず)ではなかったか。米政権はニクソン大統領以来、中国に適用してきた、国際社会のあらゆる分野に関係させようという関与政策が効果を上げ始めたと判断したのだろう。

ブッシュ政権2期目のゼーリック国務副長官は「ステークホルダー(利害共有者)になってほしい」と呼びかけた。にもかかわらず中国はトウ小平氏が唱えた「韜光養晦(とうこうようかい)」(姿勢を低くして強くなるまで待つ)をかなぐり捨ててしまった。

《米紙の痛烈なオバマ批判》

米中首脳会談で改めて明白になったのは、サイバーテロ、南シナ海、人権問題を批判する米国とそれに異を唱える中国との対立の構図だ。南シナ海に特定すれば、国際海洋法に従えと要求する米国に対し、中国は紀元前の常識を持ち出して対抗しようとする。

「太古の時代」の領土を通用させ ようとしたら、世界が大混乱に陥ることなどは念頭にないらしい。国際合 意は口先だけで、領土問題はあくまで2国間で解決すべしと説いてきた外 交は、強力な軍事力を誇示して戦わずして勝つ戦略、孫子の兵法ではないか。

豹変(ひょうへん)した中国に対して、相変わらず責任ある「ステークホルダー」になってほしいと要請し続けてきたのはオバマ政権だ、と痛烈な批判をしたのはウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙だ。

会談 当日の社説で保守系のこの新聞は、地域的覇権主義、最終的には世界大国 になろうとしているライバルにはより強力な措置が必要だと説く。これは 敵対あるいは戦争よりも、協力のほうがはるかに得るところが多いと中国 側に悟らせるためだという。

具体的には南シナ海の人工島から12カイリの領海に米艦船を入れ、国際水域であることを示す。情報を盗んだ中国企業には制裁を科す、である。行動に出ないのを相手の弱点と計算する中国は既成事実を積み重ねるので、違法の線を明確にし、誤解の余地を与えてはならないと説く社説は説得力に富む。

 《安心できない尖閣問題》

オバマ政権の、「話し合い」重視で何もしない政策が、中国だけでなく、世界各地に混乱の種をばらまいてきた。WSJ紙はオバマ大統領を見放し、次期大統領に経済の回復と太平洋への展開を伴う防衛の再建を期待している。

習主席はシアトルとワシントンの公開の場で「新型大国関係」を口にし、オバマ大統領はこれを事実上、黙認した。これまでにも同様の場があったが大統領は拒否していない。中国は紛争や対決の回避、核心的利益や主要な利害関係などの相互尊重、ウィンウィンの協力など6原則を示している。問題は中国が、「核心的利益」に尖閣諸島を入れているかどうかだ。

一昨年4月に中国外務省副報道官は「核心的利益に属する」と述べ、速記録からこの部分を削除した。副報道官が失言したのであればその説明があるべきだが、ない。オバマ大統領が尖閣諸島は日米安保条約の対象になると明言したから「心配無用」とのんきに構えていいか。

いつか米中関係が好転したときに、中国側が1972年の上海共同コミュニケで台湾を扱ったように解釈の相違を認めようではないかと、持ちかけないともかぎらない。

米中関係は日本の運命を左右する。猜疑(さいぎ)心を抱くなというほうが無理だ。(たくぼ ただえ・杏林大学名誉教授 )
産経ニュース【正論】2015.9.30

◆国会内”民主党強姦未遂事件

MoMotarou

 @officematsunaga @flying_box_4042 自分の女を守れず「国」を守れるはずが無い。助平爺の首を取って来い!
   
               ★

安保法案は9月19日未明に成立した。参議院可決段階で民主党津田弥太郎議員が自民党大沼瑞穂(36)議員を羽交締めの上引きずり回した。これが闇夜に行われたらスカートを剥がされる強姦の寸前だ。

■悲劇を繰り返してならない

朝鮮半島では引き揚げげ中の大和撫子が次々と襲われ強姦された(「竹林はるか遠く」)とは知っていたが、日本国の国会内で堂々と成されたとは信じがたい出来事であります。私は安倍自民党公明党はこの民主党議員を懲罰委員会に掛けると思っておりました、しかし谷口自民党幹事長は民主党と取引をして「まあまあ」の大人の取引をした模様。人はこれを「泣き寝入り」と云う。

■騒がない「人権女性議員」

安保法案成立が大事で、女一人のことに関わっておられるかと云うことになる。オフィス・マツナガさんの熟練記者によると、最後は被害者の大沼瑞穂さんが、「そこにいたお前が悪い」という風に持っていかれるのが常だそうだ。”オジキ”こと評論家須田慎一郎さんは「あんなことが許されるなら民主党から立候補する」と明言しておりました。

自民党、共産党民主党等の女性国会議員が一人も騒がないのも異常です。「次世代の党」だけがハッキリ問題視しております。安保法案審議前、小説家百田尚樹さんの発言が難癖を付けられ騒がれた時、自民党は問題が無いのに自党の議員が悪いとして急ぎ収束しました。

■幣原喜重郎の二の舞い

この姿勢が「自民党は弱気」というイメージを作り、国会前のデモ騒ぎに展開した。今回も似た展開になるのでしょうが、サヨクや共産主義者等に「恩」を売ったり「貸し」を作ったと思っていたら大間違いであります。
5年体制の社会党とは違う。

NHK、新聞等のメディアが既にシナコリアの手に落ちておりますから、彼らに対する「監視」は厳しいものです。甘い!!!菅直人元首相の政治姿勢は「一点突破、全面展開」でありました。今回の始末を失敗すると、とんでもないことになります。

■蓮舫議員の脅しに屈した谷口幹事長

民主党レンホウ議員が稲田政調会長に「泥沼化になる」とテレビで啖呵(たんか)を切っておりました。自民公明がこの「脅し」に屈したと看做(みな)されたら、シナコリアに尻を叩かれている民主共産等は更に暴れるでしょう。「『蟻の一穴』という諺を忘れるな!!!」と申し上げたい。
 ”MoMotarou放送局 @momotarou100

@officematsunaga 内心、自民党の女議員は裏切られたと思い、民主党の女議員には情けない男だと思われる。安倍ちゃん、安保法案より根源的な事件だ。全女性を敵に回す事になる象さん。”

 

◆中共支える9億の貧者=信者

平井 修一

宗教やイデオロギーに洗脳され「淫」すると、人間にとって一番大事な「思考=疑って真実を探り行動する」ことができなくなる。これは大変恐ろしいことで、指導者・独裁者の言いなり、ロボットになってしまうのだ。理性が働かない、冷静な判断ができない、現実が見えない。そういう風になる。

人間は本来「正義・利益と思えば何でもする(虐殺も厭わない)」(そうしないと不利益をこうむったり虐殺されるという歴史があった)から、洗脳されるとこの本能がいかんなく発揮される。

欧州の洗脳された人は「難民を受け入れろ」と目が点になっている。声が大きいから目立つが、冷静なサイレントマジョリティも声を上げ始めた。

<ヨーロッパにおける難民受け入れ義務化をめぐって中心的な役割を担うドイツだが、国内の最新の世論調査では、回答者の78%が国境の封鎖に賛成している。ドイツもまた理想と現実のギャップに直面しているのだ>(ジャーナリスト・仲野博文氏の論考「難民受け入れを欧州の一般市民はどう考えているのか」ダイヤモンドオンライン9/29)

ドイツと欧州諸国は現実を直視して妥当な「解」を見出してほしいと思う。日本は難民受け入れの土壌がないから資金援助で協力するしかないだろうが。

コラムニスト・楊海英氏の論考「毛語録から新華僑まで 中国が張り巡らす謀略の糸」(ニューズウィーク9/29)から。

<かつての陸と海のシルクロード沿いに「一帯一路」という名の巨大な経済圏を構築し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の主導権を掌握することで、自国中心の国際秩序を新たにつくろうとする中国。

世界はその戦略にどう対処すべきか。現代史を振り返ることで、中国の本質を分析してみよう。

事あるごとに他国への干渉を図ってきた前科があるので、中国は警戒すべき相手とみられている。国力がまだ弱く、内部で激しい政治闘争、文化大革命が繰り広げられていた66年秋から翌年の夏にかけて、中国は『毛沢東語録』をソフトパワーとして世界を席巻しようとたくらんだ。

毛の著作を抜粋した語録は当時24カ国語に翻訳され117カ国に配布。総発行部数は50億に達した。

当時の世界人口は30億余りだったので、平均してひとり1.5冊を所持したことになる。聖書にも迫るほど毛語録を印刷した中国政府は「中国は世界革命のセンター」「世界の3分の2の人々はまだ解放されておらず、赤い太陽である毛主席の降臨を待ち望んでいる」と宣伝し輸出した。

毛語録を配り歩く中国の外交官を追放する国も出るなど、外交的衝突が絶えなかった。

毛語録はネパール共産党や東南アジアの左翼系ゲリラの聖典となり、「農村から都市を包囲して革命を成功させる」指南書の役割を果たした。コンゴ(旧ザイール)や南米コロンビアのゲリラも北京に詣でて直接、政権転覆の指導を受けた。

世界を中国の天下につくり直すために当局は華僑の動員に全力投球する。66年9月、中国共産党中央華僑事務委員会を主管していた廖承志は次のように演説して各国メディアを驚愕させた。

「世界にはわが国の同胞たち、すなわち華僑は2000万人いる。ものすごい力だ。彼らを動員し、そのうちの100分の1がゲリラになってくれれば、われわれは20万人の兵力を擁することになる」

*グローバリズムと衝突も

廖は日本に生まれ育ち、早稲田大学で学んだ秀才。「現在、日本の山口県の人民たちも立ち上がって造反している。日本が動乱に陥れば、われわれにとってはチャンスだ」と、廖は扇動した。

「山口県の人民」とは毛沢東主義を掲げた日本共産党山口県委員会(左派)を指す。当時、文革に批判的な日本共産党から除名される対立が起きた。

「千葉県三里塚の農民と佐世保の人民、山口県岩国の人民の反帝国主義闘争を支援しよう」と、69年に中国共産党は何回も声明を出し、空港・基地問題で揺れる日本の分断を図った。「華僑は日本人民を支援する最前線に立っている」とも持ち上げた。

今日も、中国の外交官は何より駐在国に住む華僑の経済力と政治力を利用しようと謀略活動を続ける。実際、華僑の存在が大きい東南アジア各国は常に華僑と北京との間で張り巡らされた糸に踊らされている。(平井:代表的なのはタイやインドネシアだろう)

古くから各国に定着した華僑の中には地元と関係が深くなるにつれ、中国政府に熱心に呼応しない人も出てきた。中国政府は現在、改革開放で80年代以降に世界に進出した「新華僑」をこよなく愛している。中国共産党系の新聞は「われわれの手で育て上げた者は、その心も北京に向いて拍動している」と、彼らに最大の賛辞を贈ってきた。

08年の北京オリンピック開催に当たって、聖火リレーが世界を回った。中国に抑圧されたチベット人やモンゴル人が沿道で抗議活動を行おうとした際に、中国大使館が動員した華僑や留学生がむやみに独裁政権の中国を擁護し、その異質ぶりが目立った。

日本でも東京・麻布の大使館が動員した無数の中国人の掲げる五星紅旗が長野県善光寺周辺を埋め尽くした。

今日、中国政府の政治的スローガンはかつての毛語録ほど影響を持たない。ただ、華人ネットワークとそのマネーを世界規模で動かそうとする野望は衰えていない。中国の世界戦略とグローバル資本主義の調整と共生が喫緊の課題となるだろう>(以上)

中共と国際社会は調整も共生もできない。中共は一党独裁と国家独占資本主義という統治システムを「支那に最も適したシステム」と信じきっている。西側世界の価値観を「効率性の悪いシステム」と評価しているから、調整も共生もしないし、それは自滅につながるから、そもそもできない。

13.7億の人民の中で都市部の4億のホワイトカラーは繁栄にあずかり生活を楽しんでいるが、地方や小都市の農民やブルーカラー、自営業者など9億は貧しいままだ。

貧者にはおしゃれなレストランも爆買いも海外旅行も無縁である。楽しみの主流はテレビの抗日ドラマだろう。抗日パレード翌日のレコードチャイナ9/4から。

<5割近い中国人が「歴史の歪曲」と考えている――素手で日本兵を切り裂くといった奇抜な演出で知られる「抗日神ドラマ」について、こんな調査結果が出た。中国のネットユーザーは「一部の人間の虚栄心を満たしてくれる」などと反応。日本のネットユーザーは「5割強が信じている」などと、あきれ顔だ>

つまり貧者の多くは抗日ドラマを「歴史の真実」と思い、抗日パレードに大喜びし、習近平に親しみを持ち、習の虎退治に手を叩いているのだ。中共の権力基盤は9億の貧者なのだ。

9億の民は習が号令をかければ何でもする。日貨排斥、小鬼子殲滅と言えばその通りに暴れるだろうし、持てる者から奪って持たざる者で分配せよという毛沢東の原点に帰れと言えば豊かな4億を襲撃するだろう。

独裁政権を9億の貧者=信者が支えている。圧倒的な強みだ。株の暴落なんて9億にはまったく関係ない世界だ。もはや信仰の世界。中共万歳、抗日勝利!

すなわち中共は「調整も共生も」する必要がない。となれば、ある日、ボキッと倒れるのではないか。「幹の中身は空洞だったよ」というコメントが出回るだろう。(2015/9/30)

      

◆ヒラリーも習近平を罵倒

宮崎 正弘 

<平成27年(2015)9月30日(水曜日)通算第4668号 >
 
〜習近平の訪米を影の薄いものとしたモディ旋風
  ヒラリーも習近平を「恥知らず」と罵倒。何のための訪米だったのか?〜


インドのモディ首相は主要国の指導者なかで、イの一番に国連で演説し、「平和」を唱えた。

プーチン、習近平より早い登壇で、安倍首相は、29日、ラストの演説となった。

モディ首相は国連演説を終えると、ニューヨークからカリフォルニア州へ飛んだ。

サンノゼのノームミネタ空港へ「エアインディア・ワン」で降り立つと、在住インド人数万が熱烈歓迎し、演説会場のスタジアムは7万人がつめかけるという前代未聞の盛況ぶりとなった。

それもこれもカリフォルニア州サンタモニカ周辺だけでも、インド人移民は50万人前後もいるからだ。彼ら在米インド人がシリコンバレーを支えている。マイクロソフトのCEOなど、インド人である。

インド首相が同地を本格的に訪問するのは1949年のネルー以来で、ガンディ首相とデサイ首相がカリフォルニを短時間滞在したことはあるが、本格的訪問はじつに66年ぶりの「事件」だったのである。

「カリフォルニはIT産業と民主主義が合体して人々の夢を実現した『ゴールデン・ステート』であり、この地域のインド人は将来の建設に貢献しうる」

モディがこう演説すると聴衆は湧いた。ペロシ元下院議長も聞きに来ていた。

対照的にIT産業のメッカであるシリコンバレーに夥しい産業スパイを潜入させ、ハイテク企業からトップシークレット技術を盗み出し続け、くわえてハッカー攻撃を止めない中国へアメリカ人の剥き出しの敵対意識が拡がっている。

大統領選挙の有力候補ヒラリー・クリントン前国務長官もツィッターで、
習近平は「恥知らず」と非難した。

習近平訪米最中に中国国家統計局は直近の経済数字を発表した。

それによれば、企業の経常利益は過去四年間で最低となり、とてもGDP7%成長は望める状況ではないことを示唆する結果となった。

主因は8月11日の人民元4・5%切り下げによって、企業の生産コストを23・9%引き上げたことによるとされる。

しかし上海株式もすでに六月のピークから40・1%の暴落ぶりを示しており、この国家統計局の数字によらずとも、その凋落傾向は歴然としているのである(数字はいずれも『サウスチャイナ・モーニングポスト』、9月29日)。

◆木津川だより 高麗寺跡B

白井 繁夫


飛鳥時代に創建されたと云われている古代寺院の「高麗寺跡こまでら跡」について、@では寺名が「高麗寺:こまでら」となった由来や時代の背景について、高麗寺跡Aでは発掘調査の出土品の中で、出土遺物の数量などが多くて年代を文様などから比較的に区分しやすい瓦(軒丸瓦.軒平瓦)から高麗寺について記述しました。

今回Bでは、昭和13年の第T期発掘調査の結果、国の史跡と認定された高麗寺跡の伽藍配置や瓦以外の出土品を精査して、V期調査まで(平成22年の第10次発掘調査まで)の間に確認された概要を下述します。

★高麗寺の創建は7世紀初頭、伽藍整備は7世紀後半、伽藍配置は法起寺式
  
 主要堂塔が東に仏舎利を祀る塔、西に本尊仏を祀る金堂を並置して、それを囲む回廊
が北の講堂、南で中門に接続している様式(南北回廊200尺:59.4m、東西201尺:
59.7mのほぼ正方形)
 高麗寺の伽藍配置は川原寺式から変化して法起寺式へと移行の初例と思われます。

★南門.中門.金堂が南面して一直線に並び、講堂の基壇が荘厳で特異な伽藍配置

川原寺式伽藍配置から法起寺式への変化の途上か?(添付の「各寺院の伽藍配置」参照)
高麗寺は西金堂の正面が南面し中門.南門と直線状に並びます。川原寺は北講堂.中金堂.中門.南大門は一直線状ですが西金堂は正面が東塔に対面しています。

(仏舎利を納めた塔より仏像を祀る金堂を重視する考え方か?
飛鳥時代から天平時代へと伽藍配置が変化する過程の先駆けではと思われます。)

高麗寺の講堂の基壇は三層構造の豪華さで、丁度川原寺の中金堂と同じ位置にあります。
高麗寺の初期設計時には講堂の場所に中金堂を予定していたのか?と思われるほど
基壇は荘厳な造りでした。
  
飛鳥時代、高麗寺が創建された時期には七堂伽藍を完備した寺院は飛鳥寺が国内では
唯一の寺院でした。その他の寺は一.二堂程度の草堂段階?(捨宅寺院?)であったと考えられています。

★高麗寺の南門の屋根には鴟尾があり、最古の築地塀が原形の状態で検出されました。

  南門跡は桁行20尺(5.94m)x 梁間12尺(3.56m)、屋根は切妻造りで鴟尾を
置いた八脚門、南門に接続する築地塀が南辺築地跡から原形を留めた、極めて良好な
状態で検出されました。

7世紀に築地塀が構築された例はいまだ検出されていません。8世紀の奈良時代になって  寺院の外画施設とする築地塀が一般的に用いられるようになったのです。

高麗寺の築地塀は7世紀後半のものであり、検出遺物は国内最古の出土物の例です。
白鳳時代の築地塀が残っていた事だけでも極めて珍しいのに、ラッキーにも壊れ方が建物の内側で原形を留めていたことです。

 (飛鳥寺南辺、川原寺南辺、東辺にも築地塀の存在説がありますが、現在も出土例は有りません。)

★高麗寺の終焉時期の推測

  文献上では廃絶が不明の寺院ですが、出土遺物の中から、平安時代の土器である灰釉陶器が見つかりました。この陶器から平安時代の末期頃(12世紀末から13世紀初)まで存続していたのではないかと云われています。

天武天皇は壬申の乱で功績のあった狛氏一族の氏寺の創建を認め、白鳳時代から奈良時代にかけて全盛期を迎えた高麗寺の状況ですが、聖武天皇が高麗寺の東方約3kmの瓶原(みかのはら)に恭仁宮を造営して、恭仁京(木津川市)へ遷都した頃(天平12年)、木津川の船上から見える高麗寺は南門の屋根には鴟尾が在り、当時は珍しい築地塀越に東塔が聳え西の輝く金堂など、当時の人々はこの大寺院を畏敬の念で仰ぎ見たことと思われます。

参考資料: 山城町史  本文篇  山城町
   南山城の寺院.都城 第106回 埋蔵文化財セミナー資料 京都府教育委員会
   木津川市埋蔵文化財調査報告書 第3.第4.第8集   木津川市教育委員会

★ 添付図(各寺院の伽藍配置)

各寺院の伽藍配置(下記に掲載)
川原寺.jpg
高麗寺.jpg
法起寺.jpg