平井 修一
■3月19日(木)。朝は室温19度だが肌寒いので暖房。曇、フル散歩。
莫邦富氏/作家・ジャーナリストの論考「小米スマホ躍進の陰で泣く、中国部品メーカーの断末魔」(ダイヤモンドオンライン3/19)から。氏は少しずつ「中国幻想」から脱しつつあるようだが・・・
<先月、石川県を訪問したとき、強烈に感じたのが創業百年以上の長寿企業の多さだ。確かに規模はそんなに大きくはないが、企業の歴史がとにかく長い。その長寿の秘訣を探り、その長所を学ぶべきだと認識したのは、おそらく私だけではない。
ここ2、3年、中国で一番話題を集めている企業は「小米科技」(シャオミ)だ。創業からわずか5年で売上高1兆円を達成し、中国市場でサムスン電子を抜いてシェア1位となった中国のスマホ・メーカーである。
*シャオミ創業者の雷軍氏は日本企業の姿勢を高く評価
シャオミを率いる創業者・雷軍氏も話題の人物となっている。アップルのスティーブ・ジョブズに心酔しているので、スタイルも行動もそのまねをしているという議論があり、シャオミの成功を見て、彼を中国のスティーブ・ジョブズと呼ぶ人まで出ている。
しかし実際のところ、雷氏はかなり日本企業に心酔している。インターネット時代の企業がもつべき特徴を雷氏は「専注、極致、口碑、快」と定義している。
つまり、ある分野や製品に集中する(専注)、到達することのできる最高の境地を求める(極致)、評判のよさ(口碑)、スピード(快)という意味だ。
実は、この「専注、極致、口碑」は雷氏の日本企業に対する、特に日本の長寿企業に対する評価だ。「餅は餅屋」ということわざがあるように、日本社会はある製品や専門分野に専心し、その製品の品質も極致に達するほどの高いレベルにある企業に多大の敬意を払っている。ここは中国企業がもっとも学ぶべきところだと雷氏はいたるところで強調している。
しかし日本企業はスピード感がない、なかなか決断しない、といった問題点ももっている。そこで雷氏は、速度を求めるインターネット時代に生き残るためと、日本企業の特徴「専注、極致、口碑」に加えて、スピードを意味する「快」を入れた。つまり「専注、極致、口碑、速度(快)」だ。
*アップルへの依存で中国製造業の弱点が浮き彫りに
いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているシャオミは、信じられないほどの低価格でかなり高性能・高品質の商品を市場に供給できる、ということで評価されている。
中国には部品を低価格で製造できる企業が多く、シャオミにとっては非常に恵まれた環境となる。だから、製品価格が安くても利益を確保できる。
アップルのiPhoneに日本メーカーの部品がどれくらい組みこまれているか、日本企業もメディアもよく話題にしているが、関係者によると、その比率は下がっているという。
最近中国では、世界最大の携帯電話用ガラスの製造メーカーとして、世界のシェアの半分を占めるといわれる「藍思科技」という会社が上場し、注目されている。アップルのサプライヤー(部品納入業者)として、アップル製品人気の恩恵を受けていることはいうまでもない。
しかし「アップル製品で享受する利益はわずか2%」という指摘があるように、中国企業は薄い利益に泣いている。
華泰連合証券の研究報告によると、iPhoneの利益構成はアップルが58.5%、日韓およびその他のメーカーが10%、中国本土メーカーが1.8%だ。iPadの利益配分でも中国メーカーは2%にとどまる、という。
「iPhoneの世界的な大人気は、かえって中国製造業の弱点と窮状を浮き彫りにした」と厳しく指摘する声があちらこちらで聞かれる。
藍思科技の上場を機に、携帯電話のサプライヤーである他の中国企業群も人々の視野に入ってくるようになった。だが実は、これらの企業は非常に厳しい環境にある。
*サプライヤーやOEMメーカーは危機的状態から脱出できるか
昨年末から携帯電話のサプライヤーに倒産企業が続出している。今年初め、東莞市「兆信通訊実業」の董事長が「私は負けを認める。私は負けたのだ」という内容の絶筆を遺した。
厳しい冬を経験したのは兆信通訊だけではない。多くの製造業がひしめく珠江デルタや蘇州などでは昨年の12月以降、携帯電話のサプライヤー企業で生産停止や倒産などが相次いでいる。
この種の例は枚挙に暇ない。近年、藍思科技はアップルとサムスンによって年々業績を上げてきたが、その他のサプライヤーやOEM(下請け受託生産)メーカーはそうした幸運には恵まれなかった。
「スマートフォン市場は2013年に爆発的に成長したため、2014年も引き続き昨年以上に成長する、という判断ミスが携帯電話市場全体にあった。だが結果は大幅に落ち込み、大量の在庫を生んでしまった」と専門家は見る。
中国情報通信研究院が発表したデータによると、2014年の中国携帯電話市場の累計出荷台数は4億5200万台で、2013年の5億7900万台と比べて21.9%下がっている。
携帯電話市場の成長が緩やかになったことで、人気ブランドへの集中が高まって、中小ブランドや模倣携帯の付け入る余地はどんどん狭まっている。
こうした模倣携帯を製造しているOEMメーカーもその部品を提供しているサプライヤーもますます厳しい状況に置かれつつあり、今後さらにOEMメーカーやサプライヤーの倒産が増える可能性がある。
「携帯電話市場は集中が進み、多くのローエンド(廉価)携帯は淘汰されるだろう。現在、ファーウェイや中興の多くのモデルですら600〜700元(1万3000円前後)で売られている。(安さを売りにした)模倣携帯の敗退は必然であり、OEMメーカーにも影響は及ぶだろう」。
「産業が成熟期に入ると、自社での開発力やブランド力がなく、価格やハードウェアコスト頼みのOEMメーカーは真っ先に市場から消える」。
中国の専門家たちの見方も厳しい。
中国の携帯電話OEMメーカーやサプライヤーは、利益が薄く、海外市場に過度に依存している。多くの中小メーカーは残酷な業界の再編成に直面しており、厳しい冬が迫りつつある。
こうした危機的な状態からいかに早く脱出できるのか、いかに日本の長寿企業のように時代の波風に耐えていけるのか、中国の携帯電話OEMメーカーやサプライヤーは厳しい課題をつきつけられている。「専注、極致、口碑、快」はこの厳しい競争にまみれながらも生き残れるヒントになるかもしれない>(以上)
専門技術、最高レベル、高評価、スピード・・・これは中国製造業にない要素だ。「パクリ、いい加減、安かろう悪かろう、怠惰」でしかないのが 現実だろう。中国製造業に未来はあるのか?
■3月20日(金)。朝は室温17度、曇、フル散歩。桜の蕾は赤くなりだしたから、今日明日にも開花が始まるだろう。桜祭りは4月5日、天気が良ければいいが。
「F1レースに姿なき中国・・・金儲けはできるが技術力はない 香港メディアが酷評」(サーチナ3/18)から。
<香港メディアの大公網はこのほど、「F1レースに姿を現した時になってやっと、中国は工業大国と称することができる」と題する文章を発表した。モータースポーツの最高峰であるフォーミュラ1(F1)は工業技術力の戦いでもあり、中国の自動車会社は「金儲けはできるが技術力はない」と酷評した。
2015年のF1出場チームの所属国を見ると、オーストリア、ドイツ、イタリア、英国、スイスなどが並んでいる。オーストリアについては、自国ブランドではないが、ゼネラルモーターズ、アウディ、フォルクスワーゲンなどが生産拠点を置いている。主に東欧向けに「輸出率89%」という、堂々たる自動車工業王国だ。
フランスのルノーと日本のホンダはチームとしては参加していないものの、参加チームにエンジンの提供を行う。文章は、F1とのかかわりが薄くても、高度な工業技術を保有していることがだれの目にも明らかな米国とロシアは別にして「F1になんらかの形でかかわっていてこそ、その国の工業能力が強大と言える」と主張した。
中国については、自動車の販売量が世界第1位であるのにF1に参画することができないのは「恥辱」と酷評。中国がF1に参加するのは「いつのことになるのか分からない」と論じた。
文章は最後の部分を「中国のあの、金儲けはできるが技術力のない自動車会社を見てみよう。中国は本当に世界の工業大国の列に加わりたいと望んでいるが、実現はいつのころになるのやら」と結んだ。(編集担当:如月隼人)>(以上)
如月氏のスパイスがよく効いているが、先進国に「追いつく」目途もないのでは「追い抜く」ことは永遠に不可能だ。先進国はF1の時速300キロで先行しており、中共は今ようやく120キロになったばかりだ。どうにか頑張って10年後に300キロになったところで先進国は600キロになっている。
どうにもならない。お先真っ暗。中共は14億人に食と職を与えられるのだろうか。それとも出稼ぎに頼るのか。
■3月21日(土)。彼岸の中日、国旗掲揚。朝は室温17度、曇、ちょっと寒い、フル散歩。ポツポツ降ってきた。
いろいろ問題になっている「外国人技能実習生」。珍しく送り出し国側からの論考があった。「海外でカネ稼ぐなら日本とシンガポール!? 労働目的の渡航者増加=中国陝西省」(サーチナ3/18)から。
<中国・陝西省のメディア華商網は17日付で「陝西の海外での金稼ぎ、9割超が日本とシンガポールに行く」と題する記事を掲載した。同記事は違法に活動する仲介業者もいるとして、注意を呼びかけた。
同省商務庁のまとめによると、同省でこれまで「労働」を目的に海外に渡航した人は延べ6万4000人。2014年には前年比32.46%増の9218人に達した。従事する職業は建築業、製造業、流通業などで、得た収入は累計で65億元(約1264億円)に達した。1人当たりの収入は2013年における陝西省住民の可処分所得の3.4倍という。
渡航先で最も多いのは日本とシンガポールで同省西安市商務局によると、建設工事請負などに伴って渡航する人を除けば、日本とシンガポールに行く人が全体の9割以上になる。
渡航する人で最も多いのは1980年以降に生まれた農民で、最近は大学生も増えつつある。日本では機械や電気の技術者として渡航した場合には月収1万2000元から2万元(約23万3400〜38万9000円)程度。電子、機械、食品、水産、建築などの分野で実習生として日本に行けば3年間で25万元(約486万円)程度を得ることができるという。
同省にはいくつかの「渡航働仲介会社」があるが、仲介会社には法人組織であるだけでなく「資本金600万元(約1億1700万円)以上」、「熟練した3人以上の管理スタッフ」、「健全な内部管理制度と緊急事態発生時の対応体制」、「法定代表者に事故や過失に原因するもの以外の犯罪歴がないこと」などの条件がある。
これまでに、資格のない業者の仲介で渡航を計画し、出国できなかったり給料を受け取れなかった事例が発生し、十分な警戒が必要という。
規則によれば、仲介料は労働期間中に受け取る賃金の12.5%以下で、日本の場合3万5000元(約68万円)程度の場合が多いという。それ以外にも健康調査、渡航前の訓練、旅券やビザの発給など渡航に伴う諸経費などが必要だ>(以上)
中国では年収8.6万円(1日2ドル、年720ドル)以下の人が4億人もいるという。ところが日本に出稼ぎに行けば単純労働でも年収162万円、実に中国国内の20年分を稼げるというのだ。それなら多くの中国人は日本を目指すだろう。
日本にとってその是非はともかくも、国際競争力のない中国製造業は従業員にまともな給料を払えない→人材・労働力は国外に流出する→中国製造業は衰える、としか考えられない。
中国は将棋でいう「ツンダ」の状態ではないか。「もうお仕舞」。素人の小生はそう思うが、「いや、そんなことはない、これからも元気だ」と言っていた識者(莫邦富氏やキヤノンの瀬口清之研究主幹など)はこのところトーンを落とし始めた。
瀬口氏はこの間まで「日本は中国の成長を取り込むべきだ、それ以外に未来はない」といった論調を展開し、同僚の宮家邦彦氏から「まあ、どうなんだろうね」と皮肉られていたが、3/19の論考では「多極化の時代に備えよ」とこう主張し始めた。
<先月末にある日中関係に関するシンポジウムに出席した際、数人の中国問題の専家の発言の底流に、パックスアメリカーナの終焉とそれに代わる中国の時代の始まりという時代認識のイメージが共有されているように感じられた。
私自身はそれとはやや違う見方をしている。世界はグローバル化の中で多極化の時代に向かっており、中国が順調に発展を遂げていくとしても米国が20世紀に実現したような単独の覇権国家になる時代は来ないと考えている>
中国ファンの瀬口氏が「中国の夢?まあそれはないでしょ」と「対中基本認識」をどうやら変え始めた。莫邦富氏も「かなりヤバイんじゃないか」と懸念するようになった。
我々が進めるべきは「中共の軟着陸」である。血が流れない、犠牲者が出ないで、そこそこ西側の価値観に従うように教導する。これが理想だ。とても難しい作戦だが、中共ウオッチャーの専門家は中南海から静かに手を引き始めた。
もう直に世界の中共応援団は邪悪なプーチンと暗愚の二階と 地球外生物・ルーピーの3人だけになる。孤立した中共は「四面楚歌、軟 着陸するしかないか」となるかもしれない。楽観的すぎるか。
同志諸君、ドンパチの戦争をしないで目的を達成するのが最良だと孫子先生も仰っている。知恵を絞って、必要に応じて金をばらまいてでも、中共を軟着陸させよう。飽くまで抵抗、反抗、攻撃するなら叩くしかないが。
夕べから集団的子育てだが、1歳と3歳の騒々しさはたまらない。耳栓でどうにか耐えている。5歳未満は野生の猿並、反日ヘイトの中韓のようだ。人並になった6歳は晴れ着を着て卒園式。カミサンは午後からスーパー銭湯へ。(2015/3/21)