平井 修一
■3月10日(火)。朝は室温16度、晴、フル散歩。
先日散歩中に姪っ子(小生の中姉の娘)から声をかけられた。数年ぶりだが、「これから会社」と駅へ向かって行った。もう40歳にはなったろうが独身(主義?)で、ずーっと派遣労働しているのは趣味を優先するためだった。
「いろんな働き方があっていい」という意見があるが、姪っ子はまさにそれで派遣労働を選んだ。彼女の妹も独身で、フリーのウェブデザイナーとして在宅で仕事をしている。
両親が元気で、そこそこ資産があるということもあって、正社員にはこだわらないのだろう。「女性だからできる」という“お気楽さ”もあるかもしれない。
池田信夫氏の論考「日本は雇用イノベーションのトップランナー 正社員という幻想を捨てれば可能性は広がる」(JBプレス3/10)から。
<また国会で、労働者派遣法の改正案がもめている。これまで2度も継続審議になった上に、今度は厚生労働省の担当課長が「これまで派遣労働は期間が来たら使い捨ての物扱いだった」と発言したことに野党が反発し、今国会での成立が危ぶまれている。
ここには二重の問題がある。派遣労働者を正社員ではないというだけで「物扱い」する役所と、派遣労働を規制すれば問題が解決すると考える野党だ。彼らはともに「正社員が唯一の正しい働き方だ」と思っているようだが、それは本当だろうか。
*派遣を減らしたらパート・アルバイトが増えた
この(使い捨ての物扱いという)言葉には、派遣労働者を蔑視してきた役所の発想がよく表れている。彼らは企業に一生忠誠を誓う正社員だけを労働基準法の対象にし、それ以外は奴隷だと思っているのだ。派遣が奴隷なら、問題の解決は簡単だ。派遣を禁止すればいいのである。
派遣を減らしたら正社員が増えるだろうか。派遣を雇うのは正社員のコストが高すぎるからなので、派遣がだめならもっと安いパート・アルバイトに代えるだろう。それが現実に起こったことだ。
2007年には140万人だった派遣員は、民主党政権の規制強化で2012年には90万人に減ったが、このとき正社員も減った。その後の人手不足で増えたのは、パート・アルバイトで1347万人。派遣社員の10倍近い。
専門職としての身分保障のある派遣社員を減らすと、何も身分保障のない
パート・アルバイトが増えるだけだ。雇用規制の強化はインサイダー(現に雇用されている労働者)の利益を守ってアウトサイダーをますます不利にするのだ。
こういう倒錯した発想は、「夢は正社員になること」というテレビコマーシャルを流した民主党も同じだ。彼らが派遣規制を強化しようとする理由は、労働組合の組織防衛である。派遣労働者が増えたら組合員が減って労組の政治的影響力が落ちるから、連合に依存する民主党は改正に反対しているのだ。
正社員を増やすには、解雇を判例で実質的に禁止している曖昧な規制を改め、金銭などの条件つきで解雇を認める立法をするしかない。これがOECD(経済協力開発機構)も日本に勧告している改革である。
ところが厚労省は非正社員を規制で減らそうとし、自民党もマスコミの反対を恐れて及び腰だ。
ITの進歩によって、雇用形態はこれから大きく変わる。特にモバイル端末によって、1日中オフィスにいる必要はなくなった。日本で非正社員が労働者の4割近くまで増えたのは、労働がITで定型化したからだ。
20世紀前半には、機械で工場労働者を自動化するオートメーション(FA)が起こり、後半にはコンピュータで事務労働者を自動化するオフィス・オートメーション(OA)が起こった。いま起こっているのは、インターネットでサービス業を自動化するサービス・オートメーションである。
スーパーのレジはPOSで誰でもできるようになり、居酒屋の注文もタッチパネルになった。このように労働が脱熟練化し、社会全体で共有される流れは止まらない。
その先駆が、いま世界で話題を呼んでいるモバイル端末による運転サービス「Uber(ウーバー)」である(アメリカを始め世界の各都市で展開されている配車サービスで、携帯アプリから今いる場所にハイヤーを呼ぶことができる)。
そこでは人的資源がネットワークで統合され、必要なときにすぐ使えるオンデマンド雇用が実現する。これによって労働者は工場や職場から自由になり、自分の時間を自由に使えるようになる。
この意味でサービス業がITで脱熟練化されて効率化された日本は、世界のトップランナーである。正社員というシステムを廃止し、すべての労働者が自由に働ける社会にすれば、日本はオンデマンド雇用のイノベーションを生み出す可能性がある>(以上)
まあ一理はあるが、FA、OAで仮に仕事が脱熟練化すれば、結婚して子供を大学へやるだけの賃金を得られるのかどうか。オンデマンド雇用とは「必要な時に必要な労働力を買う」ことだろうが、安定した収入と身分が得られるのか。
それにしてもFAについては知らないが、小生の経験(編集・デザイン会社)ではOAで脱熟練化はしなかった。熟練した技と知識と気力・体力が求められ、むしろ日進月歩でハード、ソフトが向上するので高度な専門能力が求められるようになった。
小生の大姉はコンビニを経営しているが、仕入れの責任者である店長の能力次第でロス(廃棄)比率は大きく変わるのだという。コンビニでも高度な専門能力が求められているのだ。池田氏にはこの視点が欠けているように思われる。
そういう能力者=プロは他社から引き抜かれないように賃金を上げ、正社員として確保し、さらに教育し、やがては管理職として部下や外部の会社やフリーランスを動かす人材に育て上げる。
「正社員というシステムを廃止」したら、このサイクルが崩壊し、弱肉強食になる。自由時間タップリ、賃金ポッチリの人ばかりにならないか。亡国だ。
自衛隊出身の方が書いていたが、兵器はますます複雑化し、習熟するまでに結構な時間がかかるそうだ。「安倍政権では、やがては徴兵制度が復活されかねないと騒ぐ人々がいるが、素人ばかりの徴兵制度は現場無視の有難迷惑」とも。
話を戻すと、正社員や公務員の賃金を含めた待遇が恵まれているかどうかはさておき、派遣もパートも同一労働同一賃金など、結婚して子供を育て上げられるくらいまで待遇を引き上げることこそが大事なのではないか。
■3月11日(水)。朝は室温12度、ちょっと冷えるが快晴、フル散歩。3.11大地震・大津波4周年。黙祷。
島地勝彦氏のブログ「Nespresso Break Time @Cafe de Shimaji」(現代ビジネス3/4)がカメラマンの宮嶋茂樹との対談を載せている。
島地氏は1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。現在は、コラムニスト兼バーマンとして活躍中。
宮嶋氏は1961年、兵庫県明石市出身。日本大学芸術学部写真学科卒業後、講談社フライデー編集部所属カメラマンを経てフリーに。通称「不肖・宮嶋」。訪露中の金正日総書記、拘置所内の麻原彰晃など数々のスクープ写真をものにするほか、チェチェン、アフガニスタン、イラクなど紛争地域における戦場カメラマンとしても有名。
とても勉強になった。以下、一部を再録する。
<店主前曰
日本のジャーナリズムにおいて20世紀最高のスクープ写真はなにかと問われたら、平成8年、"不肖・宮嶋"こと宮嶋茂樹と相棒の大倉乾吾が東京拘置所内の麻原彰晃をとらえた一枚だと、わたしは迷わず答えたい。
当時、あらゆるマスコミが麻原の姿をひと目でも撮ってやろうと湧きかえる一方、官憲側は絶対に撮らせまいと鉄壁のガードを敷いていた。そんな困難な状況のなか、まんまと官憲の寝首を掻いたのが宮嶋・大倉コンビだったのである。
写真週刊誌の専属カメラマンを経てフリーの報道カメラマンになった"不肖・宮嶋"。そのニックネームとは裏腹に、彼はさすがに用心深い。イラクの戦場にも行ったが、無事に帰還してきた。
対談の途中、カメラマン立木義浩がいつになく大きな声でこう言った。
「生きて帰ってこなかったら一銭にもならないんだよ」
宮嶋は即答した。
「はい、ぼくは帰ってきます」
"不肖・宮嶋"には強運の神様が味方しているように思えてならない。
***
宮嶋?シマジさん、『フューリー』という映画をご存じですか??観たかったんですが、昨日で上演が終わってしまったんですね。ショックでした。
シマジ?あれは面白い映画だったよ。第一、アメリカが負けるというのが
いい。
宮嶋?それ以上はいわないでください。じつはぼくはバクダッドで戦車に撃たれたほうなので、あの映画を観てみたいんです。そのときは弾丸が飛んでくるのがわからなくて、飛び散った破片が顔に当たってはじめて状況を理解しました。大砲がこちらを向いていたんですが、まさかと思ったんです。たしか1.7キロくらい離れていましたか。
シマジ?そんな近いところで。戦車にとっては至近距離でしょう。
宮嶋?ちゃんと共同通信がビデオに撮っていたんです。ピカッと光ってから3秒ぐらいして、ドーンです。米軍の戦車でした。
シマジ?えっ、米軍の戦車に撃たれたんですか!??ひどいね、それは。
宮嶋?理由はいまだにわからないんです。撃たれたのはウクライナ人とスペイン人のカメラマンでした。ホテルのベランダに三脚を立てていたんですが、2人が死ぬまで手にしていたのが300ミリのキャノンの2.8とデジタルの一眼レフでした。おそらく敵の着弾観測と勘違いされたんじゃないかと思います。それで撃たれたという説が濃厚です。
ぼくは3つ隣の部屋にいました。でも衝撃はもの凄かったですよ。二人ともバラバラになりました。彼らはロイターの支局員だったんです。ぼくはなるべくベランダから首を出さないようにしていました。戦車だって自分たちが撃たれることもあるし、「動くものはなんでも撃ってしまえ」という世界ですから。
シマジ?一発だけだったんですか?
宮嶋?一発だけでした。音ももの凄かったですよ。発射した瞬間はかすかだけど、着弾の瞬間はもの凄い音がするんです。米軍は榴弾を撃ったといっていましたが、ぼくのみたところあれは徹甲弾ですよ。榴弾なら火が出ますが、火が出でいなかった。
シマジ?壮絶な体験ですね。宮嶋さんが何歳のころですか?
宮嶋?えーと、あれは40歳のころですかね。いまの戦車は120ミリが主力で、しかも滑腔砲といってライフルのような溝を切っていない砲口から撃ち出されて、翼が飛び出してくるんです。それがまたよく当たるんです。一発必中です。しかも自動装填ですから1分間に10発くらい撃てるんじゃないですか。『パットン大戦車軍団』の時代みたいなロマンある撃ち方なんていまはありません。
自分も撃たれる危険性があるわけだから、一応研究しておかないといけないと思いまして、富士教導団という陸上自衛隊の教育部隊に行って戦車に乗せてもらったんですが、最新式の戦車にはクラウンと同じような無段階変速機がついているんですよ。だからシフトショックもありません。
戦車といえば乗り心地の悪いものの代名詞でしたけど、ずいぶん変わったものだと思いましたね。残念ながら戦車の内部は撮影禁止でした。
ヒノ?そもそも自衛隊取材のきっかけはなんだったんですか?
宮嶋?単に好きだったからですよ。ミリオタみたいなもんです。なにごとも実物をみるのは面白いし、戦地で取材するなら兵器の研究もしないといけない。遠くからみて、どちらの戦車か見分けがつかないとダメですから。イラクのT型なのか、米軍のM1なのか。
シマジ?T型というのはソ連製ですか?
宮嶋?もともとはそうです。イラクは55と72を持っていたらしいですが、72はほとんどみなかったですね。ロシアの戦車もバカにならなくて、相当強い。しょっちゅう地上戦をやっているから慣れているんですよ。ただ空からは一方的にやられますけどね。
米軍は空の優位性を確保してから地上戦に出て行くんで、敵の戦闘機が飛んでいるところには米軍の戦車はいません。あと、いまはヘリコプターが凄い。戦車の敵はヘリです。あれは空飛ぶ戦車みたいなもんですよ。
シマジ?例のオスプレイはどうなんですか?
宮嶋?オスプレイは武器を搭載していないただの輸送機です。戦闘用ヘリは日本にもコブラとアパッチというのが2種類あります。イラクで見たのはアパッチでした。もう「あいつに見つかったら終わり」という世界です。
この間もヘリの実弾射撃訓練を見てきました。むかしは20ミリの機関砲で射撃中は空薬莢がばらばら地上に落ちてきたんですが、アパッチになると30ミリ砲でより強力なのに、空薬莢が収納式で一発も落ちてこないから迫力を表現するのがむずかしくなっていますね。ただ、いずれにしても機関砲の衝撃はすさまじく、射撃中はヘリがその反動でずるずる後退してしまうぐらいです。
シマジ?やっぱり戦場に取材に行くにはそれなりの知識がないと危ないんですね。
宮嶋?兵器もそうですが、軍服の種類とかも最低限の勉強は必要ですね。その点、日本の新聞記者は不勉強です。「別にそんなの必要ない」と思っているみたいです。
最近の話だと、御嶽山の噴火のとき、戦闘装甲車が出動したんですが、それをテレビのコメンテーターが「戦車」って言っちゃうんですよ。戦車と戦闘装甲車の違いもわかっていない。どうしてそれが出ているのかもわかっちゃいないんでしょうね。
噴石が上から落ちてくるから普通の車両では危ないんですよ。あと戦闘装甲車は密閉性が優れていて、有毒な火山ガスが充満するなかでも活動できる。だからわざわざ出動したわけです。そんなことも知らないで「なんで戦車が出てくるんだ?」と現地の報道陣も言っていました。
そういえばオウム事件のときは戦車が出ていました。もしも神経ガスが使われた場合、戦車なら密閉性が優れていて空気を浄化出来るので、後方で待機していたんです。
ヒノ?御嶽山のときは上まで行けなかったんですよね。
宮嶋?行けませんでした。麓までは行ったんですが。記者っていうのは普通、他社を出し抜いてどこへでも行こうとするじゃないですか。でもあのときは誰も登ろうとしなかったですね。ガスもあるし、本当に怖かったから。
自衛隊や消防の人たちが帰ってくるをみていると、みんな腰ぐらいまでドロドロの火山灰に埋まっていたのがありありでしたから。これはムリだ、自力では帰ってこられない、とみんな思ったんでしょう。
シマジ?さすがの不肖・宮嶋も躊躇したわけですね。
宮嶋?はい。麓で取材させてもらいました。
ヒノ?イラクでは入っちゃいけないところにも行ったんですか?
宮嶋?いえいえ、ぼくがいたのはバクダッドだけです。ひたすら温和しく戦争が終わるのを待っていました。
シマジ?わりに用心深いんですね。
立木?当たり前だよ。生きて帰ってこないと一銭にもならないんだから。
宮嶋?はい、ぼくはちゃんと帰ってきます>(以上)
戦場は「動くものはなんでも撃ってしまえ」という世界・・・リアリズムだ。マスコミは米軍による誤爆があると、鬼の首をとったように大合唱で非難を浴びせるが、戦闘地域で自陣営外の「動くものはなんでも撃って」しまわないと撃たれる=殺される可能性が高いわけだ。誤爆は付き物、と言うしかない。
「日本の新聞記者は不勉強」とも氏は述べているが、多くの記者も国民も70年間も軍事を忌避してきたから、平和(戦争のない状態)が当たり前だと思っている。ところが70年前までは戦争は日常茶飯事だった。戦争と戦争の間に束の間の平和があったにすぎない。
今は世界秩序のタガが相当緩んできたから、これからはいつ戦争、紛争、衝突が起きるか分からない。戦争が嫌なら戦争に備えてしっかり攻撃力、抑止力を高める努力と工夫が必要になる。
秩序に挑戦して「動くもの」はなんでも撃たなければ、こちらが撃たれる。好き嫌いの話ではなく、そういう時代認識が必要なのだ。
■3月12日(木)。朝は室温11.5度、快晴、冷風のなかフル散歩。
今朝の「頂門の一針」の「読者の声」に以下の投稿があった。
<中国通のいわゆる識者と称する方々が、もう十数年前から「中国は破綻する」と言ってきました。(ところが現状は)破綻どころか現体制が永遠とは言いませんが、数十年は続くと思います。如何でしょうか。どなたか識者のお考えを頂ければ幸いです>
マスコミは売らんがために「今日明日にも中共崩壊!」と叫んでいるのであって、話半分くらいに思っていた方がいい。商売なのだ。
中共は普通の国なら昨年あたりでバブルがはじけていたろうが、普通の国ではないので延命している。人民はヤケ食いならぬ「爆買い」で鬱憤を晴らしているような印象だ。何となく末期症状。
なぜ延命できるのか。小生は識者ではないけれど、まあ、以下のような事情だろう。
中共が最も恐れているのは太平天国の乱(1851)、義和団の乱(1900)といった大暴動だ。清朝滅亡のカウントダウンが始まり、辛亥革命(1911)、中華民国誕生(1912)となった。
大暴動が起これば中共が崩壊しかねないから、とにかく社会不安を抑え込む。まずは失業者が増えないように企業の倒産を抑えるしかない。
中共は、すべての上に一党独裁の共産党が君臨し、統治する。経済は国家独占資本主義で、ある程度の企業はすべて国営である。生かすも殺すも中共の思うままだ。
国営企業が借金を返済できずにいると、普通の国なら倒産とか会社更生法適用で再建を図ったりする。GMとかJALのように「倒産すると被害が大きすぎるから潰せない」となることもある。
中共の外貨準備高は3兆8800億ドル(2013年、465兆円)、外国での中国の債権は208兆円、合わせて673兆円もある。日本のGDP500兆円を上回っている。国のふところはキャッシュでいっぱいだ。
へたった国営企業を新規融資で救うに当たっては、通常は過剰設備、過剰在庫、過剰人員を整理させる。日本でも猖獗をきわめたリストラだ。減資して増資したりするが、これは国営だから中共にとっては痛くもかゆくもない。
ところが解雇は失業者を生み、社会不安を拡大するから避ける。この結果、改革は先送りされるから、生産性は少しも上がらずに、またへたる。へたれば救う。この繰り返し。
理財商品、財テク商品を人民に売りまくったシャドーバンキングも、同じような感じで救っているのではないか。倒産したら人民は怒り狂って暴動を起こしかねないからだ。地方政府が理財商品を推奨した弱味もある。で、同じように改革は先送りとなり、業界は不健全のままだ。
事実上倒産しても地方政府は「倒産認定」さえしないそうだが、これも社会不安を抑えるためだろう。死んでいるのに生きていることになっているから「ゾンビ企業」と言うそうだ。
中共がやっているのは行き当たりばったりの対処療法で、これでは経済はへたるし、いつかは行き詰まる。対処療法か、それとも外科手術か。外科手術は失業者を生み、社会不安の元になる。
中共中央のチャイナセブンは思案投げ首、どうしていいのか分からない。キャッシュはあるから当分は日和見で行こうとなったのではないか。
まあ、上記の見立ては当たらずとも遠からず、だと思う。
<【大紀元日本2月2日】最近、「新常態」(ニューノーマル)は中国当局が現在経済状況を説明するうえでよく使うキーワードとなっている。在米中国経済専門家の程暁農氏が「新常態」とその問題点について独自の視点から解説した。1月26日付BBCが伝えた。
程氏は「新常態」が現れたのは偶然ではなく、過去十数年の経済成長において多くの問題が隠されてきたと指摘する。中国経済最大の問題点は深刻な収入分配の不公平で、国内総生産(GDP)に占める国民の個人消費が極めて低いことにあると程氏はみている。
2013年の個人消費の割合が36%で、改革開放前の1977年よりも16%低いという。仮に国内消費だけで経済を成長させているならば、GDP成長率は現在の3分の1しかないはずだ。
各地方政府はこの10年不動産市場の発展で経済を成長させてきた。ただ、不動産市場が国民の実質需要より過剰に発展し、住宅価格が国民の購買力を超えたことで、不動産バブルおよび過剰生産能力の問題が必然的に現れる。
現在、不動産市場が低迷し始め、中国はやむを得ず投資を主導とする経済発展モデルから脱却し、構造改革を転換する必要に迫られている。
また、不動産市場の低迷で不動産開発企業や地方政府の債務が急増し、金融システムに多大なリスクを与えている。
同氏によると、国家発展改革委員会の関係者は1997年〜2013年に行われた投資の36%が無効投資、すなわち不良債権で、2009年〜13年の無効投資は42兆元(約798兆円)に達していると示した。
「金融機関がほぼ民営資本である自由経済国家では、金融危機がすでに発生している」と程氏がその深刻さを語った。
さらに、程氏は今後高い失業率が「新常態」になるとの認識を示した。不景気で2年前から珠江デルタ地域で台湾などの外資企業が相次いで倒産した。この「倒産ブーム」は今、長江デルタ地域にも及んでいる。景気減速が続く中、農民工だけではなく大学卒業生の就職環境がますます厳しくなっていくと考えられる。
温家宝・前中国首相は2010年3月の経済討論会において「中国の失業人口は2億人」と発言したことがある。その一方、林毅夫・元世界銀行チーフエコノミストは1月22日に開催されたダボス世界経済フォーラム年次総会で「賃金コストの上昇などの原因で、中国はさらに1.24億人の人々が失業するだろう」と述べた。
現在中国の労働人口は9.4億人で、失業人口が3億人に達すれば、実質失業率は32%となる。この失業率が「新常態」となれば、社会不安が急速に広がる恐れがあるとの認識を示した。
程氏は、中国当局は今、金融危機を避けるため金融機関を救済すべきか、それとも雇用機会を創出するためバブルを維持するのかの選択に悩まされていると指摘した。
金融危機が発生すれば、莫大な資本が流出すると予測され、中国経済に深刻な打撃を与えることが明らかだと当局も理解している。しかし、当局は金融危機を防ぐため、厳しく地方政府の債務増加をコントロールしているが、景気刺激、雇用創出と投資拡大で利下げを実施した。この二つの施策(ブレーキとアクセルの両方を踏む)は明らかに矛盾している。
程氏は「習政権の反腐敗キャンペーンは国民の腐敗官僚への恨みを払拭できるが、失業によって生じた社会不満は解消できない。高い失業率が新常態となる環境では、政治・思想への高圧的(引き締め)や厳格なネット管理は一時的に社会不満の爆発を抑制できるが、社会の安定は長く維持できない。
今後、長期的な高失業率の下で社会の緊張が高まり、中流階級による海外移民の動きが一層加速するだろう」との見方を示した>(以上)
失業率32%・・・仕事がない、金がない、社会保障もない、夢もない。あるのは汚染された土地、汚水、PM2.5、言論統制、弾圧、拘束、収監、不信、絶望。
今年か来年あたりに対日開戦して国民のガス抜きをしないと大暴動になるのではないか。(2015/3/12)