2015年02月22日

◆決してアメリカの礼賛者ではない

前田 正晶



私はアメリカ論を展開するが、決してアメリカの礼賛者ではない。

私が書くアメリカ論は屡々意図しなかったように解釈され、批判されるこ とがあるのは遺憾に思っている。それは「断言しないからだ」とのご指摘 があった。そこで、あらためて私の考え方を述べてみる。

私自身が解っていることは、私は英語で文章を書く際には英語の我が国に はない特徴である二進法的思考が自然に働くようになっていて、断言する 文章を書いています。だが、自国語になると「ここまで書けば解ってくれ るだろう。以心伝心はあるだろう」式な日本語の思考が基になる記述に なってしまうことが多いのです。

何処かで何かを怖れているのか、英語の場合のように断定や断言すること を避けてしまう傾向が出てくるのです。ここで敢えて弁解すれば、「英語 で話すか書く際には、頭の中のギアが英語に切り替わっているからで、日 本語になればギアがまた切り替わっているため」とでもなるでしょうか。 これは英語を学ぶ場合では非常に重要な点だと長年述べてきました、念の ため。

私はこれまでに「アメリカとは」、「アメリカ人とは」、「日米間の文化 と思考体系の違いとは」という話題を繰り返して紹介してきました。それ は、より多くの人に「アメリカは違う国だよ」と知って貰いたいので「相 違点を論じて来た」のであって、アメリカを殊更に礼賛することは滅多に ありませんでした。実際に敢えて褒めないことが狙いだったつもりです。

昨年の2月19日に開催された畏友篠宮良幸氏主宰の水曜会での自由討論の 中で「我が国が良い国だ」との議論が出ました。私はこの機会でも「外国 人の中で過ごしてきたために『愛国者』と言うか『外国人に負けてなる か』といった精神構造に自然になっていきました。

だが、そうだからと言って「俺はアメリカ礼賛者ではない。これまでに批 判はしても褒めたことは極めて稀だ」とまでは断言していなかったのは事 実でしょう。

以下は、先の自由討論の論点の中から抜粋したものです。

“私は我が国が長く続く天皇制の下に、国が順調に明治維新等を経てある べき姿の近代化の成長の経緯があって、今日の経済的発展と優れた均一の 教育水準を保っている世界的に見て優れた国民で構成されている国になっ たと思っています。これは中・韓は言うに及ばず、西欧諸国でも為し得て いない立派な成果だと信じています。”

“我が国ほど良い国はありません。何度か言いましたが、某商社の友人は 「海外出張から帰ってくる度毎に、こんな良い国はないと心から感じる」 と言っています。私の言うことも同じ。私自身もアメリカには何度行って も(50回以上出張したでしょうが)、「あー、また何もかも違う国にきて しまった」と気を引き締めていました。この感覚を知らない多くの有識者 か左巻きの連中が反日的非国民になっていると思うのですが。”

“その結果(成果?)で、私が確信する「日本ほど優れていて良い国はな い」に結びついていきます。だからこそ、ここ百人町・大久保界隈が代表 するかのようなアジア諸国とイスラム教圏内から合法・違法を問わず多く の後進国から流入する者が多いのです。

これは短期的には幾らかは誇りに思って良いことかも知れない事実であっ ても、確固たる規程や規制のない移民の導入は、何時かは国の根幹に悪影 響を及ぼすことになりかねいと危惧します。”

(話は変わりますが、曾野綾子さんの先頃の「差別」か「区別」に関する 主張は諸外国を見てこられたから出た意見であり、外国の実情を詳しく弁 えていない者の反論には疑問を感じざるを得ません。私は「無知の力」を 怖れる者の一人です。)

“我が国は中・韓のように紆余曲折というか安定した施政者が統治してこ なかった国で、国民が自国を信じていない国と同日に論じてはなりませ ん。また、アメリカのような多くの階層と階級で構成されているだけなら 兎も角、そもそも白人(WASP)の国だったところに異教徒と異文化の国か らの流入人口が増えては安定出来ません。その非白人からの支持に依存す る大統領が2期も在任すると、今日の如き全世界的な不安定な状況に立ち 至ってしまったと思うのです。”

私はアメリカの文化と思考体系等の我が国との明らかな相違点とその実情 を、普通のと言うかごく一般的な同胞より少しは余計に経験し知り得た者 だと自負しています。同時にその経験に基づいて、内側からアメリカのビ ジネスの世界を飽くまでも我が国と対比して批判するものであります。

私は誰もが承知しているだろうアメリカの我が国にはない優れた点を今更 採り上げて褒めるつもりはありません。故に、自分で学び得たアメリカの 長所を礼賛はしません。だが、アメリカが世界でも優れた良い国である事 を認めるに吝かではありません。でも、永住する気があるかと訊かれれ ば、断固「ノー」と言うでしょう。何分にも自動車の運転が出来ないから ですが、それだけが理由ではありません。

以上は昨年2月20日のブログに加筆し、さらに改定したもの。


◆百姓は知らしむべからずよらしむべし

上西 俊雄



平井さんの身邊雜記は面白いだけでなく勉強にもなる。3576號(27.2.20) のものはちょっとひっかかったところがあったので一知半解ながら一筆す る。柯隆といふ人の論考「人民はバカぢゃない 中國の愚民政治はいつま で續くのか?」からの引用の冒頭。

<中國では社會主義中國が成立してから一貫して「愚民政治」が行はれて きた。人民を愚民化して、關心を政治からそらす愚民政治は、もちろん中 國の專賣特許ではない。かつて日本でも愚民政治が行はれてゐた。「水戸 藩資料」には、徳川斉昭が「百姓に學問など全く不要だ」と公言したこと が記述されてゐる。>


水戸藩は櫻田門外の變の志士を生んだところ、學問の、つまりは朱子學の さかんなところであったはずだ。中國における愚民政策のやうなものが行 はれてゐたといふのはしっくりこないではないか。


水戸藩資料の原文を知らない。柯氏は直接あたったのだらうか。もし民可 使由之、不可使知之 といふ形であったとしら、解釋をまちがったといふ べきだらう。


高校のときに「百姓は知らしむべからず、よらしむべし」との句を例に江 戸時代が酷い時代であったと教はった記憶がある。


この句は違ふ意味ではないかといふことを、その後耳にしたこともあった けれど、字が異るといふことは露伴を讀むまで知らなかった。以下長いけ れど露伴を引く。


<訓讀訓詁を承け、字を解き文を説くを能くするのは、所謂小學の事であ る。此の小學はもとより大切のことである。小學未だ通ぜずして一足飛び に大旨深意に徹し得べき譯は無いのである。


然るに今の人の氣習として、英雄豪傑の敵陣に臨みて叱咤突破するが如 く、勇猛果敢に如何樣の書でも讀過し了することを爲し、訓讀訓詁などと いふことは大丈夫の事とすべきものではないと云ふやうな料簡方で、一味 の粗笨鹵莽みづから省みることを知らず、自己の意のまゝに解したり、評 したり、論難したりして、大錯誤に墜ち、大狂妄を敢てする如きは、何と も悲むべきことである。


例を以て喩(たとへ)を取らうならば、泰伯篇の、子曰、民可使由之、不 可使知之、の章の如きがそれである。


今の人の言を聞くに、或は此章の意をば、政治は民をしてたゞ爲政者を信 頼させるので宜しい、知らせるには及ばない、といふやうに解してゐるの が多いやうである。


そして此言の含むところの意味を非なりとして難じてゐる者さへ有るのを 聞及ぶ。嗚呼何といふことであらう。


これ皆妄解狂論、取るにも足らぬことであるが、其初は小學に通ぜずし て、由の一字を誤解してゐるところから生じた過失である。

由も邦語の「よる」であり、頼も邦語は「よる」であり、據も邦語は「よ る」であるが、由は頼でも據でも無い。


由は、雍也篇の、子曰、誰能出不由戸、何莫由斯道也、の由であって、決 して依頼の頼だの據有の據だのでは無い。


誰か能く出づること戸に由らざらん、といふのは、内から外へ出るのに開 き戸の有るところから出ぬものは無いといふのである。由の字の味はそれ で曉られる。


又由は自である。詩の、自東自西、自南自北、の自と同じで、東より西よ り、の「より」である。


由の字の是の如きの意義景象を知るときは、民可使由之、といへるを朱子 が釋して、民之をして是理の當然に由らしむべし、といへるのが、實に明 らかな解であることを感じさせる。


又此字を以て此字を解するのが最も善い解字の法だが、若し他字を以て此 字を解するならば、由は用也、といふ古註の説も亦甚だ宜い。


疑ふらくは用は由の倒文であらうと考へた人もあるほどで、經傳に用を以 て由を釋した例は甚だ多い。


用ゐしむべくして知らしむべからずとは、「百姓能く日に用ゐて而して知 る能はざればなり」といふ古註も亦簡明ではないか。


之を知らしむべからずといふ句は、朱子も、「之をして其の然る所以を知 らしむる能はざる也」と、「可」の字に易へて「能」の字を點出してゐる。


是の如くにして、由字、可字を小學的に曉り得れば、此章の旨はおのづか ら分明であり、聖人の禮學政教を以て民を導いて化を成す所以が、恰も平 易坦廣の道路を設けて人をして自から其道路を歩むに至らしめる如くであ ることが分る。


程子が此章を談って、「聖人の教を設くるや、人の家ごとに喩して戸ごと に曉らしめんことを欲せざるにあらざるなり、然れども之をして知らしむ る能はず、但(ただ)能く之をして之に由らしむるのみ。


若し聖人は民をして知らしめずと曰はば、即ち是れ後世の朝四暮三の術な り、豈聖人の心ならん乎」と叮嚀心切に説いてゐる。


朝四暮三の術とは狙(そ)を養ふの術であるが、聖人の民に臨むに、何で 老氏のやうに民を愚にし、莊子のやうに智を以て愚を籠めたり、秦の始皇 のやうに黔首()けんしゅ)を愚にしたりすることを爲すべき筈は無い。


然るに小學を足蹴にするが如き●心大膽、一味鹵莽の人は、由字を解して 頼字と爲し、可からずを解して、宜しからずと爲し、意に從って政教を爲 すを可と爲せるが如くに此章を解し、そして大に之を非としてゐるが如 き、實に無益(むやく)しき議論を數々耳にする。


厭ふべきことである。我邦の學者の中で荻生徂徠はやゝ豪傑の氣象のあっ た、且つ聡明の人であった。然も徂徠は小學に心を致すことの薄からざる 人であった。徂徠する猶小學をおろそかにせぬのに、今の人の漫りに高 ぶって、字義にも文法にも熟通せずに漫讀漫解漫評するが如きは、甚だ不 當のことである。>


●はユニコードの8E81、鹿の上の點のところが々になった形。音ソ。粗に 通じる。


露伴が「今の人の漫りに高ぶって、字義にも文法にも熟通せずに漫讀漫解 漫評するが如きは、甚だ不當のことである」と嘆いたのは昭和十三年。


小生の如きは漢字を全廢せんとした戰後教育の申し子。漢字を體系的にみ ることもならはなかった。


生産據點を國内に戻す動きがあることについてNHKのニュースで「餘剩生 産力を補ふために」とまったく逆の表現をした。かういふ調子で外交など やられてはたまらない。


貧富の差による學力の格差を問題にする向きもあるけれど、義務教育が機 能してゐないといふことではないか。


三省堂時代に著者の原稿を文部省式表記に修正する訓練があった。それが 身につかなかった。


最近讀んだ海音寺潮五郎も文部省式の制限假名字母表記であって、「出 づ」とあるべきところまで「出ず」となってゐて、おもはず「イデズ」と 逆に讀むところであった。文體からして制限假名字母であったはずはない のであるが、ネットでしらべると國語問題協議會の『國語國字』(昭和39 年3月)のものがでてきた。


<私共が日本語が今日病んでゐると申しますのは、我々の先人達が日本語 を大事にし、培ふことに努力して、こんなにも立派に發達させて來たもの を、一部の人々がいらぬことをして壞しつゝあり、といふのが言ひすぎな ら、破壞に導くやうなことをしてゐて、その結果が日を追うて大きくなり つつあるからのことであります


秦の始皇帝が書物を燒いたといふ故事があります」が現代の日本國語の新 表記法の主張者らは、この始皇帝の惡業と同じことをしてゐるのです


一體、國語といふものは、民族が過去、現在、未來にわたつて共有してゐ る最も貴重な財産です。ある時代の國民がほしいままに改變してよいもの ではない>


かういふ文章を讀んで、幕府、ではなかった文部省の人間はなんとも思は ないのか。だんだんと當時の武士が過激になっていく氣持がわかる。


2015年02月21日

◆「慰安婦」は韓国が解決する問題

阿比留 瑠比


韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は13日、韓国を訪問した自民党の二階俊博総務会長と会談し、慰安婦問題に関して日本政府が速やかに「納得できる措置」を取るよう求めた。だが、その措置の具体的中身、何をしてほしいのかについてはやはり言及しなかったようだ。

1965(昭和40)年の日韓請求権協定で法的に「完全かつ最終的に解決」されている問題について、政府はこれまでアジア女性基金を通じ元慰安婦に償い金を支払ったり、首相のおわびの手紙を届けたりできる限りのことをしてきた。

役に立たなかったが、根拠なく慰安婦募集の強制性を認めた平成5年8月の河野洋平官房長官談話も、日韓関係のために良かれと思う「善意」が大本にあったのは事実だろう。安倍晋三首相も含め、歴代首相は慰安婦の境遇については深い同情を表明してきた。

「韓国も分からない」

韓国は日本に、これ以上いったい何をしろというのか-。筆者が昨年6月に訪韓した際、慰安婦問題を担当した韓国の元外交官に「これでは日本政府もどうしたらいいのか分からない」と問うたところ、こんな返事が返ってきた。

「韓国も、実はどうしたらいいのか分からないということだと思う」

結局、答えはそもそも存在しないのではないか。韓国にも日本国内にも国家賠償を求める声もあるが、それは村山富市元首相ですら首相当時に国会で「もう済んでいる」「わが国の立場を堅持する」と否定している話である。

第一、河野談話が強制性認定で踏み込んだ大きな理由の一つは、談話発表の5カ月前の5年3月、韓国の金泳三(キム・ヨンサム)大統領(当時)が慰安婦問題でこう表明したことであるはずだ。

 「物質的な補償を日本側に要求しない」

金氏は同時に、元慰安婦に対する生活支援なども韓国政府の責任で行うことを宣言した。これを受けて宮沢喜一内閣は「強制」の定義を物理的なものだけでなく、「本人の意思に反する行為」にまで広げるなど、談話作成に突き進んだ。

同月、韓国外務省幹部は日本側に、金氏の言葉の真意を次のように説明したとされる。

「1965年の請求権協定についての法律論とは離れても、いわゆる過去史に関する問題が提起されるたびに日本側に何らかの補償を求めるという姿勢は慎むべきだとの趣旨が中心で、勇気ある発言だ」

「(韓国政府は)日本側に補償を要求して国民の非難をかわそうとするのが通例となってきたが、時代も変わり、日本に補償を求めるのが韓国政府の役割なのではなく、自分で解決していくことが責務だとの趣旨で、大統領の本心だ」

深くうなずける指摘であり、朴氏は当時のやりとりを学び、慰安婦問題は日本に何かを求めるのではなく自分で解決してほしい。

「反日」を使う大統領

もっとも、韓国大統領として初めて竹島(島根県隠岐の島町)に上陸し、慰安婦問題で日本を非難した李明博(イ・ミョンバク)前大統領も、2011(平成23)年10月の野田佳彦首相(当時)との初会談時には、こう言っていた。

「歴代の韓国の大統領は任期後半になると、『反日』を使いながら支持率を上げようとする繰り返しだった。私はそういうことはしたくない」(年10月29日付読売新聞朝刊の野田氏インタビュー記事)同じ人物がころっと変わるのだから、韓国外交に継続性や一貫性を望んでも無駄か。

(政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2015.2.19

               (採録:久保田 康文)

「尖閣諸島の戦略的な価値」

平井 修一

自衛隊出身の軍事ライターの方がこう書いていた。

<尖閣は日中双方にとって価値ある島とは言えない。今の平和的睨みあい状態は、日中にとってそれほど悪いものではない。もともと争うほどの資源もない島である。自国のものとする利益よりも、相手国との軍事的対立や交易混乱といった不利益のほうが大きい。

日本としては、尖閣に日本の力を吸い取られないようにしたほうがよい。その意味では、現状の固定化を図り、平和的に安定させるのは悪い話ではない。中国は尖閣での安定を確信できれば、より核心的な利益である南シナ海での権益確保に向かう。そうなれば、東シナ海での対中対峙は穏やかにもなるためである>

小生は素人ながら「中共海軍が太平洋へ出るためには尖閣のそばを通らなければならない。尖閣を突破すると深海になり、中共の潜水艦を補足しづらくなって日米は制海権を失いかねないから、尖閣の実効支配は不可欠だ」と思っている。

だから軍事ライター氏の上記の言葉には驚いてしまった。氏のプロフィールには「特に記事は新中国で評価され、TV等でも取り上げられているが、筆者に直接発注がないのが残念」とあった。中共の代弁者みたいだ。

松島悠佐・防衛研究所代表取締役(元中部方面総監)の論考「尖閣諸島の戦略的な価値」(2012/4/19)から。

<多くの国民にとって尖閣諸島は遠い無人の離れ島であり、何故そんなところが問題になるのかがなかなか理解できないことも事実である。

防衛システム研究所では、平成22年9月に起きた漁船衝突事件の直後に「尖閣諸島が危ない」(内外出版)を刊行して、尖閣諸島の戦略的意義を指摘してきたのだが、重複を厭わず要点だけを書いておく。

尖閣諸島は台湾や先島諸島から約200キロも離れ、中国本土からは400キロ以上も離れた小さな無人島だが、軍事戦略的には非常に大きな価値がある。

中国は、既に数年前から「日本列島〜南西諸島〜台湾〜フィリピン」を「第1列島線」として定め、他国の侵入を阻止し東シナ海〜台湾周辺〜南シナ海の海洋支配を確実にする体制を作ろうとしている。

東シナ海の大陸棚は中国にとって「絶対確保海域(核心的利益)」であり、自ら制海権を保持し日米軍の活動をいっさい排除したいと思っている。それが、「anti-access/area-denial(接近阻止・領域拒否)」と呼ばれる作戦である。

これに対しアメリカは、世界の警察軍として現在でもインド洋や中東やアフガンなどにグローバルな作戦を展開しており、そのためには東シナ海・南シナ海を自由に航行することは必須の要件であり、中国による同海域の覇権、まして進入阻止などは容認できることではない。

中国が米軍の侵入をあくまで阻止するような行動に出れば、米軍は安全な航行路確保のための作戦を発動することになるだろう。

「第1列島線」を巡る中国の封鎖作戦とアメリカの打通作戦の主要な係争海域となるのが沖縄・宮古海峡の周辺である。

そして、この海峡を制する重要な海域は「沖縄諸島」「先島諸島」ならびに「尖閣諸島」の三つの地域である。沖縄諸島は現在でも南西諸島防衛の中心として日米の主要な基地があり、ここを日米がしっかりと確保している以上、中国軍は手を出せないだろう。

先島諸島には、現在宮古島に航空自衛隊のレーダーサイトがある以外には軍事基地はないが、宮古島・石垣島・与那国島などには住民が居住しておりわが国の生活圏になっている。

海峡争奪戦が現実化してきた頃には、わが国としても警備部隊を配置する等の措置を採り、警備体制を強化することになると思われるが、今すぐ中国が侵攻するような暴挙に出るとも思えない。

となると、残るのは尖閣諸島である。

現在は小さな無人島であり、占拠占領も比較的に容易な上、海峡を牽制下に入れる作戦においては、非常に大きな価値がある。

要図(略)を見れば明らかなように、沖縄諸島・先島諸島・尖閣諸島のすべてを日米両軍がしっかり押さえてしまえば、中国が企図する沖縄・宮古海峡の封鎖作戦はまず不可能になる。

海峡の封鎖作戦をするためには海域を哨戒する海空の部隊が安全に行動し、必要に応じて機雷を撒いて海峡を封鎖するなどの作戦を行なわなければならないが、その作戦基盤となる要域を確保しておかなければならない。

必要性と可能性から考えれば、中国としてはまず「尖閣諸島の確保」が絶対の要件となり、それを振り出しに、海峡支配の態勢を固めてくるだろう。

尖閣諸島を手に入れた後は、それを梃子にしてジワジワと先島諸島に圧力を加え、宮古列島・八重山列島の周辺海域を牽制下において、やがて先島諸島を支配する行動に出ることが予測される。

南シナ海における西沙諸島や南沙諸島もそのような手法を繰り返して手中に収めた。

このような作戦を展開して、尖閣諸島・先島諸島を支配下に治めれば、沖縄諸島を日米が抑えていても、沖縄・宮古海峡の封鎖作戦に相当の効果を期待できる。

勿論、第1列島防衛線における「接近阻止・領域拒否」作戦を完成するには、沖縄諸島も手中に収めなければならない。このことについては、3月に掲載した「沖縄を再び戦場にしないために」の拙論に書いたが、それは中国にとってもアメリカと正面から対決する次世代の作戦になるだろう。

中国は遠大な目的を完成するために、将来の布石として今実行可能な作戦をじわじわと進めてくるのが常道であり、しかも時間をかけてじっくりと作戦を展開してくる。

今は、まず尖閣諸島を手に入れる作戦に焦点が当てられていると見るべきだろう。

このような中国の手法から判断すれば、わが国としては中国海軍を尖閣諸島周辺から排除して、領海主権を確保しておくことは、将来に禍根を残さないために極めて重要な「必成目標」の作戦である。

政府は「わが国としては尖閣諸島に領土問題は存在しない」などと言っているが、理論と建前はそうであっても、実体論としては領土問題が起きているのであり、それを蔑ろにすると、将来南西諸島が戦火に見舞われることにもなりかねない。

尖閣諸島の戦略的な価値は大きい。わが国の領土主権と防衛にかかわる大きな問題を含んでいるからである>(以上)

要は東シナ海と太平洋の制海権、制空権の要衝が尖閣周辺だということだ。強奪に向けて中共は着実に駒を進めている。

「中国軍、尖閣から300キロの沿岸部にヘリ発着場 外務省認める」(日経1/28)から。

<【北京=島田学】中国外務省の華春瑩副報道局長は28日の記者会見で、中国軍が沖縄県・尖閣諸島の北西約300キロにある浙江省沿岸部の南〓(鹿の下に几)島に軍事用ヘリコプターの発着場を建設中とされる問題で「島は中国の領土内にあり、正常な建設活動だ」と述べ、発着場の建設を認めた。

尖閣諸島への軍事作戦の備えだとの見方があることには「深読みや臆測をすべきでない」と述べるにとどめた。

南〓島の軍事施設を巡っては、国際軍事情報大手IHSジェーンズが人工衛星の画像で確認したとしている。現時点で戦闘機などが発着できる滑走路はなく、軍事用ヘリの発着場とみられる>

ヘリから特殊部隊が尖閣に上陸、重火器や資材も揚陸する可能性がある。周辺は200隻の海上民兵が展開し、海保、海自の接近を阻むだろう。しっかり備えなければならない。(2015/2/20)

◆中国、韓国に「踏み絵」

秋田 浩之


米国と中国のどちらを重視するのか。中国からこんな「踏み絵」を突きつけられ、朴槿恵(パク・クネ)政権が対応に苦慮している。

「本当に困った状況になった。韓国はいよいよ、米中の板挟みになってしまう」。朴政権に近い韓国の安全保障専門家はこう打ち明ける。

■中国に脅威のミサイル防衛

火種になっているのは、米国が、在韓米軍への配備を検討している新しいミサイル防衛システム。中国がこれに真っ向から反対を唱え、韓国に圧力をかけ始めたのだ。

その名称は、「戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)」。地上100キロ以上の高さでミサイルを迎撃できるほか、半径1000キロを超える範囲を監視できる高性能レーダーをそなえているといわれる。

この配備をめぐる対立が表面化したのが、2月4日、ソウルで開かれた中韓国防相会談だった。

韓国側によると、常万全・中国国防相が約100分間の会談の半ばでこの問題を切り出し、在韓米軍によるTHAAD配備に懸念を示した。中国が公式会談で、否定的な見解を伝えるのは初めてという。

もっとも、中国の反対自体は、予想されたことだった。THAADが韓国に配備されれば、北朝鮮だけでなく、中国のミサイルも弱体化されかねないとの分析が、以前から中国内にあったからだ。

「半径1000キロ超」とされるレーダー能力の高さも、中国からみれば脅威だ。それが本当なら、中国関連の情報まで探られかねないからだ。

むしろ興味深いのは、なぜ、中国がいまになって公式に反対を表明し、韓国への圧力を強めだしたのか、である。

米軍による韓国配備の構想が浮上したのは、今に始まったことではない。
すでに昨年6月、在韓米軍のスカパロッティ司令官が講演で、検討中であることを明らかにしていた。

ところが、中国はその後も、公式の場で反対を唱えたり、あからさまに韓国に圧力をかけたりすることは控えていた。

昨年7月の中韓首脳会談で、習近平国家主席が朴大統領に「慎重な対応」を要請したとの報道もある(韓国の聯合ニュース)。だが、両国とも発言の有無は明らかにしていない。

風向きが微妙に変わりだしたのが、昨年10月下旬。中国の邱国洪駐韓大使がソウル市内の対話フォーラムに出席した際、会場からの質問を受け、THAAD配備への反対に言及した(昨年10月20日付、韓国の中央報)。

中国はこうした段階を経て、2月4日の中韓国防相会談で一気に対応を切り替えた。やんわりと異論を唱えるのでなく、韓国に表立って「踏み絵」を突きつける路線に転じたのである。

中国の意図はどこにあるのか。複数の日韓関係筋の話をまとめると、次のような見方が多い。

中国は当初、この問題は荒立てず、水面下で韓国に「対処」してもらおうとした。このほうが、中国重視の朴大統領を追い込まず、米国とも正面からケンカしないですむと考えた。だが、オバマ政権が昨年11月の中間選挙で敗北し、中東危機に忙殺されるのをみて、米韓にもっと強気に出ても大丈夫だ、と判断した――。

■「両てんびん外交」は曲がり角

韓国としては、在韓米軍へのTHAAD配備には反対しないが、韓国軍には導入しないという方針で、事態をおさめたい考えのようだ。米中双方を気遣う姿勢がうかがえる。

最終的には、米側の出方が大きなカギをにぎる。米側としては配備は実現したいが、韓国を必要以上に追い込みたくはないのが本音だろう。

「THAAD配備の可能性も含め、朝鮮半島でのミサイル防衛は、北朝鮮に向けられたものだ」。ブリンケン米国務副長官は6日、日中韓歴訪を前に ツイッターでこう発信した。

米中両方とうまく折り合い、国益を確保しようとする韓国の朴政権。この「両てんびん外交」はいま、曲がり角にきているようにみえる。
                 日本経済新聞 電子版2015/2/13

秋田浩之(あきた・ひろゆき)
1987年日本経済新聞社入社。政治部、北京、ワシントン支局などを経て政治部編集委員。
著書に「暗流 米中日外交三国志」。

                    (採録:久保田 康文)



      

2015年02月20日

◆ISILを口実にウイグル弾圧の中国

櫻井よしこ


中国政府がウイグル人を「テロリスト」と疑って取り締りを強化する明白なきっかけとなったのが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件だった。
 
江沢民主席(当時)は翌年10月25日にテキサス・クロフォードのブシュ大統領(同前)の私邸兼牧場を訪れ、イスラム原理主義勢力のテロリストに関する情報を提供すると同時に、中国内のウイグル人による抵抗運動をテロと結びつけ始めた。テロとの戦いを最優先したブッシュ大統領は結果として、中国政府の不条理なウイグル人弾圧に目をつぶった。
 
そしていま、世界はISIL(イスラム国)の脅威に直面している。中国政府はここぞとばかりにイスラム過激派と国内のウイグル人のイメージを重ねて、弾圧を強めつつある。
 
1月末に来日した世界ウイグル会議代表のラビア・カーディル氏は、中国政府のウイグル人弾圧は、習近平氏が国家主席となってから、とりわけ激化したと訴える。だが、それ以前から中国当局のウイグル人弾圧は際立っていた。
 
ウイグル人の子どもたちはもはや学校ではウイグル語を教えてもらえない。小中高大の全レベルでウイグル語が排除されたのは2006年だった。

中国は、言葉の次に宗教を奪おうとする。すでに、18歳未満のウイグル人はイスラム教の信仰を、教育関係者はイスラム教関連の行事への参加を禁止され、違反した場合、教師は職を失う。イスラム教徒と一見してわかる容貌や身なりの者はバスに乗車することさえ許されない。
 
昨年夏のラマダン(断食月)の時、ウイグル人の大学生はラマダン参加を禁止され、配られた食事や飲み物を口にするよう強要された。「破戒」を恐れる学生たちが拒否すれば、大学からの追放や学位剥奪の処分が待っていたという。

おどろおどろしい宣言
 
ウイグル人から言葉と宗教を奪い漢民族への同化を強要する中、昨年4月27日から30日まで、習近平主席が新疆ウイグル自治区の首都、ウルムチを視察した。習主席は同自治区が中国政府の構想する新シルクロード経済圏に占める役割の重要性について語り、新疆での開発の促進と辺境警備の強化を強調した。

対して同月30日午後7時、習主席に危害は及ばなかったが、ウルムチ南駅の前で爆発事件が発生した。習主席の訪問時には厳しい警備体制が敷かれていたはずだ。選りに選ってその厳戒態勢下で起きた爆発事件に習主席は激怒したと伝えられる。

彼は直ちに果断な対テロ闘争を命じ、その後、同自治区トップの張春賢書記は、「超強硬な措置と常規を超える手段」による対テロ戦争の発動を表明した。このおどろおどろしい宣言は確実に実行に移された。カーディル氏が語った。

「昨年1年だけで、世界ウイグル会議が把握した中国によるウイグル人虐殺事件は、少なくとも37件発生しています。最もひどかったのが、7月のヤルカンドの虐殺です」
 
ヤルカンド虐殺事件は、去年7月28日に発生した。同事件に関して中国当局とウイグル人側の主張は真っ向からぶつかる。中国当局はこれを「ウイグル人テロリストが警察署を襲撃したのが発端」で、「国内外のテロ組織が結託した悪質な事件」だと発表、犠牲者は96人と公表した。
 
しかし、現場は直ちに封鎖され、外国メディアは立ち入りも取材もできなかった。AP通信が、「独立メディアの報道がない状況下では、政府は容易に敵を悪魔化できる」と報じたように、真相は不明である。
 
他方、カーディル氏はこう語る。

「あのとき、イスラム教徒はラマダンを迎えようとしていました。中国当局はラマダンの断食を禁止し、ウイグル人は止むなくそれに従いました。しかし、ラマダン終了前には聖なる夜があって、男性たちはモスクに、女性たちは家に集まり、祈りを捧げます。中国当局はそこを狙ったのです。

2軒の家に女性たちは各々十数人づつ集まって祈りを捧げていました。そこに中国当局の武装勢力が踏み込んで女性たちを殺害した。モスクから戻った夫たちは驚き、警察署に行った。これがヤルカンドの事件の始まりです」
 
カーディル氏は、警察署に訴えに行ったウイグル人を、警察当局が「派出所を襲撃にきたウイグル過激派」と見做して、ほぼ全員を殺害したあと、武装警官を派遣し、ヤルカンドの村を包囲した、住民の大半が殺害され、犠牲者は2000人に上ると主張する。
 
ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、「6歳の子どもまで全員殺された。死者は3000人以上」という現場の住民の声を伝えた。
 
中国の主張する犠牲者96人でも大変な数だが、2000人或いは3000人となれば、文字どおりの虐殺である。張書記の「超強硬な措置と常規を超える手段」という恐ろしい宣言を想起せざるを得ない。

ウイグル人の狙い撃ち
 
無慈悲な虐殺はその後も続いている。カーディル氏が来日した1月28日、ホータン地区の検問所で3人のウイグルの若者が警官を襲撃し逃走、その後射殺されたというニュースが北京発時事電で報じられた。
 
カーディル氏は、3人のウイグル人は16、17、18歳の少年で、恐怖心から逃走したと説明した。
 
同事件の詳細をRFAが伝えている。それによると、3人の内の1人を警官がトラックに押し込もうとしたとき、少年たちがナイフで警官全員を殺し、逃走したというのだ。翌日、150名の警官で構成するSWAT(警察特殊部隊)が派遣され、まず、2人を見つけ、わずか1〜2分で射殺し、その翌々日には16歳の少年も射殺したという。
 
それにしても、10代の少年たちが警備の警官たちをナイフで容易に殺害できるものだろうか。ヤルカンド虐殺事件同様、ホータン事件の真相も実はわかりにくい。確かなことは、中国当局によるウイグル人の狙い撃ちが進行しているということであろう。ISILという許されざるテロ勢力の脅威を、中国政府は自分たちに都合良く利用し、ウイグル人虐殺の口実にしているのではないか。
 
静岡大学人文社会科学部教授の楊海英氏は、中国によるモンゴル人虐殺の実態を研究してきた。氏が明らかにしたモンゴル人虐殺の悲劇は、いまウイグル人及びチベット人に起きている悲劇とぴったり重なる。
 
歴史を振り返れば、中国に虐げられ続けている、これら3民族と日本の関わりには非常に深いものがある。それだけに彼らの日本に対する思いも深い。中国が21世紀のいまも行っている人道に対する罪を告発すべき国があるとすれば、それは日本ではないかと私は思う。日本人も日本政府も、ウイグル、モンゴル、チベット3民族の悲劇を終わらせるため、少なくとも沈黙は許されない。
『週刊新潮』 2015年2月19日号 2015.02.19 (木)
日本ルネッサンス 第643回

◆私の「身辺雑記」(192)

平井 修一



■2月17日(火)。朝は室温11.5度、曇、フル散歩。蝋梅、紅梅、白梅があちこちで咲き始めた。春子よ、早くおいで。

そう言えば間もなく64歳になる。銀行が誕生日祝いの“粗品”を持ってきた。まことに粗品だった。来年には「高齢者」になるのだが、そこそこ健康なら70歳定年でもそれなりに働けるのではないか。

父は61歳で亡くなった。小生が58歳でリタイアしたのは「自分も早死にだろうから、少しでものんびりしたい」という思いからだった。中共殲滅、朝日・岩波撲滅を見るまでは生きていたいなあとは思うが、どうなるものやら。

ソ連の崩壊や台湾の民主化なんてまったく想像もしていなかったが、小説より奇なることは起こるのだ。無血のゴルビー革命、李登輝革命。小生は2氏を尊敬している。習近平が暴れているのは断末魔なのかもしれない。

温厚な柯隆氏も次第に舌鋒鋭くなってきた。中共に愛想を尽かし、日本に帰化する覚悟ができてきたのだろうか。氏の論考「人民はバカじゃない 中国の愚民政治はいつまで続くのか?」(JBプレス2/16)から。

<中国では社会主義中国が成立してから一貫して「愚民政治」が行われてきた。人民を愚民化して、関心を政治からそらす愚民政治は、もちろん中国の専売特許ではない。

かつて日本でも愚民政治が行われていた。「水戸藩資料」には、徳川斉昭が「百姓に学問など全く不要だ」と公言したことが記述されている。権力者にとって人民を愚民化したほうが国を統治しやすくなる。

愚民政治においてもっとも重要なツールはプロパガンダ(宣伝工作)である。社会主義中国が成立する前の共産党は「共産党こそが貧しい人民の政党である」と宣伝していた。建国したあとの共産党は、「共産党がなければ、新中国がない」とのプロパガンダを徹底した。

また、毛沢東については、「大海を航行するときはヘルムスマン(ヨットの舵を取る乗組員)が頼りになるが、革命においては毛沢東思想が頼りになる」といった宗教の説教のようなプロパガンダが作られた。

プロパガンに加え、愚民政治が効果を発揮するためにもう1つ重要な条件がある。それは、外部の情報を遮断することだ。


毛沢東時代、中国社会は完全に真空パックされたような状態で、人民は外部の情報にまったく接することができなかった。外国の新聞を目にすることなどないし、一般家庭にはテレビなどなかった。唯一、外国の情報に触れることができるのは短波ラジオを通してだった。

政府は外国のラジオ放送を「敵台」(敵国のラジオ)と定義し、ラジオを聞く人は密告されて投獄された。多くの中国人は「敵台」が有害なものであると信じ、自ら聞こうとはしなかった。

むろん、今の中国社会をもう一度真空パックすることはできない。中国社会はすでに開放されている。いまや、毎年1億人以上の中国人が海外旅行に出かけている。インターネットは厳しく監視されているが、中国政府にとり不都合な情報を完全に遮断することはできない。

ちなみにネットにおいては、最近、時代の流れに逆らった言動が散見され、中国は毛沢東時代に逆戻りするのではないかと心配する向きがある。こうした心配は無意味ではないが、過度な心配は無用である。

*プロパガンダに迎合する知識人

金融市場では、わずかな資金をリスクの高い金融商品に投資して一獲千金を狙う投機的行為がある。社会主義体制では、マインドコントロールされていない知識人の「投機的行為」が見られる。つまり、政府のプロパガンダを熟知している知識人が、それに迎合した言動を繰り返すことで、自らの利益を最大化しようとするのだ。

世界的にも名前が知られている清華大学の某教授(経済学者)は、「中国共産党の集団指導体制はアメリカの民主的選挙で選ばれる大統領制より優れている」という趣旨の文章を執筆し、中国国内で発表した。

この大学教授はアメリカのマセチューセッツ工科大学(MIT)に客員教授として長期滞在したことがある。米国の大統領制と中国の集団指導体制の違いは、もちろんよく知っているはずである。指導者が聞きたいことしか言わないのは、まさに迎合主義者の常套手段である。

中国が社会主義体制を持続していくためには、自らにとり都合の悪い情報を遮断し、人民を愚民化していかなければならない。そのために政府はそのプロパガンダを利用し、人民に向けて同じような“説教”をなんども繰り返していく。

最近、中国の教育部長(文科大臣)は「学校で西側の価値観を教えてはならない」という談話を発表した。今さらこんな発言にどんな意味があるかと思われるかもしれないが、現下の政治環境を反映した発言とも言える。

*権力を失うことがなによりも恐ろしい中国の政治家

社会主義政治のもう1つの特徴は恐怖主義である。重慶市共産党書記だった薄煕来は、在任期間中に複数の政敵を違法な手段で投獄した。だが、権力闘争に敗れ汚職容疑で起訴された薄煕来は、皮肉なことに自分も公正な裁判を受けることができなかった。

日本の政治家は選挙で負けても、身の安全は保障されている。しかし、中国の政治指導者にとって、権力を失うのはこの上なく恐ろしいことである。天安門事件をきっかけに失脚した趙紫陽元共産党総書記は、裁判を受けることもなく、死去するまでずっと軟禁状態に置かれていた。

現在、習近平国家主席は共産党内の腐敗撲滅に取り組んでいる。だが中国の研究者の間では、権力者にとっては幹部が腐敗しているほうがいいとの指摘がある。なぜならば、政見が異なる幹部が腐敗していれば摘発する口実ができるからである。

こうして社会主義の政治においては、人民の存在はほとんど無視されていると言ってよい。共産党幹部の執務室が集まる北京・中南海の入り口には、「為人民服務」のスローガンが掲げられている。しかし、彼らは本当に人民のために服務しているのだろうか?>(以上)

インテリの心は中共からすっかり離れたと見ていいだろう。尊皇攘夷・公武合体が、ある時から「倒幕」に転換する。化学変化が起きるのだ。中共崩壊は必ず起きる。

■2月18日(水)。朝は室温11度、微雨、フル散歩。

ド素人のルーピー・オバマは米国にとって喜劇だが、世界にとっては悲劇だ。米コラムニストのチャールズ・クラウトハマー氏の論考「対テロ戦に消極的なオバマ氏」(世界日報2/17)から。

<ウクライナでは融和策 米国の倫理的正当性を否定

【ワシントン】国防長官は「世界の至る所が爆発している」、司法長官は、テロの脅威で「夜も眠れない」と言う。これは、現状を見れば、誰の目にも明らかだ。人質のカイラ・ミューラーさんの死亡が10日、確認された。11日には、イエメンの米大使館員らが退去した。イエメンは昨年9月にオバマ大統領が、米国のテロとの戦いの成功例と言っていた場所だ。

国外がこれほど混乱しているにもかかわらず、それに対してオバマ氏は、無気力と受け身の姿勢でしか対応してこなかった。

国家安全保障担当の大統領補佐官は、心配は要らないと言う。第2次世界大戦ほどではないという。混乱していると言っても、人類史上最大の破壊と戦争をもたらした第2次大戦のレベルにはまだ達していないから、安心していいと言っているかのようだ。その一方で大統領は、懸念を増大させているのはマスコミだと主張している。

ロシアは、ウクライナ東部深くに入り込み、「イスラム国」は、ヨルダンのパイロットを焼殺した。イランは、アラブの4カ国の首都に影響力を拡大している。ベイルート、ダマスカス、バグダッドと、最近はサヌアにも手を伸ばしている。

米国はそれをじっと見ているだけだ。オバマ氏はこのやり方を「戦略的忍耐」と呼ぶ。これは、戦略があると見せて、実は「行動しない」と言うのと同じだ。

ロシアを例に取ってみよう。(2/9のオバマと)メルケル独首相との1時間に及ぶ記者会見で出てきたニュースといえば、ウクライナに防衛的兵器を供給するかどうかはまだ決めていないという点だけだった。ロシアは、T80戦車とグラード・ロケット砲を投入している。米国は人道支援を実施し、毛布、軍用携行食、心理カウンセラーを送った。

ウクライナにぴったりの支援だ。T80の砲撃を受ける人々の心の痛みをカウンセラーを派遣して癒やそうというのだ。オバマ氏は、「ウクライナの人々は、米国が共にいるということを確信してくれるものと思う」と語った。

毛布のことも忘れてはいけない。エリオット・エイブラムズ氏は、米国はかつて民主主義の武器庫だったと語った。それが今では、毛布の保管庫だ。

なぜ対戦車用兵器など防衛的兵器を提供しないのか。攻撃の被害者に武器を持たせることが、攻撃者を怒らせることを恐れたからだ。

このような現実的な融和策は、言葉の上での融和策と併用すれば一層効果的だ。オバマ氏があえて、過激組織を名指ししようとしないのはその一例だ。

ホワイトハウスと国務省は一日中、パリのユダヤ食料品店が襲撃されたのは、ユダヤ人の店であることとは関係ないと主張していた。大統領が言ったように「食料品店でただやみくもに発砲しただけ」ということのようだ。だが、政府はその日のうちにこのたわ言を撤回した。それもツイッターでだ。

この消極的な姿勢は、戦略的にも、言葉の上でも、思想的にも、ブッシュ政権当時の過剰ともいわれるほどの干渉主義への反発もあろうが、それだけではない。失敗することへの恐れ、国内の左派からの圧力もあろう。だが、最大の要因は、われわれ、つまり米国、キリスト教徒、西側には、干渉し、進出する、つまり指導する倫理的な正当性はないというオバマ氏の固い信念にある。

これこそがまさに(米国と世界にとって)戦略的忍耐というべきものだ>
(以上)

「史上最低の米国大統領」、当確だ。

■2月19日(木)。朝は室温11度、快晴、フル散歩。

柯隆氏の論考にあった、中共高官の「学校で西側の価値観を教えてはならない」という談話について、「そもそもマルクス主義は西側の価値観ではないか」という反論が拡散し、支持され、「改革・開明派」も頑張っている、という石平氏の論考が興味深かった(今朝の産経)。

石平氏のコラムの隣は「正論」コラムで、櫻田淳・東洋学園大学教授が「テロ殲滅は『近代』を護る闘いだ」と書いている。「日本にとって、この妄想集団(IS) が、もはや『殲滅』の対象でしかない」とある。

「殲滅」なんていう言葉は小生のような高2レベルの単細胞ネトウヨが使う言葉で、いやしくも大学教授が口の端にすべきではないとは思うが、熱戦前夜のプロパガンダ合戦の今となっては、言論は鋭角的、鋭利になってくる。理性だけではなく「角度をつけて」(朝日用語)感性に訴えるようになる。

不信・反感・反発・嫌悪・憎悪・警戒の時代なのだ。

不安を煽る、怒りを煽る、不信を植え付ける、そして戦意高揚・・・「ハワイ、比島に赫々の大戦果 米海軍に致命的大鉄槌 戦艦六隻を轟沈大破す」「英東洋艦隊主力全滅す 海の荒鷲又もや大殊勲 戦艦プリンスオブウエールズ爆沈 レパルス号をも轟沈す」、戦前、戦中、戦後も朝日は感情に訴えて部数を伸ばした。

「味方は誰か、味方を守れ」「敵は誰か、敵を殲滅せよ」、そういう時代になってきた。

のんびりした時代は終わったのだ。史上最悪の主敵、中共を「殲滅、壊滅、撃砕、撃攘、轟沈、掃討、覆滅」(朝日が多用した表現)しなければ日本の未来はない。中共は不倶戴天の敵である。「屠る」(朝日用語)、そして地球上から抹殺する。ISは首斬り、焼殺までした。

毛沢東曰く「人間の殺し方は120ほどあるが、半分以上は俺が発明した」。ロープで吊るして前後に引っ張る「ジェットコースター」という見せしめのあとに袋叩きにする殺し方も毛沢東の発明だろう。我々は殺伐とした時代を迎えている。

頭に血が昇ったら負け。冷静にしっかり警戒し、防備し、反撃の準備をする。世界の警察官は昼寝とゴルフで当てにはならない。習近平にとって警察官がレイムダックの今年と来年は尖閣強奪の好機だ。海上民兵200隻に紛れて特殊部隊が上陸、占拠するだろう。

矢板明夫・産経新聞中国総局特派員の見立て(「中央公論」2013年9月号)。

<これまでの中国の最高指導者が党内における自身の求心力を高めるために、外国との戦争を仕掛けたことはよく知られている。初代の毛沢東は建国直後に朝鮮戦争に参戦し、米軍と戦った。文化大革命後に最高権力を握ったトウ小平は、改革開放をはじめると同時にベトナム侵攻を行った。

三代目の江沢民氏は九三年ごろから実権を掌握しはじめたといわれているが、その三年後に台湾海峡で大規模なミサイル演習を行い、台湾の総統選挙を威嚇した。四代目は穏健派といわれた胡錦濤氏が登場し、戦争はしなかったが、北京五輪を開催し、これを国威発揚の場とした。

習氏も前例に倣い、尖閣問題で軍事行動をとることを考えている危険性がある。尖閣を占領すれば、習氏は一気に中国の「民族英雄」として歴史に名を残すことになるからだ>

習を排除しないとそういうことになる。習はもはや「殲滅」の対象でしかない。(2015/2/19)


2015年02月19日

◆ロシアを追いやったオバマの愚策

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)2月18日(水曜日)通巻第4471号> 
 
〜ロシアを「あちら側」へ追いやったオバマの愚策
   中国が建設のニカラグア運河をロシアは軍艦の通り道にする〜


考えてみれば歴代アメリカ外交は誤断に基づくとてつもない見込み違いを繰り返し、結果的に取り返しの付かない失敗に繋がることの連続である。

近年ではサダム・フセインが大量破壊兵器を開発しているという理由でイラクに戦争を仕掛け、あげくにスンニ派のバース党を解体させ、シーア派政権をバグダッドに樹立させた。

その揺れ返しがISILという「アルカィーダ」よりも残酷なテロリスト集団を誕生させた。もとはと言えば米国の失策から誕生したのだ。アルカィーダもアフガニスタン戦争の結果が産んだ化け物である。

1930年代後半から日本の台頭に不快感を抱いたルーズベルトは心底からの親中派で、共産主義に深い同情と理解を示した。

もっとも彼の周りはコミンテルンのスパイばかりだったため、あろうことか中国を支援し、日本をくじいた。ヤルタの密約で、宏大な利益をソ連に差し上げたのもルーズベルトだった。

味方と考えてきた蒋介石への援助を中断し、毛沢東に結局シナ大陸を支配させた。「誰がチャイナを失わしめたか」とリチャード・ニクソン等は後年、ルーズベルト外交を攻撃した。

こんにち真珠湾攻撃はルーズベルトの仕掛けた罠であったことも証明されている。が、米国でこの真実を言うと「修正主義」のレッテルを貼られる。

朝鮮戦争で恩を仇で返すかのように毛沢東は朝鮮半島に義勇軍を送り込んできた。米国は爾来、ソ連と中国を一枚岩の共産主義同盟と誤認し、封じ込めを図った。

40年代の政策を逆転したのである。

中ソ対立が起きていたことを鉄のカーテンの向こう側の政局激変を知らずにいた米国は、ある日気がついた。それは敵の分断、内訌を促進する作戦である。

米国と自由世界の主要敵であるソ連を封じ込めるには、むしろ中国を駒として利用することが得策であり理にかなっていることに米国は活路を見いだした。

ニクソンの安全保障担当補佐官だったキッシンジャーは中国の軍事同盟国=パキスタンを訪問し、3日ほどホテルで病気と称して引きこもった振りをして、イスラマバード経由で北京に密かに飛んで周恩来と密談をなし、米中関係の劇的な再生に結びつけた。

ニクソン・ショックと呼ばれる米大統領の北京訪問が発表された。

この間、米国は徐々に中国へてこ入れを開始し1971年のニクソン訪中から、79年の国交回復の期間に台湾と外交関係を断ち切り、スポーツ文化交流から軍事交流への道を突っ走る。

もし中国がソ連と軍事衝突し、それが長期化した場合、米国は装備などの支援のほか、ソ連軍の動きを分析した情報の提供もほのめかし、中国軍の脆弱性を補完するなど中国軍の近代化に側面的援助をなした。

それが布石となって今日の中国軍はおばけのような凶悪な存在となった。

米中雪解けを商業的に先読みした日本は中国に急接近するために台湾を弊履の如く捨て、異様な金額を注ぎ込んで、中国の経済発展を助けた。

将来を不安視する声を、日本のマスコミは黙殺し、企業は中国への投資を進めた。戦前のコミンテルンのごとき代理人役を果たしたのが、日本の主力メディアだったのだ。

やがて中国が経済力をつけると、それが軍拡になって将来日本への脅威となることを当時の日本の政治家も財界人も考慮した形跡がない。だから米国の歴代政権同様に日本も愚かだった。

しかしソ連が崩壊し、新生ロシアが米国の脅威とみなされなくなると、米国の対中態度はがらりと変わる。

なにしろ米国の軍事力に挑戦しようというライバルの出現に敵対的になるのは大国として当然である。

したがって現状を分析すれば、「ロシアを中国から引きはがすことは、あたかも1970年代にソ連から中国を引き離したときにように、アジアに於ける力の均衡において好ましい影響をもたらすことになる。

ヨーロッパにおけるロシアの報復主義を阻止しながらも、アメリカ政府はこの可能性を排除してしまうような行動はいっさいとらないようにすべきであろう」(アーロン・フリードバーグ『支配への競合』、佐藤亮監訳、日本評論社)

だがオバマは間違えた。

オバマはルーズベルトと同じ過ちを犯し、ロシアを『あちら側』に追いやってしまうという愚を、歴史の教訓を考えずに、周囲の反対も聞かずに押し切って将来の歴史家から愚昧な大統領として評価されるしかない道を選んでしまった。


 ▼ロシアの反撃が始まった

すでに多くの点で米国の思惑は大きく外れ、中国の敵対的行動は、とうとう米国の目の前に現れたのだ。

ニカラグア運河の建設が始まった。

「米国の裏庭」で中国は、米国の大きな権益があるパナマ運河に対抗するため膨大な建設費を投じてニカラグアの東西を貫通させる運河を建設し、数年で完成させると息巻いている世紀のプロジェクトだが、はたして『ニカラグア運河』が完成するか、どうかは高見の見物だろう。

世界の情報筋も、これを半信半疑で見ている。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は先ごろ、このニカラグラ、ベネズエラ、そしてキューバを訪問した。

いずれも中国が大々的な投資をおこなっている国々だが、もとはと言えばソ連時代の「あちら側」だった国々である。

キューバはソ連の代理戦争を各地で闘ったほど、反米のあまりにソ連衛星圏の中核的存在だった。オバマは、そのキューバへの制裁を徐々に解除しはじめ、将来の国交回復を述べた。

ニカラグアのサンディニスタ独裁政権はソ連の後ろ盾で革命に成功した。 セルゲイ大臣はニカラグアでソ連軍艦寄港の弐国間取り決め交信にサインし、また将来、ニカラグア運河完成のおりは、ソ連の軍艦が通過するとした。

「これは重要な案件であり、ソ連の軍艦が太平洋からメキシコ湾へ入れることを意味する。ロシア海軍は長距離巡航ミサイルを装備した艦船を保有しており、これらがキューバの近海で遊弋すれば、米国の下腹部をいつでも襲撃可能となる。これこそはロシア周辺国に米国と連携した軍隊の展開に対してのロシアの回答である」。

米国のキューバへの急接近はキューバ側が要求しているグアンタナモ基地の撤収が最初になされて以後、本格化するかも知れないが、ロシアは国防大臣を送り込んで、米国の急な接近を牽制する。

ただしキューバでラウレル・カストロ議長と何が話し合わせたかは発表がなかった(英語案プラウダ、2月16日)。
 
ベネズエラでは火砲、戦車、機械化装置など軍事物資の購入に関して打診し、また共同の軍事演習についてつっこんだ話し合いがもたれたという。

インドはモディ首相の登場以来、たしかに親米路線に外交方針を変えたが、それでもプーチンをあたたかく迎え、対米外交との均衡をとる。なぜならインドの武器システムはソ連時代から露西亜製で体系化されており、短時日裡に米軍システムに切り替えは不可能だからだ。

ニカラグア、キューバはインド同様な境遇にあり、中国がいかにしゃかりきになろうともラテンアメリカ諸国の武器、防衛体系は一朝一夕に中国のシステムに二者択一というわけにはいかないだろう。

ともかく中南米でおきているのはロシアのクリミア併合に端を発し、ウクライナの戦火拡大に抗議してとられた欧米の対ロ経済制裁が、ロシアをして、こうした報復的行動を採らせてしまった。

最大の脅威=中国にロシアは依拠せざるを得ない環境をつくりだしたわけであり、オバマのロシア制裁はあまりにも拙速だった。

◆反日記者の無恥・嘘八百

平井 修一



久々に反日屋の言葉に触れて、少なからぬショックを受けた。完全にイカレテル! 志葉玲著「ジャーナリストが行かなければ紛争地の真実は伝えられない テロをなくすために日本が本当にやるべきこととは」(JBプレス2/13)から。

<ジャーナリストの後藤健二さんがISIS(イスラム国)に殺されてしまったことは、筆者とっては、他人ごとではなく衝撃的だった。後藤さんと面識はなかったが、同業者として、非常に残念に思う。

またこの事件を利用して、政府がジャーナリストの活動を封じ込めようとしていることにも、それに同調する意見がネット上に少なからずあることに、危機感を感じる。

そこであくまで筆者の私見になるが、ジャーナリストたちはなぜ、紛争地に行くのか。また、なぜ中東が現在のように混乱した状況になったのか、論じたい。

*報道は民主主義の要であり平和に貢献する

講演などで、筆者が必ず聞かれることは「なぜ、危険な紛争地に行くのか?」ということだ。これについては、大きく2つの理由がある。

1つは、報道によって、少しでも戦争で傷つき殺される人々を減らすことができるかもしれないということだ。

2014年夏のパレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の侵攻、特に地上軍の侵攻以降では、日本人ジャーナリストは筆者含め3人しかいなかったものの、世界各地からジャーナリスト達がガザへ集結していた。米国やイギリス、ドイツやスペイン、インド・・・etc。

各国のジャーナリストが現場からイスラエル軍の無差別攻撃の実態を報じたのである。イスラエルが圧倒的な軍事力を持ちながら、ハマスとの停戦に応じざるを得なかったのは、現地から報道に世界中の人々が憤り、国際世論がイスラエルへの圧力となったからだろう。

イラク北部や中部、西部のスンニ派教徒にとって、イラク政府よりはISISの方がマシという状況があり、だからこそ2〜3万人程度の兵力で人口200万人のイラク第2の都市モスルほか広範な地域で影響力を行使できているのである。

つまり、現在も続けているイラク政府やシリア政府の戦争犯罪を国際社会が止めようとしないことこそ、ISISが勢力を拡大してきた直接の原因だ。

イラク政府やシリア政府に対しても、残虐行為や空爆を止め、和解を促すように訴えるべきだ。それが奏効すれば、ISISはその勢力を弱めていくだろう>(以上)

「ジャーナリストが行かなければ紛争地の真実は伝えられない」と言うが、本当なのか。

光州事件は1980年5月18日より10日間、韓国の全羅南道光州市で起きた学生・市民による反政府暴動事件だが、これを現地取材した記者が「あちこちで戦闘が行われているので、どうなっているのか全然分からなかった」と書いていた。

それをはるかに遡るベトナム戦争。大辞林によればこうだ。

<ベトナム戦争:ベトナムの独立と統一をめぐる戦争。1960年結成の南ベトナム解放民族戦線は、北ベトナムの支援のもとに、南ベトナム軍およびこれを支援するアメリカ軍と戦い、69年臨時革命政府を樹立。73年和平協定が成立しアメリカ軍が撤退、75年南ベトナム政府が崩壊、翌年に南北が統一された>

世界中からジャーナリストが南ベトナムに集まって報道し、小学生だった小生は「特派員になりたい」と思ったものだが、核心的な真実はまったく報道されなかった 。枝葉末節の民族戦線・北ベトナム応援の現場報告ばかりだった。

現場報告では、主役(いい者)は南ベトナム解放民族戦線と北ベトナム、敵役(悪者)は南ベトナム軍およびこれを支援する米軍となっていた。

民族戦線は、コミンテルンが創始した人民戦線であり、共産主義者から愛国者までの緩やかなつながりだったが、敵に対しては残虐で、大量処刑をしたほか、一般市民を巻き込む無差別爆弾テロ事件も各地で数多く起こした。

事実上、ベトナム労働党(共産主義)が指揮したが、その上の最高司令部は当然、北ベトナムだった。

ベトナム戦争は本質的には共産主義国家・北ベトナムによる資本主義国家・南ベトナム侵攻戦争だったのだが、世界中のマスコミも記者も、昔からソ連・中共・共産主義=善、米国・日本・資本主義=悪という思想に染まっているから、民族戦線・北ベトナムを応援し、米軍・南ベトナム軍の残虐振りを指弾するばかりだった。

この偏向報道により、世界各地で米国・南ベトナムを非難する反戦運動も盛り上がり、米国では厭戦気分が蔓延していった。

1973年に南北および米によるパリ和平協定が成立し米軍が撤退すると、北ベトナムは「アメリカの再介入はない」と判断、南ベトナムを完全に制圧し、南北ベトナムを統一すべく1975年3月10日に南ベトナム軍に対する全面攻撃を開始した。

4月30日、南ベトナム大統領が国営テレビとラジオで戦闘の終結と無条件降伏を宣言。その後の午前11時30分に北ベトナム軍の戦車が大統領官邸に突入し、サイゴン陥落、南ベトナムは崩壊した。

北の報復を恐れた多くの人々は難民「ボートピープル」となって故国を離れた。

なお、「裏切られたベトナム革命―チュン・ニュー・タンの証言 (中公文庫)」は、南ベトナム臨時革命政府の元閣僚が、血をはく思いで指導部の矛盾と変質、権力と抑圧を告発し、ベトナム解放のからくりと正体を証言によってあばいているという。書評から。

<戦後、北ベトナムは続々と人員を送り込み支配力を強化、生き残った解放戦線のメンバーをも骨抜きにして、ついにはベトナムの統一を実現します。南ベトナム人民の解放を目指した戦闘は結局、北ベトナムという支配者を生み出しただけのことだったのです>

勝てば官軍、北にとって民族戦線は不要の長物になり、チュン・ニュー・タンはフランスへ亡命した。

以上がベトナム戦争終結40年後の小生の解釈だが、記者連中は結局、共産主義者に「寄り添い」応援したのだ。その従軍取材では南ベトナム軍と米軍の保護を受けていたという、すさまじい矛盾。

志葉玲は昨年のパレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の侵攻についてハマスに同情的、イスラエルに敵対的だが、記者連中はなんとイスラエル軍の保護を受けていたのだ!

田中龍作ジャーナル「外国人記者がイスラエル軍に殺されない理由」
2014/8/24から。

<大半の外国人記者はイスラエル軍の関係機関に自分の「携帯電話番号」
「メアド」「宿泊先」を通知する。ガザのゲートを管理しているのがイスラエル軍だからだ。ガザから退出する際に“お世話になる”。

爆撃から身を守る必要もある。イスラエル軍がメールで「今夜、ガザ市内でも空爆があるので外出するな」と知らせてきたりする。

今回の戦争で外国人ジャーナリストは直接攻撃されていない。イスラエル軍は、パレスチナ人記者と外国人記者を識別できるのである。

携帯電話だ。携帯電話に付いているGPS機能により、イスラエル軍は外国人記者の位置を特定できる。

田中は臆病者ゆえ、イスラエル軍にしっかり自分の携帯電話番号を知らせた。

イスラエル軍は、外国人記者を爆撃に巻き込むことだけは避けたい、と思っているようだ。

外国人記者が守られている極め付けのケースがある。ガザから退出する際の安全誘導だ。イスラエル軍の関係機関から「某日の某時までエレツ検問所まで来られたし」とメールが来る。

ところがエレツ検問所に行くには最激戦地のベイトハヌーンを通らなければならない。イスラエルによる誘導なしでゲートまで行くのは自殺行為に他ならないのだ。 

イスラエル軍の関係機関が指定した時間、イスラエル軍はホテルからゲートまでのエリアの爆撃を控える。外国の記者たちは安全にガザから退出できる、という訳だ。送迎バスが出ていた時期もあった。

外国人記者の安全を二重三重に守るイスラエルが、海外メディアに期待する見返りは何か。今回の戦争に限っていえば、虐殺などの重大局面で、海外メディアの報道がイスラエルに決定打を与えるようなことはなかった>(以上)

イスラエル軍に守ってもらいながら、田中はこう書くのである。

<目の前でイスラエル軍により肉親を殺され、家を破壊されるガザの子供たち。彼らは想像を絶するほどの凄惨な状況に置かれている。(国連の避難所で)ロケットのような絵を描いていたのは、激戦地のベイト・ラフィーヤから避難している少年(11歳)だ。

一緒に避難していた少年の父親は家財道具を取りにアル・シジャーイヤの自宅に帰ったところを、イスラエルの無人攻撃機に狙い撃ちにされた。変わり果てた父親とは病院で対面した。父親の体は四分五裂の状態だった。少年に「ガザから脱出したいと思わないか?」と聞いた。

「考えていない。父のようになって国を守る。ガザを愛している。ハマスは家族のようなもの」。少年はてらうことなく答えた。

父は若い頃、ハマスの軍事部門「アルカッサム旅団」の兵士だった。トラウマとなるほど少年の心に刻印されたイスラエル軍への憎しみは、新たなハマス兵士を生む。イスラエルは敵を作り出しているようなものだ。争いは絶えなくなる>(以上)

ハマスはイスラエルの生存権を否定している。共存を拒否している。平和の敵はイスラエルかハマスか。志葉玲、田中龍作よ、「左巻ジャーナリストが行ったところで紛争地の真実は伝えられない、むしろ歪められる」というのが「不都合な真実」ではないのか。(2015/2/14

◆大誘拐強姦賄賂推進大国:日本

MoMotarou



理論経済学はいつでも「その他の条件は一定とする」と書いてあるが、そんなことはめったにないので経済学は役に立たない学問だとされるにいたった。仮に経済が豊かになっても、倫理・道徳が消えてはやがてその豊かさも失われるという原点に経済学は戻りつつある。それはすでに日本がやっていることである。 (日下公人 評論家)

        ★

「羊頭狗肉」とでも言うべきタイトル(笑)。日本国のことではない。朝鮮半島に存在する国のこと。北も南も揃って「誘拐」が国技らしい。

■賄賂は賄賂にあらず。「魚心あれば水心」

大韓民国に拉致されている産経新聞加藤前支局長が、まだ母国日本に帰国できない。二階俊博自民総務会長が1400人で訪韓したので、当然"圧力"を掛けて一緒に連れて帰るのだろうと期待していた。事実は違った。

自分の選挙支持団体である観光業界を連れての「PRデモンストレーション旅行」。誰も言わないがこれは事実上「政治資金パーティー」を偽装するものである。5万の旅費のツアーを10万円で売る、押し付ける。そうだったら小沢一郎と同じ。相手からのお土産も美味しい。

■中国では賄賂は賄賂にあらず。当たり前の「礼儀」

次は中国に大ツアーをするらしい。訪問の順番が小沢一郎と逆なのが面白い。深読みすると「何か密命を帯びて」と思いたくなるが、そんな事は一切無いだろう。この種の勝手を見逃していたら国が傾くと「貞観政要」に書いてあった。安倍政権も長くない。

■イスラムらしくない過激派声明

「過激派組織IS」が、今回の日本人誘拐殺害事件は「日本国を辱める為に行った」、と悔し紛れの声明を発表した。砂漠の民・過激なイスラムの戦士はこんなことを"一々(いちいち)"言わない。

安倍晋三が、日本国が、揺るがなかった事で「面子」を潰された国がホザイているのである。予定通り朝鮮総連会館を取り戻した。「あの二人は人選も的確で安く上がった」。ISISは約束通り仕事はした。

■ 銭だ!金だ!円だ!

大韓民国がまたタカリに来そうである。冒頭の二階俊博自民党総務会長の訪韓は、間に入って"良い事"をしようとする誘い水の一滴。マスゾエばかり美味しい事はさせぬ。次の東京オリンピックでは"学会"の華麗なマスゲームが開会式で見ることができるだろう。安倍首相も大変だわい。


<ちなみに首都のワシントンDCは上院議員がいない(下院議員は選出されるが議決権を持たない)。つまり首都である東京都の人々には選挙権がほぼないという話である。「経済コラムマガジン14/10/27(818号)」より>
 http://www.adpweb.com/eco/eco818.html

◆人は生まれながら平等ではない

Andy Chang

世界人権宣言の第1条に、「全ての人は生まれながらにして自由であり、かつ、宣言と権利について平等である」とある。世界人権宣言は理想であり、同時にウソである。人は生まれながら平等ではない。「人は生まれつき自己の思想行動において自由平等である権利を持つ」と書くべきである。

人は生まれつき平等ではない。平等宣言は人類の理想かも知れないがどの国も人権宣言を遵守しない。

不平等を無くすのは「為政者の理想」であるが為政者にできることは少ない。資本主義は自由競争の便宜を図る、つまり人に出来るだけ多くの自由を与える。共産主義(または社会主義)は「為政者が」平等を強制するから為政者独裁となる。独裁は不平等の極みである。

●共産主義の失敗

共産主義が成功したのは「階級闘争」であった。人は生まれながらにして不平等で社会も不平等である。だから共産主義とは不平等を無くす戦い、階級闘争であった。不平等はいくらでも作り出せる。資産階級と無産階級、資本家と労働者、資産家と貧乏人、地主と小作人、なんでも階級闘争の目標となる。

闘争とは奪うことだ。無い者が有る者から奪い取るのが階級闘争である。個人的に闘争は難しいから共産国家が強制する。ソビエト連邦や中国共産党は階級闘争を「人民の為」をスローガンとしながら資産階級から掠奪したものを国有資産とした。中国では「黒五類」と呼ぶ「地主・富農・反革命者・破壊者・右派」を人民の敵として処罰した。

共産主義とは階級闘争だが、階級を無くすために強力な政府を創り、政府と人民が対立し、新しい階級だ生まれた。共産主義を実施した国家は階級闘争を叫びながら統治階級と被統治階級、「主人と奴隷」の階級を作り上げたのである。

中国の共産主義は失敗したが、毛沢東に続くトウ小平が独裁的資本主義を導入した。独裁的資本主義は為政者の権力と汚職の源泉となったのである。本来なら資本主義は自由競争であるべきだが、独裁的資本主義は権力者に決定権があるため汚職が横行するようになったのである。自由競争ではなく政府が独り占めしたのである。

毛沢東は無産階級闘争で資産家を追放したが、毛沢東独裁となった。トウ小平は為政者階級と無産階級を作った。いまの習近平は汚職追放を掲げて地方独裁を無くし、唯一人の独裁者となるつもりである。習近平は独裁者だけでなく覇権国家としてアメリカと蹴落とそうとしている。つまり世界の独裁者、皇帝を目指す。

●オバマ共産主義の失敗

オバマの外交政策においての失敗は世界各国の知るところである。オバマが大統領に就任して以来、中東問題はヘマの繰り返しで、ISISの急速な発展を許しただけではなく、最近の米国記者、日本人記者の殺害からヨルダンの飛行士を焼死し、エジプトのコプト教信者21人を並べて斬首した事件など、オバマは米兵の中東派遣を拒み続けている。

ジョン・ケリーは50年来最悪の国務長官と言われ、6年間でCIA長官三人、中東問題の軍司令官は5人以上が退役し、内政部長、税務局長などが相次いで辞任した。辞任したCIA長官のうち二人はオバマ在任中に回顧録を発表してオバマを厳しく批判し、三人目は辞任したばかりだ。

オバマは共産主義者だといえば反対する人も多い。オバマが社会主義者、人種主義者(黒人優先)なのは誰も認めている。外交の失敗はともかく内政でも失敗している。なぜなら彼は「富の再配分」という大義名分をもつ独裁者を目指しているのである。習近平の野心と変わりはない。

「社会福祉国家」といえば国民は賛成するかもしれないが、資産家から金を取って無産階級に与えれば共産主義国のように補助金で暮らす怠惰な国民が増えて生産力が激減するのは当然である。

民主党は政府が補助金を出して国民の生活を助ける趣旨の政党で、金持ちから金を取って中産階級や無産階級に国家補償として与えるのが理想で、大きな政府を目指すと言われている。政府は非効率的だから政府が金を扱えば浪費が増して国民に与える分が減る。

オバマはこれに輪をかけた浪費家で、当選前はブッシュが8年間で赤字を4兆ドル増やしたと批判したが、オバマが当選6年で赤字を6兆ドル増やした。それでもまだ高収入者の所得税を上げる政策を主張している。オバマ共産主義の失敗である。

●資本主義とは自由競争

共和党の主張とは、国民の税金を軽減すれば国民全体が潤い、経済活動が活発になる。国民の自由競争が進めば国は強くなると主張する。資本主義の要諦は自由競争である。オバマとは違う政策を主張しているがオバマは共和党に闘争的で米国は二極化した。

人は生まれながらにして思想、行動の自由と権利が保障されなければならない。人は生まれながら不公平である。人種、皮膚の色、宗教など違った社会に住んでいる。個人能力にも違いがある。しかし政府として自由民主を尊重し、個人の活動を保証するなら個人の負担(税金)を軽くすべきである。できる者、富める者から税金を多く取って競争力や行動意力を矯めるべきではない。

国の指導者が自由競争を助ければ国は強くなる。指導者は社会格差を無くすと称して資産階級から掠奪してはならない。国家補償の福祉は国民を怠惰にする罠である。



    

◆日本が愛される理由

平井 修一


ブログ「日本人よ、誇りを持とう」2/14が、昨年、外務省がASEAN諸国を対象にした日本に対する評価を取り上げていて興味深い。外務省の以下のサイトに詳細な報告が載っている。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000036036.PDF

以下、上記のブログから。

<(外務省の)「ASEAN調査2014」の結果、日本は調査(評価)対象の11カ国(中韓、欧米、豪などを含む)の中で最も信頼できる国と評価されました。日本33%、シナ5%、韓国2%でした。

国別に見るとインドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナムが日本のことを一番信頼できると評価しています。

よく総理大臣や閣僚が靖国参拝をするとアジア諸国が反発すると言う識者やマスコミがありますが、実際にアジア諸国というのはあの「2カ国」だけであり、その「2カ国」はアジア諸国から信頼されていない国であるという結果でもあります。

日本を信頼してくれているこれらアジア諸国に共通しているのは、日本の先人達の偉業から始まっていることを忘れてはいけません。

日露戦争で白人に勝った日本に対しアジアの人達に「やればできる」という自信を与え、大東亜戦争では緒戦の多くの勝利で限りない勇気を与え、そしてその後の圧倒する物量のアメリカにも特攻精神でアメリカ人を心底震えあがらせた大和魂を目の当たりにし、アジアの独立をともに戦ってくれた日本への強い信頼があるのです。

その上で、戦後のあの壊滅的状態にあっても見事に経済大国にまで立ち直った日本に対してのあこがれとともに、自分達も日本を見習ってやれば必ずできるという目標を与え、それに対して日本も協力し、支援してきたのです。特にアジア諸国の人達が評価しているのは日本人の正直さ、誠実さ、そしてまじめさにあるといいます。

日本への信頼はそれだけではありません。日本人のほとんど知らない話ですが、タイではこのようなことがありました。

昭和39年、皇太子殿下(今上陛下)と皇太子妃(皇后陛下)がタイをご訪問され、この時、タイの地方の養殖試験場に行かれました。当時、タイ人はたんぱく質不足に悩んでおり、そのためにタンパク源の確保として魚の養殖を研究していました。

その時、食用にするためのテラピアを外国から導入する研究をご覧になられた皇太子殿下は「テラピアよりもテラピア・二ロティカスの方が適当ではないか」と助言されました。皇太子殿下は魚の研究もなされていて大変お詳しかったのです。

皇太子殿下は帰国後早速、東宮御所内の池でテラピア・二ロティカスを養殖され、翌年に50匹をタイのプーミポン国王に贈呈されました。国王は早速バンコクの宮殿内の池で数万匹に増殖して、タイ全土に配られました。

この魚をタイ国王は「プラー・ニン」と名付けました。この「ニン」は皇太子殿下「明仁」の「仁」から名付けられました。プラー・ニンは現在もタイでは最も一般的な食用淡水魚であり、そしてタイの国民の重要なタンパク源になっています。

この話は日本では報じられずにほとんど知られていませんが、タイではこの話はほとんどの人が知っています。平成17年の愛知万博の時にタイ政府は「天皇陛下のプラー・ニンの寄贈に感謝申し上げます」と書いた銘盤を誇らしげに掲げていたのでした>(以上)

いい話だ。今上天皇の共著書には以下がある。

『日本産魚類大図鑑』『日本の淡水魚』『日本産魚類検索 全種の同定』。ちなみに昭和天皇は『相模湾産ヒドロ虫類』などを著された。

「ピクシブ百科事典」にはこうあった。

<テラピア・ニロティカス(ナイル種のテラピア)=プラー・ニンは公式には「黒い魚」の意。プーミポン国王は、国民にプラー・ニンを食べることを勧めていたが、自分が食べることは決してなかったという。理由は「プラー・ニンが自分の子供のように思えるから」とのこと>

体長は45〜50センチになるという。ウィキには――

<日本では第二次世界大戦後の食糧危機においてタンパク源として注目された。

このうち食用として普及したのはナイルティラピアで、流通名は「イズミダイ」又は「チカダイ」と呼ばれ養殖されている。流通名として高級感があるなどといった理由で付けられた名前だが、鯛類とは全くの別種で、生息環境も異なる。

外観もクロダイまたは鯛に似て、味や食感も非常に美味だが、国産の養殖のティラピアは、生産量や人件費の関係で比較的高価であり、近年、日本では鯛そのものが大量に養殖されるようになり、鯛そのものの価格も下がったため、ほとんど見かけなくなった。

1960年代、タイ王国の食糧事情が難しいと知った魚類学者でもある皇太子明仁親王(今上天皇)は、タイ国王にティラピアを50尾贈り、「ティラピアの養殖」を提案。タイ政府はそれを受け、現在、タイでは広くティラピアが食されている。このエピソードにちなみ、タイでは華僑により「仁魚」という漢字がつけられた。

1973年のバングラデシュでの食糧危機に際しては日本政府がティラピアの親魚を50万尾贈呈した>

「日本が愛される理由」のひとつだな。

ところで政府は「先の大戦での反省」を枕詞のように繰り返しているが、敗けたこと以外に反省すべきことがあるのなら国民に説明すべきだ。ハーグ陸戦規定に則って戦争をして、日ソ不可侵条約も最後まで守ったし、講和条約に従って莫大な在外資産の譲渡や賠償金も済ませた。

反省しろというのなら、多くの国民は「次回は雪辱戦だ、必勝を期す!」とならないか。(2015/2/15)


      

2015年02月18日

◆団派と上海派、地下で連携か

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成27年(2015)2月17日(火曜日)弐 通巻第4470号 >

 〜団派と上海派、宿命のライバルが地下で連携か
   習近平の強引すぎる粛清に、両派が反発を強めている〜

春節(旧正月)前の2月13日、共産党中央紀律委員会(以下「中紀」と略)は「6虎」の失脚を発表した。これら6名は「重大な規律違反」につき拘束、取り調べが進行中とされ、多くが党籍剥奪処分となった。(周永康ら大物を「大虎」、中級は「中虎」と表現)。

全国政治協商会議副主任だった蘇栄が巨額の収賄容疑で、すでに14年六月に失脚したが、今回の中紀の発表では正式に「党籍剥奪」とされた。この蘇栄は「中虎」クラスだろう。

ほかの5人は、天津市政協会議副主任だった武長順。黒竜江省全人代副主席だった随凰富。河南省全人代副主任だった秦玉海。 山西省副省長だった社善学。そして江蘇省政協会議副主任だった斯?長。

とりわけ斯?長は、習近平が同省の書記時代に党の組織部長で、習直属の部下だったため「すわっ。太子党も粛清の対象か」と騒がれている。太子党からいままで一人の犠牲もでていないので、バランスを取ったという見方もある。

その前日、『中国観察』が2017年の党執行部という予測記事を掲げ、「王岐山は退任、ネットでは新常務委員メンバーに驚きのリスト」と報じた。
 
これによれば、現在『反腐敗キャンペーンの』の主役である王岐山(政治局常務委員、中国共産党中央紀律委員会書記)はすでに2017年には70歳を越えるため次期党大会での引退を表明している。

中国共産党政治局常務委員は就任時点で67歳以下という不文律があり、こうなると現行7人のうち、習近平総書記、李克強首相以外の5人は年齢制限で退任する。

となれば誰が新たな常務委員となるのか?

『僑報』は胡春華、孫政才、汪洋という団派のライジングスターの3人に加え、「習の側近中の側近」とされる王滬寧と栗戦書の2人を加えた観測気球をあげた。


 ▼習近平の軍師ふたり

王は習の外交に同行し、演説草稿も起草するので「中国のキッシジャー」と言われる学者タイプ。栗は習が陝西省に下放時代の友人で団派でもあるが、中央弁公室主任に抜擢された。同職は「大統領首席補佐官」に匹敵する重要ポストで、要するに、この王と栗が習近平の「軍師」とも言われている。

注目点は団派の最有力政治家である李源朝(国家副主席)が入っていないことである。

李源潮は息子のスキャンダルが習近平サイドから意図的にリークされ、苦境に立っていると噂される。
 
いずれにしても失脚対象が上海派から令計画の失脚で団派へと広がり、そして今回は習近平の部下にまで査問対象の範囲が伸びたことは、バランスを取るためだろうが、舞台裏では密かに団派と上海派の連合して「反習近平」連合の策動が進んでいるとされ、反腐敗キャンペーンも、別の局面にさしかかった。