2015年09月19日

◆「不都合な民意」見ないふり 

阿比留 瑠比



「直近の民意」が示されたというのに、あまりにあっさりとした扱いで拍子抜けした。安全保障関連法案が争点化していた13日投開票の山形市長選に対する一部の野党やメディアの反応のことである。勝者が逆だったら、さぞや鬼の首を取ったかのように大騒ぎしていたことだろうに…。

山形市長選では元経済産業省職員、佐藤孝弘氏=自民、公明、次世代、改革推薦=が、元防衛省職員、梅津庸成氏=民主、共産、社民、生活推薦=を事実上の一騎打ちで破った。「昭和41年以来続いた非自民主流の市政からの歴史的な転換」(地元紙の山形新聞)だった。

しかも吉村美栄子山形県知事も市川昭男山形市長も梅津氏を全面支援する中での勝利だった。これだけでもニュース価値は高い上、山形市長選は維新の党の柿沢未途幹事長(当時)が個人的に梅津氏の応援に入り、維新分裂騒動のきっかけともなった。

さらに、梅津氏は当初から安保関連法案への反対を掲げて選挙を戦っていた。6日の第一声でもこう訴えている。

「違憲との指摘が多い安保法案が国会で審議されている。強行採決はどうしても認められない。明確に反対」(7日付山形新聞)

梅津氏は10日付山形新聞では選挙の争点を問われ、「安保法案の強行採決に象徴される『力』に頼った、押し付け政治」を否定している。安保関連法案への批判票の糾合を狙う作戦だったのは間違いない。

民主党は「反安保法案の野党共闘」を目指していたし、政府・与党も安保関連法案の審議に響きかねないと注目していた選挙だったにもかかわず、15日付朝日新聞朝刊ではベタ記事で本文はたった9行。東京新聞朝刊もベタ記事だった。

不都合な真実は見ないように、伝えないようにしているのだろう。弊紙もそんな報道の陥穽にはまらないよう他山の石としたい。

「山形市長選で自民党系が勝つのは半世紀ぶりなんだし、大きな話だ」

政府高官がこう喜ぶのと対照的に、岡田克也代表、枝野幸男幹事長、長妻昭代表代行、蓮舫代表代行…と大物を次々に梅津氏の応援に送り込んだ民主党も選挙結果への反応は鈍かった。

「憲法そのものを変えないで、解釈だけを変えて海外でも戦争をできるようにする。そんな法案を、ごり押ししようとしている」8月に自ら山形市に乗り込んで、こんな演説をぶっていた枝野氏は9月14日、記者団に山形市長選の受け止めを2回聞かれても、次のように述べるだけでまともに答えなかった。

「(山形2区が地元の)近藤洋介役員室長がコメントしていると思うのでそれに尽きる」「近藤さんと同じだ」

近藤氏は山形市で記者団にコメントしたようだが、その場にいなかった記者には分からない。枝野氏はこのとき、党の選挙責任者としてきちんとコメントすべきではなかったか。

山形新聞によると近藤氏は7日の演説で、市長選の結果が安保法案の審議に影響を与えると指摘し、こう力を込めたのだという。

「市民の力で法案に待ったをかけよう」

結局、民主党など野党が「強引に争点を平和安全法制に据えた」(安倍晋三首相)思惑は見透かされ、「民意」は彼らの思うようには動かなかった。

現実感覚が希薄な点が、国会前デモの派手だが地に足が着かない軽躁さと
似ている。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2015.9.17
              (採録: 松本市 久保田 康文)

◆中国新幹線、こんどは米国へ殴り込み

宮崎 正弘 


<平成27 年(2015)9月18日(金曜日)通算第4661号 >
 
〜懲りない、めげない、恥を知らないという三拍子
  中国新幹線、こんどは米国の心臓部へ殴り込み〜

 
「恥の街」という異名をとるのはネバダ州のラスベガス。ここから西へ370キロ、カリフォルニア州のロスアンジェルスへと到る。

中国は、この心臓部ともいえる区間に「新幹線」を敷設するジョイントベンチャー企業を2016 年秋に立ち上げると発表した。

主体は「中国国際鉄道」の米国子会社と、米国のベンチャー企業「エクルプレスウェスト」(この会社の実体は不明)。両社が米国内にジョイントベンチャー企業を設立し、2016年からラスーロス間の新幹線建設構想を具体化する事業を開始するとした。
 
メキシコで、インドネシアで中国の新幹線プロジェクトは白紙に戻されたが、その凄まじい賄賂攻勢、ダンピング、破格の融資条件など、まさに「懲りない、めげない、恥を知らない」体質を顕現している。

この構想は9月17日、習近平訪米直前というタイミングを撰んで発表されているので大風呂敷におわるかもしれないが。。。

◆米軍を日本につなぎ止めよ

加瀬 英明



私はアメリカを“アコーデオン国家”と、呼んできた。

アメリカはこの戦後70年、外へ向かって撃って出る時期と、羹(あつもの)に懲(こ)りて引きこもる時期を、交互させてきた。

先の大戦が終わると、トルーマン政権が軍縮を進めたが、朝鮮戦争が起ると全力をあげて戦った。アイゼンハワー政権が朝鮮戦争をやっと休戦にもち込むと、内にこもった。

ケネディ大統領がベトナム戦争を仕掛け、ジョンソン政権で本格化した。ところが、大火傷をして、ニクソン政権が南ベトナムを放棄すると、カーター政権が終わるまで、内にとぢじこもった。

レーガン大統領はそれゆけドンドンと、ソ連に軍備競争を挑んで、ソ連が解体した。アメリカの驕(おご)りは、ブッシュ(子)政権で最高潮に達して、アフガニスタンとイラクを侵攻した。その結果、中東が収拾がつかない大混乱に陥ったから、大失敗だった。

アメリカは海外で戦う意志力を萎えさせて、オバマ大統領はシリア内戦が激化しても動かず、2014年に公けの場で、「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と、弁明した。

いま、アメリカはアジアどころではない。

ヨーロッパでプーチン大統領のロシアの脅威が切迫して、NATO(北大西洋条約機構)諸国が緊急対応軍を急編して、演習を繰り返している。

アメリカ軍は中東では毎日、イスラム国(IS)を空爆している。

アメリカ軍はドイツに174、日本に113、韓国に83など、外国に700以上の基地を展開しているが、財政再建のために、国内外の基地の数を減らしつつある。連邦議会議員のなかには、在韓米軍と沖縄の海兵隊を引き揚げるべきだと、主張している者もいる。

ワシントンでは日米安保条約が、アメリカは日本を守るが、日本はアメリカを守らないから、不公平だという声もあがっている。

私は岡田党首の民主党が、安保法制に反対して配っているビラを読んで、肝を冷した。

「日本が直接攻撃を受けていなくても、地球の裏側まで行って、他国の行う戦争に参加しなければ、日本の平和は守れないのでしようか」というのだ。アメリカは日本の「同盟国」であって、「他国」ではあるまい。これでは、公党の資格がない。

アメリカという“アコーデオン”が、綻(ほろ)びつつある。私たちは努力して、アメリカ軍を日本に繋ぎとめておかねばならない。

◆国の安保危うくする歴史の譲歩

中西 輝政



これだけ見せつけられれば、もはや国会で審議中の安全保障関連法案の成立に反対する人はいなくなるだろう。9月3日の中国・北京での「抗日戦争勝利70年」を記念した軍事パレードを見て強くそう思った。

 ≪メディアの際立った二面性≫

実際、日本のテレビ各局の報道も、中国のこの「戦後70年」記念行事の本質をこぞって、膨張する中国による「強大な軍事力の誇示」と大々的に報じた。

特に軍事パレードで登場した、米海軍の空母、日本列島やグアムにある米軍基地さらには米本土を直撃する中国軍の最新鋭のミサイル戦力が、日本の安全保障やアメリカによる日本への「核の傘」に与える深刻な脅威を、各メディアは専門家の解説入りで詳しく報道していた。

当然、こうした認識を踏まえれば、現行の日本の安全保障体制は根底から揺らいでいることがわかり、安保法案は最低限の必要を満たすもの、ということもわかるだろうと思ったのである。

ところが、あれほど差し迫った調子で膨張する中国の「軍事的脅威」を報じていた当の同じメディアが、安保法案の報道になると、まるで手のひらを返したように旧態依然の非武装的平和主義の議論を繰り返している。あたかも「あれはあれ、これはこれ」とまったく無関係の話題として扱っているかのようだ。この際立った二面性は一体、どこから来るのか。

それには大略、2つの理由があろう。1つは「世界認識の誤り」である。

現代の世界では、国民の安全を守るための最も重要な手段は依然として軍事力をはじめとする国家のもつ力(パワー)に依存せざるを得ず、今のところその 各国家の力を互いに均衡させることによってしか平和は保てない。しかしこの認識が 戦後日本では極端に希薄なのであり、その根底に2つ目の理由、すなわち「歴史認識 の誤り」がある。

つまり、かつてのあの「邪悪な侵略戦争」をしたこの日本の軍隊(自衛隊のこと)は、他のどの国の軍隊よりも「悪い存在」「特に警戒すべき存在」と日本 人自身がとらえてしまうのである。

 ≪終わっていない東アジアの冷戦≫

そうすると、たとえ外界にどれほど深刻な変化があっても、それに対して日本が軍事的な抑止力を高めようとすると、むしろそれこそが平和を壊す「異次元 の悪」として忌避すべきものとなる。ここに、いつまでも自虐史観に囚(とら)われ ることの恐ろしさがあるのである。

あの日、天安門の上に並んで軍事パレードを閲兵していたのは、クリミアの侵略者となったロシアのプーチン大統領と、南シナ海と東シナ海で現に侵略を進 める中国の習近平主席の両首脳であり、この巨頭たちの姿は、かつて多くの衛星国の 首脳を従えクレムリンの台上に並んでいたスターリンと毛沢東の姿にまさに二重写し であった。

それゆえ9月3日付の本欄で西岡力氏は、今こそ「冷戦は終わっていなかった」という認識の大切さを強調しておられた。

氏はそこで私も委員の一人として関係した安倍晋三首相の戦後70年談話のための「21世紀構想懇談会」の報告書を取り上げ、「安倍談話とは違って(同報 告書には)納得できない部分が多い」と指摘している。

(実は 私も同意見だが)その 理由の一つとして、同報告書がこの東アジアの冷 戦も含め、過去100年間の共産主義 による大規模な虐殺や主権・人権侵害 をまったく捨象している点を挙げ、報告書を厳 しく批判する。

 ≪問題多い有識者懇談会の報告書≫

正鵠(せいこく)を射た意見と思うが、関係者の一人として(すでに多くの委員が私の名前も含め懇談会での議論の内容を明らかにしておられるので)信義 則に反しない範囲で言及すれば、実は私は西岡氏の指摘する諸点についても懇談会で 繰り返し提起したが、中国共産党への迎合からか、報告書では取り上げられることは なかった。

これ以外にも、同報告書の当初案には中国との和解に必要な具体策の提言として、靖国神社のいわゆる「A級戦犯」分祀(ぶんし)の推進ないし「代替施 設」建設の必要性を謳(うた)った個所があり、さらに慰安婦に対する日本政府の一層 の謝罪と補償ないし賠償のための新たな基金を日本政府が設けるよう求める趣旨の提 言もあった。

これらは私を含む複数の委員の反対によってかろうじて最終的には削除されたが、もはや表面上、痕跡をとどめていなくとも、こういった際どい個所が他に も多数あったのである。これ以上詳しいことは時が来るまで語れないが、歴史問題で の無原則な譲歩がやがて国の安全保障を根底から危うくすることを知るべきだ。

外国製の歴史観に則(のっと)って過去の日本を一方的に断罪し、それを誤って“歴史の教訓”とすることと、強大なミサイル戦力を見せつけられても、な お「非武装」の理想にしがみつこうとするのは、国家観の喪失という点で同根の危 うさを宿しているのである。

(なかにし てるまさ・ 京都大学名誉教授)    
産経ニュース【正論】 2015.9.15


◆「戦争法案」など如何なものか

白岩 賢太


まずは下記のスピーチ文をご覧いただきたい。今日はどうしても言いたいことがあって、この場でスピーチさせていただ きます。

「戦争法案」は絶対に廃案にしなければなりません。こんな政権に日本を任せるわけには行きません。(中略)

僕は周りに政治のおかしさを訴えていきます。戦争を起こして何になりますか。誰が得をしますか。僕ら国民には犠牲しかもたらしません。

そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。

僕自身が抑止力になってやります。抑止力に武力なんて必要ない。絆が抑止力なんだって証明してやります。何とも威勢の良いスピーチの主は、福岡県の大学に通う22歳の男子学生、後藤宏基さんである。

8月28日、学生団体「SEALDs」が主催する毎週金曜日恒例の安保法案反対デモに参加し、聴衆を前にマイクで高らかに訴えた。どこかの左派ディアのように彼らの活動を諸手を挙げて持ち上げるつもりはないが、自分たちの信念を持って活動を続ける彼らの行動力には脱帽する。とはいえ、彼のスピーチの中身にはいささか首をかしげたくなる部分もあるので、僭越ながら少しだけ苦言を呈したい。

そもそも「戦争法案」などというレッテルを貼り、一方的に批判するのはいかがなものか。安保法案は、他国との戦争を目的にしているわけではない。首相も断言した通り、わが国が他国と「二度と戦争をしない」ための法案である。「徴兵制の復活」などというデマや誤解まで広がっているが、彼らの主張の多くは偏見に満ちている。

それともう一つ、「絆が抑止力」という言葉。中国や韓国といった隣国と交流を深めて、対話による緊張関係の平和的解消を目指すという志は立派だが、自国の利益を最優先に考える外交の世界で、そういう綺麗事だけが罷り通ると本気で思っているのか。

ましてや、言葉も文化も価値観もすべて異なり、公然と敵意をむき出しにする相手であっても、気安く対話できる関係を築ける自信がそんなにおありなら、ぜひ今すぐにでもわが国の外交官としてその手腕を発揮してほしい。

これは乱暴な比喩かもしれないが、もし強盗犯が自宅に押し入り、自分の財産を奪い、家人を傷つけるような場面に出くわしても、犯人に自首を促すような冷静な対応が取れる人なんているのだろうか。独り善がりな理想と信念が通用しないのも外交の本質であり、交渉とは相手と同等以上の立場になって、初めて双方が聞く耳を持つ関係が成り立つ。彼の主張は「理想」ではあっても、現実はそんなに甘くはない。

これまた失礼な言い方かもしれないが、後藤さんに限らず、SEALDsという学生団体の活動を見て思うのは、彼らは権力と対峙し、反体制を謳う「反骨」な自分に酔いしれているだけではないのか。彼らが言うように日本と平和を本気で愛しているのであらば、いま現実に起こっている脅威に目を背けず、きちんと向き合って冷静に解決する術を考えるべきではないのか。感情論や精神論ばかりが先立つ主張は、はっきり言って無意味である。

デモの参加者が、口汚く現政権を罵っているさまを見ていると、ただただ興ざめするばかりで、彼らの訴えは何一つ心に響いてこない。

それでも、SEALDsの運動をかつての「60年安保闘争」と重ねる向きもある。だが、国会突入を図って警官隊と激しく衝突した当時の勢いとは比べものになら ない。主催者がデモの参加者を水増し発表したり、仰々しく報道するメディアもあるが、 多くの国民は今回の安保法案の成り行きを冷静に見守っている。

60年安保の真っただ中、当時の岸信介首相と対峙し、デモを主導した元全学連のリーダーは、昭和62年に岸元首相が亡くなった際、次のような弔文を書いて、 その死を悼んだという。

「あなたは正しかった」

(iRONNA編集長)
産経ニュース【iRONNA発】2015.9.13

2015年09月18日

◆中国の横合いからの凄い売り込み

宮崎 正弘 



<平成27年(2015)9月17日(木曜日)通算第4660号 >

 〜武器商人=チャイナの横合いからの売り込みの凄まじさ
  質はともかく、値段が安くて支払い条件が破格ならば。。〜

米国、ロシアについで中国が武器輸出で世界3位。英独仏をぬいて、いまも「躍進中」である。

インドネシアの新幹線入札の土壇場で、不意に横合いからこのプロジェクトを日本から強奪しようとしたように(結局、ジャカルタは白紙に戻した)、その商行為における行儀の悪さも天下一品である。

今度はエジプトが舞台である。シシ大統領は9月3日の北京軍事パレードに参列した。この話は、そのとき煮詰まったのかも知れない。

エジプト海軍は2011年にドイツのティンセンクルップ社に潜水艦弐隻を発注し、17年に引き渡される。

加えてエジプトはあと2隻の潜水艦を同社へ打診した。この情報を得た中国は、質はともかくとして破格の安さと融資条件を提示し、商談をぶんどろうと躍起になっているという(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、9月16日)。

エジプト国防省は正式なコメントをだしていないが、中国の国有造船企業の「武昌造船所」で造られる潜水艦は「宋」級といわれ、エジプトの軍事予算に見合うほど魅力的な価格であるそうな。中国は80年代にエジプトに「明」級の潜水艦を4隻売却した「実績」がある。

中国はすでに潜水艦8隻をパキスタンに、2隻をバングラデシュに売却しているが、その性能の評判を聞いたことがない。中国の武器輸出の70%はパキスタン、バングラデシュ、そしてミャンマーの三ケ国で占められる(ストックホルム国債平和研究所)。

ドイツのティンセンクルップ社と言えば、従業員16万余の大企業集団であり、わが三菱重工の2倍の規模である。

またシーメンスはエジプトにガスタービンや風力発電施設をまとめる大型商談を成約させている。

武器輸出で、仲の良いはずのドイツと中国が火花を散らすことになる。

◆私の「身辺雑記」(261)

平井 修一



■9月15日(火)、朝は室温24度、晴、ハーフ散歩。

習近平が近く訪米するが、中共の経済悪化が世界中に悪影響を及ぼしているという近来にない最悪の事態の中で、何をし、何を語ろうというのだろう。総スカンを食うのではないか。小生なら延期する。

この訪米は国際社会では得点にはならないだろうが、中共国内向けの報道では「新型大国関係で前進」とか嘘八百が流されるのだろうから、問題なしなのか。

Record China 9/13「習近平訪米にいら立つ米国政府、“盗っ人たけだけしい”企画にあぜん」から。

<9月10日、香港紙・明報は記事「習近平の訪米、滞在は1週間に=中国側のスケジュールに米国は不満」を掲載した。

習近平国家主席の訪米スケジュールが発表された。22日にシアトルを訪問、米中企業リーダー会議、米中インターネット業界フォーラムに出席する。その後、24日にワシントンに移動し、首脳会談が開催される予定だ。

米政府が不満を見せているのが米中インターネット業界フォーラムだ。中国共産党中央インターネット安全情報化リーダーグループ弁公室の魯偉主任が主催し、マイクロソフト社が米国側の協力者となる。アップル社のティム・クックCEOなど米IT業界の大物がこぞって参加する予定だ。

現在、米国では中国によるサイバー攻撃が問題となっている。報復措置の導入まで取りざたされている状況にもかかわらず、堂々とこうしたフォーラムを開く大胆な姿勢が、米政府関係者の神経を逆なでにしているという>(以上)

Record China 9/12「中国は経済的脅威、サイバー攻撃や軍事力増大も懸念 米国人の多くが不安視」から。

<9月10日、米ボイス・オブ・アメリカによると、中国の習近平国家主席が初めて米国を国賓訪問することが明らかになったが、米民間調査機関のピュー・リサーチセンターが4月13日〜5月3日に米国人1003人を対象に行った調査結果が発表された。

調査結果によると、中国は経済成長が減速したものの、多くの人が中国は経済的脅威だと見なしている。調査対象の89%が1兆2700億ドル(約152兆4000億円)もの債務を中国に返済できていないことを(不安と)見ている。

米国内の就業機会の流出が中国の利益につながっていることに対しても、同程度の数の人が不安を感じている。また、52%が中国の対米貿易黒字を深刻な問題だと認識している。

中国のサイバー攻撃や軍事力の増大も懸念されている。約半数の人が中国の人権や環境問題に関心を示した。

そのほか、中国に対してマイナスイメージを抱いている人の割合では、共和党支持者と50歳以上の米国人が民主党支持者と30歳以下の人を上回った>(以上)

中共も米国内の不快感を承知している。以前は猛反発したものだが、経済でのしくじり(転倒して後頭部を痛打、右腕骨折、後遺症で目眩、というレベル)から、さすがに今は弱気になって(弱気を演じて)いるようだ。人民日報9/14「中米関係の発展には未来志向の揺るがぬ戦略が必要」から。

<現実において、中米関係には確かに「雑音」が少なからず生じてきた。例えば、ゼロサムゲームの思考で国際関係を見ることで、中国が戦略目標を拡大し続けるとの考えが生じた。

だが中米関係発展の脈絡を整理すれば、、戦略、政治、経済的利益、価値観の溝という伝統的摩擦が起伏し、海洋をめぐる争い、サイバーセキュリティーなど新型の厄介な問題が数多く生じているが、歴史的視野、グローバルな視野から見ると、両国は共通利益が溝をはるかに上回り、関係を常に前向きに発展させ続けているうえ、多くのグローバルな問題で緊密な協力を保っていることが分かる。

世界にとって中米協力は幸いであり、中米対立は禍だ。中米の新型の大国関係の構築は参考となる前例がなく、その過程は順風満帆とはいかず、具体的事業の調整と協力において辛抱強さと冷静で動揺しない力が必要だ。

双方が非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの本質に基づき、溝や衝突に直面した際に未来志向の冷静で動揺しない戦略を保持しさせすれば、中米関係は安定して大きく発展していく>(以上)

南/東シナ海で中共がやってきたのは衝突、対立、不信、敵対という、武力による(武力を背景とした)現状変更である。これは今後も続くが、「米国はそんな雑音に捉われずに、大局を見て、未来志向の冷静で動揺しない戦略で対応してくれ」と言っているわけだ。

要は「アジアは俺のシマ、それ以外は米国のシマ。お互いにナワバリは荒らさない。ウィンウィンでいこう」ということだ。

習近平一家のシノギは次第にきつくなるばかりで、好転することは絶対ない。幹部たちはつまみ食いを禁止されたからヤル気はない。上海一家もドッコイ残っている。習のシマの周りは最大の仇敵である安倍山口組をはじめ、ASEAN連合、モディ一家などが包囲網を作っている。内憂外患だ。

ここは抗争事件を起こして「南進東攻」を一気に進めたいところだが、世界中から反発されてプーチン一家のように経済制裁を食らいかねない。第一、敵の方がヒットマンが多いから勝てるかどうかわからないし、世界最強のオバマ米国連合は警官出身だから腕が立つし気が荒い。シマの住民もやたらとチャカをぶっ放す。米国連合が介入してきたら手を引かざるを得ない。

これでは面子丸つぶれだ。どうしたらいいのか・・・座視していたら組は弱体化するばかりだ。

習は9月14日にモーリタニア大統領歓迎式に臨んだが、不眠症なのか顔色はくすみ、むくんでおり、腹は少しやせてきた。食欲もなくなってきたか。山頂に立ったら後は下り坂。悩みは増え、白髪も増えていく。栄耀栄華、一炊の夢。

■9月16日(水)、朝は室温24度、曇、ハーフ散歩。

「著名人権活動家を解放=習主席訪米前に柔軟姿勢か 拘束約1年の郭玉閃氏」(時事9/15)。わざとらしい無様なパフォーマンス。恥ずかしくないのか。習近平はボケが始まったのではないか。マキャベリ曰く「指導者はバカにされたら終わり」。

小生は1971年の今日、逮捕された。以来、44年、これという立派な仕事は残さなかったが、それなりに一炊の夢、まあ、終わり良ければすべて良し、ということで、しばらくは中共叩きで社会貢献していこう。

中共が外国人に国内観光旅行を解禁したのは1980年前後だった。外貨稼ぎのためだ。訪問できる地は限られていたが、何しろ珍しいから大変な人気だった。ほとんどの人が人民服で、道路は自転車とそのチリチリチリーンの音であふれていた

(土産にこのベルを買った。音を出すと支那を思い出す。今も家のどこかにあるはずだ)。

北朝鮮がどうやら国内観光旅行を解禁し始めたようだ。今は試行段階だろうが、人気が出れば拡大し、やがては経済全体の改革開放につながるかもしれない。「乗り鉄にはたまらない? 列車でめぐる北朝鮮の旅」から。

<[CNN9/13] 友人に北朝鮮に行くと伝えた時、最悪なのは「どうせ行くのは平壌だけだろう。平壌なら行ったことがあるよ。もう経験済みさ」と言われることだろう。

しかし、北京にある北朝鮮専門の旅行会社、高麗旅行社が提供する珍しい列車の旅に参加すれば、北朝鮮を訪れたことのある友人にも大いに自慢できるだろう。

「列車で行く、北朝鮮東部の旅」と銘打たれたこの11日間の列車の旅は、10月2日に平壌を出発した後、妙香山(みょうこうさん)、咸興(ハムフン)、清津(チョンジン)、さらに沿海都市の元山(ウォンサン)などを訪れる。

高麗旅行社が北朝鮮国内の列車の旅を主催するのは今回で2度目だが、同社のゼネラルマネジャー、サイモン・コッカレル氏によると、今年は、前回よりも多くの「未知の土地」を訪れるという。

「今回は初めて、平壌から列車に乗って妙香山に行く。また清津でも、初めて地元の路面電車に乗る」(コッカレル氏)

景勝地である妙香山は、あまりに空気が新鮮なため、どんなに酒を飲んでも二日酔いにならないという。少なくとも、高麗旅行社はそう述べている。

一方、清津は製鉄業が盛んな北東部の工業都市だ。コッカレル氏によると、「都市の半分で製鉄所のにおいがする」という。

では、清津の「売り」は何か。

コッカレル氏は「平壌はここ数年で発展し、ピカピカの新しいビルが立ち並んでいる」とし、「清津にも新たなビルの建設計画はあるが、まだ建設は始まっていない。よって清津はどちらかというと、多くの旅行者が抱いている平壌や北朝鮮のイメージに近い」と語る。

これまで外国人は、平壌と北京の間を国際列車で行き来することは許されていたが、北朝鮮国内を列車で旅するのが許されたのは今回で2度目だ。

今回の旅では、列車に乗るのはほとんど昼間だが、旅の終盤に一度だけ、清津から元山まで約13時間、夜行列車に乗る。

コッカレル氏によると「この夜行列車は、1970年代に造られた年代物のディーゼル機関車」だという。

「これは信頼性の高い列車で、食堂車もあり、客車にはベッドも付いている」(同氏)

北朝鮮国内の旅行は厳しく制限されているため、1人で渡航する場合も、北朝鮮の国営旅行会社、朝鮮国際旅行社(KITC)と提携する旅行会社が主催するガイド付きツアーに参加するしかない。

特に米国民対する規制は他の外国人よりも厳しい。例えば、米国民以外の旅行者は中国から列車で入国できるが、米国民は飛行機での入国しか許されていない。

また単独か団体どうかにかかわらず、KITCが手配した北朝鮮人ガイド2人と運転手1人が常に同行するため、勝手に外出したり、自由に散策したりすることはできない>(以上)

高麗航空・朝鮮国際旅行社日本総代理店の中外旅行社のサイトによると、これまで上海や北京経由で平壌へ行っていたが、7月4日から中国東方航空が関空〜延吉線を週2便就航した。延吉に日本から定期便が就航するのは今回が初めてとか。

<延吉市(えんきつし)は、中国吉林省延辺朝鮮族自治州の州政府の所在地。朝鮮族が人口の過半を占め、韓国との合弁企業も多い。町はハングルの看板が溢れ、朝鮮語放送のテレビ局もある>(ウィキ)

旧満洲だ。北朝鮮との国境の街、三合鎮には中朝を結ぶ橋が架かっているから、陸路で北へ行けるのかもしれない。観光名所の長白山(朝鮮語では白頭山=金王朝発祥の地/でっち上げ)もある。要は朝鮮旅行の新しい玄関口ができたということ。

北は色々な観光ルートを紹介して外国人観光客を呼び込みたいだろう。当分は「監視人」付きツアーだが、「害がない」と分かれば(中共のように)自由旅行も容認するようになるか。

千里の堤もアリの一穴。つまづきながら普通の国になっていくかもしれない。中共のように悪あがきをして七転八倒するかもしれない。ドラマよりはるかに面白い。ヂイヂの晩年の大いなる楽しみだ。

参院で安保法案の採決へ。国会前で中共の狗どもが騒いでいるが、ほとんどが日共シンパで、おまけが全共闘崩れ、革マル、中核派だろう。ヂヂババばっかり。山本夏彦翁曰く「老人のバカほどバカはない」。

やるのなら命懸けで吶喊したらいい。「死んでもいい、10年裁判も苦にしない!」、その覚悟もないくせにゴキブリのようにうろちょろするな。

■9月17日(木)、朝は室温22度、雨、散歩不可。今夜は集団的子育てなのでルンバで掃除。

経済同友会の小林喜光代表幹事が中共経済を「ニューアブノーマル」と評したそうだが、座布団10枚級だ。

進退窮まり、二進も三進もいかずに呆然自失で佇んでいるかに見える中共経済。これは小生の色眼鏡のせいかと思わないでもないが、熱烈な中共ファンも「どうなっているのか」と首を傾げ始めたから、おおよそは正しい観察のようだ。

「日中友好に命をかけている」弁護士、村尾龍雄氏の論考「中共中央の思い通りにならなくなりつつある中国」9/16から。

<昨夜は友人の香港大富豪と2社の国有企業幹部2人と合計4人で会食をしました。

話題の中心はこのところよく相談を受けるお話です(余りにも陳腐なお話なので、守秘の必要性すらないものです)。

要するに、莫大な土地について寡占状態を謳歌する国有企業でも、この不景気のご時勢下で何を建設すればよいかで悩んでいて、行き着く先は必ずと言っていいほど将来の需要がありそうな老人ホーム関連と相成るわけです。

どの国有企業も「日本=老人ホーム先進国=視察に行って指導を仰いで、中国版先進老人ホーム立ち上げ」という判で押したような、オリジナリティや差別化の視点を欠く思考に接していると、

「ああ、こうして粗鋼生産量8億トンという国内市場どころか、世界市場をもってしても消化不可能の過剰生産が生み出されたのだなあ」

という感想を抱くのと同時に、

「これでは数年後には上海など先進都市郊外には高級老人ホームが溢れ出し、過当競争に陥るのだろうなあ」

という予見を抱かざるを得ません。

しかし、今までのような急成長が鈍化する「新常態(ニューノーマル)」の時代にあっては、伝統的産業分野は過当競争となり、その回避手段として2020年までの国有企業再編を打ち出しても、再編により統合された国有企業が国内市場のみで通用するステレオタイプ思考から抜け出して、世界市場で差別化された高い付加価値のサービスを実現できない限り、根本的な経営課題を改善することは難しいのではないか、と思われます。

そして、このステレオタイプ思考の罠は国家を牽引する政策を立案及び推進すべき立場の中共中央にも襲い掛かっている可能性があり、行け行けドンドンの右肩上がりの経済情勢では有効であったはずの種々の政策が大きな調整局面を迎える現在、必ずしも奏功しない様を見ていると、ますますその思いを強くします。

私自身は1996年8月31日以来、毎月10日前後は必ず上海にいるという生活を開始して20年目に突入しますが、今までにも何度かあった難局では中共中央の指導下でたちまちに全てが解決されてきたのです。

なので、素直な現地感覚として中共中央の政策立案及び推進能力には全幅の信頼を置いてきたのです(今でも基本的スタンスはそうですが)。

ですから、6月以来の株式急落に対する対応策のように、何度打てども響かないような事態は20年の上海滞在歴で初めて目にする事態なのです。

中共中央の思い通りにならなくなりつつある中国――それこそが「新常態(ニューノーマル)」の本質なのかもしれません。

PS 昨日、経済同友会の小林喜光代表幹事が中国経済の状況について「個人的にはニューアブノーマルじゃないかと思う。それぐらいの転換点に来ている」と述べられましたが、この種の発言は一般論としては危険です。

具体的に言えば中国はこの種のマスコミ発言をとてもよく観察していて、習近平総書記の「新常態(ニューノーマル)」という言葉を茶化すような言い振りをした後に、それが現在の日本において対中感情を不必要に悪化させる敵対的発言とみなされれば、三菱ケミカルホールディングス傘下の中国子会社が各地の国家税務局や税関の一斉査察を受けるという事態に発展することが1つの可能性として想定され得るからです。

小林喜光代表幹事も日中友好論者に違いないと確信しますが、社会的地位が高く、影響力が大きい方であればあるほど、中国を一方的に貶めるような発言又は中国政府にそう解釈され得る発言には注意をするのが賢明だ、と考えます。

小泉元首相ばりの何度も使いまわされるキーワード型発言で中国への誹謗中傷と捉えられかねない内容を含む場合、巨大な人口を抱える中国のこと、権力を有する政府関係者にも様々な方がいらっしゃいますから、感情的反発による負の影響に自社グループを晒す可能性があるということは中国ビジネスをやる限り、銘記するほうが無難ではないか、と考える次第です>(以上)

論考の前半は中共経済への不安・当惑、後半は敵対的発言への恫喝・・・村尾氏もかなり動揺しており、心の余裕をなくし始めているようだ。

大人・君子なら「ニューアブノーマル・・・はっはっは、上手いこと言いますなあ、小林先生には“アブ”を取る方策をぜひともご指南いただきたいものです」と返して終わり。それを「一斉査察で復讐されるぞ、中共をなめるな、この野郎!」式の反発はいかがなものか。

中共は永年にわたって対内的にも対外的にも強権的な態度で当たってきた。国内は知らないが、国際社会では「本当は付き合いたくはないけれど、市場は大きいから・・・まあ、距離をもって接しましょう」というのが共通認識になっているだろう。

四面楚歌、今や中共のお友達はゴロツキ国家ばかりだ。左手で敬礼しながら閲兵したのはサヨナラの挨拶か。習王朝は紅旗とともに亡国へ向かって行くのである。(2015/9/17)

◆米軍に頼り「保護ボケ」患う

加瀬 英明

8月30日の日曜日に、安保法制に反対する3万3千人(警視庁発想)の人々が、国会の前に集まって気勢をあげた。

そのなかに、女子大生グループという娘が、フーゾク嬢のように臍(へそ)を露出して、「WAR IS OVER・IF YOU WANT TO」という、英語のプラカードを掲げていた。

フーゾク嬢風の女子学生がいた場所が、国会前でよかった。

もし、米軍基地の前だったら、アメリカ兵たちが太股と臍を丸出しにした日本娘の訪問を、奇声を発して喜ぶだろうが、「WAR IS OVER」という言葉を見て、在日米軍全員が基地を閉めて、さっさとアメリカへ帰ってしまうことだろう。

それとも、反対派の男女は日本国民だけにとって、戦争が無縁なものになったけれど、アメリカ兵には日本を守るために生命を危険にさらすリスクを負って、駐留を続けてほしいと、思っているのだろうか。

国会前の男女は、日本が67年前に独立を回復して以来、崇高な「平和憲法」があるから、平和を謳歌してきたのだと、誇っている。

 だが、この平和は「ヘイワ念仏」を唱えてきた賜物ではなく、アメリカによる軍事保護のおかげ以外の何ものでもない。

日本が降伏した翌年に、アメリカ占領軍が「日本国憲法」を押しつけたが、4年後に朝鮮戦争が始まった。マッカーサー元帥はその僅か2ヶ月後に、“即席憲法”によって日本を完全に非武装したのが失敗だったと、臍(ほぞ)を噛んで、日本政府に警察予備隊を創設して武装するように命じた。

日本は独立回復後も日米安保条約によって、アメリカの軍事保護下に安住するうちに、ヘイワボケではなく、保護ボケを患うようになった。だが、他人の施しにすがって、安逸な生活を貪(むさぼ)っている者が、贅沢を見せびらかしているのは、恥しい。

戦後70年、アメリカは体力が衰えて、日本を守るのに、日本の助けを求めている。

戦後の日本は武を忘れて、全員が商人の国となった。

幕末に長崎海軍伝習所で教官をつとめた、オランダ士官のカッテンディーケが回想録のなかで、ある商人に「オランダ兵が30人いれば、長崎を占領できる」というと、「それは、お侍さんの仕事です。私にはかかわりがない」と答えたのに、驚いている。きっと、今日の日本にとって、アメリカが武士なのだろう。

◆「中国は永遠に排他的な国」

櫻井 紀雄


約40年間にわたって北朝鮮との情報戦の最前線を経験してきた元米中央情報局(CIA)のマイケル・リー氏(81)は、北朝鮮問題をめぐる韓国の中国接 近に警戒感を示す。一方で、強く支持するのが、北東アジアの安全保障における「強 い日本」の存在だ。その上で、金正恩(キム・ジョンウン)体制を突き崩す「先制宣言」戦略を説く。サムライの境地にな
らったという「戦わずして北朝鮮に勝つ」その 秘策とは-。

■韓国が最優先すべきは「米国と日本」

北朝鮮経済は、中国に大きく依存し、パイプ役だった張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清で関係が冷え込んだとはいえ、北朝鮮情勢の行方の鍵を握るのは 依然、中国だという。

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が日米の反対をよそに、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードに出席してまで、中国との結び付きを強めるのも、一つに は、習近平政権から北朝鮮問題解決の協力を取り付けるためだとされる。

だが、リー氏は、対北問題解決で、韓国が中国に依存することに強い警戒感を示す。

「経済的実利のために、中国と関係を維持するのは構わない」としながらもこう主張する。

「中国は同盟国として、依存できる国ではない。安保問題で中国に依存してはならない。信じてもいけない。体質的に中国は永遠に排他的な国だ」

韓国が最優先すべき国は「米国と日本だ」と重ねて強調し、「日米に嫌悪感を与えるほど、韓国が中国と北朝鮮に接近するのは、外交的にミスを犯すこと だ」とも指摘した。

韓国世論を日米と離間させ、中国や北朝鮮接近の方向に誘導しようとしているのが「親北左派勢力」だとの認識も示す。

■安保法制「世界史的な次元で非常によいこと」

リー氏が中国に比して、対北問題で重要視するのが、北東アジアの安保における「強い日本」の存在だ。

安倍晋三政権が推し進める安保関連法案の整備も「(中国など)周辺国は嫌がっているが、世界史的な次元で考えると、非常によいこと。日本はとても、よ くやっている」と評価する。

「北東アジアに強力な国家がいて、はじめて中国を牽制できる。米国1 国でやるのは難しい。日本がもっと大きくなり、朝鮮半島も統一されれば、秩序は維 持される」

「(日本が)強くなったとしても、他の国を侵害することなど、あり得ない」とも言う。

リー氏は、日本統治時代の韓国で生まれ育った。戦後世代の韓国人が「日本軍国主義の再台頭」などといった幻想にとらわれる傾向にあるのに比べ、日本統 治を経験した世代の方が、戦後日本の歩みを、あるがままに受け止めている証左とい える。

■「日本が統一に反対」の虚像 歴史問題から「脱皮を」

韓国国内では、日本や米国が南北統一を阻んでいるとの主張が幅を利かせてもいる。これについても「親北勢力の影響だ」と論じ、「日本や米国が統一に 反対しているというのは、操作された世論だ。事実ではない」と断言する。

「北朝鮮と統一した韓国と、日本との関係は、はるかによくなるだろう。悪い人たちが『日本が統一に反対している』という方向に世論を持っていこうとし ているだけだ」

日米、米韓の同盟関係についても、「中途半端な三角同盟であり、北東アジアの安保と繁栄のために、いかなるリスクを払っても、日本と韓国が直接、同盟 関係を結ばなければならない」と長年、主張してきたという。

韓国にとっても、米国という同盟国に加え、「日本が国家的に発展し、強力になれば、強い友人がもう一人増えるわけだ」とも強調する。

韓国は、事ある度に歴史問題を持ち出し、現在、国交正常化以降、最悪の日韓関係といわれる。だが、リー氏は「古い考え方から脱皮しなければならない。 互いに排他的な感情を抱いていてはダメだ」と歴史問題にとらわれることなく、相互依存へ転換するよう訴えかける。

■サムライの境地に学べ! 戦わずして勝つ「先制」戦略とは…

リー氏は「北東アジア情勢が安定してこそ、韓国経済も日本経済もよくなる。相互協力のシナジー効果も期待できる」と、北朝鮮体制崩壊による南北統一が もたらすメリットを強調する。

金正恩体制の崩壊シナリオに積極的といえないなかでも、朝鮮半島の統一はやはり「韓国が主導し、日米がそれに協力する形が一番望ましい」とする。

「これから世界をリードするのは日米韓だろう」とも展望し、日本に対しては「統一国家建設に、統一した韓国が世界に貢献できる一流国家になることに協 力してくれることを期待したい」と統一後の積極的な役割に期待を託す。

では、韓国政府がすぐにでも取り組める戦略はあるのか。

リー氏は、現状のように正恩政権を交渉相手にし続けるのではなく、金正恩第1書記の頭越しに、ダイレクトに北朝鮮住民にメッセージを発信する政策転換 を主張する。

リー氏は「昔のサムライ精神は、刀を抜かずに相手を制することが最高の境地とされたそうだが…」と述べ、この戦わずして相手を圧するサムライ精神に正 恩体制を突き崩す極意があるとの考え方を語った。

「一部の人たちは『北朝鮮に先制攻撃を仕掛けるべきだ』とか、強硬な主張をするが、サムライの境地のように、先制攻撃ではなく、『先制宣言』をすべきだ」

「先制宣言」とは何か。

「統一されたら、北朝鮮住民をどう処遇するつもりなのかを言うべきだ。例えば、幹部たちに対し『報復はしない』とか。『全て許す。協力すれば、過去は 不問にする』と、韓国大統領が先んじてメッセージを宣言
すべきだ」という。

■正恩政権が最も恐れるメッセージ

統一後の朝鮮人民軍兵士約120万人の処遇について明言する必要性にも 言及する。

「統一されれば、産業ブームが起きる。内需経済に、とてつもないブームが起きるだろう。世界の企業が朝鮮半島への投資に列を作るはずで、武装解除され た北朝鮮軍人を産業建設の前線に吸収すると宣言する」

そうすれば、「北朝鮮内部は動揺するし、北朝鮮住民は希望を持つ」と提言する。

「もうちょっと頭を使えば、戦争をせずに北朝鮮を統一することができる」

南北軍事境界線の非武装地帯での地雷爆発による韓国軍兵士の負傷をめぐり、韓国が11年ぶりに対北宣伝放送を再開したことに、正恩政権は神経をとがらせ た。南北高官協議で、放送中止と引き換えに「遺憾」まで表明した。脱北者団体など が正恩体制を批判するビラを風船で飛ばすことにも毎回、強い反発を示してきた。

住民に直接、メッセージが伝わるのを何よりも嫌い、恐れているのだ。裏返せば、情報戦で、北朝鮮住民の心をつかむことが、何よりも、政権を揺るがし、 体制崩壊を早めさせることを意味している。リー氏が提唱する「先制宣言」戦略は、 まさにこの点を突いたものだ。

だが、朴槿恵政権は南北離散家族再会事業にこぎ着けるなど、依然、正恩政権を交渉相手にする「信頼醸成プログラム」を堅持している。リー氏のアイデア がにわかに受け入れられるとは考えにくい。

リー氏は問題の本質についてこう指摘する。

「朴大統領の任期が終わっても、金第1書記は死なないし、そのまま政 権の座に居続けるだろう。そうなれば、どうなるのか。こういう現実を、私たちは考 えなければならない」      (完)

産経ニュース【元CIA要員の極秘証言(下)】 2015.9.16
              (採録:松本市 久保田 康文)

2015年09月17日

◆ベトナムへ巡視艇6隻追加供与

宮崎 正弘 


<平成27年(2015)9月16日(水曜日)弐 通算第4695号 >

 
〜安倍首相、ベトナム書記長と会談、中国の軍事力へ深刻な懸念
  巡視艇を追加で6隻供与、安保問題で共同歩調を確約〜


9月15日、ベトナムの国家元首にあたるグエン・フー・チョン書記長が来日し、安倍首相との会談で「南シナ海の埋立て」などに「深刻な懸念」を表明した。

かねて日本はベトナムに巡視船の供与を約束してきたが、追加で中古船六隻の供与を決めた。この中古船は巡視船に改造できる。

このほか、中国軍の南シナ海進出に関して情報の共有化、レーダーの供与なども話し合われた模様である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00050152-yom-pol

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ベトナムの声を聞こう!

 ――土曜日に「南シナ海をめぐる特別シンポジウム」が茗荷谷の拓殖大学で開催されます。一般の方も予約なしで参加できます。 中国がかってに珊瑚礁を破壊し、人口島を造成し、滑走路など軍事施設を建設、アジア諸国が総立ちで怒り、米国も抗議している。
 ベトナムの訴えを中心にシンポジウムが行われます。
         記
とき    9月19日(土)10時30分〜12時00時 
第一部 シンポジウム 「南シナ海をめぐる中越関係と日本」
      同日 13時00分〜15時00分
      第二部 「南シナ海をめぐる中越関係に関するワークショッ
      プ」
      「ベトナムからの証言 中国の南シナ海進出の実態」(宮崎正弘ほか)
ところ   拓殖大学文京キャンパス E館101教室 (通称)新渡戸ホール
                  (東京都文京区小日向3-4-14)
資料代   おひとり千円(第二部だけの方も同額です)
内容    「ベトナム人からの証言」
        デイン・ホアン・タング氏
        ホアン・ベト氏
主催    午前 拓殖大学海外事情研究所
午後 南シナ海問題を考える会     

◆みんな賃上げが大好きだ

平井 修一


山本夏彦翁曰く「みんな値上げが大好きだ」。

言わんとするところは、戦後の経済成長のパターンは「値上げ→賃上げ→値上げ→賃上げ→値上げ→賃上げ」できたのだから、値上げに苦情を唱えるのはおかしい、それで賃上げになるのだから本当は「みんな値上げが大好きだ」というわけだ。

たとえばパン1斤の値段と公務員の初任給はこうだ。

1960年:32円/1万2900円、1970年:50円/3万6100円、1980年120円/10万1600円、今は150円/21万円ほど。

55年間でパンは5倍になったが、初任給は16倍になった。生活が豊かになったということだ。だから少しずつの値上げはいいことなのである。

値上げというのはインフレだ。需要があるのに供給が不足するとインフレになる。今は需要が弱くてデフレ気味だ。値上げしたくてもできないから賃上げもできないで、みんなちょっと元気が無い。

小生は「緩やかなインフレが経済の安定成長をもたらす」と思っているが(リフレ派というらしい)、もともとが大酒飲みだから「宵越しの金は持たない」、けち臭いのは厭だから、消費税が上がろうが必要なものは買う。

しかし一方で大した値上げではないのに購入をためらったりする人もいて、マスコミは針小棒大に「キャベツ200円超、主婦ためいき、家計を直撃」なんて報道する。インフレ反対というわけだが、歴史を振り返ればまったく間違った見識で、本来なら「キャベツ200円超、社長さん、給料上げて」とすべきなのだ。

鈴木政経フォーラム代表/経済学博士・鈴木淑夫氏の論考「高すぎる日銀のインフレ目標」(世界日報9/14)はいい提案だった。

鈴木淑夫氏のプロフィール:昭和6年、東京生まれ。東京大学卒業後、日本銀行入行。同行理事。野村総研理事長を経て平成8年から15年まで衆議院議員。現在、鈴木政経フォーラム代表。経済学博士(東大)。

<*追加緩和はすべきでない 過去の2%台はバブル期だけ

7月の全国消費者物価(以下CPI)は、前年比プラス0.2%、価格変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIは、同0.0%とほとんど上昇が止まっている。これには、世界的な原油市況の下落が響いているので、生鮮食品だけではなく、エネルギーも除いた「コアコアCPI」を見ると、7月は前年比プラス0.7%である。CPIの上昇率よりは高いが、安倍政権の強い要請の下で日本銀行が目指している2%のインフレ目標から見ると、低い。

コアコアCPIの上昇率の趨勢は、異次元金融緩和の下で、一貫してゼロ%台である。

それでは黒田東彦日本銀行総裁は、2%の目標を実現するため、「量的・質的緩和」の第3弾を打ち出して、追加緩和を実施するべきであろうか。私は、追加緩和をしてはならないと考える。

そもそも2%のインフレ率は、今後日本経済が持続的に成長していく上で、必須の条件ではないからだ。

安倍内閣が登場する以前は、日本銀行自身、「中期的な物価安定の目途」として、「消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域、当面は1%前後を目途とする」と言っていた。

イレギュラーな個別価格の変動で攪乱されることの少ないコアコアCPI(消費増税調整済み)の前年比上昇率を遡って見ていくと、今日までの30年間、2%に達したのは地価、株価のバブルに沸いた最終局面の1989〜92年だけである。

戦後最長の「いざなみ景気」(2002年2月〜08年2月の73カ月)の末期、GDP需給ギャップが需要超過となった05年9月〜08年6月にも、コアコアCPIの前年比は1.2%がピークであった。

このことから判断して、「真の物価が横這い」の時のコアコアCPIの前年比は、1%前後ではないかと判断される。それを、無理矢理2%に持っていこうとする「量的・質的金融緩和」は、緩やかなインフレを志向しているのであろうか。

しかし、たとえマイルドであっても、物価の持続的上昇(インフレ)は、物価の持続的下落(デフレ)と同じように、生産性の上昇を阻害し、潜在成長率を引き下げる。

デフレが家計に有利な訳ではない。同じようにインフレが政府や企業に有利ともいえない。要するに、物価安定が最善なのである。

日本人は、デフレが経済の持続的成長を阻害することを十分に学んだが、だからと言ってインフレが経済の持続的成長をもたらす訳ではない。

とくに今回は、GDPの2倍を超える超低金利の国債を日本銀行と民間金融機関が大量に保有しているので、インフレで金利が上昇、国債が減価した時のシステミック・リスクは極めて大きい。(平井:国債が減価→円の価値が下落→物価上昇)

金融システムの安定を維持し、持続的成長を目指す政策フレームの観点から見て、2%のインフレ率を実現しようという政策姿勢は危険であり、修正すべき局面に来ているのではないだろうか>(以上)

すなわち「2%のインフレ目標は歴史的に見てもおかしいし、危険をはらんでいる、1%前後で物価安定を図るのが最善だ」ということだろう。

インフレ政策が問題なのはなぜか。調べてみると、「経済は政策で簡単にコントロールできるものではなく、実体経済面においてデフレを維持させる要因がある中で、金融政策だけで事態を改善することは難しい。場合によってはバブルを引き起こす可能性がある」ということらしい。

インフレはアクセルみたいなもので、中共はイケイケドンドン、バンバン造ってドンドン売って、価格も上がって、給料もグングン上昇だあと吹かしに吹かしたが、いい時は「わが世の春、この好景気は永遠に続く、目指せ世界一」なんてはしゃぐものだが(日本も小生もそうだった)、ある日、「あれ、なんか様子が違う」。

そう気付いた時には在庫の山、売上が急減し、値段を下げてもなかなか売れない。会社の借金も返せない。給料も払えない。社員をクビにするしかない。これがバブル崩壊のパターンだ。

インフレ政策はコントロールが難しく、失敗するとバブル崩壊で長期の低迷に苦しむことになる。

それならばアベノミクスも「物価安定と実質賃金の緩やかな上昇」へ軌道修正した方がいいのかもしれない。経営者に引き続き賃上げを求めるべきだろう。大企業は率先垂範し、中小企業を牽引、育成してほしい。「みんな賃上げが大好きだ」(2015/9/16)

              

◆連戦と陳雲林処罰の噂

Andy Chang



連戦が国民党の大反対を無視して9月3日に中国の軍事パレードに参加したあと、台湾では連戦を処罰しろと言う声が高い。連戦の処罰については、国民党は賛否両論、民間では元副総統の呂秀蓮と民間の百人余りが外患罪で告訴したと言う。

台湾のテレビ対談では台湾側の連戦批判の外に中国側では習近平が国台?(国務院台湾事務?公室)主任陳雲林(1997-2008年)を処分するという噂が出てきた。国務院台湾事務所がこの20年来やってきた台湾統一はすべて間違いだったと習近平は発見した。

陳雲林の報告は間違った報告が多く、去年の選挙は完全に間違った報告をした。陳雲林は中台貿易の元締めだったので、中国内と台湾内の双方にひどい利権汚職があったのがわかって習近平は激怒したと言う。

●国民党は中共の抗戦記念に大反対

国民党は「抗日勝利70周年記念活動」に反対で、馬英九総統は連戦に不参加を勧告したが連戦は無視して参加した。なぜ国民党は中共の抗戦記念に反対なのか、連戦はなぜ反対を押し切ってパレードに参加したのか。いろいろな議論や憶測が飛び交っている。

中国共産党は日本軍と戦った事実はない。日本と戦ったのは蒋介石の国民党軍で、しかも重慶に逼塞して米軍の援助で体面を保っていただけだ。

戦争が終わってから国民党は共産党との闘争に負けて台湾に逃亡した。大東亜戦争は1945年に収束したが中共が建国したのは1949年である。共産党が日本軍と抗戦した事実はない。中国の抗戦勝利70周年とは国民党の手柄を横取りする大嘘である。

国民党にとって統一とは中華人民共和国と中華民国の統一である。中国は中華民国を国と認めないから統一とは国民党の降参であり、中華民国の滅亡である。だから国民党は戦勝記念に参加を拒否する。もしも国民党の幹部が中共のパレードに参加したら抗日の手柄を横取りされるだけでなく、中華民国が中国に併呑されたことになる。中国の勝利パレードに参加しない理由とは中華民国の存亡問題なのである。

国民党は台湾に逃亡したが台湾は中国の領土ではない。台湾で中華民国を国と自称する理由がない。だから馬英九は「台湾は日本と抗戦した」と嘘をついた。

しかし台湾人が馬英九の嘘に大反対し、李登輝は日本の雑誌に終戦以前の台湾は日本の領土で台湾人は日本軍として中国と戦ったと述べた。国民党では李登輝が中華民国に叛いたと言い張って李登輝の総統年金を取り上げると言い出した。中共も国民党もみんな嘘つき、中国人は歴史の改竄を平気でやる、中国人の「正しい歴史主張」は嘘の塊である。

●漢民族の歴史捏造は「歴代中華帝国」

中国人の歴史捏造とは次のようなものである。中国人にとって抗日勝利とは中国が日本と戦って勝利した歴史である。中国は漢民族の国であり、日本との戦争は勝利で終わった。そして中華民国も滅んだ。これが歴代中国の歴史であると言うのだ。

中国二千年の歴史の観点から見ると、歴代の中国とは漢民族の作った国々である。蒋介石の中華民国が日本と戦った、そのあと中華民国は毛沢東に滅ぼされ、現在の中国は中華人民共和国である。

この理論によれば共産党が日本と戦ったのでなくても中国が日本に勝って、中華民国が滅んで、共産党が中華人民共和国を建国したと言う歴史過程が成り立つ。これが漢民族の歴代中華帝国の歴史だと言うのである。

●連戦の戦勝記念参加

国民党の大反対と台湾人の反中国にも拘らず連戦はなぜ中国の戦勝記念に参加したのか。一説では連戦は既に国民党内の影響力を失い、習近平の庇護を必要とするから、習近平が参加を命じればどうしても行かなければならないと言う。

別の説によると、連戦は陳雲林の台湾工作の接点であり、陳雲林が台湾工作を始めてから陳雲林は台湾での経済金融の利権を取得し、連戦と彼の部下は中国における経済金融の利権を取得した。だから戦勝記念に呼ばれたら利権を守るため参加せざるを得ないという。

中国側の台湾交流事務主任が陳雲林で、台湾側は連戦と彼の部下、海基会(海峡交流基金会)董事長だった江丙坤(2008-2012年)など数人の名前が挙げられている。中国は台湾側の人物を処罰できないが、陳雲林が「雙規」に逢えば台湾側も大変だと言う。

消息筋によると江丙坤の息子・江俊徳?は中国で??金屬公司を立ち上げ台湾向けの金属輸入を扱う。連戦は上海医院の設立と経営、徐立?は環宇投資公司の設置などで中国における大きな利権を得たという。

●陳雲林と連戦の金融利権

もっと大きな利権は金融業の発展に関する利権である。陳雲林の台湾における銀行業、台湾で人民元の貯金や為替業務を許可し、人民元の使用を認め、人民元名義の預金で台湾の銀行界より高い利息を約束して台湾の金を吸収した「金融侵略」である。これの見返りとして連戦と徐立徳は中国の各省県市で銀行業を行う利権を獲得したと言う。ところが中国の人民元の暴落で台湾でも中国でも大きな損失が出てしまったのだ。連戦が慌てて習近平と会談した理由はこれと言う。

この他に習近平が陳雲林に激怒した理由とは、台湾統一工作で国民党だけでなく民進党の幹部たちを買収し、メディアの主要人物も中国に制御された。だが政党とメディアの工作に成功しても民間の反感が高まった挙句、ヒマワリ学生運動や去年11月の選挙では民意に反した情報を中国中央部に流し続けた。たとえば連戦の息子連勝文、台中市長胡志強、?伯雄の息子?志揚などは当選確実と報告していたのいみんな落選した。習近平は激怒して間違った情報を流し続けた陳雲林、20年来の台湾工作がすべて失敗だった責任で彼を処分すると言うのである。

また別の説によると、習近平は既に薄熙來、徐才厚、周永康、令計画の処分を終え、次は台湾統一に失敗した陳雲林を汚職の罪で処罰すると言う。陳雲林が処罰されれば台湾側でも連戦一味も危ないと言う。今後の成り行きを見守っていきたい。

                
        

◆童謠 兎と龜の歌詞。

〜擴張ヘボン式の轉寫付〜
上西 俊雄



孫が劍玉をやってみせるといふ。兎と龜の歌にあはせてやるのだけれど、ちょっと歌詞に記憶と違ふところがあった。

「世界のなかで」とうたったのだ。ぢいぢの記憶では「世界のうちで」であった。大辭典で「中」といふ字を調べると訓には「なか」と「うち」と2つある。常用漢字音訓表によれば中はナカと讀むしかない。「あたる」といふ訓もあるが、ここにはあてはまらない。さういふことで變化してくるのだらうか。歌詞でもなんでもすべからく變化していくのが當然なのか。

かつて國語には復元力があった。國語は一生勉強するもので、年長者はすべからく師であった。いまのやうに絶えず初期化されるとなるとさうはいかない。年長者に對する敬意が失はれてくるのは仕方がない。介護施設における虐待の背景にはさういふ事情もあると思ふ。

ネットで調べると戰前の表記による歌詞がなかなかみつからない。やっと見つかったのは『池田小百合なっとく童謠・唱歌』といふサイト。明治34年8月28日の初出では「世界のうちに」となってゐたとある。

小山にはコヤマと振假名があった。記憶と異る。卒壽の叔母に電話で確かめると叔母の記憶もヲヤマであった。池田氏と異るがヲヤマとした。

叔母のところに戰後のある夏、小學校3年の從姉妹が西瓜を屆けて「冷やして召し上がれ」といったといふのが語り草になってゐる。昨年先輩の墓參のとき、鎌倉の細い道で歩道を踏みはずすところ、後ろから先輩の忘れ形見(といっても結構な年配である)が、「おみ足が」と注意してくれた。

言葉は周りから習ひ覺えていくといふことの例證になることだと思ふ。

小の字にヲといふ訓が認められなかったときがあるかと文化廳のサイトの當用漢字音訓表で檢索してみた。これがなかなか難しい。『大字典』の部首索引で小の部首の位置を調べ、該當する頁が宀部〜巛部であることをつきとめねばならない。そして、その頁をみていくと小の字には「ショウ、ちいさい・こ・お」とあって、ヲではないけれどオと讀むことが禁止されてゐるわけではなかった。

しかし、一字一音といふ原則が背景にあるせいか、讀を限定する傾向が強い。ラヂオなど、水沒した家の數、棟はムネであって、桁が大きい數字の場合でもトウと讀む人がない。

「世界の中で」のナカかウチか、「小山」はコヤマかヲヤマか。ウチ、ヲヤマの方がやはらかに響くやうに思ふけれど、どうだらう。

以下、同サイトの掲げる歌詞を擴張ヘボン式の轉寫をつけて示す。2箇所讀が異るのは上述の通り。平假名「く」を伸ばした踊字は便宜☆で代用する。


兎と龜

usagito kame

作詞 石原和三郎

sakushi ishihara wasaburau

作曲 納所辨次郎

sakkyoku na`usho benzhirau

(1)

もしもし かめよ かめさんよ

moshimoshi kameyo kamesan'yo

せかいの うちで おまへほど

sekaino uchide oma`ehodo

あゆみの のろい ものはない

ayumino noroi mono`a nai

どうして そんなに のろいのか

doushite sonnani noroinoka

(2)

なんと おっしゃる うさぎさん

nanto ossharu usagisan

そんなら おまへと かけくらべ

sonnara oma`eto kakekurabe

むかうの 小山の ふもとまで

mukauno woyamano fumotomade

どちらが さきに かけつくか

dochiraga sakini kaketsukuka

(3)

どんなに かめが いそいでも

donnani kamega isoidemo

どうせ ばんまで かゝるだろ

douse bammade kakarudaro

ここらで ちょっと 一ねむり

kokorade chotto hitonemuri

グー☆☆☆ グー☆☆

guh guh guh guh guh guh guh

(4)

これはねすぎた しくじった

kore`a nesugita shikuzhitta

ピョン☆☆☆ ピョン☆☆

pyon pyon pyon pyon pyon pyon pyon

あんまり おそい うさぎさん

ammari osoi usagisan

さっきの じまんは どうしたの

sakkino zhiman`a doushitano


[附記]

これだけのことを書くだけでも結構くたびれた。翌日(9月14日)の日經夕刊の2面「ニッキイの大疑問」の見出しは「大學の文系學部、無くなる?」といふもの。3772號「讀者の聲」欄に投稿したのは此の問題で、3771號で讀んだ電氣通信大學名譽教授西尾氏の「言語を磨く文學部を重視せよ」は國語問題からすると遲すぎると言ひたい。

「ニッキイの大疑問」にゼロ免といふ言葉が出てくるやうに、教員養成の方法に關はる問題なのだ。どうも當局は大學での文系と理系と養成を言ってゐるつもりであるやうだけれど、理系も文系も基礎は義務教育で決まるはずだ。

月刊國語教育平成18年2月號に書いたところを曳く。

<小學校の先生は原則として一人で全教科を擔當する。日本體育大學名譽教授川本信幹氏によれば、教育職員免許法の改定によって、一科目の教科教育法さへ履修すればよいことになったとのこと。つまり國語を教へてゐても國語科教育法を學んだ人とは限らないわけだ。

川本氏によれば中學や高校の國語科教諭への教育も不徹底で、國語學概論も國語史も古典文法も現代語の文法も必修ではないとのこと。氏は教員養成審議會の委員諸氏の不見識をなじられるが、根はもっと深いのかもしれない。國語學概論や國語史をやれば、どうしてもこの五十音圖の矛盾に氣づかざるを得ない。

假名のための50音圖ならヤ行やワ行のイエが餘計である。では音韻を示すものと教へるのであらうか。さうすればワ行のヲの説明がつかなくなる。五十音順などといふとき、同じ假名は一囘でなければ筋が通らない。辭書を引くときどう教へるのか。要するに逃げざるを得ないのだ。>

では外國語教師の場合はどうか。ウィキペディア「教職課程」によると、中學校高校の英語教師の場合、必修の授業科目の名稱の例として最初にあるのは言語基礎論I II 言語論特講 I IIだ。これでは英語教師がみな保科孝一の徒になること必然ではないか。

かくして、役所が言葉を差配することは當然とみなされ、その延長で各新聞社、通信社の用字用語ハンドブックには横竝びで『人は「人」で數へる。「名」は使はない』と記載されるに到った。(このこと新聞社の校閲部の人に教はる)

しかし、その結果が、「身元のわからない二人の遺體」などと聽くと、そんなことになるとは思ってゐなかったと思ふのではあるまいか。

國語を教へず、文法などは英語で教へるせいか、「エレベーターに一人の女性が閉じ込められた」と、やたら男性か女性かにこだはるのも變だ。テレビのニュース、沖縄の翁長といふ人が法的瑕疵を言ひたててゐる、それがテロップで「かし」と前後は空白で圍んで表示された。

當局は、文系輕視ではないと辯解にやっきであるが、その文系輕視でないといふことが英語への傾斜に一層拍車をかけることになりさうな氣がする。

なほ、記憶によって歌詞を訂正したことが前にもあった。軍歌「戰友」、當時まだ御存命であった眞道重明先生との共同作業。これはウィキペディアの「戰友」の項で讀むことができる。自分で書き込むことは御法度。これは第三者の採用による。